■Naiad
■Hardcore Emotion/Naiad
![]() | Hardcore Emotion (2003/07/29) Naiad 商品詳細を見る |
正にそのアルバム名通りの音だ。06年に解散してしまっているが、未だに大きなリスペクトを浴び、多くのバンドに影響を与えまくった京都の激情ニュースクールハードコアバンドであるNaiadの03年にGOOD LIFEからリリースされた1st EP。全5曲というコンパクトな収録内容でありながら、本当に感動的でエモーショナルな作品であり、日本のニュースクールは勿論、激情系ハードコアの面で見ても歴史的名盤であり、今後も語り継がれていく名盤だ。
Naiadははっきり言って単なるニュースクールハードコアバンドでは無い、激情やポストロック的なアプローチを盛り込んでいる云々の話でも無い、このバンドは屈指のメロディセンスを持ち、そして全ての音が胸を焼き尽くすエモその物でしかないし、エモーショナルなハードコアとしてこれ以上に無い位に完璧なのだ。感情を掻き毟るメロディとズクズク刻まれるギターと力強いビートと熱いボーカルとシンガロング、タフネス溢れる音でありながら同時に繊細な泣きもあり、手法こそ今となっては目新しさこそ無いのかもしれないけど、ニュースクールとしても激情としてもエモとしても、ここまで完璧なバンドは正直言って他にいないとすら思ってしまう。
第1曲「Sensuous Tone」こそ轟音系ポストロック的エヴァーグリーンさと清流の旋律から始まり、その音が熱を高めて明確な輪郭を持ち、メタリックでありながらこれ以上無い位に泣きまくったメロディを持つリフと高らかな雄たけび、ドラマティック過ぎる最高のオープニングから今作は幕を開くが、第2曲「Believing Dreams」がもう完璧過ぎる名曲なのだ!!6分間の中で繰り出されるドラマ、ヘビィでメタリックなリフと叙情で歪んだアルペジオの対比がもう胸を熱くしまくりだし、全身全霊な雄たけびを繰り出しまくるボーカルと拳を突き上げるしか無くなる激熱シンガロング、一々ブレイクやキメも最高に格好良いし、何よりもタフネス全開のサウンドな筈なのに、随所随所のクリーンなパートの落とし方の美味さだったりとか、そもそも純粋な楽曲の良さ、手法こそ他のバンドも取り入れている方法でもあるのに、このバンドのドラマティックなエモティブさは本当に何なんだろうか。ここぞと爆発する瞬間の爆発力が本当に凄いし、ニュースクールハードコアでありながら激情とポストロックのハイブリットであるし、それらの要素の一番濃い部分だけで作られた音は必殺。ドラマティック過ぎる楽曲展開もそうだけど、常にフルスロットルでクライマックスが訪れる感覚になるのだ。何よりも本当に泣ける。
クリアなアンビエントな音色のみの小品である第3曲「Waves Of Influence Strike With」を挟んでの第4曲「Song Of Nature」も屈指の名曲のけっから激情のクライマックスを放ち、疾走感溢れるサウンドと共に彼方へと突き進み、徹底してドラマティックであり、何よりもポジティブなエネルギーに満ち溢れ、激情と共に光の彼方へと拳を突き上げる熱さ、それこそがNaiadの最大の魅力だし、最終曲「Hopeful Progress」ではポストロック成分が他の曲より少し多めだが、そんな静謐さからラスト1分の激情と激動のラストはとんでもないカタルシスだ!!
解散して随分経つし、僕がNaiadを知ったのは解散後ではあるけど、本当に今の激情系や叙情派のハードコアバンドに与えた影響は数知れないだろう。これは時代を超えて語り継がれる名盤だし、本物の激情を鳴らすハードコアバンドとしてNaiadは最強過ぎるのだ!!