■accidents in too large field
■NEW BUILDINGS/accidents in too large field
![]() | new buildings (2008/01/30) Accidents in too large field 商品詳細を見る |
福岡の異端児であり、九州Fuck Waveを引っ張るバンドであるaccidents in too large fieldの08年発表の1stアルバム。リリースは危険音源発信レーベルであるless than TVから。現在はツインドラムの4人編成であるが、今作ではまで3ピース編成での作品であるが、変拍子を駆使し、ベースもギターも大量のエフェクターを駆使したジャンクなダンスサウンドを展開しており、ドラッギーなダンスミュージックそのものである。
ブラックホールへと吸い込まれそうな怨念と混沌に満ちた音作り、硬質なビートと変則的な構成はポストパンクやニューウェイブの影響を感じさせる物であるが、それをより混沌へと加速させた結果がこのバンドの音になっていると言える。空間系の音を使いこなしサウンドコラージュのノイジーさが、得体の知れない音になっているし、ジャンクでドラッギーでありながらも、純粋に格好良い硬質なギターフレーズ、多彩なアイデアを吸い込む面白さ、複雑な構成の楽曲を乗りこなすテクニカルさ、それでいてどこかキャッチーでありダンサブルだからこそ生まれる危険な音。硬質のギターリフとトライヴァルなビートが生み出すキマりまくったダンスミュージックである第2曲「Pigeon at Belvedere」から一気にぶっ飛ばされるのは間違いないだろう。不協和音を奏でるピアノのフレーズが効果的でもあり、ドープな世界へと突き落とされる第3曲「ノンフィクション落下」も素晴らしいが、特に第4曲「DIAGONAL」は屈指の出来。キャッチーさも感じさせるギターフレーズと共に破滅へと暴走するビートのハンマーが振り落とされる。曲中盤のブレイクでの狂騒感から最高に飛べるギターソロへの以降は本当に痺れる。全編に渡って図太く様々なエフェクターを駆使したベースが生み出すグルーブと加速する狂騒の中でダンサブルに変態的なビートを繰り出すドラムと、キャッチーでありながらも刺し殺しまくりな尖りっぷりを見せるギターフレーズの3つが生み出すジャンクパンクのマジックが今作には満ちている。ノイズ塗れのまま破滅へと落ちていく第8曲「August Out」で今作が終わる辺りもなんとも彼等らしいではないか。
音楽が持つ危険さえをこれでもかと盛り込んだ末に生まれたダンサブルジャンクロック。No Wave、ポストパンクの血肉を感じさせながらも、更にドラッギーで狂気に満ちた正に危険音源だと言えるだろう。バンド名通りにノイジーな狂騒がぶつかり合う様は本当にスリリングで正に音の交通事故現場そのものであるのだ。無差別に人をブチ殺せる様な危険さに満ちた音に植えている人にこそaccidents in too large fieldは必要だ。