■kamomekamome

■BEDSIDE DONORS/kamomekamome


BEDSIDE DONORSBEDSIDE DONORS
(2013/08/21)
kamomekamome

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 もう誰もが分かっていた事だけど、またカモメは最高のアルバムを作ってくれた!!まさかのIKKI NOT DEADへと移籍と言う電撃ニュースもありつつ、バンドとして本当にとんでもない事になってしまっている柏市が誇る現在進行形の伝説であるカモメの2013年リリースの最新4thはカモメ至上最強とも言えるアルバムになった。1stのプログレッシブさを考えると、前作からカモメはかなりハードコアへと回帰してきたが、今作は更にそれを押し進め、本当に強いというか強靭・無敵・最強というどっかの社長の台詞みたいな事に本当になってしまった。



 ベースボーカルの中瀬氏が復帰した前作からツインボーカル体制になり、これまでの一筋縄ではいかなさを生かしつつもストレートな激情を鳴らす様になったカモメだが、今作はそのツインボーカルも完全に板について、更に直情的かつ暴力的なフレーズも増え、これまでで最も凶暴でありながら、そのストレートでありながらも、深みと言う深みを生み出し、本当にカモメ節が炸裂しまくっている作品だ。嶌田氏のドラムが先ず凄い事になっているのだけど、2ndの様な四つ打ちとポリリズムと2ビートを駆使した独自のドラミングを完全に捨て、より直接的で圧倒的手数と重みで重戦車の様に攻めるハードコアなドラムスタイルに完全に移行しながらも、それでも独自の変則性は健在だし、ただストレートなハードコアで終わらないのはこの嶌田氏のドラムがかなり大きな比重を占めている。更にいえばギター隊がカオティックハードコア色の強さを相変わらず出しながらも、よりストレートなメタリックさを打ち出しつつも相変わらず絶妙に絡む2本のギターが同時多発に攻める!攻める!!そして向氏と中瀬氏の圧倒的限界突破激情絶唱バトルが前作以上に熾烈に展開されており、もう聴いてるこっちが絶唱しそうになるし、そんなハードコア色をこれまでで一番打ち出しながらも、向氏が歌う時は本当に歌い、獰猛でありながらも、エモーショナルなメロディも光りまくり、もう何か良く分からないけど、本当に肉体と感情を彼方へと飛ばす作品だ。
 毎回毎回アルバム1曲目に最強の1曲を持ってくるカモメだけど、今回は過去最強の1曲である「ナイーブ レターズ」から始まるが、のっけっから向氏と中瀬氏の絶唱バトルから幕を開き、これまでに無い位にキャッチーでありながらも、熾烈な2本のギターが刻むギターリフ、そして怒涛のドラムの応酬、しかし単にヴァイオレンスなだけでは無く、本当に情緒豊かな旋律と向氏の紡ぐ言葉の数々、目まぐるしくドラマティックに展開する楽曲、これまでの3枚のアルバムで積み上げた経験を最大限に生かし、それを今までで一番素直な形で、でもやっぱり少し歪みを感じさせるやり方でハードコアへと返した瞬間であり、もうこの時点で最高の名盤であるのを確信する。続く第2曲「例え言葉は冷静に」はより熾烈なハードコアサウンドが展開されており、かなりカオティックな狂気乱舞のサウンドが展開されている、圧倒的音の洪水がツインボーカルと共に攻めに攻めながらも、サビでは一気にエモーショナルに転調し、クリアでストレートな激情を鳴らすと言う全く違う顔を見せて、その上でまた熾烈なるハードコアバトルになるから恐ろしい。
 今回のアルバムはどの曲もストレートな楽曲が本当に多いし、最も熾烈で激しい音が繰り出されていながらも、それと同時に歌物としてのエモーショナルさを同時に繰り出し、例えアンサンブルがストレートになっても独自のプログレッシブさが生まれるのは、そのハードコアと歌物エモーショナルの絶妙な取り入れ方と対比だし、エモーショナルさを前面に押し出した楽曲ではハードコアパートが良いアクセントになっているし、逆にハードコアさの比重が大きい楽曲の中ではそのエモーショナルなメロディが確かに輝いている。そして何よりもこれまでで一番コンパクトな作品でありながらわざとらしさが全く無いのに、必然的にドラマティックで複雑に展開していく楽曲の洗練具合も過去最高だ。そして終盤の第9曲「瞬く街」で疾走するエモーショナルさと歌に振り切った向氏のボーカルと、カオティックハードコアなフレーズをガンガン使っているのに、メロディを最大限に生かす2本のギターが生み出す感動的な激情、そして最終曲「手を振る人」で今作のラストを飾るに相応しい魂を燃やし尽くす絶唱、更にはSLANGのKO氏、BRAHMANのTOSHI-LOW氏、元FC FIVEのTOM氏のシンガロングパートが本当に熱いし、最後の最後に轟音と共に涙腺直撃の旋律が吹き荒れ、本当に全てを焼き尽くす感情を声に、そして音にしているからこそ生み出せた感動的クライマックスを迎える。そして忘れてはいけないのが、カモメはどんなにストレートなハードコアを鳴らしても、向氏の紡ぐ言葉、そして歌には本当に陰鬱さと美しさがあり、それは光と影の様に隣り合わせであり、初期の様にダークさに振り切ったサウンドでは無くなったけど、それでもその相反する光と闇が交錯し、非常に独自の言葉使いと言葉遊びを駆使しながらも、感情を見事に表現する向氏の圧倒的センス、もう完璧だろこれ。



 繰り返しになるけど、カモメはまた最高のアルバムを作り出してしまったし、言うなればこれまでの3枚もとんでもない化け物だけど、彼等はまた自らを更新して、更なる化け物みたいなアルバムを生み出してしまったのだ。圧倒的激情をハードコアとして鳴らし続けるカモメは正に今こそ最強モードに突入しているし、だからこそ彼等は伝説でありながらも、常に自らの音で彼方へと突き進めるんだと思う。間違いなく2013年の屈指の名盤だ。ハードコアでありながらその先を行くからこそカモメは柏どころか全国へと名前を轟かす化け物バンドなんだと思う。



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■ルガーシーガル/kamomekamome


ルガーシーガルルガーシーガル
(2007/11/07)
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 柏の伝説である向達郎率いるカオティックハードコアバンドkamomekamomeの2007年発表の2ndアルバム。前作とは打って変わってハードコアとしての攻撃性としなやかさを手に入れた会心の一枚。前作でのプログレッシブさやテクニカルさはそのままに、より暴れられる音になり、それでいて感情に訴えかけるエモさも大きくなり、より多くの人にアプローチする作品となった。

 ライブでも1曲目に演奏される事の多かった第1曲「メデューサ」からバンドとしての変化を示し、モッシュピットが大爆発する即死確定の必殺のハードコアだ。蔦田氏のドラムは、四つ打ちと2ビートとポリリズムを変幻自在に行き来する独自のダンサブルなビートを今作で編み出し、ズクズクとそれを乗りこなす必殺のリフ、そしてデスボイスを一気に開放した向の歌が三位一体になって攻めてくる最強の1曲と仕上がった。第8曲「化け直し」は更にハードな1曲でうねるベースと凶悪なギターに、正確無比なハイハットの刻み、ツインボーカルでぶつかり合う声!ヌンチャク時代よりも凶悪さを増した向のデスが本当に素晴らしい。中盤の変拍子のベースラインの揺らぎもまたダンサブルで素晴らしい!第3曲「スキンシップ編」も向の歌心に反するポリリズムのハードコアフレーズが一気に捲し立てるナンバーだ。この様にライブ映えする曲が増えたのが今作の大きな変化である
 そしてより分かりやすくエモーショナルになった歌物な曲も、良い感じでハードな曲と対比しているのも見事。第2曲「クワイエットが呼んでいる」や第7曲「とある魔法」なんかはテクニカルなバンドのフォルムに泣きのメロディーと向の悲しい歌詞世界が見事にマッチしている。それを難解にではなく、前作でのプログレッシブさはしっかりと生かしながらアプローチしている。一気に胸を締め付けていく展開に涙が自然と溢れてくる。
 ハイライトは間違いなく第4曲「事切れ手鞠歌」と第10曲「プロメサイア」だろう。前者はkamomeの今作での進化と変化を示す1曲で、ハードなサウンドながらも、向の言葉の一つ一つはかなり重い。ハードな前半から一気に展開を変える泣きの後半部分、終わりを自ら選ぶ人の心境を曲にした作品であり、ハードさから一気に涙腺に訴えてくるラスト、プログレッシブでありながらもとてつもなく悲しい曲だ。そして後者は次回作にも繋がる1曲であり、絶望的な世界を歌っていた向が新たな地平に立つ心境を歌った曲に聴こえるし、ラストのクライマックスのパートは今作で最もエモーショナルなパートだ。向の「Come Let's Go!!」のシャウトに胸を熱くさせられてしまう。

 前作では、スケールの大きかった作品の長さを一気に絞って、スタイリッシュかつ分かりやすくなった今作でkamomeは再びハードコアに回帰した。濃度を薄める事ではなく、バンドとしての強さを得たからこその変化だと僕は思う。変幻自在に行き来する必殺のハードコアサウンドは全編に渡りクライマックスだ。柏の伝説が伝説で終わってない事を証明したマスターピース!!
 

■kamomekamome/kamomekamome


kamomekamome(RE-MIX Edition)kamomekamome(RE-MIX Edition)
(2007/11/07)
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 柏の伝説的ハードコアバンドであったヌンチャクの向達郎を中心に結成されたkamomekamome。2005年に発表された1stアルバムが今作である。ヌンチャク時代の「3コードで悪いか?」なシンプルかつ暴力的なサウンドは此処には無い。複雑な楽曲構成と、壮大なスケールの楽曲の数々。内省的な歌の世界。全てがヌンチャクとは別物になっている。10曲で70分近くの収録時間も、この作品がとてつもない濃度と壮大さを持っている事を表す証拠になっている。
 シャウトに頼り過ぎない繊細な向の歌、複雑に絡み合う二本のギター、変拍子とポリリズムが交錯するドラムと不気味なうねりを持ったベース。全てが規格外になっている。

 第1曲「ハミングエンバーミング」からその世界観は健在。約2分半の短い楽曲ながらも、プログレッシブなフレーズとヘビィなリフが交錯して、絶望的な歌詞の世界観を彩っていく。メランコリーなメロディが胸を突き刺していく。今作のキラーチューンであり、ドラマティックな展開と、向の悲痛なシャウトとヘビィなサウンドが特徴的な第3曲「くくりヶ丘」、ポリリズムが撃ち乱れるリズムと、それを乗りこなす独特の拍で紡がれる歌から、ポストロック的なパートへと落ち着き、一気に激情パートへとワープし、再びスロウコアへと回帰する百花繚乱の第5曲「コピーアンドペースト」と多彩な楽曲の数々は聴き所が多い。
 第6曲「秘密のテープ」は見事なまでのプログレッシブメタル絵巻である、Toolを彷彿とさせるベースのイントロから、Meshuggahをメロディアスかつ陰鬱にしたかの様なフレーズが次々と咲き乱れ、次第にスロウコア的な美しさと重さを孕み始め、再びプログレッシブな病んだ世界へと戻っていく。会心の1曲だ。
 アコースティックギターの絡みのイントロから一気にヘビィなプログレッシブリフが咲き乱れ、四つ打ちのビートで打ち抜くオープニングが印象的な第8曲「巻き戻らない舌」はカモメ流のプログレ絵巻だ。複雑さとエモさを良いバランスで融合させ、全編渡ってハイライトといった出来になっている。一気にダークさを加速させて向の痛々しい叫びが胸を撃ち、ストリングスとピアノのパートで静かに終わりを迎えていく。
 そして今作中最も優しいメロディと感情に訴える説得力をもった激情ナンバー「スーツデリケイト」でEDを迎える。

 複雑な楽曲を乗りこなす演奏力と説得力を持ち、数多くのフレーズと世界観の一つ一つがしっかりと何かを訴えかけていく。今作以降、カモメはこの演奏力とドラマ性はそのままにハードコアに接近したサウンドに変貌を遂げていくが、今作のハードコアを通過したプログレッジブと病んだ世界観が咲き広がる様は必見だ。この作品から柏の伝説は新たな形で動き出した。

■Happy Rebirthday To You/kamomekamome


Happy Rebirthday To YouHappy Rebirthday To You
(2010/06/02)
KAMOMEKAMOME

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 元ヌンチャクの向達郎率いる柏代表異形の歌謡ハードコアバンドkamomekamomeの3rdアルバム。元SWITCH STYLEであり、オリジナルメンバーであった中瀬賢三が復帰してから初の作品となっている。
 このアルバムは前作の「ルガーシーガル」で取り返したハードコアとしての強さをよりダイレクトな形としてアウトプットした作品に仕上がった。ギター隊はよりテクニカルに、中瀬氏のタイトなベースと、より表現力豊かになった蔦田氏のドラムが更なる屈強さを持っている。よりキャッチーに!より強く!そんな傑作に仕上がってる。

 その変化は第1曲「エクスキューズミー」から表れている、向はよりデスと歌の使い分けと対比が上手くなっており、それに中瀬氏のハイトーンの絶唱がぶつかっていく!より感情豊かに、そして前作からの必殺のダンサブルなポリリズムの数々!屈強なだけではなく、しなやかであり、それでいてより多くの聴き手に訴える懐の大きさを感じる良曲だ。
 最早ライブでは必殺の1曲となっている第3曲「この時期のヴァンパイア」でも、テクニカルなフレーズを向の感情豊かな歌唱が響き、そして大サビで向と中瀬の圧倒的なエモさを誇るシャウトの掛け合い。旧柏アライブを歌った第4曲「エスケープ終了」は正に新機軸であり、今まで手にした要素はそのままに誤解を恐れずに言えばどこかキラキラとした物すら感じてしまう、色彩豊かな情景すら見えてしまう。
 ラストである第10曲「Happy Rebirthday To You」激情と哀愁が見事なまでの融合を見せており、終わりの曲でありながら新たな始まりを感じてしまう。負の感情を抱えながらも、それらを許し光へと向かって走り抜けていく素晴らしき1曲だ。

 1stからヌンチャク時代とは違ったアプローチを見せてきたkamomekamomeであるが、今作でそれらを踏まえた上でより直接的なサウンドを展開し始めた。KxCxHxCxは今なお健在だ。このアルバムはヌンチャク時代から追いかけていた人も、新たにカモメを聴き始めた人にも大きく評価されるであろう。
 今のカモメはハードコアとして無敵の強さを持っている、これから先どのようなアプローチをしていくかも非常に興味深い。

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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