■Cut Hands

■Afro Noise I/Cut Hands


Afro Noise IAfro Noise I
(2011/07/05)
Cut Hands

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 ウィリアム・ベネットはWhite Houseでの活動で、ノイズ・インダストリアルに多大なる功績と足跡を残した重要人物である事は今更言うまでも無い話だが、そんなベネットが4年もの歳月を費やし完成させたCut Hands名義での今作は2011年の現在、ベネットがインダストリアルとかノイズだとかの概念以上のもっと肉体に直接的に訴えるかの様なビートで溢れた作品になっている。近年のベネットはアフリカ音楽に大きな関心を持っていたらしいが、今作はベネットがアフリカ音楽に大きなインスピレーションを与えられた事が分かるし、それを完全にベネット自身の音として消化した作品だ。



 はっきりと言ってしまうと今作にはノイズ的要素はあまり見られない。今作にも確かに随所随所にはノイズは存在しているが、それはWhite Houseに比べたらまだ優しい物だ。何より今作の軸になっているのは正にアフリカンビートとしか言えない民族的でトライヴァルなビートだ。民族楽器をサンプリングし、それらをテクノ的なアプローチで終わり無く降り注ぐビートとして存在させる事で正に大地と共鳴するかの様なビートに仕上げているのだ。しかもそれらの音は打ち込みの人工的な無機質さと躍動感溢れる原始的な音を完全に共存させる事に成功している。このビートは無慈悲な躍動なのだ。そしてそれと同時に存在するのはベネット印の高周波サウンド、決したてノイズとは呼べる物ではないのかもしれないのだけど、不穏に反復するそれと、無機質なビートの融合はとんでもなくしっくりきているのだ。その高周波サウンドもビートも同様に作りこまれた物であるからこその親和性の高さは今作の大きな特徴と言っても良いだろう。そのアンビエントさとデジタルで無機質なビートが生み出すカタルシスは脳内の危険な成分をこれでもかと噴出させてくれる事は間違いない。そして終盤になって一気に噴出するインダストリアル高周波ノイズ。後ろでなるトライヴァルなビートと脳髄を焼き尽くすノイズが本領発揮に一気に心臓を掴まれてしまったかの様な感覚に襲われる。そしてそのノイズが不気味なアンビエントな音に変貌し、その不穏な余韻を残し今作は終わる。



 今作はタイトル通り、アフロノイズとしか言えないアフリカンなビートと無機質なインダストリアルさと、アンビエントな高周波サウンドは巧みに配分させた作品だ。正直えげつないノイズサウンドは殆ど無いし、それを期待したら肩透かしは食らってはしまうかもしれないけど、ベネットの新しい一手としては本当に洗練された素晴らしい作品だと言えるだろう。降り注ぐビートと不穏のアンビエントさは脳髄をシラフに保ったまま覚醒させてしまうかの如し音。冷たい汗と共の頭を振るしか出来ない。



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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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