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■BB

■BLACK BABEL/BB

BLACK BABEL (ブラック・バベル)
BB (ビービー)
Daymare Recordings (2019-03-06)
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鬼神達の放つ新たなる激音。何度アルバムを聴き込んでも僕の貧弱な語彙力で出てくる言葉はそれだけだった。
ex.COCOBAT、ex.BACKBONE、ex.DESSERTのRyuji(Vo)を中心にWRENCHの坂元東(Gt)、MINOR LEAGUEの駒村将也(Ba)と広野与一(Dr)という豪華過ぎる布陣によって結成されたBB。
多くのフリークス達から惜しみない賛辞を浴び続けた彼らだが、遂に待望の1stアルバム「BLACK BABEL」をリリースした。
徹底したオリジナリティを追求した激音のみが記録された今作はまさに歴史を変える一枚と呼んでも過言ではないと思う。



ヘヴィかつプログレッシブにカオスへと雪崩れ込むサウンドスケープ。複雑かつしなやかに繰り出される変拍子、その中でも決して失われないロックバンドとしてのグルーヴ。
メンバーのこれまでのキャリアと全く違う音を鳴らしながら、見果てぬ先へと突き進むのがBBの生み出す音だ。
アルバムタイトルとして冠された「BLACK BABEL」という言葉は直訳すると「黒き神の門」または「黒き混乱」という意味になるが、その言葉に何一つ偽りはない。
CONVERGEやNAILSといったバンドを手掛けたBrad Boatrightによるマスタリングがライヴでは黒いカオスとして放たれていた爆音をクリアにし、同時にライヴ同様に儀式的な空気感を再現しているのも今作の大きな聞きどころだ。



作品の方は正に44分に渡る黒の儀式と呼べるものだろう。
第一曲「INTRO」からライヴ同様に黒の門が重い音を立てながら開く。
美しいギターのメロディから爆音のビートが散弾銃の様に繰り出され、Ryujiの一発目の叫びから鬼神達の世界へと引きずり込まれる。
第二曲「SHADOWY」の引きずるギターのストロークの調べはその世界観を更に拡張させる。荒々しい砂のようなベースフレーズがしなやかに手数多く音の濁流を生み出し、トライヴァルかつ力強いドラムのビートは更に厚みを加える。
叫びとギターが混ざり合い黒を黒で塗り潰すか如き暗黒を描くが、徹底してダークでありながらもその奥底には神秘的なメロディが不思議と想起されるのも今作の大きな魅力だろう。
第三曲「SCARS」は更に美しいメロディが響き渡り、カオスでありながらロックなBB節全開のキラーチューン。
縦も横も変幻自在なしなやかなグルーヴ、テクニカルな早弾きギターソロまで飛び出してくるのは驚きだが、その中でもベースとドラムがバチバチにぶつかり合って来るからキングギドラの様な三位一体感がある。
Ryujiのボーカルもただ地獄の叫びを聴かせるだけでなく、叫びの中に神秘的な言葉を感じさせる瞬間があり、それこそがBBがただカオスなダークハードコアを鳴らすバンドで終わらないところだろう。

アルバムの終盤2曲は圧巻という言葉しか見つからないクライマックスだと言える。
第六曲「DISENGAGE」は今作の中でも特に地獄を描く楽曲であり、頭のベースのストロークの残響すら確かな必然性と美しさがある。
楽曲終盤の現世の全てを地底へと落としていく前触れの様なギターフレーズから叫びもギターもベースもドラムも圧倒的なエネルギーで爆発し、Ryujiの叫びと同時に楽曲が終わる瞬間は本当に鳥肌が立つ。辺獄へと置き去りにされる。
そしてラストの10分近くに渡る大作「FEEL」は黒の門をくぐり抜け、見果てぬ煉獄の旅路の先にある確かな救いだ。
ラスト約3分半はこれまで徹底して黒を描いていたBBが光を描く瞬間。
Ryujiのクリーントーンのボーカルはまるで祈りの様であり、最後はビッグバンの様に音が見果てぬ先へと突き進み破裂する。その瞬間、聴き手は確かな救いと共に黒の門の旅路を終える。



1stアルバムにして2010年代を代表する国内激音大傑作となった今作は、何一つ妥協を許さないオリジナリティの追求の果てに生まれ、神すらも喰らい、闇を変幻自在に操りながらその果てにある光へと導く一大絵巻だ。
カオティックだとかヘヴィロックだとかメンバーそれぞれのキャリアだけではとてもじゃないけど語り尽くせない。何度も聴き込んでも、それでも新たな発見の連続な進化の結晶だ。
BBの恐ろしいところは、これだけの大傑作を生み出しながら、これが完成形だと全く思えないところだ。
このバンドはこれから先、更なる神殺しの大激音を生み出し続ける。そんな確信すら今作にはある。
強靭かつ美しく、そして計り知れない神秘の世界。BBは全てを置き去りにする孤高の存在だ。



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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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