■killie

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■エコロジーを壊せ/killie

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 最早国内激情系ハードコアの代表格バンドとして語るまでもない存在になっているkillie。誰もが待ち望んでいたであろうkillieの久々の音源は今年初頭の台湾でのライブに向けて製作された物らしく、それを国内でも販売される事になったという形だ。現在では流通には乗っておらず、killieのライブ会場にて入手出来る。しかしその新作がまたkillie節全開だ。写真の通り、まさかのカセットテープ音源で、缶バッジが付いたデニム生地の袋にカセットと、台湾語にて書かれた文が掲載されたペーパーと、国内向けであろうBALLOONS塩川氏とkillieの伊藤氏本人のライナーが掲載された歌詞カードが封入されている。



 しかしその音源の方は更にkillie節全開だ。収録曲はここ最近のライブでもやっていた「エコロジーを壊せ」のみで、カセットのA面とB面にその「エコロジーを壊せ」がそれぞれのバージョンで収録されているという物。その曲名もそうだし、カセットでのリリースもそうだし、歌詞カードに書かれている歌詞もそうだし、もう徹底してkillieだなあって印象を改めて受けた。そこら辺のやり方に関してはそれぞれがそれぞれ感じたことを勝手に感じれば良いだけだし、僕自身は相変わらずだなって感じだったので、この辺にしておくけど、今回収録されている「エコロジーを壊せ」はやっぱりもう安心してkillieのカタルシスが詰まりに詰まった名曲だと思う。
 今回の新曲「エコロジーを壊せ」はこれまでのkillieの暴力的なカタルシスを更に惜しみなく吐き出す楽曲であり、曲の尺自体は10分越えの長尺曲であるが、これまでのkillieの長尺曲である「キリストは復活する」とか「一億分の一」みたいな楽曲とは全く違う。美しい残響音と不穏さを生み出す静謐で美しいパートも無いし、静さと動の落差から生まれるカタルシスも無い。言えば最初から最後まで動のパートでひたする展開されていく楽曲だ。しかしながらそこはkillieだ。動のみで展開されながらも転調や変則的展開は多いし、性急なパートを盛り込みながらも、絶妙に流れを変えていく手法や、長尺の中で全くダレずに展開し、徐々にその熱を高めて暴発していく瞬間は本当に凄い。あと個人的に大きく変わったと思う点は、楽曲構成こそ複雑であるけど、やっている方法論としてはもっとダイナミックに分かりやすい音が増えたという事だと思う。鋭利なリフとパワーコード主体で展開する2本のギターによるリフだったり、動のみで突き進むからこそ生まれるドラムのダイナミックさだったり、こう更に肉体的に訴えるだけの力量とか表現力が凄いシンプルに伝わる楽曲になった印象。特に曲の終盤の終わり無く続くギターのコード弾きのストロークから、リズム隊の音が入り、伊藤氏と吉武氏のツインボーカルの絶唱のパートなんて焦らしに焦らしての暴発だし、本当に待ってましたとばかりの高揚感がとんでもない。B面に入ってる別バージョンでは、そのパートにロングギターソロが挿入されており、それがまた純粋にロックしているソロで普遍的な格好良さがあるのだ。



 そんなこんなで久々の新作音源は実質1曲のみのまたしても歪な形に見えるリリースにはなっているが、killieというバンドの底力とかハードコア・ロックバンドとしての凄みを十分に感じさせる力作になっていると思う。今年は結構精力的にライブをしている印象もあるし、これからまたkillieは大きなアクションを起こす予感もするし、まだまだ目が離せないのは確かだ。
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■結局一億分の一の意見は誰の耳にも届かない/killie

結局一億分の一の意見は誰の耳にも届かない



 フランスのレーベルsalvationから発表された2曲入りのレコード。2曲入りでありながら20分越えの大作志向のkillieが前面に出た作品となっている。激情の枠の中にありながら、その複雑な楽曲構成はkillieの大きな魅力の一つではあるが、その要素が前面に出た作品だ。計算され尽くした混沌と、統率されていながらも破綻寸前のカタルシスとしての激情系ハードコア。それが本当に前面に出ており、killieが激情の枠を超えたプログレッシブさを持ったバンドである事が分かる作品となっている。



 第1曲「歌詞は客の耳に届かない」は不穏なアルペジオとアコギの旋律から始まり、そこから変拍子を駆使したkillie流激情ハードコアへと一気に雪崩れ込む、同じフレーズを繰り返したりする事無く、非常にドラマティックで突拍子も無い展開を持ちながらも楽曲の中でそれらは完全な形で統率されている混沌だ。特に中盤のパートなんて完全にマスロックの音になっている。タイトなドラムとそれぞれの空白をそれぞれの音で埋めるかの様なベースと2本のギター、そして必殺のキメがこれでもかと放たれる様は正にカタルシス。そして再びスロウテンポになり不穏で壮大な音になり最後は変拍子を駆使したキメが不穏に繰り返されて終わるという結末を迎える。
 そして第2曲「一億分の一」はkillieで最も壮大な楽曲であり、killieの怒りの要素が最も出た楽曲だ。半分近くがポエトリーリーディングで歌われ、その言葉の一つ一つはkillieが訴える怒りそのものといっても良い言葉だ。そこから伊藤氏と吉武氏の絶唱の掛け合いボーカル、変拍子駆使のジェットコースターの様な疾走感のハードコアに雪崩れ込み、そこから一気にkillie屈指のスケールを持つパートへつ繋がっていく。物悲しい旋律が一気に支配し、その不協和音と暗闇の中で蹲ったまま狂っていくかの様な感覚、それが終わり無く続き、その音の全てが一つの塊になって降り注ぎ、救い無い感情のまま怒りを吐き出し終わっていく。



今作は日本では販売されなかった作品だ。それはkillieの意志が本当に出された作品でありながら日本で販売されてない事には日本のリスナーに対するアンチテーゼが本当に大きいからだ。それは「一億分の一」を聴くと嫌でも伝わってくる。だからこそ今作を日本でもリリースして欲しかった限りだ。勿論killie側にも意志があるのは分かるけど、これだけの完成度を持った音とどこまでも真摯な意志はやはりもっと多くの人に届く形にして欲しいと考えたりするのだ。killieのインディペンデントの精神やその統率された混沌としての激情系ハードコアの音に僕は心の底から惹かれている。だからこそその音をもっと多くの人に伝えて欲しいのだ。僕の我侭であるのは百も承知だがkillieはそれだけの物を持ったバンドなのであるから。

■地下から抜け出したくない 地下から抜け出したい 地下から抜けだせない/killie

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 元3cmtour、元CLEANERのメンバーによって結成された東京を中心に活動する5ピース激情系男尊女卑ロックンロールバンドkillie(読みはキライ)の2006年発表の1stEPである。全6曲中3曲はインタールード的な小品で、実質は3曲入りといった所ではあるが、その3曲だけでも他の激情系バンドとは一味も二味も違う圧倒的な存在感を放っている。
 ベースの吉武はoto recordsを主宰し、海外の激情系ハードコアバンドの音源リリースやライブも積極的に行っており、独自のインディペンデントな活動を展開している事も有名だ。

 先ず第2曲「落書きされた放置死体」がとんでもない!ソリッドな硬質なギターリフ、圧倒的破壊力を持った爆裂ドラム、陰湿な不協和音とメロディライン、僅か1分40秒の尺の中で目まぐるしく変化していく展開と必殺のキメ、そして伊藤氏の圧倒的なカリスマ性を持った声から紡がれるシャウトに吉武のコーラスが掛け合いぶつかり合っていく!目まぐるしい展開の中で曲の勢いと破壊力を維持していく馬力も流石である。
 第4曲「性欲の果てに土を掘り返す」はkillieの男尊女卑ロックンロールの本領発揮な1曲。不協和音のサウンドをマスロック入ってるキメと拍でゴリゴリに決めていく、中盤に痴漢冤罪の裁判の様子と思われる音声が入り、そこから怒りとパラノイアな伊藤氏の声と必殺のハードコアサウンドが展開される。終盤の「kill all your girls into your grave」と全員で叫ぶ辺りはkillieらしい箇所である。
 そしてkillie屈指の最強の1曲である第5曲「先入観を考える」が本当に素晴らしい!全編に渡ってクライマックス、激情系ハードコア×マスロックのkillie印のサウンドをこれでもかと展開させていく!HOT CROSS辺りにも通じるサウンドにkillie独自の音階をブチ込んでいると言えるのではないか。ノイジーな轟音からマスロック的なクリーンパートの絡み、そして終盤のビロビロな単音フレーズのユニゾンと伊藤氏と吉武氏のボーカルの掛け合いまでバンドとして一貫としたサウンドとしなやかなフォルムを見せ付けている。

 曲中で同じフレーズをループさせる事は殆ど無いマスロック的なサウンドに激情系のテイストを見事に融合させたのはkillieの個性であり魅力であろう。その中でバンドとして鍛え上げたしなやかさは更にダイレクトな魅力だと思っている。KaospilotやHOT CROSS辺りの激情系ハードコア好きだけでなく、Tera Melosの様な疾走系マスロック好き、CONVERGEやBotch辺りのカオティック好きにもお勧めしたい。この音はどこまでも攻撃的でシリアスだ。

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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