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■タコ

■タコ/タコ


タコタコ
(2011/03/23)
TAKO(タコ)

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 先日の待望の再発も記憶に新しい山崎春美率いる80年代を代表するカルトユニットの1stアルバム。先ず参加メンバーが本当に凄まじい。坂本龍一、町田町蔵、遠藤ミチロウ、佐藤薫etcと奇才達が山崎の元に集結している。そして作品として本当に未整合な混沌とした物だ。パンク・ファンク・フリージャズ・歌謡曲と楽曲の色が本当にバラバラだ。今作は80年代の狂騒を表す作品であるし、そのインパクトもかなりの物であるが、単純に音楽作品として異形でありながらも、屈指の完成度をそれぞれの楽曲が持っているのだ。



 第1曲「免疫」からいきなり山崎春美がのた打ち周り呻き叫ぶだけの一人パラノイア劇場が展開されている。狂人の狂騒に続く第2曲「仏の顔は三度までだった」でパンク要素とアイドル歌謡が何故か自然に混ざる異様な80年代の地下世界に僕達は完全に足を踏み入れる。
 超絶テクによって繰り広げられるインプロの海に発狂寸前の町田町蔵が「カミカゼー!」と叫び、差別用語もガンガン飛び出す第4曲「きらら」、女ボーカルと奇妙な音のコラージュとパンキッシュな楽曲が別チャンネルで行き来する第6曲「赤い旅団」、フリーキーなサックスと解体されまくった歪みのギターをバックにアシッドフォークが展開される第14曲「鵺」とバラエティーに富んだ混沌が今作の大きな核だが、特に素晴らしいのは坂本龍一作曲の第12曲「な・い・し・ょのエンペラーマジック」だ。タイトルは「い・け・な・いルージュマジック」のパロディ、特別ゲストに昭和天皇の音声、昭和天皇をdisりまくった歌詞、女性ボーカルテクノポップでありながらくぐもったダークさ、そしてスケールや拍の概念すら崩壊したピアノソロと坂本龍一の隠された名曲であり、それと同時にタコの象徴する楽曲になっているのだ。
 そして最終曲「宇宙人の春」はガセネタのセルフカバーであり山崎春美がボーカルを取るハードコアパンク。グチャグチャに解体されたギターフレーズと、本当にオーソドックスなハードコアパンクなリズム隊に、がなり叫ぶ山崎、今作での混沌が全て収束し、狂騒を残したまま終わる素晴らしいラストだ。



 タコは80年代前半の狂騒と共に消滅し、タコは後生に伝説だけが語り継がれる事になった。しかし80年代だからこそ出来た狂騒としての音楽の価値は本当に大きい。参加メンバーの豪華さを差し引いても、その音楽的功績は素晴らしい物であると言える。
 山崎春美という奇才の元に集まった奇才達が織りなす破壊的なジャンクさは当時だからこその音楽だ。その混沌は今でも大きな衝撃を持っている。
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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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