■War Inside You/STORM OF VOID

War Inside You
War Inside You
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STORM OF VOID J.ROBBINS
Hostess Entertainment (2017-09-20)
売り上げランキング: 139,659




bluebeard/NAHT/TURTLE ISLANDのGeorge BodmanとenvyのDairoku Sekiによるスラッジバンドの2017年リリースの待望の1stアルバム。
前作EPでは3人編成だったが、今作では結成当初の2人編成に戻り、ベースもGeorge氏が弾いている。
またゲストボーカルにNapalm DeathのMark'Barney' GreenwayとJawboxのJ. Robbinsが参加した事も大きな話題となっている。
SOVは登場から独創的なスラッジサウンドと圧倒的なライブパフォーマンスで多くの話題を集めていたが、今作は良い意味でこれまでのSOVを裏切る会心の一枚に仕上がった。



今作で提示したSOVのインストによるスラッジサウンドはRUSSIAN CIRCLESやPELICANといったポストメタルの雄とリンクする部分は大いにあるが、それらのバンドとはまた違うアプローチを展開している。
先行公開された第1曲「Into the circle」は複雑なアンサンブルを最小限の2人編成で乗りこなし、8弦ギターで弾き倒される複雑なリフの嵐とストイックなビートが高揚感を与えてくれるが、音は間違いなくヘヴィであるのに不思議な丸みを感じるサウンドプロダクトに仕上がっている。
こうしたサウンドスタイルのバンドはヘヴィさを前面に押し出し、熾烈さや凶悪さからエクストリームへと導いていく物が多いが、SOVはそれらのヘヴィさをしっかりと守りつつ、タイトでありながらも優しい音に仕上げている。ストイックなヒリヒリとした緊張感の中からにじみ出る温もりは他のバンドには中々ないものだろう。
前作EPに収録されていた楽曲を再録した第3曲「Silent Eyes」、第8曲「Ice Lung」の2曲もストイック緊張感はそのままに現在のSOVの温もりが加わり、より新鮮な響きが伝わる。

Mark'Barney' Greenwayがゲストボーカルを取る第2曲「Bow and Scrape」では熾烈なサウンドとBarneyのボーカルが見事にシンクロし、一方でJ. Robbinsがボーカルを取る第8曲「War Inside You」では硬質なサウンドの中の男気と哀愁と、二人のゲストボーカルはSOVのサウンドを自分のものとして料理し、それぞれが化学反応を起こしている。



SOV側の気合いと覚悟と自然と伝わる渾身の一枚に仕上がった今作であるが、スラッジ/ポストメタルと呼ばれるサウンドもまだまだ先に行ける事を証明。これまでに多くの実績とキャリアを積んだ男二人が新たなるエクストリームミュージックのスタンダードを提示した。

今作全体に漂うのは極限でありながらも自然体な音だ。余計な装飾を施していないからこそ、音の旨味を存分に堪能出来る。
スラッジ/ポストメタル系のファンは勿論、それ以外の音楽好きにも是非とも触れて欲しい世界が今作には存在する。



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■Neutralize/Su19b

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神奈川発世紀末行きブラッケンドパワーヴァイオレンスことSu19bの約3年振りのリリースとなる2ndアルバム。
今作はデスメタル/グラインドコアの国内名門レーベルことOBLITERATION RECORDSからのリリース。
Su19bは2017年に結成20周年を迎え、今作はそのタイミングでリリースされた記念碑的な作品でもあるが、前作1stから更に極限化された世紀末を描く一枚に仕上がっている。



Su19bが提示するブラッケンドはジャンルとしてのブラッケンドとは全く違う位置にあると僕は思う。
ブラックメタルに接近する事によるブラッケンドではなく、エクストリームミュージックの悪意の原液をごちゃ混ぜにして世紀末というフィルターでろ過した結果としてのブラッケンドだ。
ツインギターは激重なだけでなく、ひたすら黒いノイズをぶちまけ、グラインドとドゥームを行き来する極端な速遅の落差の暴力性。それらが必然的に存在する。

パワーヴァイオレンスという観点から見ても現行の時流になっているパワーヴァイオレンスとは全く違う場所に存在しており、デスドゥームなどの影響も強い。
更に今作ではDビートとブラストビートの使い分けも巧みで、激走パートの破壊力はこれまで以上だ。ドゥームパートの荒廃的な世界観がパワーアップしている点も見逃せない。

ロウな音質の中でシャープに突き刺すビートがフックを生み、弦楽器隊がドロドロに混ざり合って漆黒の塊となり、そこにリヴァーブが強くかかったボーカルが悪夢の先を描く。
単に極限で暴力的なサウンドで終わらず、Su19bが1stで提示した世紀末の無は死滅型芸術と呼んで良いだろう。
今作ではBATHORYのカヴァーも収録されているが、そちらも原曲を完全に破壊した一面の黒景色となっているので必聴。



漫画家・望月峯太郎の名作に「ドラゴンヘッド」という作品がある。
90年代に連載され、世紀末の混沌と不穏の時代に、未曾有の大災害により破滅した世界を描いた作品であるが、徹底的に書き込まれた崩壊の情景、殆どのページが黒で埋め尽くされ、リアルタイムで読んでいた少年時代に恐怖と絶望を覚えた。

Su19b側が「ドラゴンヘッド」を意識しているかどうかは知らないが、彼等の音はまるで「ドラゴンヘッド」の終わりなき黒の世界とリンクすると個人的に思う。
世紀末を終えて20年近くが経過しようとしている現在だが、Su19bの描く破滅の世界は時に美しさすら感じさせる危険極まりない物だ。



■delaidback/syrup16g

delaidback
delaidback
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syrup16g
DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT (2017-11-08)
売り上げランキング: 635




syrup16gはこれまで「delayed」、「delaydead」と未音源化楽曲の編集盤をオリジナルアルバムとしてリリースしているが、今作は実に13年振りの遅刻シリーズとなる記念すべき10枚目のオリジナルアルバムだ。

収録されている楽曲は「delaydead」リリースから解散までにライブで披露されていた大量の未発表曲の一部、シロップ解散後に五十嵐隆の新バンドとしてスタートしたが作品をリリースする事なく超短期間で解散した犬が吠えるの楽曲、2013年の実施シロップ再結成ライブとなった生還ライブの時に披露された新曲、そしてシロップ結成当初の20年前の未発表曲まで網羅した全13曲。
言うなれば音源化していない楽曲を寄せ集めただけの作品ではあるが、そこはシロップ。スピッツのB面集の様に名曲を寄せ集めただけで名盤が成立してしまうマジックがあるのだ。



収録されている楽曲の生まれた時代には実に20年近い振れ幅があるが、それでも不思議と統一感がある様に聞こえるのは五十嵐隆という男のソングライティングのセンスがシロップ結成当初から現在に至るまで全くブレていないからだろう。

本来、犬が吠えるの代表曲になる予定であった第1曲「光のような」、第7曲「赤いカラス」のシンプルなアレンジだからこそ輝く楽曲の純粋なメロディの良さ。派手な事をしていないが力強いアンサンブル。過去を現在へと変え、色褪せない輝きを放つ。
生還ライブの楽曲も2017年のシロップの楽曲として卸され、第2曲「透明な日」の染み渡るメロと歌、第5曲「ヒーローショー」の軽快さ。どの楽曲も3ピースの美学が生み出した美メロとポップネスにあふれている。
20年近く前の楽曲である第6曲「夢みたい」の歌謡曲的なメロの中に潜む粘り、第10曲「開けられずじまいの心の窓から」も生還ライブで披露された楽曲とも見事にリンクし時を超える名曲である事を証明。

特に当時からファンの間では名曲と呼ばれ解散時に音源化されなかった事を悔やむ声が多かった第3曲「star slave」は今作の中でも一番の名曲。少ないコード進行によって淡々と刻まれる吐きそうな程に美しいメロディと悲壮感はシロップの一番の持ち味であり、煌めきすら悲しく感じさせる情景を描く歌詞とメロディは必聴。
第8曲「upside down」も軽快なカッティングギターから滲み出る80年代UKロックへのセンチメンタリズムも注目すべきだろう。
そんな名曲巡りの今作のラストを飾る「光なき窓」の儚い余韻も含めシロップが持つ魅力を存分に楽しめる全13曲だ。



シロップは他のバンドに比べて未発表の楽曲が非常に多く、今回こうして一度時系列の彼方に消えてしまった楽曲を2017年に蘇らせてくれた事はファンとしても非常に嬉しい。
同時にシロップ入門編としても最適な一枚となっており、五十嵐隆という男の天才的ソングライティングセンスとシロップの3人が織りなす熟練のアンサンブルも堪能出来る。特に今作はキタダマキのベースが今まで以上に変態的かつメロディアスなベースを弾き倒しているのも忘れてはいけない。

僕個人としてはsyrup16gというバンドに関しては過去以上に今後世に生まれるであろう今の音源を楽しみにしている側ではあるが、今作を聴いて、そう遠くない内にまたリリースされるであろう新作への期待が高まったのも事実だ。
00年代以降の日本国内のギターロックに於いてsyrup16gというバンドがここまで多くの支持を今尚集め続けるのか。それは今作を聴けばわかるはずだ。



■darc/syrup16g

darc
darc
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syrup16g
DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT (2016-11-16)
売り上げランキング: 12,274




2016年秋の「HAIKAI」ツアーに合わせて突如としてリリースされたsyrup16gの9thアルバム。
全8曲36分とアルバムとミニアルバムの中間の何とも言えないサイズのアルバムで、ジャケもFOO FIGHTERSへのオマージュであるがそこら辺で売ってそうな水鉄砲と本気なのかふざけてるのかよくわからない感じではあるが、それとは裏腹に再結成後のシロップの新たな音を提示した名作に仕上がった。



公式でのインフォメーションでは1stアルバムである「COPY」制作当時と同じ気持ちで作られた作品とアナウンスされていたが、結論から言えば過去のシロップへの懐古的な作品ではなく、自らの原点を見つめ直した上で現在進行形のシロップへとアップロードした長年追いかけて来たファンならずとも必聴の名盤となった。
リードトラックとしてMVが公開されている「Deathparade」こそロック色の強いアプローチをしているが、残りの楽曲では派手なアプローチは全くしておらず、その点はシロップが新たなファンを獲得する気があるのかと言う批判も生んでいるが、そもそもシロップというバンド自体が外へのアプローチに必要以上に固執せず、自らの愛した音楽へのセンチメンタルな感情と五十嵐隆という男の個人的感情の吐露であるのだから、自らに素直になった結果生まれたアプローチだと僕は思う。

再結成後の「Hurt」、「Kranke」という2作品では様々なアプローチを試み、再結成後のシロップを構築している作品だと僕は感じたが、今作が持つ不穏さはシロップが持つ糖度の粘りを新しい感触で蘇らせた物だろう。
少しロウでくぐもったサウンドプロダクトもあるが、第1曲「Cassis soda&Honeymoon」の最低限の展開の中で不協和音の中の甘さで陶酔させ沈んでいく音にいきなり飲み込まれていく。
第4曲「Father's Day」の繰り返されるフレーズが徐々に轟音へと変貌しながら、決して高揚感へと導かないドープなサウンドも不思議と胸に突き刺さる。

その一方で五十嵐隆の十八番である最低限のシンプルなコード進行で吐きそうな程に甘いメロディを携えたシロップのアプローチも磨きがかかっている。第3曲「I'll be there」と第7曲「Murder you know」の2曲が今作の肝となる2曲であり、これまでのキャリアの中で築き上げたシロップ名曲殿堂の中でもトップレベルの普遍的名曲だ。
そしてラストを飾る「Rookie Yankee」のアコギと共に振り絞るように歌い上げるやけっぱちながらも前向きな言葉と音の生々しさは胸に突き刺さる物だ。




syrup16gという多くの熱狂的ファンを抱えるだけでなく、奇跡的な生還劇を果たしたバンドは他の再結成バンド以上に過去は美化され、再結成後も活動させしてくれたら嬉しいみたいな感情が生まれやすいのかもしれない。
だけど僕はシロップが再結成のアナウンスと同時に新作アルバムを引っさげてくれた事を含めて、シロップの今を支持したい。
それは過去への懐古でも焼き直しでもなく、もがきながらも自らの武器を磨き上げ、解散前という過去を焼きはらおうとしてくれているからなのかもしれない。
決して派手なアルバムではないが、シロップが持つ屈指のメロディセンスと五十嵐隆の言葉のセンスが鈍く光る今作を僕は支持したい。

80年代UKロックや日本のオルタナティブロックという自らのルーツを見つめ直したアプローチが並ぶという点は確かに「COPY」と同じ気持ちで作られた作品なのかもしれないが、15年という時を経てsyrup16gというバンドが新たな進化を遂げた事を証明している。
時流に流されず、どっしりと力強く構えた全8曲。五十嵐隆が歌うリアルは未来へと確かに向けられている。



■2017年BESTアルバム TOP20

遅くなりましたがあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
そんなワケで2016年の年間ベストをすっぽかした昨年ですが、今年はちゃんと年間ベストを発表します。色々フォーマットが定まってなかった年間ベスト記事ですけど、今回はきっちり20枚に絞らせて頂きました。



ALL BLUES
ALL BLUES
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THE DONOR
TILL YOUR DEATH RECORDS (2017-10-04)
売り上げランキング: 112,778


20位.ALL BLUES/The Donor

金沢が誇る前人未到のヘヴィロックを放つThe Donorの3年振りの2ndアルバム。
全10曲22分と瞬く間に繰り出されるドス黒い轟音は更にパワーアップしている。
作品としてのインパクトは1stのがあったけど、今作もバンドのさらなる進化を見せた快作となった。
それだけに活動休止は本当に惜しい。またThe Donorのライヴを観る日を心待ちにしてます。



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19位.Minorty Pride/PUNHALADA

メンバーチェンジを経て4人体制で制作された2ndアルバム。
よりスラッシュメタルへと接近しながらも、グラインド/ドゥームをクロスオーヴァーさせ、ダーティで漢臭い激烈の一撃を喰らわせてくれる。
単なるクロスオーヴァーメタルパンクで終わらないのは彼等の美学があるからこそ。
タイトル通りマイノリティであることへの誇りがにじみ出ている。



Infidele
Infidele
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Celeste
Denovali (2017-10-20)


18位.Infidele(s)/celeste

フランスの激情ダークハードコアの6thアルバム。
真っ黒くろすけ出ておいでなサウンドこそ相変わらずであるが、今作は収録されてる10曲がそれぞれ違う表情を見せるバンド史上最も多様性を持つ一枚だ。
漆黒のアンサンブルの中から滲み出る美メロ、混沌の中のスケール、celesteはやはり頭一つ飛び抜けた存在だ。
何よりもcelesteの持つ悲壮感は胸に突き刺さる。



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17位.Larga Sombra/Khmer

2016年の狂熱の来日公演も記憶に新しいスパニッシュハードコアKhmerの最新作はバンドのさらなるポテンシャルを見せつけるものとなった。
トラディショナルな突き抜けるサウンド、爆裂のハードコアでありながら、クラシカルな泣きメロのフレーズが咲き乱れ、メンバーチェンジを経てバンドも絶好調の状態な今をパッケージングしている。
この途方も無い進化のエネルギーこそハードコアそのものだ。



THROUGH THE MIRROR (スルー・ザ・ミラー)
ENDON (エンドン)
Daymare Recordings (2017-03-08)
売り上げランキング: 55,409


16位.Through Of Mirror/ENDON

最早世界のENDONとも言えるまでに成長し、名前を上げた戦略的ノイズ楽団の2ndアルバム。
前作でも見え隠れしていた最大公約数を狙えるキャッチーさとエピックさは今作で一気に花開いた。
ハードコアとしての即効性、緻密なノイズの濁流、より開かれたアプローチは彼等の世界を獲るという野心を感じる。
エクストリームの最先端にして一つの模範解答だろう。


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15位.THIS IS FIREBIRDGASS/FIREBIRDGASS

高円寺を拠点に長年にわたり活動を続けているpal商店街の地下室の地縛霊ことFIREBIRDGASSの満を辞してリリースされた1stアルバム。
余計なギミックなんて一切無し!ジャパニーズハードコアパンクのお手本とも言うべきサウンドに溢れ、キャッチーなフレーズと真っ直ぐにぶっ放すメッセージが胸を焦がす。
結成15年を経て、燃え滾る炎は今作にて最高潮を迎えた。聴いてると何度も拳を突き上げてしまう熱き一枚!



Sulphur Pusher
Sulphur Pusher
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OiDAKi (オイダキ)
BIRDLAND RECORDS REVOLUTION ☆ ROCK (2017-04-26)
売り上げランキング: 102,255


14位.Sulphur Pusher/OiDAKi

仙台を拠点に活動するストーナーヴァイオレンスバンドの1stアルバム。
基軸はストーナーロックであるが、グラインド/ハードコアパンクも飲み込み、ロックの原始的な衝動とハードコアの暴力的衝動が奇跡のバランスで同居している。
カオスとヴァイオレンスを行き来しながら、不思議とキャッチーで何度も聴き返したくなる中毒性もある生々しい衝動の塊だ。



PREDATEURS
PREDATEURS
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LES DISCRETS
PROPH (2017-04-21)
売り上げランキング: 217,229


13位.Predateurs/Les discrets

かつてAlcestともスプリットをリリースしたフランスのブラックゲイズバンドの実に5年振りの3rdアルバム。
今作で大胆にサウンドチェンジを図り、ブラックゲイズ要素は完全に消え去ってしまっているが、ダークアンビエントな歌物ポストロックな音は全く別物として普通に良い。
バンドの一番の持ち味である美メロは今作でも健在。本当に夜に映える一枚だ。



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12位.Neutralize/Su19b

世紀末から異形のパワーヴァイオレンスを生み出す神奈川の暗黒楽団の2ndアルバム。
激速と激遅の理不尽な乱打だけでなく、より暗黒へと迫ったサウンドは世紀末パワーヴァイオレンスの名に恥じない物になっている。
今作では激速パートの破壊力も前作以上にパワーアップし、極限の中で生まれる芸術性も磨き上げられている。
現行パワーヴァイオレンスとは全く違う異質のサウンドは今作でも健在だ。



Mass VI
Mass VI
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Amenra
Neurot Recordings (2017-10-20)
売り上げランキング: 56,986


11位.MASS VI/Amenra

ベルギーの漆黒大使の6thフルアルバム。
漆黒の一大芸術とも言えるサウンドスケープは前作で頂点を極めたかと思ったが、今作では路線をそのままに更に歌心を突き詰めた物となっている。
Amenra節とも言えるダウンテンポの黒のアンサンブルと悲痛な叫びだけでなく、優しき歌声によってその先にある光を遂につかみ取ろうとしている。
ベルギーの怪物は今なお健在!そして来日を心待ちにしてます!



溜息の断面図(初回生産限定盤)
ハルカトミユキ
SMAR (2017-06-28)
売り上げランキング: 53,862


10位.溜息の断面図/ハルカトミユキ

女性二人組ユニットの3rdアルバム。
ポップネスが持つ毒、オルタナティブが持つ感情、それらと素直に向き合った今作は過去のどの作品よりもダイレクトに言葉と音が突き刺さる快作となった。
愛も憎しみも全て引っくるめて刃を聴き手に向けてくる。往年の素晴らしきポップスが確かに持っていた毒をハルカトミユキは持っているのだ。
ポップス畑からのオルタナティブへの模範解答とも言うべき作品。



消える世界と十日間
消える世界と十日間
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それでも世界が続くなら
ベルウッドレコード (2017-07-26)
売り上げランキング: 67,469


9位.消える世界と十日間/それでも世界が続くなら

痛みを包み隠さずに歌う国産ギターロックの問題児の7thアルバム。
約十日間で生み出されたドキュメント的な作品であり、一人の人間の生々しいリアルが轟音と共に綴られた短編集の様な一枚。
歌物であり、非常に普遍的なサウンドではあるが、荒々しい音質と共に再生される轟音と言葉は痛々しくも優しさに満ちている。
暗く重いけど、聴き終えた後には聴き手の心に楔を打つ感情としてのロックの名盤。



War Inside You
War Inside You
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STORM OF VOID J.ROBBINS
Hostess Entertainment (2017-09-20)
売り上げランキング: 28,171


8位.War Inside You/STORM OF VOID

bluebeard/NAHT/TURTLE ISLANDのGeorge BodmanとenvyのDairoku Sekiによるスラッジバンドの待望の1stアルバム。
ゲストボーカルにNapalm DeathのMark'Barney' GreenwayとJawboxのJ. Robbinsが参加したことも話題を呼んだが、8弦ギターのストイックかつプログレッシブなリフの応酬、ヘヴィでありながらも柔らかで温かみのあるサウンドはSOV独自の物だ。
前衛的であり、スタンダードなエクストリームミュージックの新たな形だ。



Confusion (コンフュージョン)
Nepenthes (ネペンシス)
Daymare Recordings (2017-11-22)
売り上げランキング: 95,022


7位.Confusion/Nepenthes

日本が世界に誇るドゥームロックバンドの2年振りの2ndアルバム。
メンバーチェンジがあり、ギターが一本になった事でよりサウンドがシャープに研ぎ澄まされた。
長尺曲の哀愁から爆走するロックナンバーの破壊力まで何処を切ってもドゥームでありながら、ロックンロールであるネペは今作で更なる進化を遂げている。
誰にも飼いならせないどう猛なる野獣ことNepenthesの快進撃は止まらない。強烈なるロックンロールを喰らえ!!



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6位.影切/discotortion

殺幌爆音オールスターによる3年振りの4thアルバム。
5曲25分とコンパクトな作品ではあるけど、一曲一曲に渦巻く説明不可能なカオスの濃度は極限まで高まっている。
ジャンクかつヘヴィに渦巻く音像、密教的かつアーティスティックな世界観、何よりも極限まで鋭利で無慈悲な音が渦巻くのに刹那からの哀愁が漂う。
ただでさえオリジナリティの塊みたいなバンドだったが、今作にてオルタナティブミュージックの曼荼羅を完成させてしまった。



Luciferian Towers
Luciferian Towers
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Godspeed You Black Empero
Constellation (2017-09-22)
売り上げランキング: 40,559


5位.Luciferian Towers/Godspeed You! Black Emperor

気が付けば今作で再結成後三枚目のフルアルバムなカナダのポストロックレジェンドGY!BEの6thフルアルバム。
前作は個人的にちょっと消化不良な所も正直あったけど、今作はドローンな要素だけでなく、しっかり轟音のカタルシスも感じさせてくれる一枚になっている。
彼等にしてらコンパクトな作りではあるが、よりソリッドに怒りを体現したアンサンブルと轟音、そしてラストの光のシャワーは感涙必至。
これこそが僕が愛するGY!BEだ!やはりGY!BEは最高!!



LUV(初回限定盤)(DVD付)
LUV(初回限定盤)(DVD付)
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LUNA SEA
Universal Music =music= (2017-12-20)
売り上げランキング: 85


4位.LUV/LUNA SEA

X JAPANの方はいつアルバムが出るかは分からないけど、LUNA SEAはきっちり四年振りとなるとなる9thアルバムを出してくれました。
再結成後初のフルアルバムだった「A WILL」は往年のLUNA SEAだったけど今作は再結成後の今のLUNA SEAを見事に見せてくれている。
序盤の楽曲のメジャー感に最初は戸惑いこそしたが、盤が進むにつれてLUNA SEA節全開、アルバムトータルでも光と影のバランスが見事に取れており、結果的に聴き込む程に全曲リードトラックな名盤だと気付かされた。
常に新たなる挑戦を続ける実にLUNA SEAらしい作品だ。



Mensch, achte den Menschen
Mensch, achte den Menschen
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死んだ方がまし
死んだ方がまし (2017-04-08)
売り上げランキング: 190,573


3位.Mensch, achte den Menschen/死んだほうがまし

2012年に結成されたTokyo Blue Days Punkの待望の1stアルバム。2017年は気がつけばこのアルバムばかり聴いていた気がします。
死んだほうがましっていう強烈なバンド名通り、陰鬱なる感情を文学的に吐き捨て、このまま死んでやると言わんばかりに底の底へと沈んでいく。
正統派なニューウェイブ/ポジパンだけでなくみんなが大好きなV系な空気感も感じさせ、それでも結局は音楽は誰も救わないし世界はクソって事を今作を聴くと分かるだろう。
日に日に空虚化していく現代社会に痛烈なカウンターを食らわせる今作は外側も内側も焼き払って自爆する様なカタルシスすらある。



SONGS OF EXPERIENCE (DELUXE EDITION) [CD] (4 BONUS TRACKS)
U2
INTERSCOPE RECORDS/ISLAND RECORDS (2017-12-01)
売り上げランキング: 814


2位.Songs Of Experience/U2

アイルランドのロックレジェンドの14thフルアルバム。
ここ最近のU2の作品の中では屈指の出来となっており、往年の名盤達に比肩する2010年代のU2のマスターピースが遂に生まれた。
これまでのキャリアを総括する作品であり、U2が何故80年代から世界のロックの頂点に立ち続けているのかは今作を聴けば分かる筈だ。
ロックが持つ神秘的なエナジーをU2はいつだって体現し続けてきた。そんな当たり前な事を今作は気付かせてくれる。
続けていく事が最高にカッコいい。U2を聴くとそう思わずにはいられないのだ。



delaidback
delaidback
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syrup16g
DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT (2017-11-08)
売り上げランキング: 1,168


1.delaidback/syrup16g

今年はこのアルバム以外に一位は無かった。
単純にこれまで音源化されてなかった楽曲を寄せ集めただけのシロップお馴染みの遅刻シリーズの第三弾にして、記念すべき10枚目のアルバム。
最早スピッツのB面集の様に、単純に名曲を集めただけで名盤が成立している。
再結成後にライヴでは披露してたけど音源化されてなかった曲から、結成当初の20年も前の楽曲が何の違和感もなく並び輝きを放っている。
天才メロディメイカー五十嵐隆にしか生み出せない珠玉のメロディがこれでもかと詰まっている。
syrup16gが何故00年代以降のギターロックの中で未だに唯一無二の存在なのかは今作を聴けば分かる。



とまあ簡単に各音源の紹介も添えて年間ベストを発表させて頂きました。
2017年に関しては2016年末からの開店休業状態を引き継ぎ殆ど更新してませんでした。
流石に一年以上も休んだので今後はマイペースにしっかり更新します。
特に何かするってアレも無いので、気ままに買った音源の紹介を初心に帰って続けていこうかなと。
それと2017年は2月と8月にMOCHIとの共同企画「Under the Surface」を開催させて頂きました。
気が付けば一発目のUTSから既に2年が経過してて時間の経過は怖いです。
改めて昨年のUTSに出演して頂きましたNoLA、wombscape、Presence of Soul、STUBBORN FATHER、REDSHEER、PUNHALADA、Ry、SUNDAY BLOODY SUNDAY、THE CREATOR OF、割礼の皆さん。東高円寺二万電圧の皆さん、来てくださったお客様。色々サポートしてくださった皆さん本当にありがとうございます!
暖かくなって来た4月に5発目となるUTSも開催させて頂きますので、そちらもチェックよろしくお願いします!

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Guilty Forest & MOCHI pre
Under the Surface Vol.5
2018/4/14(Sat)@東高円寺二万電圧

STORM OF VOID
101A
saisa
I love you Orchestra

OPEN17:00
START17:30
adv2500円
door2800円



そんなこんなで今年は流石にしっかりと更新して行こうと思います。
Guilty Forest/Under the Surface共々よろしくお願いします。
タグ : 年間ベスト

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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