■EyeHateGod

■EyeHateGod/EyeHateGod


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(2014/05/27)
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 スラッジコアの元祖にして最高峰、伝説的存在であるEHGの実に14年振りとなる2014年リリースの5thアルバム。リリースはPANTERAのPhil AnselmoのレーベルであるHousecore Recordsから。2011年頃から制作に入っており、まさかEHGの新作がリリースされるとは思って無かっただけに、本当に今回の新作を楽しみにしていた人も多いだろう。そしてバンド名を冠したセルフタイトル作品なだけあって、その期待を何一つ裏切らない最高に極悪なスラッジ煉獄がやはりそこにはあった。



 基本的な路線はこれまでと何も変わっていない。4thアルバムで見せたスラッジコアの核を絶対の物としながら、多方面にアピール出来る多様性や純粋にバンドとしての力量の凄みは今作にもあるし、そうした間口の広さは前作と変わらない。しかし彼等が確立したスラッジコアという音に何の日和もブレも無い。相変わらずサバス直系のリフを更に激重にしたハードコア×初期サバスというEHGの生み出したスラッジコアの凄みとおぞましさしか無いし、期待を全く裏切らない、良い意味で不変のサウンドがそこにあった。
 第1曲「Agitation! Propaganda!」の劣悪なハウリングノイズからの暴走クラストサウンドにいきなりド肝を抜かれるのは間違いないだろう。暴走突撃戦車の如く突き抜けるサウンドだけでも最高だけど、そんなクラストサウンドでもヘビィなリフは無慈悲に迫ってくるし、最後はビートダウンして暗黒スラッジ連合軍の行脚の様なスラッジリフ。そして充満する初期サバス成分。もう最高だ。第2曲「Trying To Crack The Hard Dollar」はBPMも少し落としてスラッジらしさをより出しながらも、ストーナーロック的な取っ付き易さも実はあっったりするし、ロックとしての格好良さも見逃せない。そんな曲でもギターリフやビートは引き摺る重さがあり、容赦無くハウリングノイズを放っているのも、やはりEHGならでは。第4曲「Quitter's Offensive」もサザンロックとサバス成分が見事に融和し、ハードコア・ロックとしての格好良さや貫禄もかなり感じる。でもこうして間口の広く、ストレートなサウンドでも単なるハードコア・ロックで落ち着いてはくれない。徹底してサウンドはヘビィだし、這い回るグルーブも、ギターリフも徹底して極悪だ。4th辺りからの突き抜ける様なドラムの音作りも今作でも健在だったりするけど、それも含めて破壊力はとんでもねえ事になってる。
 今作はスラッジ云々以前にヘビィでダウンテンポなハードコアとしてとにかく格好良いし、スラッジコアの礎を作った先人の貫禄を見せつけているけど、第8曲「Robitussin And Rejection」の様にスラッジ成分を前面に押し出しまくった曲は本当に本領発揮で、推進力を放棄したグルーブのドス黒い毒ガスはあっという間に充満するし、そして気づいたらもがき苦しんで死ぬしかない。EHGの凄い所って単に拷問の様なサウンドを繰り出すだけじゃない、単に格好良いロック・ハードコアをしているだけじゃない。最高に格好良い拷問サウンドで容赦無く殺す。それこそがEHGが生み出したスラッジコアなんだと思うし、そこは本当にブレてない。第9曲「Flags And CitiesBound」は今作で一番の長尺曲であるけど、ハウリングノイズが終わり無く充満、極端に歪んだベースが蛇の様に絡みつき、そして鉄槌のスラッジリフが全てを粉砕する悪鬼EHGの凄みに震えるしかない名曲だ。本当に極悪さと劣悪さを極めたサウンドの凄みは相当だし、このバンドは14年の歳月を経ても何も衰えてなんかいないし、より極悪になっているじゃねえか!!



 14年振りの5thっていうのも色々凄いけど、しかし何一つブレずにEHG印のサウンドを容赦無く展開する今作が最高じゃない訳が無いし、スラッジコアの先人による見事すぎる復帰作だ。堂々とセルフタイトルを冠しているだけあって、最高のアルバムをまたEHGは生み出してくれたのだ。とにかく黙って聴いて気づいたら殺されてるみてえな極悪スラッジは凄さと格好良さしかない。最強劣悪のスラッジ地獄(まあこれ聴くゲス共からしたら天国なんだろうけど)に身を沈めてしまおうじゃねえか!!言うまでも無く最高だ。



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■Take As Needed For Pain/EyeHateGod


Take As Needed for Pain (Reis)Take As Needed for Pain (Reis)
(2006/06/27)
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 スラッジコアというジャンルを語るに於いて今作の存在は絶対に外す事は出来ない。このEyeHateGodの93年発表の2ndアルバムは間違いなくスラッジコアの基礎を確立した作品であり、ヘビィなリフがズルズルと這いずり回る極悪なグルーブに満ち溢れ、ハードコアを経過しながら、Black Sabbathの様なヘビィで煙たいリフが充満する遅く重苦しい殺気に満ちた極悪極まりない大傑作である。



 今作にあるのはあくまでもハードコアとしてのカラーを守りながらも、そこからは大きく音楽性を進化させたEHGのスラッジコアの真骨頂である。第1曲「Blank」から徹底して引き摺るヘビィなリフの強烈な音圧だ。そして推進力無く引き摺るかの様なリフとビートが益々窒息してしまいそうな重苦しいグルーブを生み出している。音数こそは多く無いけれど、それを埋めるのはリフの煙たい残響音だ。手法はあくまでもハードコアなんだけれども、そこに初期サバス直系のヘビィさと煙たさをブチ込んだ事によってサイケデリックな酩酊感すら生み出している。そこに乗る殺気に満ちた爬虫類ボイスのシャウトがそれをより極悪で殺意に満ちたえげつない音を加速させている。また今作に充満しているグルーブは70年代ロックのグルーブだ。先人達が作り上げたロックのグルーブの危険な酩酊感を受け継ぎ、それをハードコアとして鳴らしている。それこそがこのバンドが生み出したスラッジコアのグルーズであり音楽的要素だ。しかしながらただ引き摺る様な重さだけで攻めるのでは無く、所々にヘビィではあるがやたら躍動感に満ちたパートが存在する事によって楽曲の緩急も見事についているし、楽曲構成の作り方も本当に上手い。それでいて徹底して渇ききった荒涼としたスラッジサウンドを徹頭徹尾鳴らしているのだから本当にタチが悪いのだ。



 EyeHateGodが生み出した今作によってスラッジコアはハードコアの極悪さを追求した進化系という一つの形を完全に確立した。今作はハードコア以外の要素も多くあるが、それでも一貫してハードコアのまま、その先に存在する更に危険な次元へと到達してしまっているのだ。スラッジコアは更に形を変え、拡散していっているが、やはり今作に存在している純度の高い危険な音は凄く魅力的であるし、本当にサイケデリックである。ジャケットは非常に悪趣味であるし、拷問の様な殺気に満ちているが、脳髄を揺さぶられる様な陶酔感とハードコアとしての強靭な強さを兼ね揃えたハードコア・スラッジコアの大名盤だ。ここにある音は本当に危険でゾクゾクする。



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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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