■Fluid

■Magic Machine Music/Fluid


Magic Machine Music(マジック・マシーン・ミュージック)Magic Machine Music(マジック・マシーン・ミュージック)
(2012/10/10)
FLUID(フルード)

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 京都を拠点に活動し、自主企画「僕の京都を壊して」を主催し、京都から危険な電磁波を発信し続けている電脳パンクバンドであるFluidの2012年リリースの実に4年振りになる3rdアルバム。2nd以降ベーシスト脱退というピンチを迎えたが、TORICOの元ベースHATAと、OUTATBEROのリーダーで、後期TORICOのメンバーでもあったビンゴが加入し4人体制となり更に危険度を高めた彼等の真髄が詰まった作品だと言えるだろう。リリースは危険音源発信レーベルとして名高いless than TVから。



 サンプラー等を盛り込み電子音が縦横無尽に飛び回る電脳パンクのサウンドは相変わらずだが、ギターが2本になった事によって音により広がりを見せる様になりながらも、ほとんどの楽曲が3分未満というショートカットさの中で目まぐるしく展開されるサウンドはより研ぎ澄まされて刺激的な進化を遂げている。ズ太くうねるベースラインと変則人力ダンスビートなドラムとサンプラーの音が調和し、破壊し合い、ジャンクなビートを叩きつけ、2本のギターは鋭角的かつ金属的なギターワークで切り刻んでいくという前作からの流れを更に直接的な破壊力と、鋭角に落下するサウンドでズタズタにしていく、破壊と構築の限りを尽くしながらも、アバンギャルドさとキャッチーさとダンサブルさを併せ持ったFluid独自のダンスミュージックとして展開されている。第2曲「New World」からFluidの進化が見えてくるし、ドッシリとした重みのあるビートと切り刻んでくる必殺のギターワークが展開され、極彩色の近未来的パンクサウンドが脳内を異次元へと誘い、高揚感に満ちたトリップ感が脳内から本来分泌されないであろう物質まで分泌しまくってしまう感覚が洪水の様に雪崩れ込む危険性に満ちている。他の楽曲も怒涛の廃ボルテージなテンションで攻め立て、その勢いを決して殺すこと無く電脳世界のトリップが目まぐるしく変わるチャンネルの様に繰り返される。その中で第7曲「Short Cut Rockers Ver.2.2」は少しダウンテンポになった楽曲ではあるけど、高速のサウンドからダウンテンポのドープさへとナチュラルに転換し、その中でも踊れるという点は全くブレてないし、作品全体の流れの中で絶妙な変化を見せている。第8曲「NEW WORLD(ichion Remix)」は第2曲のリミックスであるけど、一撃必殺の電脳パンクを完全にドープなトランスサウンドへと転生させて、よりレンジの広い音にしているし、そこから第9曲「Fiction Once More」の狂騒のジャンクサウンドへと雪崩れ込み、より破壊力の増幅したサウンドに完全に侵食される。暴走する狂騒が終わり無く続き、それでもキャッチーであり、ポップさとアバンギャルドさがぶつかり合い、生まれる混沌というFluidの音はノンストップで続き、約32分の異次元が展開されているのだ。



 破壊と構築から新たなダンスミュージックを生み出して来たFluidであるが、メンバーチェンジのピンチを乗り越えて、より破壊力の増幅した近未来サウンドを展開し、新たな次元へのパスポートとなるダンスミュージックを今作で見事に生み出したと言えるだろう。鋭角かつ近未来のジャンクでポップな電脳パンクは変わらず京都から危険すぎる電磁波として全国に発信されているのだ。



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■FORMAT YOUR FLUID/Fluid

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 京都在住の鋭角ジャンクロックバンドであるFluidの08年に発表された2ndアルバムが今作である。ボーカリストの脱退などの変化を乗り越え3ピースバンドとして自分達の音を再構築し、その結果どこまでも尖り切った鋭角の切り裂きジャックなサウンドが完成した。3ピースの各楽器がヒリヒリとぶつかり合う緊張感と、スペーシーなサンプラーの音が組み合わさり、光速で宇宙へと連れて行かれる。それでいながらどこまでもキャッチーであるのが今作の大きな特徴である。



 第1曲「2d BOYS kill your スペース」からいきなりすっ飛ばされてしまうのは間違いないだろう。耳を劈く硬質なノイズからジャキジャキとキレまくったギターリフと掛け合いボーカルと、ダンサブルなリズム隊のビートが絡み合い、冷徹でストイックでありながらも自由なテンションの高さで一気に駆け抜けていく音の嵐は本当に気持ちいい!そこからノンストップでロックバンドとしてのダイナミックさ、オルタナティブな破壊と構築、バンドサウンドの中に大胆に取り入れられた打ち込みとサンプリングの音が織り成す肉体に効く踊れるビート、それらは本能的な意味で聴き手を自然と躍らせる野生のビートをとんでもない音圧で放っていくのだ。第8曲「CHILDRENS(run on the erectlic)」で一旦クールダウンしながらも、グルグルと渦を次々と作り出していき、脳味噌にじわじわと侵入していく高揚感から第9曲「アイキャッチ for the S.S.」で今作最強のキャッチーさと鋭角具合で止めを刺す。そこに油断や隙なんて1mmも無い。



 安易な変拍子多用や、不協和音多用に頼るのではなく、ロックのフォーマットを破壊し尽くして再構築された音は、とんでも無い馬力と殺傷力と緻密に作られた本能に訴えてくるビートとして大きな威力と効果を持っている。オルタナティブという言葉は、本来はこんな音の事を指しているのではないだろうか?またボーナストラックとして収録されている、サイケアウツG・やけのはら・マゾンナのRemixも素晴らしい、破壊と構築を繰り返し作られたFluidの音を、再び壊し構築し、三者がそれぞれFluidの音と自分の音を見事に組み合わせている。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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