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■isolate、Andoロングインタビュー

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 isolateとは激情系だとかポストブラックメタルだとかカオティックだとかハードコアだとか、そんなチープなカテゴライズなんて不可能なエネルギーである。今年遂に待望の1stアルバムである「ヒビノコト」をリリースしたが、「ヒビノコト」は間違いなく2014年の最新で最強のハードコアアルバムになったと言える。元々は叙情系ハードコアのバンドとして始まり、これまでにEPやスプリットのリリース等を重ね、DEAFHEAVENやMilankuといった海外バンドとの共演、昨年の完全自主でのThe Secret招聘など、これまでに様々なアクションを起こしては来たけど、「ヒビノコト」でisolateはEnvyやheaven in her armsといった国内激情系最高峰と呼ばれるバンドとタメを張る存在になった。
 とにかくisolateは全てが極限なのだ。炸裂する轟音、暴走するブラストビート、雄叫びのみで吐き散らす言葉、時にはメンバーが怪我をしてしまう位にハイボルテージなライブ、常にフルスロットルでしか無いし、様々な感情の色彩の坩堝が生み出す黒はisolateにしか生み出せなかった物である。初めてライブを観た時の衝撃は今でも生々しく覚えているし、そしてライブを重ねる毎にとんでもない進化を続けている。「ヒビノコト」という極限まで重苦しく美しいハードコアの傑作を生み出し、そしてリリースツアーにてライブと言う名の惨劇の数々。本当に各地で熱い激音を放って来た。
 そんなisolateのリリースツアーもいよいよ12/21の渋谷eggmanでのツアー ファイナルを残すのみになったが、ツアーファイナルを控えたタイミングでisolateのボーカリストであるAndo氏へとインタビューを敢行した。バンドのこれまでよこれから、「ヒビノコト」について、ライブについて、色々と聞いたし、ツアーファイナル直前というタイミングでのインタビューだったのも良い事にリリースツアーを振り返って頂いたりもしている。東京暗黒重速歪音楽団の肩書きを持つisolateが何故常に100%以上のエネルギーで激情を生み出しライブをしているのか、その必然に迫ったし、当ブログ初のメールインタビューでは無く対面でのインタビューだったのもあって、これまでのインタビューとは大分空気感が違ったりもするけど、isolateが放つ激轟音のリアルが少しでも伝わればと思う。

※因みにAndo氏にインタビューをした際にweeprayのベーシストである阿武氏も同席しており、阿武氏も色々とAndo氏に聞いていたので、今回スペシャルゲスト阿武氏という事で、阿武氏とAndo氏のやり取りも掲載してます。



・まずisolateの結成からの経緯を教えて下さい。

 俺が就職で東京に出てきて、ALCATRIZE RECORDSの掲示板でメンバー募集をして、TH(Gt)や前のメンバーが来て、それでメンバーが揃ったのかな。
 でもメンバーが抜けたりとかあって、前のドラムのボンバーの先輩だったIkeya(Dr)が入って、ベースが中々見つからないなって思ったら、俺がKokeguchi(Ba)のやってるregret griefのライブを観て「こいつだ!!」って思ってギターだけどベースで入って貰った。

・元々は叙情系ハードコアのバンドだったんですよね。

 その時ね、俺もTHもIwata(Gt)もMisery Signalsとか好きだし、ニュースクールだったらHeaven Shall Burnも凄い好きだった。他にも色々好きなのはあったけど、そんな感じなのやろうよってやってて、デモができたの。で、その後に当時のドラムだったボンバーがCOHOLに入ってブラスト出来る様になって、じゃあブラストの曲やろうよってなって、THもその当時はSenseless ApocalypseとかJAPとか好きだったから、そんな曲を作る様になって、今の音楽性に変わった。前身バンドからisolateを名乗り始めたのは2007年かな。

・元々は激情系とかポストブラック的な感じでは無く。

 そうだね。でもメンバーはみんなそういう音楽は好きだったよ。THなんてHeaven In Her Armsの上手ギターのKatsutaが大学のサークルの先輩だったし、THはKatsutaの影響を凄い受けているし、勿論COHOLもその頃から仲良かったし、俺もやっぱりボンバーがgauge means nothingやってたから、その周りのバンドを凄く聴いていたし、激情系とかも色々聴いていたと思う。

・僕は1stEPである「limitasolation」でisolateに初めて触れたんですけど、その頃には今の音楽性は確立していた感じで、isolateっていうバンドの基盤は出来ていたと思います。

 基盤っていうか、あの頃はまだ足し算の世界だったの。「あれやって、これやって、これじゃ足りないからこれ付け足して。」って、どんどん難しい方向に行ってた。そういう意味で今とは違うね。
 今はどっちかって言うと「あれ引いて、これ引いて、これ邪魔だからこれ止めて、でもこれは残しておこう。」って引き算って感じで。だからスッキリはしているのかな。

・昔の方 が曲も今より長くて情報量も多い印象でした。去年リリースしたEPである「また創るその時のために」で大分変わった気がします。

 あのEPは曲のネタはTHが持って来たけど、結構みんなでガッツリとスタジオで作り込んだんだよね。でも作ってる時にはThe Secretを呼ぶのは決まってて、俺もTHもThe Secretが好きだったから、良い意味でThe Secretの男臭さを出したかったなっていうのもあって、あのEPが生まれたのかな。

・そして今年リリースした「ヒビノコト」を聴いて、最初に感じた印象はとにかく「強い」って印象でした。バンド全体の音が凄い重くなっていましたし、バンドとしてアンサンブルが凄い洗練されたと思います。

 「ヒビノコト」は曲自体はTHが全部一人で作って来たの。三ヶ月で11曲書いて来たのかな。それに対して他のメンバーの準備は万端では無かったのよ。俺も歌詞書いて無かったし。Ikeyaは手と足を別々にレコーディングしているんだけど、今は全然出来てるけどレコーディングの時はまだまだ叩けていなかったから、ドラムはOKテイクが出るまで結構時間がかかったね。
 元々ガッチリしたアルバムにしようって話はしていたから、ドラムもクリックに合わせて録った。ベースとギターはそれぞれの要望をエンジニアさんと相談して、そういう意味では完成された物になるべくしてなったと思う。無駄な事を一切許してくれないエンジニアさんだったから、弾かない弦の音はガムテープで一個一個ミュートしたりしてたよ。そんな感じで「ヒビノコト」が出来た。

・「ヒビノコト」はこれまで発表した作品とやっぱり違って、アルバムで一つの作品として統率されてますし、歌詞のテーマも今まで以上に明確になってますよね。歌詞は確か「七つの大罪」をテーマにしていますよね?

 そうそう。曲に関してはTHが一人で作っ てたから、彼は彼でそこで統一性を持っていたのね。それでラフミックスを聴いた時にメンバー全員でこれで良いってなって、その時に曲順は決まったの。
 曲順決まってレコーディングが始まった時には、コンセプトは自分の中であったと思うの。でも、レコーディングが進んでTHのギター録りが始まる位の頃になってるのに歌詞がまだ一曲書けてなかったの。

・そろそろヤバイぞ的な。 

 うん。でも、どんなに捻り出しても書けないんだよ。で、その頃に丁度仕事が三日間休みになって、実家の商売が忙しい時期だったから、実家の手伝いと気分転換も兼ねて帰省したの。
 帰省して一日目は何も書けなかったんだけど、二日目に手伝いが終わって、ふと頭 に浮かんだの。撮る曲って11曲あって、11曲って計算したら7+4なんだよね。3曲導入にして、1曲を最後のエピローグにして、じゃあ7つ余るじゃん?その時に思ったのよ。
 俺が浪人生の時にブラットピットの映画で「セブン」が凄く好きだったの。絶望で終わる奴ね。それで7+4って11じゃんってなって、その時に「七つの大罪」ってテーマが出来て、そしたら頭が一気に回転したの。だから親父とお袋がテレビ見てる隣で俺は叫んでた。

・うっせーみたいな。

 そうそう。「うっせー!お前もう帰れ!」って言われた。帰りもずっと新幹線の中で一人でずっとわーわーやってて。それで二日で8曲分の歌詞書いて、最終日に大阪に遊びに行って、んで帰りの新幹線でまた2曲 書いて、最後残ってた「歪」って曲の歌詞をスタジオで書き上げた。それで完成。後は歌いながら色々帳尻合わせたりとかしてたけど、その時にアルバムのコンセプトは完全に確立できたかな。
 
・それが何故「ヒビノコト」になったのでしょうか?

 レコーディングが終わってラフミックスが終わって、聴き直したり歌詞を読み直したりした時に、凄くダークな事を書いているけど、実際生活ってそうじゃない?会社の上司にムカついたり、政治家は何やってるか分からねえとか、給料が安いだとか、飯食ってて美味くねえとか、金払っているのに何だこの接客はとか、そんな不平不満が一杯あるじゃん?

・それは凄い分かります。

 そん な事を言っている時に、周りじゃ戦争やってたりとか、日本嫌いだとか、それって毎日の出来事と一緒じゃん!って思った時にアルバムのタイトルどうしようかって思って、京都にいるアコースティックデュオの高鈴っているの。高鈴に「ヒビノウタ」ってアルバムがあって、その中に入っている「愛してる」って曲は夏目友人帳ってアニメのエンディングテーマなんだけどね。その「ヒビノウタ」ってアルバムタイトルを思い出して、カタカナでアルバムタイトルって凄いしっくりくるなってなって、それなら俺は毎日の事を歌っているし、歌詞は突拍子も無い所もあるけど、結局生きていくってそんな物だろって思った時に、これっていつもの事なんじゃないってなって、タイトルは「ヒビノコト」にした。
 それを平仮名にするかカタカナにするかはメンバーの中で議論があったけど、最終的に「ヒビノコト」ってカタカナのタイトルになった。因みに平仮名が良いって言ってたのはIkeya。メンバーはみんなカタカナが良いって言ってたけど、Ikeyaだけ「カタカナだと堅い!!」って言ってたのよ。でも漢字にするのはみんな嫌だったの。

・ジャケットも凄い印象的ですよね。

 ジャケットはsewiの河野が描いてくれて。ジャケに関しては、その時にDEAFHEAVENの二度目の来日ツアーが終わって、その前にリリースしたDEAFHEAVENの2ndのジャケットを見て凄い感銘をうけてさ、俺らも今度は絶対に白黒のジャケットは止めようって思ってたの。
 それでDEAFHEAVENの来日公演が終わった 後に、BorisのAtsuoさんが見に来てて、僕らのDVDとかまた創るとかを渡したのね、その時に「白黒は良くも悪くも白黒にしかならないんだよ。」って言われて、その時にジャケットに色々な色を使おうってのが決まったの。それで「俺達だけど、俺達らしくない色にしてって。」凄い漠然としてるけど、そんな注文を河野にした。

・結果、凄い毒々しく禍々しいジャケットになりましたけど、でも「ヒビノコト」のテーマに凄い合っていると思うんですよ。

 そうだよ。色の一個一個が日々の事の一個一個の出来事でさ。凄く落ち込む暗い日もあれば、真っ赤に燃え上がる日もあるし、秋が来ればちょっと哀しくなるような黄色とかオレンジが欲しいなあって思う時もあれば、そう いう意味合いも俺の中では完成してて、完成したジャケット見て、良いなって思ったからあのジャケットで行こうと思ったの。

・喜怒哀楽なんですよね日常って。日常をテーマにした曲って、「怒」と「哀」をテーマにした曲が多いと思うんですけど、「喜」とか「楽」の部分はあんまり触れられてませんよね。ある意味ではカウンターなのかもしれませんね。怒りや哀しみがあるから日常だという。それを歌詞を読んで思いました。

 歌詞には「喜」と「楽」はあんまり無いけど、それに関してはジャケットで表現したつもり。

阿武(weepray):でもさあ、最初速い曲ねえよって聞いていたけど、出来た盤聴いたら速い曲しか無くて、「やりやがったなこいつら! !」って思ったよ。

 デモの段階では速い曲は無かったの。そう感じてたの(笑)ヒットチューンになる様な曲も無かったし。でも、結果的に録ってみたら速かったの。BPM変えてないのに、体感が速かったのよ。
 BPMは確かに元から速かったけど、それでもまあまあマッタリしてて良いんじゃないって。何で良いんじゃないってなったのは、前のEPの「落日」だったりとか、「狂う影に合わせて」だったりとか、どっかでみんなが盛り上がってくれる曲があるから、それを引き立てられる曲を作ろうって、ライブの事を考えてそうなったの。

・でも結果的には昔の曲は殆どやらなくなってと。個人的には音が重くなったから余計に速く感じる様になったのかなって。

 それはあると思う。

阿武(weepray):個人的にはDownfall Of Gaiaとか、Light Bearerとかそういう感じの曲を持って来てると思ったけど、アルバム聴いて「そういう事なのね!」ってなったよ。

 デモの段階だと遅く聴こえたのは事実なの。だから結構スルメなアルバムだって思ってた。でも録り進める内に、やっぱりレコーディングマジックってあって、 THのギターが録り終わる位かな?エンジニアの人が「歴史的名盤にしましょう!!」って凄い力強く言ったの。
 俺もアルバム作る段階でメンバー全員に言ったのは、今も良いって思われたいけども、結局俺たちが死んだらCDって誰かが持ってて、残るんだ。俺たちが解散したりとかして、10年経った時に良いって思われるアルバムにしようって気持ちがあって、その中で目標にしてた一枚がEnvyの「君の靴と未来」。だから作る段階でその想いを持ってやってたから、その時のエンジニアの言葉は、その気持ちをより高めてこうってなった。そんな感じでレコーディングは終わって、「ヒビノコト」が出来たのかな。マスタリングも色々あって、当初予定してた所と違う所でやったし、お金も使ったけど、人 にも恵まれて出来たアルバムだと思う。

・一つの集大成ですよね。それとやっぱ1stだからこそ良い作品にしようっていうのもあったのでは無いですか?

 そうだね。でも1stを良くしようって意識よりも、実はIkeyaやKokeguchiと違って、THとIwataはisolateが初めてのバンドなの。isolateが最初のキャリアだし、恐らくはisolateが最後のキャリアになると思うの。isolate以外でサイドプロジェクト的なのはこれからやるかもしれないけど、でもパーナメントに本気で活動するバンドはisolateで最初で最後だと思うの。
 アルバムはこれからも作っていくけど、その一枚目だから「まあ良くて当たり前でしょ?」っていうのはあったと思う。それで1st作るまでに7年かかちゃって、7年ってさ 、前身バンドから数えると2006年からだから8年で、結成当初19歳だったTHとIwataがアルバム出す時に27歳だよ。凄くこう…感慨深い物があるよ。まあ…無意識に意識はしていたのかな。それはあると思うよ。

・そういう意味でも「ヒビノコト」はバンドとして積み重ねて来た物。日常生活の中にisolateってバンドがメンバーさんのそれぞれに存在してて、今までやったライブや作った音源も含めて「ヒビノコト」って一つの到達点なんじゃないかってのは何となく感じました。

 あるある、それは勿論あるよ。俺もIkeyaも飽き性だから、早くちゃんとした音源出さないと飽きちゃうと思ったし、それはあると思うよ。

・それで「ヒビノコト」をリリースして、後はフ ァイナルのみですけどリリースツアーで全国回ったりとか、東京でも色々なイベント出たりとかあったじゃないですか、今までのライブと何か変わった事ってありますか?

 ライブとしては変わらない。俺たちの熱量は1000円のライブだろうが3000円のライブだろうが、機材が全然置けない様なハコでやろうが、広い所でやらしてもらおうが、それは変わらない。
 新潟はベースアンプ一個置けなかったし、沖縄も自分達の持ち込みの機材じゃないし、アンプだって全然足らなかったし、それでもいつもと変わらない気持ちでやったからさ。出音に関しては自分たちで考えれば良いし、それはあんまり変わらないかな。途中で出たグラインドフェスにしても、Milkcowの冬眠ライブにしても、weepray企画にしてもそれは変わらない。結局一本は一本だから。

・ライブの一本一本で常に全力を出すと。

 そうそう。それは絶対に変わらない。AKSKさー、ラーメン食いに行くじゃん。800円出して味も大した事無いわ接客も悪いわってなったらムカつかない?

・ムカつきますね。

 ね。俺らはラーメンなんだよ。お客さんは2000円なり3500円なり払って来る訳だよ。だったらその時に演奏が良いとか悪いとかは勿論ばらつきは出るんだけど、自分達のその時の100%を見せてあげないと折角お金払って来てくれてるのに失礼じゃん!!
 だからそれが良いか悪いかは別として、履き違えているかもしれないけど、俺もライブ中に怪我するし、機材もたまに壊れるし、それでもみんなが「すげえ!!」って盛り上がれるから、そういうライブをしている。

・ツアーも何本か足を運びましたけど、毎回ライブを観て思うのは常に120%しか出してねえみたいな。100%以上しか出してないってのは前以上に強くなったと思います。前も100%以上のライブをやってましたけど、更にハイボルテージで限界突破なライブをやる様になったと思います。

 結局俺らってバンドで飯食って無いじゃん?音楽のプロじゃないし、悪く言えばっていうか当たり前なんだけどアマチュアなんだよ。趣味だし。でも趣味以上の本気の熱量はあるんだけれども、プロじゃないし毎日ライブしないからさ。週末バンドだから「週末一日位は体痛くても良いじゃん!!」って事。
 それがもし俺らが毎日ライブやるツアーバンドだったら、あんなライブは絶対にしないと思う。それは完全にもっとショーマンシップに乗っ取って、スマートであったりとか、格好良く魅せたりとか、商品として確立できるライブをしないといけないと思うの。そこには何処かしらで必要なナルチシズムもあると思う。でも俺たちはそういうバンドじゃないからさ、だから一回一回濃密にして、人がドン引きしても自分達が納得出来るか、お金払ってくれた人たちが「良かったよね!」って。「今日来て良かった!」って思ってくれるのが大事なの。

・結果として全身全霊でライブをしているからこその、パフォーマンスという言い方は変ですけど、メンバー全員の アクションがブチ切れているとか。凄いザックリとした言い方になりますけど、ハードコア的で、メンバー全員ブチ切れてて、客も凄い盛り上がってみたいな。音楽性は分かりやすいかというと違うのかもしれませんけど、結果としてメンバーのテンションが客に伝わって、お客さんも盛り上がって拳上げたりとか、モッシュしたりするんですよ。

阿武(weepray):それでアルバムを出してツアーやってライブでアルバムの曲をやって、アルバムの曲に対して取り組み方とか解釈って変わったりした?

 「解纜」と「閉ざされた中で」と「航路の先」の3曲は、「この流れめっちゃ素敵やん!!」ってなって、これは変えたくない。後は自分たちの中でコンセプト強かったから曲順変えづらいってあったの。でもその3曲以外は意外と組み変えられるなって。それはライブやってて変わった。後はweeprayのボーカルの笠原に「そろそろセット変えて。」言われて、グラインドフェスの後かな。そっから色々変えるようになった。

・weepray企画でも頭から「狂う影に合わせて」でしたもんね。

 だからツアーファイナルは色々やります。セットも長めになるから、そこはお楽しみで。勿論全機材フルセットでやる。Ikeyaが新しいドラム買ったらしいから、そこも乞うご期待。

・それでは最後の質問に。今年は「ヒビノコト」リリースに、リリースツアーとあって、年末にツアーファイナルで2014年はキッチリ終わるじゃないですか。2015年のアクション はどうなりますか?

 来年はライブに関しては減らします。一個は2ndアルバムを作るため。もう一個はさっきも言ったけど俺たちは週末バンドで、平日はみんな仕事しているし、家族がいる奴もいる。そんな中で今年は9月から12月のツアーファイナルまで詰め込んだのね。ほぼ毎週ライブで、ライブが無い週末は二週間だけかな?そんな中でみんな一回、自分の生活を見つめなきゃいけない時期になったのね。 だからライブは出れる物は出るけど、isolateとしては制作期間もあるし、でも一回落ち着かないとバンドが続かなくなるし、だから来年に関しては少し落ち着きます。
 でも忘れてもらっちゃ困るのは、落ち着くけど新しい事もやるよ。ライブも本数が少ないだけで、一回一回は濃密にする。

・より濃い物を作る為の助走期間として。跳ぶ為の。

 そうだね。やっぱり俺達は音楽で飯食ってる訳じゃ無いから。でもその一回一回を適当にチャラチャラやって、「わー!楽しかったね!乾杯!!」っていうのにはしたくないの。だから一個一個濃密に…お金も時間もかけて来たからさ、自分たちとしても結果が欲しい訳よ。
 それは広いライブハウスでやれる事もそう!狭い所でお客さん入って無いけど、30人しかいなかったけど30人全員が滅茶苦茶盛り上がってフルモッシュして汗だくで帰ってくれるのもそう!それも結果!その一個一個は人として捉え方は違うけれども、自分達で受け止めれる物が最大限に盛り上がれる様にやって行きたいから来 年はまた準備期間かな?でも再来年はもっと楽しいかもよ?



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2014/12/21 at 渋谷eggman
isolate ヒビノコト Release Tour Final

isolate
COFFINS
SLIGHT SLAPPERS
THINK AGAIN

OPEN 18:00 START 18:30
PRICE: ADV/DOOR 2500yen / 3000yen








【オフィシャルサイト】http://isolate-all-2007.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/pages/Isolate-Japan/361533340527312
【twitter】https://twitter.com/isolate_tokyo
【Soundcloud】https://soundcloud.com/isolate_tokyo




photographer : ミツハシカツキ
https://www.flickr.com/photos/xscherzox/



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ヒビノコトヒビノコト
(2014/09/10)
isolate (アイソレイト)

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■ヒビノコト/isolate


ヒビノコトヒビノコト
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 2014年最重要作品だと思う。激情系ハードコアの新たなる未来を生み出し、多くの人気を集めていたisolateがいよいよ1syフルアルバムをドロップした。全15曲39分、リリースは勿論KEEP AND WALKから。これがもう最強の一枚になっている。単なる激情系ハードコアではない、単なるブラッケンドハードコアでは無い、これまでリリースされた作品も勿論素晴らしかったけど、それすら生温く聴こえてしまう位に、今作は暗黒も激烈さも痛みも美しさも轟音も全てが桁が違う。激・重・暗・美・裂・黒だと?そんな言葉じゃ表せない何かが確かに存在していて、そんな化け物に付いた名前が「ヒビノコト」ってのはまた凄いと思う。THE SECRET招聘、DEAFHEAVENとの共演といった経験も生かし、それを最高の形にした大傑作だ。



 しかしこのアルバムは本当に極限過ぎて、理解がまだ追いつかない。手法自体はこれまでと大きく変化したって訳では無い。安藤氏の日本語での痛々しい叫びのボーカルも、ツインギターの轟音トレモロも、熾烈なるブラストもこれまでの作品にあった要素だし、今作もそんな音が大きな比重を占めている筈なんだけど、先ずは音圧がこれまでの作品に比べて明らかに凶悪になっている。これまでのシューゲイジングブラックな轟音とは違って、よりブラッケンドな極悪で重くて黒い音に変貌したのは今作の大きな進化点であると思う。またインタールードの4曲を除いた全ての楽曲が常に轟音とブラストと叫びの織り成す休む暇なんて全く無い激音でしかなく、クリーンな音はほぼ皆無。また初のフルアルバムという事もあって、歌詞もそれぞれの楽曲が繋がっていて、作品で一つのテーマを歌っている様にも思うし、何よりも激音に続く激音なのに、作品全体で明確なストーリーが存在している。また個人的に今作は四部作になっていると思っていて、それぞれのインタールードの楽曲を皮切りにそれぞれの章が始まると言う形式になっていると思う。終末の始まりを描く第一部、美しさを描く第二部、激音を極めた第三部、そしてクライマックスであり終末の第四部と言う形式だと僕は感じた。
 SEの第1曲「鼓動」が終わり、第2曲「解纜」が始まった瞬間にトレモロの轟音が耳を壊しに来る。美しく咲き乱れる轟音と共に、最初からクライマックスとばかりの美しき音の連続はスケール感がこれまでと桁違いだ。随所随所のブラストビートが楽曲を盛り上げ、美しき旋律が際立つのに、何でこんなに苦しくて悲しい気持ちになってしまうのだろうか。そして第3曲「閉ざされた中で」からは完全に地獄。常にブラストが暴走し、弦楽器隊の音も一転してBPMが速くなり、約1分をファストに燃やし尽くす。第4曲「航路の先」はこれまで以上にブラッケンドな音を感じさせ、よりブラックメタルに接近した音を聴かせるんだけど、他のブラッケンドと全然違う感触を覚える。それぞれの音の輪郭は明確でありながら、肉体を刻む音でありながら、同時に精神を蝕んでいく。HEXISの様な暗黒ブラッケンドともまた違うのは、isolateの持つメロディの美しさが熾烈なる楽曲でも見事に生かされているからだろう。激烈になればなる程にそれはより際立ち、そして終末の始まりを見事に想起させる。
 インタールードである第5曲「安堵の時」からの第6曲「蝕」は一転して、今作のダークな深層へといよいよ入り込む、人間の奥深く先にある負の感情を抉り取り暴く様な言葉とギターの音が素晴らしく、今作は「暴く」作品である事を感じさせられてしまった。第7曲「欲で着膨れする」はまた一転して空間的エフェクターを使いまくったアンビエントな音色を使いこなし、更に深みと奥行きを感じさせる音に仕上げ、そこからドラマティックに暴走するサウンドは今作の中盤のハイライトだと言えるし、激しさの中の黒の美学としてのisolateが炸裂しまくっている。第8曲「美徳の勘違い」も激音だけじゃなく、不穏でクリーンなアルペジオのフレーズを見事に生かし、今作で最も音色が綺麗で、ここまでの熾烈な音の連続にこう来てしまうともうどうしようも無く胸を締め付けられてしまう。
 第9曲「空白の至福」というインタールードを挟み、第10曲「裏側の微笑」は一転。ドス黒い濁流の音色へと再び変貌し、今作でも特に激烈な地獄が始まる。続く第11曲「屁理屈」も第12曲「薄氷上」もショートでファストであり、今作の中でも特に速さと激しさが際立っている。断罪の様にトレモロをひたすら刻みまくり、ベースとドラムのビートも業火の様に焼き尽くす。特に「薄氷上」の破壊力はこれまでのisolateの楽曲の中でも最強クラスであり、全ての音が真っ逆さまに落下している。落下角度もなんかおかしいし、しかも一瞬の落下ではなくて、とんでもない速さで終わり無く落下していく感覚なのだ。何か自分で何言ってるか分からないけど、多分富士急ハイランドの高飛車以上のカタルシスがこの瞬間に間違いなく存在している。
 第13曲「雨音の隙間に」からのラスト2曲は本当に素晴らしい。第14曲「歪」は今作で最も終末感溢れるメロディが存在し、トレモロとクリーンなギターフレーズが織り成す闇のハーモニー、ただ歪んでいるだけじゃなくて、ただ美しいだけじゃない。激と美の最終進化形態であり、この音にはただ飲み込まれるしか無くなってしまう。そして最終曲「終末」はクライマックスの連続であった今作の最後を飾る真のクライマックスであり、そして安易な感傷や感動なんて粉々に粉砕する無へと還るしかない絶望の終末だ。今作のそれぞれの楽曲のエッセンスを持ち、そして最後は激音の果てに2本のギターのみになり、それがレクイエムを奏でる。そして作品が終わった瞬間に聴き手はただ取り残されるだけなんだ。



 その音も、言葉も、本当に規格外過ぎるし、正直ここまで凄い作品を作り上げるとは思っていなかった。これまでも新たなる激情・カオティックを鳴らすバンドとしてisolateは圧倒的な存在感を放っていたけど、今作でそれは確固たる物になったと思う。紛れも無くisolateにしか生み出せない作品だし、39分間が本当に一瞬で過ぎ去ってしまう。この激音の洪水の先に安易な救いは無いし、悲壮感溢れまくっているのに「ヒビノコト」なんてタイトルを付けたのは本当に大きな意味を感じたりもする。東京暗黒重速歪音楽団の肩書きはハッタリなんかじゃねえし、これは真髄の音だ。この怪物の音はもう形容すらさせてくれやしない。極限の熾烈なる美しき黒の濁流。もうそれでしかないのだ。



■Sunbather/Deafheaven


SunbatherSunbather
(2013/07/12)
Deafheaven

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 これがブラックメタルのジャケットかよ!?って言いたくなる位にオサレサブカルなジャケットだが。これポストブラックのアルバムのジャケットです。先日の来日公演も本当に多くの集客と、その素晴らしいパフォーマンスで大絶賛・拍手喝采だったサンフランシスコの激情ポストブラックメタルバンドであるDeafheavenの2013年リリースの2ndアルバム。今作もリリースは前作に引き続きDeathwisから。



 今作はPitchforkをはじめとする多くのメディアで大絶賛され、日本でも今作を切欠に一気に知名度を広め、普段ブラックメタルを聴かない層まで取り込んだ作品だけど、同時にそのヒップスターブラックの最右翼具合から多くのdisを浴びたりもした問題作だったりもしたんだけど、僕自身はDeafheavenというバンドにブラック云々っていうのは野暮だとすら思うのだ。確かにブラックメタル要素はあるけど、極限までポストブラックな作風は原理主義者からしたら無いのかもしれない。でも美轟音と共に放たれる激情のカタルシスの美しさが本当に素晴らしいのだ。
 轟音系ポストブラックと言えばWolves In The Throne Room辺りのバンドが出てくる人が多いとは思うけど、今作はそれらのバンドと比べても明らかに洗練されまくっている。前作と大きく路線は変わらない筈なんだけど、2ndで爆発的に変化を感じさせるのは持ち前のメロディセンスを最大に生かし、ブラックメタルらしいブラストとトレモロの熾烈なる応酬が存在しながらも、同時に全ての音がポジティブに解き放たれている。第1曲「Dream House」の時点で彼らの進化は明らかで、胸を掻き毟りる青き旋律のトレモロリフからブラストビートが入りより熾烈に、より強く、より青き激情を放つ様になったサウンドが鼓膜と心に突き刺さる。フロントマンのジョージ君のボーカルこそポストブラック感溢れるがなり声ボーカルではあるけど、洗練された美旋律の応酬の中では見事に湿り気ある激情の体現者となり、またバンドサウンドと自然に融和しているのだ。バンドとしてのスケール感を格段に向上させ、楽曲のストーリー性や構築美を研ぎ澄まし、静謐なパートでの落とし方も更に上手くなり、楽曲全体でクリアな轟音系ポストロックを思わせるアプローチを導入しつつ、全体の音はあくまでもソリッドな攻めの音だから、より凄まじいカタルシスが生まれるのも事実。そして最後はここぞとばかりに轟音がピリオドの向こう側へと突き抜けていく瞬間は、もう熱くて熱くて最高だ。
 また今作はメインになる長尺の楽曲4曲を機軸に構成され、その合間にインタールード的なインスト3曲が収録されているけど、そのインストの楽曲は完全にポストロックな曲であり、クリアな旋律を剥き出しにした第2曲「Irresistible」、Alcestのネージュ大先生の朗読とアンビエント・ドローンkらノイズ、そしてアコースティックへと形を変える第4曲「Please Remember」、アンビエントな揺らぎを見せる第6曲「Windows」も今作を構築する大切なピースとなっている。そして第3曲「Sunbather」だが、こちらはより激情系ハードコアの要素を強くし、のっけの轟音のフレーズから痛々しさ全開のメランコリックさにやられそうになるし、よりソリッドに、より熾烈になり、ダークな感覚を感じさせ、今作の中でも特にブラック色が強い楽曲であるにも関わらず、行き着く先は開放と救いであり、轟音系激情系ハードコアのそれでありながr、非常にドラマティックな楽曲構成の素晴らしさを知る。
 今作でも一番の長尺である14分以上の大作「Vertigo」はメランコリックなアルペジオが非常に印象的でそんな静謐さからドラマティックな轟音系ポストロックの様に楽曲は展開し、シューゲイジングしまくるギターフレーズに酔い知れていたら、モダンヘビィネスな味付けのギターリフと研ぎ澄ましたギターソロ、そして怒涛のブラストとトレモロの絶頂具合!!14分の中で起承転結を明確にし、一つのストーリーを描くんだから堪らない。そして個人的に今作で一番大好きな最終曲「The Pecan Tree」は今作でも特に激情に振り切った名曲であり、冒頭からシューゲイジングするトレモロとブラストとジョージ君の痛々しくて自己陶酔感あるボーカルが三位一体で攻めまくり、そんな前半から後半からラストにかけては多幸感溢れるサウンドの高揚感の連続で、本当に聴き手を「heaven」へと誘ってしまうのだ。



 多くの絶賛も批判も浴びた今作だけど、こうしてリリースから一年が経過し、来日公演を観た今になって改めて聴き直すと本当に洗練と多くの人々に訴える懐の大きさを感じる作品だし、何よりもバンドとして有無を言わせない説得力に満ちた作品だ。これまで多くのポストブラックメタルバンドが登場したが、彼等程に堂々とヒップスターブラックであり続けているバンドはいないし、だからこそ批判も浴びるかもしれないけど、でも僕はブラック云々以上に美轟音激情として今作は素晴らしい作品だと思うし、まだまだポストブラックの可能性は大きい事を見事に提示してくれたのだ。新たな地平を切り開くバンドとしてDeafheavenは素晴らしいし、そんな彼等を僕は支持する。



■Dead To A Dying World/Dead To A Dying World

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 アメリカの7人組極悪ネオクラストバンドの2011年リリースの1st。Phillip Cope(Kylesa)がプロデュースし、VestigesやDownfall Of Gaiaともツアーをしているらしく、その手のバンドが好きな人には完全にドンピシャなバンド。まずこの音源は毎度御馴染み俺達の3LAで購入させて頂いたのだけど…

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 この写真を見ての通り、重量版の抹茶色のクリアヴァイナルのLP2枚に、とんでもなく豪華な仕様。レコードとは思えない位に外箱は厚いし、これ配達屋さんから受け取った時に「重っ!」って思わず声を出してしまった。1stアルバムでありながらバンドの拘りがアートワークの方でも発揮されており、もう凄いとしか言えなかった。幾らなんでもここまで凝った仕様にするバンドは中々いないと思う。



 そんな芸術意識が滅茶苦茶に高いアートワークもそうだけど、肝心の作品の方もそれがかなり現れている。先ず全3曲の作品なのだが、約7分の第2曲以外の残り2曲は余裕の10分越え、というか第1曲は15分近く、第3曲は23分近くもあるという超大作志向だ。1stでありながら、アートワークだけじゃなくてその音も色々と壮大すぎる。更にチェロやアップライトベースを大胆に導入しているし、ボーカルは複数いるしと、もう完全にオーケストラでもやりてえんじゃねえかっていう編成。色々と凄い。
 しかし本当にサウンドがネオクラストのバンドの中でも屈指の熾烈さを誇るのだ。Fall Of EfrafaやDownfall Of Gaiaの様にネオクラストからポストメタルへと移行し、芸術性を追及するバンドは決して少なくないし、彼等もネオクラストからそんな大作志向になったバンドの一つなんじゃねえかと勝手に予想していたりするけど、それらの大作志向のネオクラストバンドを全て漆黒の炎で葬り去る位の熾烈さがこのバンドの凄みだ。
 第1曲「Concrete and Steel」はチェロの調べから始まり、Grailsが闇に染まったみたいなギターの静謐な調べと、チェロの調べが壮大に絡み、厳かな美しさを強く感じさせ、それだけでもかなりの眉唾物なんだけど、曲が5分程進行し、繰り返されるチェロとギターの幽玄の調べが一転!ブラックメタル色の強い音階をかなり色濃く出しながらも、熾烈なクラストとポストメタルが正面衝突したギターリフの応酬、ドラムのビートはポストメタルというより、ハードコア色を色濃く出しながらも、スラッジなリフと共鳴し、同時にチェロの旋律がより壮大さを繰り出す、クラストなドスの効いたボーカルだけじゃなくて、ブラックメタルながなり声ボーカルも登場し、一旦引くパートでも残酷な余韻が強く、そこから最近のAmebixにすら匹敵するであろうプログレッシブで密教的な世界へと繰り出す。しかし一貫しているのは、序盤のパート以外は引くパートですら熾烈に歪んだサウンドが響くし、美しいチェロと歪みながらも芸術的なギターが絡みながらも、あくまでもクラストな感覚を残して奈落へと急降下していくのだ。終盤なんて激重サウンドが本当に怒涛のテンションで叩き付けられ、完全に全てを焼き尽くす。この1曲だけでも、このバンドが、1stでありながら、ネオクラストを越えた壮絶なる音塊を生み出す化け物だという事が分かるだろう。
 第2曲「Stagnation」は一転して、より不穏になったギターとチェロの旋律が不安を煽る形で鳴り響くが、直ぐにブラックメタル×クラストな寒々しく熾烈なリフの応酬へと雪崩れ込み、地獄の奥の奥から響き渡る複数のボーカルの応酬、時にプログレッシブなキメを繰り出し、変則的に展開しながら、混沌の中で更に混沌が生まれる様な強靭過ぎる音の乱発はもう完全に絶頂必死!!中盤からはスラッジさを前面に押し出し芸術性もアピールしながらも、その熾烈さの奥の美しさに酔う事すら許さない煉獄へと再び雪崩れ込んで行くし、今作でも屈指の混沌がそこにある。
 そして決定打は20分以上にも及ぶ最終曲「We Enter the Circle at Night... and Are Consumed by Fire 」だ。美しいギターの調べから一転、これまで以上に圧巻のダークサイドクラストサウンドへ!!ギターのリフはドス黒いのにメロディアスで、痛々しさを増幅させ、ブラストビートと共に奈落の先の更に地下深くへと聴き手を完全に道連れにする、トレモロとブラストとジェットコースター、それが圧倒的強靭さと音圧で迫ってくるのだからも、本当に凄い。随所随所にポストメタル的美しさを感じさせるフレーズを盛り込みながらも、既存のポストメタルを全否定する様な暗黒クラスト地獄。しかも単に強いだけ出なくて、闇の世界の美しさとしてそれを描くし、暴走するパートと共にスラッジさを全開にしたポストメタルな要素もあるし、そんなパートでもナヨくは全くならないし、熾烈だ。合間合間に箸休め的な静謐なパートを入れながらも、それは全然冗長にしないで、あくまでも熾烈さを前面に押し出し、突如として急降下していた光速のギターフレーズが金切り声と共にスラッジになったり、中盤でのアップライトベースの重みから、再び美しいギターとチェロの調べの美しさで微かな救いを感じさせ、それを嘲笑う様に完全にブラックメタルなトレモロとブラストの応酬のパートへ。そのパートがまた今作でも一番のカタルシスを感じさせえる瞬間であり、そして最後は圧巻の結末とも言えるポストメタルな壮大さが爆発し、アップライトベースとチェロの残響で締めくくられる。作品自体は合計44分とそこまで長い訳じゃないんだけど、それでも全3曲に渡って繰り出される奈落のブラッケンドクラストはポストメタルもブラックメタルもアンビエントも喰らい尽くし、強靭なるキメラとして目の前の物を全て邪炎で焼き尽くす。



 1stアルバムでありながら、とんでもなく大作志向であり、しかもその芸術性もそうだけど、ほぼ全編に渡って繰り出される熾烈なる暗黒クラストの煉獄は他に例を見ない凄まじい物だし、ネオクラスト好きは勿論だけど、ここ最近のAmebix好き、ブラックメタル好き、スラッジ好きと数多くの激烈音楽を愛する者を虜にする壮絶なる一枚だ。個人的にネオクラストの重要作品に上げたい位な屈指の名盤。また今作はバンドのbandcampページにて公式でフリーダウンロードで配信されているが、個人的には聴いて気に入った人は、そのバンドの拘りを強く感じるLPの方で是非購入して欲しい。これマジで凄いわ。



■また創るその時のために/isolate


また創るその時のためにまた創るその時のために
(2013/09/18)
isolate (アイソレイト)

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 heaven in her arms同様に日本の若手激情系ハードコアの代表格に相応しいバンドだと言えるisolate。今年の11月にはイタリアのダーククラストバンドであるThe Secretを招聘してツアーを行うのも話題になっているが、それに先駆けリリースされた彼等の最新音源である3曲入EP。またINFORESTとのスプリットである「壁画」ツアーのファイナルとなった今年2月の40分に及ぶ全曲披露ライブ映像のダウンロードコードも付いており、新曲だけで無く、ライブ映像の方でもかなり豪華な内容となっている。



 ライブ映像に関してはそのライブを実際に現場で観たのもあるのでこちらのレポを参考にして頂ければ幸いである。なのでここでは新曲の紹介という形を取らせて頂く。isolateと言えばとにかく光速のブラストビートを基調にし、徹底的に速さを追求する速さの美学と、美しくダークなトレモロリフが咲き乱れるトレモロの美学が正面衝突し、ポストブラックと激情の融和と言うだけでは済まされ無い、徹底してダークで美しいハードコアを鳴らし、それがisolateが唯一無二なバンドである大きな要因なんだけれど、今作の新曲はその方向性こそは変わってはいないけれども、その持ち前の美学を更に磨き上げて、より確固な物にしている。
 幽玄なるギターのストロークとアルペジオから始まり、これまで以上に持ち前の旋律の美しさを見せ付ける所から始まる第1曲「塗り重ねた虚像の果てに」は多数の空間系エフェクターによる幽玄なる調べが非常に印象的で、これまでのisolateにもあった要素ではあるけど、それを更に徹底的に磨き上げた美しさは一つの新境地だとも言える。そしてシューゲイジングするトレモロリフが全てを染め上げた瞬間からは完全にisolate節が炸裂し、轟音サウンドとブラストビートがぶつかり合い、極限まで精神と肉体を切り刻む寒々しさが炸裂!それに続く形で第2曲「狂う影にあわせて」では激情の方向に完全に振り切れた音を展開し、のっけからブラストビートとトレモロリフの横暴が続く。合間合間に入り込む静謐で美しいフレーズもこれまで以上だけど、そこからバーストする瞬間の破壊力と瞬発力も更に磨きがかかり、バンドとしての力量の進化を否応無しに感じさせる。更に楽曲展開もよりダイナミックにドラマティックさを見せ付けている。最終曲「落日」もまたisolateの進化を感じさせる名曲だが、こちらもより粗暴なハードコアに振り切る方は振り切りながらも、その暴力性を高めながら持ち前の闇の美しさは変わらないし、楽曲の中で見事なまでに速さと遅さの対比を魅せるのも新たな境地だ。そして全ての音をノイジーに変貌させた先の破滅的な美しさがもう素晴らしい。



 バンドは来年にもアルバムをリリースするらしいが、その来るべきアルバムに対する期待をかなり高めるだけの作品だし、EP作品でありながら、isolateの美学の進化を十分に感じさせる力作となっているだろう。11月のThe Secretとのツアーやアルバムもそうだが、isolateの今後に益々期待が高まる一枚となっている。

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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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