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■Iron Scorn/Legion Of Andromeda

Iron Scorn



 東京で活動するミニマル・プリミティブ・デスメタルユニットLegion Of Andromedaの2015年リリースの1stアルバム。レコーディングはかのスティーブ・アルビニが手がけている。
 彼らは昨年末のZOTHIQUEとの2マンで知ったが、極限のトーチャーサウンドにド肝を抜かれてしまった。



 イタリア人ボーカリストと日本人ギタリストの2人組インダストリアルユニットである彼らだが、ミニマル・プリミティブ・デスメタルと称される所以は今作を聴けば分かるだろう。
 音の構成自体はどの曲も殆ど終わりのないループにより構成されている。ノイジーかつ無感情なギターとリズムマシーンのビートが繰り返す反復、ボーカルが楽曲に変化を付けている感じで、曲の中で展開という物は実質存在しないに等しい。最小限の音階と展開によって構築されている楽曲は確かにミニマルではある。
 だが音の構築方法がミニマルなだけであり、構築する音その物は極端な地獄。メロディという概念は完全に皆無であり、デスメタル成分がプンプン匂うブルータルなリフの拷問的スラッジリフに悶絶。しかもリズムマシーンのビートもほぼ変化が無く繰り返されるだけだから感情移入する余地なんて全く与えてくれない。
 こう書くと聴いているとひたすら自分との戦いな音だと思ってしまうかもしれない。だけど拷問的な音でありながら、ミニマルに繰り返される音がもたらす陶酔的効果により、聴いている内に苦悶の音が快楽へと繋がってしまうのがこのユニットが持つ不思議な魅力だ。
 単純にリフ自体のセンスが良いってのもあるけど、GodfleshやSWANSといったインダストリアルのゴッド達の流れを汲んだ音でありながら、Big Black辺りの機械的反復の美学、そこにKhanate的拷問スラッジなテイストを加えた事による黒がドロドロに溶け合った物を機械的に放出・切断された異形さ。非常にオリジナリティに溢れる物となっている。



 ライブでは終わり無く繰り返されるストロボのみの照明によって視覚にもダメージを与える毒素のみのステージングを提示。音だけじゃなくアートワークやステージングに至るまで徹底的に猛毒だけを生み出している。
 トーチャー系の音だから聴く人こそ選んでしまうとは思うけど、デスメタルやインダストリアルが持つ最も危険な部分を凝縮したサウンドは変態極悪音楽愛好家にとっては眉唾物だろう。その手の音が好きな人は要チェック!!



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■The Heretic`s Proof





 国内メタルコアシーンの中でも異質の存在感を放つAngagement、Arise In Stability、The Rabiesによる3wayスプリット。各バンドそれぞれ2曲ずつ提供の全6曲。
 作品タイトルの意味はズバリ「異端の証明」。シーンの中でも強烈なオリジナリティを持つ3バンドによるスプリットのタイトルとしてこれ以上の物は無いだろう。



 Angagementは今作の中では一番正統派なメタルコアサウンドではあるが、その強靭なる音は王道でありながら異質。今作に提供した2曲を聴いただけで荒れに荒れまくったピットの光景が簡単に視界に浮かんでくる。
 シンガロングパートもガッツリ盛り込み、ブルータル&タフネスなモダンなメタルコアサウンドで堂々と攻める様は猛獣が暴れ狂う無慈悲さ。リフからメロディをちゃんと想起させる要素もありながら、ゴリゴリのまま沸点を超えるダークネス。凶悪な重さと治安の悪さを感じさせるビートダウンパートの歪みを感じたら彼らがモッシュ大好きキッズから絶大な支持を集めている理由も分かる筈だ。
 単なる脳筋メタルコアじゃない、ブルータルさから滲み出るアーティスティックさと、それでもやっぱり出てしまうヴァイオレンスさに卒倒間違いなし。

 Arise In Stabilityは新境地を感じさせる2曲を提供。これまで通り圧倒的演奏技術と情報量のプログレメタルサウンドこそ変わらないが、楽曲全体の無駄を削ぎ落とし、音にシャープさが生まれたからこそ、AiSの異質な音の乱数がより際立つ物になっている。
 特に「Magnetclock」はこれまで以上に音を詰め込みながらもドラマティックな組曲的名曲になっており、変態プログレパート以上に、泣きのギターソロや、クリーンパートの叙情性の広がりと美しさ、特に終盤の激情的クライマックスの胸を震わせる壮大さ。バンドがいよいよネクストレベルに到達してしまっている。よりメロディセンスを磨き上げたからこそ生まれる美しさは寧ろクリーンパートで発揮されていたりもする。
 単なる速弾き変拍子大好きバンドと侮るなかれ。緻密なまでに組み込まれた変態の遺伝子に驚くだろう。

 そして個人的に一番ブチ殺されてしまったのはThe Rabiesが提供した2曲だ。このバンドは完全に新しいブラッケンドの扉を開いてしまっている。メタルコア×オールドスクールデス×ブラッケンドな音はこれまで他のバンドが全くやろうとしなかった境地であり、メタルコアとデスメタルの両方にルーツを持つ彼らが到達した未知の世界。
 重さと神々しさと退廃的美学を激ヴァイオレンスかつ激ブラッケンドな音に仕立て上げて「新感覚の激音」を提示した「Stagnant Eye」。グラインドコア要素も盛り込み暴走しまくる激走と凶悪なビートダウンで心臓に圧迫感を与えて破裂させる過密型暗黒メタルコア「Good Citizen」。どちらも強烈過ぎる。
 俗に言うデスコアバンドだと思ったら大間違いだ。彼らはドス黒い死の世界を全く新しい方法論で生み出してしまった。



 「異端の証明」というタイトルに偽り無し!!強烈なる激音全6曲はカテゴライズ不可能な新たなる可能性であり、どの時代も新たなるスタンダードは常に異端児達が生み出してきた事を思い出してしまった。
 メタルコア系の音楽が好きな人は勿論だけど、それらの音楽が苦手な人にこそ逆に聴いて欲しいスプリット。テンプレ化した音は今作には全く無い。あるのは約30分に及ぶ異端児達の宣戦布告だ。







■裏現/COHOL

裏現 (りげん)



 いよいよCOHOLが全世界へと飛び出した!!
 2013年にフランスの超名門レーベルOsmose Productionsと契約した事が話題を呼んでいたが、2015年いよいよそのOsmose Productionsから5年振りの2ndアルバムがリリースされたのだ。日本国内ではDaymare Recordingsからのリリースと磐石の体制。
 1stアルバム「空洞」、heaven in her armsとのスプリット「刻光」でも圧倒的な存在感と生身の表現を繰り出していたが、今作でそのオリジナリティを確固たる物にしてしまった。

 今作を実際に聴いて思ったのは、今のCOHOLの前ではハードコアとかブラックメタルというカテゴライズは完全に無意味だという事だ。実際にこれまでの作品よりもブラック要素は増えたけど、既存のブラックメタル・ブラッケンドハードコアとは全然違う。ドス黒くありながら、その音はどこまでも透明感溢れるという、黒い結晶。
 歌詞で歌われている事も以前よりも徹底的に現実的な闇といった物を想起させられるし、アルバムタイトル通り「裏側の現実」を描く今作はCOHOLもまたエクストリームミュージックから全てを暴くバンドだと言う事だ。

 濃霧に包まれた深い森を歩くような幻想的なイントロダクションである第1曲「冷たい石」から残酷なまでに現実に放り込む第2曲「下部構造」へと雪崩込むオープニングは秀逸であり、「下部構造」はより進化したブルータリティを発揮した「刻光」の進化系だ。
 より美しく鬱苦しいメロディが増えているが、バンドアンサンブルの突進力もビルドアップし、繊細過ぎる程に作り込まれたサウンドプロダクトが為せる音だろう。特にKYOSUKE氏のドラムが複雑極まりないのに、とんでもなく速いビートをこれでもかと叩きつけているし、KYOSUKE氏の進化は現在のCOHOLを形成する上で絶対不可欠な物だっただろう。

 怪鳥の如し獲物を一瞬で八つ裂きにするITARU氏のギターと憎悪を吐き散らすボーカルとベースを披露するHIROMASA氏と、爆発力と繊細さの狭間をすり抜けて刺し殺すKYOSUKE氏の三位一体アタックが恐ろしい第3曲「暗君」、幻想と現実の両方の世界観を突き詰め、静寂の美しさから発狂の美しさへと雪崩込む第4曲「地に堕ちる」とCOHOLの現在進行形の黒と透明の境界線をぐちゃぐちゃにかき回す激音は聴き手の心に強烈なトラウマを残す。

 全体としてブラックメタル・デスメタルの要素が増えているけど、それらのサウンドの獰猛さを抽出し、そこにスケール感と美しさを加えたのが今のCOHOLだし、カオスに次ぐカオスを放出しながら、最後は無慈悲な浮世の闇を描く第5曲「葬送行進」も素晴らしい。
 特に最終曲「急性期の終わり」は今作の中でもベストトラックで、ブルータルなリフで始まったと思えば、ブラックメタルとハードコアの衝突地点に存在するそれぞれの最も純粋な原液を混ぜ合わせた様な計算され尽くしているのに、それでも止められない暴走。最後の最後は「また会う日まで。」とほんの少しだけの救いの言葉で締めくくり、アンビエントな濃霧へと消え去ってしまう。
 そしてそこからまたアルバムの冒頭「冷たい石」へ繋がっているし、40分というある程度コンパクトな尺の作品でありながら過密な情報と音の濃度によって強烈で新時代的な音を刻みつけている。

 メタラーからもハードコアパンクスからも熱い支持をこれまで集めてきたけど、今作でCOHOLは完全に勝負に出たし、ブラックメタルとかデスメタルとか激情系ハードコアとかアンビエントだとかの境界を無効にし、日本の東京という都市で生きて感じた事を音として表現された音は確かなる現実に対する宣戦布告だ。
 描く世界こそ漆黒ではあるが、その黒い瞳の奥には微かな光が見えてくるし、黒いフィルターを通して放たれる光は確かな希望なのかもしれない。
 COHOLは今作で闇で埋め尽くしても消えない光をもしかしたら描いているのかもしれないし、それは2015年の現代に最もリアルに響く音だ。



■NoLA、ロングインタビュー

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 いや本当にNoLAというバンドはとんでもない進化を続けている。1stミニアルバムである「DISORDERLY」でNoLAを知り、それからこのバンドをずっと追いかけて来たけど、本当に凄いバンドになっていく。ライブを観る度にトラウマを植え付けられる感じになるし、ダークでヴァイオレンスなエクストリームミュージックの一番純粋な部分を解放する彼等の音は本当に凄まじい物だ。そんな彼等も10代から20代になり、ベースレス3ピースでの活動から、まさかのベーシストでは無くて、新ギタリストであるmakino氏が2013年末に加入し4人編成になったり、初の海外ライブであるオーストラリアツアーを2014年には経験し、本当にバンドとして大きくなった。そんな最高の状態でリリースされたのが彼等の2ndミニアルバム「DEAD BEAT」(当ブログでの紹介はこちら)だ。数多くのライブで鍛え上げてより禍々しくなったサウンド、小細工無しのリフとビート、凶悪さはそのままにある種の分かりやすさやキャッチーさ、全方位に喧嘩みてえな音で喧嘩を売りまくっている痛快さはより進化し、暗黒であり地獄でありながら、もっとヘビィロックの暴力をダイレクトに伝えるだけの力量を確かに手に入れている傑作だった。
 今回でNoLAへのインタビューは二度目で、前回のインタビューではバンドの結成から現在に至るまでとか、バンドの詳細について聞いたけど、今回は前回同様にボーカルのTakeruと新たに加入したギタリストmakino氏の2人に4人になってからの事、「DEAD BEAT」について、オーストラリアツアーの事、これからの事、果ては彼等の純粋な音楽に対する思い。色々と聞きまくった!!




・「DEAD BEAT」リリースおめでとうございます。

Takeru&makino:ありがとうございます。

・先ずはmakinoさん加入の経緯を聞こうかな。

Takeru : makinoが加入して初めてライブやったのが2013年の10月…ってもう一昨年か!早っ!

・おまわりさんとの共同企画の時だよね。俺もいたよ。

Takeru : そう考えるともうmakino入って結構経つのかあ。

・そもそもどういった経緯でベーシストじゃなくて何故ギタリストが入ったのかという。

Takeru : それはmakinoがギタリストだったからってだけなんですよ。勿論最初はベースを弾いて欲しくて、「ベース弾いてくれない?」ってお願いしたんですけど、それは嫌だと。ギターで入りたいと。

makino : ベースは弾けないから。先ずベース持ってないし。

・(爆笑) そもそも何で最初はベーシストで入れようとしたの?

Takeru : 当時は三人でやっていく事に限界を感じてたし、新しいメンバーを入れるならベースって感じで、ギターって考えはあんまり無かったんですよ。
でも新松戸FIREBIRDでお世話になったりとか、makinoがやっていたスタジオまきので対バンしたりとかして、こいつとバンドやりてえなあって。

・割と直感的な部分で決めたと。

Takeru:直感ですね。makinoとバンドやったら広がりそうだなって思って。とにかく一緒にバンドをやりたかった。

・それでmakinoさんはNoLA加入の誘いが来てどうしようと思いました?

makino : 取り敢えずベースで誘われて、ベースは弾けないけどギターは弾けるから、ギターで加入して欲しいなら一回話頂戴って。

・ギターで入りたいと。

makino : そうですね。一人でスタジオまきのやっててもベースアンプもギターアンプも両方鳴らしていたから、俺が入る前はKeyakiがそれをやっていたとは思いますけど。そういう感じでなら音出せるよと。

・割と経緯はシンプルだったんですね。Takeruがベースで入れようと思ったらギターで加入になったと。

Takeru : そうですね。でも成り行きでそうなったとしてもギターが2人になるのは面白い事は面白いかなって思って。
スタジオ一緒に入って音合わせてみたら、やっぱり面白い事になるからそこからどんどん工夫して、これでいけるんじゃないかってなった感じですね。

・それでNoLAという既存のバンドに加入してどういった音を入れたいとか、NoLAをどう変化させたいってのはmakinoさんの中ではありましたか?

makino : それはありましたね。1stの曲だったら自分だったらこうアプローチするなあとか、そういうのはスタジオ入った時にちょくちょくやっている感じで。

・実際に元々のメンバーだった3人はmakinoさんが加入して変わった事は?

Takeru : 本当にバンドやりやすくなりましたね。3人だけだった時は意外とバンド内の空気がギスギスしたりもあって、でもmakinoが入って出来る事が増えたから、だから3人だけだった頃よりもバンドが楽しくなったし単純に音を出すって事が。それがギターであろうと一人増えるだけでこんなに広がるんだと。それをmakinoに味あわせてもらって、バンドが単純に楽しくなったなあ。

・これまで3人で背負っていた物を4人で背負う事によってメンバーそれぞれの負担が減ったってのは大きいのかもしれないね。

Takeru : それは大きいですねえ。これまではライブ活動の方針とか、曲の方向性とかはほぼ俺が考えている感じだったんですよ。それをKeyakiやKotarouに振って形にしてもらう感じで。
でもmakinoが入って、makinoが結構そういう事を考えてくれるし、曲を作ることに対して賢いから、負担が減りました。

・こうして2013年の10月からNoLAは4人編成になったけど、それから去年の春に初の海外ツアーとなるオーストラリアツアーとなったけど、そのツアーの話を。先ず最初にツアーの話が来てどうしようと思った?

Takeru : 最初は正直、滅茶苦茶行きたいとは思ったけど、そんなに上手くいくのかなあって。でも向こうが色々取り仕切ってくれて、実現出来て良かった。

・日本との環境の違いとかはやっぱりあった?

Takeru : 日本のライブハウスみたいにPAがちゃんといて音を作ってくれたり、アンプがあってドラムセットがあってってのはあんまり無いですね。もう自分たちでやるしか無い環境でした。

makino : ライブハウスってのがそもそも無いんですよ。

・もうライブハウスって概念が先ず無いと。

Takeru : 海外だとライブハウスじゃなくてべニューって呼び方らしいです。

makino : もう機材も自分たちで用意して設営するというか。

Takeru : 日本のライブは夕方スタートが大半じゃないですか。でも向こうは5バンド6バンドが出演するイベントでも21時スタートとかでスタートが遅いんですよ。
向こうって電車って概念があんまり無くて、日本の首都圏みたいに狭い場所にライブハウスが密集してないんですよ。オーストラリア中で滅茶苦茶分散しているんです。例えばこの日ライブがあるってなると、その土地はそれしかイベント無くて、東京みたいにイベントが被るって事が先ず無いんですよ。ここしかライブを観れる場所が無い!って感じで。だからライブに遊びに来る絶対数が多いんですよ。べニューに集まるお客さんの絶対数は日本のライブハウスとは雲泥の差というか。

・やっぱり海外は日本以上に音楽が土着的な文化になっているのかな。

Takeru : 日本も音楽はしっかりとした文化にはなっているけど、でも日本は狭くて多いから。

makino : 日本は情報量が多すぎると思うんですよ。海外は情報が少ない分、みんな純粋に音楽を凄い楽しんでいるという感じですね。

・僕たちは首都圏の人間だから尚更情報量は多いと思う。二人はNoLAやっているから、俗に言う被りとかもあるだろうし、良くも悪くも選択肢が多いってのはあるかも。

Takeru : そうなんですよね。今日どのライブ行こうかなって選べる感じは凄い良いとは思うんですけど。

・それは良い事だけど、バンドマン側したら悩ましさとかあるのかな。

Takeru : 問題では無いんですよ、ある事自体が物凄く良い事なんで。
俺は「今日他にもライブ被ってるからなー。」みたいのはあんまり好きじゃ無いんですよ。あんまり言いたくない、格好悪いなって。そこはもう腹括るしか無いだろうって思います。

・ステージ立つとなると最高のライブする以外の選択肢は無いって感じ。

Takeru : 無いですねえ。その日がライブだったら誰が何処でやっていようが関係無いです。

・実際にオーストラリアで何本もライブやって来たじゃん?こうバンドとして強くなったって実感はある?

Takeru : ありますねー。

・NoLAがオーストラリアから帰ってきた直後にブッシュバッシュのライブあったじゃん?それでツアー帰りのNoLAのライブ観たんだけど、やっぱり凄くバンドが強くなったと思った。

Takeru : ツアーがmakinoが入ったタイミングで本当に良かったですよ。makinoが入ってオーストラリア行ってで、バンドが一気に鍛えられたから。完全にバンドが固まった感じ。

makino : 完全に精神と時の部屋でしたね。

・(爆笑)修行みたいな。

makino : 修行ですね。

Takeru : 完全にそんな感じでしたね(笑)

・makinoさんも初の海外ライブでしたよね。やっぱり体力的にも精神的にも負担はあったとは思いますけど。

Takeru : makino、Keyakiと同じベッドで寝てましたよ(笑)。オーストラリアで宿泊する部屋入ったら、ダブルベッドと二段ベッドがあって、ダブルベッドで2人で寝たい奴なんていなかったんで、メンバーでベッド争奪大富豪勝負しようってことになり、俺とKotarouが勝ってしまい、ギター2人でダブルベッドで寝るという(笑)、
朝起きたらmakinoだけ床で寝てるという(笑)。
苦しかったのかもしれないですね(笑)今となっては楽しい思い出ですけど。

・でもやっぱりツインギターになった事で1stの曲もアレンジが広がったと思うし、単純に音圧が強くなったというのもあるし、makinoさん入って、これまでKeyakiが100やってたけど、単純計算でmakinoさんが入ったから200出来るぞみたいな感じで。それで新作「DEAD BET」の話に入るけど、先ず単純に凄く格好良かった。

Takeru : ありがとうございます。

・それでライブではやってた曲もあったし、曲自体はリリース前にライブで聞いてはいたけど、改めて盤で聴いて、凄いシンプルになったと思う。普通ツインギターになったらもうちょい込み入ったアレンジにしようとか、大作志向になるのかなあって気もしていたんだけどね…真逆だったね!!

makino : NoLAのメンバー全員が多分シンプルで格好良い物が凄い好きだし、僕もそうだし、それはまあ1stの時からそんなに変わってないのかなって。

・確かに。1stに収録されてた「Mist」みたいな大作志向の曲は無いしね今回の2ndには。3分台ってある種キャッチーな尺で。

Takeru : そんな感じでやりましたね。でもまた絶対「Mist」的な曲は作ろうってずっと考えていて、それはでもね…ベースが加入してから作りたいって思ってもいるんですよ。
ベースのループ感みたいのが欲しいから。ベース入れてからそういう大作系は作っていきてえなあって。

・今思うと寧ろ1stが少し異常だった感じはあるかもね。ベースレスでよくこれをやろうとしたなあって。

Takeru : 確かに(笑)。

・変な言い方になるけど、ある種未完成の状態からスタートしてて、今も未完成ですって感じはあってさ。本当に良い意味で言っているんだけど。NoLAって最初からベースレスでやるんじゃ!!ってスタンスでは無いじゃん?ベース入れたいって思いながらずっとやってた訳でしょ?
でも未だにベースは見つからずで、それでもライブをやらなきゃいけない、音源を作らなきゃいけないで。だから逆境的な部分からスタートしている感じはある。それを利用しているというか。

Takeru : そうっすね…それでも格好良い物を作らなきゃいけない…っていうか作りたいし、その中でどれだけ出来るかっていう所でやっている感じ…ですね。

・でもひたすら限界に挑むバンドだなあ君らは(笑)ドMだよね?

Takeru : ドMです!!全員ドMです!!ドMじゃ無いなら自分の事をここまで叩けないから(笑)。

・だからNoLAはドMだからこそドMの気持ちが分かるんだと思う。
でもNoLAはもっとサディスティックでもあるし…だからSもMも両方あるんだろうね。SとMって表裏一体じゃん?

Takeru : 精神的にはMなんだけど、何だろうなあ…ライブになるとSになるっていうか。

・ある種のサービス精神?

Takeru : 自傷行為とか自虐とかそういう方向には行きたくなくなるんだよな…

・もっとアッパーな方向だよね?解放するっていうか。

Takeru : うん。その方が今は表現してて楽しいかなあって。

・僕個人の意見なんだけど、音楽に限らず表現って両極端で、「もう死んでやる!!」って自分に矛先を向けるのか、「てめえら全員ぶっ殺す!!」って外に矛先が行くのかっていう。
それはメタルだとかハードコアって最早関係無くて、自分の中の地獄を表現して地獄を作るのか、他をブチ殺しまくって地獄を作るのかって感じ。エクストリームミュージックだと尚更それは出て来ると僕は思っているから。
だからNoLAは外側に行ったよね。makinoさん入ってより外に外に!!って気持ちが強くなったというか。

Takeru : 周りで触れ合うバンドとか普段聴く音楽とかがそういう物だったからそれに影響を受けて今のこの形になっていると思うんですよ。やっぱり今聴いている音楽が自分たちがやる物に反映されるから。

・Takeruは今影響って言ったけど、真似ているんじゃないし使っている感じがして、それを使っていかに強くなっていくかみたいな。ゲームで言うとステータスをカンストさせようとしているんだけど、そのステ振りが良い意味で極端なんだよね。でも実は凄いバランスも良いって気もする。魔法戦士なんだけどやっぱ力が強いみたいな。
「DEAD BEAT」聴いてKeyakiとmakinoさんのツインギターの絡みとか凄い考えられているけど、初見でNoLAに触れた人は凄い混沌としていると感じると思う。そういったレコーディングしているってのも大きいんだけど、それでNoLAの中でKeyakiとmakinoさんの役割分担とかあるんだろうけど、それが外に出たらツインギターが一気に音塊で来る感じ。それが僕がNoLAが強くなったって思う要因なんだろうなあ。

makino : 僕が言うのもアレなんですけど、一つのバンドとして凄い成長出来ているんだろうなって思います。単純に音だけ見てもそう思うし、選択肢が増えたなあって。

・その選択肢はベースが加入したらもっと増えると思う。

Takeru : そうですね。だからその辺も期待していて欲しいですね。必ずベースを入れるんで。

・5人で。

Takeru : 5人になると思います。まあ今は今の状態で滅茶苦茶楽しめているんですけど。

・より楽しむために、より格好良い物を作るためにと。

Takeru : そうですね。

・こうやって晴れて「DEAD BEAT」がリリースされて、それを多くの人が聴いていると思うけど、単純にNoLAが外に向けてやりたい事ってなんだろう?

Takeru : 自分が格好良いと思う音楽を作りたい、作ってそれをライブでやりたい。それを人に伝いたい。

・リスナーやオーディエンスに対して何を感じて欲しいとかってある?

Takeru : リスナーに対して、何を感じて欲しいとかって俺はあんまり…無いんですよね。それはもう聴く側の自由だと思うから。別にそれが「だせぇ」でも「格好悪い」でも良いっちゃ良いし、逆に「格好良い」ってなってくれたらそれは嬉しいし、「エグい」とか「熱い」とか「速い」とか、そういう単純な事でも良いし、とにかく聴いてくれている人に「こう思え」って事は俺はあんまりしたくないんですよ。

・もう自分たちが作った格好良いと思う音楽を聴いて楽しんでくれと。

Takeru : 「楽しんで欲しい」とは本当に思います。でも「楽しんで欲しい」ってのはどのバンドもきっと思っていると思うんですけど。

・やっぱ音源でもライブでもマーチでも良いけど、こういうインディーズってシーンだと厳密にプロとは違うのかもしれないし、プロになるともっと他にもやらなきゃいけない事もあったりすると思う。でもそうじゃないにしてもやっぱりリスナーからお金は取っているって部分は大きいんじゃない?

Takeru : だから自分の時間を削ってまでNoLAにお金を使ってくれる人にはやっぱり楽しんでもらえる様に。NoLAを聴いて楽しんだり考えたり…逆に苦しくなったりとか…自分が好きな音楽を聴いて生まれた気持ちをNoLAを観たり聴いたりした人に味わって貰えれば、こんなに幸せな事は無いと思います。

・NoLAは本当に純粋にインプットとアウトプットを繰り返している気がするね。良い物を食って良い物を吐き出したいみたいな。
前にインタビューした時も思ったけどTakeruはそういった部分の考え方がシンプルだよね。

Takeru : 単純に自分が格好悪いと思っている事はしたくない。自分が格好良いって思っている事をしたいって思います。
まあ自分が正しい・格好良いって思っている事が、他の人にとっては間違っているのかもしれないし、そこで失敗したりもするけど、今は正解・不正解じゃなくて、自分にとって格好良いか格好悪いか…そこですね。

・でも初めてTakeruにインタビューした時は10代だったよね。今年の3月でTakeruが22かあ…

makino : 僕がNoLAに新宿ANTIKNOCKで初めて会った時は、僕がいまのこいつら位の年齢でしたね。

・その頃から今に至るまでで、makinoさんの中でNoLAに対する印象とか自分の中での音楽に対する考えとかって変わったりとかしました?

makino : 自分の中では基本的には変わらないですね。昔より今のが音楽をやっていて楽しいけど、音楽に対しては何も変わってないです。ずっと自分も楽しんでいきたいし、周りも含めてみんなで楽しんでいきたいし。

Takeru : 言い方普通ですけど大人になったと思います。まだまだ子供な部分もあるけど、そこら辺は常々諸先輩に本当に勉強させてもらってます。

・それでこれからの事を聞こうと思うけど、NoLAとしてはこれから外に向けてどう活動していく感じなのかな?

Takeru : もう一回海外も行きたいですけど、今後は日本のまだ行った事の無い場所にも行きますし、今はスタートした「DEAD BEAT」のリリースツアーを確実にこなしていく事と、それが終わったら1stフルアルバムの制作にガッツリ…ガッツリ入る事。それでもライブは定期的にやっていきますけど。

・でも昔に比べたらライブは少しだけ減ったよね。

Takeru : makinoが入って少し足が重くなりましたね。makinoが仕事入っているだけでライブ出来ないから。それでも全然軽い方だと思いますけど。

・軽い軽い!寧ろ昔が本数おかしかったんだよ!

Takeru : あの頃はおかしかったです。月に9本とかやったりしてましたね。

・精神的な部分はバンドとして円熟する方向に行ったよね。昔は「今日死んで良い」みたいなノーフューチャー感があったんだけど。

Takeru : 今を見ながら先を見れる様にはなりました。

・勿論Takeruのライブパフォーマンスは相変わらずだけど(笑)。でも根本的な部分ではもっと積み上げていく感じになったというか、出している音とは別に円熟していく感じ。

Takeru : 兎に角今は積み上げて積み上げて考えて考えてってやっていかないと良い物が出来ないと思っているんですよ。
突発的な勢いだけだと曲はもう作れないし、自分たちのライブも考えてやらないと良い物は出来ない気はしますね。

・昔と今でライブでのTakeruの心境とかって変わったりした?

Takeru : 出した頃はもう…本当にカオス!っていうか、内側の狂気を外側に吐き出すみたいな感じだったんですけど、今は自分も楽しい、相手も楽しませるがモットーかな。もちろんカオスや狂気や恐さありきなんですけど。
別に誰かを傷つけようと思ってライブはしていないし、楽しさのが今は上回っているのかな。周りに言われたんだけど、エンターテイメント性が出てきたって。

・それは俺も思う。オーストラリアから帰って来てやっぱり変わったよ。

Takeru : オーストラリアの連中が本当に楽しい連中ばっかりだったんですよね。良い意味で馬鹿だし。

makino : 馬鹿だけどしっかりしているっていうか。

Takeru : 純粋に音楽を楽しんでいるっていう。1stの頃や海外行く前はその辺の考え方が俺たちは間違えてたと思ったんですよね。もっと…楽しいを前提に。
自分たちを追い詰めながらやるのも大切だとは思うけど…追い詰めても苦しくなるだけだしな…

・でもそうなると先が見えなくなっちゃうんだろうな。

Takeru : なっちゃうんでしょうねえ…バンド続けていく上で楽しい方向にシフトしていく方が…得だなって!
オーストラリアに行って、自分たちと一緒にツアーを回ってくれたバンドに話を聞くと、バンド内で喧嘩した事一回も無いって。そんなバンドは日本にも沢山いるでしょうけど、兎に角音楽をやっている時が一番楽しいって言っていたんですよ。それが凄く印象的で。
単純に車で何時間もかけて違う場所に行くってそれだけでも凄いストレスだというのに、それでもワーワーって楽しくやっているから。憧れましたね、俺たちもそうならなきゃなあって思いましたね。

・でもこうした考えのバンドが出てくるのは大きな意味があると思うよ。海外と比較するつもりってのは無いけど。

Takeru : 日本でしかライブやった事無いバンドは絶対に海外に行った方が良いと思います。絶対に考え方が良い意味で変わると思うし、色々な知恵が増えるし、凄く勉強になるから。
オススメするって言い方は変だけど、兎に角、海外は是非行って欲しいと思います。それはバンドやっている人全員に言いたいです。

・でも今ってカルチャーとしての音楽の転換期だと思うんだ。

Takeru : 本当に今はダウンロード主流ですからね。海外って音楽がそんなに好きじゃ無い人ってCD買うって概念が無くて、「CD買っているの?ダサっ!」って考え方だから。日本もほぼそうなりつつあって、でもタワレコあるしディスクユニオンあるし、色々なCDショップが日本に一杯あるから、まだ全然廃れてないんだなって。いつかは「ダウンロードしてるの!?CD買わないの!?ダセー!!」ってそういう感じになればと思います。

・Takeruが純粋に音楽が好きだからこそだよね。

Takeru : なんかこう…ネットで探すんじゃなくて、ショップに行って自分が探しているCDを探す感じってやっぱ…1番良いじゃないですか。ネットも良いし、利用しますけど。

・僕はアナログとデジタルの転換期な世代のギリギリの世代なんだけど、昔はYoutube何それ?って感じだったよ。

Takeru : Youtubeって一気に来たのって最近ですけど、今やそれが主流ですよね。PV作ってネットに上げて興味をそそらせるのかとか、逆に作らないで興味をそそらせるのかとか。選択肢が増えましたよね。
でも俺は音源をネットにアップするってあんまりしたくないし、やっぱりCDを手に取って欲しいし、その気持ちはまだ捨てたくないなって。
フルアルバムがネットに上がっちゃってるとか多いじゃないですか?それって凄く寂しいですよね…どうしても盤で手に入らないけど、ネットでデータでは買えるから仕方ないからそれ買うかってのはありますけど。

・君らって若いけどアナログ気質だよね。

Takeru : 音楽に関してはアナログの方が良いと思ってます。CDが棚に増えていく感じとか快感ですよね。レコードとかも回す作業や手間が好きですし。
レコード聴く時の他に何もできない感じも好きです。それが音楽に対する一番の姿勢なのかなって思います。CDをパソコンに入れて読み込ませて聴くとどうしても、他に作業しながらってなりますし、レコードプレイヤーやCDプレイヤーだと集中力上がるし、聴かなきゃってなります!

makino : オーストラリアでは向こうのバンドの物販がTシャツとアナログだけって感じで、「CDは無いんですか?」って聞いたら「デジタルならあるからダウンロードしてくれ」って。そういう文化なんでしょうね。

・海外だと本当にアナログ主流ですよね。

Takeru : オーストラリア着いて、誘ってくれたバンドの奴の家に行ったらレコードがいっぱいあるんですよ。オーストラリアでChurch of Misery聴きながら、誘ってくれた奴が「腹減っただろ?」ってカップ麺作ってくれて。オーストラリアでチャーチ聴きながらカップ麺食うなんて思ってなかったですよ。「音楽はやっぱレコードだ!」って。格好良いなって思いましたね。

・やっぱり海外の人たちって日本の音楽滅茶苦茶聴くんでしょ?

Takeru : オーストラリアはPALMが凄い有名でした。

makino : 向こうで日本の好きなバンドでよく挙がったのは、PALMとenvyとBorisが好きな人が多かった。

Takeru : PALMは本当にどこ行っても聞かれた、「You Know PALM?」って。びっくりしたのはCYBERNEも凄い有名でした。

・そこら辺は良い意味でのネットの恩恵なんだろうね。海外のバンドも凄い近くなったみたいな。

Takeru : ネットがあるからこそ繋がれているって部分は大きいですよね。

・僕が高校の時はネットが普及してなくて、情報源は雑誌だったよ。

Takeru : そうなんですねー。雑誌とかラジオとか聴いて、これ良いなってなって買いに行ったんですよね。でも音楽に対する貪欲さって昔も今も変わって無いと思うんですよ。
それが昔より求めやすくなっただけと思うんですよね。でもそれを利用するんじゃなくて、先を見て、自分がどうすれば良いのか、どう発信すれば良いのかってのを考えて俺はやっていきたいですね。

・NoLAって今時珍しい位に現場主義で土着的なやり方してるよね。

Takeru:珍しいんですかね。基本的な部分ではネット使ってますけどそこまでネット思考では無い方だと思います。
変にネットでアピールする活動ってよりはライブでってのが俺は格好良いと思うし、NoLAはライブバンドだっていうの大事にしていきたいっていうのは今後もずっと変わらないことです。



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DEAD BEAT" tour 2015

3.13(金) 立川BABEL
3.15(日) 仙台BIRDLAND
3.21(土) 渋谷GATEWAY STUDIO
3.27(金) 小岩bushbash
3.29(日) 関内B.B.STREET
4.4(土) 新松戸FIREBIRD
4.11(土) 新宿ANTIKNOCK
4.16(木) 新潟Club Riverst
4.17(金) 新潟上越Earth
4.18(土) 秩父LadderLadder
4.19(日) 静岡騒弦
5.16(土) 心斎橋火影
5.17(日) 東高円寺二万電圧
NoLA presents "DEAD BEAT" release tour FINAL!!








【オフィシャルサイト】http://nolaofficial.jpn.org/
【blog】http://nolaofficial.blogspot.jp/
【twitter】https://twitter.com/NoLA_OFFICIAL
【bandcamp】http://nolajpn.bandcamp.com/



photographer : ミツハシカツキ
https://www.flickr.com/photos/xscherzox/



Check!!↓


DEAD BEATDEAD BEAT
(2015/01/21)
NoLA

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■DEAD BEAT/NoLA


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(2015/01/21)
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 これまで何度もライブを観て来たし、観る度に凄いライブを展開して来たNoLA。2013年末からmakino氏が加入し、ベースレスツインギター編成にもなったが、その新編成も板に付いていよいよリリースされた2ndは現在のNoLAの凶悪なる宴をパッケージした作品になった。1stの頃のNoLAは既にいないし、二年半の歳月を経て進化を続けてきたからこそ生み出せた作品だと思う。激烈なる憎悪をメタルだとかハードコアを衝突させて生まれた集大成だ。



 今作は自主レーベルNoLA Recordsを設立してリリースされた訳だけど、自主レーベルリリースという事もあって気合十分だ。自主企画での猛者との共演やオーストラリアでのライブ経験は見事に生かされている。NoLAが選んだ道は洗練でなく、狂気をより増幅させる事だった。変な言い方になるけど、1stよりもある意味では1stらしさもある作品であるし、でも1st以上の作品である。より衝動は暴走し、同時にツインギターになりより凶悪になったサウンドが押し寄せてくる。何よりも1st以上にアプローチが明確になりより暴力的になった。現在のNoLAの強靭過ぎるサウンドはより禍々しくなり、安心する暇なんて与えてくれない、刺し違え上等、通り魔的であり、テロリスト的でもある、狂気以外に形容する言葉が見当たらない、制御不能のエクストリームミュージックだ。
 のっけからダウンテンポのブルータル地獄が始まる第1曲「The Dead Beat」から異様だ。Takeruのボーカルはキレまくっているし、Kotarouのドラムは今まで以上に音に重さと説得力が満ちている。ベースレスである事を前以上に感じさせなくなったのはツインギターになった事も大きいだろうけど、それでお上品に纏めるんじゃなくて、Keyakiとmakino氏のギターが共に凶悪なフレーズしか弾いてない事も大きい。突発的にビートを加速させ、引き摺り回しながらブン投げる遠心力溢れるアンサンブルはこれまでのNoLAには無かったし、その流れを引き継ぎ1分弱の激速ヘビィネス煉獄「Pull」へと雪崩込むのは最高に格好良い。リフとリードのダークなフレーズの対比を見事に展開しながら、変則的な曲展開を活かし、着地点が見えないままにカオティックさを爆発させる第3曲「狂宴-kyouen-」もお見事。デスメタルやスラッシュメタルの要素もより濃厚になりながら、突発的にグラインドするビートだったりとか、もっとハードコアパンク的な音の荒々しさは、彼らが影響を受けた国内外の多くのバンドが持っている物だけど、それをごった煮にして、凶暴なビートとリフで全て片付けてしまっている痛快さは本当に気持ちが良い。個人的には第5曲「The Pit」のモロに90年代前半のモダンなヘビィネスサウンドをベタに展開してしまっているのも痛快だったし、ボーナストラックである前作に収録されていた楽曲のリミックスである第6曲「燈 DJ NOdISC Remix」ではNoLAをダークなダンスミュージックへと料理していて、NoLAの別視点の魅力を浮き彫りにしているけど、でもNoLAは元々ダンスミュージックであるのだ。特に今作の楽曲は地獄の閻魔すら巻き込んで血湧き肉躍る狂宴を生み出しているんだから。



 凶悪さはそのままにある種の分かりやすさやキャッチーさも今のNoLAは持っているんだと思う。前作にあった長尺のドゥーム曲こそ今作は無いけど、でもより小細工無しにリフ・ビート・叫び、それだけで全てを殺すのは容易いとNoLAは笑っているんだ。全方位に喧嘩みてえな音で喧嘩を売りまくっている痛快さはより進化し、暗黒であり地獄でありながら、もっとヘビィロックの暴力をダイレクトに伝えるだけの力量を確かに手に入れているし、この若武者はまだまだ血に飢えているんだろう。僕はNoLAはメタルでも無く、ハードコアでも無く、ヘビィロックでしか無いと断言したい。余計なカテゴライズは犬にでも食わせておけとばかりにクロスオーバーを繰り返しまくったからこそ今作は生まれた。本当に聴いてて痛快だし、素直に脳天ブチ割ってくれる。だからNoLAは格好良い!!

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AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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