■STORM OF VOID

■War Inside You/STORM OF VOID

War Inside You
War Inside You
posted with amazlet at 18.01.31
STORM OF VOID J.ROBBINS
Hostess Entertainment (2017-09-20)
売り上げランキング: 139,659




bluebeard/NAHT/TURTLE ISLANDのGeorge BodmanとenvyのDairoku Sekiによるスラッジバンドの2017年リリースの待望の1stアルバム。
前作EPでは3人編成だったが、今作では結成当初の2人編成に戻り、ベースもGeorge氏が弾いている。
またゲストボーカルにNapalm DeathのMark'Barney' GreenwayとJawboxのJ. Robbinsが参加した事も大きな話題となっている。
SOVは登場から独創的なスラッジサウンドと圧倒的なライブパフォーマンスで多くの話題を集めていたが、今作は良い意味でこれまでのSOVを裏切る会心の一枚に仕上がった。



今作で提示したSOVのインストによるスラッジサウンドはRUSSIAN CIRCLESやPELICANといったポストメタルの雄とリンクする部分は大いにあるが、それらのバンドとはまた違うアプローチを展開している。
先行公開された第1曲「Into the circle」は複雑なアンサンブルを最小限の2人編成で乗りこなし、8弦ギターで弾き倒される複雑なリフの嵐とストイックなビートが高揚感を与えてくれるが、音は間違いなくヘヴィであるのに不思議な丸みを感じるサウンドプロダクトに仕上がっている。
こうしたサウンドスタイルのバンドはヘヴィさを前面に押し出し、熾烈さや凶悪さからエクストリームへと導いていく物が多いが、SOVはそれらのヘヴィさをしっかりと守りつつ、タイトでありながらも優しい音に仕上げている。ストイックなヒリヒリとした緊張感の中からにじみ出る温もりは他のバンドには中々ないものだろう。
前作EPに収録されていた楽曲を再録した第3曲「Silent Eyes」、第8曲「Ice Lung」の2曲もストイック緊張感はそのままに現在のSOVの温もりが加わり、より新鮮な響きが伝わる。

Mark'Barney' Greenwayがゲストボーカルを取る第2曲「Bow and Scrape」では熾烈なサウンドとBarneyのボーカルが見事にシンクロし、一方でJ. Robbinsがボーカルを取る第8曲「War Inside You」では硬質なサウンドの中の男気と哀愁と、二人のゲストボーカルはSOVのサウンドを自分のものとして料理し、それぞれが化学反応を起こしている。



SOV側の気合いと覚悟と自然と伝わる渾身の一枚に仕上がった今作であるが、スラッジ/ポストメタルと呼ばれるサウンドもまだまだ先に行ける事を証明。これまでに多くの実績とキャリアを積んだ男二人が新たなるエクストリームミュージックのスタンダードを提示した。

今作全体に漂うのは極限でありながらも自然体な音だ。余計な装飾を施していないからこそ、音の旨味を存分に堪能出来る。
スラッジ/ポストメタル系のファンは勿論、それ以外の音楽好きにも是非とも触れて欲しい世界が今作には存在する。



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■STORM OF VOID/STORM OF VOID


STORM OF VOIDSTORM OF VOID
(2013/11/27)
STORM OF VOID

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 ダイロク氏(envy)、ジョージ氏(TURTLE ISLAND)、トク氏(ex.FC Five)という余りにも豪華すぎる面子から成り立つ3ピースによる新バンドSTORM OF VOIDの2013年リリースの3曲入1stEP。リリースは勿論SONZAI RECORDSから!!この3人がどんな新しい音を放つかは全く想像出来なかったが、これが完全にインストのポストメタル・スラッジ・プログレッシブメタルというメンバーそれぞれのキャリアを良い意味で裏切る音でびっくりした。重低音が生み出す快楽がとにかく半端じゃないのである。



 完全に3ピースというシンプル極まりない編成でありながらこのバンドの音はとにかく熾烈だ。8弦ギターによる重低音がとにかく凄くて、同時に地を這うベースもバキバキに歪みまくった音を放ち、ダイロク氏は重厚な重みのあるドラムを複雑に叩きこなし、3人の音が正面衝突し、一つのカタルシスを生み出している。ポストメタルでありながらも曲が割とコンパクトだったりもするし、非常に聴き易さがあったりもするけど、とにかくスラッジな音が重厚に放たれていく様は圧巻の一言。しかもこのバンドの音は単なるスラッジ・ポストメタルサウンドで終わってないのは第1曲「ICE LUNG」を聴けば一目瞭然だろう。基本的にはスラッジなリフと重厚なダウンテンポのビートを機軸に曲は進行していくのだけど、そのリフのキメの入れ方だったり、ビートのキメの入れ方は練りに練り込まれていて、非常にプログレッシブである。スラッジを機軸にしながらもメンバー3人の個々の高い演奏技術を生かし。スラッジ・ポストメタルからプログレッシブメタルへと接近した音は多くのポストメタルバンドの中でも独特の感覚があるし、PelicanやRussian Circleといったバンドが持っている緻密な構築美を感じさせながらも、深みがありソリッドな音の応酬で攻めまくっているし、メロディアスさやリリカルさといった方向には走らないで徹底してドス黒いスラッジサウンドで武骨に攻める!!曲の中盤とかに一気にBPMを速めてプログレッシブなフレーズの乱打からストーナーでサイケデリックなソロまで見せつけ重低音から生み出すトランス感覚を発揮していく。
 第2曲「SILENT EYES」は約5分の割とコンパクトな尺の楽曲でありながら、ソリッドなリフの応酬の重戦車から始まり、それらのフレーズの反復から少しばかりメロディアスなフレーズを盛り込んでくるニクさ。徐々に美的センスを感じさせるスケールの広大さをアピールしたかと思ったら、曲の中盤から怒涛のドラムの乱打と極太極悪のベースのグルーブとカオティック成分を持ちながら叩きつけられていくスラッジリフが最高に気持ち良くて昇天必至だ。第3曲「HULLUCINATE REALITY」は今作でも一番重厚なスラッジ絵巻で、合間合間に複雑なフレーズを盛り込みながらも極限まで音を削ぎ落とし、重低音の残響を聴かせる這いずる音のダークさ。基本はスラッジなのに合間合間にプログレッシブになり聴き手を見事に焦らすパートもありつつ、最後の最後にポストメタルな叡智を見事に生かし、ドラマティックなクライマックスを迎えていくのは本当にお見事の一言だ!!



 単なるポストメタルではなく、単なるスラッジではなく、独特のプログレッシブ要素を盛り込み、独自の音を展開している今作だが、その重低音のグルーブはやはり圧巻であるし、それは先日初めて拝見させて頂いたライブでは更にとんでもない事になっちまっていた。極悪のドス黒い濁流と共に放たれるプログレッシブスラッジ絵巻は重厚かつ極悪だし、たった3曲入ながらもSTORM OF VOIDというバンドの凄みを実感するには十分過ぎる作品だ。



プロフィール

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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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