■Bacteria
■Scum/Bacteria

80年代半ばよりノイズユニットとして活動を開始し、90年代からはバンド編成になり、現在でもその活動を続けているBacteriaの03年発表の3rdアルバム。COTDのNARASAKIが大絶賛するその音楽性は様々な方向へと変化を続けているらしいが、今作ではノイズユニット上がりらしい爆音のノイズをシューゲイジングさせ、ラウドでありながらもどこかキャッチーな音楽であり、非常に中毒性に満ちた激トランス盤だと言える。
まず第2曲「Wired」から轟音ノイズとインダストリアルなビートに脳髄粉砕確実だろう。ワウを巧みに使いこなし、シューゲイジングするノイズを操り、それをラウドなビートで叩き付ける。言葉にすると非常に物々しい印象になってしまうかもしれないけど実際は非常にキャッチーな要素も強く。ラウドさとキャッチーさを絶妙なバランスで融合しているから非常に聴き易くもなっている。そして音質は少し荒々しく、超爆音でその音が入り込んでくるから脳髄がシューゲイジングするギターに完全に溶かされそうになる。そこら辺の音はこの盤を推薦しているNARASAKIがやっているCOTDともリンクする部分はかなりあったりするけど、彼等の音には一辺の容赦や甘えが全く以って存在していない。あくまでもジャンクに自らのノイズを放出し、sおれをモダンヘビィネスやインダストリアルやジャンクといった音楽的要素を通過させて、よりヘビィで殺気立った世界を生み出している。随所であらゆる音を通過しつつも、それをよりラウドかつハードコアなシューゲイジングノイズ絵巻にしているのはインダストリあるさを高めたビートの役割が非常に大きいと思うし、作品全体で徹底してその音を貫いているからこそ破壊力が落ちる場面なんて全く存在しない。
これは悪意に満ちているという意味では作品のタイトル通りスカムな音であるのは間違いないのかもしれない。キャッチーさを持ちながらもCOTDが持っている破壊的ノイズの音をより濃密にした彼等の音は長時間聴けば聴く程に快楽に変わり、それが彼等の持つノイズトランスの魅力になるのだ。悪意に満ちたノイズ惨殺音源!!