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■タグ「カオティックハードコア」

■Raw Nerve/Jack The Stripper

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 先日日本に来日し、NoLAと共にツアーを行ったオーストラリアのカオティックハードコアであるJack The Stripperの2013年リリースの2ndアルバム。
 来日公演で目撃したライブでは脳筋丸出しな強さとビートダウンとヘビィさを全力で突き詰めたパワフルかつ獰猛なライブアクトにド肝を抜かれたが、ライブで見せた強さは音源の方でも健在。である。

 音楽性としては決して斬新な事をやっている訳では無いし、Convereg凄く大好きなんだろうなって感じの正統派カオティックハードコアサウンド。でもカオス感よりもビートダウンを基調とした重さの方を重視している印象を受けるし、非常にストレートな部類のバンドだと思う。
 曲の随所随所で不協和音駆使のギターフレーズを盛り込んだり、曲の中で転調を繰り返したりするサウンドスタイル以上に、極悪に刻まれるギターリフだったり、瞬発力重視で繰り出されるビートといった点で勝負している感じだし、カオティックハードコアなサウンドになったのは結果論な気もするし、それこそConvergeも結果としてのカオティックハードコアなサウンドだし、あくまでもヘビィなハードコアを突き詰めた上でのサウンドだ。

 爆走パートを随所に盛り込みながらも基本はビートダウンパートで攻めるスタイルだから音に鈍器感が出まくっているし、ツインギターを活かして片方がカオティックなフレーズを弾いても、もう片方がヘビィなリフをゴリゴリ刻んでいく男臭さしか無いギターワークは熱い。
 ビートダウン重視と言っても、あからさまな前フリをしてからのビートダウンだったり、パワーヴァイオレンスの唐突にビートダウンする極端さでも無く、往のも年の硬派なメタルコアバンドの曲の中で緩急を付ける意味でのビートダウンを他のバンドよりも比率マシマシで繰り出しているのも彼等のサウンドの特徴だ。

 アルバムを通して聴いても曲毎に大きな変化は無く、男気一本でカオティック&ビートダウンなスタイルだし、時折少しエモっぽくてメロディアスなパートもあったりするけど、それもアクセントでしか無いし、良い意味で金太郎飴な投擲サウンド。
 その瞬間の事しか考えてないぜ!!とばかりに瞬発力系の筋肉を使いまくった汗臭さムンムンハードコア。来日公演ではボーカルが流血する始末だったし、そんな大馬鹿っぷりはアルバムでも健在。男は黙ってリフとビートダウンじゃ!!な兄貴達はマストな作品だ。



■【愛と憎悪を叫ぶ唯一無二の激音】REDSHEER、ロングインタビュー

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 もしこの作品を適切に表す言葉があるとするならばそれはもう「新感覚の激音」という言葉以外に無いと僕は思う。
 ex.ATOMIC FIREBALL、ex.SCALENE、ex.Bucket-Tのメンバーによって2013年に結成された3ピースであるREDSHEERは2014年3月のライブ活動開始から現在に至るまでの精力的なライブ活動でその新感覚の激音で多くの人々に悪夢を見せてきたバンドだ。
 メンバーそれぞれのキャリアもあるし、ベテラン3人が人生最後のバンドという覚悟の元に結成したREDSHEERは結成からまだ2年程のバンドでありながら既に孤高の領域に達したバンドであると思う。
 妥協無きオリジナリティの追求と圧倒的テンションを爆音に託したライブによって人間の肉体も精神も破壊する感情の暴発だけを鳴らしたサウンドは本当に多くの人々に衝撃を与えたし、SNSや口コミで瞬く間にその名前を広げた。
 そしていよいよ1stアルバムである「ETERNITY」をTILL YOUR DEATHからリリース。それはライブで魅せた激音とはまた違う、でも紛れも無い新感覚の激音であり、2015年のハードコアを象徴する重大作品であり大傑作と仕上がった。
 同じくオリジナリティのみを追求する孤高のノイズユニットASTROとのコラボもそうだし、全10曲が全然違うベクトルで激音を描きながらも、50分弱が熱き血潮の様に一瞬で駆け巡り、人間が持つ「愛と憎悪」を完全に暴いてしまう作品となった。
 これは最早カオティックだとか激情ってカテゴライズなんて不要であり、全ての人々が持つ内面的世界を描き叫び暴くドキュメントであるのだから。
 今回1stアルバムリリースのタイミングでREDSHEERのメンバー全員参加でのインタビューの方を敢行させて頂く流れとなった。
 バンドの結成の経緯からメンバーそれぞれがストイックに追い求めるオリジナリティやアルバムについて、果ては40代でまた新たにバンドを始めた事によって生まれた初期衝動といった話まで全てを余す所なく聞かせて頂いた。



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・先ずはREDSHEERの結成の経緯から聞きたいと思います。元々皆さんはATOMIC FIREBALL、SCALENE、Bucket-Tとキャリアがある訳ですけど、REDSHEERの発起人はOnozatoさん(Vo&Ba)という事で宜しいでしょうか?

Onozato:俺だね。



・その中で何故Yamaguchiさん(Gt)とKataraoさん(Dr)をメンバーにしようと思ったのですか?

Onozato:うるさい音楽をやるならギターはもうYamaguchiしかいないなって。



・ATOMIC FIREBALL、SCALENE時代からの付き合いもあってという事ですか?

Onozato:そうだね。ATOMIC FIREBALLが終わって、SCALENEが終わって、それからたまに会ってっていう付き合いだったけど、またうるさくハードコアをやるってなったらYamaguchiしかいないなって。



・Kataraoさんに白羽の矢が立ったのは?

Onozato:ドラムを探そうってなってさ、その頃にBucket-Tが解散するって話を聞きつけてそのライブに足を運んだんだ、この後Kataroaがやるバンドとか決まっているのかなっていうのも聞きたかったし。その解散ライブで久々に彼のドラムプレイを観て、それで一回みんなで酒でも飲みながら話しようって連絡して。
元々はSCALENEを再結成しようと思ってドラムだった東田君を誘ったんだけど彼が出来ないってなって、元々彼はドラムから離れてトラックメイカーの道に進んでいたし、そういう諸々もあって出来ないって返答が来て、そこでドラムを探そうってなったんだけど、Bucket-TのラストライブのKataraoのプレイを観て、過去に囚われるよりも彼にドラムを叩いて貰って新しい事に挑戦する良い切欠なんじゃないかなって想いが生まれてね。

Yamaguchi:そのライブは俺とOnozatoの二人で観に行ったの。それで彼なら良いんじゃないか、新しい物を作れる気もするしってなった。その後に3人で飲んで、まあメタル談義だよね。メタルとプロレス談義をしたと記憶してるんだけど。

Katarao:大体いつもそうじゃない(笑)。

Onozato:大体そうだ(笑)。

Yamaguchi:Judas Priestがどうとかって話とか、あとプロレスの話をね。んでその日は俺が来る前にスタジオ入った時の課題曲は大体決まっていたのよね。

Onozato:取り敢えず共通で好きなバンドを2曲位課題曲で合わせようってなって、何故かUNSANEとKyussだったんだけど。

Yamaguchi:俺は全く聴いた事無くてね(笑)。

Onozato:それでスタジオで課題曲合わせたけど、スタジオ二回目でもう課題曲やってもしょうがないってなってオリジナルをやろうって。振り返ること三、四年前だけどYamaguchiが曲を作っててね、またいつかバンドやりたいからって、じゃあその曲やろうよって。

Yamaguchi:その頃に2曲あって、それが元で出来たのが「CURSE FROM SAD SPIRIT」と「THE END,RISE ABOVE」。







・その2曲が本当にREDSHEERの始まりの2曲と。SCALENE時代も曲はYamaguchiさんが作ってたのですか?

Yamaguchi:いやSCALENEは当時のドラムだった東田君が作ってたの。彼はギターも弾けたから、多重録音してコード進行作ったり、フレーズを組み立てて持って来たりとかしてた。その後のアレンジとかは各楽器でやったけど。でもATOMIC FIREBALL時代から考えても曲作りに参加したのは3曲位かな?だからATOMIC FIREBALLとかSCALENEとは曲の作り手は全然別だって考えて貰って良い。



・もう完全に違うバンドですよね、当たり前ですけど。

Onozato:そうです。当たり前ですけど。

Yamaguchi:ATOMIC FIREBALLとかSCALENEとか知ってる人は「正にその流れの音だ。」とかってREDSHEERの事を言うけど、まあそれはSCALENEとドラム以外は同じ人間がやってるバンドだし、トーンとかボーカルのスタイルとか段々変わっては来ているけど、根っこは同じだし、そういう意味で似た感触を受けてしまうのは、まあ仕方無いかなって(笑)。

Onozato:何が決定的に違うかって言うとYamaguchiが曲ネタ持ってくるからね。それを俺とKataroaで捏ねくり回して曲にするって感じで。



・僕がSCALENEとREDSHEERの決定的な違いだと思うのは、REDSHEERはずっとメロディアスだなって。SCALENEは完全に殺気立ったリフで攻めまくるって印象だったんですけど。REDSHEERはメロディアスと言っても既存のメロディアスさとは違って、よくある例えなんですけど、ギターが歌っているとか。

Onozato:それを狙っているのかな?意識しているのか無意識なのかそれは分からないけど狙ってるのかも。



・僕の中では歌っているというよりも泣き叫んでいる感じなんですよね。SCALENEは無慈悲な殺気だと思うんですけど、REDSHEERはもっと人間臭さを音に感じるんですよ。そこら辺はOnozatoさんが歌っている内容とも繋がると思うんですけど。「YORU NO SOTOGAWA」以外はREDSHEERの曲は英語詞なので歌っている内容は分からないのですけど、具体的にはどんな事を歌っていますか?

Onozato:今回のアルバムには歌詞カードは付けないんだ。言葉で何かを伝えるという考えが俺にはあんまり無くて、歌詞を読みながら曲を聴いて共感するって作業が好きな人がいるっていうのも分かるけど、俺はそれよりも想像を色々して欲しいなって。曲のタイトルなり、曲を聴くなりして。みんなそれぞれ捉え方が違って良いとも思うし。



・歌っているのは間違いなくダークな事ですよね。

Onozato:歌っているのは正に「愛」と「憎悪」だね。
うるさいバンドをやってなかった時期もあってさ、その時期は物凄くつまらなかったんだよね。やっぱりバンドやってた奴はずっとバンドやってないと自分の心が定まらないというか、落ち着かないというか。30過ぎて40になって「俺はこのままで良いのか?」って。自分が直ぐに行動するべきだったんだよね。バンドはもう良いかなって思ったりもしたりしたし、でも葛藤はあったし、自分の力量の無さを感じたりもしたし。
みんな踏み出す時って何かの切欠じゃない?そういう意味では俺も全然普通の人間だし、目線はみんなと一緒だし、何も特別じゃ無いし、ただ好きな事をやるって時の決めた事に対して突き進むという。まあそういう事は歌詞にしていないけど、でもありきたりな事ですよ歌っている事なんて。「人間の弱さ」と「心の苦しみ」、「叶わぬ、伝わらない愛情」、「絶える事が無く込み上がる怒り」などなど…。中二病全開かよ!?ってね(笑)。まあ捉え方は人によりけりの完全なる自己世界を自身に置いて展開してます。



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・Onozatoさんが奮い立つ切欠になったのは何でしょうか?

Onozato:元々SCALENEが終わってからもバンドやっていたりはしていたの。SCALENEが終わってからNine Days Wonderに一年間在籍していたりもしたし、その後にギターロックというかシューゲイザーのバンドにいたりしたけど中々スイッチが入らなかったね。もうバンド出来れば良いや位の気持ちだったし、二週間に一回スタジオ入って、たまに年二回位ライブやるって感じだったし。でもこんなんじゃ良くないって思い始めてさ。
そこから二年位経って…俺さ歯茎に腫瘍出来ちゃってさ、体が悪くなったって感覚じゃ無いんだけど、歯医者に行ったら「うちじゃ面倒見れません。」って言われて、もう一軒歯医者行ったら紹介状書いて貰って大学病院に入院する事になったんだけど。体は全然ピンピンしているんだけど、生まれて初めての手術だし、その時にボーッと「やっぱ好きな事をやらなきゃダメだな。」って思い始めて、好きな事って何だろうな?って思ったら、それはやっぱりベースを弾いてマイクに向かって叫ぶって事で、うるさい音をやりたいなって。
その入院中の二週間、毎日毎日ひたすら外の景色を眺めながらCorruptedと324の音源をほぼ全部聴き捲ってたのね。うるさい音楽を一切聴いて無かったから久々に心を駆り立てられたくなってさ、「格好良いよな!凄いよな!!」って。それからスイッチ入るの遅かったんだけど、やってたバンドのドラムが何回も辞めたりとかあって、そのバンドは辞めるつもりは無かったんだけど、まあ結果的に辞める事になって、それで自分のスイッチが入ったのかな…気が付いたらYamaguchiに電話してた。



・もうYamaguchiさんしかいないと。

Yamaguchi:有難いね。

Onozato:それでやるって決めて、週2、3回は個人練習入るようになって、ベース弾きながら歌う練習を。その時に体中の血が熱く駆け巡る瞬間があったのよ!それで「俺はやっぱこれなんだな。」と「これしか無いな。」と。また自分がベースを弾いて歌を歌って叫んで、これでまたステージに立ちたいなと。



・何というかREDSHEERは「40代からの初期衝動」だと思うんですよね。若さから来る初期衝動では無くて、年を重ねた三人だからこそ生み出せる衝動というのを提示しているのかなって。

Omozato:それはそうかもね。自分たちの事を客観的に見たり考えたりってのは難しいんだけど、そう言ってくれるとやっぱりそうなのかな?
何しろKataraoのドラムもBucket-Tの時とは全然違うスタイルになっているし、新しい事に挑んでいるって意識が三人とも強くて、物凄く新鮮だし、先ず曲が出来ると凄く嬉しいし、バンドやってたら当たり前だけど。俺らは決め事が無いバンドだから、何をやっても良いバンドだから。その中で生まれた物をライブでやる、それが作品になる、それは本当に嬉しい事だね。
2013年の6月からスタジオ入って、そこから曲作り始めて2年経って…まあ時間経つの早かった!人生の中でこんなに我武者羅に何かに取り組んだ事は無かったんじゃないかって位早かったね。



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・ライブ活動を始めたのは2014年の春先でしたっけ?

Onozato:3月だね。ex.Bucket-Tの斎藤君が今やっているele-phantの企画に呼んで貰って。その時はそのライブだけ決まってて、次は決まって無かったの。そこから有難い事に色々なお話を貰って…



・一年程REDSHEERを追いかけて来ましたけど。凄く精力的にライブをやっているバンドだと思いましたよ。

Onozato:ありがとう。もうそれしか無いから。



・新曲もガンガンライブでやってましたし。ちょっと曲の話に入りますけど、先程REDSHEERにはルールがないって仰っていたじゃないですか?それが先ず曲に出ているなって。

Onozato:ルールが無いって言い方も少し大雑把過ぎるんだけど、基本的にはみんなうるさい音が好きだから。

Yamaguchi:強いて言うなら、暗黙のルールとして既存の物をトレースした様な物はやらないってのは、みんな共通の認識としてあると思う。



・本当にオリジナリティのみ追求で。

Yamaguchi:この歳になると苦労してバンドやっているのに、既に何処かで誰かがやっているのと同じのをやってもしょうがないし、作ってもしょうがないの。どうせやるんだったら他に無い物をやりたいし。
俺が曲ネタ作っている時も既存に無い物で曲ネタ作っているってのもあるけど、その時に頭でぼんやり浮かんでくるドラムとかベースとかボーカルっていうのを…結構二人共完全に覆して、また全然違う物をぶつけてくるから、そういう意味で最初に想定していた曲とはまた違う形になって、そもそも誰の頭の中にも無かった物が出来上がっているっていうのは、いつも楽しいなあって思って。



・それこそベタな言い方にはなりますけど、バンドマジックなのかもしれませんね。

Yamaguchi:そうそう。基本的に「ここ、こう叩いてよ。」とか最初に言ってもKataraoは「俺はやらない。」とかね。…何かKataraoがびっくりした顔してるけど、結構あるよね?

Katarao:やってるじゃん!!

Yamaguchi:やっている場合もあるけど「あー、分かった分かった!!」って。それをどんどん崩してくるのよ。だからいつも面白いの。



・Kataraoさんは具体的に自分がどんなドラムを叩きたいとかってありますか?

Katarao:無い!!



・無いんですか(笑)

Katarao:何というか…三人でやっているんだから、単に誰かが書いた曲をなぞる様な形じゃ無くって、それぞれぶつけ合って生まれてくる物が大事だなと思っているから。そうなると「こんな事がやりたいな。」っていうのがあれば俺もギター弾いて曲ネタとして持ってくるし。まあそんな様な事なんじゃないかなって思うんだけど、頭の中で考えたりはそんなに無いな。その時に出来上がる物を大事にしたいって感覚でいるんで。だから改めて問われると俺は何も無いのかなって。

Yamaguchi:でも俺が曲ネタ作る時も、思い描いた物とか頭に浮かんだメロディがあって、これをこうしたいって形にするんじゃなくて、何にも考えないで取り敢えずギターを触って、触っている中で発見した物を繋いでいって形にする…だから何も考えて無いんじゃないかな?



・Onozatoさんはそこら辺はどうですか?

Onozato:さっきの話に戻るけど。うるさい音でこの三人が集まって結果うるさい音になっていれば。意識をしているのはやっぱ強烈なオリジナリティを感じさせるうるさい音。
今回のレコーディングでもNOISE ROOM STUDIO(西武柳沢)の小林重典さん(GOUMのベーシスト)とツバメスタジオ(浅草橋)の君島結君(ex.GAJIのギタリスト)の二人に伝えたのは「新感覚の激音」を作りたいって事。凄く伝わらない言葉なのかもなんだけど、それだけを意識している。多分ね、それを意識していれば三人で作れるんじゃねえかなって。今までライブ活動をして来てバンドもかなり鍛え上げられて来たし、出せるなって自信みたいのは出てきた。
でも得てしてオリジナリティオリジナリティって提示しても伝わらない人には中々伝わらないし、それはもう個人の趣向の違いや趣味の違いだから仕方無いんだけど、でも「このバンド何だか自分にフィットするな。」って人がライブを重ねていくにつれて増えてくれて、名前が浸透していって、それなりに評価を下さって、そんな中でうちらを熱心に聴いてくれている人が共通して言うのは「こういうバンドは中々いないな。」って事で。イコールそれは俺たちがオリジナリティを出せてるって事だし、オリジナリティを追求しているんだって事が音にちゃんと宿って伝わっているんじゃないかな?

Katarao:だから一生懸命やってるよね(笑)

Onozato:我武者羅ですよ!!

Katarao:曲を作るのも、実際に作った曲を演奏して聴いて貰ってって時も、まあまあ陳腐な言い方かもしれないけど一生懸命!一生懸命作って、「こうやったらびっくりするかなー?」とか「気持ち良いかなー?」とか「楽しいかなー?」とか「盛り上がるかなー?」とか色々な事を考えながら、一生懸命考えて、一生懸命プレイしてっていうのが、まあ根底なんじゃないかな。と言うのは変な言い方になるけど、みんなそれぞれ時間使ってバンドやっているんだったらそりゃ最高な物にしたいねってのは絶対的にあるから。

Onozato:そうね…音に魂を宿してそれを聴き手に伝えるっていうさ…やっぱり出来てるバンドと出来てないバンドっているじゃない?それが経験なのか、演奏技術とかテクニックなのか…正解っていうのは分からないんだけど、同じやるなら伝えたい!心を音に宿したい!それでやるんだったらさっきも言ったけど強烈なオリジナリティを持つ激音でありたいという…拘りはそこかな?







・その一生懸命やるしか無いってのが余計な物を削ぎ落としている気もします。

Katarao:あのね、一生懸命やるしか無いじゃなくて、一生懸命やるっていうだけの事であって。メンタル弱い奴・メンタル強い奴っていて、メンタル強い奴のが面白いじゃない?完全に面白いじゃない?どういうメンタルで舞台に立って、どういうメンタルで音出してって事自体はちゃんと考えて臨まないといかないと思ってやってる。
REDSHEERも有難いことにある種の期待値とかある種の○○感みたいのが持ってもらえてて、それにしっかり応えなきゃいけないっていうこちら側の心持ちっていうのは完全にあって、生温い音出してられない!!っていうか、もうそういう歳じゃないっていうね。
だから「今回のライブはあんまりだったね。」とかっていうのは無くしたい。いつ聴いても最高だったと言われたい。それが出来ている時、出来ていない時っていうのはあるかもしれないんだけど、ある立ち位置からしてみるとそれなりに歴史のあるメンバーかもしれないし、そう考えると恥ずかしい真似は出来ねえなあって!そんな気持ちを凄く強く持っているんで。

Onozato:ほら!去年の6月のブッシュバッシュのライブ!AKSKが初めてうちらを観に来てくれて、weeprayの阿武君、wombscapeのRyo君、Starlingraidの栁澤君、O.G.Dの皆川君も遊びに来てくれて、あの時だね!!みんなうちらの過去のバンドを知っている訳だし、それ以上の物をやらないと観に来て貰った意味が無い…言葉は悪いけど音で「こいつらブッ殺してやろう!!」って思ったよ。あれは燃えたね。凄い格好良かったってみんな興奮気味に言ってくれたのは自分たちの力にも誇りにもなったし糧になった。このままこのテンション以上の物を提示していく努力をしようって。
何かね…REDSHEERを始めた頃ってどういうテンションでやって良いか分からなかったの。始めたばっかだから仕方無い部分もあるけど。ちょっと抑えた方が良いのか?って思ったりもした…でも結果あの時は違った。抑えるどころか自分の中身が全て空っぽになるライブを毎回毎回やっていかないと。特にうちらは音が音だからさ、思いっきりやらないと伝わらないなって。あの日のブッシュバッシュが学ぶ場になったし、自分の緊張感も物凄いあったんだけど、こう放出具合っていうのが自分たちの中でも手応えがあったし、あのライブからかな?スイッチ入ったのは。



・それから今に至るまで様々なバンドと対バンしたりもしたじゃないですか?他のバンドから受けた刺激というのもREDSHEERにとって大きいと思います。

Onozato:あるよーそれは。さっき名前出した方々とか平均すると10歳以上年下だし、彼らは今が一番高みに上っている時期だと思うし、バンドのキャリアも続いて、一番良い状態でライブもやって良い作品も出してって人たちが多いと思うし、そこの人たちに凄い刺激を貰っているね。isolateのAndo君もそうだし、まあみんな凄い…あの放出具合は…負けてられないなって!!



・やっぱりそういったライバルの存在は大きいですか?

Onozato:でかいね…。またいつかうるさいバンドをやりたいと思ってた時期に色々なバンドをチェックしていたんだけど、Starlingraidは元々知っててそこから切欠にwombscapeとかisolateとかweeprayとかを知って、大阪にPALMがいるってのもチェックして、凄い事をやってるなあって。いつか彼らと対バンしたいと思ったし、いつか俺の存在を認めさせたいなって。
正直キャリアも何も一回無くなったと思ってる部分もあったし、またゼロからやろうと思ってた部分もあったし、ライブ活動を始めてさっき名前を上げたバンドさんと同じステージに立つ事も出来て…刺激は貰ったね。



・REDSHEERの音楽って前提として「VS人」ってのがあると思いました。それこそ対バンだったり観ている人だったりとか。自己満足じゃ無くて自分たちの追求しているオリジナリティを伝えたいって気持ちを感じました。

Onozato:さっき歌詞の話で少しぼやけたけど、そこの意味での愛ってのは凄くあるかな。…分かって貰いたいんだよ。分り難い楽曲ではあるけど(笑)。それでさっきAKSKがメロディアスだって言ってくれたじゃん?そこなんだよね。複雑な曲展開でリズムチェンジも凄く多いし、一筋縄じゃいかない音楽をやりたいからやっているんだけど、それをいかに分かりやすく伝えるべきかってのは、一曲の中でメロディを喚起させる。それは自分が聴き手に対しての愛で。分かりやすく伝えたいっていう。そうなると言葉よりも歌の雰囲気とかそっちになっちゃう部分はあるかな。



・先程からOnozatoさんが仰っているうるさい音楽ってあるじゃ無いですか?俗に言う激情系だったり、カオティックハードコアだったり。

Onozato:でもね俺の中でのうるさい音楽はストーナーであったり、スラッジであり、グラインドでもあり、ハードコアもそうだし。自分が子供の頃に聴いてたデスメタルもそうだし。俺はジャンルって言葉が嫌いだからこそジャンルに拘らない自分たちの音ってのをやっているんだと思う。垣根を越えたいんだよね。だから細かい事はどうでも良くて、ハードコアって言葉一つで、それはイコールうるさい音って幅広く捉えて貰いたい。
かといってルールは無いにしても色々な物に手を出すって事では無くて、自分たちが曲を作る中で自然に出てきたリフだったりメロディだったりを大切にしながら絶対的なオリジナリティであったり、新感覚の激音っていうのを無意識に自分たちの中で蓄えながら曲を作って出来た曲をライブで一生懸命演奏してお客さんに伝えたい。…もうこの三人で自分たちの思う「新しいうるさい音・新しいハードコア・新感覚の激音」っていうのをこの三人で出し続けるだけって事です。



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・それでは1stアルバムである「ETERNITY」の方の話に入りますが、今回TILL YOUR DEATHからリリースする事になった切欠から伺います。

Onozato:バンド活動を始めた2013年の年末の先ず名刺になる物を作りたいってなって、出来上がっていた3曲をNOISE ROOM STUDIOで録音して、それをSoundCloudにアップして、それをTILL YOUR DEATHの伴内さんが聴いてくれたのよ。それで伴内さんがSNSで呟いてくれたり拡散してくれたりとかして結構広がった。伴内さんがうちらの過去のバンドも知っててそこで興味を示してくれたの。
それで2014年の7月に新たに3曲を録音して、関係者の方に新たな名刺として配布したりしたの。それを伴内さんに渡したら真っ先に「うちからアルバムをリリースしませんか。」って有難い言葉を頂いて。もう出したいって人が一番だと思ってたし、こっちから出して下さいって動くのも考えていたけど伴内さんが真っ先に言って下さったから「是非ともお願いします!」って流れ。



・真っ先にラブコールをしたのが伴内さんだったという事ですね。それでTILL YOUR DEATHから出すしか無いと。

Onozato:それをYamaguchiにもKataraoにも話したら「出すでしょ!!」ってなった。…考えてみるとそこから一年経っているね。



・でも大分早い段階でアルバムの話は出てましたよね。

Onozato:ライブを4回やって、そのレコーディングをした2014年の7月がライブが無かったのかな。でもライブ4回やった時点でその話を頂いていたし、展開は早かった。



・ある種運命かもしれませんね。

Onozato:そうね。REDSHEERのファーストライブの時はどんな活動をしていくかとか全然分からなかった。でもアルバムリリースの話を頂いて、ライブのオファーも沢山頂いて、色々明確になったよね。だからこのアルバムを切欠にREDSHEERって名前を多くの人に知って貰って聴いて貰って。アルバムを完成する事が出来てホッとしているし。次に繋がる物を作ったって自負もある。



・「ETERNITY」の方も聴かせて頂きましたけど、ライブとは全然違う激音だったなって。

Onozato;ギター・ベース・ドラムの録音はNOISE ROOM STUDIOでやって、エンジニアの小林さんがCoffinsやLIFEといった日本を代表する激音を録音する事に長けている方で、先ずは小林さんにお願いしようってなった。
そこからボーカル録り・ミックス・マスタリングはツバメスタジオの君島君に。彼が20歳、俺が19歳の頃からの知り合いで。ATOMIC FIREBALL、Bucket-Tの時に彼が在籍していたGAJIと昔の高円寺20000Vで頻繁に対バンしていたお付き合いでさ。彼の奏でるギターは凄まじい物があったんだ!完全なるオリジナリティを確立していたと沢山の人が今でも思っている筈だよ。
彼が録音しているskillkillsとかEXTRUDERSを聴いてさ…彼のマジックを感じて、録音のスタイルもエンジニアとしての技量も。それでNOISE ROOMとは真逆な方向でREDSHEERの音を捉えて貰って、それこそ正に新感覚の激音を…ハードコアだし勿論うるさい音にしたいんだけど、飽きさせたく無くて。うるさい音が苦手な人もいるだろうし、うるさいんだけど何処か聴き易さとかキャッチーさだったり、そこを音で作って欲しかった。だから君島君にお願いして、これが功を奏したのかな。結構聴く部分によってはポップに聞こえる音に作りこんで貰っているし。



・「BLINDNESS」は歌物的な曲ってのもあるますけど、そのポップさがありますよね。それと意外だったのはアルバムのオープニングを飾るタイトル曲「ETERNITY」でASTROとコラボしたって事ですね。それはどんな流れで実現したのでしょうか?

Onozato:俺が10代の頃、ASTROの長谷川洋さんがやってたC.C.C.C.が凄い大好きだったの。それで2014年の9月23日の高円寺Showboatの企画に長谷川洋さんの奥さんであるROHCOさんにお誘い頂いて、それは凄く縁を感じたし、その頃から洋さんとお付き合いも始まって、アルバム制作に向けてYamaguchiがインストを作ってきたの。ここで強烈な電子音が欲しくなって、これは洋さんとROHCOさんにお願いするタイミングなんじゃないかなって。それでお二人にゲストで参加して欲しいとお願いしたら快諾して頂いて、提供して下さった音…最高です!!素晴らしい!!







・本当に新感覚の激音のオープニングに相応しい曲だなって。その直後の「SILENCE WILL BURN」でブチ切れているのが最高だと思います。

Yamaguchi:でも「ETERNITY」は最初からアルバムのイントロを飾る曲だった訳じゃなくて、元々はギターだけを重ねて録音していつも通り曲ネタとして持っていって、そこにはベースもドラムも被せないって流れになって、ASTROのお二人に参加して頂いて、出来上がった音を聴いてからこれをイントロにして良いんじゃないかなって。最初はアルバムの途中に挟むインストにしようと思ってたの、小休止的な感じで。でも音を聴いてアルバムの頭に持っていって、そこから「SILENCE WILL BURN」って流れが良いんじゃないのって。結構後付けで。

Onozato:まあでも…あんな強烈な音を作って頂いたら先ず最初に聴いて貰いたいでしょ。



・正直アルバム全部通して強烈過ぎて…!僕は2013年の6月のブッシュバッシュでのライブで初めてREDSHEERを観たんですけど、その時に抱いた感想が「凄い!でも訳分からない!!」だったんですよね。ある種分かりやすいけど得体の知れない物を提示している作品だと思いますし、それがイコール新感覚の激音・新しいハードコアなのかもしれません。

Onozato:でもそこには聴き易く作った音というか、当てはまらないのかもしれないけどポップな要素ってのもあるし、それを君島君に求めた。バックの音はもう小林さんに強烈でヘビィな音を作って頂いて、そこから君島君に変換して貰って…まあ面白かったよね。うちらの狙いが功を奏したというね。



・ドンピシャで!

Onozato:正にそうだね。一切悔いが残らない、一生胸張れる自分たちで誇れる作品を作りたかった。妥協はしたくなかった。



・もう一つ言うと、全ての曲がある種自然に共存していると思います。「SILENCE WILL BURN」も「BLINDNESS」も「IN A COMA」もアルバムの中でちゃんと繋がっているなって。全然ベクトルの違う曲がしっかり繋がっているのもこのアルバムの凄い所だと思います。

Onozato:そこは考えていない様で考えたかもしれない(笑)。

Yamaguchi:流れはね(笑)。



・もう一つ言うと後半の「THE END,RISE ABOVE」以降の4曲でより得体の知れなさが増すなって。もっと得体の知れない何かが。

Katarao:B面だもん。



・前半A面、後半B面みたいな。

Onozato:そうだね、それを考えた!アナログで聴くんだったらって体でA面・B面って。ちゃんと流れを汲み取って聴いて貰いたいし…B面が割と地獄だね。







・でも「YORU NO SOTOGAWA」みたいなキラーチューンをラストの方に持ってくるのは意外でしたね。

Onozato:ちょっとハッとさせる最後に気付きというか「辿り着いた所がここですよ。」っていうのを狙ってあの曲を持っていった。ラストに「LEAVING MYSELF IN DARKNESS」があるんだけどあの曲はエクストラとして、「YORU NO SOTOGAWA」で実質ラストってのを描きたかった。



・「GLOOM」と「LEAVING MYSELF IN DARKNESS」というドス黒さ全開の2曲の間に「YORU NO SOTOGAWA」を挟むって流れがよく思いついたなって!!

Onozato:あれは憎悪ですよ。正に怒りの放出。







・そう考えると「THE END,RISE ABOVE」が良い感じでアルバムの中で中間地点にあるなって。あの曲はREDSHEERの初期の曲だからこそ、キャッチーさと地獄の中間地点にあると思います。

Onozato:言われてみるとそうかもね。



・「THE END,RISE ABOVE」こそがREDSHEERが提示したい新感覚の激音の一番名刺代わりになる曲なんじゃないかなって思います。

Onozato;そうかもね。ちょっとジャンクロックなテイストもあるし。



・でもYamaguchiさんが滅茶苦茶メロディアスなアルペジオを弾きまくっていたりもして、Onoazatoさんも終盤で裏声でのボーカルを披露していたりして、あの切羽詰まった感じです。

Onozato:聴いてる人にメロディを浮かび上がらせて欲しいからね。

Yamaguchi:「THE END,RISE ABOVE」が出来た時にREDSHEERとしての曲の作り方の枠が出来たとも思う。その前に「CURSE FROM SAD SPIRIT」を作ったんだけど、それは俺が持ってきた曲ネタから殆ど形が変わってなくて、まあ紆余曲折ありつつの結果論ではあるけど。
「THE END,RISE ABOVE」は曲ネタの時と曲として完成した物を比べるとほぼ別の曲で、残っているのはメインのリフ位で。リフを提示してみんなで合わせて、そっから膨らんだイメージで再構築してまたみんなに提示して、そっから色々な物が入って構築してって作りで出来たし、曲の後半のアルペジオからの流れもみんなでイメージを膨らませて構築するって作業をしなかったら出てこなかった感じなんだけど。
でも今は割とどの曲もそういう流れで作っているから。みんなに出して貰ったリズムだったり違うメロディから膨らませて作るっていう今のREDSHEERの作曲のスタイルの基礎が出来たのは「THE END,RISE ABOVE」。

Onozato;またそれを壊す時が来るよ。

Yamaguchi:まあねえ、いつか来るかもしれないねえ。

Onozato:型にハマっちゃうと面白くないから。

Yamaguchi:ただOnozatoは結構ジャムセッションから曲を作りたがっていた時期もあったんだけど、俺はジャムセッションから曲を作るのは好きじゃ無くて、ジャムセッションという何も無い所から合わせてやるってなると絶対既存のイメージを何処かから持ってきてみんなで合わせて曲を作ることになるから。そういうのでは無くて、完全な0から1を作り出してみんなで膨らませていくっていうのが今のところは「CURSE FROM SAD SPIRIT」以外はそういう作りになっているね。



・…まあでも一筋縄でいかないバンドだなあって。

Onozato:でもアルバムは一気に聴けるでしょ?



・はい。50分があっという間に終わりますね。

Onozato:それはやっている自分たちも聴いてて思ったし、それで良いじゃない…それが良い。だからやれたなって。

Katarao:…一筋縄じゃいかないのよねえ。…今も新曲を作っているんだけど、…いやこのバンドは大変だなって思いながらね…やってるんですよ。

Onozato:体力的な事も含めて、テクニック的な事も含めて自分たちで勝手にハードルを上げてる感はあるね。

Yamaguchi:毎曲毎曲練習しなきゃいけないっていう、習得しなきゃこの曲が出来ないってのを毎回作ってるから。特に…ドラムは…必ず新しい物をブチ込んで来るから。

Katarao:そもそも譜割りが凄いからね。もっと凄い人たちは勿論いるけど、俺らにしてみたら凄いっていう。譜割りを意識しないで曲作ってくる人がいるから。

Onozato:フレーズでね(笑)

Yamaguchi:メロディが先に出来て、リズムはまあメトロノームに合っていれば良いかって感じで曲ネタ渡すから、それでいつも悩むっていう。

Onozato:まあでも今が一番楽しいよ!…本当にバンドをやれる喜びってのを日々感じて生きてる。…それが一番幸せ。何歳まで出来るか分からないけど、末永くやり続けたいね!この三人で!!



・皆さん公言してますが、REDSHEERが三人にとって人生最後のバンドになると仰ってましたけど。

Onozato:俺はそう思ってる!



・先程末永く続けたいと仰ってましたが。

Onozato:可能な限り!!…自分がやっている音楽に対する飽きって無いと思う。でも体力的に限界感じたら音をシフトせざる負えないけど(苦笑)。…でもやっぱうるさい音好きだし、先の事は考えるけど、何歳までやるとか区切りつける年齢でも無いから。楽しいなって思ったら、充実してるなって思ったらずっとやりたいし。



・正に40代から始める初期衝動ですね。でもYamaguchiさんはバンド活動のブランクもあったと思いますし、そこからREDSHEERを形にするまでに膨大なエネルギーが必要だったと思います。だからこそ一筋縄じゃいかない熱情というか…業と欲望ですよね!!うるさい音鳴らしたい!伝えたい!叫びたい!っていう。でもやりたい事に対して全員妥協が無いからこそ、最高の新しいハードコアが生まれたんだと僕は思います。

全員:ありがとうございます!!



・では最後に今後の展望なんかも。

Onozato:なるべく早い段階で次の音源を出したいと思います。曲作りに時間はかかるんだけども、曲作りを常に欠かさないバンドでありたい。ライブもYamaguchiとKataraoは家庭があるからハイペースとはいかないかもしれないけど、可能な限りはやっていく。音源作るからライブやらないってじゃなくて、うちらは止まりたくない。次を求めてくれる人に対してうちらも早く次を提示したいし。だから作り続けたい!表現し続けたい!

Yamaguchi:曲作っている時が一番ワクワクする。これがどうなっていくんだろうかってある意味映画を観ている感覚で、「この映画ここまで来てラストどうなるんだろう?」っていうのと同じで、曲作っている時も「この曲ラストどうなるんだろう?」って感じで。最初はみんなそういうの分からないで作ってるし、最終的に完成したらワクワクするし、そのワクワク感をずっと持ち続けたいなって思ってる。

Katarao:頑張ります!!



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【REDSHEERライブ予定】

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【FAREAST DEATH CULT 2015】
FeDC 2015 Day-1
・assembrage
・BURNING SIGN
・DIEDRO LOS DIABLOS
・HUMPTY DUMPTY
・MIDNIGHT RESURRECTOR
・NOTIIBELIKESOMEONE
・PALM
・She Border Picture
・SILVERBACK
・ミミレミミ
・秘部痺れ
・REDSHEER




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TRIKORONA Presents [様々な困惑]
STUBBORN FATHER×TRIKORONA Split CD release tour final
8月1日(土)@東高円寺二万電圧
TRIKORONA
STUBBORN FATHER
weepray
GOUM
unconscious disharmonic malfunction
(((AMNESIa-cHANNEL)))
REDSHEER
open 17:30 / start 18:00
adv. ¥1800+1D / door ¥2000+1D




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POWERTRIP Vol.7
8月8日(土)@池袋手刀
GREENMACHiNE
G.A.T.E.S
幻覚NEONS
Veritas Conc.75
REDSHEER
open 17:00 / start 17:30
adv. ¥2500+1D / day ¥2800+1D




” thread ”
8月14日(金)@小岩BUSHBASH
UMBERLITE
SUPER STRUCTURE
FLOATERS
REDSHEER
and more
■open/startTBA
■adv/doorTBA(+1drink order)




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NOISE SLAUGHTER Vol.6
8月22日(土)@新大久保earthdom
BB
OSRUM
xerowound
REDSHEER
open 18:30 / start 19:00
adv. ¥2000+1D / door ¥2500+1D




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REDSHEER Presents
GRAY WORLD Vol.3
2015.9.26(土)@新代田FEVER
COHOL
CYBERNE
DISGUNDER
GUEVNNA
isolate
RED RAN AMBER
REDSHEER
THE DONOR
wombscape
ZOTHIQUE
Open 13:00 Start 13:30
Adv. ¥2000 (+1D) / Door ¥2500 (+1D)
e+ / Lawson Ticket ( L:72272 )
新代田FEVER 03-6304-7899
All info:deadsheer@gmail.com




【オフィシャルサイト】http://deadsheer.wix.com/redsheer
【twitter】https://twitter.com/redsheer666



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie

■【絶対不変のハードコアの核】STUBBORN FATHER shigeロングインタビュー

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 STUBBORN FATHERはハードコアの必然だ。1999年に結成され、それから15年以上に渡って活動を続けて来たバンドだが、これまでの多数の音源のリリースや多数の企画を重ねながらもずっとブレる事無く活動を続けて来たバンドであるし、大阪の激音を代表するバンドと言っても良いだろう。活動こそマイペースではあるが、SeeKとの共同企画である「孔鴉」、TRIKORONAとのスプリットのリリース、そして近日リリース予定のSeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットとSTUBBORN FATHERは着実に歴史を重ね続けているし、何よりも結成当初から全くブレないスタイルを貫きながらも進化を続けているバンドだ。
 今回、STUBBORN FATHERのフロントマンでありボーカリストであるshige氏へのメールインタビューを試みた。shige氏は丁寧に質問に回答して下さったが、同時にSTUBBORN FATHERというバンドのブレ無い信念と核を丁寧に言葉にして下さっているし、大阪が生み出したハードコアヒーローであるSTUBBORN FATHERが何故ハードコアの必然であるのか、今回のインタビューがその答えに少しでも近づける切欠になって欲しいと思う。



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・バンドの結成からの経緯と現在に至るまでの活動についてSTUBBORN FATHERを知らない方の為に簡単にお願いします。

1999年に僕と友人であったギターのFukusukeで結成。結成時は4人編成でしたがすぐにベースが脱退、僕がベースを持ち3人編成で4、5年ほど活動。この間にデモを2作とスプリット(w/ANCHOR,新潟)、1st、V.Aなどをリリース。その後、ドラムのKoichiが脱退。ヘルプドラムでNi-yan(ex-緑血)、2人目のギターにYasuoka(ex-NIHILIST)、現在のベースのMorishitaが加入し5人編成で再スタート。この間にV.Aなどをリリース。その後、Ni-yanが脱退し、ヘルプドラムにShin(orrorinz/bebedelbanco)が加入。この間に2ndをリリース。その後、Yasuokaが脱退し、代わりにSankonが加入、脱退。Shinが脱退し、ヘルプドラムでChihiro(ex-BAD DIRTY HATE)が加入、脱退。この間にV.Aをリリース。2009年に現在のドラムのCamel(ex-冨嶽)が正式メンバーとして加入し現在の4人に。この間にスプリット2作(w/R3N7、w/TRIKORONA)とV.Aや2002年から2012年にリリースした楽曲をまとめたディスコグラフィーカセットをリリース。主催企画、[思想信念]、[覚醒SURU]、[孔鴉]。大体こんな感じです。



・STUBBORN FATHERというバンド名の由来と「貫1999神」の意味は?

「STUBBORN」=「貫く」、「FATHER」=「神」という意味を込めて付けました。~FATHERにしたかった。海外ではFATHERやMOTHERは、「神」とも意味する言葉だという事と、人間を感じる単語を使いたかったんです。"不屈"などという意味でもあるSTUBBORNが並ぶ事で、見た目全体の造形と強靭そうなインパクトが良かった。直訳も洒落てて面白いし、一風違う感触のバンド名にしたかった。結成時に独自のスタイルを貫く決心をし、それで1999年に結成した“貫神”です。



・バンドとしてはどの様な音楽を志していますか?またどのようなバンドの影響を受けましたか?

現実という凄まじい世界観をそのまま僕達なりの緊張感ある危険な音で表現出来ればと思っています。初めに影響受けたのは、90年代あたりのジャパニーズハードコアパンクが中心で、それから様々な音とハードコア以外のジャンルにも影響を受けていきました。



・初期はシンプルでストレートな激情系サウンドでしたが、現在の様な多展開のカオティックなサウンドにはどのように変化していきましたか?

単純にメンバーが増えたりして、やりたい事が出来るようになったからだと思います。それと曲に対して、その曲の答えをもっと追求するようにしていったからだと思います。



・楽曲はどの様に作られていますか?

ギターのFukusukeがベースとなる曲やフレーズを持ってきてから始まります。後はみんなで色々出し合って聴いてを繰り返して積み上げていく感じですね。



・これまで発表された楽曲を聴くと多少の変化こそあれど根底はずっとブレていない様に思います。15年以上に渡ってブレずに自らの音楽を貫いてきた理由はなんでしょうか?

そう言ってもらえて嬉しいです。その時代やコンディションによって当然感化される事はありますが、誰かの真似事ではなく、いかに消化して独自のスタイルにするかを追求してきたつもりです。不変な核があって納得してこそ、初めて説得力を生むと思うからです。







・昨年末にTRIKORONAとのスプリットをリリースされましたが、どの様な経緯でリリースする形になったのでしょうか?

2012年にTRIKORONAの1stアルバムと僕達のR3N7とのスプリットのダブルレコ発を東京の早稲田ZONE-Bでやったのですが、その時の打ち上げでTRIKORONAのKoreeda君が誘ってくれました。うちらともやろうよって。嬉しかったですね。TRIKORONAは、凄い個性を持った素晴らしいバンドなので。でも、その時はかなりお酒も入っていましたし、本当に僕達でいいのかという不安もあり、後日再確認。あの話どうする?みたいな。やろうよ。じゃあ1年後に。と言いましたがリリースまでに2年かかってしまいました。



・TRIKORONAとのスプリットの楽曲はこれまで以上に複雑でありながらもアグレッシブな楽曲ばかりですが、どの様な事を志して作られましたか?

毎回、曲を作る度に志しているのは、前作の楽曲群を越えるという事ですかね。色々な部分でね。さらに次の作品へ繋げる事など。今回この感触の楽曲に仕上げるというのは自然だったのですが、それに対して追求する方向をメンバー全員が意識して、それぞれがしっかりやるべき事をやったからだと思います。
「降伏フィルム」は10年前くらいに作った曲で、少しアレンジをしてこの時代のタイミングに卸しました。さらにTRIKORONAという超強力な化け物みたいな対戦相手に負けられないという気持ちも上乗せされ、このような楽曲群が生まれたのだと思います。そして毎回ですがSTUBBORN FATHERと真摯に向き合って楽曲を最高な状態にしてくれたエンジニアの原田君(大阪/梅田 M4Ⅱstudio)には非常に感謝しています。







・SeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットのリリースも控えていますが、こちらはどの様な経緯でリリースする事になりましたか?またどの様な楽曲が収録される予定でしょうか?

お世話になっているアメリカのレーベルMeatcubeのRyanが4wayを出したいから参加して欲しいと誘ってくれたんです。その話を貰ったのがTRIKORONAとスプリットを約束した数ヶ月後くらいだったので、今は曲が無いから前の曲でも良いならと伝えました。そしてRyanに日本のもう1バンドは僕に決めて欲しいと言われました。それでちょうど考えている時にSeeKと出会い、RyanにSeeKを提案しました。
収録曲は、2007年にリリースされたTRIKORONAと出会うキッカケにもなったV.A「REAL JAPANESE UNDERGROUND 2007」にしか収録されていない「創造の山」という曲と、2012年にリリースしたR3N7とのスプリットに収録されている「未定」という曲の2曲になります。両方アレンジを施して再録音した物になります。この話とほぼ同時にディスコグラフィーの話もくれたので、この2曲はディスコグラフィーから外しました。



・ここ最近のライブではANODEの「隠された太陽」のカバーも披露していますが、どのような経緯があってライブでカバーする様になりましたか?

ANODEとは2001年に東京の吉祥寺WARPで対バンしてからの戦友で、それ以来VoのKazuhito君とは公私共に仲良くなりました。なんか同じ匂いがしましたね。僕にとって一番のライバルにもなりました。しかし、ANODEが2009年に発表したアルバム「負の新種」をリリースした直後、彼らは解散してしまいました。僕にとっては1つの大きな糧だったので、とてもショックでした。それから数日後、Kazuhito君から無言のままマイクが送られてきたんです。それで全てを理解しました。それ以降、僕が歌う時は必ずこのマイクで歌い続けています。
そして、いつかこのマイクでANODEの曲を歌いたいと思いました。メンバーにカバーをやろうと話を持ち掛けたのは、今から3年前位です。カバーなんて初めてだし、下手すると名曲に傷を付けてしまうのではないかという不安もありましたが、これは遂行しなければならないという気持ちが強かったので自分達を信じました。「隠された太陽」は僕が選びました。ANODEの曲はどれも素晴らしいのでとても悩みましが、この曲が一番体現してみたいという素直な想いでした。そして、そのタイミングがきた時にKazuhito君に電話で伝えました。カバーしたい事を快く承諾してくれました。ANODEの他のメンバーにもコンタクトを取ってくれて、一同からも嬉しい励みになる言葉をもらい、自信を持ってカバーする事が出来ました。今では「STUBBORN FATHER」+「隠された太陽」は、鬼に金棒だと思っています。



・STUBBORN FATHERは音源やTシャツのアートワークだったり、ライブでの蛍光灯のみの照明といったビジュアル面での魅力も凄くあるんですけど、そういった部分はどの様な事を意識していますか?

単純に僕がSTUBBORN FATHERというバンドの魅せ方はこういう感じが格好良いだろうと思って手掛けています。Tシャツのアートワークは、デザインでも意味をしっかり伝えたいので、その時の曲を表現した物が多いです。またハードコアバンドのTシャツである事を当たり前ですが強く意識しています。
ライブでの照明については、現時点でのSTUBBORN FATHERの世界観を表現するには必要に感じたので用意しました。デザインにしろ、ステージにしろ、視覚から感じ取る物も重要ですし、音と視覚のピントを合わせる事は必須だと考えています。



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・ライブの方にお話を移しますけど、どの様な意識で毎回ライブには臨んでいますか?

何も考えていません。全部吐き出すのみです。



・これまでSeeKと共に大阪で孔鴉を定期的に開催されていますが、これまで回数を重ねて感じた事や手応えはありますか?また今後どんなイベントにしていきたいですか?

理想の手応えというのはまだ感じていません。ただ、出演バンドには本当にお力を貸して頂いております。無理を承諾して頂けるおかげで、僕達のやりたい事が現実に変わり、そしてそこにお客さんが加わって、さらに次へと繋がっていける。どちらかが欠けるとこのようなイベントの実現は難しく、続けるのは困難になります。本当に感謝しかありません。
大阪には無いイベントにしたい事は勿論、主旨、世界観の元、僕達が魅力を感じるバンドを招いて、それを大阪然り関西の方達にも体感して頂きたいという想いもあります。この"孔鴉"で繰り広げられる熱い戦いが僕は好きなので、その緊張感と熱気は必ず感じられる事、そしてお客さんと出演者の皆さんにも満足いただけるイベントであり続けていけるよう頑張って行きたいですね。



・これまでの歴史の中で数多くのバンドとスプリットをリリースしたり共演したりしていますけど、STUBBORN FATHERとしてどんなバンドにシンパシーを覚えますか?またこれからどんなバンドと共演したいとかありますか?

中々難しい質問ですね。考えてみれば、今まで沢山の様々なバンドと共演させて頂きました。その中で、今でもお付き合いがあるバンドやイベントに出演して頂いたバンドには、何かしら共感出来る部分があるのだろうと思います。でも、共感というよりは尊敬という言葉が近いです。自らしか出せない個性を光らせてるバンドには、やっぱり惹かれますね。僕達が知っている限りで気になっているバンドはイベントに呼びたいので、その時にでも共演出来たら良いと思いますし、僕達を誘って頂いたりして、知らなかったり観た事のなかったりするバンドと新たに出会えるのも毎回楽しみですね。



・STUBBORN FATHERは大阪のバンドですけど、実際に大阪のシーンはどんな感じなのでしょうか?

よく分かりません。シーンというものには無縁なように思います。だから様々なバンドと共演して来れたんだと思います。



・東京や他の場所でライブをして大阪のシーンの違いだったりとかを感じたりしますか?

しますね。他は色んなバンドが出るイベントでも成り立っているように感じます。



・今後はどの様な楽曲が生まれていくと思いますか?

それは僕にも分かりません。しかし僕達自身がそのさらに先を見据えられるような楽曲にしなければならない事だけは解っています。



・STUBBORN FATHERはどんなバンドでありたいと思っていますか?

安売りされた唯一無二ではなく、本来の唯一無二のバンドでありたいですね。



・STUBBORN FATHERが生み出すハードコアの終着地点は何処だと思いますか?

それは未だ分かりません。それも面白くてこんなに長く続いているのかも知れません。今のメンバーでどこまで出来るか分かりませんが、まだまだやりたい事があるので未だ終着地点が何処だか見えないのかも知れませんね。



・STUBBORN FATHERが音楽を通して描きたい物や訴えたい物とはズバリなんでしょう?

ハードコアその物であり、全てが繋がる「今」です。僕はその時の世の中の様々な問題についてを僕なりの言葉で投げ掛けていきます。そして引き続き、日本人らしい、人間臭いハードコアを鳴らして行きたい思っています。



・これからの予定や展望など教えてください。

次は単独作かなと思っています。他にも諸々ありますが、いつも通り流れに任せる感じで楽しんでいきたいですね。



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2015/08/01 at 東高円寺二万電圧
TRIKORONA presents「様々な困惑」
"TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split CD release GIG"

TRIKORONA
REDSHEER
GOUM
STUBBORN FATHER
weepray
unconscious disharmonic malfunction

Breaktime Noise: (((AMNESIa-cHANNEL)))

Distro Store: 3LA

Open.17:30 Start.18:00
Adv.1,800yen Door.2,000yen (+1d 500yen)




【オフィシャルサイト】http://www.stubbornfather.com/
【facebook】https://www.facebook.com/stubbornfather
【twitter】https://twitter.com/stubbornfather



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie

■コミューター/おまわりさん

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 各所で生きる惨劇としてヴァイオレンス極まりない危険なライブを展開し、ハードコア・グラインド・ノイズ、様々な界隈で本当に高い評価を得ていたおまわりさんだが、いよいよ1stアルバムがリリースされた。デモ音源のリリースはあったけど、正式音源は今作が初であり、待望のフルアルバムだが、今作はまさかの2枚組という内容で先ずはそこに驚いた。そしてこれまでノイズ塗れで不明確だったおまわりさんというバンドの全貌が明らかになった作品であり、そしておまわりさんというバンドがライブパフォーマンス云々以前にどれだけ危険なバンドか分かる作品だ。



 先ず今作はまさかのdsic2枚組である。アルバム全体ではディスク一枚に収まる収録時間ではあるけど、敢えて2枚組に分けられている。それはおわまりさんというバンドの二面性をそれぞれのディスクに分けているからで、disc1は9曲で20分にも満たないショートでジャンクなハードコアな楽曲ばかり収録し、disc2では長尺でスロウでアンビエンスな要素を盛り込んだよりダークな楽曲を収録している。しかしながらどちらも非常にヴァイオレンスな音を生み出しているのは間違いないし、その方法論が違ってもバンドの暴力性は揺らいでいない。
 第1曲「It Says No」から言語化不可能なボーカルとノイズと高速2ビートが吹き荒れるdisc1はとにかく飛ばしまくっている。今回はデモの時に比べて音の輪郭が非常に明確になっているし、各パートは暴力的な音を放っているけど、非常に音が掴みやすい。第2曲「グラインダー」もタイトル通り音が暴走しまくっているけど、ジャンクでハードコアなギターリフが引っ張りながら突き刺すノイズと突っ走るビートと、風人氏の一人で何役もこなすボーカルスタイルが最高にハマっている。そのまま矢継ぎ早に第3曲「不在」へと続くけど、そこでも前以上にキャッチーとまではいかなくても分かりやすいリフとノイズとビートの構成による濁流サウンドが全開。デモにも収録されていた第4曲「バカ社長」や第7曲「Dew」もバンドの成長を強く感じさせる物で、デモの時の様にノイジーさで殺すスタイルでは無くて、ノイジーさこそ変わらないし、相変わらずジャンク極まりない音であるのに、どこか正体不明だったおまわりさんの全貌を見事にアウトプットしている。それと矢継ぎ早にジャンクでカオスでノイジーなハードコアを繰り出しているからこそ、強烈でインパクトが残る音が一瞬で過ぎ去る暴風雨感は実に気持ちが良い。ハードコアとノイズとジャンクのドM大歓喜な快楽を音に叩き込んでいる。disc1のラストを飾る「集合意識」も暴走パートとビートダウンの緩急を付けるスタイルで常に歪みながらも、暴走一辺倒じゃなくて、5分間で速さと遅さによる落差のヴァイオレンスさを生み出している。
 そして驚くべきはdisc2である。デモでも長尺で静謐さからノイズの暴力へと変貌する楽曲はあったが、それが見事に進化している。第1曲「コミューター」はアルバムタイトル曲なだけあって屈指の出来だ。Slint辺りの不穏なクリーントーンのギターと硬質なビートの反復、それらのサウンドにシンセとノイズが更に不気味な音を加え、そのメロディも音も美しさでは無くて不気味さしか無い。風人氏は途中でホーミーみたいな発生方を使ったボーカルを披露しているし、松田氏のハーモニックスを使ったフレーズもなんとも「らしさ」があってニヤリとするけど、来る爆発の瞬間に対する恐怖、そしてラスト1分半でブラストビートとトレモロリフとノイズによる大爆発。悲痛な叫びと共に破滅へと暴走するカタルシス。スロウヴァイオレンスでありサッドヴァイオレンスでしかない。第2曲「引力」も静から動へと移行する曲だけど、こちらはスラッジコアやポストメタル的な方法論にも通じるサウンドであり、同時に歪みまくったパートではジャンクさも全開。そしてデモにも収録されていたおまわりさんの象徴する曲である第4曲「膨張」は更に不条理な惨劇だ。のっけから不気味に蠢くギターとノイズ、唐突に通り魔2ビートが吹き荒れ、デモの時以上に表現力と声の暴力がおかしい事になっているボーカル、音の色と輪郭が明確になり、よる禍々しさが増した音、情報量も凄いけど、ドゥーミーな音階のアルペジオからビートダウンの暴力と化すパワーヴァイオレンスさ。最後の最後はやっぱり暴走で締めくくられるし、disc1のジャンクでショートなハードコアも凄かったけど、このバンドのヴァイオレンスさは実は長尺で大作志向の楽曲でこそ生きるんじゃ無いかと思った。最終曲「ハイパーインテリジェンツィア」もやはり10分近くに及ぶ不条理であり、低域地獄のベースの不気味さ、ポエトリーによる呪詛、クリーントーンのサウンドでありながらのしかかる重々しさ、そしてスラッジなヴァイオレンスな重ノイズ地獄。最後の最後のクリーントーンのギターフレーズから今作で一番の不条理な混沌、完全に取り残されてしまった気分だ。



 ライブではやはりヴァイオレンスなパフォーマンスやサウンドによる交通事故感が目立つけど、こうしていざ正式音源となった音を聴くと、そういった部分だけじゃ無くて純粋にバンドとして進化したと思う。ジャンクなバイオレンスさも、サッドでナードなヴァイオレンスさも、スロウなヴァイオレンスさも、ファストなヴァイオレンスさもある。言ってしまえばヴァイオレンスマシマシ全部乗せみたいなアルバムだ。しかし速さや遅さや五月蝿さだけでは無い。より精神的な重さもあり、より完成度の高さも、ノーフューチャーな暴走もある。何にせよ極端すぎる音ではあるけど、だからこそ今作のカタルシスは半端じゃない。



■TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split/TRIKORONA × STUBBORN FATHER

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 東京と大阪の狂気の暴力がスプリットをリリースしてしまった。パワーヴァイオレンスという枠組みでは全然収まらない異常過ぎる激音のみを鳴らす東京のTRIKORONA、その瞬間のカタルシスを複雑怪奇に台風の如く吹き乱していく大阪のSTUBBORN FATHER。その2バンドが惹かれ合いスプリットをリリースしてしまった。リリースはHELLO FROM THE GUTTERからで、今作は2014年の12月末のリリースであるけど、先日のweepray企画の時にSTUBBORN FATHERの物販で先行販売されていたので、そちらで入手させて頂いたのでフライングする形で今回紹介させて頂く。



 先行はTRIKORONA。TRIKORONAは5曲提供しているけど、アルバムで聴かせていた暴力すら超えた異次元パワーヴァイオレンスは更なる進化を遂げている。第1曲「妖怪の手」なんて最もなタイトルの楽曲からして異常さしか無い。空間的エフェクターによる揺らめきまくるギターフレーズから始まりながらも、一瞬でパワーヴァイオレンスらしい暴力的な音に変貌し、キメにキメを重ねて暴走しまくり、破綻する。第2曲「深い外」もそんな暴力性が更にヒートアップしているけど、サイケデリックでストーナーなギターフレーズが楽曲を支配し、同時に重圧が凄まじいベースとドラム、狂乱を吐き散らすボーカルが化学反応と拒絶反応を同時に起こしノイジーに脳髄を犯していく。ダークな激情要素も持ち込んだ第3曲「蒲団」も素晴らしく。こんな曲は単なるパワーヴァイオレンスバンドじゃ絶対に作れない曲だと思う。ブラストビートもガンガン使い、カオティックに変化を続けるサウンド、しかしそこに小難しさは微塵も無いし、微かなメロディアスさが生み出すダークさと空間的アプローチと、肉体的カオティックフレーズを使いこなすギター、憎悪を吐き出すボーカル。第4曲「意識の高い豚」のミドルテンポからの穢れきった暴動としての音、毒々しく引き摺る音から邪悪な結末からの高笑いに怯えるしか無いし、第5曲「片輪の馬車」まで休まる暇なんて全く無いし、圧倒的情報量をショートな楽曲に詰め込みまくり、それを全く整理しないで、負の初期衝動そのままに吐き出し叩きつけている。聴き手の意識を完全に破壊しながらも、宇宙かと思わせて、そことは全く違う場所へと道連れにしてしまっている。アルバムも凄かったけど、最新のTRIKORONAの新曲は、更に異常なテンションと狂気しか無い。
 後攻は大阪のSTUBBORN FATHER。今年は編集盤カセットをリリースしたけど、新曲として提供した3曲がもう激情・カオティックの最高峰としか言えない出来になっている。不穏な自動音声のSEから始まる第6曲「裏側」は本気でSTUBBORN FATHERというバンドが国内カオティック最高峰のバンドになってしまった事を証明する最強の一曲だと断言出来る。ギターは一本だし、実はギターフレーズ一つをそれぞれ切り取ったら至ってシンプルなフレーズで構成されていたりするんだけど、拍の理論とかキメの理論がおかしいのだ。ブラストビートも繰り出しながら暴走しまくるドラムも突如として変則的にキメを繰り出すし、残虐なる重低音を吐き出すベース、shige氏は日本語氏で衝動のままに叫びまくる。膨大なアイデアを詰め込みに詰め込みまくり、時にキャッチーなフレーズも繰り出しながら、歪んで荒れまくった音から、不意に入るクリーントーンのギターもうそうだし、ぶっちゃけ5曲分位の情報量を一曲に纏め上げ、そしてドラマティックさに走らず、最初から最後まで破滅的クライマックスのまま暴走していく。フックの強さで言ったら、もうkillie位しか対等に立てるバンドはいないんじゃないかってレベルだし、第7曲「降伏フィルム」ではロック的な初期衝動も感じさせながらも、持ち前の展開の多さとフックを最大限に生かし、キメのギターフレーズが一々最高に格好良かったりするし、国内激情・カオティック最高峰のバンドに上り詰めた事による獰猛なる雄たけびを繰り出している。最終曲「痣」では一転してダークな叙情性を感じさせ、ベースとポエトリーのみの這い回るパートから奈落へとダイブするクライマックスは圧巻。しかしながら「裏側」が本当に凄まじい出来で凄い。編集盤にも収録されているこれまでの楽曲郡も素晴らしい完成度だったけど、それを遥かに超えてしまっているし、バンドは本当に最高の状態だという事を実感するし、STUBBORN FATHERというバンドは完全に唯一無二のバンドになってしまったのだ。



 2014年と言う混迷の年に生れるばくして生れたスプリットだと思うし、TRIKORONAもSTUBBORN FATHERも現在こそバンドが最高の状態にある事を実感出来るスプリットだと思う。東京と大阪の化け物バンド2つの激突が生み出すエネルギーは想像を遥かに超えているし、この2バンドの行き先はもう誰にも分からないと思う。2014年の最後の最後に生れた激音の最果ては正に事件だし、カオティック・激情・パワーヴァイオレンスの最先端で最高峰のスプリットとなったのだ。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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