■Mournful Congregation

■The Book Of Kings/Mournful Congregation


The Book Of KingsThe Book Of Kings
(2011/11/01)
Mournful Congregation

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 EVOKENやSKEPTICISMやWorshipと共にフューネラルドゥームの代表格として数えられているオーストラリアのバンドであるMournful Congregationの2011年発表の4th。全4曲でありながらも70分超えの収録時間を誇る超大作ばかりが並ぶ作品であるが、音も徹底的に遅く重いフューネラルドゥーム。それでいて物悲しい陰鬱さとメロウさが複雑な構成の中で絡み合い、それが終わりへと美しく堕落していく作品。重苦しいが感情移入の余地もあるしかなり聴き易い部類の作品になっている。その上、完成度もとんでもない事になってる屈指の傑作だ。



 のっけから19分にも及ぶ第1曲「The Catechism of Depression」で奈落の悲しみが幕を開けるが、荒涼とした旋律の乾ききった悲しみと極限まで音数を減らしたビートと悲痛なグロウルが渦巻く暗黒世界へと僕達を導く。音の構成自体はシンプル極まりないのに、その中で少しずつ複雑に絡み合う音の螺旋と、残響音も含めて重なり合う音の負のハーモニー細やかな弦の振動やシンバルの振動の残響までをも聴かせるその繊細さや緻密さはかなりの物だ。物悲しいアコースティックギターのフレーズの挿入からそれを打ち砕くドゥームの破壊力はより悲しみと嘆きを加速させているし、音楽的にはまた違うけれど、大作志向の時ののCorruptedなんかが好きな人にも有効だし、ゴシックメタル好きなんかにもアプローチ出来る泣きの要素も存在、陰鬱さを極めながらも、多くの人をその絶望のドゥームの世界へと導くだけの力がこいつらには確かに存在している。第2曲「The Waterless Streams」でもその悲しみの音に全く揺らぎは無いし、徹底して聴き手の負の感情に訴える痛烈なドゥームサウンドを展開、シンプルだからこそ旋律を最大限に生かした音になっているし、それは聴き手の胸を抉るのだ。負の蓮華が乱れ咲く美しさは本当に圧巻だ。その一方で第3曲「The Bitter Veils of Solemnity」はアコースティックな楽曲になっており、自らのドゥーミーなサウンドを削ぎ落としているが、それでも持ち前の感情を刺激する旋律は健在。厳かなボーカルもそのスケールを膨張させているし、終盤は漆黒の闇から救いの光すら感じさせる旋律まで飛び出し、柔らかな感触と共に聴き手の闇を少しだけ晴らす様な温もりを感じさせてくれる。そして第4曲「The Book Of Kings」は33分にも及ぶ超大作ナンバー。今作の中でも屈指の叙情性を持った1曲。ストリングスの音色がまたその音に耽美さを加えているし、中盤では持ち前のドゥーミーさも開放、緩やかに変化していく楽曲は壮大なドラマその物で前半の絶望的世界から、その絶望を超えた先の救いすら感じさせてくれる美しさに涙すら溢れるメランコリーの世界となっている。そしてラストの静謐なオルガンと語り部で今作が終わる瞬間に一大叙情詩の余韻に酔いしれるしかないのだ。



 その絶望的なフューネラルドゥームのへビィネスにも圧巻なのだが、漆黒の闇から救いの光までへの壮大な旅路のスケールもそうだし、何よりも感情移入し放題の音にはただ酔いしれる事が出来るし、それらの要素はフューネラルドゥーム初心者も、他のジャンルの愛好家にも有効な音になっている。芸術的緻密さと小細工無しのシンプルなサウンドスケープで描かれる涙腺崩壊必至のドゥームサウンドは本気で心を揺り動かされる。屈指の傑作であるのは言うまでも無い。



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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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