■Rise And Fall
■Ill Dance My Dance/Rise And Fall

地元である仙台では多大な影響を持っているメロディックハードコアバンドであるRise And Fall。そんな長年戦い続ける猛者の1stアルバムが今作である。リリースは国内ハードコアの超名門レーベルであるHG FACTから。とにかく男!男!!男!!!男臭さ全開の超タフガイメロディックエモーショナルハードコアであるのだ。魂を燃え上がらせる音は正にこれだ!!
彼等の音はハードコアであるが、まず非常にメロディック。タイトでタフでありながらも常にメロディアスである事を忘れない。しかもそのメロディアスさが非常に男臭い泣きと激情を打ち鳴らしている。しかしナヨさは全く無く、力強くストレートなサウンドに魂を込め、その魂が涙腺と肉体と魂を同時に震えさせるサウンドとして響いてくる。彼等のサウンドの核にはDag Nastyの様な80年代のDCハードコアの影響が見られるし、ハードコアとしてではなくメロディックパンクの要素も盛り込んでいるから非常に間口も広くなっている点も大きい。それでいて日本人ではの哀愁と男臭さをメロディに託している。Dag Nastyといった古き良きメロディックハードコアの猛者の持つメロディアスさとタフさを継承し、それをよりタイトに鍛え上げて、ハードコアやメロディックパンクとして以上に和製エモの香りを出し、それを正統派DCスタイルと融合させたのは王道のやり方かもしれないが、その王道を堂々と突っ走っている。またストレートなリフとビート中心のサウンドではあるが、その中でギターワークがとにかく光る!!コーラス等を随所に盛り込む小技もそうだけど、シンプルなサウンドでありつつも、随所随所のキメの細かさや、サウンドの気配り、聴いてて肉体に訴えつつも自らのメロディアスさをより明確にするアレンジなんかも彼等の魅力だと思う。何よりもボーカルが本当に良い!日本人らしかぬメロウなヨーロッパの激情系とかにも通じる哀愁を声で生み出しながら、その声がとにかく力強く、それこそ彼等の泣ける男らしさというハードコアの核であり、それは本当に作品全体で徹底している。
泣き、力強さ、ソリッドなタイトさ、メロディアスさという王道の要素を鍛え上げたからこそハードコア・メロディックパンクの覇道を突き進む彼等の音は本当に熱くて堪らない。これぞ男のハードコア!といった名盤に仕上がっている。80年代DCハードコア好き、エモ好き、メロディックパンク好きには是非聴いて欲しい1枚だ。