■タグ「ポジパン」

■ZERO/DEAD END


ZERO[+2](初回仕様限定盤)ZERO[+2](初回仕様限定盤)
(2009/12/23)
DEAD END

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 80年代に活動しジャパメタにもヴィジュアル系にも多大なる影響を及ぼした伝説的バンドであるDEAD ENDの89年八票の4th。PINKの岡野ハジメがプロデューサーを務めている。ジャパメタ要素はかなり影を潜めている作品でありコーラス多様の耽美なアルペジオを基調にしたギターワークが耽美なDEAD ENDの世界観と見事にリンクした楽曲が並んでおり、メタル路線からの作風の変化に当時は賛否両論が巻き起こったらしい。



 今作の楽曲は先ず非常に開放的な高揚感に満ちた楽曲が多い。第1曲「I Want Your Love」からもそれは伺えるだろう。ビートロックに近い感触の抜けの良いタイトなビートと動きまくりメロディラインをなぞるベースと時に泣きの旋律を聴かせるディストーションギターとコーラスによるクリアでありながら耽美さも持ったギターのアルペジオの親和性も非常に高いし、ストレートな歌唱を見せ付けながらもカリスマ性に満ちたMORRIEのボーカルが正に精神への開放と空へと飛び立つ様な高揚感を見せ付けてくれる。個人的には当時のポジパンの影響も伺える部分も多く、開放的な楽曲と同様に持ち前の妖艶さを失っていないのも大きなポイントだと言えるだろう。第5曲「Crash 49」の流麗な旋律を最大に生かすクリアなギターワークが生み出す妖艶さにも惚れ惚れしてしまう。勿論その演奏技術は折り紙付きであるし、その演奏技術を表現力へと変換する彼らのバンドとしてのポテンシャルは本当に高い。今作の中でもメタル色の強いリフとビートロックとポジパンを融合させた第3曲「Baby Blue」、パーカッシブなビートを取り入れながらも、それに反して性急さが鼓動を速くする今作で最もドロドロとした第8曲「Promised Land」とそれぞれの楽曲の完成度も非常に高く、統一された世界観に引き込まれる事は間違いない。泣きまくりなギターソロが炸裂する第10曲「I'm In A Coma」とクラシカルかつ壮大なスケールに圧倒されそうになる第11曲「Serafine」の終盤の2曲の流れはDEAD ENDがバンドとして本当に完成されている事の証明だ。



 今作は実に20年以上前の作品であるが、古臭さというのは皆無であり、90年代に巨大なムーブメントを起こしたヴィジュアル系のバンド達に本当に多大なる影響を与えた事が今作で知る事が出来る。広大なる開放のスケールで描かれる美しい旋律とMORRIEのボーカルが聴き手を飛翔へと導く1枚。きっと今作はあまりにも早かった作品であったと思ったりもするのだが、今だからこそ今作がもたらす衝撃は大きい。



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■Esoderic Mania/黒色エレジー


エソデリック・マニアエソデリック・マニア
(1993/10/25)
黒色エレジー

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 80年代後半に活動していた岡山の女性ボーカルポジパンバンドである黒色エレジーの93年にSSEからリリースされた全音源を網羅したディスコグラフィー的作品である。ポジパンやゴシックと呼ばれるジャンルの中でも「和」のテイストを色濃く感じる黒色エレジーは中々異端な存在であり、ポジパンの流れを感じながらも日本人ならではの耽美さを感じ、それでいて骨太なバンドとしてのアンサンブルがずっしりと構築されている。



 コーラス・フランジャーを多用しまくったギターワークや、メロディラインを弾き倒すベースなんかから王道のポジパンの流れはあるのだが、パンク・ハードコアな力強さを楽器隊の演奏から確かに感じるし、「和」のメロディラインからは日本神話的な物を想起させられる。その妖しきメロディに古き歌謡曲の様なキャッチーさのテイストも盛り込まれていて、あくまでもアプローチはシンプルでありながら、そこに日本人らしいわびさびが確かに存在しているのだ。
 Voのキョウコはか細く繊細なウィスパーボイスから、重々しい威厳すら感じる古代の巫女の様な太い低域の歌声まで幅広く使いこなし、楽曲の世界観を揺るぎない物にしている。キョウコはさながらイタコの様であり、楽曲に宿る精神世界の精霊達の感情や声を自らの声で代弁しているかの様だ。
 第3曲「花粉犯罪」、第4曲「夢の成る頃」はバンドのタイトな演奏とキョウコのボーカルが色濃く結び付き、哀愁と神話的世界が確かな物として存在している良曲であるし、今作で最も歌謡曲テイストが強い第13曲「神々のレース」での精霊と式神達が全方位に自由に飛び回るかの様な幻想的躍動感はこのバンドにしか出す事の出来ない世界観だと僕は思う。



 ポジパン・ゴシックの耽美な空気を思い切り吸い込みながらも、そこに捕らわれず独自の美意識をしっかり自分達のサウンドにブチ込んだ黒色エレジー。和製ゴシックならではの日本神話的世界と、パンクとしての芯の強さは一つの線になっているのだ。
 寓話の様な妖しく甘い耽美な幻想世界をここまでブレ無く描いた黒色エレジー、もう20年近く前のバンドではあるが彼女達の謡う寓話は今でも確かな妖しさとオリジナリティを持っている。

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AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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