■Spike Shoes
■henceforth/Spike Shoes
Tiny Axe (2018-08-08)
売り上げランキング: 4,286
長年にわたり宮城県仙台を拠点に活動を続け、仙台のローカルヒーローの枠に収まらない活動で多方面から常に注目を集めるSpike Shoes。
結成25年の大ベテランバンドが2018年にリリースした6thアルバムは、大ベテランの聖域に胡座をかくことなく、常に進化を自らに課すSpike Shoesらしい未来を射抜く快作となった。
Spike Shoesのサウンドスタイルは形骸化したハードコアパンクとは一線を画す。
第1曲「serac」から壮大なる物語の幕開けにふさわしいポストメタル方面のアプローチを展開し、中盤ではSpike Shoes印のダヴサウンドも展開される。
一方で第2曲「crossbreed」ではレイジングなハードコアで1分弱を瞬く間に駆け抜け、静と激をドラマティックに展開する第3曲「砂の城」、悠々としたレゲエからレイジングに変貌する第4曲「dry fang」、強靭なバネを活かした瞬発力から宇宙へと飛び立つ第5曲「落日」、そして完全にレゲエに振り切った第6曲「耳鳴りの丘」まで。全6曲27分の中で見せる表情は多彩を極める。
サウンドスタイルは多彩を極め、それこそボーカルはエモーショナルな叫びから超音波ハイトーン、果てはファンク的なクリーントーンボーカルまで変幻自在。
何物にも縛られない自由なサウンドでありながら、アルバムを通して聴くとSpike Shoesが目指すハードコアパンクが一本の線で繋がるのは大ベテランの気迫がなせる業だろう。
レイジングなサウンドから宇宙へとぶっ飛ばされる様な跳躍力へ、レゲエ/ファンク方面のアプローチは信念と言う名のソウルからハードコアへ、そして漆黒の夜を切り裂き朝日を眺める様な情景すら浮かぶ。
シリアスでありながらもポジティブなエネルギーに満ち溢れ、25年に渡りバンドを継続させてきたからこその実力に裏付けされた強靭なサウンド。そしてより自由に羽ばたく信念は確かに未来へと繋がっている。
異種交配を重ねながら、歩みを決して止めない仙台のローカルヒーローの言い訳無用の信念のドキュメント。
ハードコアパンク=進化と信念であることを証明し続けるSpike Shoesが多くのフリークスから熱い支持を集めているのは当然の結果でしかない。
自らを信じ、キレ進んでいるバンドにしか出せない説得力がそこにはある。
Spike Shoesのハードコアパンクはまだまだ止まることがなさそうだ。