■Pelican

■Forever Becoming/Pelican


Forever BecomingForever Becoming
(2013/10/17)
Pelican

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 ポストメタルの世界では最早ベテランバンドになっている偉大なる先駆者であるPelican。昨年EPのリリースがあったり、オリジナルメンバーの脱退などもあったが、今作は2013年リリースの実に4年振りの5th。4thである「What We All Come to Need」があまりにも素晴らしすぎて、今作に対するハードルも大分高くなってしまってはいたけど、その期待には十分に応えてはくれた力作に仕上がっていると思う。



 と言っても前作に比べると衝撃とかインパクトという点には少し欠けてしまうとは思うし、今作でのPelicanには大きな変化は無いと思う。あくまでも前作とは大きく変わってはいない。でも持ち前のリリカルさと、ヘビィなグルーブによって生まれるインスト・ポストメタルの美しさと力量は流石だし、作品自体の完成度はやはり高い物だ。更に言えば前作で見せ付けたリリカルさを内包した怪物みてえな豪傑なアンサンブルは今作ではより強靭になっているし、音楽的には大きな変化こそ無くても、着実に彼等は進化している。
 不穏さと静謐さとリリカルさと美しさが織り交ざった幕開けの第1曲「Terminal」の耽美な陶酔の音像の美しさで先ずは聴き手を引き込み、続く第2曲「Deny The Absolute」では完全にpelivan節が炸裂。うねりを上げて轟く知的であり豪傑なリズムセクションは益々洗練され強くなっているし、ヘビィなリフでゴリゴリと引っ張りながらも、その構成と展開と奥底にある美旋律で見事なまでのリリカルさを展開する様子はdこを切っても安心と信頼のPelicanだ。よりスラッジな重みを感じさせるリフと、焦らしに焦らして盛り上がっていくドラマティックさが光る第3曲「The Tundra」と相変わらずの完成度。彼等の持つ美意識が結晶となり、繊細なアンサンブルから鬼神のヘビィネスへとドラマティックかつダイナミックに展開する第4曲「Immutable Dusk」も今作の大きな聴き所だ。
 個人的にはそんな前半の楽曲郡の完成度も見事だと思うけど、特に終盤の2曲が素晴らしいと思う。バキバキに歪んだベースラインが耳を貫き、地を這うアンサンブルからリリカルさとエモーショナルさを全開にして飛翔していく第7曲「Vestiges」は今作でも屈指の曲だし、今作で最も長尺であるクライマックスの最終曲「Perpetual Dawn」はPelicanが長年に渡って培ったリリカルかつ柔らかな音に包み込まれる、強さだけで無く優しさと温かみを持った音もPelicannの確かな魅力だし、最後の最後でヘビィさを押し出しながらも、涙腺をガッツリ殴る旋律がヘビィなる爆音として拡散し、輝いていくクライマックスはもう本当に降服するしか無い。



 今は亡きISIS同様にポストメタルの礎を作り上げたバンドだし、彼等のリリカルさとヘビィネスを兼ね備えた美しき情景と豊潤さはやはり不変だと思う。5枚目のアルバムという事もあるし、本当に見事にベテランバンドとしての風格と強さと渋さを見せてくれた今作も前作程のインパクトは無いにしてもやはり十分に傑作と言える一枚。次回作では今作の音をどう変貌させて進化させていくかにも期待したい所だ。



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■Ataraxia/Taraxis/Pelicam


Ataraxia/TaraxisAtaraxia/Taraxis
(2012/04/10)
Pelican

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 ポストメタルを語る上で絶対に外せないバンドであるPelican、ISIS級の人気をこの日本でも誇り、多くの支持者を獲得している彼等だが、多くの人が待ちに待てった2012年リリースの新作EP。傑作4th以来約2年半振りの音源という事もあって本当に多くの人が待ち望んでた彼等の最新作はリリカルかつタイトでヘビィなインスト世界というもう安定してPelicanな音が4曲収録されている。



 今回は今までに無い位楽曲がコンパクトで、4曲で約18分という非常にタイトな作品になっている。しかしだからと言って彼等のリリカルさと屈強なアンサンブルは全く揺らがない。第1曲「Ataraxia」少しどんよりとした電子音を取り入れつつも、アコギとキーボードをフューチャーした楽曲で、郷愁と哀愁が静かに流れる1曲、彼等らしいリリカルさと情緒豊かさはやはり健在ではあるけれど、これは新たなアプローチであると思えるし、静謐でありながら水辺の波紋の様に静かにスケールが広がって行く様はやけに物悲しくありながらも美しい儚さを持っている。しかし第2曲「Lathe Biosas」ではもう安定していつものPelicanが炸裂。ヘビィでタイトな4人のアンサンブルの屈強さは楽曲がコンパクトになった事によって更に引き締まり、絶妙なキメとコンパクトな尺の中でもきっちり一つのストーリーを描く表現力、ヘビィでメロウなサウンドが咲き乱れる様は正にPelican節としか言えない彼等の魅力であり、今作でもそれは健在であり更に風格や余裕すら感じさせるレベルだと思う。第3曲「Parasite Colony」ではより重くスラッジさを加速させ、ダウンテンポの重いグルーブを軸に展開する1曲だが、そんな楽曲でも持ち前のリリカルな旋律は全く薄くなってないし、寧ろその重みとリリカルさの対比を効果的に活用している。最終曲「Taraxis」ではアコギのさわやかで涼しげな音色と、不協和音でありながらも妙なリリカルさを持ったエレキが絶妙に調和し、揺らぐ不穏さを演出、その独特の叙情の波から重みを加速させて終盤ではバキバキに歪んだサウンドに変貌し、一気に鉄槌を下すというダイナミックな締めくくりを見せる。



 4曲共それぞれアプローチこそは違うが、それでも作品として非常に引き締まったフォルムを持っているし、ポストメタルの雄の貫禄を見せ付けるには十分な作品であろう。今回はEPでの音源リリースではあるが、今作を聴いて来るべき次回作ではどの様な進化を彼等が見せてくれるか楽しみになる1枚。



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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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