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■【激昂は怨念と共に】kallaqriロングインタビュー

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 本州最北端青森県を拠点に活動するハードコアバンドkallaqri。一地方のハードコアバンドでありながら、ツインベース編成の変態的スタイル、呪術を感じさせる不気味極まりないクリーントーンのコード進行、そして圧倒的爆発力とハードコアバンドとして圧倒的なポテンシャルを持つバンドだ。
 その実力は青森のバンドでありながら東京・大阪でも少しずつ知れ渡り、着実に名前を全国区へと広げつつある。その一瞬すら瞬き出来ずに直視するしか無くなる瞬発力とタフネス溢れるライブパフォーマンス、メンバー全員が喧嘩しているかの様な暴力性。kallaqriは単なる青森ハードコアとか激情ハードコアでは片付ける事は出来ない。
 今回、kallaqriの東京遠征ライブのタイミングでメンバー全員へのインタビューを敢行させて頂く運びとなり、バンドの歴史やルーツだけでなく、青森という土地でバンドを続ける意味、そして地方シーンのリアルについて色々と聞きまくったテキストに仕上がっている。是非とも一読願いたい。



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・先ずはkallaqriの結成の経緯を聞こうかな。

一瀬章(Ba):高校の時に俺と優作と隼也でハードコアパンクのバンドを組んでて、それが解散してからkallaqriを始めたって感じだね。

・kallaqriは最初からツインベースだったの?

吉田隼也(Vo):kallaqriは二つのバンドが合体して結成された感じで、そしたら偶々ベースが二人いたって感じ、結成当時はツインボーカル編成でもあったね。だから最初は6人編成だった。
 それでメンバーチェンジなんかもありつつ、徹と邑宇士が入って今のメンバーになったね。今のメンバーになったのは2014年の秋口とかかな。

・ツインベース自体は狙ってやってる訳じゃ無かったのね。そもそも章はベースにギターアンプ繋いでいるけど(笑)。

吉田:メンバーたくさんいるとライブが面白いかなと、pg.99みたいな(笑)。でも最初の頃とか本当に酷くてベースの音が歪み過ぎてるみたいな所から始まったからね。これから何をやるんだろうとか、ツインベースをやる意味とかを考えたりもしたし。

・それぞれの前身バンドからどんな音楽性をやりたいとかあった?

吉田:結成当時は曲ネタを持ってくるのは大体は章っていうのもあるから、章がビジョンは担っているのかな。

・音楽性的には激情ハードコアとかカオティックハードコアになるんだろうけど、既存の物とは全然違う感触の物を出しているよね。

一瀬:俺はThe Blood Brothersみたいなツインボーカルのバンドがやりたくて、そこに激情ハードコアエッセンスなんかも入ってきて…その頃は国内のSWARRRMやDEEPSLAUTER、Spike Shoesの影響なんかも受けつつ全部ごちゃ混ぜみたいな感じだった。

・今の話聞いていると明確な目的とかコンセプトって無い様にも見えるね。

羽賀優作(Gt):その時に思いついた物でやりたくなった事があって、その時に一番声がでかいメンバーの意見を取り入れてるって感じはする。「俺これ絶対やりてえ!!」って事があるなら「そんなに言うならそれやろうか!」って流れにいつもなっているね。

渡邉徹(Ba):でもやりたい事に関して意見は好き勝手にそれぞれが言うけど、それをやる為にはちゃんとメンバーの同意を得て、それでバンド内の民意が固まったらそれをやるって決定事項にしている感じかな。

吉田:うちは民主主義だから。青森民主主義人民共和国だから(笑)。
俺たちが元々やっていたバンドがジャパコアとファストコアが混ざったみたいな…例えるなら大阪のTHE FUTURESの影響を凄い受けてたね。

羽賀:当時、章が「THE FUTURESって格好良いんだ!」って聴かせてくれたんだ。

・THE FUTURESってバンド名が出てきて、kallaqriとTHE FUTURESは凄いリンクする部分があるって今気付いた!!それと青森ってローカルな地域でこうした他の地方のバンドを掘る原動力って何なのかなって。

一瀬:学生の頃にハードコアパンクが好きになって、一回り以上も歳が違う大人の人に色々聴かせて貰ったりとかかな?高校生のバンドのライブの最前列に高校生が一人もいない環境だったから。

吉田:いかつい格好した大人の人達ばっかりで。正直怖かった。

羽賀:まぁライブ見てる人達からしたら隼也が一番怖かっただろうけどね(笑)。

・地元の仲間同士で格好良いバンドを教え合ってみたいな。それは今のkallaqriにも繋がってるでしょ?

渡邉:今でもメンバーそれぞれが今聴いてるバンドの情報交換とかは凄いしているね。

羽賀:俺と章と隼也に関しては10年以上も一緒にバンドやってる訳で、俺は最初はハードコアなんて聴きもしなかったし「なんだこのうるせえの!」って思ってたけど、章がこういう音楽やりたいっていうのがあって、仲良い友達の為に「うるせえ音楽だなこれ。」って思いながらやってた。
 でも10年以上もやっていると自分の好きな物も変わっていったし、みんなの価値観が融合していったね。徹と邑宇士とも何だかんだ3年4年とか一緒にやっていて、今やっと5人での音がくっついている気がする。

・優作は元々どういう音楽が好きだったの?

羽賀:レッチリとレイジでちゃんと音楽を聴くようになったかな。一番最初に買ったCDはモーニング娘。の「LOVEマシーン」(笑)。でもその次に買ったのがレイジの1stとかだった。

渡邉:邑宇士が一番最初に買ったCDは?

佐藤邑宇士(Dr):だんご三兄弟…

全員:(爆笑)

吉田:前身バンドのEXITを始めた時も青春パンクからRancidとかの洋楽パンクに入って、そのあとLIP CREAMやGAUZEからジャパコアとかに流れて…

・章がみんなの価値観を良い感じに作ってる気がする。

一瀬:最初はそうだったかもしれないけど今は別にそんな事は無いかな。

・でも良い感じで他のメンバー影響は与えてる気がする。

吉田:一番最初の発端としては確かにそうだったよね。変な物を持ってくるのは大体章だし(笑)。



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・言ったら目標としている先輩とか伝説的バンドがいて、その影響下で違うことをやりたいみたいのもkallaqriはあんまり無い感じもする。

一瀬:だからハードコア界隈からもメタル界隈からもライブ誘って貰えてるし、それは本当に有難てえなって。悪く言えばどっちつかずな立ち位置なんだろうけど。

渡邉:でもハードコアをやっているって自覚はある。うちらの音楽的にメタル成分はゼロだからね。メタル出身のメンバーもいないし。

一瀬:誘ってくれるメタル系のバンドはなにか共通するものを感じ取ってくれてるんだと思う。変態っぽさとか(笑)。

・ハードコアをやるって明確な軸以外は余計な価値観に囚われて無いと思うよ。今の方向性になった切欠って何かな?

吉田:kallaqri初期からエモヴァイオレンス的な部分はあったよね。

一瀬:RAEINとかOrchidとかtragedyとか激情ハードコアって括られてるのを格好良いなって思いながら曲作ってた。今は一番新しい曲とかは優作が作っているから、特に俺がコンポーザーって訳でも無いかな。

羽賀:基本的には誰かのアイデアをみんなで肉付けしたり切り崩したりしながら当初とは全く予想もしてない形の色々な呪いの人形を作ってる(笑)。うちの曲はみんなの時間や金や精神力を削って魂込められた呪いの人形だから。

渡邉:喧嘩しながら曲作ってって感じかな。だから1曲出来るのに1年かかってとかはザラにあるね。

・それで去年2曲入りシングル「カイホウ」を出したし、いずれ出る1stアルバムはどんな物になると思う?

羽賀:そこは個人個人で全然違うことを考えてる気がする。まあみんなで共通している部分は「早く作りたい。」って所だね。
アルバムは本当にこれからスタートって感じ。

一瀬:東京でやってるバンドに比べると、うちらみたいな青森バンドや他の地方のバンドって色々ハードルが高いというか、金とか仕事とか距離とかの制約もあり、時期によってはバンド以外のことに時間が取られてしまっていることもある。冬になると雪が5メートル積もる街だから。



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・実際に東京にライブで遠征したりとかしてて、東京と青森の違いとかって感じたりする?

佐藤:地元でやるより他の地方に出てきた時の方がやっぱり緊張感はあるな。青森だと知り合いが多いから気持ちがフワッとしちゃう感じする。東京は本当に色々な人が色々な事をやっている感じ。

吉田:青森のバンドも東京でライブをしていないだけで、東京でライブやったら凄く評価されると思うんだ。ATHLETIXとかSource
Ageとかみたいな先輩バンドもいるし。

・かの青森最後の詩人ひろやーさんとか!それこそ人間椅子も青森出身だもんね。

一瀬:ひろやーさんとか10年以上前から仲良くて、有名人感は全く無いんだけどね(笑)。

羽賀:青森の外の人からすると凄い有名人みたいなんだけどね(笑)。身近すぎてピンと来ない。

・その身近に感じるって部分は正にローカルならではだよね。東京だとやっぱり世代だとかキャリアみたいな区分もあるのかもしれないけど、地方ってそういうのはあんまり無いのかもね。

吉田:先輩後輩とかってのは青森でもあるけど、東京に比べたら全然緩いかな。徹も元は中学の先輩だけどkallaqriやっててそういうの感じた事ないし。

羽賀:ひろやーに関しては毎週飲んだり遊んだりしてるからそんな感じは全くない(笑)。

吉田:ATHLETIXとSource Ageは先輩として本当にリスペクトしてるし、だからこそ先ず最初にブチ殺すべき目標でもある。

・近いところだと山形はハードコアが熱い土地だと思うし、そうした身近から受ける刺激ってローカルのが大きいのかもね。

一瀬:でも刺激の数で言ったら東京のがダントツで多いよ。何でもあるし、色々なバンドが沢山いるし、それが毎週どこかに行けばライブを観れるって環境は凄いし、そりゃ若くてセンスあるバンドたくさん出てくるわと思うよ。

羽賀:あっちでEnvyやってて、こっちでkillieやってて、また別の所に外タレ来ててとか(笑)。

・俺は栃木出身だから言うけど、そこまで色々溢れてるのは都内近郊だけだよ。栃木も格好良いバンドは勿論いるけど、絶対数はやっぱり東京に負けるし、その感覚って他の地方出身者と青森の君たちと近い部分だと思う。

羽賀:だから東京みたいにいつでもどこでも何かやっている場所を出てしまったら、他も全部同じだと思う。

・ローカルのバンドってホームだけじゃなくて、色々な場所にカチコミに行かないといけないよね。

一瀬:「田舎舐めんじゃねえ!!」って思いながらカチコミしに来てるよ。

羽賀:別にどこで誰と対バンしようとも「全員殺す!!」って思ってるし、青森だろうと東京だろうと他の地方だろうと「全員殺す!!」以外考えてない。どんなに仲良いバンドが青森でライブしに来てくれても、それがリリースパーティとかでも「殺す!!」以外には無い。一緒にライブするんだったら、取り敢えず殺そうと(笑)。でもそれ以上に仲良くなりたいと思ってるよ。

・共闘する仲間ではあるけど、対バンの時は「殺す」と。

吉田:どのバンドも「殺す」って気持ちはあると思うけどね。言い方おかしいけど。

・東京・名古屋・大阪みたいな大都市圏って地方のバンドも沢山来るし、sekienみたいに姫路からカチコミしてくるバンドもいるじゃん。それらのバンドに対して東京・名古屋・大阪のバンドも「お前ら分からせたるわ!!」って地方バンドに対して闘志をむき出しにしてると思う。
 例え東京バンドだけ出るイベントでも「ブチ殺せ!!」って気持ちでライブしてる筈。kallaqriのライブ観て毎回「こいつら殺しに来てるな!!」ってのは凄く感じるよ!!


羽賀:当たり前じゃん、こっちは青森から来てるんだから(笑)。時間も金も使って遠征に来てる訳だから気合入ってない訳無いじゃん!家族とか友人には少なからず迷惑承知でやらせて貰ってる事だし、それで適当な事をやるなんて有り得ないよ。

渡邉:東京でやろうが青森でやろうが大阪でやろうがkallaqriでやることは何も変わらないね。

羽賀:違いがあるとしたら遠征だと知らない人が多いからちょっと緊張するな。「お友達になりたいな。」みたいな(笑)。

・でもkallaqriの事を呼んでるバンドやイベンターさんもいる訳じゃん、そういうのって凄く大事だよ。

吉田:こうやって見つけてくれるのは本当に有難いよ、見つけてくれなかったらずっと青森だけでやるしか無かったし。なかなか行く事がない
 新潟でやれたのもANCHORのお陰だし、大阪でやれたのもSTUBBORN FATHERのお陰だし。繋がりとか無しでいきなり誘って貰ったりそういうのがたくさんあるよ。しかも、実は青森で受け入れて貰えるようになったのもここ最近なんだ。

一瀬:kallaqri始めて5年近くはみんな、何やってるか分からねえしって感じだったもん。実際ひどかったんだろうけど(笑)。でも次第にネットやSNSでkallaqriの話題をしてくれる人が出てきて、それで青森の人たちも近くにいたうちらをようやく評価してくれたんだよ。

渡邉:逆輸入みたいな感じで(笑)。でも最近はハードコアに限らず、激しい音楽が根付いてきた感覚は凄くある。流行りものの影響も少なからずあるけど。

一瀬:「何アレ!?」って言われなくなって良かった反面、また違う難しかったりする事も出てくる時もたまにあるな。でも評価されるのは本当に嬉しい。「何か分かんねえけど凄い!!」とか「何か分かんねえけどこのバンド好きだ!!」って言って貰えたら凄く有難い。別に音楽詳しい詳しくないとか関係無く「何か分かんねえけどヤベエな!!」って言ってくれる人も結構いてね。

・もし君たちが東京のバンドだとしてもそこは変わらない?

吉田:変わらないよね。この熱量のまま同じことをやるんだと思う。だって何かを急いでる訳でも無いしさ。ライフワークになってるんだと思う。

羽賀:東京いたら違ったって思うのは精々練習場所の問題とかかな。

一瀬:東京にいたから曲作り早くなるとかも無いし(笑)。

・言ったら所詮は生まれた場所の話ってだけでしょ?

羽賀:うちらは地元LOVEだから高校出ても青森離れなかった訳ですよ。邑宇士に関しては間違えて青森に迷い込んでしまったのが悲劇の始まりだけど(笑)。

・邑宇士は地元どこなの?

佐藤:秋田。

・割と近所じゃねえかよ!!

吉田:八つ墓村みてえな所な。

一瀬:邑宇士の地元本当に凄かったもんな。

渡邉:本当に山しかない。

一瀬:山ん中に邑宇士の家だけしかない。

羽賀:マジでホラーのテレビ番組で見る感じで、夜に邑宇士の地元に行ったんだけどトンネルをフゥっと抜けた先にある八つ墓村みたいな集落って感じで。

一瀬:集落どころか邑宇士の家しかない(笑)。

・でも俺の地元だって田舎だから変わらねえよ。それにネットに関しても黎明期の時代に思春期を過ごしたからさ。

一瀬:その当時はジャケ買いとかもしたし、個人のホームページのレビューとか掘りまくってさ。

・田舎ブックオフジャケ買い大会はするでしょ?

羽賀:そういう時代にはハードコアには全然興味無かったから、ジャケ買いとかやってる隼也と章を見て「すげえ事やってんなあ。」って思ってた。

吉田:鋲ジャンの奴とモヒカンの奴と普通の奴がママチャリ乗ってスタジオ通ってたからね。優作はカツアゲされてる人みたいだったな。

羽賀:今もパンクとかのファッションには興味無いからね。でも彼らは一生懸命鋲ジャン作ったりとかスパイキーにしたりとかしてて、夜中の3時まで鋲打ち手伝わされたりとかね。

・まずはクラストパンツからスタートだよね。

羽賀:だからバンドやってるとカツアゲされてる感じに見える普通の少年をパンクスが囲んで歩いてるって感じだったね。

・さて今後はどうなってく感じかな。

吉田:アルバム出して、ヨーロッパツアーとUSツアーと全国ツアーと中国ツアーしたいね。

渡邉:もう世界一周した方がいいのでは!?

羽賀:兎に角まずは日本各地に行きたい!呼んでくれる人がいたら行くし、良いバンドがいたら仲良くなりたい。

・全国に仲間作りつつ、ライブでは「殺す」と。

羽賀:パンクとか云々じゃ無くて、良いと思えるバンドって人間的にも良い人ばかりだし、だから自然と仲間が増えていくんだと思う。それが凄い楽しいかな?それを続けていきたい。
 でもライブでは殺す!!それでもステージ降りたら仲間だし、うちらは基本頭悪いバンドだから(笑)。



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【kallaqriリリース情報】

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11/9リリース予定




【kallaqri twitter】https://twitter.com/kallaqri
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【kallaqri Soundcloud】https://soundcloud.com/kallaqri



photographer : ミツハシカツキ
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■【精神の階層への誘い】WonderLandロングインタビュー

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 WonderLandというあまりに人を食ったバンド名を冠している3ピースバンドが存在する。
 三軒茶屋HEAVEN'S DOORを根城に積極的なライブ展開を繰り広げている彼らだが、元々はグランジバンドとして始まったバンドだ。それが短期間で音楽的変化と進化を遂げ、インストによる超長尺ポストロック的バンドへと変化した。
 昨年デジタルでリリースされた「The Consciousness Of Internal Time And Space」には既存のポストロックバンドには全く存在しない独特の歪みが存在している。トランペットやピアノの音を大胆に取り入れるだけに留まらず、多くの人を魅了する屈指のメロディセンスから、多くの人を混乱に陥れる不気味極まりない旋律まで取り入れ新たなるオルタナティブを提示する事に成功している。
 今回はオリジナルメンバーであるKoheiとShutoの二人に「WonderLandとは一体何なのか?」という事を徹底的に聞き出すインタビューを行わせて頂いた。二人の発言は人によっては挑発的だと感じるかもしれない。だけど彼らが純粋に愚直な程に音楽を信じている男たちだと伝わるテキストになっている。
 WonderLandが目指すものは固定概念からの解放であり、新世界への挑戦だ。その全容はこのインタビューだけでは伝わらないだろう。だからこそWonderLandの全容を自らの足でライブへと足を運んで確かめて欲しいと僕は願う。



・WonderLandってオリジナルメンバーはKoheiくんとShutoくんの二人だっけ?

Kohei:そうだね。

・元々はどんな経緯でWonderLandは始まったの?

Shuto:最初は俺が地元が一緒だったKoheiとオトベって奴と三人でバンドをやるって話になって、何でバンドを始めたかとかは覚えていないけど、一番最初は神楽坂でライブをやったね。
 初めてのライブはオリジナルで5曲位やったのかな?その3人でのバンドはオトベが就職して抜けたから一回限りだったね。俺は大学は軽音サークルにいたんだけど、そこの同級生のベーシストが代わりに入って始めたバンドがWonderLandって感じだね。

・その頃はどんな音楽性だったの?

Kohei:マリオとかやってた(笑)。

・マリオってスーパーマリオ!?(笑)。

Kohei:そうそう。

・マジで!?

Shuto:吉祥寺のペンタでやってたわ。

・その頃はまだ遊びでバンドやってた感じ?

Kohei:遊びだったね。最初ギャグで始めた感じで2012年の3月に一回だけライブやったけど、そこから次のライブまでかなり間が空いて、その間に曲を作ってた。二回目のライブが2012年の12月だったね。

・その当時はどんな方向性でやりたいとか考えてた?

Kohei:いや全然。その当時は演奏自体ちゃんと出来ていなかったんだよ。俺はギター始めたばかりって感じだった。ベースの奴は上手かったけど、それ以外はマジで論外だったわ。

・2013年からライブも本格的にやり始めた感じ?

Kohei:2013年の初旬にライブはそれなりにやっていたけど、二人目のベースがそこで辞めちゃって、その後に九州から上京してきたタイラって奴が三人目のベースとして加入した感じ。だから今のベースのDaikiは四代目だね。タイラがいた頃は5拍子で10分位の曲とかやってたなあ。
 ちゃんと活動する様になったのはタイラが入ってからで、その時期になると月に3本とか4本はライブをやる様にはなってた。でもタイラが辞めて、Daikiが加入してからやっと本格的にWonderLandが始まったと言えるのかな?俺の中ではまだ思い描いている音がちゃんと出来ているとは思ってないから、WonderLand自体まだ始まってはいないって所ではあるけど。

・僕が初めてWonderLandを観たのが2014年の10月で、それ以前の音は「Welcome To Woderland」でしか分からないから最初はグランジバンドだったってイメージかな?

Kohei:「Welcome To Woderland」(現在は廃盤)は出来が気に入ってなくて、お蔵入りにしちゃった感じだけどね。俺らとしては過去は既に蛇足でしか無いんだよね。2014年頃の曲も音源化して無くて、アレも出来が気に入らなくて廃棄しちゃっているし。だから過去よりもこれからって感じだね。







・じゃあ昨年リリースした「The Consciousness Of Internal Time And Space」について聞こうかな。あの音源は配信でのリリースだったけど、音源としてのコンセプトとかってある?

Kohei:アレは人によってはポストロック的なのかもしれないけど、そこは狙った感じでは無いなあ。

・あの音源はポストロックのテンプレートからは大分外れた所にある感じだったね。

Kohei:それは俺らがテンプレートから外れたい訳じゃなくて、単純に出来ないってだけなんだけどね。

・でも人からしたら○○っぽいみたいな所からは完全に逸脱していると感じると思う。メロディアスさとそうじゃない部分の落差とか激しいし。既存の音を借りない音楽だと思った。

Kohei:○○っぽいって事は劣化版って事じゃん?それじゃ意味が無いんだよ。

・元々は君たちはグランジバンドだったし。

Kohei:それは俺らのルーツではあるからね。でもそれだけで終わるのは嫌だったからさ。「The Consciousness Of Internal Time And Space」自体もあの時のWonderLandのベストを作ったに過ぎなくて、その時その時のベストを出すしか俺らは出来ない。
 そもそもこういう物を表現したいとか、こういう事を発信したいとかなんて作品には反映されないし。結局そういうのって言葉の話だから、精神性って歌詞でしか反映されない物だから、それは音楽の話では無いと思うよ。だから歌詞は俺らには必要ない。

・じゃあ音楽には何が反映されていると思う?

Kohei:精神の階層かな。

・そこはもう言葉に出来ない部分だよね。

Kohei:言葉に出来ない訳じゃ無いとは思うけど、それを言葉にするのは難しいよね。

・今のWonderLandって歌や言葉自体が無いし。

Kohei:俺らには音楽を「使って」何かを発信するって考えは無くて、音楽をやる事自体が目的だから。音楽をやるっていうよりも曲だね。

・その曲の中で何を生み出したいとかっていうのはある?

Kohei:単純にハイになりたいだけだよ。

・Shuto君はKohei君が作った曲にドラムで自分のカラーを加える事はどう考えている?

Shuto:ドラムってまあ直感的に感じやすい楽器だからねえ。でもKoheiが持ってくる曲ネタだけじゃ完成系は全然見えないし、どう表現するかとかってのは言葉で表す事は出来ないと思う。

・でも僕は音楽が一番想像力が働く物だとは思っている。

Shuto:精神性云々ってのは俺は考えていないから。自分が今まで聴いて来た音楽をどう消化してみたいなのも無いし。

・でも反面教師的な消化はあるでしょ?

Shuto:それはあるね。

・だからWonderLandって精神性とかコンセプトとかじゃなくて、自らの音を聴き手の解釈に委ねているんだなって感じたよ。

Kohei:それで良いんだ。俺らの意図は関係ない。だから解釈の余地が大きければ大きい程、それは優れた作品なんだよ。

・さっき言った外している云々ってのは解釈の余地を残すって事なのかな?

Shuto:「俺たちはこういう事をやってますよ。」みたいなのは必要ないからね。

・イマジネーションとしての音楽なのかな?

Kohei:主義主張って言葉で言う方が手っ取り早いから、だから歌詞が大事とかってなって歌を入れるんだと思う。それは音だけで自分の思考を体現できないからだと思う。そうなるともう音楽では無い。少なくとも本質的には音楽ってダイレクトな物であって、必ずしも言語を媒介にする必要は無い。

・音だけで何かを感じさせるとなると、作り手の意図は無いに等しいのかもしれない。

Kohei:それで良い。意図的にやるのは自由だけど、意図した通りに受け取って貰えるかは分からないし、結局のところ意図は後付けだからね。







・曲を作る際のインスピレーションってどこから来る?

Kohei:それは感情とか景色では無くて、それ以外の何かだね。他の誰かの音楽でも無い。だから分からない。多分、夢から来ているんじゃないかな?寝ている時の無意識の作業で、そこに俺の意識が関与する余地は無い。無意識下で行われる何らかの処理が音楽だって俺は捉えている。

・無自覚で作った物を自覚した状態で演奏するってどう思う?

Kohei:まあライブの時も特別何かを自覚している訳では無いからね。寧ろ「これってこういう曲なんだ!」って演奏してみて初めて分かる。

・意図してない物の積み重ねだからこそ君たちはジャンルを名乗ってはいないとも思うし。

Kohei:まあジャンルはオルタナで良いと思う。そもそもジャンルは音楽じゃ無いし、音楽を騙る為の道具だよ。結局は音楽の説明書でしかない。
 多分スポーツ選手とかと同じで、感覚で分かる人にとっては説明書は必要ないけど、その感覚が無い人は説明書が無いと伝わらないし、そういう意味では説明も大事だと思う。

・もっと言うとオリジナリティ溢れる事をやると、ある程度の取っ掛りとしての説明は必要だし、君たちは入口の部分はちゃんと作ってはいるよ。

Kohei:それは必要だからやるけど、その入口の先は俺らも分かってないからね。

・だからWonderLandって感覚に訴える音楽なんだなって。

Kohei:それが出来るのが音楽だと俺は思っているよ。まあ無意識の裏付けとしての提示なのかなって気はしている。それが実際にコンセプトになっているかは分からない。

・それは無意識の裏付けというコンセプトになるんじゃない?

Kohei:関連性があるだろうというだけの話で、実際意識と無意識がどんな関連を持って音楽に反映されているかは分からない。

・だから逆に聴く人を選ばなくて済むのかもしれないし、入口の広さに繋がるんじゃないのかな?逆に「こうですよ。」って提示してしまうと、分かる人にしか分からなくなると思う。

Kohei:説明無く提示出来るのがベストだね。でも、説明をしても説明になってないのかもしれない。
 例えばある曲があって、アルバムタイトルがあって曲名があるとする。そこの関連性は誰も分からないし、タイトルが分かりづらいと余計に関連性が分からない。だからタイトルを付けている時点で俺は説明はしているとは思う。それに、時間という軸の中で発生した意識と無意識の座標が同じであるのも俺は分かる。でも、その関連性は本当には分からない。

・その関連性の解釈は聴く人が決める事だよ。

Kohei:例えばNIRVANAの「NEVERMIND」は「NEVERMIND」って曲は収録されてないじゃん?でもアルバムタイトルは「NEVERMIND」だし、関連性があるかとかって結局後付けじゃないかって思う。



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・その関連性の話に繋がるかは分からないけど、なんで「WonderLand」ってバンド名にしたの?

Kohei:「WonderLand」って三つの側面があって、その一つとして言葉から音楽性が想像出来ないってメリットがある。別にバンド名は「椅子」とかでも良い。

・「WonderLand」ってシンプルな単語だよね。

Kohei:誰もが知ってる言葉ではあるからね。でも意味が一番知られてない単語かなって。残り二つの側面に関しては企業機密で(笑)。

・でも「WonderLand」って楽園みたいなイメージをみんな思い浮かべると思うけど、そことはかけ離れた気持ちの悪い音楽だよね。

Kohei:みんな「WonderLand」って言葉の本質を理解してないとは思う。ユートピアみたいなイメージをみんなするけど、それは間違えているし、言葉と音楽の関連付けをするならもっと言葉の意味を理解しないとね。でもそこは要求はしない方が良いと思ってる。

・だから音楽に対して表層的な部分だけを捉えている人が多いのかもしれないね。

Kohei:音楽って分からないじゃん?それは殆どの人間が精神の階層に行き着く手段を持ってないからなんだよ。

・だから思考を放棄してしまっているのかもしれない?

Kohei:放棄というよりも思考の手段を持ってないんだよ。だからどうしようも無くなるんだよ。

・音楽は思考の為の手段なのかもしれない?

Kohei:それはあながち間違いではないかも。

・そもそも五感ってなんなのかを僕は理解出来てないんだよ。結局は脳の伝達だし。それを言説化するのは僕には難しいかな。

Kohei:人類はそれには近づいているとは思うよ。

・それが可能になったら人間はどうなると思う?

Kohei:それを理解した人間は音楽を始めると思う。ペンギンとかリスは音楽をやらないじゃん? でも、人間は音楽を奏でる事が出来るし、人間の人間性を示すために音楽に走ると思う。別に演奏に限らず聴くって行為もそこに入るし、もっと音楽と密接な関係になろうとすると思うな。だから人間の構造が解明されたとしたら、みんな焦って音楽を始めるんだよ。
 人間の一つの側面として論理性ってのがあって、それはコンピューターには勝てないし、人間はそこに絶望してしまっている。だからどこまでが人間でどこまでが人工知能か分かっていたら音楽を始める。それが分からないと何処までが音楽で何処までが音楽じゃないかも分からないし、何処までが論理で何処までが非論理かも分からない。だから大半の人間はコンピューターと変わらないし、劣化版コンピューターになってしまっているんだよ。



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・この渋谷って街に来る度に思うんだけど(今回のインタビュー収録は渋谷で行っている)、記号がウロチョロしている様に見えるんだよね。記号化された人間が歩いているなって。僕もそんな記号の一つではあるとも思うけど。

Kohei:性能の悪いコンピューターだからね、絵文字とかスタンプとか多用する人も多いし。最早言葉をちゃんと使えているかも怪しいじゃない?

・大半の人がそこに対して足掻いてもいないよね?

Kohei:コンピューターと同じだって分かってないからだよ。自分が人間だと勘違いしてて。

・凄くざっくりとした言い方になるけど、何かを疑ったり、想像するってのが人間としての在るべき姿なのかなって思ってる。でも僕はそこを理解してはいないし、それこそさっきKohei君が言っていた「夢の事は分からない。」ってのと同じなんだよ。それに喜怒哀楽すら僕は言説化は出来ない。

Kohei:それは後付けの統計の話でしかないよね。そもそも感性って常に正しいんだよ。それが面白いかつまらないかってのはあるし、つまらない物はコンピューター的な感性だよ。何らかの発信に対して同じレスポンスしか出来ないようならそれはコンピューターと同じ。

・レスポンスなんて多種多様だし、それこそWonderLandを聴いて何を感じるかなんて人それぞれだし、そこに対して明確な答えを何も提示してないからこそ想像させる音楽だなって思う。

Kohei:Googleとかが人工知能に絵を描かせたりしているじゃん?もし人工知能が音楽を作る事が出来たら何か変わると思うよ。
 だからJ-POPとかがやっている事も同じような曲調で同じような歌詞の物を量産していてプログラムと変わらないし、それが自動で出来る様になったらそれらに価値は無くなる。そうなったら西野カナは必要なくなって、自分が聴きたい西野カナの曲を人工知能がその場で作ってくれるからね。
 そうなると真の音楽って物がはっきりするし、人工知能が作れない音楽が必要とされると思う。俺たちはそんな音楽を作り続けるだけに過ぎない。だから色々な音楽を聴いて自分の中にデータベースを作って、その上で今までに無い新しい音楽を作り出したいね。
 天才を名乗るのは簡単だけど、そんな物は自己満足に過ぎないし、先ずは色々な音楽を聴くこと事が大事で、後は無意識に任せるだけかな。それで良いと思う。



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ライブスケジュール

5/2 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
5/29 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
6/18 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR




【オフィシャルサイト】http://www.wonderland-japan.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/friends.inn.wonderland/
【twitter】https://twitter.com/WLand_Official
【Soundcloud】https://soundcloud.com/wonderland_japan



「The Consciousness Of Internal Time And Space」購入ページ(iTunes)
https://itunes.apple.com/jp/album/id1041667215?app=itunes



photographer : Takashita Toru&セオサユミ

■【激音爆心地】TILL YOUR DEATH RECORDS、ロングインタビュー。

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 日本のエクストリームミュージックは世界トップレベルだ。

 いきなりこんな書き出しをしたけど、僕は心からそう思っている。勿論アメリカ・ヨーロッパ・アジア諸国にも最高なバンドは有名無名問わず存在している。だけど、日本のエクストリームミュージックはそんな海外のバンドとガチンコで殺り合えるバンドばかりなのだ。
 そんな日本のエクストリームミュージックを支える存在として絶対に忘れてはいけないのは、それらのバンドに光を当ててリリースするレーベルの存在であるし、僕は真摯に音楽と向き合っている各レーベルの方々には素晴らしい音楽を鳴らすバンド同様に心から尊敬の念を抱いている。
 という事で今回はそんな日本の素晴らしいエクストリームミュージック達をリリースするTILL YOUR DEATH RECORDSのオーナーである伴内氏にインタビューさせて頂く事になった。
 今年で創設十周年を迎えるTILL YOUR DEATH RECORDSはリリースをしていなかった時期もあったりしたが、リリースだけじゃ無く総武線バイオレンスを始めとするイベント主催にも力を入れ、現場主義レーベルとして様々なバンドのサポートを行っているレーベルだ。
 昨年のO.G.Dの2ndアルバムリリースから再びレーベルとしての活動を活発化させ、The DonorやREDSHEER等のリリースでその存在を知った人も多いと思う。
 これからもLOVE IS DEAD3rdミニアルバムや栃木のORANGEの編集盤やweeprayの1stアルバムのリリースを控え、これから益々熱い事を仕掛けていくTILL YOUR DEATH RECORDSの存在を一人でも多くの人に知って欲しいと僕は願う。



・まずはTILL YOUR DEATH RECORDS立ち上げの切欠を教えて下さい。

自分の好きな日本のアンダーグラウンドシーンのバンドをもっと色んな人達に聴いてもらえるような環境を作りたいなと思ったのがレーベルをやってみようという切欠でした。
当時KABBALAという日本のアンダーグラウンドシーンのメタルバンドを取り上げたファンジンに参加していて、よりそういうシーンにのめり込んでいった時期だったんですよね。
SUNSET LIFEというファンジンを15年前くらいに作ったのですが、その時に昔からの友達に手伝ってもらったことが後々のTILL YOUR DEATHに繋がっています。
ファンジンを手伝ってもらった友達と10年前くらいに飲みに行った時に、実は今度はファンジンじゃなくてレーベルをやりたいと思っているんだよねと話したところ、彼も話にのってくれて、トントン拍子に話が進み、もうその飲んでる場でV.A.をリリースすることが決まりました(笑)。
彼はTILL YOUR DEATHから離れることになるのですが、彼がCD製作や流通について非常に詳しく、本当に彼がいてくれて助かりました。感謝しても本当にしきれないほど、彼には感謝しています。



・TILL YOUR DEATHというレーベル名の由来を教えて下さい。

死ぬまでずっと聴いて欲しいという意味をこめてTILL YOUR DEATHというレーベル名にしました。
聴いて飽きたら中古で売るのではなく、リリースした作品をずっと聴き続けていただけたらいいなと思っています。



・TILL YOUR DEATHとしての最初のリリースはV.A.の「TILL YOUR DEATH」ですが、そちらに参加されてるバンドはどの様な基準で決めましたか?また当時はどんなV.A.にしようと考えてましたか?

当時は僕も時間があって色んな地方にライブを観に行っていました。東京だけではなく各地方にもかっこいいバンドがたくさんいることはわかっていたので、知名度のあるなしではなく、本当に自分が観てかっこいいと思えるバンドを集めたいなと。
実は当初は8バンドの予定だったのですが、日程的な都合もあり5バンドを収録することになりました。結果的には収録時間を考えるとちょうどよかったのかなと。
当時は何もわかっていなかったので、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍していたメジャーバンドにも声をかけたのですが、当然ながらダメでした(笑)。懐かしい思い出です(笑)。



・その経験がTILL YOUR DEATHが地方のバンドにもしっかりと目を向けてるスタンスに繋がってると思います。
そこからV.A.に参加されていたNAMAZとDOORMATの単独音源のリリースがありましたが、それはV.A.に参加していたのが切欠でリリースする事に繋がった感じでしょうか?


そうですね。DOORMATにもNAMAZにも単独作を出す時に「何かありましたら、力になれることはやらせて頂きますので。」と話をさせていただいていていたので。
何だかよくわからない奴が始めたレーベルの一作品目のV.A.に参加して頂いたバンドにたいして凄く感謝の気持ちもありますし思い入れもありますので、その後もこうやってお付き合いをさせていただけているのは本当にありがたいです。







・TILL YOUR DEATHの初期リリースのDOORMAT、NAMAZ、GxSxDはそれぞれ活動拠点こそ違えど、日本のヘビィロック・ハードコアのリアルを体現するバンドですし、その3バンドのリリースがTILL YOUR DEATHの方向性を決定付けたと思います。
伴内さんの中でTILL YOUR DEATHのレーベルとしての一つの方向性や信条とは何でしょうか?


実は音的な共通点はその後のリリースを見るとよりわかると思うのですが、あまりこだわりはありません。自分が観て聴いてかっこいいなと思えるかどうかだけです。
やはり自分でリリースをして後から何度も自分自身が聴くようなバンドをリリースしたいとは考えています。
人の意見は正直全く気にしません。結局自分の好みかどうかだけなんですよね。
あとはリリースするにあたって密接な関係になりますので、一緒に飲んで楽しい方がいいですね(笑)。
飲んでてリリースの話が決まることもあったので、うちのレーベルの信条として「一緒に飲んで楽しいかどうか。」というのも実はあるのかもしれません(笑)。



・実際に飲みの席とかでリリースが決まった作品は何でしょうか?

割と前もって僕の中で考えていて、メンバーの方々との飲みの席でオファーをして正式にリリースが決まるということは多いのですが、O.G.Dの場合は完全に飲みの席で話が出てそのままその場でリリースが決まりました(笑)。O.G.Dの時は前もってなにも考えてなかったという(笑)。勿論バンドのことを好きであるという前提の話ではあるのですが、O.G.Dのリリースは本当に完全に飲みの席での話ですね。
O.G.Dのリリース前はTILL YOUR DEATHは企画はやるもののリリースに関しては4年ほど休止していたので、そこからまたTILL YOUR DEATHのリリースが始まることになるなんて考えてもいませんでした。本当に飲みの席でのノリって怖いなと(笑)。
それでグラインドコアのバンドを出すならば僕だけでは弱いと思い、BLOODBATH RECORDSの木村さんにお話をさせて頂いて、共同リリースという形でまとまりました。







・なんともO.G.Dらしいエピソードですね。
2014年のO.G.DリリースからTILL YOUR DEATHが本格的に多数の音源をリリースする様になりましたが、その中でもTHE DONORとREDSHEERのリリースはTILL YOUR DEATHの新たなる可能性を打ち出すリリースとなりました。
この2バンドのリリースはレーベルにとって大きな転機になったのでは無いでしょうか?


自分の中では他の作品のリリースも一つ一つがレーベルにとって転機であるとは思っています。先ほど話に出た5作品目のO.G.Dのリリースも4作品目までのリリースとは若干色が異なりますからね。
AKSK君の言うとおりTHE DONORとREDSHEERのリリースは新たなリスナーの方々がTILL YOUR DEATHに目を向けてくれる切欠になったという意味でこれも一つの転機だと思います。
ただそれを特に狙っているというわけでもないんですよね。THE DONORに関しては前身バンドのSEC DIMENSIONからの繋がりですし、REDSHEERに関しても昔からATOMIC FIREBALLやSCALENEを観に行っていたという繋がりもあり、ただ単純に格好良いと思っているバンドをリリースしたら、新たなる可能性を感じられる結果になったということだと考えています。











・こうした新たな可能性を提示出来るのがTILL YOUR DEATHの一つの魅力だと思います。
少し話は変わりますが、TILL YOUR DEATHのリリース活動やライブ企画からは日本各地のバンドに対する愛を感じます。伴内さんの中で日本のエクストリームミュージックの魅力とは何だと思いますか?


やはり身近に感じられるというのは魅力の一つだと思います。こういう答え方をすると語弊があるかもしれませんが、高いお金を払って観に行く外タレのライブと同等かそれ以上のライブを毎週のように観れるというのは魅力ですよね。
また同じ国に住んでいるので他の国のバンドに比べてやり手と聴き手の感性が近く、凄く音が入ってきやすいというのも魅力の一つかなと思います。



・その中で、日本のバンドの作品のリリースを続けるのは大変だと思います。これまで様々な作品をリリースして大変だった事、逆にリリースをして良かったと思った事は何でしょうか?

大変なのは毎回のことなのですが、梱包して各店舗に納品することです。
うちのレーベルはディストリビューターにまとめて送って終わりという形ではなく、作品毎にどこのレコード屋さんやディストロで扱ってもらったら売れるかなと考えながら個別に連絡をさせていただくという形の納品の方法も並行してやっています。これをやると相当な数の送り先になるので、本業の仕事の合間にやるには重労働なんですよね。
リリースして良かったなと思うことはやはり作品が出来上がってきた瞬間と、その作品の売れ行きと買って下さった方々の反応が良かった時ですね。「いや~あのアルバム凄く良いね~!」なんて言われるとまた頑張ろうとやる気になります。



・こうした伴内さんの地道な働きがあるからこそ、僕たちの元に最高の音が届いてると思うと本当に感謝しか無いです。
TILL YOUR DEATHはライブ企画も行ってますし、その中で年末恒例の総武線バイオレンスがありますが、総武線の方はどの様な流れで行う事になりましたか?また出演バンドも毎回濃くてバラエティー豊かですが、その辺りの意図などはありますか?


総武線バイオレンスはBLOODBATH RECORDSの木村さんとCAPTURED RECORDSのJEROさんと飲んでる時に「企画でもやろうかと」いう話になって、完全に飲みの席のノリです(笑)。
僕たち三人とも千葉県の出身で総武線沿線で遊ぶことが多いんですよね。それでやるならば自分達の遊び場として総武線沿線がいいねと。
総武線バイオレンスは各レーベルが基本的に3バンド呼ぶという形をとっているので、それがバラエティー豊かな出演バンドになっている理由だと思います。
特別誰がどういうジャンルのバンドを呼ぼうと話し合っているわけではないのですが、やはり各々の好きなバンドを呼ぶとバラエティー豊かな感じに自然となるんですよね。



・なるほど。今年も熱い面子が集結してますし、今から楽しみです!
今後もTILL YOUR DEATHは多くのリリースを控えてますが、その中でも来年リリース予定の「TILL YOUR DEATH Vol2」は前代未聞の20バンド4枚組のとんでもないボリュームになってます。何故こんな前代未聞なリリースをしようと思ったのでしょうか?


今年も熱い面子が出揃ったと自負しておりますので是非総武線バイオレンスよろしくお願い致します。
以前からボリュームのあるV.A.はやってみたかったんですよね。丁度今年がレーベルを始めて10周年だったのでそれならこの機会にやってみようかと。本当はそれならば今年リリースすべきだったんですけど。
重複してしまうのですが、本当に知名度こそ全国区ではないものの地方にはたくさんかっこいいバンドがいます。そういったバンドにも参加していただいて、リスナーの方々に色んなバンドを知ってもらえるきっかけになるような作品を作りたかったんですよね。
それで参加して頂きたいバンドをピックアップしていったら4枚組という物凄いボリュームになってしまいました(笑)。1バンド15分という枠は完全に僕のワガママです。ミニアルバムくらいの収録時間で各バンドに勝負して頂きたいなと。
知らないだけで物凄くかっこいいバンドがたくさんいますので、買って聴いて下さった方々は本当にビックリすると思います。
楽しみにしていてください。



・同時に来年の夏には「TILL YOUR DEATH Vol.3」のリリースも決定しましたね。こちらはカオティックハードコア中心のオムニバスになる予定みたいですが、Vol.2とは違って音楽性特化型のオムニバスになると思います。こちらのコンセプトはどの様な形になってますか?

「TILL YOUR DEATH Vol.3」はAKSK君の言うように国内のカオティックハードコアのバンドを集めたV.A.になります。
「TILL YOUR DEATH Vol.2」とは違い、各バンド1曲ずつになります。参加をお願いしているバンドのほとんどが単独作のリリースを考えていたりすでに単独作をリリースしているバンドばかりだからというのと、Vol.2で15分という枠の問題で参加が難しいと断られてしまうケースもあったのでそれでは今回はコンセプトをガラッと変えて各バンド1曲でV.A.を作ってみようと。
Vol.2と違って音楽的に共通点の多いバンドをお誘いしているので、購入してくださる方々の層が絞りやすくそれでいて同じジャンルに属していながらも各バンドが個性的なので1曲ずつの収録でも各バンドの良さが伝わりやすいのではないかというのもこのVol.3にはあります。



・それぞれのオムニバスはこれからの日本のエクストリームミュージックシーンを象徴する作品になると思います。
これからも精力的にリリースされるのが決定してますが、リリースする作品を通してリスナーには何を伝えたいでしょうか?


知らないだけで国内にはたくさんかっこいいバンドが存在しますので、自分の耳で聴いてなにか感じていただけたらいいなと思います。
娯楽が満ち溢れているこの時代にCDを買うところまでなかなかお金が回らないかもしれませんが、飲み代を節約して買ったたった一枚のCDが人生を変えることもあります。
気になる作品があったら是非手に取ってみてください。



・最後に伴内さんの中で日本のバンドで人生の名盤10枚を教えて下さい。

自分がリリースに関わっているものは除きました。
明日には変わってると思いますが、今現在選ぶとこんな10枚になります。

DEATH SIDE「WASTED DREAM」

PAINTBOX「TRIP,TRANCE&TRAVELLING」

ORANGE「RECKLESS」

LOUDNESS「LOUDNESS」

NEGAROBO「EMERGENCY」

THE MAD CAPSULE MARKETS「4 PLUGS」

SABAZZ「THE INTOLERABLE ABSENCE OF EVIL」

GRUBBY「THE MOB BOSS」

SLY「SLY」

SUNSOWL「RECHARGED」



【TILL YOUR DEATH RECORDSリリース作品】

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・V.A.「TILL YOUR DEATH」
NO MORE PAIN(札幌)
NAMAZ(福島)
DOORMAT(東京)
HAIT(大阪)
CHOKE(佐賀)



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・GxSxD「GOD SEND DEATH」



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TYDR003
・DOORMAT「CROSS THE THRESHOLD」



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・NAMAZ「MANIPULATED JUSTICE」



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TYDR005
・ORGASM GRIND DISRUPTION「Offensive Grind Dudes」



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・THE DONOR「AGONY」



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・NN~DURA/THORN「NN~DURA vs THORN」



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TYDR008
・DEATHBLAST/DEATH THIRST/MASS HYPNOSIA「スラッシュ大殺界」



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・REDSHEER「ETERNITY」


TYDR各作品購入ページ(Amazon)



【TILL YOUR DEATH RECORDS今後のリリース予定】



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2015年9月30日発売
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・LOVE IS DEAD「2203EP」



2015年年末発売予定
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・ORANGE「DISCOGRAPHY CD」



2016年春頃発売予定
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・weepray「1st FULL ALBUM」



2016年春頃発売予定
TYDR014
・4枚組V.A.「TILL YOUR DEATH Vol.2」
AT ONE STROKE (東京)
CHOKE(佐賀)
DEATHBLAST(栃木)
DEATH HORN(東京)
DOORMAT(東京)
DORAID(東京)
EXOFORCE(静岡)
GxSxD(岡山)
IMMORTAL SENSE (群馬)
JUNKY WALTZ(岐阜)
NAMAZ(福島)
PAKU-TOH(栃木)
ROSEROSE(東京)
SECOND RESURRECTION(福島)
THE DONOR(金沢)
THORN(千葉)
vimoksha(名古屋)
エ〜クソダス(大阪)
零(千葉)
蓮獄(岡山)



2016年夏頃発売予定
TYDR015
・V.A.「TILL YOUR DEATH Vol.3」
NoLA
REDSHEER
and more...



発売日未定
TYDR009
・GxSxD「2nd FULL ALBUM」



発売日未定
TYDR016
・REIGNTERROR「DISCOGRAPHY CD」




BLOODBATH RECORDS、CAPTURED RECORDS、TILL YOUR DEATH RECORDS共同企画
「総武線バイオレンス2015」
2015年12月29日
両国SUNRIZE

・ABORT MASTICATION
・DORAID
・ORANGE(栃木)
・REDSHEER
・RIVERGE(大阪)
・vimoksha(名古屋)
・W.D.L.K.(京都)
・weepray
・ZOMBIE RITUAL
・幻覚NEONS




【レーベルblog】:http://blog.livedoor.jp/newbleed66/

■【愛と憎悪を叫ぶ唯一無二の激音】REDSHEER、ロングインタビュー

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 もしこの作品を適切に表す言葉があるとするならばそれはもう「新感覚の激音」という言葉以外に無いと僕は思う。
 ex.ATOMIC FIREBALL、ex.SCALENE、ex.Bucket-Tのメンバーによって2013年に結成された3ピースであるREDSHEERは2014年3月のライブ活動開始から現在に至るまでの精力的なライブ活動でその新感覚の激音で多くの人々に悪夢を見せてきたバンドだ。
 メンバーそれぞれのキャリアもあるし、ベテラン3人が人生最後のバンドという覚悟の元に結成したREDSHEERは結成からまだ2年程のバンドでありながら既に孤高の領域に達したバンドであると思う。
 妥協無きオリジナリティの追求と圧倒的テンションを爆音に託したライブによって人間の肉体も精神も破壊する感情の暴発だけを鳴らしたサウンドは本当に多くの人々に衝撃を与えたし、SNSや口コミで瞬く間にその名前を広げた。
 そしていよいよ1stアルバムである「ETERNITY」をTILL YOUR DEATHからリリース。それはライブで魅せた激音とはまた違う、でも紛れも無い新感覚の激音であり、2015年のハードコアを象徴する重大作品であり大傑作と仕上がった。
 同じくオリジナリティのみを追求する孤高のノイズユニットASTROとのコラボもそうだし、全10曲が全然違うベクトルで激音を描きながらも、50分弱が熱き血潮の様に一瞬で駆け巡り、人間が持つ「愛と憎悪」を完全に暴いてしまう作品となった。
 これは最早カオティックだとか激情ってカテゴライズなんて不要であり、全ての人々が持つ内面的世界を描き叫び暴くドキュメントであるのだから。
 今回1stアルバムリリースのタイミングでREDSHEERのメンバー全員参加でのインタビューの方を敢行させて頂く流れとなった。
 バンドの結成の経緯からメンバーそれぞれがストイックに追い求めるオリジナリティやアルバムについて、果ては40代でまた新たにバンドを始めた事によって生まれた初期衝動といった話まで全てを余す所なく聞かせて頂いた。



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・先ずはREDSHEERの結成の経緯から聞きたいと思います。元々皆さんはATOMIC FIREBALL、SCALENE、Bucket-Tとキャリアがある訳ですけど、REDSHEERの発起人はOnozatoさん(Vo&Ba)という事で宜しいでしょうか?

Onozato:俺だね。



・その中で何故Yamaguchiさん(Gt)とKataraoさん(Dr)をメンバーにしようと思ったのですか?

Onozato:うるさい音楽をやるならギターはもうYamaguchiしかいないなって。



・ATOMIC FIREBALL、SCALENE時代からの付き合いもあってという事ですか?

Onozato:そうだね。ATOMIC FIREBALLが終わって、SCALENEが終わって、それからたまに会ってっていう付き合いだったけど、またうるさくハードコアをやるってなったらYamaguchiしかいないなって。



・Kataraoさんに白羽の矢が立ったのは?

Onozato:ドラムを探そうってなってさ、その頃にBucket-Tが解散するって話を聞きつけてそのライブに足を運んだんだ、この後Kataroaがやるバンドとか決まっているのかなっていうのも聞きたかったし。その解散ライブで久々に彼のドラムプレイを観て、それで一回みんなで酒でも飲みながら話しようって連絡して。
元々はSCALENEを再結成しようと思ってドラムだった東田君を誘ったんだけど彼が出来ないってなって、元々彼はドラムから離れてトラックメイカーの道に進んでいたし、そういう諸々もあって出来ないって返答が来て、そこでドラムを探そうってなったんだけど、Bucket-TのラストライブのKataraoのプレイを観て、過去に囚われるよりも彼にドラムを叩いて貰って新しい事に挑戦する良い切欠なんじゃないかなって想いが生まれてね。

Yamaguchi:そのライブは俺とOnozatoの二人で観に行ったの。それで彼なら良いんじゃないか、新しい物を作れる気もするしってなった。その後に3人で飲んで、まあメタル談義だよね。メタルとプロレス談義をしたと記憶してるんだけど。

Katarao:大体いつもそうじゃない(笑)。

Onozato:大体そうだ(笑)。

Yamaguchi:Judas Priestがどうとかって話とか、あとプロレスの話をね。んでその日は俺が来る前にスタジオ入った時の課題曲は大体決まっていたのよね。

Onozato:取り敢えず共通で好きなバンドを2曲位課題曲で合わせようってなって、何故かUNSANEとKyussだったんだけど。

Yamaguchi:俺は全く聴いた事無くてね(笑)。

Onozato:それでスタジオで課題曲合わせたけど、スタジオ二回目でもう課題曲やってもしょうがないってなってオリジナルをやろうって。振り返ること三、四年前だけどYamaguchiが曲を作っててね、またいつかバンドやりたいからって、じゃあその曲やろうよって。

Yamaguchi:その頃に2曲あって、それが元で出来たのが「CURSE FROM SAD SPIRIT」と「THE END,RISE ABOVE」。







・その2曲が本当にREDSHEERの始まりの2曲と。SCALENE時代も曲はYamaguchiさんが作ってたのですか?

Yamaguchi:いやSCALENEは当時のドラムだった東田君が作ってたの。彼はギターも弾けたから、多重録音してコード進行作ったり、フレーズを組み立てて持って来たりとかしてた。その後のアレンジとかは各楽器でやったけど。でもATOMIC FIREBALL時代から考えても曲作りに参加したのは3曲位かな?だからATOMIC FIREBALLとかSCALENEとは曲の作り手は全然別だって考えて貰って良い。



・もう完全に違うバンドですよね、当たり前ですけど。

Onozato:そうです。当たり前ですけど。

Yamaguchi:ATOMIC FIREBALLとかSCALENEとか知ってる人は「正にその流れの音だ。」とかってREDSHEERの事を言うけど、まあそれはSCALENEとドラム以外は同じ人間がやってるバンドだし、トーンとかボーカルのスタイルとか段々変わっては来ているけど、根っこは同じだし、そういう意味で似た感触を受けてしまうのは、まあ仕方無いかなって(笑)。

Onozato:何が決定的に違うかって言うとYamaguchiが曲ネタ持ってくるからね。それを俺とKataroaで捏ねくり回して曲にするって感じで。



・僕がSCALENEとREDSHEERの決定的な違いだと思うのは、REDSHEERはずっとメロディアスだなって。SCALENEは完全に殺気立ったリフで攻めまくるって印象だったんですけど。REDSHEERはメロディアスと言っても既存のメロディアスさとは違って、よくある例えなんですけど、ギターが歌っているとか。

Onozato:それを狙っているのかな?意識しているのか無意識なのかそれは分からないけど狙ってるのかも。



・僕の中では歌っているというよりも泣き叫んでいる感じなんですよね。SCALENEは無慈悲な殺気だと思うんですけど、REDSHEERはもっと人間臭さを音に感じるんですよ。そこら辺はOnozatoさんが歌っている内容とも繋がると思うんですけど。「YORU NO SOTOGAWA」以外はREDSHEERの曲は英語詞なので歌っている内容は分からないのですけど、具体的にはどんな事を歌っていますか?

Onozato:今回のアルバムには歌詞カードは付けないんだ。言葉で何かを伝えるという考えが俺にはあんまり無くて、歌詞を読みながら曲を聴いて共感するって作業が好きな人がいるっていうのも分かるけど、俺はそれよりも想像を色々して欲しいなって。曲のタイトルなり、曲を聴くなりして。みんなそれぞれ捉え方が違って良いとも思うし。



・歌っているのは間違いなくダークな事ですよね。

Onozato:歌っているのは正に「愛」と「憎悪」だね。
うるさいバンドをやってなかった時期もあってさ、その時期は物凄くつまらなかったんだよね。やっぱりバンドやってた奴はずっとバンドやってないと自分の心が定まらないというか、落ち着かないというか。30過ぎて40になって「俺はこのままで良いのか?」って。自分が直ぐに行動するべきだったんだよね。バンドはもう良いかなって思ったりもしたりしたし、でも葛藤はあったし、自分の力量の無さを感じたりもしたし。
みんな踏み出す時って何かの切欠じゃない?そういう意味では俺も全然普通の人間だし、目線はみんなと一緒だし、何も特別じゃ無いし、ただ好きな事をやるって時の決めた事に対して突き進むという。まあそういう事は歌詞にしていないけど、でもありきたりな事ですよ歌っている事なんて。「人間の弱さ」と「心の苦しみ」、「叶わぬ、伝わらない愛情」、「絶える事が無く込み上がる怒り」などなど…。中二病全開かよ!?ってね(笑)。まあ捉え方は人によりけりの完全なる自己世界を自身に置いて展開してます。



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・Onozatoさんが奮い立つ切欠になったのは何でしょうか?

Onozato:元々SCALENEが終わってからもバンドやっていたりはしていたの。SCALENEが終わってからNine Days Wonderに一年間在籍していたりもしたし、その後にギターロックというかシューゲイザーのバンドにいたりしたけど中々スイッチが入らなかったね。もうバンド出来れば良いや位の気持ちだったし、二週間に一回スタジオ入って、たまに年二回位ライブやるって感じだったし。でもこんなんじゃ良くないって思い始めてさ。
そこから二年位経って…俺さ歯茎に腫瘍出来ちゃってさ、体が悪くなったって感覚じゃ無いんだけど、歯医者に行ったら「うちじゃ面倒見れません。」って言われて、もう一軒歯医者行ったら紹介状書いて貰って大学病院に入院する事になったんだけど。体は全然ピンピンしているんだけど、生まれて初めての手術だし、その時にボーッと「やっぱ好きな事をやらなきゃダメだな。」って思い始めて、好きな事って何だろうな?って思ったら、それはやっぱりベースを弾いてマイクに向かって叫ぶって事で、うるさい音をやりたいなって。
その入院中の二週間、毎日毎日ひたすら外の景色を眺めながらCorruptedと324の音源をほぼ全部聴き捲ってたのね。うるさい音楽を一切聴いて無かったから久々に心を駆り立てられたくなってさ、「格好良いよな!凄いよな!!」って。それからスイッチ入るの遅かったんだけど、やってたバンドのドラムが何回も辞めたりとかあって、そのバンドは辞めるつもりは無かったんだけど、まあ結果的に辞める事になって、それで自分のスイッチが入ったのかな…気が付いたらYamaguchiに電話してた。



・もうYamaguchiさんしかいないと。

Yamaguchi:有難いね。

Onozato:それでやるって決めて、週2、3回は個人練習入るようになって、ベース弾きながら歌う練習を。その時に体中の血が熱く駆け巡る瞬間があったのよ!それで「俺はやっぱこれなんだな。」と「これしか無いな。」と。また自分がベースを弾いて歌を歌って叫んで、これでまたステージに立ちたいなと。



・何というかREDSHEERは「40代からの初期衝動」だと思うんですよね。若さから来る初期衝動では無くて、年を重ねた三人だからこそ生み出せる衝動というのを提示しているのかなって。

Omozato:それはそうかもね。自分たちの事を客観的に見たり考えたりってのは難しいんだけど、そう言ってくれるとやっぱりそうなのかな?
何しろKataraoのドラムもBucket-Tの時とは全然違うスタイルになっているし、新しい事に挑んでいるって意識が三人とも強くて、物凄く新鮮だし、先ず曲が出来ると凄く嬉しいし、バンドやってたら当たり前だけど。俺らは決め事が無いバンドだから、何をやっても良いバンドだから。その中で生まれた物をライブでやる、それが作品になる、それは本当に嬉しい事だね。
2013年の6月からスタジオ入って、そこから曲作り始めて2年経って…まあ時間経つの早かった!人生の中でこんなに我武者羅に何かに取り組んだ事は無かったんじゃないかって位早かったね。



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・ライブ活動を始めたのは2014年の春先でしたっけ?

Onozato:3月だね。ex.Bucket-Tの斎藤君が今やっているele-phantの企画に呼んで貰って。その時はそのライブだけ決まってて、次は決まって無かったの。そこから有難い事に色々なお話を貰って…



・一年程REDSHEERを追いかけて来ましたけど。凄く精力的にライブをやっているバンドだと思いましたよ。

Onozato:ありがとう。もうそれしか無いから。



・新曲もガンガンライブでやってましたし。ちょっと曲の話に入りますけど、先程REDSHEERにはルールがないって仰っていたじゃないですか?それが先ず曲に出ているなって。

Onozato:ルールが無いって言い方も少し大雑把過ぎるんだけど、基本的にはみんなうるさい音が好きだから。

Yamaguchi:強いて言うなら、暗黙のルールとして既存の物をトレースした様な物はやらないってのは、みんな共通の認識としてあると思う。



・本当にオリジナリティのみ追求で。

Yamaguchi:この歳になると苦労してバンドやっているのに、既に何処かで誰かがやっているのと同じのをやってもしょうがないし、作ってもしょうがないの。どうせやるんだったら他に無い物をやりたいし。
俺が曲ネタ作っている時も既存に無い物で曲ネタ作っているってのもあるけど、その時に頭でぼんやり浮かんでくるドラムとかベースとかボーカルっていうのを…結構二人共完全に覆して、また全然違う物をぶつけてくるから、そういう意味で最初に想定していた曲とはまた違う形になって、そもそも誰の頭の中にも無かった物が出来上がっているっていうのは、いつも楽しいなあって思って。



・それこそベタな言い方にはなりますけど、バンドマジックなのかもしれませんね。

Yamaguchi:そうそう。基本的に「ここ、こう叩いてよ。」とか最初に言ってもKataraoは「俺はやらない。」とかね。…何かKataraoがびっくりした顔してるけど、結構あるよね?

Katarao:やってるじゃん!!

Yamaguchi:やっている場合もあるけど「あー、分かった分かった!!」って。それをどんどん崩してくるのよ。だからいつも面白いの。



・Kataraoさんは具体的に自分がどんなドラムを叩きたいとかってありますか?

Katarao:無い!!



・無いんですか(笑)

Katarao:何というか…三人でやっているんだから、単に誰かが書いた曲をなぞる様な形じゃ無くって、それぞれぶつけ合って生まれてくる物が大事だなと思っているから。そうなると「こんな事がやりたいな。」っていうのがあれば俺もギター弾いて曲ネタとして持ってくるし。まあそんな様な事なんじゃないかなって思うんだけど、頭の中で考えたりはそんなに無いな。その時に出来上がる物を大事にしたいって感覚でいるんで。だから改めて問われると俺は何も無いのかなって。

Yamaguchi:でも俺が曲ネタ作る時も、思い描いた物とか頭に浮かんだメロディがあって、これをこうしたいって形にするんじゃなくて、何にも考えないで取り敢えずギターを触って、触っている中で発見した物を繋いでいって形にする…だから何も考えて無いんじゃないかな?



・Onozatoさんはそこら辺はどうですか?

Onozato:さっきの話に戻るけど。うるさい音でこの三人が集まって結果うるさい音になっていれば。意識をしているのはやっぱ強烈なオリジナリティを感じさせるうるさい音。
今回のレコーディングでもNOISE ROOM STUDIO(西武柳沢)の小林重典さん(GOUMのベーシスト)とツバメスタジオ(浅草橋)の君島結君(ex.GAJIのギタリスト)の二人に伝えたのは「新感覚の激音」を作りたいって事。凄く伝わらない言葉なのかもなんだけど、それだけを意識している。多分ね、それを意識していれば三人で作れるんじゃねえかなって。今までライブ活動をして来てバンドもかなり鍛え上げられて来たし、出せるなって自信みたいのは出てきた。
でも得てしてオリジナリティオリジナリティって提示しても伝わらない人には中々伝わらないし、それはもう個人の趣向の違いや趣味の違いだから仕方無いんだけど、でも「このバンド何だか自分にフィットするな。」って人がライブを重ねていくにつれて増えてくれて、名前が浸透していって、それなりに評価を下さって、そんな中でうちらを熱心に聴いてくれている人が共通して言うのは「こういうバンドは中々いないな。」って事で。イコールそれは俺たちがオリジナリティを出せてるって事だし、オリジナリティを追求しているんだって事が音にちゃんと宿って伝わっているんじゃないかな?

Katarao:だから一生懸命やってるよね(笑)

Onozato:我武者羅ですよ!!

Katarao:曲を作るのも、実際に作った曲を演奏して聴いて貰ってって時も、まあまあ陳腐な言い方かもしれないけど一生懸命!一生懸命作って、「こうやったらびっくりするかなー?」とか「気持ち良いかなー?」とか「楽しいかなー?」とか「盛り上がるかなー?」とか色々な事を考えながら、一生懸命考えて、一生懸命プレイしてっていうのが、まあ根底なんじゃないかな。と言うのは変な言い方になるけど、みんなそれぞれ時間使ってバンドやっているんだったらそりゃ最高な物にしたいねってのは絶対的にあるから。

Onozato:そうね…音に魂を宿してそれを聴き手に伝えるっていうさ…やっぱり出来てるバンドと出来てないバンドっているじゃない?それが経験なのか、演奏技術とかテクニックなのか…正解っていうのは分からないんだけど、同じやるなら伝えたい!心を音に宿したい!それでやるんだったらさっきも言ったけど強烈なオリジナリティを持つ激音でありたいという…拘りはそこかな?







・その一生懸命やるしか無いってのが余計な物を削ぎ落としている気もします。

Katarao:あのね、一生懸命やるしか無いじゃなくて、一生懸命やるっていうだけの事であって。メンタル弱い奴・メンタル強い奴っていて、メンタル強い奴のが面白いじゃない?完全に面白いじゃない?どういうメンタルで舞台に立って、どういうメンタルで音出してって事自体はちゃんと考えて臨まないといかないと思ってやってる。
REDSHEERも有難いことにある種の期待値とかある種の○○感みたいのが持ってもらえてて、それにしっかり応えなきゃいけないっていうこちら側の心持ちっていうのは完全にあって、生温い音出してられない!!っていうか、もうそういう歳じゃないっていうね。
だから「今回のライブはあんまりだったね。」とかっていうのは無くしたい。いつ聴いても最高だったと言われたい。それが出来ている時、出来ていない時っていうのはあるかもしれないんだけど、ある立ち位置からしてみるとそれなりに歴史のあるメンバーかもしれないし、そう考えると恥ずかしい真似は出来ねえなあって!そんな気持ちを凄く強く持っているんで。

Onozato:ほら!去年の6月のブッシュバッシュのライブ!AKSKが初めてうちらを観に来てくれて、weeprayの阿武君、wombscapeのRyo君、Starlingraidの栁澤君、O.G.Dの皆川君も遊びに来てくれて、あの時だね!!みんなうちらの過去のバンドを知っている訳だし、それ以上の物をやらないと観に来て貰った意味が無い…言葉は悪いけど音で「こいつらブッ殺してやろう!!」って思ったよ。あれは燃えたね。凄い格好良かったってみんな興奮気味に言ってくれたのは自分たちの力にも誇りにもなったし糧になった。このままこのテンション以上の物を提示していく努力をしようって。
何かね…REDSHEERを始めた頃ってどういうテンションでやって良いか分からなかったの。始めたばっかだから仕方無い部分もあるけど。ちょっと抑えた方が良いのか?って思ったりもした…でも結果あの時は違った。抑えるどころか自分の中身が全て空っぽになるライブを毎回毎回やっていかないと。特にうちらは音が音だからさ、思いっきりやらないと伝わらないなって。あの日のブッシュバッシュが学ぶ場になったし、自分の緊張感も物凄いあったんだけど、こう放出具合っていうのが自分たちの中でも手応えがあったし、あのライブからかな?スイッチ入ったのは。



・それから今に至るまで様々なバンドと対バンしたりもしたじゃないですか?他のバンドから受けた刺激というのもREDSHEERにとって大きいと思います。

Onozato:あるよーそれは。さっき名前出した方々とか平均すると10歳以上年下だし、彼らは今が一番高みに上っている時期だと思うし、バンドのキャリアも続いて、一番良い状態でライブもやって良い作品も出してって人たちが多いと思うし、そこの人たちに凄い刺激を貰っているね。isolateのAndo君もそうだし、まあみんな凄い…あの放出具合は…負けてられないなって!!



・やっぱりそういったライバルの存在は大きいですか?

Onozato:でかいね…。またいつかうるさいバンドをやりたいと思ってた時期に色々なバンドをチェックしていたんだけど、Starlingraidは元々知っててそこから切欠にwombscapeとかisolateとかweeprayとかを知って、大阪にPALMがいるってのもチェックして、凄い事をやってるなあって。いつか彼らと対バンしたいと思ったし、いつか俺の存在を認めさせたいなって。
正直キャリアも何も一回無くなったと思ってる部分もあったし、またゼロからやろうと思ってた部分もあったし、ライブ活動を始めてさっき名前を上げたバンドさんと同じステージに立つ事も出来て…刺激は貰ったね。



・REDSHEERの音楽って前提として「VS人」ってのがあると思いました。それこそ対バンだったり観ている人だったりとか。自己満足じゃ無くて自分たちの追求しているオリジナリティを伝えたいって気持ちを感じました。

Onozato:さっき歌詞の話で少しぼやけたけど、そこの意味での愛ってのは凄くあるかな。…分かって貰いたいんだよ。分り難い楽曲ではあるけど(笑)。それでさっきAKSKがメロディアスだって言ってくれたじゃん?そこなんだよね。複雑な曲展開でリズムチェンジも凄く多いし、一筋縄じゃいかない音楽をやりたいからやっているんだけど、それをいかに分かりやすく伝えるべきかってのは、一曲の中でメロディを喚起させる。それは自分が聴き手に対しての愛で。分かりやすく伝えたいっていう。そうなると言葉よりも歌の雰囲気とかそっちになっちゃう部分はあるかな。



・先程からOnozatoさんが仰っているうるさい音楽ってあるじゃ無いですか?俗に言う激情系だったり、カオティックハードコアだったり。

Onozato:でもね俺の中でのうるさい音楽はストーナーであったり、スラッジであり、グラインドでもあり、ハードコアもそうだし。自分が子供の頃に聴いてたデスメタルもそうだし。俺はジャンルって言葉が嫌いだからこそジャンルに拘らない自分たちの音ってのをやっているんだと思う。垣根を越えたいんだよね。だから細かい事はどうでも良くて、ハードコアって言葉一つで、それはイコールうるさい音って幅広く捉えて貰いたい。
かといってルールは無いにしても色々な物に手を出すって事では無くて、自分たちが曲を作る中で自然に出てきたリフだったりメロディだったりを大切にしながら絶対的なオリジナリティであったり、新感覚の激音っていうのを無意識に自分たちの中で蓄えながら曲を作って出来た曲をライブで一生懸命演奏してお客さんに伝えたい。…もうこの三人で自分たちの思う「新しいうるさい音・新しいハードコア・新感覚の激音」っていうのをこの三人で出し続けるだけって事です。



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・それでは1stアルバムである「ETERNITY」の方の話に入りますが、今回TILL YOUR DEATHからリリースする事になった切欠から伺います。

Onozato:バンド活動を始めた2013年の年末の先ず名刺になる物を作りたいってなって、出来上がっていた3曲をNOISE ROOM STUDIOで録音して、それをSoundCloudにアップして、それをTILL YOUR DEATHの伴内さんが聴いてくれたのよ。それで伴内さんがSNSで呟いてくれたり拡散してくれたりとかして結構広がった。伴内さんがうちらの過去のバンドも知っててそこで興味を示してくれたの。
それで2014年の7月に新たに3曲を録音して、関係者の方に新たな名刺として配布したりしたの。それを伴内さんに渡したら真っ先に「うちからアルバムをリリースしませんか。」って有難い言葉を頂いて。もう出したいって人が一番だと思ってたし、こっちから出して下さいって動くのも考えていたけど伴内さんが真っ先に言って下さったから「是非ともお願いします!」って流れ。



・真っ先にラブコールをしたのが伴内さんだったという事ですね。それでTILL YOUR DEATHから出すしか無いと。

Onozato:それをYamaguchiにもKataraoにも話したら「出すでしょ!!」ってなった。…考えてみるとそこから一年経っているね。



・でも大分早い段階でアルバムの話は出てましたよね。

Onozato:ライブを4回やって、そのレコーディングをした2014年の7月がライブが無かったのかな。でもライブ4回やった時点でその話を頂いていたし、展開は早かった。



・ある種運命かもしれませんね。

Onozato:そうね。REDSHEERのファーストライブの時はどんな活動をしていくかとか全然分からなかった。でもアルバムリリースの話を頂いて、ライブのオファーも沢山頂いて、色々明確になったよね。だからこのアルバムを切欠にREDSHEERって名前を多くの人に知って貰って聴いて貰って。アルバムを完成する事が出来てホッとしているし。次に繋がる物を作ったって自負もある。



・「ETERNITY」の方も聴かせて頂きましたけど、ライブとは全然違う激音だったなって。

Onozato;ギター・ベース・ドラムの録音はNOISE ROOM STUDIOでやって、エンジニアの小林さんがCoffinsやLIFEといった日本を代表する激音を録音する事に長けている方で、先ずは小林さんにお願いしようってなった。
そこからボーカル録り・ミックス・マスタリングはツバメスタジオの君島君に。彼が20歳、俺が19歳の頃からの知り合いで。ATOMIC FIREBALL、Bucket-Tの時に彼が在籍していたGAJIと昔の高円寺20000Vで頻繁に対バンしていたお付き合いでさ。彼の奏でるギターは凄まじい物があったんだ!完全なるオリジナリティを確立していたと沢山の人が今でも思っている筈だよ。
彼が録音しているskillkillsとかEXTRUDERSを聴いてさ…彼のマジックを感じて、録音のスタイルもエンジニアとしての技量も。それでNOISE ROOMとは真逆な方向でREDSHEERの音を捉えて貰って、それこそ正に新感覚の激音を…ハードコアだし勿論うるさい音にしたいんだけど、飽きさせたく無くて。うるさい音が苦手な人もいるだろうし、うるさいんだけど何処か聴き易さとかキャッチーさだったり、そこを音で作って欲しかった。だから君島君にお願いして、これが功を奏したのかな。結構聴く部分によってはポップに聞こえる音に作りこんで貰っているし。



・「BLINDNESS」は歌物的な曲ってのもあるますけど、そのポップさがありますよね。それと意外だったのはアルバムのオープニングを飾るタイトル曲「ETERNITY」でASTROとコラボしたって事ですね。それはどんな流れで実現したのでしょうか?

Onozato:俺が10代の頃、ASTROの長谷川洋さんがやってたC.C.C.C.が凄い大好きだったの。それで2014年の9月23日の高円寺Showboatの企画に長谷川洋さんの奥さんであるROHCOさんにお誘い頂いて、それは凄く縁を感じたし、その頃から洋さんとお付き合いも始まって、アルバム制作に向けてYamaguchiがインストを作ってきたの。ここで強烈な電子音が欲しくなって、これは洋さんとROHCOさんにお願いするタイミングなんじゃないかなって。それでお二人にゲストで参加して欲しいとお願いしたら快諾して頂いて、提供して下さった音…最高です!!素晴らしい!!







・本当に新感覚の激音のオープニングに相応しい曲だなって。その直後の「SILENCE WILL BURN」でブチ切れているのが最高だと思います。

Yamaguchi:でも「ETERNITY」は最初からアルバムのイントロを飾る曲だった訳じゃなくて、元々はギターだけを重ねて録音していつも通り曲ネタとして持っていって、そこにはベースもドラムも被せないって流れになって、ASTROのお二人に参加して頂いて、出来上がった音を聴いてからこれをイントロにして良いんじゃないかなって。最初はアルバムの途中に挟むインストにしようと思ってたの、小休止的な感じで。でも音を聴いてアルバムの頭に持っていって、そこから「SILENCE WILL BURN」って流れが良いんじゃないのって。結構後付けで。

Onozato:まあでも…あんな強烈な音を作って頂いたら先ず最初に聴いて貰いたいでしょ。



・正直アルバム全部通して強烈過ぎて…!僕は2013年の6月のブッシュバッシュでのライブで初めてREDSHEERを観たんですけど、その時に抱いた感想が「凄い!でも訳分からない!!」だったんですよね。ある種分かりやすいけど得体の知れない物を提示している作品だと思いますし、それがイコール新感覚の激音・新しいハードコアなのかもしれません。

Onozato:でもそこには聴き易く作った音というか、当てはまらないのかもしれないけどポップな要素ってのもあるし、それを君島君に求めた。バックの音はもう小林さんに強烈でヘビィな音を作って頂いて、そこから君島君に変換して貰って…まあ面白かったよね。うちらの狙いが功を奏したというね。



・ドンピシャで!

Onozato:正にそうだね。一切悔いが残らない、一生胸張れる自分たちで誇れる作品を作りたかった。妥協はしたくなかった。



・もう一つ言うと、全ての曲がある種自然に共存していると思います。「SILENCE WILL BURN」も「BLINDNESS」も「IN A COMA」もアルバムの中でちゃんと繋がっているなって。全然ベクトルの違う曲がしっかり繋がっているのもこのアルバムの凄い所だと思います。

Onozato:そこは考えていない様で考えたかもしれない(笑)。

Yamaguchi:流れはね(笑)。



・もう一つ言うと後半の「THE END,RISE ABOVE」以降の4曲でより得体の知れなさが増すなって。もっと得体の知れない何かが。

Katarao:B面だもん。



・前半A面、後半B面みたいな。

Onozato:そうだね、それを考えた!アナログで聴くんだったらって体でA面・B面って。ちゃんと流れを汲み取って聴いて貰いたいし…B面が割と地獄だね。







・でも「YORU NO SOTOGAWA」みたいなキラーチューンをラストの方に持ってくるのは意外でしたね。

Onozato:ちょっとハッとさせる最後に気付きというか「辿り着いた所がここですよ。」っていうのを狙ってあの曲を持っていった。ラストに「LEAVING MYSELF IN DARKNESS」があるんだけどあの曲はエクストラとして、「YORU NO SOTOGAWA」で実質ラストってのを描きたかった。



・「GLOOM」と「LEAVING MYSELF IN DARKNESS」というドス黒さ全開の2曲の間に「YORU NO SOTOGAWA」を挟むって流れがよく思いついたなって!!

Onozato:あれは憎悪ですよ。正に怒りの放出。







・そう考えると「THE END,RISE ABOVE」が良い感じでアルバムの中で中間地点にあるなって。あの曲はREDSHEERの初期の曲だからこそ、キャッチーさと地獄の中間地点にあると思います。

Onozato:言われてみるとそうかもね。



・「THE END,RISE ABOVE」こそがREDSHEERが提示したい新感覚の激音の一番名刺代わりになる曲なんじゃないかなって思います。

Onozato;そうかもね。ちょっとジャンクロックなテイストもあるし。



・でもYamaguchiさんが滅茶苦茶メロディアスなアルペジオを弾きまくっていたりもして、Onoazatoさんも終盤で裏声でのボーカルを披露していたりして、あの切羽詰まった感じです。

Onozato:聴いてる人にメロディを浮かび上がらせて欲しいからね。

Yamaguchi:「THE END,RISE ABOVE」が出来た時にREDSHEERとしての曲の作り方の枠が出来たとも思う。その前に「CURSE FROM SAD SPIRIT」を作ったんだけど、それは俺が持ってきた曲ネタから殆ど形が変わってなくて、まあ紆余曲折ありつつの結果論ではあるけど。
「THE END,RISE ABOVE」は曲ネタの時と曲として完成した物を比べるとほぼ別の曲で、残っているのはメインのリフ位で。リフを提示してみんなで合わせて、そっから膨らんだイメージで再構築してまたみんなに提示して、そっから色々な物が入って構築してって作りで出来たし、曲の後半のアルペジオからの流れもみんなでイメージを膨らませて構築するって作業をしなかったら出てこなかった感じなんだけど。
でも今は割とどの曲もそういう流れで作っているから。みんなに出して貰ったリズムだったり違うメロディから膨らませて作るっていう今のREDSHEERの作曲のスタイルの基礎が出来たのは「THE END,RISE ABOVE」。

Onozato;またそれを壊す時が来るよ。

Yamaguchi:まあねえ、いつか来るかもしれないねえ。

Onozato:型にハマっちゃうと面白くないから。

Yamaguchi:ただOnozatoは結構ジャムセッションから曲を作りたがっていた時期もあったんだけど、俺はジャムセッションから曲を作るのは好きじゃ無くて、ジャムセッションという何も無い所から合わせてやるってなると絶対既存のイメージを何処かから持ってきてみんなで合わせて曲を作ることになるから。そういうのでは無くて、完全な0から1を作り出してみんなで膨らませていくっていうのが今のところは「CURSE FROM SAD SPIRIT」以外はそういう作りになっているね。



・…まあでも一筋縄でいかないバンドだなあって。

Onozato:でもアルバムは一気に聴けるでしょ?



・はい。50分があっという間に終わりますね。

Onozato:それはやっている自分たちも聴いてて思ったし、それで良いじゃない…それが良い。だからやれたなって。

Katarao:…一筋縄じゃいかないのよねえ。…今も新曲を作っているんだけど、…いやこのバンドは大変だなって思いながらね…やってるんですよ。

Onozato:体力的な事も含めて、テクニック的な事も含めて自分たちで勝手にハードルを上げてる感はあるね。

Yamaguchi:毎曲毎曲練習しなきゃいけないっていう、習得しなきゃこの曲が出来ないってのを毎回作ってるから。特に…ドラムは…必ず新しい物をブチ込んで来るから。

Katarao:そもそも譜割りが凄いからね。もっと凄い人たちは勿論いるけど、俺らにしてみたら凄いっていう。譜割りを意識しないで曲作ってくる人がいるから。

Onozato:フレーズでね(笑)

Yamaguchi:メロディが先に出来て、リズムはまあメトロノームに合っていれば良いかって感じで曲ネタ渡すから、それでいつも悩むっていう。

Onozato:まあでも今が一番楽しいよ!…本当にバンドをやれる喜びってのを日々感じて生きてる。…それが一番幸せ。何歳まで出来るか分からないけど、末永くやり続けたいね!この三人で!!



・皆さん公言してますが、REDSHEERが三人にとって人生最後のバンドになると仰ってましたけど。

Onozato:俺はそう思ってる!



・先程末永く続けたいと仰ってましたが。

Onozato:可能な限り!!…自分がやっている音楽に対する飽きって無いと思う。でも体力的に限界感じたら音をシフトせざる負えないけど(苦笑)。…でもやっぱうるさい音好きだし、先の事は考えるけど、何歳までやるとか区切りつける年齢でも無いから。楽しいなって思ったら、充実してるなって思ったらずっとやりたいし。



・正に40代から始める初期衝動ですね。でもYamaguchiさんはバンド活動のブランクもあったと思いますし、そこからREDSHEERを形にするまでに膨大なエネルギーが必要だったと思います。だからこそ一筋縄じゃいかない熱情というか…業と欲望ですよね!!うるさい音鳴らしたい!伝えたい!叫びたい!っていう。でもやりたい事に対して全員妥協が無いからこそ、最高の新しいハードコアが生まれたんだと僕は思います。

全員:ありがとうございます!!



・では最後に今後の展望なんかも。

Onozato:なるべく早い段階で次の音源を出したいと思います。曲作りに時間はかかるんだけども、曲作りを常に欠かさないバンドでありたい。ライブもYamaguchiとKataraoは家庭があるからハイペースとはいかないかもしれないけど、可能な限りはやっていく。音源作るからライブやらないってじゃなくて、うちらは止まりたくない。次を求めてくれる人に対してうちらも早く次を提示したいし。だから作り続けたい!表現し続けたい!

Yamaguchi:曲作っている時が一番ワクワクする。これがどうなっていくんだろうかってある意味映画を観ている感覚で、「この映画ここまで来てラストどうなるんだろう?」っていうのと同じで、曲作っている時も「この曲ラストどうなるんだろう?」って感じで。最初はみんなそういうの分からないで作ってるし、最終的に完成したらワクワクするし、そのワクワク感をずっと持ち続けたいなって思ってる。

Katarao:頑張ります!!



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【REDSHEERライブ予定】

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【FAREAST DEATH CULT 2015】
FeDC 2015 Day-1
・assembrage
・BURNING SIGN
・DIEDRO LOS DIABLOS
・HUMPTY DUMPTY
・MIDNIGHT RESURRECTOR
・NOTIIBELIKESOMEONE
・PALM
・She Border Picture
・SILVERBACK
・ミミレミミ
・秘部痺れ
・REDSHEER




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TRIKORONA Presents [様々な困惑]
STUBBORN FATHER×TRIKORONA Split CD release tour final
8月1日(土)@東高円寺二万電圧
TRIKORONA
STUBBORN FATHER
weepray
GOUM
unconscious disharmonic malfunction
(((AMNESIa-cHANNEL)))
REDSHEER
open 17:30 / start 18:00
adv. ¥1800+1D / door ¥2000+1D




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POWERTRIP Vol.7
8月8日(土)@池袋手刀
GREENMACHiNE
G.A.T.E.S
幻覚NEONS
Veritas Conc.75
REDSHEER
open 17:00 / start 17:30
adv. ¥2500+1D / day ¥2800+1D




” thread ”
8月14日(金)@小岩BUSHBASH
UMBERLITE
SUPER STRUCTURE
FLOATERS
REDSHEER
and more
■open/startTBA
■adv/doorTBA(+1drink order)




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NOISE SLAUGHTER Vol.6
8月22日(土)@新大久保earthdom
BB
OSRUM
xerowound
REDSHEER
open 18:30 / start 19:00
adv. ¥2000+1D / door ¥2500+1D




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REDSHEER Presents
GRAY WORLD Vol.3
2015.9.26(土)@新代田FEVER
COHOL
CYBERNE
DISGUNDER
GUEVNNA
isolate
RED RAN AMBER
REDSHEER
THE DONOR
wombscape
ZOTHIQUE
Open 13:00 Start 13:30
Adv. ¥2000 (+1D) / Door ¥2500 (+1D)
e+ / Lawson Ticket ( L:72272 )
新代田FEVER 03-6304-7899
All info:deadsheer@gmail.com




【オフィシャルサイト】http://deadsheer.wix.com/redsheer
【twitter】https://twitter.com/redsheer666



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie

■【絶対不変のハードコアの核】STUBBORN FATHER shigeロングインタビュー

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 STUBBORN FATHERはハードコアの必然だ。1999年に結成され、それから15年以上に渡って活動を続けて来たバンドだが、これまでの多数の音源のリリースや多数の企画を重ねながらもずっとブレる事無く活動を続けて来たバンドであるし、大阪の激音を代表するバンドと言っても良いだろう。活動こそマイペースではあるが、SeeKとの共同企画である「孔鴉」、TRIKORONAとのスプリットのリリース、そして近日リリース予定のSeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットとSTUBBORN FATHERは着実に歴史を重ね続けているし、何よりも結成当初から全くブレないスタイルを貫きながらも進化を続けているバンドだ。
 今回、STUBBORN FATHERのフロントマンでありボーカリストであるshige氏へのメールインタビューを試みた。shige氏は丁寧に質問に回答して下さったが、同時にSTUBBORN FATHERというバンドのブレ無い信念と核を丁寧に言葉にして下さっているし、大阪が生み出したハードコアヒーローであるSTUBBORN FATHERが何故ハードコアの必然であるのか、今回のインタビューがその答えに少しでも近づける切欠になって欲しいと思う。



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・バンドの結成からの経緯と現在に至るまでの活動についてSTUBBORN FATHERを知らない方の為に簡単にお願いします。

1999年に僕と友人であったギターのFukusukeで結成。結成時は4人編成でしたがすぐにベースが脱退、僕がベースを持ち3人編成で4、5年ほど活動。この間にデモを2作とスプリット(w/ANCHOR,新潟)、1st、V.Aなどをリリース。その後、ドラムのKoichiが脱退。ヘルプドラムでNi-yan(ex-緑血)、2人目のギターにYasuoka(ex-NIHILIST)、現在のベースのMorishitaが加入し5人編成で再スタート。この間にV.Aなどをリリース。その後、Ni-yanが脱退し、ヘルプドラムにShin(orrorinz/bebedelbanco)が加入。この間に2ndをリリース。その後、Yasuokaが脱退し、代わりにSankonが加入、脱退。Shinが脱退し、ヘルプドラムでChihiro(ex-BAD DIRTY HATE)が加入、脱退。この間にV.Aをリリース。2009年に現在のドラムのCamel(ex-冨嶽)が正式メンバーとして加入し現在の4人に。この間にスプリット2作(w/R3N7、w/TRIKORONA)とV.Aや2002年から2012年にリリースした楽曲をまとめたディスコグラフィーカセットをリリース。主催企画、[思想信念]、[覚醒SURU]、[孔鴉]。大体こんな感じです。



・STUBBORN FATHERというバンド名の由来と「貫1999神」の意味は?

「STUBBORN」=「貫く」、「FATHER」=「神」という意味を込めて付けました。~FATHERにしたかった。海外ではFATHERやMOTHERは、「神」とも意味する言葉だという事と、人間を感じる単語を使いたかったんです。"不屈"などという意味でもあるSTUBBORNが並ぶ事で、見た目全体の造形と強靭そうなインパクトが良かった。直訳も洒落てて面白いし、一風違う感触のバンド名にしたかった。結成時に独自のスタイルを貫く決心をし、それで1999年に結成した“貫神”です。



・バンドとしてはどの様な音楽を志していますか?またどのようなバンドの影響を受けましたか?

現実という凄まじい世界観をそのまま僕達なりの緊張感ある危険な音で表現出来ればと思っています。初めに影響受けたのは、90年代あたりのジャパニーズハードコアパンクが中心で、それから様々な音とハードコア以外のジャンルにも影響を受けていきました。



・初期はシンプルでストレートな激情系サウンドでしたが、現在の様な多展開のカオティックなサウンドにはどのように変化していきましたか?

単純にメンバーが増えたりして、やりたい事が出来るようになったからだと思います。それと曲に対して、その曲の答えをもっと追求するようにしていったからだと思います。



・楽曲はどの様に作られていますか?

ギターのFukusukeがベースとなる曲やフレーズを持ってきてから始まります。後はみんなで色々出し合って聴いてを繰り返して積み上げていく感じですね。



・これまで発表された楽曲を聴くと多少の変化こそあれど根底はずっとブレていない様に思います。15年以上に渡ってブレずに自らの音楽を貫いてきた理由はなんでしょうか?

そう言ってもらえて嬉しいです。その時代やコンディションによって当然感化される事はありますが、誰かの真似事ではなく、いかに消化して独自のスタイルにするかを追求してきたつもりです。不変な核があって納得してこそ、初めて説得力を生むと思うからです。







・昨年末にTRIKORONAとのスプリットをリリースされましたが、どの様な経緯でリリースする形になったのでしょうか?

2012年にTRIKORONAの1stアルバムと僕達のR3N7とのスプリットのダブルレコ発を東京の早稲田ZONE-Bでやったのですが、その時の打ち上げでTRIKORONAのKoreeda君が誘ってくれました。うちらともやろうよって。嬉しかったですね。TRIKORONAは、凄い個性を持った素晴らしいバンドなので。でも、その時はかなりお酒も入っていましたし、本当に僕達でいいのかという不安もあり、後日再確認。あの話どうする?みたいな。やろうよ。じゃあ1年後に。と言いましたがリリースまでに2年かかってしまいました。



・TRIKORONAとのスプリットの楽曲はこれまで以上に複雑でありながらもアグレッシブな楽曲ばかりですが、どの様な事を志して作られましたか?

毎回、曲を作る度に志しているのは、前作の楽曲群を越えるという事ですかね。色々な部分でね。さらに次の作品へ繋げる事など。今回この感触の楽曲に仕上げるというのは自然だったのですが、それに対して追求する方向をメンバー全員が意識して、それぞれがしっかりやるべき事をやったからだと思います。
「降伏フィルム」は10年前くらいに作った曲で、少しアレンジをしてこの時代のタイミングに卸しました。さらにTRIKORONAという超強力な化け物みたいな対戦相手に負けられないという気持ちも上乗せされ、このような楽曲群が生まれたのだと思います。そして毎回ですがSTUBBORN FATHERと真摯に向き合って楽曲を最高な状態にしてくれたエンジニアの原田君(大阪/梅田 M4Ⅱstudio)には非常に感謝しています。







・SeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットのリリースも控えていますが、こちらはどの様な経緯でリリースする事になりましたか?またどの様な楽曲が収録される予定でしょうか?

お世話になっているアメリカのレーベルMeatcubeのRyanが4wayを出したいから参加して欲しいと誘ってくれたんです。その話を貰ったのがTRIKORONAとスプリットを約束した数ヶ月後くらいだったので、今は曲が無いから前の曲でも良いならと伝えました。そしてRyanに日本のもう1バンドは僕に決めて欲しいと言われました。それでちょうど考えている時にSeeKと出会い、RyanにSeeKを提案しました。
収録曲は、2007年にリリースされたTRIKORONAと出会うキッカケにもなったV.A「REAL JAPANESE UNDERGROUND 2007」にしか収録されていない「創造の山」という曲と、2012年にリリースしたR3N7とのスプリットに収録されている「未定」という曲の2曲になります。両方アレンジを施して再録音した物になります。この話とほぼ同時にディスコグラフィーの話もくれたので、この2曲はディスコグラフィーから外しました。



・ここ最近のライブではANODEの「隠された太陽」のカバーも披露していますが、どのような経緯があってライブでカバーする様になりましたか?

ANODEとは2001年に東京の吉祥寺WARPで対バンしてからの戦友で、それ以来VoのKazuhito君とは公私共に仲良くなりました。なんか同じ匂いがしましたね。僕にとって一番のライバルにもなりました。しかし、ANODEが2009年に発表したアルバム「負の新種」をリリースした直後、彼らは解散してしまいました。僕にとっては1つの大きな糧だったので、とてもショックでした。それから数日後、Kazuhito君から無言のままマイクが送られてきたんです。それで全てを理解しました。それ以降、僕が歌う時は必ずこのマイクで歌い続けています。
そして、いつかこのマイクでANODEの曲を歌いたいと思いました。メンバーにカバーをやろうと話を持ち掛けたのは、今から3年前位です。カバーなんて初めてだし、下手すると名曲に傷を付けてしまうのではないかという不安もありましたが、これは遂行しなければならないという気持ちが強かったので自分達を信じました。「隠された太陽」は僕が選びました。ANODEの曲はどれも素晴らしいのでとても悩みましが、この曲が一番体現してみたいという素直な想いでした。そして、そのタイミングがきた時にKazuhito君に電話で伝えました。カバーしたい事を快く承諾してくれました。ANODEの他のメンバーにもコンタクトを取ってくれて、一同からも嬉しい励みになる言葉をもらい、自信を持ってカバーする事が出来ました。今では「STUBBORN FATHER」+「隠された太陽」は、鬼に金棒だと思っています。



・STUBBORN FATHERは音源やTシャツのアートワークだったり、ライブでの蛍光灯のみの照明といったビジュアル面での魅力も凄くあるんですけど、そういった部分はどの様な事を意識していますか?

単純に僕がSTUBBORN FATHERというバンドの魅せ方はこういう感じが格好良いだろうと思って手掛けています。Tシャツのアートワークは、デザインでも意味をしっかり伝えたいので、その時の曲を表現した物が多いです。またハードコアバンドのTシャツである事を当たり前ですが強く意識しています。
ライブでの照明については、現時点でのSTUBBORN FATHERの世界観を表現するには必要に感じたので用意しました。デザインにしろ、ステージにしろ、視覚から感じ取る物も重要ですし、音と視覚のピントを合わせる事は必須だと考えています。



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・ライブの方にお話を移しますけど、どの様な意識で毎回ライブには臨んでいますか?

何も考えていません。全部吐き出すのみです。



・これまでSeeKと共に大阪で孔鴉を定期的に開催されていますが、これまで回数を重ねて感じた事や手応えはありますか?また今後どんなイベントにしていきたいですか?

理想の手応えというのはまだ感じていません。ただ、出演バンドには本当にお力を貸して頂いております。無理を承諾して頂けるおかげで、僕達のやりたい事が現実に変わり、そしてそこにお客さんが加わって、さらに次へと繋がっていける。どちらかが欠けるとこのようなイベントの実現は難しく、続けるのは困難になります。本当に感謝しかありません。
大阪には無いイベントにしたい事は勿論、主旨、世界観の元、僕達が魅力を感じるバンドを招いて、それを大阪然り関西の方達にも体感して頂きたいという想いもあります。この"孔鴉"で繰り広げられる熱い戦いが僕は好きなので、その緊張感と熱気は必ず感じられる事、そしてお客さんと出演者の皆さんにも満足いただけるイベントであり続けていけるよう頑張って行きたいですね。



・これまでの歴史の中で数多くのバンドとスプリットをリリースしたり共演したりしていますけど、STUBBORN FATHERとしてどんなバンドにシンパシーを覚えますか?またこれからどんなバンドと共演したいとかありますか?

中々難しい質問ですね。考えてみれば、今まで沢山の様々なバンドと共演させて頂きました。その中で、今でもお付き合いがあるバンドやイベントに出演して頂いたバンドには、何かしら共感出来る部分があるのだろうと思います。でも、共感というよりは尊敬という言葉が近いです。自らしか出せない個性を光らせてるバンドには、やっぱり惹かれますね。僕達が知っている限りで気になっているバンドはイベントに呼びたいので、その時にでも共演出来たら良いと思いますし、僕達を誘って頂いたりして、知らなかったり観た事のなかったりするバンドと新たに出会えるのも毎回楽しみですね。



・STUBBORN FATHERは大阪のバンドですけど、実際に大阪のシーンはどんな感じなのでしょうか?

よく分かりません。シーンというものには無縁なように思います。だから様々なバンドと共演して来れたんだと思います。



・東京や他の場所でライブをして大阪のシーンの違いだったりとかを感じたりしますか?

しますね。他は色んなバンドが出るイベントでも成り立っているように感じます。



・今後はどの様な楽曲が生まれていくと思いますか?

それは僕にも分かりません。しかし僕達自身がそのさらに先を見据えられるような楽曲にしなければならない事だけは解っています。



・STUBBORN FATHERはどんなバンドでありたいと思っていますか?

安売りされた唯一無二ではなく、本来の唯一無二のバンドでありたいですね。



・STUBBORN FATHERが生み出すハードコアの終着地点は何処だと思いますか?

それは未だ分かりません。それも面白くてこんなに長く続いているのかも知れません。今のメンバーでどこまで出来るか分かりませんが、まだまだやりたい事があるので未だ終着地点が何処だか見えないのかも知れませんね。



・STUBBORN FATHERが音楽を通して描きたい物や訴えたい物とはズバリなんでしょう?

ハードコアその物であり、全てが繋がる「今」です。僕はその時の世の中の様々な問題についてを僕なりの言葉で投げ掛けていきます。そして引き続き、日本人らしい、人間臭いハードコアを鳴らして行きたい思っています。



・これからの予定や展望など教えてください。

次は単独作かなと思っています。他にも諸々ありますが、いつも通り流れに任せる感じで楽しんでいきたいですね。



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2015/08/01 at 東高円寺二万電圧
TRIKORONA presents「様々な困惑」
"TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split CD release GIG"

TRIKORONA
REDSHEER
GOUM
STUBBORN FATHER
weepray
unconscious disharmonic malfunction

Breaktime Noise: (((AMNESIa-cHANNEL)))

Distro Store: 3LA

Open.17:30 Start.18:00
Adv.1,800yen Door.2,000yen (+1d 500yen)




【オフィシャルサイト】http://www.stubbornfather.com/
【facebook】https://www.facebook.com/stubbornfather
【twitter】https://twitter.com/stubbornfather



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie

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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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