■Teeth Of Lions Rule The Divine
■Rampton/Teeth Of Lions Rule The Divine
![]() | Rampton (2002/04/02) Teeth of Lions Rule Divine 商品詳細を見る |
Cathedralのリー・ドリアン、SUNN O)))のオマーリーとグレッグ、現Electric Wizardのジャスティンと余りにも豪華過ぎるメンバーで結成されたTeeth Of Lions Rule The Divine(バンド名は恐らくEarthの名曲から)。ドゥーム・ドローンの奇才達が鳴らすのは3曲54分の拷問の様なドゥーム地獄だ。
音楽的にはSUNN O)))の終わり無く繰り返される圧殺拷問ドローンにドラムとボーカルが乗るという音楽性であるが、先ずリー・ドリアンのボーカルはCathedralの時以上に鬼気迫る物になっている。そしてSUNN O)))とは違いドローンでありながらも、かつてオマーリーが在籍していたBurning Witchの様なドゥームサウンドも要所で感じるのだ。30分にも及ぶ第1曲「He Who Accepts All That Is Offered(Feel Had Hit OfThe Winter)」は壮大なドゥーム絵巻でありSUNN O)))を思わせる序盤を経てリー・ドリアンのボーカルが入り、極限まで遅く重くドゥームメタルの危険な部分のみを抽出し拡大させたかの様なカタルシスを感じ事が出来る。
第2曲「New Pants&Shirt」は今作で一番まともな形で鳴らされている楽曲であるが、リー・ドリアンのボーカルは最も極悪であり、まだ分かりやすい形を持ったリフが存在してるからこそ、その異様さは加速しているし終わり無き苦悶の音塊がただ存在している。第3曲「The Smiler」は大地を揺さぶる激重ドゥームの前半から静謐な緊迫さを持つアンビエントな後半と楽曲の流れも素晴らしく、ラストの地獄を越えた先にある永遠の「無」に還るかの様な美しき神々しさは正に圧巻の一言。終わり無き漆黒の拷問ドゥーム地獄は光すら差し込みかの様なエンディングで幕引きする。
今作は間違い無くドゥームメタルの一つの到達点である。CathedralとSUNN O)))では鳴らせ無かった物が確かに存在しているのだ。Earthは大傑作の2ndで終わり無き無慈悲な闇を体現し到達点に辿り着いたが、彼等は負の感情渦巻く地獄を行脚した末の僅かな光を描いた。ドゥーム界の最重要人物達が結集したからこその一つの到達点と言っても過言では無いのだ。