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■【金星からマントルまで】ZOTHIQUE、ロングインタビュー

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 ZOTHIQUEは形容不可能な宇宙だと僕は思う。
 ハードコアパンクバンドHoly & Blightから始まり、改名、メンバーチェンジにより現在のZOTHIQUEが完成してから、ZOTHIQUEは常に想像の斜め上の音だけを生み出し続けている。
 毎年コンスタントにアルバムをリリースするハイペースな創作活動、日本全国に留まらず海外での積極的なライブ展開、ZOTHIQUEはこれまで常に止まること無く新たなる音を創造し続けた。
 Shusuke Shimonakaの脳内のコンセプチャアルな世界観を軸にしながらも、メンバー全員がコンポーザーであり、ハードコア・スラッジ・ドゥームに留まらず、アンビエント・サイケデリックを飲み込んで、金星から地底まで自在に行き来する未知の世界は既存の音楽の文脈から外れに外れており、ZOTHIQUEという言葉でしか表せない物になっている。
 今回はそんなZOTHIQUEの全容に迫るため、Shusuke Shimonaka(Vo.Gt)、Jah Excretion(Ba.Drone)、Darklaw(Key.Noise)、Koji Ueno(Dr)のメンバー全員集合インタビューを敢行させて頂いた。
 バンドの生い立ちから、ZOTHIQUEが信じるロックの魔力、そしてこれまでリリースした作品について色々と答えてくれている。



・まずはZOTHIQUEの結成から今に至るまでをお聞きしたいなと。

Shimonaka:元々は2007年か2008年頃にHoly & Blightというハードコアバンドを僕とKojiさんの二人で始めたんですよ。その時はヨナさんという女性ベーシストもいました。
 僕が最初にKojiさんと出会ったのは歌舞伎町のマザーというロックバーで、いつも潰れてる人がいるなって。それで話しかけてみたらハードコアとかが凄く好きでドラムをやっているという事だったので、「バンドやりたいのでやりませんか?」と誘ったんですよ。
 ヨナさんはマザーのバーテンダーで、聞いてみたらベースやっててパンクが好きで昔バンドやってたと言うから、無理矢理引っ張り込んで、最初は3人で幡ヶ谷のスタジオでCrassとかBad Brainsとか7 SecondsとかS.O.Dとかのカバーをやってました。

・その当時は完全にパンクバンドだったんですね。

Shimonaka:そうです。僕が好きなハードコアパンク、Kojiさんが好きなS.O.Dとかをカバーしてって感じでした。

Ueno:僕は元々はスラッシュメタルかな?

Shimonaka:それで毎週スタジオに入ってカバーをやっている内にオリジナルをやろうとなって、Holy & Blightというバンド名にしました。
 Holy & Blightと名付けたのは3人ともゴダイゴが好きだったので、ゴダイゴの曲名を拝借させて頂きました。それでオリジナルを始めました。
 僕は単純にハードコアパンクがやりたかったのですけど、KojiさんはHigh On FireとかSleepとか…

Ueno:その当時はスラッジとかストーナーを一番聴いてましたね。

Shimonaka:それでそういった音楽を教えてくれて、そういった音楽を取り入れようとなり、音源を録ってアースダムとかWALLに出演する様になりました。
 その頃に僕がたまたま高円寺に引っ越したタイミングがあり、高円寺のstudio DOMで「COSMO」というイベントがあったんです。それは色々なジャンルの訳の分からない音楽を一人でやったりバンドでやったりしている人たちばかりが出演して、二日間とか三日間とかひたすら4部屋のスタジオであらゆるアンダーグラウンドのミュージシャンが集まってライブをしまくるというフェスみたいな物でした。
 そこになんとなく自分も関わる様になって、DOMのオーナーさんから「ライブ出てみなよ?」と誘われたんですよ。そのコミュニティ自体には僕たちは全く属していなかったんですけど、そこにも自然と参加する様になって、そこで出会ったのがDarklawさんです。
 Darklawさんはその頃は「珍屋」という高円寺の北中通りのレコード屋のオーナーで、インダストリアルを一人でやっていたんです。それでDOMのオーナーさんが「Darklawというヤバいアーティストがいて、その人も出るからお前らも出ろ。」と言われて、面白そうだと思って「COSMO」に参加した時に何かの切欠で一緒にやろうとなったんです。

Darklaw:誘われただけだよ(笑)

全員:(爆笑)

Shimonaka:Holy & BlightはZOTHIQUEの原型みたいな所はあったんですけど、その当時は僕がサンプラーを使って色々な音をサンプリングした物を鳴らしながらやるってスタイルだったんですよ。
 ある日サンプラーが壊れて、代わりにDarklawさんにやって貰おうと思ったんです。それで「セッションやりましょう!」って誘って「COSMO」で半分セッションって感じでやった時に、何かがしっくり来て…その時にDarklawさんはACE TONEというオルガンを使っていてました。
 それでなし崩しな感じで音源を作ろうとなり、聞いてみたらDarklawさんはエンジニアでもあったという事で、そこも全部お願いして4人で音源を作りました。

・Holy & Blight時代からDarklawさんはメンバーだったと。
 
Shimonaka:でした。

Ueno:他にもジャンベのプレイヤーと一緒にやったりもあって、その当時から周くんはサンプラーに限らず何かを融合していこうというスタイルだったよね?

Shimonaka:そういう気持ちはありましたね。

Ueno:目的では無いにしても、自分のイメージしている感じでは単純に好きな音を加えるって感じだったのかなって。

Shimonaka:単純に自分には出来ない事をやってくれる人と一緒にやりたいってのはありましたね。

・バンド自体はHoly & Blightを母体にZOTHIQUEになった訳ですが、ZOTHIQUEへと変わった切欠は何だったのでしょうか?

Shimonaka:Coffinsの当時のメンバーだったRyoくん(現GUEVNNA)がドラムを叩いていた時期に一緒に対バンさせて頂いたりしていたこともあって、Coffinsが初めてのヨーロッパツアーに行く2011年にローディーとして来てほしいと誘って頂いたんです。丁度サラリーマンを辞めたタイミングだったのもあって二つ返事で同行させて頂く事になりました。
 その時はヨーロッパを2週間くらい回ったんですけど、「Roadburn Festival」というオランダで開催されているドゥームとかストーナーとかスラッジの祭典がありまして、その最終日にCoffinsが参加していたんですけど、そのツアー体験に触発されて、もっとヘビィな物をやってみたいなと思い始めました。
 で、日本に戻ってきた時にもっとヘビィでドゥーミーな音楽をやろうと決意し、バンドのコンセプト等を考え直して、その時に僕が昔から好きだったハワード・フィリップス・ラヴクラフトとかクラーク・アシュトン・スミスとかの自分のルーツになっているコズミックホラーな世界観をもう一回ひっくり返してみようとなり、それでHoly & Blightのメンバーに「バンド名を一回変えて、ヘビィな物をやりませんか?」とメンバーに打診して一度音源を録り直しました。
 その時に録った「The Circular Ruins」という曲をYoutubeにアップしたら、Agoraphobic Nosebleedのジェイ・ランドールがそれを見つけてくれて、「ネットでフリー音源をリリースしてみないか?」というオファーが来て、それでZOTHIQUEでもう一曲作って音源をリリースする事になり、そこからトントン拍子でZOTHIQUEという形が出来ました。
 その頃にヘビィで尚且つ何か気持ち悪く更にハードコアパンクが根っこにある、コンセプトありきの音楽を作っていこうというスタンスが自然と出来上がって、今に至っているという感じです。



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・ZOTHIQUEがこれまでリリースした作品はどれもコンセプチュアルなカラーが強いですよね。でも1stアルバムである「Alkaloid Superstar」はまだハードコア色が色濃い感じでしたね。

Shimonaka:ハードコアはやっぱり根っこにあるので拭い去れないですね。

・2ndアルバム「ZOTHIQUE」から今のZOTHIQUEのサウンドが固まった印象を受けます。

Shimonaka:1st以前のデジタルで音源をリリースした時からコンセプチュアルさはありましたが、そこから1stを制作した時は無理矢理スケジュールを組んで「取り敢えず作品を作りたい!!」って感じで物凄くタイトなスケジュールで録音したんですよね。
 その時はヨナさんも子供が生まれてバンドを離れていて、タケルっていう別のハードコアバンドをやっていたベーシストを引っ張り込んで何とか作った感じです。

・JAHさんの加入は1stリリース直後ですか?

Shimonaka:1stをリリースした直後に僕が単身で中国に半年程滞在しててブランクがありました。
 そこからまたライブをやろうとなった時に色々あってそのサポートベーシストが離れる事になって、でもライブは決まっていたからどうしようって時にJAH君に声をかけたらやってくれるって事になり、一回だけスタジオ入って本番でした(笑)。その時に全く予想してなかった音をJAH君が出してくれたんです。

・JAHさんが加入して方向性が固まったというか、かなりサイケデリックなサウンドになりましたよね。

Shimonaka:明らかにそうなりました。それが結実したのが2ndです。

・Darklawさんは元々インダストリアルの方ですし、JAHさんも元々はアンビエントのアーティストじゃないですか?それが今のZOTHIQUEの全員がコンポーザーってスタイルに繋がったと思います。

Shimonaka:それは狙ってそうなったというより、自然とそうなった感じです。一番最初は僕が全部曲を作ってましたが、1stもDarklawさんが作ったリフから生まれた曲もあります。
 3rdアルバム「Faith, Hope And Charity」のそれぞれが持ってきたアイデアを活かすっていうのは特に自然とそうなった感じです。

・3rdはJAHさんの作曲された「Venus」シリーズの2曲がZOTHIQUEの新たな可能性の生み出す切欠になったと思います。あの2曲はZOTHIQUEの中で何を表現しようと思って作られた感じですか?

JAH:最初に「金星」っていうテーマで曲を作ることになったから、金星の事を考えながら作りました(笑)。金星に行ける曲みたいな感じです(笑)。それとインストっていう指定も周くんからありましたね。

・3rdからインストの曲も取り入れる様になりましたよね。2ndの頃もそんな空気はありましたが。

Shimonaka:それはこういうのもやりたかったんだろうなっていう…自分一人では出来ないけど、自分と全然違うバックグラウンドの人がどう表現するのかっていうのを見てみたかったってのはありますね。
 そこに歌が無きゃいけないっていう縛りは必要ないのかなって。



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・3rdはUenoさんとDarklawさんも曲を作られてますが、個人的に意外だったのはDarklawさんが一番ヘビィで邪悪な曲を持ってきた事です。

Darklaw:それはZOTHIQUEなんで。元々はそうしたバックグラウンドがある上での結果ですよ。
 そもそもDarklaw名義での音楽はインダストリアルとは言ってはいますけど、僕の世代は色々な音楽が混じっている世代だと思うんですよ。だからインダストリアルがMinistryみたいにスラッシュ方向に行ったりとか、ハードコアがインダストリアルやり始めたりとか、それにジャンクロックとか色々あった世代なんで。
 自分が一番やりたい事は別の所でやれているから、逆にZOTHIQUEの中でやりたい事ってのは提示しやすいんですよ。

・だからDarklawさんは器用なアーティストだと思います。ZOTHIQUEというチャンネルもDarklawってチャンネルも存在してて。

Darklaw:まあ4バンドやってるんで。そこはやっぱりちゃんと切り分けないと。

Ueno:それをこなせてる時点で大分器用じゃないかなと。エンジニアもやってますし。

Darklaw:普段の生活が全く器用じゃないという(笑)。

全員:(爆笑)

Darklaw:私生活は全く器用じゃないけど(笑)

Ueno:疎かになっているという(笑)

Darklaw:そこをオチに(笑)

・Uenoさんの方はUenoさんの中のスラッシュが好きだったりみたいなルーツがあるじゃないですか?自分のルーツをどうZOTHIQUEに変換しているかとかありますか?

Ueno:僕の中にZOTHIQUEって概念は全く無くて、アルバムのコンセプトとかは全て周くんありきなんですよ。それに自分が持っている物を合わせて、いかに増幅出来るかってのを…無理矢理言うとそうですね。
 周くんとは音楽の趣味が合うってのもあるけど、ZOTHIQUEの概念は周くんの物ですし、それを僕が理解出来ているかも怪しいけど、そこはよく話しているから感覚的には分かるいう。どうしたら正解かなんて無いから、自分がやりたいことをやるってだけです。

・Shimonakaさんが思い描く世界観に、他のメンバー3人がそれぞれの色を加えて起こる変化についてはどう思いますか?

Shimonaka:それは自分の元々持っていた世界観以上の広がりと言うか、自分が想像もしていなかった世界が生まれるというか、新しい宇宙が生まれるって感覚が凄く面白いなって思います。
 自分だけの宇宙が、ZOTHIQUEの4人でやることで、自分だけじゃない宇宙が生まれるって事が滅茶苦茶面白いです!それはもうバンドマジックなのかもしれません。

・軸はShimonakaさんにありますけど、4人で作り上げた音っていうのが今のZOTHIQUEだと思います。

Shimonaka:今のZOTHIQUEの世界ってのは、自分が思っているZOTHIQUE以上にZOTHIQUEなんじゃないかなって。

・想像を超えた物を提示していると思います。

Shimonaka:もう金星どころか太陽系の外まで行ってしまって、どこまで行くか分からないけど、どこに行ってしまうかっていうのを考えるのが今は楽しいです。

・ある意味SF的な世界を。

Shimonaka:それは元々そうなんですけど、自分の想像の範囲を明らかに超えてしまったので、何だろう…自分が考えていたコンセプトが制御出来ない様な所にぶっ飛んでしまうという感じがあります。この4人で作品を作ったり、ライブをやったりツアーに行ったりしている中で。

・だからこそZOTHIQUEは良い意味でジャンルレスですよね。

Shimonaka:元からこういうジャンルでこうとかってのは考えてないので。

・人によってZOTHIQUEの何がフィットするかってのは全然違うと思います。ハードコアな部分だったり、ドゥーミーな部分だったり、ポストロック・アンビエントな要素かもしれなかったり、本当に人によって受け取り方も求める事も違うと思います。だからZOTHIQUEの音を受け取った人の抱く物はバラバラになると思うんですよ。
 さっきShimonakaさんも何処に行くのか分からないと仰ってましたが、聴き手は尚更良い意味で予想が出来ないと思います。僕はもう次のアルバムがどうなるか予想出来ないので(笑)。


Shimonaka:僕も分からないですね(笑)。

・それこそ純粋なロックの面白さじゃ無いかなと。

Shimonaka:それは本当に思います!ロックの面白さってそこだと思ってて、The DoorsもデビッドボウイもGrateful Deadもやっぱり次に何が出てくるか分からないとかが面白いと思うので。そこを狙うとか以前に面白い事をやりたいなって。

Ueno:ZOTHIQUEは周くんのコンセプトありきではあるけど、それってバンドサウンドでこういう音作りをしろっていう物じゃないじゃん?そこだよね。
 だから周くんがやっている事は、バンドメンバーがいてバンドやっている以上、周くんのコンセプトに合わせる為にコンダクトするというか、周くんはそれが上手いと思う。要はそういう人なり音なりを集めるというか。

Shimonaka:そこはよく分からないです(笑)

・多分Shimonakaさんは基礎的なコンセプト以外は何も狙ってないのかなって。Shimonakaさんのコンセプトってそれこそ精神的な物で、ルーツになっている小説だったりの世界観だと思うので。その精神的な部分を音で表現する時は何も狙ってないというか。

Ueno:そこの部分はバンドメンバーに任せているという。

Shimonaka:僕の中では映画を作っている感覚に近いんですよ。ビジュアルを担当する人がいたりとか、俳優の人がいて、舞台装置を作る人がいて、脚本家がいて、それをどう作品として成り立たせていくかっていう。ZOTHIQUEをやるってのは映画を作る感覚に近いのかなって。

Ueno:だから周くんはディレクトとかコンダクトとかマネージメントが上手いと思う。

Darklaw:周くんは多分そこら辺の実感は無いんじゃない(笑)。









・その映画的な部分が色濃く出たのが先日リリースされた「Limbo」(2015年12月のライブで無料配布、今後商品として流通予定。)だと思います。「Limbo」はどなたが作曲されましたか?

Shimonaka:原型は僕が作りました。

Darklaw:3,4年前に即興で曲を作るってなって、中野で僕と周くんで録音して、そこから何かを作りたいって感じだったかな?前半のアンビエントパートはその時に録音した物だね。

Shimonaka:元々の前半のピアノの音はDarklawさんと2人で録音して作りました。
 実は2ndに収録しようと思ってたんですけど、諸々あって収録出来なくて、当然3rdにも収録出来なくて、ずっと音だけ残ってたんです。
 それで3rdをリリースしてツアーが終わった後に、後半部分を作って一つの楽曲にしようと思い、それでタイトスケジュールの中でみんなでスタジオに入って後半部分を作りました。4年前から温めてた曲です。

・僕は宇宙的な意味でのZOTHIQUEを象徴する曲なのかなって。

Shimonaka:前半部分は4年前に作った物ですけど、後半部分はこの4人でしか出来ない物だと思ってます。4年前に出来た物と3rdを出してからのバンドのアンサンブルが違和感無く繋がったのも面白いなって。
 そもそもDarklawさんがエンジニアで、その技術が無かったら出来なかった物なんです。3rdもレコーディングもミックスもマスタリングもDarklawさんが全部手がけてますし、それも含めて作品だと僕は思ってます。1stも2ndもそうですし。

・レコーディングやパッケージングも含めて作品ですもんね。

Shimonaka:こうやってコンスタントに作品をリリースするってのもDarklawさんがいないと出来ませんし、もし別のエンジニアさんとかに頼んだらこんな感じではいかないなって。

Darklaw:周くんの良い所ってさっきも出たけどコンセプトが凄くしっかりしてるんで、そこに向かうだけで良いんですよ。
 それに加えてZOTHIQUEは凄くノイズ的なバンドなんですよ。最初に何かを作りたいって言って作らないから、結果こうなったらこれで良いじゃないかと。
 その後にライブで同じ曲を演奏するにしても、アレンジがどんどん変わっていくので、やっている事が凄く即興的なんですよ。人生その物も即興的なんですけど(笑)。

全員:(笑)

Darklaw:それに近い物が俺は好きなんですよね。最初から完成度の高い物を作るっていうより、ロックの鋭さってそうした部分も全部出し切る方が格好良いかなって。
 だからDarklawでの音楽もインダストリアルとは言ってますけど、実はロックだと自負してます。インダストリアルとかノイズってそこを一番抽出した部分だと俺は思ってるので。音じゃ無いんです。そういった意味ではZOTHIQUEは凄くノイズバンドだと思います。

・精神的ノイズバンドとして。

Darklaw:即興が利くバンドってそう中々いないじゃないですか?

・だからこそZOTHIQUEを聴いた人の受け取り方が全然違うんだなって。単純に面白いです。

Darklaw:音よりもキャラクター的な部分を見てもらった方が面白いのかもしれません。ロックってそんな物じゃないですか?

・ですね!ZOTHIQUEってロマンなんだなって!Darklawさんの捉え方はノイズとありましたが、僕は単純なロマンだと捉えてます。 そのロマンが何処に行くかが分からないという。それが宇宙かもしれないし、地底かもしれないという。地底もロマンなんですよね。マントルヤバい!!みたいな。

Darklaw:マントルは鉄分が凄いですからね。面白い話があるんですけど、マントルって元々鉄分じゃ無いですか?地底に行くほど鉄分も多いみたいで。宇宙はどこに向かうってなると、こないだどこかの記事にあったんですけど「実は鉄に向かっているんじゃないか?」ってありまして、全部鉄になるってのがあるらしく、あらゆる原子が鉄に戻っていくらしいです。
 だから上見ても下見ても「鉄か!!」ってロマンがあるんです。

Ueno:メタル!!

Darklaw:メタルに回帰だ!

全員:(爆笑)

・それでは最後に今後の事ですが、これまで毎年コンスタントにアルバムをリリースしてましたが、今後もハイペースに創作活動を続ける感じでしょうか?

Shimonaka:いや~今年はまだ分からないですね(笑)。でもアイデアは今この瞬間から生まれているので今年もアルバムを出しますよ!

・でも制限の無いバンドじゃないですか?

Ueno:昨日無かった制限が明日あったりもあるので(笑)。

Shimonaka:気分屋なんで(笑)。

・ライブも積極的ですよね。

Shimonaka:ライブは去年も一杯やりましたし、今年も色々お話を頂いて決まってきてます。何よりも面白い事をやっていきたいので、それだけです。



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【ZOTHIQUEライブ予定】

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2/6 (SAT) 国分寺モルガーナ
With/ BIRUSHANAH (大阪), Airtonic 
Open18:30 Start 19:00  ¥2000+1D




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2/7 (SUN) 東高円寺二万電圧
With/ OOZEPUS, Sithter, Su19b, マグダラ呪念, ダンウィッチの犬
Open.17:00 Start.17:30  Adv.2,000yen Door.2,300yen (+1d 500yen)




2/21 (SUN) 西荻窪FLAT  
With/ Pinplick Punishment




【オフィシャルサイト】http://zothiquejp.blogspot.jp/
【Facebook】https://www.facebook.com/zothiquejp/
【Twitter】https://twitter.com/zothique_doom
【bandcamp】http://zothique.bandcamp.com/music



photographer : 杨有情
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■PRAYGROUND/BOMBORI





 カオティック美大として名高い武蔵野美術大学にて結成されたエクスペリメンタルヘヴィサウンドチームBOMBORIの初の全国流通となる2ndアルバム!!
 フランスでの武者修行ツアーやフジロック出演で名前を全国に広げ、その圧巻のライブアクトは各地で話題を呼んでいたが、2014年からプレイされていた今作収録の楽曲は1stの頃のカオスなサイケデリアから更に踏み込み、HEAVINESS(ヘヴィネス)をキーワードに新しいエクスペリメンタルを生み出すに至った。
 レコーディングエンジニアにはex.GAJIとしても有名で、OSRUMやskillkillsやREDSHEERのレコーディングも手掛けた浅草橋ツバメスタジオの君島結氏が担当。最高じゃないワケあるか!!



 今作での大きな変化を先ず挙げるとすると、ツインドラムの片割れであるTPOGalaxyがフロントに立ちボーカルを務めている事だ。まず彼のボーカルが素晴らしく、ヘイトフルであり叙情的な叫びを聴かせている。
 オープニングを飾るタイトル曲「PRAYGROUND」からバンドの変化と進化を発揮。3分半というコンパクトな楽曲でありながら、明確で分かりやすいリフと、複雑さを極めて逆にシンプルでダイナミックになったビート、奥行あり過ぎりな宇宙的音響、そしてTPOGalaxyの叫びが3分半で冥界へと誘う。
 前作にも収録されていた第2曲「Land」も全く別の曲へと変貌を遂げている。元々のトランスでトライヴァルなドラムとmicroKORGの音はそのままに、轟音のヘビィネスとループ感によるミクロとマクロをごった煮にした闇鍋感を下手したらスタイリッシュに、だけど洗練というより超越的に生み出している。
 ブルースやストーナーやドゥームをドカ盛り全部乗せにしてしまった第3曲「Helios」のドープさとマグマすら蒸発させてしまいそうな熱さ。真夏の夜の悪夢の様であり、キャンプファイアーの炎にみんなでクラウドサーフしちまっている感じ。全部ひっくるめて頭がおかしくて最高。
 序盤の3曲だけでも方向性は見事にバラバラではあるけど、共通しているのは徹底してヘビィである事と、メンバーそれぞれのルーツになっている音楽を新旧古今東西問わずに好き嫌い無く全部平らげておかわり君も卒倒するレベルでのおかわりchangな音に対する貪欲さ。食っても食っても表現衝動によって脂肪が燃焼されてしまうフードファイターっぷり。これ最早万年空腹のモンスターだ。
 個人的に後半の4曲が特に好きで、夏の終わりの切なさのクリーントーンをツインドラムで絵日記なんかに出来ずに全部破り捨て、思い出なんか残さない爆音の激昂へとなだれ込む第5曲「Egungun」、micoroKORGとツインドラムの秩序が生み出すダブと民族音楽を起点にしたBOMBORI流EDMな第6曲「VLS」。 
 今作で一番ヘビィな涅槃のサイケデリアを描く第7曲「Black Mountain」のクラウトロックやニューウェイブのバンドが持つあの泥臭さと血流を想起させながら、極限までビルドアップしたリフの応酬が乱反射する黒の輝き!!そして最終曲「Echo」の一抹の刹那の最果てはBOMBORIにしか生み出せなかった名曲であり、この曲が全ての行き着く所だ。



 あらゆる音を食い散らかし、その結果完全に化け物な音を吐き出す永久機関。ジャンルの形容は不可能。単なるアバンギャルドにも走らない。単なる技術主義にも走らない。音自体はキャッチーな余地を残し、リフで圧殺し、轟音でトランスさせる。確かな取っ掛かりがどの曲にも存在しているからこそ余計に引き摺り込まれたなら逃げる事は不可能だ。
 滴り落ちる汗、背筋を走るゾクゾク感、未知の世界に触れそうになる瞬間の覚醒、それらを全てヘビィネスから発信する。これはもう理屈で語る事は到底不可能だろう。
 触れた者全員爆殺確定。完全無欠のモンスターことBOMBORIはこれから更に全てを喰い殺していくだろう。そしてBOMBORIという新たなる王国が生まれた…最高だ!!



■Limbo/ZOTHIQUE

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 地底から金星までを行き来する這い寄りながらも彼方へと飛び立つ東京のサイケデリックドゥームカルテットZOTHIQUEの最新音源は1曲20分のバンド史上最大の超大作となった。
 今作は年明けの2016年から商品として流通する物だが、2015年12月初頭の東名阪ツアー限定で無料配布され、僕はアースダム公演の方で今作を入手させて頂いたので一足先に紹介の方を書かせて頂きます。



 ZOTHIQUEは2013年の1stリリースから毎年アルバムのリリースを重ね、異常な創作意欲を感じさせるバンドだ。2015年にリリースされた3rdアルバムである「Faith, Hope And Charity」で既存のドゥームを逸脱してしまった。
 そしてそれから半年弱というスパンで届けられた今作は「「Faith, Hope And Charity」」のJAH氏作曲の「Venus」二部作の流れをより突き詰めたインスト曲。最早ドゥーム要素は消え去ってしまっている。
 20分に及ぶ大作ながら前半10分はアンビエントパートという構成。フロントマンの下中氏はそこでピアノもプレイしている。
 延々と持続音のくぐもったノイズとピアノのみで10分近くに渡って繰り広げられるアンビエントさはこれまでのZOTHIQUEのアプローチには無かった物だと言える。
 そんな前半とは対照的にバンドサウンドになってからの後半は「Faith, Hope And Charity」で金星まで到達したZOTHIQUEがその先へと飛び立って行く瞬間を音にしている。ドゥーム要素は正直に言うとほぼ皆無だと言えるが、煌くキーボードの音に導かれながら、力強くビートがエンジンを鳴らし、ギターが美しく光り輝くメロディを奏でる。そこにはダークさといった要素は全く無く、ポジティブな前進の瞬間を見た。しかしキーボードとギターの音色が溶け合って輪郭を無くし、最後の最後でブラックホールでも飲み込めない新たなるコスモとなり新たなる秩序を生み出す。



 たった1曲ではあるが、これまで以上にコンセプチュアルアートな1曲となっている。Limboとは「カトリック教会において「原罪のうちに(すなわち洗礼の恵みを受けないまま)死んだが、永遠の地獄に定められてはいない人間が、死後に行き着く」と伝統的に考えられてきた場所」との意味であり、地獄でも天国でも無い場所の事を指すみたいなのだが、その分かりやすい天でも地底でも無い場所を今作では言葉を借りずに音のみで描いているのだろう。しかしそんな辺境地が実在の宇宙よりも宇宙的であり、地獄よりも深く、天国よりも上にある場所だと思わされてしまう辺り、流石はZOTHIQUEだ。

■Scent/Nepenthes





 ex.Church of Miseryの根岸氏と須藤氏が在籍する事で結成当初から話題を呼んでいたNepenthes。みんなが待ち望んだ1stアルバムがいよいよドロップされた。リリースはまさかのDaymare Recordingsで驚いた人も多いと思う。
 そしてこれまでのライブ活動でドゥームだとかそんなカテゴライズいらねえんだよ!!ってばかりの爆音巨根ロックを爆散させ、各ライブハウスのドリンクの売上に貢献してきた彼らの1stアルバムが最高じゃ無いワケないって話だ。もう結論から言えば最高のロックアルバムだから酒飲んで音量MAXで聴け!!以外に僕が言うことは無い。



 今作の何が凄いって、勿論ドゥームとしてもサイケとしても素晴らしいアルバムなんだけど、結局ロックをを好きになったら老若男女関係なく永遠にロックキッズなんだって事を改めて思い出させてくれるアルバムだって事だ。
 のっけから17分に及ぶ大作である「sorrow」から始まる。それがドゥーム以前に最高のブルースなのだ。須藤氏の泣きまくりなギターソロもそうだし、根岸氏の日本語で歌われるハードボイルドさ全開なボーカルもそうだし、ミドルテンポで終わりなく繰り返されるビートもそう。
 ライブで聴いた時はサイケデリックな涅槃に引きずり込む曲だと思ったけどそれは大きな間違いだった。Nepenthesはハードボイルドな哀愁を描いているだけだった。それだけで先ず一杯飲むよねって話だ。
 そんなロングギターソロで終わる第1曲をブチ犯す第2曲「cease -弑-」はライブでも最早アンセムになっている爆走ストーナーだ!!この曲は最早理屈が何も通じない曲になっており、最高のボーカリストと最高の楽器隊がただ単純にロックしているだけで最高だって方程式以外は何も通用しない。とにかく全ての音が太くギンギンなだけでロックは格好良いんだ!!これでもう一杯飲むよねって話だ。
 ストーナーロックの煙たさとグラムロックの艶やかさの両方に酔いしれ、男・根岸の野獣ボーカルの色気に惚れ惚れするし、ギターワークもエロい第3曲「fool's gold」でもう一杯。日本語ロックの素晴らしさを再認識させる日本男児の哀愁を感じるブルースである第4曲「相剋」で更にもう一杯。ラストの「OUT in this harmony」で再び爆走ロックで昇天!!かと思わせて数分のブランクの後に始まる隠しトラック的な曲で再び哀愁とサイケデリックの世界へ。もうその瞬間には色々な意味で頭が完全に吹っ飛んでいるだろう。



 格好良いし泣けるし熱くなるしっていうキッズの心のままで触れる事の出来るロックアルバムとなっている。こんな酒税納税推進アルバムはもっともっと売れて色々な景気を良くしてくれなきゃ困るのだ!!
 何よりもフロントマンの根岸氏は紛れもないロックヒーローだ。もっと大きなフェス等にネペは出るべきだし、もっと沢山の人に今作を聴いて欲しいと心から思う。チャラチャラした自称等身大のロックもどきは永遠にネペに勝てないだろう。
 どんなにベタな言い方でも良い。Nepenthesは本物のロックバンドだ。



■TOBIRA/ele-phant





 ABNORMALS、KING GOBLIN、exBUCKET-Tのメンバーによって結成されたギターレス3ピースele-phantの待望の1stのフルアルバム。
 ハードコアとかメタルとかヘビィロックとかその他諸々のジャンルは確かなラベルになるけど、時にそのラベルは必要ないと思わせる作品やバンドは本当に素晴らしい物を生み出すけど、今作はそんな作品だ。
 カテゴライズはドゥームだしサイケであるけど、そのカテゴライズは逆にele-phantの本質を掴む上では邪魔だとも思う。ロックという言葉は非常に漠然としているけど、今作は「日本語ロック」の新しい金字塔だ。



 音楽性は確かにドゥームであるけど、ドゥームやストーナーの根源がブルースであるのと同じで、今作はブルースでもある。曲のレンジが本当に広いしハードコアからヘビィネスからサイケまでと、その触手は多くの物へと侵食しているが、散らかった印象は全く無い。
 ギターレスという編成で、歌とベースとドラムという最小限の編成で生み出す最大の効果。それは割礼やATATHEMAが持つミニマルさにも近いし、この3人だけで全てを成立させてしまってる。
 キラーチューン「逃げ水」で先ずはそのヘビィなメランコリックさにガツンとやられるだろう。ベースとギターの両方の役割を音を自在に変化させる事で兼任し、シンプルなリフだけで全てを語り、空白を聴かせる要素もありつつ、ダイナミックにロックなビートを叩くドラム、何よりもcomi氏のボーカルが素晴らしい!!時に叫んだりもしながらも圧倒的な歌唱力と表現力で世界を生み出すボーカルは存在感しか無いし、代わりになる人が全くいない。
 ドラムとベース、たまにシンセだけで音が作られているって書くとコアなフリークス向けな音だと勘違いされそうだけど、その楽器隊が普遍性とマニアックさの中間地点をすり抜ける音を生み出し、comi氏の歌が一気にメジャー感を演出する。それでいて色気と渋さもある。第3曲「アクマニセンセイ」は今作でも特にハードコア色が強いけど、単なるハードコア的表現ではなく、ハードコアの瞬発力にオルタナティブなうねりを加えて堕ちていく。
 今作でも特に素晴らしいのは第4曲「すぐ」、第8曲「Black Room」、最終曲「扉」だ。静けさの中でハードボイルドなブルースを歌い上げる「すぐ」はele-phantのミニマルさの真骨頂であり、「Black Room」の往年のサイケデリックロックの空気感と密室感から万人が泣くバラッドへと押し上げていく様、約9分に渡って激音と混沌の中で悲しみと手を取り合う「扉」。陳腐な言い方だけど最高だ。



 一見飛び道具的な編成ではあるけど、既存のドゥームやサイケとは全く違うアプローチを取り、リフで押し潰さず、リフを聞かせ、メロディに溢れ、躍動で踊らせ、そして最高のボーカリストによる歌で心を奪い取る。
 日本語ロックはある時期を境に停滞したと思って諦めている人にこそ今作は聴いて欲しいし、寧ろティーンエイジな世代にも、昔のロックにしがみついている人にも聴いて欲しい。似ているバンドゼロ、斬新でありスタンダード、だけど取りつくかれたら逃れられない「悪魔の歌」がそこにある。歌謡エクストリームミュージックここに極まり!!



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AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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