■Khmer

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■Nubes que anuncian tormenta/Khmer

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 プレス分を完売し多くの人々の賞賛を浴びた3LA第一弾リリースであるAfter ForeverとKhmerのスプリットの衝撃も凄かったが、今回Khmerの単独リリースとなった今作は更に上を行く作品となった。今作は3LA、HALO OF FLIES、TUPATUTUPA、KTC DOMESTIC、NOOIRAX、IN MY HEART EMPIREとの共同リリースの作品であり、A面には新曲5曲、B面には入手困難となっていた2012年のデモ音源5曲を収録。純粋な新作であるけど、過去のデモもコンパイルした半編集盤的内容となっている。レコードの盤はカラーヴァイナルでインサートのアートワークも凝っているし、ダウンロードコード付きと嬉しい内容。



 さてKhmerは昨年全曲収録の編集盤が3LAからリリースされ、多くのリスナーから喜びの声で溢れたスパニッシュネオクラストのレジェンドであるIctusのIvanとEl EgoのMarioを中心にマドリードで結成され、バンドの歴史自体はまだまだ短いけど、スペインのネオクラスト人脈の最重要人物達によって結成されたバンドであり、ネオクラストの流れからブラッケンドハードコアへと到達したバンドである。先ずは新作となるA面だが、第1曲「Pujares Negros」から絶好調。ダークな旋律をアグレッシブに叩きつけるサウンドは今作でも健在。2ビートとブラストを使い分け、常に爆走するビートを土台にし、スパニッシュネオクラストらしい非常にメロいギターフレーズの切れ味とインパクトは抜群。ブラッケンドらしい要素は確かに存在するけど、既存のブラッケンドとは全然違う。ネオクラストから更に進化したからこそのブラッケンドであり、寒々しいリフの洪水もあり、カオティックハードコアなフレーズもあり、目まぐるしい展開の中でダレる事なく渾身のアッパーかったを無数にお見舞いしてくれる。歴戦の猛者だからこその馬力の凄さと、円熟では無く、より攻めの姿勢にバンドが入っているからこそのサウンドに圧倒される。第2曲「Bajo La Cruz」はトレモロリフとブラストビートが攻めてくるよりブラッケンドな楽曲であるけど、バンドの攻撃性と哀愁のダークネスが見事に結びつき、精神を抉る美リフだけじゃなく、そのサッドネスの中から獰猛なる怒りを体現したシリアスな爆走サウンド。Ictusもそうだったけど、バンドの芸術性をアグレッシブ過ぎるサウンドに落とし込む手腕は凄いし、スパニッシュネオクラストの一番濃い部分を見事に曲にしているし、その先を行く為のブラッケンドであるからこそ、他のバンドとは違う。第3曲「Metales Que Guardas」もシンガロングを盛り込み拳を突き上げるしかない熱さに溢れていながら、持ち味となっているメロディセンスとカオティックかつ爆走するサウンドは全然衰えない。第4曲「Si Aun Corre La Sangre」もそんなKhmer節しか無い。A面ラストの「Hagamos El Mal」もバンドの新たな進化を体現した楽曲であり、持ち前のリフの切れ味を絶対零度でお見舞いするサウンドスケープ、爆走サウンド一辺倒じゃ無く、攻撃性と芸術性を見事なバランスで共存させ、ある種のポストブラックメタルらしさを出していたりもしながら、やっぱりサウンドに怯みは無し!!この5曲の新曲はKhmerの更なる進化を体現するだけじゃ無く、スパニッシュネオクラストとブラッケンドハードコアが新たな領域に到達した事の証明でもあるのだ。
 そしてB面は2012年のデモ音源を再録した内容となっており、A面の新曲群に比べたら少し過渡期的な内容ではあるかもしれないし、それはバンドがたった2年でとんでもない進化をしてしまったから仕方ないんだけど、こちらはこちらでまだ荒々しさもありつつ、バンドが新たな領域への航海を始めた最初の1ページでもある。第1曲「Lenguas De Fuego」はまだブラッケンドハードコアらしさがモロな楽曲ではあるけど、この頃からKhmer節は健在。暴走ブラッケンドサウンドの中に確かに現在に繋がるメロディは存在している。ダウンテンポとクリーントーンのダークなイントロからジャッとコースターサウンドとしてドス黒く真っ逆さまな第2曲「Magna Mater」は新作サイドには無いタイプの曲ではあるけど、サウンドの落差という意味では新曲群には無いカタルシスが確かにある。デモの最後を飾る「Mares Vacios」なんかはKhmerの現在のサウンドに一番近いし、リリース当時にこのデモを聴いた訳じゃ無いんだけど、こうして現在の音とデモの音を聴き比べるとバンドの進化具合の凄さに驚くと同時に、バンドのスタイルは一貫していると改めて思った。



 メンバーそれぞれが過去に在籍していたバンド以上に凄まじい情報量と圧巻の破壊力をKhmerは持っているし、そこにそれぞれの持つ美意識が惜しみなく追求された事によって、更なるネクストステージにKhmerは到達してしまっているのだ。冗長さに逃げず、脳筋になるのでも無く、美しく激しく蠢くサウンドは最早室伏兄貴ばりの肉体美であり、そこには美しさしか無い。貪欲に進化を続け、常に新鮮でいて攻撃的なサウンドを繰り出しているからこそとんでもない格好良さだし、そのスタイルはメンバーそれぞれの過去のバンドの頃から一貫している。スパニッシュネオクラストの歴史を背負いながら、それを置き去りにしようと更なる新世界へとKhmerは踏み込んでいる。今作は勿論3LAで購入出来る!!



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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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