■Wolves In The Throne Room

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■Celestial Lineage/Wolves In The Throne Room


Celestial LineageCelestial Lineage
(2011/09/13)
Wolves in the Throne Room

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 自給自足の生活を行いながらバンド活動をするアメリカはワシントン州オリンピア出身のポストブラックメタルバンドであるWITTRの2011年発表の4th。今作ではex.ISISのアーロン・ターナーもレコーディングに参加している。前作同様に相変わらずの大作志向の作品であり、精霊達が踊り歌う森ブラックメタルは健在であるが、今作ではアーロン先生のバックアップも手伝ってか、より深化したスケールを体感する事が出来るだろう。シューゲイジングブラックだとかポストブラックの中でも格段の深化を今作で見せ付けている。



 身を切り裂くトレモロリフとNathan Weaverの狂気渦巻くボーカル、メランコリーでありドラマティックな展開と、時折見せるゴシックな泣きのギターといった点は前作と変わっていないし、その殺傷力は更に増している印象を受けるが、今作ではその世界観をより明確にしているし、神秘的な美しさを持つ女性ボーカルから始まり、その美しい音色と余韻を自らの冷気で引き裂く第1曲「Thuja Magus Imperium」ではそれらの要素に加えて、より輪郭のはっきりとしたサウンドスケープがあるし、それが旋律も攻撃性も神秘性も更に加速させている様にも思える。激しいブラストビートも今作ではあるが、より緩急のつけた物にもなっているし、純粋にメロウさが更に特化した楽曲の純粋な力こそが今作での深化に一役買っているのは間違い無い。個人的には同じくアーロンが参加しているTwilightのポストメタル的芸術性と重厚さすら存在している。攻撃性一辺倒じゃなくシンセの厳格な音色がその世界観を明確にし、よりストーリー性を持たせている辺りは流石と言った所。攻撃性とメロウさ、美と醜、それらの対比は彼等の持ち味ではるけれど、今作では攻撃性以上に耽美な美しさと流麗さが更に進化し、自然崇拝の果ての精霊と悪魔がダンスするブラックメタルが新たな次元へと進化している。また今作は彼等のアンビエントな部分を前面にだした短尺の楽曲も3曲収録されており、それらも自らの物語の幽玄の調べと語り部的な役割を果たしている。第5曲「Woodland Cathedral」の女性ボーカルとクラシカルな音が織り成す破滅への語り部となっており、幻想的な世界へと僕達を導く。そこからブラックメタルらしい攻撃性を前面に押し出しながらも中盤の静謐なアンビエントパートでその神秘性を加速させ、終盤の破滅へと暴走する激情に雪崩れ込む第6曲「Astral Blood」と今作で最も厳格なクラシカルさを見せつけ、ドラマティックな光と闇の交錯する異次元の世界を描く第7曲「Prayer of Transformation」へと雪崩れ込み、その大自然への畏怖の念を感じさせる重厚さには圧倒されてしまった。



 サウンドはブラックメタルではあるが、その先の自然界の怒りと嘆きを描いたかの様な音の美しさとスケールはやはり圧巻であり、静寂から轟音のブリザードへと雪崩れ込むカタルシスも相当な物だ。現在多くのバンドが台頭しているポストブラック勢の中でも彼等はやはり異質であり、それでも嵐の様な熾烈さと美しい静寂の嘆きが織り交ざったブラックメタルに内包される極限の美しさは別格だ。
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■Black Cascade/Wolves In The Throne Room


ブラック・カスケイドブラック・カスケイド
(2009/05/05)
ウルヴズ・イン・ザ・スローン・ルーム

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 メンバーは森で自給自足の生活を送りながらバンド活動をしているという独特のライフサイクルの中で活動しているブラックメタルバンドWolves In The Throne Roomの2009年発表の3rdアルバム。全4曲とも10分超えというスケールの大きさだけでなく、ブラックメタルの王道のサウンドの流れをしっかりと汲みながらも、それに留まらないサウンドを見せている。昨今のシューゲージングブラックメタルの中ではかなりブラックに近い音ではあるが、決して単調な物にはなっていない。北欧神話崇拝や、悪魔的なブラックメタルではなく、壮大な自然への畏怖の念を抱きそれを歌うのはこのバンドのライフサイクルにも関係があると思う。深い森の中で、自然界の聖霊に捧げる歌みたいにも思えるのだ。

 第1曲「Wanderer Above the Sea of Fog」から美しくもブリザードの様な身を切り裂くギターが響き渡り、ブラストビートがミサイルの様に吹き、絶望や怒りを内包した金切声のボーカルが狂気値を加速させていく。しかしながら壮大なスケールをしっかりと見せつけ、決して単調にはなっていない。BurzumやUlver辺りにも通じる情緒性をよりメランコリーにしながらも、ブラックメタルとしての凶悪さをしっかりとブチ込んでいる。美と醜が混在しながら、この世界の狂気を暴いている様にすら思えてしまうのだ。
 第3曲「Ex Cathedra」はよりドラマティックな1曲、中盤のアンビエントパートの静謐さと不穏さに心は震え始め、そこから一気に怒りと悲しみと狂気の青い炎が攻めてくる。バイオレンスでありながらも、サウンドの向こうには悲しいメロディと哀愁が潜んでいる。そして第4曲「Crystal Ammunition」はのっけから硬質なリフとブラストビートの嵐が吹き荒れてきて、そこから美しきメランコリーが表に出てくる。中盤の泣きのアコースティックギターのフレーズなんかUlverを思わせるし、そこから怒涛のブリザードの嵐に変わり、そしてラストは深遠なキーボードのフレーズとノイズが混ざり合い、美しさと醜き業火が混ざり合い消えていく。その様が本当に美しいのだ。

 ブラックメタルらしい攻撃性と狂気値の振り切れたサウンドがベースではあるが、そこの極寒の吹雪の中に差し込んでいく光をしっかりと見せるサウンド。Alcestとは真逆な音ではあるが、根本の神秘性と美しさは通じる部分があると思う。その中でNathan Weaverの発狂しまくったボーカルがバンドの攻撃性や怒りや悲しみを表現し、Wolvesを独自のフィールドに導いているのではないだろうか。近年のブラックメタルの中でも屈指の傑作、美しき狂気を味わってほしい限りだ。

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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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