■The Ocean

■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■Aeolian/The Ocean


AeolianAeolian
(2006/03/07)
Ocean

商品詳細を見る




 ドイツが生んだ超芸術的ポストメタル集団であるThe Oceanの05年発表の2ndアルバム。今作は以降の作品からThe Oceanを知った人からしたら衝撃的な内容になっている。The Oceanと言えば粗暴さも芸術性も極限まで極めた別次元のポストメタルサウンドを鳴らしているが、今作は完全にブルータルかつカオティックなハードコアを痛烈に鳴らす猛毒の様な作品になっている。全てを捻り潰す邪神の猛威を極めた作品だ。



 今作を再生した瞬間に耳に入ってくるのは悪魔が行進しているかの様なスラッジリフの無慈悲な刻みのフレーズであり、リリカルさやメロウさを完全に放棄した混沌と破壊に満ちた血塗れのハードコア。変拍子を駆使したり、徹底してブルータルでありながらも緻密さを感じさせる辺りは紛れも無くThe Oceanの持ち味を感じさせたりはするけど、それでも前面に出ているのはカオティックなスラッジサウンドだ。徹底して低域のえげつないボーカルを聴かせ、クリーンパートやクリーントーンは一切登場させずに邪悪さで押し通しながら、天変地異を想起させる終末の慟哭を放出し、プログレッシブな展開の中で数多くの地獄を引き摺り回される様な世界が待ち構えている。また今作は多くのゲストボーカルも参加しているらしく、それらのゲストボーカルも負けずに邪念と悪意をバラ撒き、今作の荒涼とした赤黒いサウンドをより血で塗り潰すかの様なボーカルを見せ聴き手を殺しまくっていく。楽器隊も破壊しか考えていない様な全てを叩き割るサウンドスケープを展開しているし、徹底してこの世の全てを叩き潰すハードコアだ。今作は少し長めの尺の楽曲と短めの尺の楽曲が入り乱れる構成になっていたりするが、長めの尺の楽曲ではいくつものパートを組み合わせて楽曲を構築し、その中に心が休まるパートは全く入れず、あくまでも救いの無いハードコアパートを容赦無く叩き出し、それをプログレッシブな緻密さで構成していく作品と言える。時折入るキーボードのフレーズ何かも妙に印象的だが、それも今作の痛みに満ちた音をより加速させる為に使われている感じがするし、時折壮大さを感じさせるパートに突入したりもするがその壮大さは自らの煉獄をより広めるガソリンになっており、決して救いのパートなんかは期待出来ない。その中で第9曲「Queen Of The Food-Chain」ではアンビエントなカラーを持ったパートも登場する今作では大分異質な楽曲であり、その先からはNeurosis級の悲しみのサウンドを深遠に響かせている。どんなにブルータルな作品を作っても彼等の超芸術性は損なわれていない。



 2010年に発表された「Anthropocentric」や「Heliocentric」の路線を期待すると裏切られてしまう作品だし、The Oceanの入門編にするには異質すぎる作品になっているが、個人的には全くの別物として見れば今作での邪悪さを極めたスラッジとブルータルの地獄変は純粋に格好良いと思うし痛烈で痺れてしまう。またこれらのサウンドを愛好するフリークスからしたら直球ストライクな作品であるのは間違い無い筈だ。



スポンサーサイト

■Anthropocentric/The Ocean


AnthropocentricAnthropocentric
(2010/12/01)
Ocean

商品詳細を見る




 ドイツの超芸術的ポストメタル集団であるThe Oceanの2010年発表の5枚目の作品。同じく2010年に発表された「Heliocentric」の続編であり、今作は後編的な立ち位置となっている。人間中心主義をテーマにした今作は、静謐さと激情の対比が素晴らしかった前編と違い、より粗暴で美しいポストメタルを展開している。そして今作でThe OceanはISIS以降のポストメタルを完全に新しい次元にまで進化させてしまったと言っても良いだろう。圧巻の轟音の濁流は本当に美しいし、芸術的ポストメタルは前人未到の領域に達してしまった!間違いなく歴史的名盤であり、2010年代のヘビィロックを担う重要な作品になった。



 まず第1曲「Anthropocentric」からThe Oceanは完全に自らの音を更新している。鬼気迫るスラッジサウンドから一気に宇宙を感じさせ、この世界の始まりと終わりを描くかの様な幻想的世界へと僕達を誘う。この哲学的でありながら本能的なサウンドこそThe Oceanが他のバンドと圧倒的に違う点であり、徹底した美意識が、漆黒の世界に光が差し込むかの様な柔らかさを生み出しながらも、そこから一気にドス黒い激情の嵐が吹き荒れる。本質の意味でプログレッシブであり、正に圧巻のサウンドスケープを描いているのだ。
 今作はスラッジ色の強い粗暴なポストメタルサウンドが基盤になっているが、その肉体に訴えてくる圧倒的な音の波の向こうにあるのは、脳細胞の細かい神経にまで到達するかの様な人間の内面に潜む何かを全てフル稼働させるかの様な音であり、一気に聴き手の五感を刺激し、この現実世界の崩壊を描くかの様な景色が見えてくる。終わりのない音の洪水は正に人間なんかでは抗う事の不可能な世界の怒りを表現してりる。大地を粉砕するかの様なスラッジリフの破壊力はおぞましく、それらの音に重なる美しいフレーズは破壊と創造の美しさであるのだ!!
 スラッジコアからポストメタルからカオティックハードコアまで全て飲み込んだその音の破壊力が今作は本当に際立っており、徹底した美意識も決して説教臭い物にはなっていないし、全ての音のハードコアな破壊力が聴き手の体温を一気に上げていく。歌メロも前作以上に際立っており、それが感情を刺激する激情になり、旋律の一つ一つが美しく、それをプログレッシブなフレーズで鳴らす事によってドラマティックになっていくのだ。第5曲「The Grand Inquisitor II: Roots & Locusts」のエモーショナルさなんて涙すら流れる美しさだ。第7曲「Sewers of the Soul」のBaroness辺りにも通じるプログレッシブであり粗暴な楽曲も、第8曲「Wille zum untergang」の今作屈指の柔らかな美しさも、全てが一つの宇宙へと繋がっているのだ。そしてその宇宙の果てにある第9曲「Heaven TV」のヘビィネスとハードコアが正面衝突したかの様な壮絶なヘビィロックサウンドで聴き手は完全昇天間違い無しとなるであろう。そして全ての始まりを厳格に歌う第10曲「The Almightiness Contradiction」でThe Oceanが描く人間と宇宙の物語は幕を閉じる。



 2枚に渡って繰り広げられたThe Oceanの壮大な組曲であるが、全てを飲み込むブラックホールの様でもあり、全てを破壊するビッグバンの様な完全に宇宙レベルの何かを描いてしまった今作、ヘビィロックから前人未到の領域にThe Oceanは飛び立ってしまったが、そのアンサンブルと世界はヘビィロックを次の次元へと間違いなく引き上げていったのは間違いないであろう。
 2010年はISISの終わりという、ヘビィロックにおいて大きな損失があった。しかしその損失を埋めてしまうレベルでThe Oceanは壮絶な作品を作り上げたのだ。THe Oceanは間違いなく前人未到の孤高の領域にいるし、このバンドの更なる進化によってヘビィロック・ポストメタルは更に高い次元へと突入する事を期待したい。

■Heliocentric/The Ocean


HeliocentricHeliocentric
(2010/04/13)
Ocean

商品詳細を見る




 ドイツのポストメタル集団であるThe Oceanの2010年発表の4枚目の作品。今作はその後は発表された「Anthropocentric」と兄弟作品となっており、今作は前編的な位置になっており、地動説をテーマとした作品である。スラッジコアもポストロックも飲み込んだその作風は、まさしく神に近づこうとする徹底した芸術的精神を感じさせてくれるし、Neurosisの様な壮大な世界を描こうとしているがThe Oceanはより神話の世界の様な神秘性を描いている。彼らもヘビィロックの枠を破壊し、自らの音を徹底して鍛え上げるバンドなのだ。


 重厚でヘビィなリフを基盤に楽曲を構成しながらも、何重にも重なり合う音はよりクラシカルな世界を描き出している。ストリングスやピアノの音がよりその音にスケール感を与え、そこから激情の轟音ヘビィネスを見せつけ一気にバーストしていく。非常に理知的でありながら暴力的な音が空間を埋め尽くし、その音の美しさは正にISIS以降の音と言っても良いだろう。その中で分かり易さもちゃんとあって決して難解な物には聴こえさせないし、エモーショナルな歌と叫びもあり、それらが目まぐるしく展開していくのだ。メタルコア的なリフから一気にストリングスを前面に押し出した展開になってもそれらの音は本当に自然に大きな流れを作り出しており、大地と大海のサウンドになっていると言える。
 今作は静謐な美しさが爆発する楽曲も、激情の壮大なるスラッジコアな楽曲も全てが自然な形で耳に入ってくる。今作は一つの組曲の様でもあるし、それらの音が壮大な一つのドラマとして存在するからだ。特に終盤の2曲は本当にドラマティックで美しい轟音の嵐が激情が渦巻くハリケーンだ。その徹底して作りこまれた音の世界は正に宇宙と大地を感じさせる壮絶な映像作品の様だ。



 The Oceanの音楽はかなり徹底して作りこまれているが、決して難解な物になっておらず、野生的なヘビィロックの暴力性であったりとか、ドラマティックな世界観だったりをしっかりと見せ、多くの人の衝撃と感動を与える神秘性を確かに持っている。その重厚な世界観をこの前編である今作だけでも十分に伝わってくるが、後編である「Anthropocentric」でより孤高の世界にThe Oceanは飛び立つ。ポストメタルの新次元にこのバンドは間違いなく到達しているのだ!!

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ イギリス オルタナティブロック サイケ フランス アンビエント ネオクラスト ストーナー ドイツ ドローン シューゲイザー ロック ハードコア プログレ ギターロック グラインドコア ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル スラッシュメタル イタリア エレクトロニカ ジャンクロック インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ スペイン 年間BEST オーストラリア ノルウェー ジェント アコースティック モダンヘビィネス プログレッシブメタル ポップス ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル ニューウェイブ ラーメン ゴシックメタル ロシア ファストコア ハードロック ノイズ ニュースクールハードコア メタルコア パワーヴァイオレンス フィンランド 駄盤珍盤紹介 ヒップホップ オランダ トリップホップ アブストラクト 自殺系ブラックメタル ゴシックドゥーム ヘビィロック ミクスチャー ラトビア ダブ クラウトロック シンガポール ノーウェイブ ノイズコア ゴシック パンク ダブステップ メロディックパンク テクノ インディーロック チェコ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。