■Jesu

■Everyday I Get Closer To The Light From Which I Came/Jesu


EVERYDAY I GET CLOSER TO THE LIGHT FROM WHICH I CAME (エヴリディ・アイ・ゲット・クローサー・トゥ・ザ・ライト・フロム・ホウィッチ・アイ・ケイム: +bonus disc)EVERYDAY I GET CLOSER TO THE LIGHT FROM WHICH I CAME (エヴリディ・アイ・ゲット・クローサー・トゥ・ザ・ライト・フロム・ホウィッチ・アイ・ケイム: +bonus disc)
(2013/09/25)
JESU (イェスー)

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 昨年はGodfleshにて来日を果たし、もう本当に多岐に渡りすぎる位に数多くのユニットで作品をリリースし続ける鬼才ジャスティンのメインプロジェクトであるJesuの約2年振りの新作であるが、もう安定のJesu印のサウンドが展開されているし、それだけじゃ無く、Jesu史上最も優しく体温を感じさせる音の数々、本当に至福の瞬間に溢れた作品であり、ヘビィネスとシューゲイズするサウンドの融合だとか云々を超えた、至福で至高の傑作だ。



 今作はJesuの中では実験的要素はかなり薄く、惜しみなくJesu印のヘビィさも轟音も越えた、優しく甘い旋律が全てを包み込む幽玄なる世界が展開された作品であり、第1曲「Homesick」のヘビィネスから緩やかに広がる白銀のリフと、オーガニックなフレーズが確かな化学反応を起こした瞬間に、全身を包み込む優しい郷愁の音、もうこれ以上に無い位にJesuでありながら、これまで以上に楽曲の完成度も高くなったと個人的には思う。数多くの多岐に渡る音を生み出し、このJesuでも多くの実験作を生み出したりもしていたけど、ここに来て本当に正統派に甘くノスタルジックな天へと昇る作品を作り上げた喜びを本当に感じる。第2曲「Comforter」もノスタルジーを感じさせる音色でオーガニックなフレーズを反復させ、厚みを持ちながらも、白銀のホワイトサウンドとして視界を包み込むリフ、時にヘビィなリフの応酬のパートがありながらも、そんなパートでも感じさせるのは熾烈さではなく神々しさだし、その音は変わらずに美しい。
 第3曲「Everyday I Get Closer To The Light From Which I Came」はもう安定と信頼のJesuが更に際立っている。メランコリックさが輝くフレーズと、ジャスティンの相変わらずヘタウマな魅力を持つクリーントーンのボーカル、静謐かつ厳かなサウンドプロダクト、確かな余韻を感じさせるアウトロと本当にジャスティンの美意識と、柔らかな熱量を感じさせてくれる。そして17分にも及ぶ第4曲「The Great Leveller」はもうジャスティンの美意識が最高レベルに炸裂した今作のハイライトだ。ストリングスとピアノが織り成すハーモニーの美しさ、徐々に熱量を高める楽園の音色、それを打ち破る様に繰り出されるスラッジなギターリフの応酬に驚くけど、雷鳴と嵐のサウンドの先に広がるのは更なる楽園であり、今作で唯一熾烈さも感じさせながら、その先にある楽園へと導き、ドラマティックに創生の物語を描くスケール感は圧倒的だ。そして最終曲「Grey Is The Colour」にて煌きのサウンドが揺らぎと安らぎと神々しさを聴き手に感じさせて幕を閉じる。



 これまで以上に真っ当なまでにJesu印のサウンドを展開している作品だから実験性とかそうゆう目新しさはあまりないけど、揺らぎと安らぎと至福さに満ちたサウンドスケープは過去最高の水準に達していると思う。重厚なヘビィネスから生み出される神々しい白銀の世界はもう全くブレてないし、それに加えて、よりノスタルジックな感覚と優しい温もりを音で本当に高水準で生み出した作品だ。堂々とjesuしている作品であり、これまでの作品の中でも屈指の傑作の一つに入るだろう完成度を持っている。この至福の音色はJesuにしか生み出せない唯一無二の物だと思う。



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■Opiate Sun/Jesu


Opiate Sun EPOpiate Sun EP
(2009/10/27)
Jesu

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 実験作であり1曲50分にも及ぶ大作であった「Infinity」から間を空けずにリリースされた09年発表の4曲入りのEP。「Infinity」とは違い、これぞJesuと言うべき幽玄の音で埋め尽くされたへビィさを感じさせながらもメランコリックな旋律が聴き手の心をそっと暖かくする様な作品だ。へビィロックと美しい轟音の融合というJesuの生み出した方法論で作られた作品だが、細やかな部分での緻密さや一つ一つの音が優しく染み渡る様な透明度の高さはやはり健在だ。



 今作はかなりシューゲイザー的な音が多い作品であり、インダストリアル的な殺気はやはり皆無であるのだけれども、緩やかなBPMの中で郷愁の旋律を奏でるへビィさを持ちながらも色彩豊かな轟音と、電子音がその旋律にさらに色彩を加えていく。ジャスティンの歌もその音とリンクし、センチメンタルな感触で淡々と歌を紡いでいる。リフの作り方自体は音数を絞っているし、一つのリフがどこか引きずる様な残響によって空間を埋め尽くす轟音になっており、へビィロックの血肉を感じさせながらも、その旋律はやはりそのへビィさ以上に美しさが勝る。淡々と紡がれる音の中で長い雨が降り注ぐ情景の中に淡い光が差し込む様なオーガニックさも感じさせてくれるし、その光の色彩が煌く瞬間に聴き手には大きな感動がもたらされるのだ。轟音の雨の中で無数の光が差し込み陽性の旋律とセンチメンタルな郷愁が胸を打つ第1曲「Losing Streak」から完全にJesuの世界へと引き込まれるし。クリアなトーンと郷愁の音を淡々と紡ぎながらも、轟音のカーテンが生み出すスケールの大きさとその中でどこか物悲しさも感じさせ、胸を少しずつ熱くさせられてしまう第2曲「Opiate Sun」と第3曲「Deflated」のメランコリックさも堪らない。唯一インダストリアルなへビィさを感じさせる第4曲「Morning Light」こそダークさを感じさせるが、それでも幽玄の音の粒子が見えてくる様な音が渦巻き、その漆黒の音からシューゲイジングする轟音の嵐が闇すらも吹き飛ばし、新たな光へと導いてくれる様は本当にドラマティックだ。



 今作はこれぞJesuとも言うべきへビィロック×シューゲイザーな王道のJesuの作品であるが、よりメロディアスになり、よりスケールの大きい感動を聴き手に与える説得力も増した作品に仕上がったと言える。Jesuでも屈指のキャッチーさであるが、それでも幽玄でありながらどこかへビィな音は健在であるし、だからこそ神秘的であり感動的な光の音楽と成り得るのだ。緩やかなBPMの中で紡がれる音の世界はJesuだから出来る美しく涙溢れる感動のへビィシューゲイザーだ。

■Ascension/Jesu


AscensionAscension
(2011/05/10)
Jesu

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 今までのJesuを総括するかの様な作品であった「Dethroned」。そこからのジャスティンがどのようなアクションに出るかは個人的にかなり気になっていたが、今作では見事なまでの静謐で幻想的でヘビィで、それでいて天からの祝福と言っても過言ではないジャスティンの手によって生み出されたJesu印のサウンドを堂々と展開しており、その世界観をより洗礼させ確固たる物に仕上げている。



 ここ最近のJesuの作品はジャスティンがJesuというプロジェクトの可能性を探るかのような実験的な作品が多かった印象を受けるが、その実験と構築を繰り返した末にあったのは「Conqueror」で見せてくれた様な、シューゲイザーとヘビィロックを融合させ、あらゆる音を粉々に破壊し、構築し直した末にに生まれた、大音量で鳴らされる福音と至福の音楽をさらに突き詰めたJesuらしい音であった。第3曲「Sedatives」の豪雨の中で徐々に差し込んでくるかの様な日差しを感じさせるオーガニックな美しさはJesuだからこそ鳴らせる物だし、ヘビィでありながらも陽性の明るさを持つ楽曲であると思うし、第1曲「Fools」や第4曲「Broken Home」の様なとんでもなく重たい音を持った楽曲でも、そのヘビィさに反する純度の高い透明度を持つ旋律の優しさが、この世の穢れを洗い流すかの如き轟音の濁流としてのヘビィさは紛れ間無くジャスティンが確立した音だ。
 タイトなビートと爆発した破片がそこいらに散らばり光を生み出すかの様なギターリフは厳かであり、そこが今作の神秘性と壮大さを高めているのは間違い無いであろう。ジャスティンの声も緩やかに今作の語り部を務めているし、甘美であり極上の美しさを持ちながらも、どこか残酷さすら孕んでいる寓話は終わる事無く鳴り響いている。



 今作で鳴らされているのは世界樹の様な聳え立つ壮大さと終わり無く繰り返されているこの大地の始まりと終わりを繰り返しているかの様な躍動だ。ビートもベースも決して音数は多くないし、BPMも遅い。しかし少しずつではあるが確実に変化していく有機的な風景と生命の躍動が今作には存在する。空間を埋め尽くす天から降り注ぐ轟音は確かな一筋の光を生み出しているのだ。
 真摯に音の神と向き合っているからこそ、ジャスティンは地球レベルでの躍動や祝福を今作に残すことが出来たのだろう。そしてJesuの音は終わる事無く成長を続けていくのだ。

■Infinity/Jesu


インフィニティインフィニティ
(2009/08/19)
イェスー

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 09年発表のJesuの3rdアルバムは一曲50分越えの実験作品になっている。ダブステップ的要素を持ちながらも、Godfleshを彷彿とさせるインダストリアルなビートも健在。ジャスティンは「Conqueror」以降から極上のオーガニックさと美しさを持つ、無限の色彩が視界に入り込む様な作品を発表していたが、今作はそれらのJesu節とも言える静謐で神秘的な旋律とヘビィなリフが奇跡的に同居する実験的大作になっている。



 冒頭のオーガニックなダブステップのビートから直ぐ様、スラッジ色の強いギターリフが空間を支配している。その中でインダストリアルなビートも鳴り響くJesuの中でもかなりヘビィな作品になった。しかし重いビートと重いギターリフと裏腹に、これぞジャスティンと言わざるおえない色彩豊かで美しい旋律も鳴り響き、スラッジハンマーを振り落とすかの様なヘビィなリフとプリズムの様な天にも昇るかの様な旋律が同時に鳴り響く事によって生み出された化学反応は凄まじい。最強にヘビィでありながらも最強に美しい、ヘビィロックを始点にしあらゆる音楽要素を飲み込み拡散するJesuの音楽性をとんでもなく高い純度で体現しているのだ!
 中盤でジャスティンはGodflesh時代を彷彿とさせるシャウトも解禁。楽曲も引き摺る様な重さを見せている。そして後半からの神秘的轟音を鳴らすJesuと破壊力に満ちた重圧リフを鳴らすJesuが交互に顔を出し、地獄と天界がグルグルと切り替わっていく様は言い知れぬ神秘性を持っている。そこから引き摺るリフとオーガニックなアルペジオの余韻を残したまま今作は幕を閉じる。



 作品全体では非常に有機的で豊かな色彩を感じる事が出来るが、今作でのジャスティンはJesu史上最も音楽的縛りを感じさせ無い自由な音を鳴らした。ヘビィなスラッジ色の強いリフと、ダブステップ×インダストリアルなビートと有機的で純白の旋律が同居し混ざり合い、渦巻きながら無数の光を生み出しているかの様な極上のJesu節の音になっているのは流石だと思う。
 数多くの経験と音楽知識を持つジャスティンだからこそ、縛り無き音を鳴らせるに違い無いと思う。それに今作の様な実験作でもJesuにしか成し得ない音のプリズムは見事に健在だ。

■Silver/Jesu


SILVERSILVER
(2006/06/23)
イェスー

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 Napalm Deathの初期メンバーであり、Godfleshで極悪インダストリアルを奏でていたJustin Broadrickが新たな音楽の可能性を模索する為に生まれたのがJesuだ。初期のJesuの音楽性はGodfleshにも通じるようなヘビィな音を美しく構築し、ヘビィでありながらも美しくあれというサウンドではあったが、それでも凶悪なヘビィさが勝ってた。しかし2006年に発表されたこのEPでは、極悪インダストリアルなヘビィさは無くなっており、ヘビィな音を、美しくポッポな音に重厚な音圧を与えるために使用し、その結果どこまでもヘビィでありながら、どこまでもポップで神秘的な音がこのEPに宿っているのだ。

 Jesuの変化を大きく示したのがまず第1曲の「Silver」だ。冒頭の優しいアコギのフレーズから、永遠に響き渡ってしまいそうな重厚な轟音のアンサンブル、タイトなリズムに、何重にも合わさる音に、殺気立った要素は全く無く、どこまでもオーガニックな感覚で幻想的な色彩を映し出している。第2曲「Star」なんかは今までのJustinでは考えられない楽曲だ・何処か疾走感溢れる性急なビートとドゥーミーな轟音リフが奇跡の融合を果たしてしまっているのだ。様々な音楽的英知を待つJustinならではの楽曲と言っても過言ではない。どこまでも慈悲深い神秘性の強い音は曇り空を突き抜け、題名通り美しい星空の向こうへと連れてってくれる。第3曲「Wolves」は今作で一番重たい曲ではあるが、暗闇の中に少しずつ美しき光のパノラマが差し込んで来そうな感覚を覚えるし、何より第4曲「Dead Eyes」はJesu屈指の名曲である。どこか力強い打ち込みのビートと、反復される深遠であり、温もり深いハーモニー。ラップトップシューゲーザーな前半から一気に新たな生命の始まりを告げるような揺らぎを感じる轟音ギターの乗る後半部分への以降は本当に鳥肌が立つ。

 様々な音を飲み込んだ末に生まれたのは、どこまでも命の躍動を感じる力強く美しい音。ヘビィなサウンドを経過したからこそ産み落とされた音だ。相反する要素をツギハギにコピーアンドペーストするのでは無く、確かな手法で一つの音にした結果、Justinは今作で唯一無二の音を産み出した。この音はどこまでも広範囲の人々に有効だ。至福のハーモニーに僕は酔いしれるだけ、白銀の幻想的世界へと今作は連れて行ってくれる。

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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