■Matt Elliott

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■The Broken Man/Matt Elliott


The Broken ManThe Broken Man
(2012/01/17)
Matt Elliot

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 The Third Eye Faundationを復活させた事を去年の来日も記憶に新しいMatt Elliott先生の2012年発表のソロ名義での作品。Matt Elliott名義ではTTEFと違いトラッドな暗黒フォークを奏でているのだが、その絶望と暗黒具合は変わらず、より繊細な歌の世界を展開している。今にも壊れそうな心を表現した彼の歌の力を否応無しに感じる筈だ。ミックスはフランスのミュージシャンであるYann Tiersenの手によって行われている。



 Matt Elliottはトラッドフォークを基調にしたサウンドが核になっているのだが、それに絶望的な感傷の感情をブチ込み、儚く今にも壊れそうな世界を描いた楽曲ばかりが並ぶ。第1曲「Oh How We Fell」からいきなり12分にも及ぶ一大絶望フォークを展開。アコースティックギターと歌のみで構成され、たったそれだけの要素で深淵の世界を描いてしまっているのに先ず驚く。自らの心にある感傷と向き合わせ、逃げる事を許さない絶望が静かに押し寄せる。第2曲「Please Please Please」や第4曲「How To Kill A Rose」といったボーカルレスの短尺の小品的作品でもアコースティックギターにリバーブ等の効果を加え、時折恐怖感を煽る音響的コラージュを加え、歌に頼らずとも自らの世界観を徹底して貫き、作品の中で安易な安らぎは全く与えずにいる。第3曲「Dust Flesh And Bones」でもアコースティックギターを少しずつディレイで重ね自らのサウンドに奥行きを深みを与えながらも、やはり核になっているのはMatt Elliottの今にも消え入りそうな歌と楽曲の持つ陰鬱さを極めた旋律。何ら装飾の無い裸のままのアレンジがよりその世界観を明確にし、後ろで鳴るストリングスの静かな調べが更に感傷を加速させる効果を持ち、中盤で音響的コラージュを膨らませ、奈落の底へと飲み込む大きな空洞へと堕落していく情景は圧巻であるし、ハウリングするコラージュと声と共に壊れきった精神世界へと導かれる。個人的に特に素晴らしいと思ったのは第5曲「If Anyone Ever Tells Me~」であり、Katia Labèqueのピアノとコラボした楽曲であるが、ストリングスとピアノが織り成す13分半にも及ぶ大作は至ってシンプルな楽曲であるのだけれども、今作で最も壊れ物の世界を表現した楽曲であるし、Matt Elliottという男の絶望と悲しみが押し寄せる名曲だ。



 TTEFと違い豊富なアイデアで攻める構成では全く無いのだけれども、この剥き出しになった暗黒フォークの世界でもMatt Elliottの世界は何も変わらないし、何ら装飾が無いからこそ旋律と歌のみで静かに絶望を歌う今作は聴き手の心に静かに入り込んでくるのだ。徹底的に自らの内省と向き合わされる作品だし、僕はこのMatt Elliottの歌の世界と時間をかけてゆっくりと向き合いたいと思う。それだけの価値が今作にはある。



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