■Mortalized
■Absolute Mortality # 1/Mortalized

京都が誇る超ショートカットグラインドコアバンドであるMortalizedによる03年リリースの1stCD。ギターはHayaino DaisukiやGridlinkにも参加している。ギターとドラムとボーカルのみのベースレス3ピースという編成はグラインドコアのレジェンドであるDiscordance Axisを思い出させるが、音楽的にもDxAxの影響を強く感じる超ファスト&ショートカットチューンが並び、全4曲4分半という超速で駆け抜ける混沌のグラインドコアだ。
DxAxの影響を感じるサウンドであるが、カオティックな要素も感じさせながらも純度の高いグラインドコアを展開しており、カオティックさを感じるのはその超速過ぎるBPMによる物だ。随所にBPMを落とすパート等も盛り込み、僅かな時間でキメとブレイクを巧みに取り入れ目まぐるしい展開を見せ付けてくる。グラインドコアの中でも屈指の演奏力を持っているし、ただ速いだけで無く緻密に複雑なビートを乗りこなすドラムはやはりDxAxに負けない速さと技術とセンスを感じさせてくれる。グラインドコアらしいギターリフをとんでもないスピードで叩き付け、そのあまりの速さゆえのカオティックさとリフの変化のつけかたのセンスにも脱帽。低域デスと喚き散らす様な灰トーンシャウトを使いこなすボーカルによる一人ツインボーカルなスタイルも格好良すぎて痺れる。それにしても僅かな尺の楽曲の中に無駄なんか一切存在せず、全てが激走の音としてのカタルシスと破壊力を持っている。特に第3曲「Speed Satan」はそのリフの破壊力も暴走するブラストビートの破壊力も屈指の名曲だ。
今でこそ世界レベルで活躍する日本のバンドが増えたが、Mortalizedは間違いなく世界トップレベルのグラインドコアバンドだと断言出来る、日本の京都から世界を震撼させるカオティック&ファストなグラインドコア、僅か4分半だからこそ生み出せるカタルシスがあるし、そのサウンドフォルムは完璧であるのだ。