■Chelsea Wolfe

■Unknown Rooms: A Collection Of Acoustic Songs/Chelsea Wolfe


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(2012/10/16)
Chelsea Wolfe

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 Daymareからリリースされた2枚のアルバムで日本デビューを果たし、来日も果たした世界で今話題を呼んでいるらしい美しきゴシックフォークの新たな才女であるChelsea Wolfeの2012年リリースの最新作。アシッドフォークやゴシックやドゥームを独自の音としてメランコリックに鳴らし歌う彼女だが、今作はかなりアコースティックテイストの強い作品であり、湿りまくったアコギの音色と歌に思わず息を飲んでしまうだろう。



 元々からゴシックフォークの要素の強い彼女の楽曲ではあるけど、今作はほぼアコギの音色と彼女の歌が完全なる基盤になっている作品で、余計な装飾を完全に取り除いた物に仕上がっている。第1曲「Flatlands」から憂いに満ちたアコギの音色と共に彼女はおぼろげな歌を聞かせる。日常的な体感の中で見せるのはどこか浮世離れした感覚でもあるし、ストリングスの音を絶妙に盛り込み、それがより彼女の神秘性を高めてもいるし、それでいて素朴な美しさにも満ちている。第3曲「Spinning Centers」ではどこか牧歌的であるのに、それでもダウナーさが少しずつ充満していくかの様な歌声を聴かせているし、もう単純にメロディが良くて、歌声が良くて、それでいてフラットな感覚のまま堕落してしまいそうになる危うさも持っている彼女の音楽は、方法論とかを超えた彼女のオーラだったりそういった部分の要素が音に出ているし、だからこそ美しく素朴でありながらも確かな個性が存在している。その一方で第6曲「Boyfriend」ではざらつきに満ちたアシッドな空気を醸し出しており、精神的な重苦しさが少ない音数の音色と少し吐き出す感じの歌によって作り出されている。最終曲「Sunstorm」ではシンセの音色のみで構成された楽曲であり、ファニーな音階が少しばかりの不気味さも生み出している。今作は全9曲で25分という非常にコンパクトな作りの作品になっており、それでいてポップな要素もしっかり持ち合わせているのだ。ダークでアシッドな空気を生み出しながらも、純粋な旋律と歌の美しさが本当に大きな肝になっているし、サラッと聴ける作品でもありながら、決して聞き流せない不穏な美しさが彼女の大きな魅力だと僕は思っている。



 今年に入ってこの日本でも大きな注目を集めている彼女だが、彼女の音楽がより多くの人に広まっていくのは最早時間の問題でもあるし、新たなゴシックフォークの歌姫はこれから先、圧倒的な存在感を持つカリスマとして降臨するのではないかという期待をさせてくれる快作に仕上がった。美しき黒の歌姫としてChelsea Wolfeは確かな存在感を放っている。



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■The Grime and The Glow/Chelsea Wolfe


THE GRIME AND THE GLOW (ザ・グライム・アンド・ザ・グロウ)THE GRIME AND THE GLOW (ザ・グライム・アンド・ザ・グロウ)
(2012/04/11)
CHELSEA WOLFE (チェルシー・ウルフ)

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 日本でも各所で話題になっている美しき才女であるChelsea Wolfe。Daymare Recordingsから1stと2ndの国内盤が2枚同時でリリースされた事によって日本にも本格的にその音が知れ渡り始めた彼女だが、今作は2010年リリースの記念すべき彼女の1stアルバムである。フォークとゴシックを融合させ、メンヘラ的ダークさを吐き出す彼女の音楽は1stである今作から確かに存在している。



 しかし、2ndの方が音楽的なレンジも広く、洗練されているのに対して、今作はもっとプリミティブな作品になっていると言えるだろう。音質もかなりアナログな物であったりするし、フォーク色の強い楽曲がここぞとばかりに並ぶ。ドゥーミーな音階やゴシックフォークな音楽性が彼女の魅力として語られる事が多いけど、今作はその要素が特に強いと思う。バンド編成ではないからこそ、彼女の持つアシッドフォークに通じるダウナーさや、時折コラージュ的に挿入されるノイズがよりダイレクトに彼女の音楽を彩り、仄暗いコールタールの海で溺れっぱなしになる痛みが前面に出ているのも耽美さを加速させる。オルタナティブロックをフォークに持ち帰ったみたいな「Advice & Vices」、美しいピアノの旋律と共に葬列の様な歩みを見せる「Benjamin」、さらついたエレアコの音色がヒステリックに掻き鳴らされる「The Whys」と名曲が並んではいるが、どれも全く洗練されちゃいないし、まるで宅録のデモ音源を並べて作られた作品の様でもある。そのざらつきこそが今作の一番の魅力だし、全く飾られてない彼女の音楽は彼女のルーツになっているアシッドフォークの世界に通じているし、「Cousins of the Antichrist」は彼女のアシッドフォークな魅力が詰まった名曲となっている。その一方で2ndの方にもリアレンジされて収録されている「Bounce House Demons」だが、もっとヒステリックかつ粗暴さが増したアレンジになっていてそれが格好良い。アコギ主体でありながら霧に包まれてしまったサウンドスケープの裏でハウリングするエレキギターと、ザクザクしたアコギの感傷とヒステリックさは本当に堪らない。



 才女として日本でもいよいよ高い評価を集め始めた彼女だが、今作は彼女の音楽の核の部分が詰まっているし、より洗練された2ndと聞き比べると中々面白かったりもする。キャッチーさや取っ付き易さは2ndの方が勝っているが、彼女の持つヒステリックなダークさの濃度は今作で黒く輝いている。



■Apokalypsis/Chelsea Wolfe


Ἀποκάλυψις (APOKALYPSIS / アポカリプシス)Ἀποκάλυψις (APOKALYPSIS / アポカリプシス)
(2012/04/11)
CHELSEA WOLFE (チェルシー・ウルフ)

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 アメリカはロサンゼルスを拠点に活動する美しき才女。それがChelsea Wolfeだ。日本でも各所で話題を呼んでいたがCD音源の方が全く日本に入ってこない状態だったが、2012年に彼女の1stと2ndをDaymare RecordingsがCDにてリリース。その話題性や評価に反して日本に音源が入ってこない捩れがやっと解消されたと言える。今作は彼女の2011年リリースの2ndであり、白目を向いてる彼女のジャケのインパクトが中々凄まじい。



 彼女の音楽性は決して難解では無いし、下手したら凄い取っ付き易い部類の物ではあるけれど、その中に言い知れぬ女性特有のメンがヘラった感じのドロっとしたダークさが全面的に出ている。フォークを基調としたサウンドにバンド編成での録音。メランコリックでありながらも、どこか冷徹な旋律。淡々と歌うChelsea Wolfe。ゴシック的な歎美さを前面的に出し、シンプルな音楽性だからこそ、その音と声が深く染み渡る。第2曲「Mer」から完全にChelsea Wolfeの世界は展開。アコースティックギターでドゥーミーな旋律を淡々と掻き鳴らし、少しローファイなサウンドプロダクトが彼女の神秘性を良い感じに演出し、その美しい黒を魅せる。第4曲「Demons」ではかなりバンドサウンドに接近し、少し荒く重いエレキギターのフレーズと共に、他の楽曲よりも少しBPM早めでロックテイストを前面に出しながらも全くブレないメンヘラ系ゴシックフォークの世界には陶酔という言葉が本当に似合うと思う。それに対して第5曲「Movie Screen」では揺らぎの音作りが施され、ドロドロとした情念の渦に飲み込まれる感覚が味わえる。ゴシックだとかそういった要素は全体的に確かに存在しているが、想像以上に楽曲のレンジは広いし、それを難解に片付けたりはしないで一つの分かり易い形に落とし込んでいるのは本当にポイントが高い。その中でも特に第9曲「Pale On Pale」はお気に入りの1曲。今作で最もドゥーミーな1曲で、這いずり回るギターリフと後ろで鳴るコールタールの様なサウンドコラージュ。その密室的なアンサンブルが徐々に膨張し、漆黒の闇に変貌していく様の美しさは堪らない物がある。それでもChelsea Wolfeの歌声は終始淡々としているし、そして最後にヒステリックな叫びを聴かせる。



 ゴシックやダークといった単語で語られたりする事が多いが、個人的にはそれ以上にフォーク基調だからこそ生まれた旋律を生かす楽曲の作り方であったり、女性ならではのヒステリックさと冷徹さの共存といった部分に凄く惹かれたりした。その音楽性や美貌もあって彼女は日本でも高い人気で出る気がしなくもないが、何よりもダークやゴシックやドゥーミーといった要素をすら越えて、本当に幅広い層にアピール出来る取っ付き易さと音楽性の広さこそ彼女の魅力だと思う。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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