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■Fatalitas/Aguirre





 7月に日本のGUEVNNAとZOTHIQUEと共にジャパンツアーを行う事もアナウンスされているフランスのスラッジコアAguirreの2011年リリースの現時点での最新の単独音源。これが見事にモロなスラッジコアサウンドであり、呪術的空気と蠢く重低音のカルト感溢れるサウンドだが、スラッジコアの王道を往く全4曲35分。



 サウンドの傾向としてはNOOTHGRUSHやEyeHateGod辺りのスラッジコアに通じるサウンドであり、スラッジコア特有のカルト的空気感を持っているし、ハードコアというよりもその呪術的世界観はドゥーム的な物なのかもしれない。サウンドから感じ取れるのは最早怨念だし、ボーカルワークが完全に遠慮の知らない物になっている。サウンド自体も極端にスラッジスラッジしている訳じゃ無いし、寧ろロック色も地味にあったりもするんだけど、サウンドの純粋な重さというよりも、その音色や空気感から滲み出る重さが特徴的だ。あくまでもピュアなスラッジコアなサウンドスタイルであるけど、微かにロック色を残したまま奈落へとズブズブ堕ちていくサウンドはスラッジの一つの極意を感じる物だと思う。
 ベースの重低音が這い回る第1曲「Bastards」からその儀式的スラッジは展開される。極端に歪んでいるサウンドじゃ無いし、スラッジらしい激遅ビートではあるがグルーブ感は十分に感じられる音になっているのに、そのボーカルが入るとおぞましさが増幅してしまう。こうしたスラッジコアの中では割とキャッチーな部類に入る曲だと思うし、単なるカルトドゥームでは無く、ちゃんと聴き手に対してグルーブで揺らす事もサウンドで提示しているのはかなり好印象。一方で中盤ではベースとドラムのみの静謐なパートの不気味さが際立ち、ドス黒さの中に妙な叙情性を微かに感じさせながらもより漆黒のサウンドを生み出している第2曲「Besse」のグルーブと重さと密教性の見事に結びついたサウンドはスラッジフリークスからしたら悶絶物だし、10分間の中に濃密なスラッジ絵巻が展開されている。特に終盤のロングギターソロの哀愁は本当に堪らないし、こうしたフレーズをピュアなスラッジサウンドに取り入れるセンスに脱帽だ。第3曲「Bleak」は正にスラッジコアの躍動を体現した曲であり、今作で一番ビートがノレる物になっているけど、中盤のハウリングするサウンドから更に音に重みと黒さが増すのは最高に痺れる。最終曲「Barricades」もそんなAguirreの魅力が存分に発揮されているし、今作屈指の暗黒リフで攻め立てながらも、後半のまるでご褒美と言わんばかりにBPMを引き上げて爆走するスラッジサウンドの破壊力の凄みよ。



 全35分とサクッと聴ける作品ではあるけど、実に35分にも渡って繰り広げられるスラッジコアとは何かを熟知したサウンドの数々。勿論遅いし重いし密教的だし重低音充満しまくりなドス黒いサウンドではあるが、曲の合間に入るギターソロの哀愁だったり、バンドとしての根本的なグルーブだったりといったロックバンド的魅力もちゃんと出しているバンドではあるし、こうした明確で分かりやすいアプローチをしているにも関わらずAguirreには謎の得体の知れなさも感じる。その全貌は7月半ばからスタートするジャパンツアーで全貌が明らかになるだろうし、フランスが生み出した純粋漆黒のスラッジコアの悪意を肌で体感して欲しい。
 また今作は下記のbandcampページでフリーダウンロードで配信されているので、ジャパンツアーの予習も兼ねてチェックして欲しいし、気に入ったら是非とも盤の方をジャパンツアーの物販で購入してサポートして欲しい限りだ。



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■Totem/Baton Rouge

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 俺達の3LAのリリース第四弾はフレンチ激情の最重要バンドにしてレジェンドであるDaitroのメンバーがほぼ勢揃いしたBaton Rougeの新作だ。今作はフランスのPurepainsugar、ドイツのAdagio830、アメリカのBakery Outlet、そして日本の3LAの共同リリースとなっている。これまで激の部分がかなり強いバンドの作品を3LAはリリースしたが、ここに来てとんでもなく渋い一枚をドロップしてくるとは流石すぎるし、フレンチ激情のDaitro以降を自らで鳴らすBaton Rougeの新作リリースは多くの人に大きなインパクトを与えている筈だ。またマスタリングはGY!BEの最新作も手がけているエンジニアであるHarris Newmanの手による。



 Daitroはもうここで説明する必要なんか無い位にフレンチ激情の最高峰であったし、多くの影響を与えたバンドである。Baton Rougeの音自体は今作で初めて触れたけど。これは紛れも無くDaitroの最終作である「Y」以降の音を鳴らしているし、それこそ激の要素はほぼ無いと言えるけど、Daitroが持っていたメロディセンスとエモーショナルさは間違いなく継承しているし、よりオーバーグランドな音を鳴らしていた「Y」から、今作の洗練された歌物のエモへと繋がるのは紛れも無い必然だと感じた。何よりも音楽的なレンジの広さを持ち、細部まで練り込まれた楽曲の完成度の高さは凄い。
 揺らぎの音から始まり、硬質なビートの反復と冷ややかな鉄の感触のギターが生み出す郷愁のメロディが胸を焦がしていく第1曲「Le Fixeur」からこのバンドの奥深さと味わい深さを感じるだろう。エモではあるが、分かりやすい暴発パートは無いし、アグレッシブさよりも淡々としながらも、地に足を付けたミドルテンポのサウンドが印象的だし、郷愁のメロディをあくまでも体温の感覚と、ある種の冷たさによって少しずつ変貌させていくサウンドは、もしかしたら派手さは無いのかもしれない。でも、やはりDaitro時代から持っていた卓越したメロディセンスは今作にもあるし、それをより研ぎ澄ましたからこそ、歌物になり、円熟と渋さを感じる音になったのだと勝手に思う。第2曲「Côte Du Py」も後半は激しい轟音こそあれど、絶妙に泣きまくったサウンドと、緩やかな空気の中で生み出される郷愁は本当にグッと来る。第3曲「Cours Tolstoï」こそアグレッシブさこそあれど、それでもじわじわと浸透して行くメロディの絶妙な歪みと美しさを武器としているし、インディーロック色の強い第4曲「Guetter Les Ondées」なんかは個人的にYo La Tengo辺りのバンドと共振する物を感じたり。
 激情系要素こそあまり無いけど、インディーロックやポストロック成分をほんのり感じさせる音から生まれるエモはまた一つの進化の形だし、不穏なインスト曲である第5曲「Totem」は前半の空気を良い感じに変えるアクセント的の役割を果たし、続く同じインストである第6曲「Hypn-O-Sonic」ではバンドの深部へと入り込んで行く。ポストロックを機軸としたビートの方法論と、複雑に美しく形を作り上げて行くギターフレーズという前半から、ノイジーな音へと変わっていき、揺らぎの中の熱量と、爆発しそうでしない焦燥感が最高過ぎるし、ドラマティックでスケール感溢れる第7曲「Ushguli, Au Gré Du Gel」、静謐さから今作でも一番のエモーションを放ち、バンドとしての貫禄を感じる第8曲「Voyages En Train La Nuit」、もう激羽状だとかエモとかという言葉も要らないロックとして泣ける熱さを感じる最終曲「D'année En Année」まで全曲の完成度の高さは本当に見事だし、ex.Daitroではなく、あくまでもbaton Rougeというバンドとしてのサウンドを見事に確立しているのだ。



 紛れも無くDaitroの先にある音だし、Baton Rougeというバンドとして確かな進化を見せる傑作だと思う。メンバーそれぞれがこれまでに数多くのバンドに参加しているけど、そんなキャリアが間違いなく生きているし、非常に普遍性溢れる音でありながら、とんでもなくグッドメロディを放ち、確かに心を揺さぶる作品だ。今作は3LAのサイトで勿論購入出来るので是非チェックを。



■The Journey Is Over Now/Comity

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 やっぱフランスってすげーわ。各ジャンルで本当に高水準の音を送り続けているフランスという国だが、このComityもフランスが生み出した独自の激重カオティックハードコアバンドだ。今作は彼等の2011年リリースのアルバムであり、1stでありながらとんでもなく濃密な名盤となった。リリースはThroatruiner Records。



 そもそもこのバンドの生み出すカオティックはある意味では聴き手を突き放している物なのかもしれない。全4曲約50分と言う収録内容もそうだし、曲名は「Part I」、「Part Ⅱ」、「Part Ⅲ」、「Part IV」って感じだし、大作志向のカオティックと言えるだろう。彼等のbandcampページのプロフィールには好きなバンドにTHE DILLINGER ESCAPE PLAN、CONVERGE、CAVE IN、TODAY IS THE DAYといったカオティック・激情の偉大なる先人達の名を上げているし、これらのバンドの影響下には確かにあるとも言えるけど、USカオティックや欧州激情のサウンドとはまるで違うし、僕は個人的にカオティックハードコア側からのある意味での「ポスト」的な作品だとも思う。確かに機軸になっているのはカオティックハードコアだし、随所随所では彼等が好きなバンドに上げている先人達の音の流れもあるけど、本当にそれを独自の方法論で進化させたバンドなのだ。ポストメタルやスラッジの流れにあるサウンドがかなり目立つし、ブラックメタルやグラインドコアの流れも確実に存在する。そして大作志向と本当にフランスのバンドらしい徹底した美意識で完成度の高い作品を生み出したと言えるだろう。
 言うならば彼等の生み出す音は新たなる混沌だ。作品が始まった瞬間にハウリングノイズと共に幾多の雄たけびが木霊し、いきなり激烈なカオティックハードコアサウンドでブチ殺してくる。不協和音の洪水の中で幾多の叫びが血管ブチ切れるテンションで放たれ、カオティックなパートの変則的過ぎるキメや転調の嵐から一転してポストメタル・スラッジ要素の色濃くでたミドルテンポのフレーズへと雪崩れ込み、その中でもカオティック成分は全く衰えないし、しかし楽曲構成も分かりやすい起承転結で構成されてないから、いきなりクリーントーンの不穏なフレーズが入るし、エクスペリメンタル差を色濃く出したパートから再びカオティックな暴虐の限りを尽くしたり、聴き手を完全に突き放して置き去りにしてしまう。だが一貫しているのは彼等の放つ音は徹底してドス黒いし、第1曲と第2曲はそんなドス黒いヘイト全開のエクスペリメンタルカオティックハードコアが怒涛のテンションと混沌と美意識によって闇を膨張させて爆発しまくり、漆黒のカタルシスの連続だ。
 一方で第3曲はアンビエント・アコースティックのテイストがかなり強く、アンビエントなダークなコラージュをバックに、アコースティックな音色の爛れた美しいギターの調べがまた別ベクトルでの闇を生み出し、内省的なサウンドに力強いドラムとベースのポストメタル感出しまくりなビートが入り、最後はエクスペリメンタルな音の波状がドラマティックな闇の不協和音の先の美しさを生み出し、それでも最後の最後まで爛れたアコースティックなギターが耽美な世界を形成し、また別の方面での美意識も見事にアピール。そしてラストを飾る第4曲は実に22分にも及ぶ超大作だ。完全にスラッジコア色を全開にし、今作で一番の激重サウンドを繰り出し、エクスペリメンタルも不穏な静謐さも飛び出し、カオティック側からの壮絶なる地獄巡りを描くのだ。



 カオティックハードコアでありながら独自の進化を遂げ、カオティックを機軸に異質さのクロスオーバーを成し遂げ、それを徹底的にドス黒く描く。バンドとしてのテンションもダークさも美意識も高水準だし、カオティックハードコアの一つの可能性を提示した名盤となっているし、カオティックとしてだけじゃなくて、スラッジ・ポストメタル的な作品としても素晴らしい。また今作はbandcampの方でもname your priceで配信されている。



■Mappō/Sed Non Satiata

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 ちゃんと去年聴いてたら間違いなく年間ベスト上位に入れていたのに!!数多くの素晴らしすぎるバンドを多く輩出しているフレンチ激情だけど、その中でもDaitroともスプリットをリリースしており、Daitro同様にフレンチ激情の最重要バンドの一つとされているSed Non Satiataの2013年リリースの最新アルバム。こちらも傑作だった前作のS/T作品の流れを受け継ぎながらも、よりアグレッシブに、しかしより洗練され深みを増した現在のフレンチ激情でも屈指の完成度を誇る作品となっている。



 多くの繊細な旋律を生かした激情系バンドの様な疾走感は今作には無くて、楽曲はミドルテンポで進行する楽曲ばかりなのだが、その美麗の旋律を生かし、絶妙に歪みながらもドラマティックに徐々に突き抜けていく楽曲は確かなアグレッシブさを持ち、静謐なパートを生かしながら、その中で熱量を高めて時に爆発力の高さも見せる楽曲構成の完成度の高さが非常に際立つ作品。分かりやすい激情パートこそ少ないのかもしれないけど、そのメロディも構成も圧倒的な完成度を誇り、確かな説得力を持っている。
 のっけから重心の効いたミドルテンポのビートと美旋律の轟音と叫びが炸裂する第1曲「Extrospection」から分かりやすい疾走パートこそ無くても、その破壊力は十分だし、美麗のアルペジオの旋律と轟音ギターが楽曲を構成し、緊迫感と共にアンサンブルを構築していく美しさは堪らない。決してポストロック方向に振り切るのではなくて、あくまでもハードコア的粗暴さを持ちながら、アグレッシブに展開しながらも、同時にクリーンな旋律も聴かせてくるあたりが、このバンドの手腕の凄みを感じる。複雑に楽曲は展開していくけど、同時にドラマティックなエモーショナルさを放出しているし、ひんやりした緊張感の中の確かな熱さは見逃せない。第2曲「Sehnsucht」はよりエモーショナルな旋律と歌を聴かせる渋さに満ちた逸曲で、暴発するサウンドと共に泣きの轟音が感情を殴りにかかってくる、楽曲の構築美や完成度の高さもあるけど、ポストロック方向に行かなかったからこその、美しい泣きが直情的に押し寄せてくるし、それはSed Non Satiataの大きな魅力だし、それが今作では更に研ぎ澄まされているのだ。一方でインディロック的な完全に歌物になった第3曲「San Andrea」のクリーントーンで進行しながらも美旋律のエモーションが炸裂する様はバンドが新たな扉を開いた瞬間でもあると思う。
 作品も後半に入るとアグレッシブさ以上に、より聴かせる楽曲が目立つ。第5曲「Entropia」の静かに、でも確かに上っていくドラマティックさ、決してクリーンな方向に振り切らず、美しさの中から確かな歪みも見せていく様もナイスであるし、ミドルテンポのビートを生かし、断罪の様にアグレッシブなフレーズと叫びが生み出す悲哀が背筋をゾクゾクとさせ、中盤の美麗のアルペジオから爆発するドラマティックさを見せる第6曲「Nemesis」は今作の中でも特に気に入っている曲だし、8分にも及ぶクライマックスである最終曲「Soma」の幻想的な揺らぎから徐々にその旋律の熱量を高めて、最後はドラマティックに爆発していく様は見事すぎるラスト。



 Daitoro亡き現在、フレンチ激情の最前線で戦い続けるこのバンドの説得力や存在意義は本当に大きいと思うし、だからこそ生み出すことが出来た傑作だと思う。シーンの最前線にいるバンドだからこそ切り開いたフレンチ激情の新たなる道が今作であり、その完成度の高さは多くの人々を説き伏せるだけの説得力を持つ。



■Shelter/Alcest


Shelter (Digisleeve Edition)Shelter (Digisleeve Edition)
(2014/01/21)
Alcest

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 最早ポストブラックメタルの代表格とも言えるフランスのAlcestの2014年リリースの最新の4th。前作で郷愁の美しさを見事に鳴らしていたAlcestだけど、今作ではとうとうブラックメタルを完全に捨ててしまったと言える。前作からブラックメタル成分よりも郷愁のシューゲイザーサウンドが前に出始めていた印象を受けるけど、今作はブラックメタル成分は皆無、そのジャケット通り、完全に光を描く作品になった。



 今作でブラックメタルを切り捨てた事に戸惑いを覚える人は多いとは思うけど、僕は今作を聴いて、これは純粋なまでにAlcestの作品だと思った。最初期の本当にシューゲイジングブラックメタルだった頃の影はもう無いけど、でもAlcestが鳴らして来たのは一貫して幻想的な光だと思うし、これまではそのサウンドの核にブラックメタル成分を盛り込んだ手法だったけど、今作はそれを捨て去り、シューゲイザー要素がかなり前に出た。同時にドリームポップな浮遊感を加えた印象。導入の第1曲「Wings」から今作のリードトラックになっている第2曲「Opale」の流れだけで完全に聴き手は美しく懐かしい夢の世界へと誘われてしまうだろう。そのメロディ自体は前作と実はそこまで変わってないし、相変わらず卓越したメロディセンスを誇り、見事な美しさを感じるけど、これまでと違うのは、そのメロディからより光を感じる様になった事。前作の最終曲なんてとんでもなくあ爽やかで驚いたりもしたけど、今作はその流れを引き継ぎ、それをより明確な形に具現化している。正に一つの高揚と恍惚を感じさせる冒頭の名曲だけで完全に持っていかれてしまったよ。
 第3曲「La Nuit Marche Avec Moi」も完全にシューゲイザーサウンドだけど、こちらは少しばかりメロディに憂いを感じさせてくれて、ポップネスの中で絶妙な湿り気が良いアクセントになっていると思う。それでいてドラマティックなシューゲイジングする旋律とneigeの歌が優しく包み込んでくる。第4曲「Voix Sereine」なんてドリームポップな要素を更に押し出し、珠玉の旋律を生かした煌きのサウンドはまるでここ最近のANATHEMAとも繋がっているとも僕は思ったし、その包む音から轟音へと変貌する様は一つの物語としてあざとい位にドラマティックだし、それが良い。その中でも第5曲「L'aveit Des Muses」はポジティブな光を生み出す今作の楽曲の中でも少し異質で、湿り気の部分が色濃く出たメランコリックさはこれまでのAlcestやLes Discretsの流れにある楽曲で今作の中ではかなり異質な楽曲。眩い光だけじゃなくて、作品の中で確かな闇の部分を中盤に持ってくる事によって、作品全体のストーリー性やアクセントをしっかり出しているし、そんな楽曲でもAlcestの旋律の魅力は全然揺らがない。そしてその流れと確かにシンクロしながら第6曲「Shelter」というまた眩い光を描くシューゲイザーへと繋がっていくから凄い。
 終盤の第7曲「Away」はドリームポップなアレンジを施しながらも、アコースティックな郷愁と物悲しさが同居する名曲で、作品がクライマックスを迎えるのを予告しながらも、根本の部分でのAlcestの魅力を十分に伝えてくれる。そして最終曲「Délivrance」は実に10分にも及ぶクライマックスを飾るに相応しい大曲。轟音系ポストロック的な要素を盛り込んだ意欲的な楽曲であるとも思うし、そんなアプローチはより一層今作のサウンドを明確にし、郷愁とメランコリックが大きな波となって押し寄せる感動的過ぎる幻想の物語のクライマックスに相応しいし、これまでとこれからのAlcestを確かに繋いだ屈指の名曲だろう。



 アプローチとしては完全にシューゲイザー方面に振り切った作品だし、今作を大きな変化の作品だと捉える人は多いとは思う。でも僕は今作はアプローチが変わっただけで、Alcestというバンドの核は何も変化していないと思ったし、郷愁とメランコリックさと光を描く夢の様な轟音体験をより明確な形で表現したからこそのアプローチの変化だと思う。Alcestが持っている魅力は何も変わらないし、それはシューゲイザー・ドリームポップに振り切っても揺るがない。個人的にはここ最近のANATHEMAに匹敵するレベルの天上の音が今作にはあると思うし、それを支持したい。来日公演も決まっているし、また日本でALcestに会えるのを楽しみにしつつも、今作の夢の様な体験をまた噛み締めたい。絶対支持。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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