■タグ「エモ」

■SUNDAY BLOODY SUNDAY/SUNDAY BLOODY SUNDAY

Sunday Bloody Sunday
Sunday Bloody Sunday
posted with amazlet at 17.09.30
Sunday Bloody Sunday
Fixing A Hole 販売:密林社 (2016-11-30)
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10年以上に渡り活動を続ける埼玉の3ピース・オルタナティブ・ロックバンドSUNDAY BLOODY SUNDAY(以下SBS)の2016年リリースの1stアルバム。
リリースから既に一年近く経過しているが、数多くの人が2016年のベストリリースに挙げる名盤となっており、SBSの名前を一気に世に広めた作品である。



バンド名から僕は真っ先にU2が思い浮かんだが、彼らが鳴らすのは90年代グランジ/エモを軸に、ストーナー・ロックなどのヘヴィ・ロックのテイストを加えた物となっている。
確かにサウンドスタイルとしては00年代以降のテイストは薄く、人によっては懐かしさを感じさせるものではあるが、単なる懐古主義なバンドでSBSは終わらない。

今作を代表するキラーチューンである第2曲『Still Spins』を聴けば、SBSはスタンダードなオルタナティブ・ロックを鳴らしながら、未来へと向けてその音を放つバンドだと分かる。
ヘヴィな煙たさを放つリフ、ミドルテンポで重心が効いたリズム隊のグルーヴ、そこに乗るギター・ボーカル冨永氏の歌は透明で情念あふれる伸びやかな物だ。
リフから想起させられる郷愁のグッドメロディ、歌とギターリフがシンクロし、確かな泣きとして聴き手の感情を揺さぶる。

個人的にNIRVANAやALICE IN CHAINSといったグランジバンドが大好きなので、SBSのサウンドスタイルはドンピシャに刺さるが、それらのバンドが持つ湿り気やダークさだけがSBSの持ち味ではない。
SUNNY DAY REAL ESTATEといったバンドの持つきらめきのエモーション、さらに初期BLACK SABBATH的なヘヴィ・ロックの源流をくみ取り、メインストリームからサブジャンルまで飲み込みながら、ポップネスとエクストリームの隙間を突き刺すSBS節を完成させている。

歌詞こそ全曲英詞であるが、彼らのライヴでサビを一発聴いただけで、観る人をシンガロングさせてしまう様な歌心こそSBSの一番の武器だろう。
第8曲『Don't Know Who I Am』は個人的に今作のベストトラック。流れゆくギターフレーズと歌が心の奥底まで染み渡り、力強く羽ばたく名曲となっている。


ヘヴィネスを保ちながら黒さだけではなく、多彩な色彩を描き歌うSBSは、時流や流行り廃りを越えたスタンダードミュージックである。
マニアックな音楽愛があるからこそ、それらを不変のオルタナティブ・ロックに帰結させたSBSの手腕に軍配だ。

力強いグルーヴとギターリフ、そして泣きのメロディと一発で耳に残る歌。それらのシンプルな要素だけで高らかに青空へと駆け上がる音楽を作り上げている。
今作は現在だけでなく、未来へと語り継がれる一枚となるだろう。3ピースの一つの理想形として、全音楽好きへ突き刺さる名盤だ。



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■easing into emoting/hue

easing into emoting



 栃木県の某高校にて結成された4人組hueの待望の1stアルバム。個人的に僕と同郷出身のバンドという事もあって前々から名前は知っており、ライブも何度も拝見していたバンドだけに、こうして1stアルバムがリリースとなったのは何とも感慨深い。
 世代的に若手バンドであり、エモ・激情ハードコア界隈では期待の新人として評価されて来たが、今作を聴いて時代は確かに循環している事、Cap’n Jazz系統という言葉じゃ片付かない新世代ならではのオリジナリティがそこにある。



 hueが共振する音は非常に多岐に渡る。90年代USエモは勿論、現在進行形のエモリヴァイバルや激情ハードコアやマスロックといった音楽性を持つが、それらをシャープで切れ味鋭い演奏で鳴らし、それだけに留まらずにキャッチーなメロディが目まぐるしく展開していくキラキラのポップネスも兼ね備えている。
 今作で大きな特徴として挙げられるのは熱いシンガロングパートだろう。爽やかなメロディとナード感が堪らないボーカルとテクニカルなツインギターの絡みが印象深い第2曲「メイクチェンジ」からほぼ全曲に渡って導入されているシンガロングには拳を熱く握り締めたくなる。
 イントロのアコギの調べから一筋の風が吹き抜ける様な疾走感溢れる衝動溢れる楽曲と洗練された演奏の煌きが胸に染み込む第3曲「switch me once」、athelasとのスプリットに収録された楽曲の再録であり、イントロのギターリフから一気に持っていくhue独自の激情を打ち出したキラーチューンである第5曲「ハロウ」、マスロック感全開でありったけの感情を詰め込んだhueの新たなキラーチューンとなるだろう第7曲「OFFLINE」、そしてトランペットの音色とアルペジオの旋律の調和が生み出す青臭さが涙腺に来る最終曲「warm regards,」までhue節とも言える独自性が爽やかにだけど熱く迸る。
 ライブを何度も拝見しているけど、彼らは高い演奏力を持つバンドであり、今作の楽曲のアレンジも洗練されているが、その透明感溢れる音から滲み出る甘酸っぱさはhueの一番の武器だろう。あらゆる音楽を無邪気に消化してきたバンドだからこそ生み出せたピュアで繊細で力強い衝動は理屈抜きで心に突き刺さる。



 90年代のリアルタイムエモから現在のエモリヴァイバル、それらと繋がっていくあらゆる音楽。hueが鳴らすのは世代もジャンルも超えた計算されていない音楽である事は、甘いメロディが常になっているのにありったけの叫びをただ吐き出す石田氏のボーカルを聴けば伝わってくる。
 音と声と感情が優しく共存する新生代の答えが今作だ。本当は誰もが無邪気な頃に戻れる無垢さを音楽に求めているのかもしれない。hueにはそれがある。



■OSRUM/OSRUM


OSRUMOSRUM
(2014/12/17)
OSRUM

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 正に再生の歌がそこにあった。2012年のAS MEIAS解散、2013年のZの解散を経てスーパーギタリスト魚頭圭が、ex.NAHTの羽田氏とBALLOONSの藤本氏と新たに結成したOSRUMの2014年リリースの1stアルバムが今作だが、この重鎮三人が集まったらこんな音になるって納得するしかない音でありながら、同時に魚頭氏がとうとうこの境地にまでたどり着いてしまったのかと驚く作品にもなっている。魚頭氏はこれまで数多くのバンドで活動して来たけど、これまでのキャリアの中で一番のグッドメロディ、そしてシンプルさと深みを持つ音になっているのだ。



 魚頭氏はゼアイズやZでもボーカルを取った事はあったけど、OSRUMではギターボーカルとして全てのボーカルを担当している。そして時にエモーショナルな叫びに近い歌を聞かせたりもしながらもほぼ全てクリーントーンのボーカルになっている。3ピースって編成もあるけど、サウンドはこれまで以上にシンプルに削ぎ落とし、魚頭氏もこれまでプレイして来た変態的フレーズはほぼ封印し、本当にシンプルなコードストロークのサウンドを基調にしたギターを聞かせてくれる。メンバーそれぞれが90年代のハードコアやエモやグランジなんかをルーツに持っているのもあるだろうけど、その空気感を現代のエモリヴァイバルな空気を融合させ、そこに渋みを加えたのがOSRUMというバンドだ。楽曲はほぼミドルテンポ、分かりやすい激情爆音サウンドはほぼ無し、あるのは長年シーンの最前線で戦った3人だからこそ生み出せた誰にも壊すことの出来ないアンサンブルの美しさ、波紋を作りながら浸透する優しいメロディと歌、たったそれだけだ。いやそれだけで十分だとすら言える。
 第1曲「2013」を聴いて僕は涙が止まらなくなってしまった。2013年は正にZが解散した年であり、今作で魚頭氏が日本語詞で歌っているのはZ解散からOSRUMを結成し再びステージに立つまでの再生の物語なのだから。勿論この3人の描くアンサンブルも凄い。魚頭氏はZやAS MEIASでも聞かせていたエフェクトワークこそあれど、フレーズは本当にシンプルなフレーズで攻める。そして機材の鬼でもある魚頭氏だ。ギターの鳴りが本気で泣いている。藤本氏のドラムは決して自己主張をしている訳では無いけど、ミドルテンポの重みをドラムで体現、羽田氏はズ太いベースラインを前に押し出しながらも、常に前に出るのでは無く、押しと引きを生かしたラインだ。魚頭氏がリードフレーズを弾けばエモとブルースが融合した音階を奏でているし、曲展開こそ決して多くないし、シンプルにフレーズを繰り返しながら、徐々に熱を帯びさせるサウンドスタイル。こんな音はこの猛者達じゃなきゃ生み出せないし、歌詞の内容も含めて本気で泣いてしまう名曲だ。
 一方で第2曲「満月か低気圧」ではそれぞれの音が主張しながらも、絡み合っていくアンサンブルが本当に気持ちが良いし、引きのフレーズで高める音はディストーションと共に静かに炸裂していく。個人的にはこのサウンドスタイルはオリジナルグランジにエモを持ち込んだ音になっていると思うし、曲の中で激の要素はかなり強い筈なのに、そこで感じるのは熾烈さでは無くて、変速性をアクセントにして寄せては返す波の様であり、同時に心臓の鼓動の様でもあるのだから。インストである第3曲「調和」は今作の中では一番各楽器のコアな要素を絡め合わせたポストロック色の強い楽曲。個人的には再結成してからのEarthの様な雄大なアメリカーナ感すら感じるし、魚頭氏の空間系エフェクターの使い方が絶妙過ぎるし、藤本氏のスネアの音色が深い所に叩き落としてくる。ディストーションサウンドになってからはより涅槃感が高まり、ループするフレーズと共に聴き手をトランスさせてくる。
 そして終盤の第4曲「新しいこと」と最終曲「全然終わってない」は今作でも特に熱い2曲だ。勿論ただ単に直情的なサウンドを奏でる訳が無い、キレまくったギターのカッティングと吐き捨てる様なボーカル。これ再結成してからのアリチェンが持っている物と同じじゃん!!ってなった。ソロフレーズなんか滅茶苦茶ブルージーで枯れているのに熱いし、ここぞって所でリズム隊の音が主張を強めて炸裂してくる「新しいこと」、「調和」同様に静謐なアンサンブルの反復から熱が爆発し、羽田氏のベースラインがメロディアスでありながらボトムを作りまくった末に、最後の最後は必殺のフレーズが炸裂!!しかしそこにあるのは負の感情では無くて、それでも前に進もうとする気迫だ。魚頭氏は今作でも時にはZやAS MEIAS時代にも聞かせていた攻撃的なフレーズをここぞとばかりに使ってくるけど、それは誰かを傷つける為の音じゃ無い、誰かを奮い立たせる為の音だ!!


 
 しかしAS MEIASとZという変態バンドを経て魚頭氏が到達した音は、魚頭氏らしさ全開であり、同時に羽田氏と藤本氏という強烈な個性とぶつかり合った末に調和を生み出しながらも、これ以上に無い位に素直な歌だったのは本当に驚いたけど、でもメンバー3人のこれまでの偉大なキャリアと実力があったからこそ到達出来た音だと思うし、シーンの重鎮の新たな攻めのサウンドでありながら、最早万人受けしても全然良いんじゃないかってレベルの歌心の説得力と深さ。最高に渋いんだけど最高に熱い作品だし、熟練の力と続けて来たからこその説得力が半端じゃない。2014年の最後の最後に産み落とされた再生の歌は本当に涙無しじゃ聴けないと僕は思う。



■Totem/Baton Rouge

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 俺達の3LAのリリース第四弾はフレンチ激情の最重要バンドにしてレジェンドであるDaitroのメンバーがほぼ勢揃いしたBaton Rougeの新作だ。今作はフランスのPurepainsugar、ドイツのAdagio830、アメリカのBakery Outlet、そして日本の3LAの共同リリースとなっている。これまで激の部分がかなり強いバンドの作品を3LAはリリースしたが、ここに来てとんでもなく渋い一枚をドロップしてくるとは流石すぎるし、フレンチ激情のDaitro以降を自らで鳴らすBaton Rougeの新作リリースは多くの人に大きなインパクトを与えている筈だ。またマスタリングはGY!BEの最新作も手がけているエンジニアであるHarris Newmanの手による。



 Daitroはもうここで説明する必要なんか無い位にフレンチ激情の最高峰であったし、多くの影響を与えたバンドである。Baton Rougeの音自体は今作で初めて触れたけど。これは紛れも無くDaitroの最終作である「Y」以降の音を鳴らしているし、それこそ激の要素はほぼ無いと言えるけど、Daitroが持っていたメロディセンスとエモーショナルさは間違いなく継承しているし、よりオーバーグランドな音を鳴らしていた「Y」から、今作の洗練された歌物のエモへと繋がるのは紛れも無い必然だと感じた。何よりも音楽的なレンジの広さを持ち、細部まで練り込まれた楽曲の完成度の高さは凄い。
 揺らぎの音から始まり、硬質なビートの反復と冷ややかな鉄の感触のギターが生み出す郷愁のメロディが胸を焦がしていく第1曲「Le Fixeur」からこのバンドの奥深さと味わい深さを感じるだろう。エモではあるが、分かりやすい暴発パートは無いし、アグレッシブさよりも淡々としながらも、地に足を付けたミドルテンポのサウンドが印象的だし、郷愁のメロディをあくまでも体温の感覚と、ある種の冷たさによって少しずつ変貌させていくサウンドは、もしかしたら派手さは無いのかもしれない。でも、やはりDaitro時代から持っていた卓越したメロディセンスは今作にもあるし、それをより研ぎ澄ましたからこそ、歌物になり、円熟と渋さを感じる音になったのだと勝手に思う。第2曲「Côte Du Py」も後半は激しい轟音こそあれど、絶妙に泣きまくったサウンドと、緩やかな空気の中で生み出される郷愁は本当にグッと来る。第3曲「Cours Tolstoï」こそアグレッシブさこそあれど、それでもじわじわと浸透して行くメロディの絶妙な歪みと美しさを武器としているし、インディーロック色の強い第4曲「Guetter Les Ondées」なんかは個人的にYo La Tengo辺りのバンドと共振する物を感じたり。
 激情系要素こそあまり無いけど、インディーロックやポストロック成分をほんのり感じさせる音から生まれるエモはまた一つの進化の形だし、不穏なインスト曲である第5曲「Totem」は前半の空気を良い感じに変えるアクセント的の役割を果たし、続く同じインストである第6曲「Hypn-O-Sonic」ではバンドの深部へと入り込んで行く。ポストロックを機軸としたビートの方法論と、複雑に美しく形を作り上げて行くギターフレーズという前半から、ノイジーな音へと変わっていき、揺らぎの中の熱量と、爆発しそうでしない焦燥感が最高過ぎるし、ドラマティックでスケール感溢れる第7曲「Ushguli, Au Gré Du Gel」、静謐さから今作でも一番のエモーションを放ち、バンドとしての貫禄を感じる第8曲「Voyages En Train La Nuit」、もう激羽状だとかエモとかという言葉も要らないロックとして泣ける熱さを感じる最終曲「D'année En Année」まで全曲の完成度の高さは本当に見事だし、ex.Daitroではなく、あくまでもbaton Rougeというバンドとしてのサウンドを見事に確立しているのだ。



 紛れも無くDaitroの先にある音だし、Baton Rougeというバンドとして確かな進化を見せる傑作だと思う。メンバーそれぞれがこれまでに数多くのバンドに参加しているけど、そんなキャリアが間違いなく生きているし、非常に普遍性溢れる音でありながら、とんでもなくグッドメロディを放ち、確かに心を揺さぶる作品だ。今作は3LAのサイトで勿論購入出来るので是非チェックを。



■view/anthology three chord


viewview
(2014/06/04)
Anthology three chord

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 2011年に北海道で結成された4人組エモーショナルロックバンドanthology three chordの2014年の7曲入1stアルバム。リリースは昨年weaveの1stアルバムと言う国内エモの金字塔をリリースしたstereo type芹澤氏主宰のFURTHER PLATONICSから。また自らのディストロでデモ音源を販売していたTIED KNOTSの野宮氏がライナーノーツを寄稿している。デモ音源も素晴らしかった彼等だが、こうして全国流通の正式リリース音源としてアルバムがリリースされたが、この1stが間違いなく2014年の国内エモの金字塔と言うべき素晴らしい一枚になった。



 彼等は本当に王道を往くバンドだと思う。USエモリヴァイバル、何よりも北海道と言う多くの偉大なるバンドを生み出した地のDNAを完全に受け継いだバンドなのだから。特にbloodthirsty butchersの影響はかなり大きいと思う。でもそれは何も悪い事なんかじゃない。模倣じゃ無くて、継承する。多くの先人達への敬愛、そしてそれを昇華するセンス。WE ARE!亡き今、彼等こそが北海道エモの真っ当過ぎる継承者になったのだ。
 第1曲「サマーエンド」の一発目の鐘の音の様なファズギターのストロークから展開されるコード進行やギターフレーズを聴いた瞬間に僕は直ぐにブッチャーズの名曲「Jack Nicolson」を思い出してしまった。郷愁の空気を纏い、青く繊細なメロディの素晴らしさ、それこそファズギターが炸裂するフレーズがあったりもするけど、決して分かりやすい爆発にはいかないで、じわりと燃え上がるエモーション、不器用で居場所の無さ全開なのに、でも伸びやかに高らかなボーカル。どこをどう切っても堂々とブッチャーズのそれなのだ。これが単なる模倣なら誰も彼等を聴きもしないし、評価もしないと思う。しかしデモ音源の時点で多くの賛辞を集めた彼等だ。偉大過ぎる先人の影響を全く隠さないで、それを堂々と受け継ぐ覚悟を今作から感じたし、何よりもこの音を聴いて「ブッチャーズとか後期COWPERSとかキウイロール聴けば良いじゃん。」とはならないのだ。この音は紛れも無くanthology three chordというバンドの物だ。
 バンドの繊細かつ多彩に絡み合うアンサンブルの最高だけど、ここまで純粋に曲が良過ぎるバンドもいないと思う。タイトル曲となっている第2曲「view」の青い疾走感が確かな渋さと共に炸裂し、クリアな疾走から最後のファズギターの泣きのソロまでただ最高の言葉しか見つからないし、デモ音源にも収録されていた第3曲「janet」のチョーキングを絶妙に織り交ぜたギターワークと金属的で少しひんやりとしたギターの音色や揺らぐギターフレーズ、メロディラインをこれでもかと弾くベース、微熱の中の確かな熱情。もう見事に北海道過ぎる。第5曲「future」もより渋みを増さした透明感と確かな歪み、繊細でありつつも確かな力強さもそうだし、最終曲「海の向こう」はデモ音源にも収録されていた曲だけど、暴発するエモーショナルな躍動とクリアさの対比、緩やかに流れる情景を想起させるアンサンブル、痛々しさと哀愁溢れるボーカル、泣きまくり名ギターソロ。彼等の魅力が最大限に詰まった曲だし、名曲しか無い今作でも個人的に一番大好きな曲だ。



 全7曲、捨て曲は一切無しどころか全曲球玉の名曲となっており、本当に素晴らしい1stになったと思う。国内エモのバンドは本当に素晴らしいバンドばかりだけど、ここまで北海道のあの空気を堂々と受け継ぎ先へと繋げるバンドが登場した必然、誰しもが愛したあの音を自らの力と愛で放つ愛おしさや狂おしさ、もう本当に良いバンド過ぎるし、良いアルバム過ぎる。北海道エモやUSエモ好きは必聴盤だし、というかロック好きな人みんなに聴いて欲しい最高の1stとなった。間違いなく2014年に産み落とされた必然としての傑作。



タグ : 日本 エモ

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AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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