■タグ「ミニマル」

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■Fractal Hair Geometry/Black To Comm

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 ドイツDekorderレーベルのオーナーMarc RichterのソロプロジェクトであるBlack To Commの08年発表の作品。サイケデリック極まりないジャケットからして先ず色々とヤバさを感じたりもするのだけれども、今作は電子音とオルガンを駆使して、多方面に跨るドローンサウンドを展開した作品であり、ドローンの可能性を探った作品と言える。地獄のダークさからスペーシーな高揚まで今作には存在する。



 オルガンと電子音の持続を駆使し、Growingに近い音の感触を見出したりも出来たりする。極彩色のジャケットとは裏腹にオーガニックな音色を見せてくれたりもする。しかしジャンクで狂騒に満ちた音を展開したり、精神の深遠に探りを入れる様なダークさや、メロディアスの色彩や、それらが混ざり合った作品だからこそジャケットの様な禍々しい色彩へと繋がっているのかもしれない。第1曲「Negative Volumes」はいきなり読経的な低音が持続し、不協和音となった電子音の持続音がそれに乗り、精神の奈落へと誘う1曲になっており、この曲だけ聴くとズブズブと沈んで行くタイプのドローン作品だと思ってしまうけれど、第2曲「Orange Record」ではパルス音がミニマルに反復し、狂騒の中でオーガニックな色彩が見える全く別物の楽曲になっており。その幅広さや落差が今作の持つ不気味さを加速させている様に見える。第3曲「Play Eggchess 3」では電子音の音圧を強めホワイトノイズが視界を覆い尽くし、第5曲「M.B. Memorial Building」では薄っすらと四つ打ちのビートを取り入れてミニマルテクノに近い感覚を見せているが、その楽曲でも幾重にも重なった持続音は健在で、クリアな音色が徐々に禍々しい色彩を見せて、脳髄の中で破綻していく様は中々やられてしまう物があったりする。今作を通して聴くと天上の音色から奈落の音色を行き来し、ジャンクな感触で未整合さすら感じる狂騒が気がつけば隣に潜んでいて、そいつに飲み込まれてしまうであろう音が繰り広げられている。



 ドローン作品としてエレクトロニカとジャンクさを吸収し、それが美しい持続音にもなれば奈落の不協和音にもなるレンジの広さを持っている。そしてそれらが脳髄に酩酊を与え溶かし、その行き先の見えない無へと連れて行くのである。今作には楽園も無ければ地獄も無い。ただ狂騒が繰り出され行く末は漆黒の無か純白の無かのどちらかでしか無い。



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■Fresh Wind In The Valley Of Dreams/Astrowind

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 2月に入ってからリリースラッシュに入っているFluttery Records、エレクトロニカ、ポストロックと来たがこちらはミニマルなアンビエント作品。バルト三国の一つであるラトビアのAstrowindの2012年発表の作品が今作だ。ラトビアという日本ではあまり馴染みの無い国から届けられたのはミニマルな電子音の反復と持続音が生み出す天上の音であり、静寂の中で時間軸を歪ませる1枚になっている。



 作品としては電子音の持続音を中心に楽曲は構成されており、展開はその持続音の微かな変化と聴き手の中で膨張する音色が生み出す非常にミニマルな物に仕上がっている。反復する若干ノイジーな電子音に不穏さを加速させる音を重ね合わせてオーガニックでありながら、少しずつ堕ちていく様な感覚にも陥りかねない。それらの要素がやがて混ざり合った末に天上の音へと回帰するミニマルドローンな作品だ。第3曲「Lost and Found on the Moon」では不安を煽りに煽る通信機器での音声をサンプリングしており、その音声が淡々と続く中で揺らめくアンビエントノイズの反復が鳴り響き、それがより不安定ながらも奇妙な高揚感を生み出している。この感覚は初期のGrowingを彷彿とさせる物があるし、本当に持続する電子音のノイズのみで構成されているにも関わらず、その電子音の奥深い美しさであったりとか、不意にサンプリングされている音声の不気味さ。そして極限まで削ぎ落とした音のみが存在するからこその虚無感に増幅。こうして書いているとダークな作品を想像してしまうかもしれないが、決してそんな事は無いし、その虚構の長いトンネルを抜けた先に見えるのは天国とも地獄ともまた違う新たな世界なのだ。そこは決して桃源郷なんかでは無いけれども、そこに行き着いた時にはもう脳内は反復と持続のアンビエントノイズに脳細胞は溶かされてしまっているし、その虚構すら美しくそして甘美に思えてしまう。っそれこそ今作に存在する快楽的要素であるし魅力だと思う。



 ラトビアという旧ソ連の一国から届けられた不穏のアンビエント作品、極限まで削ぎ落とした音は荒涼としているのにも関わらず無限の美しさと眩暈を起こしそうな揺らぎに満ちている。空洞や虚構を突き詰めた先の静謐な美しさはやはり甘美であるのだ。今作も下記リンクのbandcampにて視聴と購入が可能になっている。



Astrowind bandcamp

■E2-E4/MANUEL GOTTSCHING


E2-E4E2-E4
(2010/05/04)
Manuel Gottsching

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 ASH RA TEMPELのメンバーであり、ジャーマンプログレやクラウトロックに大きく貢献しながらもミニマルやテクノにまで大きく貢献した偉大なるミュージシャンであるMANUEL GOTTSCHING。その代表作でもあり屈指の名盤である84年発表の今作はテクノ・ミニマルに多大なる影響を与えた作品だ。1曲58分半の終わりなく反復するシンセの音色が生みだす反復の音色の快楽と美しさは絶品であり、オーガニックなサウンドスケープの宇宙だ。



 基本的に打ち込みのビートパターンは作品の中で変化せずに終わりなく反復し、シンセのフレーズも終わりなく反復する。序盤のオーガニックでクリアなシンセの音色の反復は聴き手の脳細胞を刺激し、快楽の海へと導く。前半は殆ど展開といった展開も無く、ただひたすらに規則的なビートと反復するシンセのみで進行するが、そのループが生み出すうねりに気がついたら引き込まれているし、音色の微かな変化にハッとさせれれる瞬間もある。派手な音など何も無いけれど、だからこそ静かに浸透する音の波にただ身を任せていたくもなるし、静かに感覚を覚醒させる音だ。静かに変化する上モノの音の展開も全てナチュラルだし、その音が結びつき快楽の化学反応への方程式として存在する。そんなオーガニックな音色の反復は終わり無く続くが後半になってMANUEL GOTTSCHINGのギターフレーズも入り、そのクリアでリリカルな旋律が電子の海に新たな色を加えていく。どこかブルージーな感触すら感じさせるギターが電子音の上で歌っているかの様な感覚にもなるし、多くを語らないからこその豊かさを持っているし、反復の音色に新たな煌きと陶酔を与えている。そして一時間近くに及ぶ電子の海の旅路は静かにシンセがフェードアウトし終わっていく。そのミニマルな音色は終わりなき快楽と高揚感に満ちているし、ただ何も考えないでその電子の海に漂うだけで良いのだ。その瞬間に煌きの静かな電子世界と柔らかに歌うギターの虜になってしまう。



 クラウトロックとかそういった枠すら超えて、テクノ。ミニマルの大きな道しるべとなった今作の評価は発表当時よりもそれ以降になって高まったらしいし、それだけ少ない音の反復の中にあまりにも豊かな世界が存在している事の証明でもあるのだ。今作は多くのミュージシャンに多大なる影響を与えたらしいし、Larry Levanが今作を広めた事によって大きく評価される事になった。84年の作品であるが、現在でも全く色褪せない名盤であるし、聴けば聴く程に新たな発見もある作品だ。

■Lateral/Growing


LateralLateral
(2008/02/19)
Growing

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 ブルックリンの音響デュオのアルバム「All The Way」に先駆けてリリースされた08年発表のEP。こちらはミニマムな感触を持ちながらもドローン要素も強く感じる作品になっている。尺こそ長尺では無いが、終わり無く続くツインギターを巧みにあやつったミニマムで時にノイジーなドローンサウンドがオーガニックで幽玄な世界を生み出し、その深みに静かに嵌まっていく様な作品だ。



 いきなりディストーションギターの幽玄な持続音が空間を埋め尽くす第1曲「Swell」で今作は始まる。ディレイを操り、幾重に重なる音が徐々に変化し、静かなオーガニックな音からノイジーに変化していく。バックでなるトレモロの音と終わり無く反復するノイズが化学反応を起こし、スペーシーなサイケデリックさへと飛び立っていく名曲で始まる。その反面第2曲「First Contact」では無機質なトレモロの反復音がフューチャーされており、そこに有機的なギターフレーズが入り込み、その音色の反響が際立つミニマムながらにも断片的なギターの旋律が非常に印象的である。持ち前の有機的なドローンサウンドとアンビエントでありながらも、肉感的な感触のギターの反復運動による高揚感は中々の物であるし、それらが脳髄に快楽信号として刻みつけられていく。断片的なトレモロのミニマムサウンドから徐々に顔を出すドローンのノイズがそれを飲み込み最終的にはインダストリアルな音へとナチュラルに変化していく第3曲「Lateral」。深遠なアンビエントを聴かせる第4曲「After Glow」と今作に収録されている4曲はそれぞれが別のベクトルを向いている楽曲が並んでいるけど、その4曲全てGrowingらしい音を自在に横断しながらも、情景を想起させる豊かさを感じる。



 「All The Way」がエレクトロニカ等のカラーを感じる作品であるのに対して、今作は彼等の持ち味のドローンさを強く感じる作品であるが、5分台の標準的な尺であるし、その中で生まれる最小の音から未知数へとトリップする音の洪水はどれも脳に効果的な快楽を生み出し、神経を柔らかにしながらも、その快楽信号が感覚を研ぎ澄ましていく様な物である。たった2本のギターのみで構築するからこそ、全ての音が効果的に使われそれが無限の快楽へと繋がっていく。



■All The Way/Growing


All the WayAll the Way
(2008/09/09)
Growing

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 ブルックリン出身の音響デュオであるGrowingの08年発表の6th。彼等はギターの音のみでジャンルすら超える自由な音を模索するユニットであるが、ドローンから始まったGrowingはエレクトロニカ・アンビエント・ミニマム・クラウトロックをその2本のギターのみで横断する音を鳴らす様になった。今作はミニマムな要素をかなり強めた作品であるが、その反復する音は聴き手の快楽中枢を刺激する非常に気持ちの良い音になっている。



 彼等は多数のエフェクターを使用し、2本のギターのみで全ての音を構築するスタイルのユニットだが、今作の大きな特徴としてトレモロのかかったパルス音を終わりなく反復させ、そのミニマムさから徐々に音の色彩を増やし広げていくという物になっている。最小限まで音を絞りそれらのループが生み出す音波の螺旋の快楽に溺れてしまう。第1曲「Green Flag」は正にそのループするトレモロ音のミニマムな快楽世界に引き込まれてしまう事は間違い無しだ。その反復するミニマムな音をベースに楽曲によってカラーもしっかり変えてくるセンスもまた彼等の持ち味であると言える。第2曲「Wrong Ride」ではよりアンビエントなカラーを強めて、美しいドローンな世界へと誘われるし、第4曲「Innit」では小刻みに反復するギターがビートを生み出し、ミニマムテクノなダンサブルな音を展開している。その音響的な残響の余韻も巧みに操り、限られた音の中だからこそのアイデアの自由さとそれを生かす楽曲構成は彼等の実験精神と聴き手の快楽を熟知したセンスがあるからこそ出来る芸当だ。ループする音は徐々に聴き手の耳から神経を刺激し、音波が快楽信号として脳細胞に入り込んでくるのだ。特に第6曲「Reconstruction」なんてクラウトロック的なアプローチも感じさせ、打ち込まれる電子音の様なギターとボーコーダーボイスとミニマムなノイズの断片にて楽曲を構成し、徐々にダンサブルなカラーを強めていくという今作で最もその快楽性が強いだけで無く、Growingの音の幅広さも実感させる1曲だ。



 2本のギターでミニマムな音のループを生み出しそこから自在に音を変化させ、共振する反復するビートすら生み出すGrowingの音は本当に自由な物になっている。ミクロな音の粒子がその音波の波状によって少しずつ広がっていく細胞レベルで浮遊する音の波は静かに聴き手を刺激していく。多くの人に効果のあるミニマムな音の快楽世界へと誘われていくのだ。



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AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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