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■タグ「ポストメタル」

■henceforth/Spike Shoes

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spike shoes
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長年にわたり宮城県仙台を拠点に活動を続け、仙台のローカルヒーローの枠に収まらない活動で多方面から常に注目を集めるSpike Shoes。

結成25年の大ベテランバンドが2018年にリリースした6thアルバムは、大ベテランの聖域に胡座をかくことなく、常に進化を自らに課すSpike Shoesらしい未来を射抜く快作となった。



Spike Shoesのサウンドスタイルは形骸化したハードコアパンクとは一線を画す。
第1曲「serac」から壮大なる物語の幕開けにふさわしいポストメタル方面のアプローチを展開し、中盤ではSpike Shoes印のダヴサウンドも展開される。
一方で第2曲「crossbreed」ではレイジングなハードコアで1分弱を瞬く間に駆け抜け、静と激をドラマティックに展開する第3曲「砂の城」、悠々としたレゲエからレイジングに変貌する第4曲「dry fang」、強靭なバネを活かした瞬発力から宇宙へと飛び立つ第5曲「落日」、そして完全にレゲエに振り切った第6曲「耳鳴りの丘」まで。全6曲27分の中で見せる表情は多彩を極める。
サウンドスタイルは多彩を極め、それこそボーカルはエモーショナルな叫びから超音波ハイトーン、果てはファンク的なクリーントーンボーカルまで変幻自在。

何物にも縛られない自由なサウンドでありながら、アルバムを通して聴くとSpike Shoesが目指すハードコアパンクが一本の線で繋がるのは大ベテランの気迫がなせる業だろう。
レイジングなサウンドから宇宙へとぶっ飛ばされる様な跳躍力へ、レゲエ/ファンク方面のアプローチは信念と言う名のソウルからハードコアへ、そして漆黒の夜を切り裂き朝日を眺める様な情景すら浮かぶ。



シリアスでありながらもポジティブなエネルギーに満ち溢れ、25年に渡りバンドを継続させてきたからこその実力に裏付けされた強靭なサウンド。そしてより自由に羽ばたく信念は確かに未来へと繋がっている。

異種交配を重ねながら、歩みを決して止めない仙台のローカルヒーローの言い訳無用の信念のドキュメント。
ハードコアパンク=進化と信念であることを証明し続けるSpike Shoesが多くのフリークスから熱い支持を集めているのは当然の結果でしかない。

自らを信じ、キレ進んでいるバンドにしか出せない説得力がそこにはある。
Spike Shoesのハードコアパンクはまだまだ止まることがなさそうだ。



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■War Inside You/STORM OF VOID

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bluebeard/NAHT/TURTLE ISLANDのGeorge BodmanとenvyのDairoku Sekiによるスラッジバンドの2017年リリースの待望の1stアルバム。
前作EPでは3人編成だったが、今作では結成当初の2人編成に戻り、ベースもGeorge氏が弾いている。
またゲストボーカルにNapalm DeathのMark'Barney' GreenwayとJawboxのJ. Robbinsが参加した事も大きな話題となっている。
SOVは登場から独創的なスラッジサウンドと圧倒的なライブパフォーマンスで多くの話題を集めていたが、今作は良い意味でこれまでのSOVを裏切る会心の一枚に仕上がった。



今作で提示したSOVのインストによるスラッジサウンドはRUSSIAN CIRCLESやPELICANといったポストメタルの雄とリンクする部分は大いにあるが、それらのバンドとはまた違うアプローチを展開している。
先行公開された第1曲「Into the circle」は複雑なアンサンブルを最小限の2人編成で乗りこなし、8弦ギターで弾き倒される複雑なリフの嵐とストイックなビートが高揚感を与えてくれるが、音は間違いなくヘヴィであるのに不思議な丸みを感じるサウンドプロダクトに仕上がっている。
こうしたサウンドスタイルのバンドはヘヴィさを前面に押し出し、熾烈さや凶悪さからエクストリームへと導いていく物が多いが、SOVはそれらのヘヴィさをしっかりと守りつつ、タイトでありながらも優しい音に仕上げている。ストイックなヒリヒリとした緊張感の中からにじみ出る温もりは他のバンドには中々ないものだろう。
前作EPに収録されていた楽曲を再録した第3曲「Silent Eyes」、第8曲「Ice Lung」の2曲もストイック緊張感はそのままに現在のSOVの温もりが加わり、より新鮮な響きが伝わる。

Mark'Barney' Greenwayがゲストボーカルを取る第2曲「Bow and Scrape」では熾烈なサウンドとBarneyのボーカルが見事にシンクロし、一方でJ. Robbinsがボーカルを取る第8曲「War Inside You」では硬質なサウンドの中の男気と哀愁と、二人のゲストボーカルはSOVのサウンドを自分のものとして料理し、それぞれが化学反応を起こしている。



SOV側の気合いと覚悟と自然と伝わる渾身の一枚に仕上がった今作であるが、スラッジ/ポストメタルと呼ばれるサウンドもまだまだ先に行ける事を証明。これまでに多くの実績とキャリアを積んだ男二人が新たなるエクストリームミュージックのスタンダードを提示した。

今作全体に漂うのは極限でありながらも自然体な音だ。余計な装飾を施していないからこそ、音の旨味を存分に堪能出来る。
スラッジ/ポストメタル系のファンは勿論、それ以外の音楽好きにも是非とも触れて欲しい世界が今作には存在する。



■All Creation Mourns/Presence of Soul

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 Yuki嬢とyoshi氏はかつて東京酒吐座に参加していたり、ベースの中山氏はワゴムにも参加していたりとメンバーが多岐に渡って活動しているPoSの実に7年振りとなる待望の3rdアルバム。ミックス・エンジニアは前作に続き中村宗一郎氏。
 フランスのLes Tenebres Recordsからリリースされており、bandcampでのデジタル販売と物販とオフィシャルサイトでの通販の方でのアナログ盤の販売という形式で入手可能となっている。またデジタルとアナログ盤の方では収録曲に若干違いがあるが、僕はアナログの方で購入したのでそちらで紹介の方は書かせて頂きます。



 前作「Blinds」からバンドの編成自体も大きく変わっており、それを機にシューゲイザー×ポストロックな音をよりヘビィにさせてポストメタル化を果たしている。前作の儚いシューゲイザーサウンドを受け継ぎながらも、スラッジ要素も加え美の旋律とドス黒い轟音とヘビィネスが渦巻く様は日本のYear Of No Lightとも呼ぶべき音だ。そこに儚げなYuki嬢のボーカルが乗るという幻想の音。
 第2曲「The man who leads the mad horse」から明らかにメロディにゴシックな耽美さとダークさが存在しており、消え入りそうな美しさが奏でられていると思ったら、終盤では刻み付けるリフの一転攻勢からの凍てつく波動の様な破格のスケールのブリザードノイズへ!!
 wombscapeのボーカリストであるRyo氏がゲストボーカルを務める第3曲「Genom」は更にスラッジ色を強め、リフと轟音が渦巻く中で聴かせるRyo氏のボーカルはヒステリックで痛々しく、より曲の持つ絶望感を加速させる。
 宗教的な空気感を感じる旋律が歪みを想起させ、重力に押し潰されそうなスラッジリフによる悪夢である第4曲「Teaching of necessary evil」は現在のPoSを象徴する楽曲になっている。この曲をライブで初めて聴いた時に僕は「PoSは日本のYear Of No Lightや!!」なんて興奮したんだったな。
 だけどダークネスと暗黒スラッジだけで終わらないのがPoSだ。前半の楽曲も複雑に絡むギターと構成美を生み出すリズム隊の骨組みがアーティスティックな空気を確かに生み出し、ヘビィさの中でメロディやストーリーを聴き手に想起させる事に成功している。
 終盤は一転して黒を乗り越えた先の救いの白を描く楽曲。ピアノの音色とストリングスとシューゲイジングギターとYuki嬢の歌声のあまりの美しさに言葉を忘れそうになる第5曲「You'll come to the apocalypse at last」はMONOにも負けないであろうレベルの壮大なスケールとクラシカルさ。終盤のパートはGY!BE辺りにも通じるクライマックスであり素晴らしい!!
 そしてよりオーケストラ的な音色が増幅した最終曲「circulation」の清流の音から天へと導かれる高揚感と疾走感のラストは「今日を精一杯駆け抜ける君に鼓動を刻む明日は来る」って気持ちになってしまう事間違いなし。



 7年振りの3rdという事もあって前作から音楽性も大きく変化しているが、PoSの描く美しさをより際立たせる為のポストメタル化は必然であったと思う。日本でここまでのクオリティのポストメタルな音を聴かせるのはPoS以外だと現在のTHE CREATOR OFややWonderLandや現在のOVUM位しかいないんじゃないだろうか?
 ドス黒い轟音とヘビィネスの凄まじさから、その先にある美しい原風景の様な救いの音色には心が洗われる事間違いなし。国産ポストロックの新たなる進化を刻み付ける名盤となった。



■Aeon Unveils the Thrones of Decay/Downfall of Gaia





 いよいよ来日が迫ったジャーマンブラッケンドクラスト最高峰であるDoGの2014年リリースの3rdアルバム。前作の2ndアルバムから大手レーベルMetal Bladeと契約。音楽性もネオクラストに留まらずポストメタル化し、世界で名前を上げていった。
 そして今作ではそこにブラッケンドの要素も持ち込み、更なるクロスオーヴァーを果たしている。曲も殆どが10分近くと大作志向もより強くなった印象だ。



 前述通り長尺で複雑な楽曲構成の曲が殆どとなっており、それは前作でも存在した要素ではあるけど今作ではかなり色濃くなっている。
 ブラッケンドにも接近した音になっており、トレモロリフがダークなメロディを奏でるパートも多数存在するけど、ブラックメタルに接近したというよりはポストブラックに近い印象で、それらのバンドが持つアート性がDoGの目指す音と合致した結果のクロスオーヴァーといった感じだ。
  波瀾のトレモロとブラストの大津波にいきなり飲み込まれそうになる第1曲「Darkness Inflames These Sapphire Eyes」から破壊力は抜群。時折盛り込む引きのパートやポストメタル要素でコンセプチュアルアートな世界観を表現するが、それを塗り潰す音の洪水は美しくありながらも恐ろしい物。
  ダウンテンポから獅子奮迅の音へと雪崩込む第2曲「Carved into Shadows」も変わらず破滅的であり、彼らはポストメタル化したとかブラッケンドに接近したという以上に根底にあるハードコアの怒りのエナジーを凄く大切にしているとも思う。だからここまで大作志向でアーティスティックな作風になっても、激動の音は日和ったりせずに寧ろパワーアップしているのだろう。
 中盤もトレモロとポストメタル的ダウンテンポとブラストが交互に攻める黒斑の音ばかりが続き病み捲りそうになるけど、12分近くにも及ぶ第6曲「Whispers of Aeon」ではアンビエントやインプロといった要素も盛り込み、不規則で不安な配列の音が混沌の前準備をしてからラスト1分半をブラストとトレモロで駆け抜ける展開は痺れる格好良さだ!!そして最終曲「Excavated」で今作一番の悲哀のメロディを美しく奏でる。



 殆どの曲が10分近くにも及び、、前作や前々作以上に音の濃度も高くなっていて軽々しく聴ける感じの作品では無いと思う。実際にアルバムを通して聴くと何とも心地よい疲労感があったり。
 けれどもどんなに音をクロスオーヴァーさせて大作志向になろうともDoGのネオクラストから生み出した美しく燃えるメロディセンスは今作でも健在である。クラストだとかメタルなんて関係なしにより邪悪にDoGはパワーアップしたのだ。
 DoGは2015年11/13日の大阪火影、11/14・11/15の新大久保アースダムでのTJLA、11/16の新松戸FIREBIRDと四日に渡り日本でショウを繰り広げる。さあ漆黒が燃える瞬間はもうすぐだ。




■De Fragments/Milanku

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 2013年秋の魂を震わせまくった来日公演から2年、今年で結成10年を迎えるMilankuの3rdアルバムが遂に届いた。リリースは勿論Tokyo Jupiter Recordsから。来日公演後にオリジナルメンバーのギタリストの脱退があり、後任にはDark CirclesのFrancoisが就任。Francoisは今作のアートワークも手がけている。マスタリングはHarris Newman (Godspeed You! Black Emperor, Eluvium, Baton Rouge)が担当。



 メンバーチェンジこそあったけど、今作でも基本的な路線は何も変わっていない。轟音系ポストロックとポストメタルを基軸に、真正面からドラマティックな轟音をぶつけてくる。正統派ではあるが、メロディセンスは更に磨かれている。
 静謐さから激へと展開していく定番な手法は今作でも健在だし、常にメランコリックが泣き叫ぶギターとダイナミックなビートと男臭さ全開の魂の咆哮。シンプルな手法を用いているからこそ不純物ゼロのクリアな激情はどうしても胸に込み上げる物しかない。
 大きく変化した点があるとしたら長尺曲が大分減り、4分台とかのコンパクトな楽曲が主体になり、楽曲展開にもサウンドにもハードコアな直情的なアプローチが増えた事だろうか。マーチングの様なドラムの応酬から前作以上に切れ味鋭く切り込む轟音フレーズが印象深い第1曲「Fuir Les Jours」からもバンドの進化は伺える。
 前作でもこれでもかと展開されていた白銀の轟音は幻想的なメロディはそのままに、肉感的な感触も増えていると思う。第3曲「On S'épuise」はこれまでのMilankuには無かったアプローチが見え隠れし、第4曲「La Dernière Porte」の疾走感もこれまでには無かった音だ。
 そんな中でもMilanku節とも言える轟音系ポストロックと激情とポストメタルのハイブリットさ、繊細さとダイナミックさが生み出す揺さぶりの激情の集合体な第5曲「L'ineptie De Nos Soucis」は今作のハイライトとも言える名曲であり、今後のMilankuの代表曲となるだろう。
 第6曲「Dans Les Absences」ではインスト的なアプローチを繰り出しながらも終盤ではnone but air (at the vanishing point) のnisika氏のゲストボーカルが生々しい血の叫びを披露。そしてラストはMilanku史上最もポストメタルでヘビィな「Ce Fut Quand Même Notre Histoire」で寒々しい世界観を生み出しつつも、それを吹き飛ばす熱情で締めくくられる。



 地道にだけど着実に歩みを進めてきたMilanku。国内外問わずに短命で終わってしまうバンドも多い中、10年に渡って活動を続けこうして3rdアルバムをリリースしたのは何とも感慨深さがある。
 多少の変化こそはあるが、それは進化という言葉の方が正しいし、1stの頃からMilankuは優しい至福の轟音と激情をブレずに描き続けている。それが僕は本当に嬉しい。今作も前作同様に至高の一枚。購入は勿論Tokyo Jupiter Recordsのストアの方で可能だ。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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