■インタビュー

■【激昂は怨念と共に】kallaqriロングインタビュー

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 本州最北端青森県を拠点に活動するハードコアバンドkallaqri。一地方のハードコアバンドでありながら、ツインベース編成の変態的スタイル、呪術を感じさせる不気味極まりないクリーントーンのコード進行、そして圧倒的爆発力とハードコアバンドとして圧倒的なポテンシャルを持つバンドだ。
 その実力は青森のバンドでありながら東京・大阪でも少しずつ知れ渡り、着実に名前を全国区へと広げつつある。その一瞬すら瞬き出来ずに直視するしか無くなる瞬発力とタフネス溢れるライブパフォーマンス、メンバー全員が喧嘩しているかの様な暴力性。kallaqriは単なる青森ハードコアとか激情ハードコアでは片付ける事は出来ない。
 今回、kallaqriの東京遠征ライブのタイミングでメンバー全員へのインタビューを敢行させて頂く運びとなり、バンドの歴史やルーツだけでなく、青森という土地でバンドを続ける意味、そして地方シーンのリアルについて色々と聞きまくったテキストに仕上がっている。是非とも一読願いたい。



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・先ずはkallaqriの結成の経緯を聞こうかな。

一瀬章(Ba):高校の時に俺と優作と隼也でハードコアパンクのバンドを組んでて、それが解散してからkallaqriを始めたって感じだね。

・kallaqriは最初からツインベースだったの?

吉田隼也(Vo):kallaqriは二つのバンドが合体して結成された感じで、そしたら偶々ベースが二人いたって感じ、結成当時はツインボーカル編成でもあったね。だから最初は6人編成だった。
 それでメンバーチェンジなんかもありつつ、徹と邑宇士が入って今のメンバーになったね。今のメンバーになったのは2014年の秋口とかかな。

・ツインベース自体は狙ってやってる訳じゃ無かったのね。そもそも章はベースにギターアンプ繋いでいるけど(笑)。

吉田:メンバーたくさんいるとライブが面白いかなと、pg.99みたいな(笑)。でも最初の頃とか本当に酷くてベースの音が歪み過ぎてるみたいな所から始まったからね。これから何をやるんだろうとか、ツインベースをやる意味とかを考えたりもしたし。

・それぞれの前身バンドからどんな音楽性をやりたいとかあった?

吉田:結成当時は曲ネタを持ってくるのは大体は章っていうのもあるから、章がビジョンは担っているのかな。

・音楽性的には激情ハードコアとかカオティックハードコアになるんだろうけど、既存の物とは全然違う感触の物を出しているよね。

一瀬:俺はThe Blood Brothersみたいなツインボーカルのバンドがやりたくて、そこに激情ハードコアエッセンスなんかも入ってきて…その頃は国内のSWARRRMやDEEPSLAUTER、Spike Shoesの影響なんかも受けつつ全部ごちゃ混ぜみたいな感じだった。

・今の話聞いていると明確な目的とかコンセプトって無い様にも見えるね。

羽賀優作(Gt):その時に思いついた物でやりたくなった事があって、その時に一番声がでかいメンバーの意見を取り入れてるって感じはする。「俺これ絶対やりてえ!!」って事があるなら「そんなに言うならそれやろうか!」って流れにいつもなっているね。

渡邉徹(Ba):でもやりたい事に関して意見は好き勝手にそれぞれが言うけど、それをやる為にはちゃんとメンバーの同意を得て、それでバンド内の民意が固まったらそれをやるって決定事項にしている感じかな。

吉田:うちは民主主義だから。青森民主主義人民共和国だから(笑)。
俺たちが元々やっていたバンドがジャパコアとファストコアが混ざったみたいな…例えるなら大阪のTHE FUTURESの影響を凄い受けてたね。

羽賀:当時、章が「THE FUTURESって格好良いんだ!」って聴かせてくれたんだ。

・THE FUTURESってバンド名が出てきて、kallaqriとTHE FUTURESは凄いリンクする部分があるって今気付いた!!それと青森ってローカルな地域でこうした他の地方のバンドを掘る原動力って何なのかなって。

一瀬:学生の頃にハードコアパンクが好きになって、一回り以上も歳が違う大人の人に色々聴かせて貰ったりとかかな?高校生のバンドのライブの最前列に高校生が一人もいない環境だったから。

吉田:いかつい格好した大人の人達ばっかりで。正直怖かった。

羽賀:まぁライブ見てる人達からしたら隼也が一番怖かっただろうけどね(笑)。

・地元の仲間同士で格好良いバンドを教え合ってみたいな。それは今のkallaqriにも繋がってるでしょ?

渡邉:今でもメンバーそれぞれが今聴いてるバンドの情報交換とかは凄いしているね。

羽賀:俺と章と隼也に関しては10年以上も一緒にバンドやってる訳で、俺は最初はハードコアなんて聴きもしなかったし「なんだこのうるせえの!」って思ってたけど、章がこういう音楽やりたいっていうのがあって、仲良い友達の為に「うるせえ音楽だなこれ。」って思いながらやってた。
 でも10年以上もやっていると自分の好きな物も変わっていったし、みんなの価値観が融合していったね。徹と邑宇士とも何だかんだ3年4年とか一緒にやっていて、今やっと5人での音がくっついている気がする。

・優作は元々どういう音楽が好きだったの?

羽賀:レッチリとレイジでちゃんと音楽を聴くようになったかな。一番最初に買ったCDはモーニング娘。の「LOVEマシーン」(笑)。でもその次に買ったのがレイジの1stとかだった。

渡邉:邑宇士が一番最初に買ったCDは?

佐藤邑宇士(Dr):だんご三兄弟…

全員:(爆笑)

吉田:前身バンドのEXITを始めた時も青春パンクからRancidとかの洋楽パンクに入って、そのあとLIP CREAMやGAUZEからジャパコアとかに流れて…

・章がみんなの価値観を良い感じに作ってる気がする。

一瀬:最初はそうだったかもしれないけど今は別にそんな事は無いかな。

・でも良い感じで他のメンバー影響は与えてる気がする。

吉田:一番最初の発端としては確かにそうだったよね。変な物を持ってくるのは大体章だし(笑)。



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・言ったら目標としている先輩とか伝説的バンドがいて、その影響下で違うことをやりたいみたいのもkallaqriはあんまり無い感じもする。

一瀬:だからハードコア界隈からもメタル界隈からもライブ誘って貰えてるし、それは本当に有難てえなって。悪く言えばどっちつかずな立ち位置なんだろうけど。

渡邉:でもハードコアをやっているって自覚はある。うちらの音楽的にメタル成分はゼロだからね。メタル出身のメンバーもいないし。

一瀬:誘ってくれるメタル系のバンドはなにか共通するものを感じ取ってくれてるんだと思う。変態っぽさとか(笑)。

・ハードコアをやるって明確な軸以外は余計な価値観に囚われて無いと思うよ。今の方向性になった切欠って何かな?

吉田:kallaqri初期からエモヴァイオレンス的な部分はあったよね。

一瀬:RAEINとかOrchidとかtragedyとか激情ハードコアって括られてるのを格好良いなって思いながら曲作ってた。今は一番新しい曲とかは優作が作っているから、特に俺がコンポーザーって訳でも無いかな。

羽賀:基本的には誰かのアイデアをみんなで肉付けしたり切り崩したりしながら当初とは全く予想もしてない形の色々な呪いの人形を作ってる(笑)。うちの曲はみんなの時間や金や精神力を削って魂込められた呪いの人形だから。

渡邉:喧嘩しながら曲作ってって感じかな。だから1曲出来るのに1年かかってとかはザラにあるね。

・それで去年2曲入りシングル「カイホウ」を出したし、いずれ出る1stアルバムはどんな物になると思う?

羽賀:そこは個人個人で全然違うことを考えてる気がする。まあみんなで共通している部分は「早く作りたい。」って所だね。
アルバムは本当にこれからスタートって感じ。

一瀬:東京でやってるバンドに比べると、うちらみたいな青森バンドや他の地方のバンドって色々ハードルが高いというか、金とか仕事とか距離とかの制約もあり、時期によってはバンド以外のことに時間が取られてしまっていることもある。冬になると雪が5メートル積もる街だから。



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・実際に東京にライブで遠征したりとかしてて、東京と青森の違いとかって感じたりする?

佐藤:地元でやるより他の地方に出てきた時の方がやっぱり緊張感はあるな。青森だと知り合いが多いから気持ちがフワッとしちゃう感じする。東京は本当に色々な人が色々な事をやっている感じ。

吉田:青森のバンドも東京でライブをしていないだけで、東京でライブやったら凄く評価されると思うんだ。ATHLETIXとかSource
Ageとかみたいな先輩バンドもいるし。

・かの青森最後の詩人ひろやーさんとか!それこそ人間椅子も青森出身だもんね。

一瀬:ひろやーさんとか10年以上前から仲良くて、有名人感は全く無いんだけどね(笑)。

羽賀:青森の外の人からすると凄い有名人みたいなんだけどね(笑)。身近すぎてピンと来ない。

・その身近に感じるって部分は正にローカルならではだよね。東京だとやっぱり世代だとかキャリアみたいな区分もあるのかもしれないけど、地方ってそういうのはあんまり無いのかもね。

吉田:先輩後輩とかってのは青森でもあるけど、東京に比べたら全然緩いかな。徹も元は中学の先輩だけどkallaqriやっててそういうの感じた事ないし。

羽賀:ひろやーに関しては毎週飲んだり遊んだりしてるからそんな感じは全くない(笑)。

吉田:ATHLETIXとSource Ageは先輩として本当にリスペクトしてるし、だからこそ先ず最初にブチ殺すべき目標でもある。

・近いところだと山形はハードコアが熱い土地だと思うし、そうした身近から受ける刺激ってローカルのが大きいのかもね。

一瀬:でも刺激の数で言ったら東京のがダントツで多いよ。何でもあるし、色々なバンドが沢山いるし、それが毎週どこかに行けばライブを観れるって環境は凄いし、そりゃ若くてセンスあるバンドたくさん出てくるわと思うよ。

羽賀:あっちでEnvyやってて、こっちでkillieやってて、また別の所に外タレ来ててとか(笑)。

・俺は栃木出身だから言うけど、そこまで色々溢れてるのは都内近郊だけだよ。栃木も格好良いバンドは勿論いるけど、絶対数はやっぱり東京に負けるし、その感覚って他の地方出身者と青森の君たちと近い部分だと思う。

羽賀:だから東京みたいにいつでもどこでも何かやっている場所を出てしまったら、他も全部同じだと思う。

・ローカルのバンドってホームだけじゃなくて、色々な場所にカチコミに行かないといけないよね。

一瀬:「田舎舐めんじゃねえ!!」って思いながらカチコミしに来てるよ。

羽賀:別にどこで誰と対バンしようとも「全員殺す!!」って思ってるし、青森だろうと東京だろうと他の地方だろうと「全員殺す!!」以外考えてない。どんなに仲良いバンドが青森でライブしに来てくれても、それがリリースパーティとかでも「殺す!!」以外には無い。一緒にライブするんだったら、取り敢えず殺そうと(笑)。でもそれ以上に仲良くなりたいと思ってるよ。

・共闘する仲間ではあるけど、対バンの時は「殺す」と。

吉田:どのバンドも「殺す」って気持ちはあると思うけどね。言い方おかしいけど。

・東京・名古屋・大阪みたいな大都市圏って地方のバンドも沢山来るし、sekienみたいに姫路からカチコミしてくるバンドもいるじゃん。それらのバンドに対して東京・名古屋・大阪のバンドも「お前ら分からせたるわ!!」って地方バンドに対して闘志をむき出しにしてると思う。
 例え東京バンドだけ出るイベントでも「ブチ殺せ!!」って気持ちでライブしてる筈。kallaqriのライブ観て毎回「こいつら殺しに来てるな!!」ってのは凄く感じるよ!!


羽賀:当たり前じゃん、こっちは青森から来てるんだから(笑)。時間も金も使って遠征に来てる訳だから気合入ってない訳無いじゃん!家族とか友人には少なからず迷惑承知でやらせて貰ってる事だし、それで適当な事をやるなんて有り得ないよ。

渡邉:東京でやろうが青森でやろうが大阪でやろうがkallaqriでやることは何も変わらないね。

羽賀:違いがあるとしたら遠征だと知らない人が多いからちょっと緊張するな。「お友達になりたいな。」みたいな(笑)。

・でもkallaqriの事を呼んでるバンドやイベンターさんもいる訳じゃん、そういうのって凄く大事だよ。

吉田:こうやって見つけてくれるのは本当に有難いよ、見つけてくれなかったらずっと青森だけでやるしか無かったし。なかなか行く事がない
 新潟でやれたのもANCHORのお陰だし、大阪でやれたのもSTUBBORN FATHERのお陰だし。繋がりとか無しでいきなり誘って貰ったりそういうのがたくさんあるよ。しかも、実は青森で受け入れて貰えるようになったのもここ最近なんだ。

一瀬:kallaqri始めて5年近くはみんな、何やってるか分からねえしって感じだったもん。実際ひどかったんだろうけど(笑)。でも次第にネットやSNSでkallaqriの話題をしてくれる人が出てきて、それで青森の人たちも近くにいたうちらをようやく評価してくれたんだよ。

渡邉:逆輸入みたいな感じで(笑)。でも最近はハードコアに限らず、激しい音楽が根付いてきた感覚は凄くある。流行りものの影響も少なからずあるけど。

一瀬:「何アレ!?」って言われなくなって良かった反面、また違う難しかったりする事も出てくる時もたまにあるな。でも評価されるのは本当に嬉しい。「何か分かんねえけど凄い!!」とか「何か分かんねえけどこのバンド好きだ!!」って言って貰えたら凄く有難い。別に音楽詳しい詳しくないとか関係無く「何か分かんねえけどヤベエな!!」って言ってくれる人も結構いてね。

・もし君たちが東京のバンドだとしてもそこは変わらない?

吉田:変わらないよね。この熱量のまま同じことをやるんだと思う。だって何かを急いでる訳でも無いしさ。ライフワークになってるんだと思う。

羽賀:東京いたら違ったって思うのは精々練習場所の問題とかかな。

一瀬:東京にいたから曲作り早くなるとかも無いし(笑)。

・言ったら所詮は生まれた場所の話ってだけでしょ?

羽賀:うちらは地元LOVEだから高校出ても青森離れなかった訳ですよ。邑宇士に関しては間違えて青森に迷い込んでしまったのが悲劇の始まりだけど(笑)。

・邑宇士は地元どこなの?

佐藤:秋田。

・割と近所じゃねえかよ!!

吉田:八つ墓村みてえな所な。

一瀬:邑宇士の地元本当に凄かったもんな。

渡邉:本当に山しかない。

一瀬:山ん中に邑宇士の家だけしかない。

羽賀:マジでホラーのテレビ番組で見る感じで、夜に邑宇士の地元に行ったんだけどトンネルをフゥっと抜けた先にある八つ墓村みたいな集落って感じで。

一瀬:集落どころか邑宇士の家しかない(笑)。

・でも俺の地元だって田舎だから変わらねえよ。それにネットに関しても黎明期の時代に思春期を過ごしたからさ。

一瀬:その当時はジャケ買いとかもしたし、個人のホームページのレビューとか掘りまくってさ。

・田舎ブックオフジャケ買い大会はするでしょ?

羽賀:そういう時代にはハードコアには全然興味無かったから、ジャケ買いとかやってる隼也と章を見て「すげえ事やってんなあ。」って思ってた。

吉田:鋲ジャンの奴とモヒカンの奴と普通の奴がママチャリ乗ってスタジオ通ってたからね。優作はカツアゲされてる人みたいだったな。

羽賀:今もパンクとかのファッションには興味無いからね。でも彼らは一生懸命鋲ジャン作ったりとかスパイキーにしたりとかしてて、夜中の3時まで鋲打ち手伝わされたりとかね。

・まずはクラストパンツからスタートだよね。

羽賀:だからバンドやってるとカツアゲされてる感じに見える普通の少年をパンクスが囲んで歩いてるって感じだったね。

・さて今後はどうなってく感じかな。

吉田:アルバム出して、ヨーロッパツアーとUSツアーと全国ツアーと中国ツアーしたいね。

渡邉:もう世界一周した方がいいのでは!?

羽賀:兎に角まずは日本各地に行きたい!呼んでくれる人がいたら行くし、良いバンドがいたら仲良くなりたい。

・全国に仲間作りつつ、ライブでは「殺す」と。

羽賀:パンクとか云々じゃ無くて、良いと思えるバンドって人間的にも良い人ばかりだし、だから自然と仲間が増えていくんだと思う。それが凄い楽しいかな?それを続けていきたい。
 でもライブでは殺す!!それでもステージ降りたら仲間だし、うちらは基本頭悪いバンドだから(笑)。



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【kallaqriリリース情報】

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【kallaqri twitter】https://twitter.com/kallaqri
【kallaqri Facebook】https://www.facebook.com/kallaqri-558436314297000/
【kallaqri Soundcloud】https://soundcloud.com/kallaqri



photographer : ミツハシカツキ
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■【静かなる反抗声明】ANCHOR鷲尾、ロングインタビュー

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 新潟という北陸の最北端にANCHORというバンドが存在する。
 99年に結成、バンドの歴史自体は20年近くにも及ぶが、バンドの歴史に反してこれまでリリースした音源は本当に少なく、多くの人々に名前が知られていない存在ではあった。
 そんなANCHORは今年いよいよ1stアルバム「深層」をリリース、単独音源としては実に16年振りの作品となったが、これが本当に素晴らしい一枚となっている。
 決して分かりやすいカテゴライズされた激情ハードコアでは無い、非常に渋い一枚となっているが、バンドの持つ屈指のメロディセンス、ミドルテンポで決して攻撃的と言えるサウンドでは無いが静かに突き刺す2本のギター、パッキパキの硬質なサウンドが淡々と描くのは体制や日常の違和感や不条理に対する静かなる反抗。ANCHORが描くのはカテゴライズされる事を拒んだ静かなる反抗だ。
 10/1にweeprayとTRIKORONAの共同企画「様々な死覚」にて実に7年振りの都内でのライブも決まっているANCHORだが、このタイミングでBa/Voの鷲尾氏にメールインタビューを敢行させて頂いた。
 ANCHORが描く反抗の音楽から、新潟でバンドを続ける原動力まで、決してテキストの量は多くは無いが、その音楽同様に確かな言葉で鷲尾氏は語ってくれた。



・ANCHORの結成から現在に至るまでの経緯を教えてください。

 1999年結成し年末に初ライブ。初ライブから半年後にメンバーチェンジがあり坂井(Gt)加入、現体制のメンバーになりました。これまでにCDEP「キズ」、split7'ep(w/STUBBORN FATHER)、LIGHT YOUR WAY COMP(1曲参加)、DOiT DVDを発表。初期に比べれば年齢を重ね仕事や家庭の都合もありライブの本数は減りましたが、スタジオワークは欠かさず活動を続けています。



・初期と現在では音楽性はどの様に変わって行ったと思いますか?

 今と比べれば初期の頃は早くハードコア要素の強い曲が多かったと思います。
 現在は聴く人によってはハードコアと感じる曲は少ないかもしれませんがANCHORとしての芯の部分は当初より変わっていないと思っています。



・現在はどの様な方向性をバンドでは目指しているのでしょうか?

 特に方向性を決めてという活動はしていないので、何とも答えようがないですが聴いて観て何かを感じてもらえれば嬉しいですね。



・影響を受けたバンドなどがありましたら教えてください。

 メンバー各自の影響受けたバンドはバラバラだと思いますね。挙げればキリがないです。
 ANCHORを始める際にメンバー募集に書いたのはANODE,ENVY,THIS MACHINE KILLSなどでした。



・今年の6月に1stアルバム「深層」をリリースされましたが、チェンバロの様なギターアルペジオと空間的ギターのツインギターとミドルテンポのビートとグルーブが非常に特徴的な作品に仕上がってます。この様なサウンドを生み出す意図とは何でしょうか?

 僕らは意図を持ってこういったサウンドにしようと向かった訳でもなく、初期と現在の違いにも通じますが曲作りや活動を続けてきた結果、自然の流れで今のサウンドスタイルになりました。



・歌詞に関しては日常生活の違和感とそれに対する静かな反抗を歌っている様に感じます。その様な言葉を綴る意味とは何でしょうか?

 日常で見聞きする中で疑問や不満、怒りと自分が感じること等に対し自分が思ったことを詞を書いています。綴る意味と聞かれたら自己主張ですかね。



・楽曲はどの様に作られてますか?

 宮下(Gt)がフレーズを持って来て全員で合わせながら進めていく形で、その場のスタジオで出来た続きを再度宮下が持ってきて作り上げる形が多いです。その中で修正や構成の変化を重ねてやっていきます。



・単独音源としては00年の「キズ」、スプリットも入れると01年のSTUBBORN FATHER(大阪)とのスプリットから10年以上のブランクが空いての音源リリースとなりましたが、10年以上も間が空いて音源リリースの運びになった事はどう感じてますか?

 音源自体を作る事に対しこれだけの期間を開けるつもりはなく、曲の変化によりこれだけの期間が空いてしまった結果です。実際に2009年に音源作成の為の4曲プリプロを録りました。
 ただ次作はアルバムという考えがあり作曲を続けていました。その結果その後に出来てきた曲が前の曲との違和感を感じ再度作曲を重ねて昨年12月からレコーディングとなりました。なのでプリプロ録音した曲は入っていません。僕らとしてもようやく形に出来たと思いました。



・「深層」をリリースして周囲からはどの様なリアクションが返って来ましたか?

 直接的なリアクションはほぼありません。SNSなどで稀に見るくらいです。



・先ほどSNSでアルバムに対するリアクションを見るとありましたが、地方で活動するにあたってSNSの存在はやはり大きいでしょうか?

 SNSはメンバーでは長谷川(Dr)がfacebookをやってるくらいで他メンバーはしていません。ANCHORのtwitterに関してはライブ告知や誘われたライブの宣伝の為に始めました。県外のライブでは直接フライヤーを配る等の手伝いはできないので少しでも力になればと2014/12/20の孔鴉の前から始めました。
 今回、音源発売時の宣伝に対しての反応や、発売後のAKSK君や他の方のツイートを見た時は嬉しかったですね。地方での活動に関してSNSの存在はそこまで大きくないと思います



・近日TILL YOUR DEATHのオムニバスにも参加されますが、そちらに提供する楽曲はどの様な物に仕上がってますか?

 「深層」からの延長ではありますが多少の変化がみられると思います。


・ANCHORは新潟を拠点に活動していますが、新潟のシーンはどの様な物でしょうか?

 まず新潟に現在激情シーンはないですね。僕らの他に1.2バンド居たりした時もありましたが、ほとんど無かったと言えるでしょう。好きな人は居ると思いますが僕らの力不足ですかね。
 ハードコア自体はパンク・ユースクルー共に盛り上がっていると思います。



・激情ハードコア云々を抜きにしたハードコアパンク自体は新潟ではどんな歴史があり、またどのような形で現在に繋がっていると思いますか?

 歴史という事に関しては僕が語れることではないのですみません。バンド自体は現在でも10年以上続けているバンドが多いですね。なので現在への繋がりというより常に続けているという感じですね。
 あとは新潟で続けて海外ツアーにAGE(2007/2010),BLOWBACK(2008)が行っていたりします。


・新潟と他の都市部や地域との違いがあるとしたら何でしょうか?

 都市部に比べればバンド数も少ないと感じますし、多くの人の目に触れることも少ないでしょう。その為か新潟のバンドは過去も含め自主で音源を出すバンドは多いと思います。
 どこかレーベルから出してもらうのを待つより先に自分たちでリリースをして取扱いしてもらい活動するバンドが多く感じます。それとライブに来るお客さんが初見のバンドに対してはじっくりと観る気がします。


・鷲尾さんはライブハウス「新潟WOODY」の店長さんもされていますが、WOODYはどの様なハコで、またどんなバンドがライブをしていますか?

 前身の店舗から入れると1975年からあり、「LiveSpotWOODY」としては一度僕が始める際に移転していますが1982年から続いています。僕は3代目となりますがアルバイトから数え20年以上居ます。
 ジャンル問わずライブは受け付けていますが、多いのはハードコアパンクやガレージロックの企画ですね。


・新潟で他の地域の方にも是非チェックして欲しいバンド等がありましたら教えて下さい。

 同世代のハードコアバンドではSCRUMHALF、MADREX。それと先輩のSKYMARSは要チェックです。ロックバンドですがjyugatsunodrumもカッコいいです。


他のローカルのバンドでシンパシー等を感じるバンドがいましたら教えてください。

 大阪のSTUBBORN FATHERは付き合いも長く常に気になりますね。他に山形のWHAT EVER FILM,、青森のkallaqriなど気になります。


・逆に東京のバンドでシンパシーを感じるバンドはいますか?

 weepray.COHOLなどは活動の仕方や姿勢に感じるものがあります。


・WOODYで自主企画「私的見解」を定期的に開催していますが、「私的見解」はどの様なイベントでしょうか?

 企画自体は最近は定期的には出来ていませんが、先も話した通り新潟に激情シーンがなく単純に自分たちが気になる、観たいと思ったバンドを呼ぶことから始まりました。
 ANCHOR自体無名のバンドで、誘ってOKもらった時は嬉しかったですね。それによって繋がりも出来て僕らが呼ばれることも増えていきました。近年はツアーサポートの話があり企画を組む場合が多いです。


・新潟という土地でハードコアバンドを続ける原動力は何でしょうか?またローカルでバンドを続けていく意義とは何でしょうか?

 新潟だからとかではなく、単純に好きで続けているだけですね。バンドで東京に出ようと思ったこともないですし。


・10月に実に7年振りの東京でのライブが決まってますが意気込みがありましたら是非とも。

 今回は2年前から繋がりができたweeprayと昨年STUBBORN FATHERとのスプリットCDのレコ発で新潟に来た際に共演したTRIKORONAに組んでもらい感謝です。気付いたら東京でのライブは7年振りとなりましたが楽しみにしてます。


・ANCHORが目指す音楽の終着点は何処にあると思いますか?

 目指す音楽の先は全然見えないですし、終着点へ辿り着くことはないと思います。


・今後の展望がありましたら教えてください。

 今後また曲が増えてきたら音源として形にしたいですし、誘われるライブは極力出演したいと思いますが、各自の都合もあり難しい場合もあります。やれるその時々を大事にして活動していきたいと思います。



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【ANCHORライブ予定】

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10/1(土)東京国分寺Morgana
TRIKORONA/weepray共同企画[様々な死覚]
TRIKORONA
weepray
Kowloon Ghost Syndicate
NoLA
Fredelica
No Value
sto cosi cosi
ANCHOR




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11/12(土)大阪HOKAGE
[孔鴉-koua-]
SWARRRM
ANCHOR
sekien
Kowloon Ghost Syndicate
THE DONOR
agak
SeeK
STUBBORN FATHER



12/23(金)新潟WOODY
[私的見解]




【ANCHORリリース情報】

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【ANCHORオフィシャルサイト】http://anchor-niigata.tumblr.com/
【ANCHOR twitter】https://twitter.com/anchor_niigata



photographer : ミツハシカツキ



↓Check!!

深層
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■【精神の階層への誘い】WonderLandロングインタビュー

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 WonderLandというあまりに人を食ったバンド名を冠している3ピースバンドが存在する。
 三軒茶屋HEAVEN'S DOORを根城に積極的なライブ展開を繰り広げている彼らだが、元々はグランジバンドとして始まったバンドだ。それが短期間で音楽的変化と進化を遂げ、インストによる超長尺ポストロック的バンドへと変化した。
 昨年デジタルでリリースされた「The Consciousness Of Internal Time And Space」には既存のポストロックバンドには全く存在しない独特の歪みが存在している。トランペットやピアノの音を大胆に取り入れるだけに留まらず、多くの人を魅了する屈指のメロディセンスから、多くの人を混乱に陥れる不気味極まりない旋律まで取り入れ新たなるオルタナティブを提示する事に成功している。
 今回はオリジナルメンバーであるKoheiとShutoの二人に「WonderLandとは一体何なのか?」という事を徹底的に聞き出すインタビューを行わせて頂いた。二人の発言は人によっては挑発的だと感じるかもしれない。だけど彼らが純粋に愚直な程に音楽を信じている男たちだと伝わるテキストになっている。
 WonderLandが目指すものは固定概念からの解放であり、新世界への挑戦だ。その全容はこのインタビューだけでは伝わらないだろう。だからこそWonderLandの全容を自らの足でライブへと足を運んで確かめて欲しいと僕は願う。



・WonderLandってオリジナルメンバーはKoheiくんとShutoくんの二人だっけ?

Kohei:そうだね。

・元々はどんな経緯でWonderLandは始まったの?

Shuto:最初は俺が地元が一緒だったKoheiとオトベって奴と三人でバンドをやるって話になって、何でバンドを始めたかとかは覚えていないけど、一番最初は神楽坂でライブをやったね。
 初めてのライブはオリジナルで5曲位やったのかな?その3人でのバンドはオトベが就職して抜けたから一回限りだったね。俺は大学は軽音サークルにいたんだけど、そこの同級生のベーシストが代わりに入って始めたバンドがWonderLandって感じだね。

・その頃はどんな音楽性だったの?

Kohei:マリオとかやってた(笑)。

・マリオってスーパーマリオ!?(笑)。

Kohei:そうそう。

・マジで!?

Shuto:吉祥寺のペンタでやってたわ。

・その頃はまだ遊びでバンドやってた感じ?

Kohei:遊びだったね。最初ギャグで始めた感じで2012年の3月に一回だけライブやったけど、そこから次のライブまでかなり間が空いて、その間に曲を作ってた。二回目のライブが2012年の12月だったね。

・その当時はどんな方向性でやりたいとか考えてた?

Kohei:いや全然。その当時は演奏自体ちゃんと出来ていなかったんだよ。俺はギター始めたばかりって感じだった。ベースの奴は上手かったけど、それ以外はマジで論外だったわ。

・2013年からライブも本格的にやり始めた感じ?

Kohei:2013年の初旬にライブはそれなりにやっていたけど、二人目のベースがそこで辞めちゃって、その後に九州から上京してきたタイラって奴が三人目のベースとして加入した感じ。だから今のベースのDaikiは四代目だね。タイラがいた頃は5拍子で10分位の曲とかやってたなあ。
 ちゃんと活動する様になったのはタイラが入ってからで、その時期になると月に3本とか4本はライブをやる様にはなってた。でもタイラが辞めて、Daikiが加入してからやっと本格的にWonderLandが始まったと言えるのかな?俺の中ではまだ思い描いている音がちゃんと出来ているとは思ってないから、WonderLand自体まだ始まってはいないって所ではあるけど。

・僕が初めてWonderLandを観たのが2014年の10月で、それ以前の音は「Welcome To Woderland」でしか分からないから最初はグランジバンドだったってイメージかな?

Kohei:「Welcome To Woderland」(現在は廃盤)は出来が気に入ってなくて、お蔵入りにしちゃった感じだけどね。俺らとしては過去は既に蛇足でしか無いんだよね。2014年頃の曲も音源化して無くて、アレも出来が気に入らなくて廃棄しちゃっているし。だから過去よりもこれからって感じだね。







・じゃあ昨年リリースした「The Consciousness Of Internal Time And Space」について聞こうかな。あの音源は配信でのリリースだったけど、音源としてのコンセプトとかってある?

Kohei:アレは人によってはポストロック的なのかもしれないけど、そこは狙った感じでは無いなあ。

・あの音源はポストロックのテンプレートからは大分外れた所にある感じだったね。

Kohei:それは俺らがテンプレートから外れたい訳じゃなくて、単純に出来ないってだけなんだけどね。

・でも人からしたら○○っぽいみたいな所からは完全に逸脱していると感じると思う。メロディアスさとそうじゃない部分の落差とか激しいし。既存の音を借りない音楽だと思った。

Kohei:○○っぽいって事は劣化版って事じゃん?それじゃ意味が無いんだよ。

・元々は君たちはグランジバンドだったし。

Kohei:それは俺らのルーツではあるからね。でもそれだけで終わるのは嫌だったからさ。「The Consciousness Of Internal Time And Space」自体もあの時のWonderLandのベストを作ったに過ぎなくて、その時その時のベストを出すしか俺らは出来ない。
 そもそもこういう物を表現したいとか、こういう事を発信したいとかなんて作品には反映されないし。結局そういうのって言葉の話だから、精神性って歌詞でしか反映されない物だから、それは音楽の話では無いと思うよ。だから歌詞は俺らには必要ない。

・じゃあ音楽には何が反映されていると思う?

Kohei:精神の階層かな。

・そこはもう言葉に出来ない部分だよね。

Kohei:言葉に出来ない訳じゃ無いとは思うけど、それを言葉にするのは難しいよね。

・今のWonderLandって歌や言葉自体が無いし。

Kohei:俺らには音楽を「使って」何かを発信するって考えは無くて、音楽をやる事自体が目的だから。音楽をやるっていうよりも曲だね。

・その曲の中で何を生み出したいとかっていうのはある?

Kohei:単純にハイになりたいだけだよ。

・Shuto君はKohei君が作った曲にドラムで自分のカラーを加える事はどう考えている?

Shuto:ドラムってまあ直感的に感じやすい楽器だからねえ。でもKoheiが持ってくる曲ネタだけじゃ完成系は全然見えないし、どう表現するかとかってのは言葉で表す事は出来ないと思う。

・でも僕は音楽が一番想像力が働く物だとは思っている。

Shuto:精神性云々ってのは俺は考えていないから。自分が今まで聴いて来た音楽をどう消化してみたいなのも無いし。

・でも反面教師的な消化はあるでしょ?

Shuto:それはあるね。

・だからWonderLandって精神性とかコンセプトとかじゃなくて、自らの音を聴き手の解釈に委ねているんだなって感じたよ。

Kohei:それで良いんだ。俺らの意図は関係ない。だから解釈の余地が大きければ大きい程、それは優れた作品なんだよ。

・さっき言った外している云々ってのは解釈の余地を残すって事なのかな?

Shuto:「俺たちはこういう事をやってますよ。」みたいなのは必要ないからね。

・イマジネーションとしての音楽なのかな?

Kohei:主義主張って言葉で言う方が手っ取り早いから、だから歌詞が大事とかってなって歌を入れるんだと思う。それは音だけで自分の思考を体現できないからだと思う。そうなるともう音楽では無い。少なくとも本質的には音楽ってダイレクトな物であって、必ずしも言語を媒介にする必要は無い。

・音だけで何かを感じさせるとなると、作り手の意図は無いに等しいのかもしれない。

Kohei:それで良い。意図的にやるのは自由だけど、意図した通りに受け取って貰えるかは分からないし、結局のところ意図は後付けだからね。







・曲を作る際のインスピレーションってどこから来る?

Kohei:それは感情とか景色では無くて、それ以外の何かだね。他の誰かの音楽でも無い。だから分からない。多分、夢から来ているんじゃないかな?寝ている時の無意識の作業で、そこに俺の意識が関与する余地は無い。無意識下で行われる何らかの処理が音楽だって俺は捉えている。

・無自覚で作った物を自覚した状態で演奏するってどう思う?

Kohei:まあライブの時も特別何かを自覚している訳では無いからね。寧ろ「これってこういう曲なんだ!」って演奏してみて初めて分かる。

・意図してない物の積み重ねだからこそ君たちはジャンルを名乗ってはいないとも思うし。

Kohei:まあジャンルはオルタナで良いと思う。そもそもジャンルは音楽じゃ無いし、音楽を騙る為の道具だよ。結局は音楽の説明書でしかない。
 多分スポーツ選手とかと同じで、感覚で分かる人にとっては説明書は必要ないけど、その感覚が無い人は説明書が無いと伝わらないし、そういう意味では説明も大事だと思う。

・もっと言うとオリジナリティ溢れる事をやると、ある程度の取っ掛りとしての説明は必要だし、君たちは入口の部分はちゃんと作ってはいるよ。

Kohei:それは必要だからやるけど、その入口の先は俺らも分かってないからね。

・だからWonderLandって感覚に訴える音楽なんだなって。

Kohei:それが出来るのが音楽だと俺は思っているよ。まあ無意識の裏付けとしての提示なのかなって気はしている。それが実際にコンセプトになっているかは分からない。

・それは無意識の裏付けというコンセプトになるんじゃない?

Kohei:関連性があるだろうというだけの話で、実際意識と無意識がどんな関連を持って音楽に反映されているかは分からない。

・だから逆に聴く人を選ばなくて済むのかもしれないし、入口の広さに繋がるんじゃないのかな?逆に「こうですよ。」って提示してしまうと、分かる人にしか分からなくなると思う。

Kohei:説明無く提示出来るのがベストだね。でも、説明をしても説明になってないのかもしれない。
 例えばある曲があって、アルバムタイトルがあって曲名があるとする。そこの関連性は誰も分からないし、タイトルが分かりづらいと余計に関連性が分からない。だからタイトルを付けている時点で俺は説明はしているとは思う。それに、時間という軸の中で発生した意識と無意識の座標が同じであるのも俺は分かる。でも、その関連性は本当には分からない。

・その関連性の解釈は聴く人が決める事だよ。

Kohei:例えばNIRVANAの「NEVERMIND」は「NEVERMIND」って曲は収録されてないじゃん?でもアルバムタイトルは「NEVERMIND」だし、関連性があるかとかって結局後付けじゃないかって思う。



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・その関連性の話に繋がるかは分からないけど、なんで「WonderLand」ってバンド名にしたの?

Kohei:「WonderLand」って三つの側面があって、その一つとして言葉から音楽性が想像出来ないってメリットがある。別にバンド名は「椅子」とかでも良い。

・「WonderLand」ってシンプルな単語だよね。

Kohei:誰もが知ってる言葉ではあるからね。でも意味が一番知られてない単語かなって。残り二つの側面に関しては企業機密で(笑)。

・でも「WonderLand」って楽園みたいなイメージをみんな思い浮かべると思うけど、そことはかけ離れた気持ちの悪い音楽だよね。

Kohei:みんな「WonderLand」って言葉の本質を理解してないとは思う。ユートピアみたいなイメージをみんなするけど、それは間違えているし、言葉と音楽の関連付けをするならもっと言葉の意味を理解しないとね。でもそこは要求はしない方が良いと思ってる。

・だから音楽に対して表層的な部分だけを捉えている人が多いのかもしれないね。

Kohei:音楽って分からないじゃん?それは殆どの人間が精神の階層に行き着く手段を持ってないからなんだよ。

・だから思考を放棄してしまっているのかもしれない?

Kohei:放棄というよりも思考の手段を持ってないんだよ。だからどうしようも無くなるんだよ。

・音楽は思考の為の手段なのかもしれない?

Kohei:それはあながち間違いではないかも。

・そもそも五感ってなんなのかを僕は理解出来てないんだよ。結局は脳の伝達だし。それを言説化するのは僕には難しいかな。

Kohei:人類はそれには近づいているとは思うよ。

・それが可能になったら人間はどうなると思う?

Kohei:それを理解した人間は音楽を始めると思う。ペンギンとかリスは音楽をやらないじゃん? でも、人間は音楽を奏でる事が出来るし、人間の人間性を示すために音楽に走ると思う。別に演奏に限らず聴くって行為もそこに入るし、もっと音楽と密接な関係になろうとすると思うな。だから人間の構造が解明されたとしたら、みんな焦って音楽を始めるんだよ。
 人間の一つの側面として論理性ってのがあって、それはコンピューターには勝てないし、人間はそこに絶望してしまっている。だからどこまでが人間でどこまでが人工知能か分かっていたら音楽を始める。それが分からないと何処までが音楽で何処までが音楽じゃないかも分からないし、何処までが論理で何処までが非論理かも分からない。だから大半の人間はコンピューターと変わらないし、劣化版コンピューターになってしまっているんだよ。



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・この渋谷って街に来る度に思うんだけど(今回のインタビュー収録は渋谷で行っている)、記号がウロチョロしている様に見えるんだよね。記号化された人間が歩いているなって。僕もそんな記号の一つではあるとも思うけど。

Kohei:性能の悪いコンピューターだからね、絵文字とかスタンプとか多用する人も多いし。最早言葉をちゃんと使えているかも怪しいじゃない?

・大半の人がそこに対して足掻いてもいないよね?

Kohei:コンピューターと同じだって分かってないからだよ。自分が人間だと勘違いしてて。

・凄くざっくりとした言い方になるけど、何かを疑ったり、想像するってのが人間としての在るべき姿なのかなって思ってる。でも僕はそこを理解してはいないし、それこそさっきKohei君が言っていた「夢の事は分からない。」ってのと同じなんだよ。それに喜怒哀楽すら僕は言説化は出来ない。

Kohei:それは後付けの統計の話でしかないよね。そもそも感性って常に正しいんだよ。それが面白いかつまらないかってのはあるし、つまらない物はコンピューター的な感性だよ。何らかの発信に対して同じレスポンスしか出来ないようならそれはコンピューターと同じ。

・レスポンスなんて多種多様だし、それこそWonderLandを聴いて何を感じるかなんて人それぞれだし、そこに対して明確な答えを何も提示してないからこそ想像させる音楽だなって思う。

Kohei:Googleとかが人工知能に絵を描かせたりしているじゃん?もし人工知能が音楽を作る事が出来たら何か変わると思うよ。
 だからJ-POPとかがやっている事も同じような曲調で同じような歌詞の物を量産していてプログラムと変わらないし、それが自動で出来る様になったらそれらに価値は無くなる。そうなったら西野カナは必要なくなって、自分が聴きたい西野カナの曲を人工知能がその場で作ってくれるからね。
 そうなると真の音楽って物がはっきりするし、人工知能が作れない音楽が必要とされると思う。俺たちはそんな音楽を作り続けるだけに過ぎない。だから色々な音楽を聴いて自分の中にデータベースを作って、その上で今までに無い新しい音楽を作り出したいね。
 天才を名乗るのは簡単だけど、そんな物は自己満足に過ぎないし、先ずは色々な音楽を聴くこと事が大事で、後は無意識に任せるだけかな。それで良いと思う。



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ライブスケジュール

5/2 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
5/29 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
6/18 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR




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photographer : Takashita Toru&セオサユミ

■【金星からマントルまで】ZOTHIQUE、ロングインタビュー

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 ZOTHIQUEは形容不可能な宇宙だと僕は思う。
 ハードコアパンクバンドHoly & Blightから始まり、改名、メンバーチェンジにより現在のZOTHIQUEが完成してから、ZOTHIQUEは常に想像の斜め上の音だけを生み出し続けている。
 毎年コンスタントにアルバムをリリースするハイペースな創作活動、日本全国に留まらず海外での積極的なライブ展開、ZOTHIQUEはこれまで常に止まること無く新たなる音を創造し続けた。
 Shusuke Shimonakaの脳内のコンセプチャアルな世界観を軸にしながらも、メンバー全員がコンポーザーであり、ハードコア・スラッジ・ドゥームに留まらず、アンビエント・サイケデリックを飲み込んで、金星から地底まで自在に行き来する未知の世界は既存の音楽の文脈から外れに外れており、ZOTHIQUEという言葉でしか表せない物になっている。
 今回はそんなZOTHIQUEの全容に迫るため、Shusuke Shimonaka(Vo.Gt)、Jah Excretion(Ba.Drone)、Darklaw(Key.Noise)、Koji Ueno(Dr)のメンバー全員集合インタビューを敢行させて頂いた。
 バンドの生い立ちから、ZOTHIQUEが信じるロックの魔力、そしてこれまでリリースした作品について色々と答えてくれている。



・まずはZOTHIQUEの結成から今に至るまでをお聞きしたいなと。

Shimonaka:元々は2007年か2008年頃にHoly & Blightというハードコアバンドを僕とKojiさんの二人で始めたんですよ。その時はヨナさんという女性ベーシストもいました。
 僕が最初にKojiさんと出会ったのは歌舞伎町のマザーというロックバーで、いつも潰れてる人がいるなって。それで話しかけてみたらハードコアとかが凄く好きでドラムをやっているという事だったので、「バンドやりたいのでやりませんか?」と誘ったんですよ。
 ヨナさんはマザーのバーテンダーで、聞いてみたらベースやっててパンクが好きで昔バンドやってたと言うから、無理矢理引っ張り込んで、最初は3人で幡ヶ谷のスタジオでCrassとかBad Brainsとか7 SecondsとかS.O.Dとかのカバーをやってました。

・その当時は完全にパンクバンドだったんですね。

Shimonaka:そうです。僕が好きなハードコアパンク、Kojiさんが好きなS.O.Dとかをカバーしてって感じでした。

Ueno:僕は元々はスラッシュメタルかな?

Shimonaka:それで毎週スタジオに入ってカバーをやっている内にオリジナルをやろうとなって、Holy & Blightというバンド名にしました。
 Holy & Blightと名付けたのは3人ともゴダイゴが好きだったので、ゴダイゴの曲名を拝借させて頂きました。それでオリジナルを始めました。
 僕は単純にハードコアパンクがやりたかったのですけど、KojiさんはHigh On FireとかSleepとか…

Ueno:その当時はスラッジとかストーナーを一番聴いてましたね。

Shimonaka:それでそういった音楽を教えてくれて、そういった音楽を取り入れようとなり、音源を録ってアースダムとかWALLに出演する様になりました。
 その頃に僕がたまたま高円寺に引っ越したタイミングがあり、高円寺のstudio DOMで「COSMO」というイベントがあったんです。それは色々なジャンルの訳の分からない音楽を一人でやったりバンドでやったりしている人たちばかりが出演して、二日間とか三日間とかひたすら4部屋のスタジオであらゆるアンダーグラウンドのミュージシャンが集まってライブをしまくるというフェスみたいな物でした。
 そこになんとなく自分も関わる様になって、DOMのオーナーさんから「ライブ出てみなよ?」と誘われたんですよ。そのコミュニティ自体には僕たちは全く属していなかったんですけど、そこにも自然と参加する様になって、そこで出会ったのがDarklawさんです。
 Darklawさんはその頃は「珍屋」という高円寺の北中通りのレコード屋のオーナーで、インダストリアルを一人でやっていたんです。それでDOMのオーナーさんが「Darklawというヤバいアーティストがいて、その人も出るからお前らも出ろ。」と言われて、面白そうだと思って「COSMO」に参加した時に何かの切欠で一緒にやろうとなったんです。

Darklaw:誘われただけだよ(笑)

全員:(爆笑)

Shimonaka:Holy & BlightはZOTHIQUEの原型みたいな所はあったんですけど、その当時は僕がサンプラーを使って色々な音をサンプリングした物を鳴らしながらやるってスタイルだったんですよ。
 ある日サンプラーが壊れて、代わりにDarklawさんにやって貰おうと思ったんです。それで「セッションやりましょう!」って誘って「COSMO」で半分セッションって感じでやった時に、何かがしっくり来て…その時にDarklawさんはACE TONEというオルガンを使っていてました。
 それでなし崩しな感じで音源を作ろうとなり、聞いてみたらDarklawさんはエンジニアでもあったという事で、そこも全部お願いして4人で音源を作りました。

・Holy & Blight時代からDarklawさんはメンバーだったと。
 
Shimonaka:でした。

Ueno:他にもジャンベのプレイヤーと一緒にやったりもあって、その当時から周くんはサンプラーに限らず何かを融合していこうというスタイルだったよね?

Shimonaka:そういう気持ちはありましたね。

Ueno:目的では無いにしても、自分のイメージしている感じでは単純に好きな音を加えるって感じだったのかなって。

Shimonaka:単純に自分には出来ない事をやってくれる人と一緒にやりたいってのはありましたね。

・バンド自体はHoly & Blightを母体にZOTHIQUEになった訳ですが、ZOTHIQUEへと変わった切欠は何だったのでしょうか?

Shimonaka:Coffinsの当時のメンバーだったRyoくん(現GUEVNNA)がドラムを叩いていた時期に一緒に対バンさせて頂いたりしていたこともあって、Coffinsが初めてのヨーロッパツアーに行く2011年にローディーとして来てほしいと誘って頂いたんです。丁度サラリーマンを辞めたタイミングだったのもあって二つ返事で同行させて頂く事になりました。
 その時はヨーロッパを2週間くらい回ったんですけど、「Roadburn Festival」というオランダで開催されているドゥームとかストーナーとかスラッジの祭典がありまして、その最終日にCoffinsが参加していたんですけど、そのツアー体験に触発されて、もっとヘビィな物をやってみたいなと思い始めました。
 で、日本に戻ってきた時にもっとヘビィでドゥーミーな音楽をやろうと決意し、バンドのコンセプト等を考え直して、その時に僕が昔から好きだったハワード・フィリップス・ラヴクラフトとかクラーク・アシュトン・スミスとかの自分のルーツになっているコズミックホラーな世界観をもう一回ひっくり返してみようとなり、それでHoly & Blightのメンバーに「バンド名を一回変えて、ヘビィな物をやりませんか?」とメンバーに打診して一度音源を録り直しました。
 その時に録った「The Circular Ruins」という曲をYoutubeにアップしたら、Agoraphobic Nosebleedのジェイ・ランドールがそれを見つけてくれて、「ネットでフリー音源をリリースしてみないか?」というオファーが来て、それでZOTHIQUEでもう一曲作って音源をリリースする事になり、そこからトントン拍子でZOTHIQUEという形が出来ました。
 その頃にヘビィで尚且つ何か気持ち悪く更にハードコアパンクが根っこにある、コンセプトありきの音楽を作っていこうというスタンスが自然と出来上がって、今に至っているという感じです。



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・ZOTHIQUEがこれまでリリースした作品はどれもコンセプチュアルなカラーが強いですよね。でも1stアルバムである「Alkaloid Superstar」はまだハードコア色が色濃い感じでしたね。

Shimonaka:ハードコアはやっぱり根っこにあるので拭い去れないですね。

・2ndアルバム「ZOTHIQUE」から今のZOTHIQUEのサウンドが固まった印象を受けます。

Shimonaka:1st以前のデジタルで音源をリリースした時からコンセプチュアルさはありましたが、そこから1stを制作した時は無理矢理スケジュールを組んで「取り敢えず作品を作りたい!!」って感じで物凄くタイトなスケジュールで録音したんですよね。
 その時はヨナさんも子供が生まれてバンドを離れていて、タケルっていう別のハードコアバンドをやっていたベーシストを引っ張り込んで何とか作った感じです。

・JAHさんの加入は1stリリース直後ですか?

Shimonaka:1stをリリースした直後に僕が単身で中国に半年程滞在しててブランクがありました。
 そこからまたライブをやろうとなった時に色々あってそのサポートベーシストが離れる事になって、でもライブは決まっていたからどうしようって時にJAH君に声をかけたらやってくれるって事になり、一回だけスタジオ入って本番でした(笑)。その時に全く予想してなかった音をJAH君が出してくれたんです。

・JAHさんが加入して方向性が固まったというか、かなりサイケデリックなサウンドになりましたよね。

Shimonaka:明らかにそうなりました。それが結実したのが2ndです。

・Darklawさんは元々インダストリアルの方ですし、JAHさんも元々はアンビエントのアーティストじゃないですか?それが今のZOTHIQUEの全員がコンポーザーってスタイルに繋がったと思います。

Shimonaka:それは狙ってそうなったというより、自然とそうなった感じです。一番最初は僕が全部曲を作ってましたが、1stもDarklawさんが作ったリフから生まれた曲もあります。
 3rdアルバム「Faith, Hope And Charity」のそれぞれが持ってきたアイデアを活かすっていうのは特に自然とそうなった感じです。

・3rdはJAHさんの作曲された「Venus」シリーズの2曲がZOTHIQUEの新たな可能性の生み出す切欠になったと思います。あの2曲はZOTHIQUEの中で何を表現しようと思って作られた感じですか?

JAH:最初に「金星」っていうテーマで曲を作ることになったから、金星の事を考えながら作りました(笑)。金星に行ける曲みたいな感じです(笑)。それとインストっていう指定も周くんからありましたね。

・3rdからインストの曲も取り入れる様になりましたよね。2ndの頃もそんな空気はありましたが。

Shimonaka:それはこういうのもやりたかったんだろうなっていう…自分一人では出来ないけど、自分と全然違うバックグラウンドの人がどう表現するのかっていうのを見てみたかったってのはありますね。
 そこに歌が無きゃいけないっていう縛りは必要ないのかなって。



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・3rdはUenoさんとDarklawさんも曲を作られてますが、個人的に意外だったのはDarklawさんが一番ヘビィで邪悪な曲を持ってきた事です。

Darklaw:それはZOTHIQUEなんで。元々はそうしたバックグラウンドがある上での結果ですよ。
 そもそもDarklaw名義での音楽はインダストリアルとは言ってはいますけど、僕の世代は色々な音楽が混じっている世代だと思うんですよ。だからインダストリアルがMinistryみたいにスラッシュ方向に行ったりとか、ハードコアがインダストリアルやり始めたりとか、それにジャンクロックとか色々あった世代なんで。
 自分が一番やりたい事は別の所でやれているから、逆にZOTHIQUEの中でやりたい事ってのは提示しやすいんですよ。

・だからDarklawさんは器用なアーティストだと思います。ZOTHIQUEというチャンネルもDarklawってチャンネルも存在してて。

Darklaw:まあ4バンドやってるんで。そこはやっぱりちゃんと切り分けないと。

Ueno:それをこなせてる時点で大分器用じゃないかなと。エンジニアもやってますし。

Darklaw:普段の生活が全く器用じゃないという(笑)。

全員:(爆笑)

Darklaw:私生活は全く器用じゃないけど(笑)

Ueno:疎かになっているという(笑)

Darklaw:そこをオチに(笑)

・Uenoさんの方はUenoさんの中のスラッシュが好きだったりみたいなルーツがあるじゃないですか?自分のルーツをどうZOTHIQUEに変換しているかとかありますか?

Ueno:僕の中にZOTHIQUEって概念は全く無くて、アルバムのコンセプトとかは全て周くんありきなんですよ。それに自分が持っている物を合わせて、いかに増幅出来るかってのを…無理矢理言うとそうですね。
 周くんとは音楽の趣味が合うってのもあるけど、ZOTHIQUEの概念は周くんの物ですし、それを僕が理解出来ているかも怪しいけど、そこはよく話しているから感覚的には分かるいう。どうしたら正解かなんて無いから、自分がやりたいことをやるってだけです。

・Shimonakaさんが思い描く世界観に、他のメンバー3人がそれぞれの色を加えて起こる変化についてはどう思いますか?

Shimonaka:それは自分の元々持っていた世界観以上の広がりと言うか、自分が想像もしていなかった世界が生まれるというか、新しい宇宙が生まれるって感覚が凄く面白いなって思います。
 自分だけの宇宙が、ZOTHIQUEの4人でやることで、自分だけじゃない宇宙が生まれるって事が滅茶苦茶面白いです!それはもうバンドマジックなのかもしれません。

・軸はShimonakaさんにありますけど、4人で作り上げた音っていうのが今のZOTHIQUEだと思います。

Shimonaka:今のZOTHIQUEの世界ってのは、自分が思っているZOTHIQUE以上にZOTHIQUEなんじゃないかなって。

・想像を超えた物を提示していると思います。

Shimonaka:もう金星どころか太陽系の外まで行ってしまって、どこまで行くか分からないけど、どこに行ってしまうかっていうのを考えるのが今は楽しいです。

・ある意味SF的な世界を。

Shimonaka:それは元々そうなんですけど、自分の想像の範囲を明らかに超えてしまったので、何だろう…自分が考えていたコンセプトが制御出来ない様な所にぶっ飛んでしまうという感じがあります。この4人で作品を作ったり、ライブをやったりツアーに行ったりしている中で。

・だからこそZOTHIQUEは良い意味でジャンルレスですよね。

Shimonaka:元からこういうジャンルでこうとかってのは考えてないので。

・人によってZOTHIQUEの何がフィットするかってのは全然違うと思います。ハードコアな部分だったり、ドゥーミーな部分だったり、ポストロック・アンビエントな要素かもしれなかったり、本当に人によって受け取り方も求める事も違うと思います。だからZOTHIQUEの音を受け取った人の抱く物はバラバラになると思うんですよ。
 さっきShimonakaさんも何処に行くのか分からないと仰ってましたが、聴き手は尚更良い意味で予想が出来ないと思います。僕はもう次のアルバムがどうなるか予想出来ないので(笑)。


Shimonaka:僕も分からないですね(笑)。

・それこそ純粋なロックの面白さじゃ無いかなと。

Shimonaka:それは本当に思います!ロックの面白さってそこだと思ってて、The DoorsもデビッドボウイもGrateful Deadもやっぱり次に何が出てくるか分からないとかが面白いと思うので。そこを狙うとか以前に面白い事をやりたいなって。

Ueno:ZOTHIQUEは周くんのコンセプトありきではあるけど、それってバンドサウンドでこういう音作りをしろっていう物じゃないじゃん?そこだよね。
 だから周くんがやっている事は、バンドメンバーがいてバンドやっている以上、周くんのコンセプトに合わせる為にコンダクトするというか、周くんはそれが上手いと思う。要はそういう人なり音なりを集めるというか。

Shimonaka:そこはよく分からないです(笑)

・多分Shimonakaさんは基礎的なコンセプト以外は何も狙ってないのかなって。Shimonakaさんのコンセプトってそれこそ精神的な物で、ルーツになっている小説だったりの世界観だと思うので。その精神的な部分を音で表現する時は何も狙ってないというか。

Ueno:そこの部分はバンドメンバーに任せているという。

Shimonaka:僕の中では映画を作っている感覚に近いんですよ。ビジュアルを担当する人がいたりとか、俳優の人がいて、舞台装置を作る人がいて、脚本家がいて、それをどう作品として成り立たせていくかっていう。ZOTHIQUEをやるってのは映画を作る感覚に近いのかなって。

Ueno:だから周くんはディレクトとかコンダクトとかマネージメントが上手いと思う。

Darklaw:周くんは多分そこら辺の実感は無いんじゃない(笑)。









・その映画的な部分が色濃く出たのが先日リリースされた「Limbo」(2015年12月のライブで無料配布、今後商品として流通予定。)だと思います。「Limbo」はどなたが作曲されましたか?

Shimonaka:原型は僕が作りました。

Darklaw:3,4年前に即興で曲を作るってなって、中野で僕と周くんで録音して、そこから何かを作りたいって感じだったかな?前半のアンビエントパートはその時に録音した物だね。

Shimonaka:元々の前半のピアノの音はDarklawさんと2人で録音して作りました。
 実は2ndに収録しようと思ってたんですけど、諸々あって収録出来なくて、当然3rdにも収録出来なくて、ずっと音だけ残ってたんです。
 それで3rdをリリースしてツアーが終わった後に、後半部分を作って一つの楽曲にしようと思い、それでタイトスケジュールの中でみんなでスタジオに入って後半部分を作りました。4年前から温めてた曲です。

・僕は宇宙的な意味でのZOTHIQUEを象徴する曲なのかなって。

Shimonaka:前半部分は4年前に作った物ですけど、後半部分はこの4人でしか出来ない物だと思ってます。4年前に出来た物と3rdを出してからのバンドのアンサンブルが違和感無く繋がったのも面白いなって。
 そもそもDarklawさんがエンジニアで、その技術が無かったら出来なかった物なんです。3rdもレコーディングもミックスもマスタリングもDarklawさんが全部手がけてますし、それも含めて作品だと僕は思ってます。1stも2ndもそうですし。

・レコーディングやパッケージングも含めて作品ですもんね。

Shimonaka:こうやってコンスタントに作品をリリースするってのもDarklawさんがいないと出来ませんし、もし別のエンジニアさんとかに頼んだらこんな感じではいかないなって。

Darklaw:周くんの良い所ってさっきも出たけどコンセプトが凄くしっかりしてるんで、そこに向かうだけで良いんですよ。
 それに加えてZOTHIQUEは凄くノイズ的なバンドなんですよ。最初に何かを作りたいって言って作らないから、結果こうなったらこれで良いじゃないかと。
 その後にライブで同じ曲を演奏するにしても、アレンジがどんどん変わっていくので、やっている事が凄く即興的なんですよ。人生その物も即興的なんですけど(笑)。

全員:(笑)

Darklaw:それに近い物が俺は好きなんですよね。最初から完成度の高い物を作るっていうより、ロックの鋭さってそうした部分も全部出し切る方が格好良いかなって。
 だからDarklawでの音楽もインダストリアルとは言ってますけど、実はロックだと自負してます。インダストリアルとかノイズってそこを一番抽出した部分だと俺は思ってるので。音じゃ無いんです。そういった意味ではZOTHIQUEは凄くノイズバンドだと思います。

・精神的ノイズバンドとして。

Darklaw:即興が利くバンドってそう中々いないじゃないですか?

・だからこそZOTHIQUEを聴いた人の受け取り方が全然違うんだなって。単純に面白いです。

Darklaw:音よりもキャラクター的な部分を見てもらった方が面白いのかもしれません。ロックってそんな物じゃないですか?

・ですね!ZOTHIQUEってロマンなんだなって!Darklawさんの捉え方はノイズとありましたが、僕は単純なロマンだと捉えてます。 そのロマンが何処に行くかが分からないという。それが宇宙かもしれないし、地底かもしれないという。地底もロマンなんですよね。マントルヤバい!!みたいな。

Darklaw:マントルは鉄分が凄いですからね。面白い話があるんですけど、マントルって元々鉄分じゃ無いですか?地底に行くほど鉄分も多いみたいで。宇宙はどこに向かうってなると、こないだどこかの記事にあったんですけど「実は鉄に向かっているんじゃないか?」ってありまして、全部鉄になるってのがあるらしく、あらゆる原子が鉄に戻っていくらしいです。
 だから上見ても下見ても「鉄か!!」ってロマンがあるんです。

Ueno:メタル!!

Darklaw:メタルに回帰だ!

全員:(爆笑)

・それでは最後に今後の事ですが、これまで毎年コンスタントにアルバムをリリースしてましたが、今後もハイペースに創作活動を続ける感じでしょうか?

Shimonaka:いや~今年はまだ分からないですね(笑)。でもアイデアは今この瞬間から生まれているので今年もアルバムを出しますよ!

・でも制限の無いバンドじゃないですか?

Ueno:昨日無かった制限が明日あったりもあるので(笑)。

Shimonaka:気分屋なんで(笑)。

・ライブも積極的ですよね。

Shimonaka:ライブは去年も一杯やりましたし、今年も色々お話を頂いて決まってきてます。何よりも面白い事をやっていきたいので、それだけです。



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【ZOTHIQUEライブ予定】

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2/6 (SAT) 国分寺モルガーナ
With/ BIRUSHANAH (大阪), Airtonic 
Open18:30 Start 19:00  ¥2000+1D




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2/7 (SUN) 東高円寺二万電圧
With/ OOZEPUS, Sithter, Su19b, マグダラ呪念, ダンウィッチの犬
Open.17:00 Start.17:30  Adv.2,000yen Door.2,300yen (+1d 500yen)




2/21 (SUN) 西荻窪FLAT  
With/ Pinplick Punishment




【オフィシャルサイト】http://zothiquejp.blogspot.jp/
【Facebook】https://www.facebook.com/zothiquejp/
【Twitter】https://twitter.com/zothique_doom
【bandcamp】http://zothique.bandcamp.com/music



photographer : 杨有情

■【激音爆心地】TILL YOUR DEATH RECORDS、ロングインタビュー。

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 日本のエクストリームミュージックは世界トップレベルだ。

 いきなりこんな書き出しをしたけど、僕は心からそう思っている。勿論アメリカ・ヨーロッパ・アジア諸国にも最高なバンドは有名無名問わず存在している。だけど、日本のエクストリームミュージックはそんな海外のバンドとガチンコで殺り合えるバンドばかりなのだ。
 そんな日本のエクストリームミュージックを支える存在として絶対に忘れてはいけないのは、それらのバンドに光を当ててリリースするレーベルの存在であるし、僕は真摯に音楽と向き合っている各レーベルの方々には素晴らしい音楽を鳴らすバンド同様に心から尊敬の念を抱いている。
 という事で今回はそんな日本の素晴らしいエクストリームミュージック達をリリースするTILL YOUR DEATH RECORDSのオーナーである伴内氏にインタビューさせて頂く事になった。
 今年で創設十周年を迎えるTILL YOUR DEATH RECORDSはリリースをしていなかった時期もあったりしたが、リリースだけじゃ無く総武線バイオレンスを始めとするイベント主催にも力を入れ、現場主義レーベルとして様々なバンドのサポートを行っているレーベルだ。
 昨年のO.G.Dの2ndアルバムリリースから再びレーベルとしての活動を活発化させ、The DonorやREDSHEER等のリリースでその存在を知った人も多いと思う。
 これからもLOVE IS DEAD3rdミニアルバムや栃木のORANGEの編集盤やweeprayの1stアルバムのリリースを控え、これから益々熱い事を仕掛けていくTILL YOUR DEATH RECORDSの存在を一人でも多くの人に知って欲しいと僕は願う。



・まずはTILL YOUR DEATH RECORDS立ち上げの切欠を教えて下さい。

自分の好きな日本のアンダーグラウンドシーンのバンドをもっと色んな人達に聴いてもらえるような環境を作りたいなと思ったのがレーベルをやってみようという切欠でした。
当時KABBALAという日本のアンダーグラウンドシーンのメタルバンドを取り上げたファンジンに参加していて、よりそういうシーンにのめり込んでいった時期だったんですよね。
SUNSET LIFEというファンジンを15年前くらいに作ったのですが、その時に昔からの友達に手伝ってもらったことが後々のTILL YOUR DEATHに繋がっています。
ファンジンを手伝ってもらった友達と10年前くらいに飲みに行った時に、実は今度はファンジンじゃなくてレーベルをやりたいと思っているんだよねと話したところ、彼も話にのってくれて、トントン拍子に話が進み、もうその飲んでる場でV.A.をリリースすることが決まりました(笑)。
彼はTILL YOUR DEATHから離れることになるのですが、彼がCD製作や流通について非常に詳しく、本当に彼がいてくれて助かりました。感謝しても本当にしきれないほど、彼には感謝しています。



・TILL YOUR DEATHというレーベル名の由来を教えて下さい。

死ぬまでずっと聴いて欲しいという意味をこめてTILL YOUR DEATHというレーベル名にしました。
聴いて飽きたら中古で売るのではなく、リリースした作品をずっと聴き続けていただけたらいいなと思っています。



・TILL YOUR DEATHとしての最初のリリースはV.A.の「TILL YOUR DEATH」ですが、そちらに参加されてるバンドはどの様な基準で決めましたか?また当時はどんなV.A.にしようと考えてましたか?

当時は僕も時間があって色んな地方にライブを観に行っていました。東京だけではなく各地方にもかっこいいバンドがたくさんいることはわかっていたので、知名度のあるなしではなく、本当に自分が観てかっこいいと思えるバンドを集めたいなと。
実は当初は8バンドの予定だったのですが、日程的な都合もあり5バンドを収録することになりました。結果的には収録時間を考えるとちょうどよかったのかなと。
当時は何もわかっていなかったので、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍していたメジャーバンドにも声をかけたのですが、当然ながらダメでした(笑)。懐かしい思い出です(笑)。



・その経験がTILL YOUR DEATHが地方のバンドにもしっかりと目を向けてるスタンスに繋がってると思います。
そこからV.A.に参加されていたNAMAZとDOORMATの単独音源のリリースがありましたが、それはV.A.に参加していたのが切欠でリリースする事に繋がった感じでしょうか?


そうですね。DOORMATにもNAMAZにも単独作を出す時に「何かありましたら、力になれることはやらせて頂きますので。」と話をさせていただいていていたので。
何だかよくわからない奴が始めたレーベルの一作品目のV.A.に参加して頂いたバンドにたいして凄く感謝の気持ちもありますし思い入れもありますので、その後もこうやってお付き合いをさせていただけているのは本当にありがたいです。







・TILL YOUR DEATHの初期リリースのDOORMAT、NAMAZ、GxSxDはそれぞれ活動拠点こそ違えど、日本のヘビィロック・ハードコアのリアルを体現するバンドですし、その3バンドのリリースがTILL YOUR DEATHの方向性を決定付けたと思います。
伴内さんの中でTILL YOUR DEATHのレーベルとしての一つの方向性や信条とは何でしょうか?


実は音的な共通点はその後のリリースを見るとよりわかると思うのですが、あまりこだわりはありません。自分が観て聴いてかっこいいなと思えるかどうかだけです。
やはり自分でリリースをして後から何度も自分自身が聴くようなバンドをリリースしたいとは考えています。
人の意見は正直全く気にしません。結局自分の好みかどうかだけなんですよね。
あとはリリースするにあたって密接な関係になりますので、一緒に飲んで楽しい方がいいですね(笑)。
飲んでてリリースの話が決まることもあったので、うちのレーベルの信条として「一緒に飲んで楽しいかどうか。」というのも実はあるのかもしれません(笑)。



・実際に飲みの席とかでリリースが決まった作品は何でしょうか?

割と前もって僕の中で考えていて、メンバーの方々との飲みの席でオファーをして正式にリリースが決まるということは多いのですが、O.G.Dの場合は完全に飲みの席で話が出てそのままその場でリリースが決まりました(笑)。O.G.Dの時は前もってなにも考えてなかったという(笑)。勿論バンドのことを好きであるという前提の話ではあるのですが、O.G.Dのリリースは本当に完全に飲みの席での話ですね。
O.G.Dのリリース前はTILL YOUR DEATHは企画はやるもののリリースに関しては4年ほど休止していたので、そこからまたTILL YOUR DEATHのリリースが始まることになるなんて考えてもいませんでした。本当に飲みの席でのノリって怖いなと(笑)。
それでグラインドコアのバンドを出すならば僕だけでは弱いと思い、BLOODBATH RECORDSの木村さんにお話をさせて頂いて、共同リリースという形でまとまりました。







・なんともO.G.Dらしいエピソードですね。
2014年のO.G.DリリースからTILL YOUR DEATHが本格的に多数の音源をリリースする様になりましたが、その中でもTHE DONORとREDSHEERのリリースはTILL YOUR DEATHの新たなる可能性を打ち出すリリースとなりました。
この2バンドのリリースはレーベルにとって大きな転機になったのでは無いでしょうか?


自分の中では他の作品のリリースも一つ一つがレーベルにとって転機であるとは思っています。先ほど話に出た5作品目のO.G.Dのリリースも4作品目までのリリースとは若干色が異なりますからね。
AKSK君の言うとおりTHE DONORとREDSHEERのリリースは新たなリスナーの方々がTILL YOUR DEATHに目を向けてくれる切欠になったという意味でこれも一つの転機だと思います。
ただそれを特に狙っているというわけでもないんですよね。THE DONORに関しては前身バンドのSEC DIMENSIONからの繋がりですし、REDSHEERに関しても昔からATOMIC FIREBALLやSCALENEを観に行っていたという繋がりもあり、ただ単純に格好良いと思っているバンドをリリースしたら、新たなる可能性を感じられる結果になったということだと考えています。











・こうした新たな可能性を提示出来るのがTILL YOUR DEATHの一つの魅力だと思います。
少し話は変わりますが、TILL YOUR DEATHのリリース活動やライブ企画からは日本各地のバンドに対する愛を感じます。伴内さんの中で日本のエクストリームミュージックの魅力とは何だと思いますか?


やはり身近に感じられるというのは魅力の一つだと思います。こういう答え方をすると語弊があるかもしれませんが、高いお金を払って観に行く外タレのライブと同等かそれ以上のライブを毎週のように観れるというのは魅力ですよね。
また同じ国に住んでいるので他の国のバンドに比べてやり手と聴き手の感性が近く、凄く音が入ってきやすいというのも魅力の一つかなと思います。



・その中で、日本のバンドの作品のリリースを続けるのは大変だと思います。これまで様々な作品をリリースして大変だった事、逆にリリースをして良かったと思った事は何でしょうか?

大変なのは毎回のことなのですが、梱包して各店舗に納品することです。
うちのレーベルはディストリビューターにまとめて送って終わりという形ではなく、作品毎にどこのレコード屋さんやディストロで扱ってもらったら売れるかなと考えながら個別に連絡をさせていただくという形の納品の方法も並行してやっています。これをやると相当な数の送り先になるので、本業の仕事の合間にやるには重労働なんですよね。
リリースして良かったなと思うことはやはり作品が出来上がってきた瞬間と、その作品の売れ行きと買って下さった方々の反応が良かった時ですね。「いや~あのアルバム凄く良いね~!」なんて言われるとまた頑張ろうとやる気になります。



・こうした伴内さんの地道な働きがあるからこそ、僕たちの元に最高の音が届いてると思うと本当に感謝しか無いです。
TILL YOUR DEATHはライブ企画も行ってますし、その中で年末恒例の総武線バイオレンスがありますが、総武線の方はどの様な流れで行う事になりましたか?また出演バンドも毎回濃くてバラエティー豊かですが、その辺りの意図などはありますか?


総武線バイオレンスはBLOODBATH RECORDSの木村さんとCAPTURED RECORDSのJEROさんと飲んでる時に「企画でもやろうかと」いう話になって、完全に飲みの席のノリです(笑)。
僕たち三人とも千葉県の出身で総武線沿線で遊ぶことが多いんですよね。それでやるならば自分達の遊び場として総武線沿線がいいねと。
総武線バイオレンスは各レーベルが基本的に3バンド呼ぶという形をとっているので、それがバラエティー豊かな出演バンドになっている理由だと思います。
特別誰がどういうジャンルのバンドを呼ぼうと話し合っているわけではないのですが、やはり各々の好きなバンドを呼ぶとバラエティー豊かな感じに自然となるんですよね。



・なるほど。今年も熱い面子が集結してますし、今から楽しみです!
今後もTILL YOUR DEATHは多くのリリースを控えてますが、その中でも来年リリース予定の「TILL YOUR DEATH Vol2」は前代未聞の20バンド4枚組のとんでもないボリュームになってます。何故こんな前代未聞なリリースをしようと思ったのでしょうか?


今年も熱い面子が出揃ったと自負しておりますので是非総武線バイオレンスよろしくお願い致します。
以前からボリュームのあるV.A.はやってみたかったんですよね。丁度今年がレーベルを始めて10周年だったのでそれならこの機会にやってみようかと。本当はそれならば今年リリースすべきだったんですけど。
重複してしまうのですが、本当に知名度こそ全国区ではないものの地方にはたくさんかっこいいバンドがいます。そういったバンドにも参加していただいて、リスナーの方々に色んなバンドを知ってもらえるきっかけになるような作品を作りたかったんですよね。
それで参加して頂きたいバンドをピックアップしていったら4枚組という物凄いボリュームになってしまいました(笑)。1バンド15分という枠は完全に僕のワガママです。ミニアルバムくらいの収録時間で各バンドに勝負して頂きたいなと。
知らないだけで物凄くかっこいいバンドがたくさんいますので、買って聴いて下さった方々は本当にビックリすると思います。
楽しみにしていてください。



・同時に来年の夏には「TILL YOUR DEATH Vol.3」のリリースも決定しましたね。こちらはカオティックハードコア中心のオムニバスになる予定みたいですが、Vol.2とは違って音楽性特化型のオムニバスになると思います。こちらのコンセプトはどの様な形になってますか?

「TILL YOUR DEATH Vol.3」はAKSK君の言うように国内のカオティックハードコアのバンドを集めたV.A.になります。
「TILL YOUR DEATH Vol.2」とは違い、各バンド1曲ずつになります。参加をお願いしているバンドのほとんどが単独作のリリースを考えていたりすでに単独作をリリースしているバンドばかりだからというのと、Vol.2で15分という枠の問題で参加が難しいと断られてしまうケースもあったのでそれでは今回はコンセプトをガラッと変えて各バンド1曲でV.A.を作ってみようと。
Vol.2と違って音楽的に共通点の多いバンドをお誘いしているので、購入してくださる方々の層が絞りやすくそれでいて同じジャンルに属していながらも各バンドが個性的なので1曲ずつの収録でも各バンドの良さが伝わりやすいのではないかというのもこのVol.3にはあります。



・それぞれのオムニバスはこれからの日本のエクストリームミュージックシーンを象徴する作品になると思います。
これからも精力的にリリースされるのが決定してますが、リリースする作品を通してリスナーには何を伝えたいでしょうか?


知らないだけで国内にはたくさんかっこいいバンドが存在しますので、自分の耳で聴いてなにか感じていただけたらいいなと思います。
娯楽が満ち溢れているこの時代にCDを買うところまでなかなかお金が回らないかもしれませんが、飲み代を節約して買ったたった一枚のCDが人生を変えることもあります。
気になる作品があったら是非手に取ってみてください。



・最後に伴内さんの中で日本のバンドで人生の名盤10枚を教えて下さい。

自分がリリースに関わっているものは除きました。
明日には変わってると思いますが、今現在選ぶとこんな10枚になります。

DEATH SIDE「WASTED DREAM」

PAINTBOX「TRIP,TRANCE&TRAVELLING」

ORANGE「RECKLESS」

LOUDNESS「LOUDNESS」

NEGAROBO「EMERGENCY」

THE MAD CAPSULE MARKETS「4 PLUGS」

SABAZZ「THE INTOLERABLE ABSENCE OF EVIL」

GRUBBY「THE MOB BOSS」

SLY「SLY」

SUNSOWL「RECHARGED」



【TILL YOUR DEATH RECORDSリリース作品】

2515206.jpeg

TYDR001
・V.A.「TILL YOUR DEATH」
NO MORE PAIN(札幌)
NAMAZ(福島)
DOORMAT(東京)
HAIT(大阪)
CHOKE(佐賀)



gsd.jpg

TYDR002
・GxSxD「GOD SEND DEATH」



doormat.jpg

TYDR003
・DOORMAT「CROSS THE THRESHOLD」



namaz.jpg

TYDR004
・NAMAZ「MANIPULATED JUSTICE」



ogd.jpg

TYDR005
・ORGASM GRIND DISRUPTION「Offensive Grind Dudes」



TheDonor_AgonyJacket.jpg

TYDR006
・THE DONOR「AGONY」



THORN.jpg

TYDR007
・NN~DURA/THORN「NN~DURA vs THORN」



daisakkai.jpg

TYDR008
・DEATHBLAST/DEATH THIRST/MASS HYPNOSIA「スラッシュ大殺界」



redsheer.jpg

TYDR010
・REDSHEER「ETERNITY」


TYDR各作品購入ページ(Amazon)



【TILL YOUR DEATH RECORDS今後のリリース予定】



LID.jpg

2015年9月30日発売
TYDR011
・LOVE IS DEAD「2203EP」



2015年年末発売予定
TYDR012
・ORANGE「DISCOGRAPHY CD」



2016年春頃発売予定
TYDR013
・weepray「1st FULL ALBUM」



2016年春頃発売予定
TYDR014
・4枚組V.A.「TILL YOUR DEATH Vol.2」
AT ONE STROKE (東京)
CHOKE(佐賀)
DEATHBLAST(栃木)
DEATH HORN(東京)
DOORMAT(東京)
DORAID(東京)
EXOFORCE(静岡)
GxSxD(岡山)
IMMORTAL SENSE (群馬)
JUNKY WALTZ(岐阜)
NAMAZ(福島)
PAKU-TOH(栃木)
ROSEROSE(東京)
SECOND RESURRECTION(福島)
THE DONOR(金沢)
THORN(千葉)
vimoksha(名古屋)
エ〜クソダス(大阪)
零(千葉)
蓮獄(岡山)



2016年夏頃発売予定
TYDR015
・V.A.「TILL YOUR DEATH Vol.3」
NoLA
REDSHEER
and more...



発売日未定
TYDR009
・GxSxD「2nd FULL ALBUM」



発売日未定
TYDR016
・REIGNTERROR「DISCOGRAPHY CD」




BLOODBATH RECORDS、CAPTURED RECORDS、TILL YOUR DEATH RECORDS共同企画
「総武線バイオレンス2015」
2015年12月29日
両国SUNRIZE

・ABORT MASTICATION
・DORAID
・ORANGE(栃木)
・REDSHEER
・RIVERGE(大阪)
・vimoksha(名古屋)
・W.D.L.K.(京都)
・weepray
・ZOMBIE RITUAL
・幻覚NEONS




【レーベルblog】:http://blog.livedoor.jp/newbleed66/

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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