■U.G MAN
■Classics/U.G MAN
![]() | CLASSICS (1995/01/01) U.G MAN 商品詳細を見る |
90年代半ばに海外にて盛り上がっていたローファイやスカムといったムーブメントの流れを受け日本でも局地的ではありながらも盛り上がりを見せた鹿コアというムーブメントだけど、その最重要バンドとして名高いU.G MANの95年発表の1st。リリースは勿論U.G MANのギターでもあり数多くのバンドに参加している谷口順氏主宰のLess Than TVから。とにかく単純かつ純粋な初期衝動のみが存在する作品だ。
U.G MANの音楽はとにかく難しい事は抜きにしなくてはいけない。本当に何のギミックも無いし、ストレート極まりないハードコアなんだけど、音質は最強にローファイだし、その全てはガムシャラな癖に殺気も無し、ダークさも無し、ただ単純明快極まりないローファイハードコアであるのだ。その音はポンコツ極まりない癖にポンコツだからこそ生まれる妙な味と中毒性が存在している。殆どの楽曲が約1分のショートカットチューンばかりだし、だからと言って重厚な音圧なんてないし、スピーディでありながらも、暴走してる感じでは無くて妙にヨレヨレの音になっている。ガムシャラな癖に空回りしまくりだし、しまいには今作のミックスは途中で飽きて遊びに来ていた友達に適当にやらせたというどうしようもない適当さ。しかしU.G MANはそういったB級な要素を含めてこそ格好良いバンドだと思う。ハードコアを熟知しているからこそ先天的に生まれる妙にツボを突いて来るギターリフだったりとか絶妙なキメの入れ方とか、単なるポンコツでは無くて、古き良きハードコアを知っているからこそ生まれたローファイなハードコアパンクであるし、徹底して初期衝動のみを貫いた音は聴いてて気持ちが良いし、大人の最高に楽しい悪ふざけというに相応しい音楽だと思う。
いい歳した大人の最高の悪ふざけという言葉が相応しいU.G MANというバンドだが、そのふざけながらも妙に全力なハードコアは色々な垣根を越えた純粋な初期衝動オンリーのハードコアパンクとして妙に説得力があるし、だからこそ彼等のライブはいつも最高のパーティになるんだろうし、その勢い任せのガムシャラさはやはり純粋に格好良いと思うのだ。
現在のライブ動画、音はローファイじゃないけどやはり格好良い!