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■Psychedelic Underground/Amon Düül


サイケデリック・アンダーグラウンド(紙ジャケット仕様)サイケデリック・アンダーグラウンド(紙ジャケット仕様)
(2003/08/25)
アモン・デュール

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 Amon Düülは60年代後半に当時の西ドイツで生まれた芸術・政治コミューンであり、自由を求めて活動していた。後にAmon Düül が派生し、そちらと協力したり交流したりするが、今作は本家Amon Düülの68年のセッションを音源かし69年に発表された1stであり、クラウトロック・サイケの名盤として名高い作品である。ベルリンの左翼グループのメンバーが参加しており、当時はかなり話題になったらしい。



 今作は一言で言うなら狂騒の音楽だ、彼等は技術は二の次でとにかく自由な音を追い求めていたし、その自由極まりない演奏は破綻するギリギリのラインを綱渡りしている。だからこそ今作の狂騒は緊迫した物になっているのだ。特に17分にも及ぶ第1曲にそれは現れている、ノイズのコラージュが生み出す不穏さ、ひたすら乱打されるパーカッションのドラッギーなビート、ひたすら同じフレーズを繰り返したりしながらその狂騒とはどこか無縁に進行するギター、不意に挟まれるピアノ、そして多くの人の叫びや怒号、音楽的に見てしまうと本当に滅茶苦茶だし、下手したらただの雑音で片付けられてしまう可能性すらあるのだが、その音は奇跡的に一つの形を保ち、その行き先の分からない不穏のトリップを続けているからこそ彼岸の音としての威力を発揮しているのだ。残響音は永遠と耳に残り続け、狂気を加速させながら意識を溶かしていく、そして永遠と続く破滅的な音塊に気付いたら飲み込まれて行き先を無くす。今作を象徴する名曲であり、今作屈指の狂気を見せるセッションとなっている。The Velvet Undergroundの持っていた狂気をより加速させた感覚が存在しているし、それこそが今作に存在するサイケデリックの源になっているのだ。第4曲でもその狂騒は凄まじく、あからさまに音量や左右のスピーカーから流れる音の変化や、暴走するノイジーさや宗教的な旋律と共に怒号と雑音は加速し、そのまま破滅的なエンディングを迎える。第6曲も断片的な音を滅茶苦茶にカットアップしており、狂騒の一部分だけを切り取って貼り付けたみたいな楽曲、そんな楽曲が生み出す行き先の見え無さで今作は終わるのだ。気だるいアコースティクナンバーである第2曲や、今作の中でもかなりしっかりと演奏され、それが逆にいつ破綻に陥るかという不穏さを残したままプツリと切れてしまう第5曲なんかの存在が作品の中で奇跡的に崩壊しないバランスを生み出しているのだが、それでも好き勝手な狂騒がやはり今作の核になっているのだ。



 クラウトロックの中でもかなり異質の作品であるし、コミューンの中の生活や狂騒をそのまま録音したみたいな作品になっているが、ただの酔狂な人間たちの好き勝手な作品では片付けられないし、ギリギリのラインを越えずに音楽として存在している。そのギリギリのラインを越えるか越えないかこそが今作のサイケデリックさであり、偶然が重なりあった末に生まれた名盤なのだ。



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■Die Nacht Der Seele/Popol Vuh


Die Nacht Der Seele: Tantric SongsDie Nacht Der Seele: Tantric Songs
(2005/07/19)
Popol Vuh

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 ドイツのジャーマンプログレバンドであるPopol Vuhの79年発表の作品。僕は今作で初めてPopol Vuhの音に触れたので、ロック色が強かった頃のPopol Vuhをちゃんと聴いた事は無いのだけれども、今作はジャーマンプログレというよりも、もっとアコースティックで静謐なカラーが強く出ている作品でもあるし、民族的なビートと空間的な残響が織り成す非常にトライヴァルな作品になっている。



 その音は必要最低限にまで削ぎ落とされており、ドラムとアコースティックギターと民族楽器のみで構成された作品になっている。民族楽器の音色は非常に呪術的な響きを持っており、ドローン系のサウンドにも近い感触で鳴っている。しかしその音色は時に天へと上がる様な響きにもなり、非常に高揚感のある物だ。第2曲「Engel Der Luft」なんかその民族楽器とシンバルの音と僅かなピアノのみで構成された楽曲であるが、民族楽器の音の変化のみで描かれる展開が情緒豊かでもあるし、少しずつ上り詰めて行く。第3曲「Mit Händen. Mit Füßen」の様なアコースティックギターが前面に出ている楽曲でも、その旋律は非常にトライヴァルであるし、バックで鳴っている民族楽器がまたその旋律を良い感じに際立たせているし、非常に高揚感と神秘性に満ちた物になっている。それらに女性ボーカルが乗った第4曲「"Wo Bist Du Der Du Überwunden Hast?"」はインドやチベット辺りの民族音楽に連なる音色と共に読経にも近いボーカルの相乗効果がオリエンタルな空気と共に、仏教的世界へと確かに誘ってくれる名曲になっている。しかし中盤の楽曲は再び呪術的な楽曲ばかりが並ぶ、低域の音が効いた民族楽器の持続音が生み出す洞穴の中に閉じ込められてしまっているかの様な残響音は厳かに響き、時のパーカッションの音色のみが響き渡り、終わりの無い閉塞感の中で天とも地ともつかない異次元へと確実に飲み込まれてしまうのだが、それを超えた先の第9曲「Auf Dem Weg」は一つの開放へと導くアコースティックギターの調べに精神の高揚を覚え、最終曲「In Der Halle Des Lernens」にて完全に天へと上り詰めて昇天する。



 民族的なアプローチを取り入れ洞穴の暗黒さから大地を感じさせるビートから回廊から天へと上る高揚感まで手にした作品であり、その落差も素晴らしいし、最終的にはしっかりと聴き手を上がらせてくれる辺りのニクさがまた良い名盤になっている。ドローン好きにも効果はあるし、その民族的旋律の効能も大きな物になっている。Popol Vuhを全く知らない僕でも楽しめる作品になっていた。トライヴァルかつオリエンタルな空気に酔いしれる事の出来る快作!

■E2-E4/MANUEL GOTTSCHING


E2-E4E2-E4
(2010/05/04)
Manuel Gottsching

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 ASH RA TEMPELのメンバーであり、ジャーマンプログレやクラウトロックに大きく貢献しながらもミニマルやテクノにまで大きく貢献した偉大なるミュージシャンであるMANUEL GOTTSCHING。その代表作でもあり屈指の名盤である84年発表の今作はテクノ・ミニマルに多大なる影響を与えた作品だ。1曲58分半の終わりなく反復するシンセの音色が生みだす反復の音色の快楽と美しさは絶品であり、オーガニックなサウンドスケープの宇宙だ。



 基本的に打ち込みのビートパターンは作品の中で変化せずに終わりなく反復し、シンセのフレーズも終わりなく反復する。序盤のオーガニックでクリアなシンセの音色の反復は聴き手の脳細胞を刺激し、快楽の海へと導く。前半は殆ど展開といった展開も無く、ただひたすらに規則的なビートと反復するシンセのみで進行するが、そのループが生み出すうねりに気がついたら引き込まれているし、音色の微かな変化にハッとさせれれる瞬間もある。派手な音など何も無いけれど、だからこそ静かに浸透する音の波にただ身を任せていたくもなるし、静かに感覚を覚醒させる音だ。静かに変化する上モノの音の展開も全てナチュラルだし、その音が結びつき快楽の化学反応への方程式として存在する。そんなオーガニックな音色の反復は終わり無く続くが後半になってMANUEL GOTTSCHINGのギターフレーズも入り、そのクリアでリリカルな旋律が電子の海に新たな色を加えていく。どこかブルージーな感触すら感じさせるギターが電子音の上で歌っているかの様な感覚にもなるし、多くを語らないからこその豊かさを持っているし、反復の音色に新たな煌きと陶酔を与えている。そして一時間近くに及ぶ電子の海の旅路は静かにシンセがフェードアウトし終わっていく。そのミニマルな音色は終わりなき快楽と高揚感に満ちているし、ただ何も考えないでその電子の海に漂うだけで良いのだ。その瞬間に煌きの静かな電子世界と柔らかに歌うギターの虜になってしまう。



 クラウトロックとかそういった枠すら超えて、テクノ。ミニマルの大きな道しるべとなった今作の評価は発表当時よりもそれ以降になって高まったらしいし、それだけ少ない音の反復の中にあまりにも豊かな世界が存在している事の証明でもあるのだ。今作は多くのミュージシャンに多大なる影響を与えたらしいし、Larry Levanが今作を広めた事によって大きく評価される事になった。84年の作品であるが、現在でも全く色褪せない名盤であるし、聴けば聴く程に新たな発見もある作品だ。

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AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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