■2011年04月

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■ライブハウスは最高の秘密基地だ

僕は行けなかったが、本日「Imperial Records Fest」というイベントが愛媛で開催されたらしい。僕のtwitterのTLにはそのイベントに行った方々の興奮の声がツイートされていた。
10時間にも及ぶ長丁場でありながら、各地方からそれぞれに格好良い音を鳴らすバンドが集結し、お互いぶつかり合う刺激的なイベントだ。
個人的に出演してるバンドが大好きなバンドばかりで行った方々に対して羨ましい気持ちになったが、それ以上にこの様なイベントが愛媛という地方都市で開かれたのは大きな意味があると思う。



最近では東京でもバンドマン同士でタッグを組み、DIYなやり方でそれぞれに個性を持つイベントが開催されてるが、そのアングラであった流れが地方にも拡散し、広まってるのは本当にナイスな事だと僕は思う。
今はCDが売れないだの、ライブに客が来ないだの、偉いオッサン共が泣き事を言って、必死に雑誌やメディアなんかのハイプでムーブメントを演出している。打算的な大人と、それに媚びる打算的なバンドマン。全然格好良くないし、熱く無い。インディーズとかやたら騒いでるが計算だらけのイベントや企画を開き、イベントの内容よりも、その場限りの客を呼べるかどうかだけが全てになって何も楽しく無いし面白く無い。
勿論、イベントの継続やライブハウスの運営にはお金だって大切だし、客を動員出来るに越した事は無い。でも動員だけを考えて色々な企画を打つ大人達。はっきり言ってファックだ。
理想論の綺麗事かもしれないけど、動員あんま無くても濃密なライブが出来るバンドとかをイベントに呼び、イベント自体を記憶に残る物に出来れば最高だし、それでいてイベント自体が面白くてそれを継続出来れば、客は少しずつでも増えるしイベントは定着して、大きな波になる筈だ。



shiftが山形で主催した「do it」と、東京のバンドマン同士が共犯関係になり企画された「東京boredom」という二つのイベントを僕は今でも記憶に残っている。
前者は山形の潰れた映画館を借りて、有名無名問わずに各地方から激烈な音を鳴らすバンドを集めてDIYなまま大きなフェスに進化したイベントだ。
後者は、東京大学のホールを借り、アンダーグラウンドの熱力を持ちながら、ある種の悪巧み的な勢いでやらかしてやるという気迫があるイベントだった。その二つは今でも僕の記憶に鮮烈に残ってるし、出演したバンドのアクトも勿論だが、イベントそのものが大きなインパクトとして記憶に焼き付いている。



手法なんて幾らでもあるし、やり方次第で何事も面白くなるのだ。
単純に格好良いライブするバンドを集めて企画したって良いし、とんでも無いギミックをイベントに仕掛けるもありだし、敢えて地方でイベントを打つのもありだ。
面白い事をやらかしてやろうって流れは確実に生まれている。もうバンドマンは変な大人に媚びずに悪巧みを実行してるのだ。
勿論、南部さん主催の「Extreme The DoJo」みたいに、イベンター自身が良い企画をしようと長年に渡り続いてるグレイトなイベントはあるし、Daymare Recordings主催の「leave them all behind」みたいに、多くの音楽フリークスを集結させ、イベントの内容も動員も大きな成果を上げた物もある。



もうメディアのハイプや作られたムーブメントだけを追いかけても虚しいだけだろ?
今はネットで様々な情報も簡単に入るし、ライブ映像もYoutubeで幾らでも見れるし、地方に住んでてもマニアックなレコードがAmazonで買える時代だ。
だからこそ様々な音楽フリークス達はライブハウスに足を運び、自分の感性で面白い物を見つけて欲しい。
そして様々な人達が面白い企画やイベントを打ち、バンドマンが最高のライブをして、それでいて様々な分野の面白い人達や、ライブに来た客を巻き込み大きなうねりになる筈だ。
現場の人間全員がライブハウスという秘密基地で最高の共犯者になれたら、日常は更に楽しくなる。
金が無くても朝まで遊びたい人達や、自分が最高に燃える事が出来る場所が欲しい人達は、ライブハウスやクラブに遊びに行けば良い。
CDの売上とかライブ動員なんて数字なんか関係無く、笑えて踊れる場所がライブハウスだ。



ライブハウスはもっと面白くなるに決まってる!!
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■ゆれつづける/割礼






 90年に発表された割礼の3rdアルバムである今作であるが、割礼の代表作であると同時に、ジャパニーズロックの屈指の大名盤といっても過言では無い作品である。耽美さ、湿ったダークさ、ゆらゆら燃え続ける炎の様であり、甘いドラッグの様な退廃的な世界観を持ちながらも、宍戸幸司が歌うのはラブソングである。
 安易にカテゴライズさせない強さを持ちながら、割礼独自の湿り気と優しさで歌われるラブソングは素直なまでに聴き手に突き刺さり溺れさせる。



 全9曲、世界観は統一され、余計なギミックの無いシンプルな音でありながらも、どこまでもスロウで甘く重い割礼の音は貫かれている。ネオアコ的な要素を持ちながら、蛇の如く這いずり回る第1曲「緑色の炎」からその世界は展開され、最小限の音のみで構成され、宍戸の歌を見事にフューチャーした第2曲「散歩」で聴き手をホルマリンの様なドロドロの世界に引きずり込み、今作屈指のドラマチックさと優しさを持つ名曲の第3曲「電話の悪魔」の冒頭からの流れで完全なまでに割礼の音を表現している。
 第5曲「快人20面相」の様な何処か陽性のメロディとポップさをもった楽曲でも割礼の退廃的世界は貫かれてるし、ファズギターをフューチャーした第6曲「歪み」の様なサイケ色の強い楽曲でもそれは分かると思う。最小限の音をタイトに鳴らすリズム隊に反して、宍戸と山際氏のギターは、スロウでありながらも聴き手の耳に確実に浸食するファズギターとハイの効いたクリーントーンを使い分け、シンプルながらも感傷的メロディを鳴らし、宍戸の歌声と世界観を完全な形にして表現しているのだ。第8曲「ゆれつづける」でその割礼独自のタイム感を持ったサウンドは一寸もブレ無く鳴っている。



 割礼の音には安易な救いや、下らない自己陶酔に基づいた安い絶望なんか全く無い。宍戸の歌は重くダークではあるが、それと同時に愚直なまでに素直でロマンチックでもあるのだ。
 僕は割礼はバンド結成から現在に至るまでラブソングばかり歌うバンドだと思っている。しかしそのラブソングは割礼にしかないスロウさと温もりと残酷が痛い位に伝わるのだ。
 人を溺れさせる、内側に向かうロックを突き詰めたからこその優しさと強さが今作には貫かれている。

■Pilgrimage/OM


PilgrimagePilgrimage
(2007/10/02)
Om

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 ストーナー・スラッジコアの伝説的バンドであるSleepの元メンバー2人で結成されたギターレスドゥームバンドであるOMの07年発表の3rdアルバム。プロデュースは音の錬金術師ことスティーブ・アルビニ。同じく元Sleepのマット・パイク率いるHigh On Fireは爆裂ストーナーロックを鳴らしているが、OMは全くの真逆で、Sleep以上にドープな方面を目指している。今作はより精神的にドープな世界へと足を踏み入れ、分かりやすいディストーションサウンドに頼らず、修行僧の如く、自らのドゥームサウンドを追求した作品となっている。



 第1曲「Pilgrimage」からとてつもなくドープな精神世界に聴き手は連れて行かれる。ベースとドラムのみの本当に最小限の楽器は、ただひたすら少ない音をループさせて僕達を精神的迷宮へと誘う。クリートーンのベースはひたすら同じフレーズをループし、ドラムも決して主張する事無く淡々の少ない音を鳴らす。それに念仏の様なボーカルが乗り、危険な儀式的世界を描いているのだ。第2曲「Unitive Knowledge Of The Godhead」ではベースにディストーションはかかり分かりやすいアプローチになるが、ほぼワンリフのフレーズの酩酊感覚をディストーションベースがより引き出し、密教の邪悪な儀式の如し煙たさはより増している。
 そして第3曲「Bhima's Theme」にて危険な物が一気に効き始めたかの如き音は鳴り響き、そして第4曲にてまた第1曲に回帰するのだ。構成や展開を全て排除し、ループするリフとドラムのみで空間的うねりを作り、それらが光すら見えない地下への螺旋階段として僕達を危険な精神世界に導くのだ。



 Sleepの大傑作であるDopesmoker以降のマリファナ騎士団が墜ちていった地下世界をOMは描いている様に僕は思う。彼等が行き着いた先は、終わり無き反復リフが作り出した全ての軸が歪んだ牢獄だ。時間感覚は耳から入るリフが全て支配してしまう。
 ストイックに自分達の音を鍛え、空間を支配する音は僕達を永遠に抜け出すのは不可能な音の牢獄へ誘う。ドゥーム地獄の水先案内人であるOMが鳴らす音はどこまでもドープで危険極まりない。

■IN RESERVOIR/THE CREATOR OF


IN RESERVOIRIN RESERVOIR
(2002/10/23)
THE CREATOR OF

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 日本人離れした肉体的強度にヘビィロック・ハードコア・パンクの粗暴さを持ちながらも、深淵からドロドロとしたダークネスを放出するバンド、それがTHE CREATOR OF(以下TCO)である。そして02年に発表された2ndアルバムである今作は、安易にカテゴライズされない複雑かつ練り込まれた様々な要素がどこまでもボーダーレスに鳴っている。ヘビィロック・ハードコアの強さ、人間なら誰しもが抱える闇の部分を揺さぶる漆黒の精神世界、そしてプログレッシブでありかつ複雑でありながらも、それを何処までもストレートに鳴らしているバンドだ。今作には似た様な曲は全く無い。全12曲が全く違う顔を見せており、当時の日本のヘビィロックのシーンの中でも屈指の音楽性の豊かさを今作で展開している。



 第2曲「Reset」では変拍子を多用しながらもパワーコードのリフの力強さでヘビィロックの強さを叩き付け、第4曲「Accidie」はドープでありながらもプログレッシブに音は咲き乱れている。第5曲「2」は聴き手に絡みつくベースラインとヘビィでありながらメロディアスなギターフレーズが聴き手の耳にまとわりつきながらも、日本人らしい感情豊かな歌をしっかりと聴かせる。この時点でそこらのヘビィロックバンドの先を行き、孤高の音を鳴らしている事が明らかだ。だが今作ではヘビィロックでありながらも、ポストロック・サイケ・アンビエントと多方面の要素を飲み込んだ後半の楽曲が本当に素晴らしい。今となってはISISだったりJESUだったりAlcestだったりと、ヘビィロック・ハードコア側から音響系・シューゲイザー・ポストロック等の音を飲み込み、それを何処までもオリジナルな形で鳴らすバンドが登場してるが。TCOはまだポストロックといった言葉が定着してなかった2002年にそれらの音を喰らい、それを孤高のハードコアサウンドとして鳴らしたのだ。ギターの音色はヘビィではあるが空間的なメロウさを放っているし、リズムがプログレッシブに絡み合うのはTCOならではのアプローチと言えるだろう。特に第8曲「Nothing Ahead」から第11曲「AGAIN」までの流れは圧倒的な情報量と、精神的ヘビィさをメロディアスに鳴らしている。分かりやすい展開など全く無く、絶望的感情を壮大に鳴らす第8曲「Nothing Ahead」、立体的かつ複雑に展開される美しきインストナンバーである第9曲「Acoustic」のプログレッシブさは特筆すべき点だと言える。第10曲「ACID?」の深遠で美しいメロディと、断片的な日本語詞の陰鬱な世界観は、何処までも優しく響く。そしてヘビィさもメロウさも深遠さも全てひっくるめた第11曲「AGAIN」と、本当に素晴らしい流れを作っている。そして最終曲「Narcolepsy」の優しいアンビエントなノイズで今作は幕を閉じる。



 今作でTCOはヘビィロック・ハードコアとしてのボーダーを完全に破壊した。当時の日本でこの様なアプローチをしたバンドは全くいないだろうし、今作はあまりにも早かったアルバムになってしまった。しかし様々なジャンルの音楽が多様化した今だからこそ今作で鳴っている音は確かな説得力と孤高さを持っていると僕は感じる。そしてTCOはマニアックかつヘビィなアプローチをしながらも、最終的にはシンプルなリフの格好良さ、歌心、美しいメロディによる深遠な精神世界を鳴らしている。2010年に活動を再開したTCOだが、今こそより多くの人々にこの音は響き渡るだろう。そしていずれ発表されるであろう新譜では今作以上のアプローチを見せ付けてくれるに違い無い。あまりにも早過ぎた名盤に、時代がやっと追いついたのだ。THE CREATOR OFは何処までも孤高であり続けている、TCOの音は確かな強さを持って響いているのだ。だからこそより多くの人々にTCOの音が届いて欲しいと僕は願う。



■Treatment Journey/WE ARE!


Treatment Journey (トリートメント ジャーニー)Treatment Journey (トリートメント ジャーニー)
(2009/08/06)
WE ARE! (ウィーアーエクスクラメーション)

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 bloodthirsty butchersの吉村氏も大プッシュしている東京で活動する4ピースWE ARE!の2009年発表の2ndが今作である。決して分かり易い轟音パートがあったるする訳では無く、淡々と自然な温度でどこまでも心にするりと溶け込んでくる歌はシンプルでありながらも、唯一無二の存在感を放っている。



 WE ARE!の音楽はブッチャーズ・キウイロール辺りのジャパニーズエモの先人達や90年代USエモの影響を感じる物である。しかしそれらの流れを汲みながらも先人達の影をスルリとかわし、模倣ではない自分達なりのエモーショナルな音を地に足を付けて鳴らしている。彼らの音楽には大前提として確かな歌心と、包み込む様でありながらもどこか尖った部分をもった立体的に交錯するバンドとしてのサウンド、何よりどこまでもメロウな楽曲の良さと言った部分が大きな武器になっているのだ。
 それぞれの楽器の音は激しい主張は全くしないが、それぞれの音が、絡み合いお互いの音に説得力を持たせ、最終的には歌心をどこまでも引き出すサウンドになっているのだ。WE ARE!はサビで轟音パートになりサビで叫んだりなんかは全くしないが、楽曲の各パートはどこまでも自然だし、楽曲を通じて大河の様な他の何者にも邪魔させない大きな流れみたいな物を形成している。そして緩やかでありながらも力強い流れになって聴き手の心を何処までも揺さぶる音になっている。



 何処までも真摯に自分達の音を鳴らすバンドだからこそ、WE ARE!のメロウで優しい轟音は大きな説得力を持っている。しっかりとルーツを持ち、その上で何者にも流されず邪魔させずにいるからこそシンプルでありながらドッシリと佇む優しい音が鳴り響いているのだ。WE ARE!は安易な泣きのメロディに頼ったりはしない。日本人ならではのわびさびや、風景的視点を楽曲に組み込み、どこまでも耳から心を揺さぶる歌を鳴らしている。全く派手じゃないし、全くスマートでは無いけど、この音には嘘なんか全く存在してはいない。汚れ無き透明さをこのバンドにはずっと鳴らして欲しいと僕は思う。
タグ : 日本 エモ

■AGAIN(2011年4月25日)@水戸LIGHT HOUSE

 日本のヘビィロック・ハードコアに於いて重要バンドであるTHE CREATOR OF(以下TCO)が活動を再開して一年が経ったが、TCOのホームである茨城県水戸にてTCO初企画という訳で宇都宮からお隣の茨城県水戸まで行って参りました。地元バンドであるMagiとProof Of A LifeにTCOと共にハードコアのシーンを引っ張ってきたEDGE OF SPIRITと、水戸出身の激情バンドrowtheを迎えてのラインナップ。それぞれが全く違うアプローチをするバンドであり、かなりボーダーレスなイベントになったのではないだろうか。
 僕は15時半には水戸に到着し、ライトハウス前でコンビニで買ったビールとか飲みながら体を温めたりしてました。そしてイベントは18時30分きっかりにスタート。



・Magi

 一発目は地元水戸の3ピースであるMagi。全く知らない状態で初見のバンド。3ピースらしいシンプルさで攻めるロックバンド。高いテンションでのパフォーマンスと歌心と疾走感を売りにしてるといった印象を受けた。先輩であるTCOの企画を盛り上げようとする気迫も感じ、印象は中々良かったです。



・Proof Of A Life

 続いてはこちらも地元水戸のバンドであるProof Of A Life。こちらも初見だが、Magiとは打って変わってスクリーモ系な5人組。演奏力の高さとヘビィさを持ちながらも、しっかりと歌メロを大切にしてる辺りは流石といった所。楽曲自体のクオリティの高さを感じられました。でももう一発強い個性が欲しいなっていう部分もちょっと感じた。こういったジャンルは同じようなバンドが多いっていうのがあるんで、そこから脱却出来ればより良いバンドになると感じました。



・EDGE OF SPIRIT

 3番手はついに茨城初上陸!極悪メタルコアバンドであるEDGE OF SPIRIT。安易なエモ化・メロディアス化をする事無く、極悪なブルータルさで攻めまくる楽曲と、長年のキャリアに裏付けされた自信と気迫を感じるライブ!圧倒的な力でガッツガッツと攻めてくる姿勢は貫禄を感じさせてくれた!頭からほぼノンストップで怒涛のブルータル地獄!
 EDGE OF SPIRITにとって初茨城であったが、場所関係無しに自分達の持つ強大なパワーを茨城の人々に見事見せ付けてくれました!余計な物を削ぎ落として自分達の筋力をストイックに鍛え続けているバンドだからこそ、何者にも屈しない重厚なメタルコアサウンドは水戸に大きなインパクトを残したのは間違いないであろう。



・rowthe

 トリ前は水戸出身で東京都内で活動する激情系5人組であるrowthe。同じ茨城出身のTCOやCOCK ROACHなどに通じる部分はあるが、バンドとして世界観をしっかりと確立させており、それを十分に見せ付けるアクトだった。ツインギターの轟音は一気に空間を埋め尽くし、メンバーそれぞれがとんでもない熱量で演奏し、どこまでも高い次元でバンドとしての音を鳴らすバンドでした。ライブのクオリティは本当に高く、演奏力だけでなく、本当の意味で聴き手の感情を揺らしてくれました。
 オリジナルな世界観を作り出したからこそのアクトは本当に神々しさを感じ、激情バンドとしてのオリジナリティを持ち、余計なギミック無しにストレートに鳴らしてる音は耳にかなり残っている。このバンドはもっと評価されて欲しい。このバンドも完全に初見であったが、ライブでここまで聴き手を虜に出来るバンドって実は中々いないと思う。



・THE CREATOR OF

 そしてトリはTCO!新たにメンバーを加え、5人編成に!ツインギターになった事でより空間的に楽曲の世界を展開出来る様になったのは本当に大きいと思う。それは1曲目に演奏した「Acoustic」の様な複雑に展開される楽曲をより高いレベルで演奏出来る様になったという事だ。TCOはハードコア的なヘビィさも大きな魅力のバンドであるが、様々な要素をボーダーレスに展開するのもバンドとして大きな魅力でもある。5人編成になった事で、TCOの魅力をより幅広い人にアプローチ出来るのだ。
 3曲目の「ACID?」も新たにアレンジされ四次元的な空間を揺らすサイケデリックさも加わりTCOが次のステップに確実に進んでいる事を証明した。シゲさんのインダストリアルでヘビィなリフと武田さんの細部まで拘った空間的なギターの音色が重なりあった時にTCOの楽曲は高い次元で鳴らされるのだ。そして本編ラストの「AGAIN」でバンドとしてのメロウさとヘビィさを見事に叩き付けた。
 そしてバンド史上初!のアンコールでは活動再開後の新たなステップを見せ付ける新曲を演奏し、これからの活動に大きな期待を感じさせてくれた。そしてこれから発表されるであろう新譜が本当に楽しみである。



 個人的に茨城でライブを観るのは初めてだったのだが茨城のシーンの熱量の高さを感じることも出来たのは凄く大きかった。そしてTHE CREATOR OFは今回の企画にて完全なる最前線復帰の狼煙を打ち上げたといっても過言では無いだろう。今だからこそTCOの音楽は有効なのだ。茨城で生まれた孤高のヘビィロック・ハードコアであるTCOの存在は本当に大きいと思う。それは共にシーンで戦うEDGE OF SPIRITやTCOの後輩であるrowtheのアクトからも感じたのだ。
本当に素敵な夜を過ごしました。水戸にはまた遊びに行かせて頂きます!
タグ : ライブレポ

■Icon/Lento

lento-icon.jpg



 イタリアの地獄からの極悪なスラッジサウンドを轟かす五人組、Lentoの2011年発表の2ndアルバム。同じくイタリアの最強にパラノったドゥームバンドであるUfomammutと共に共作した事もあるバンドだけあって、低域が強調されまくりな重圧殺スラッジサウンドがこれでもかと展開されている。Ufomammutは重圧殺サウンドにドラッグをこれでもかとODしまくったかの様な危険な酩酊感を持っているが、Lentoはアンビエントなカラーを取り入れる事によって重圧殺でありながら精神的な狂気をこれでもかと言わんばかりに放っている、殺気と殺意に満ちた轟音大量殺人鬼である。

 全10曲37分と、ドゥーム・スラッジ系のバンドにしては珍しく曲もあまり長くなくコンパクトな作りになっているが、コンパクトな作りになっているからこそ、その狂気と殺意は一点集中型であり、安心する隙なんてあった物じゃない。ほぼ全てのリフがとんでもない破壊力を持った一撃必殺のスラッジハンマーであり、一発食らったら脳髄が跡形も無く粉砕されてしまいそうな禍々しい凶器として、トリプルギターの轟音が存在している。
 第2曲「Hymn」からその殺人鬼っぷりを発揮しているが、まだ少しだけ叙情的がある分救いがある、第4曲「Hymen」では少しの情けも無い、暗黒ギターリフの刻みが空間を埋め尽くしているし、第5曲「Still」は尺の短い曲だからこそ、Neurosis級の暗黒サウンドがより鮮明になっている。第6曲「Throne」みたいにバンドの深遠な美しさを魅せる楽曲もまた魅力的であるが、油断したら最後、回避不能のスラッジハンマーに潰されてしまう。第9曲「Icon」で今作最強の黒い血飛沫が大量噴出の轟音の濁流は本当にこの世の物とは思えない惨血で視界が見えなくなる感覚すら覚えてしまうからだ。

 即座に身の危険を覚えてしまいそうな、光すら無い漆黒の残虐スラッジではあるが、どんなに頭の中で警笛が鳴っていても逃げ出せない恐怖、そしてその向こう側にあるのは深遠な轟音の美しさだ。振り切れまくった暴力性と狂気はここまでも美しく神秘的ださえあるのだ。酩酊した脳髄は何も考えられなくなり、轟音のスラッジハンマーで粉微塵になる。ここまで恐ろしい音を鳴らすバンドは中々いない。スラッジ・ドゥーム愛好者はこの音に是非とも粉砕されて欲しい。

 因みにこの音源は日本国内のAmazonでは取り扱っておらず入手は中々難しいであろう。しかし下記のURLのレーベルの公式サイトにて全曲フリーダウンロード可能である。もし興味を持った人は、是非地獄のスラッジサウンドを味わって欲しい。公式でのフリーダウンロードなので、違法とかでは無いので、その辺りは安心して欲しい。

http://denovali.com/lento/(音量注意)

■Silver/Jesu


SILVERSILVER
(2006/06/23)
イェスー

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 Napalm Deathの初期メンバーであり、Godfleshで極悪インダストリアルを奏でていたJustin Broadrickが新たな音楽の可能性を模索する為に生まれたのがJesuだ。初期のJesuの音楽性はGodfleshにも通じるようなヘビィな音を美しく構築し、ヘビィでありながらも美しくあれというサウンドではあったが、それでも凶悪なヘビィさが勝ってた。しかし2006年に発表されたこのEPでは、極悪インダストリアルなヘビィさは無くなっており、ヘビィな音を、美しくポッポな音に重厚な音圧を与えるために使用し、その結果どこまでもヘビィでありながら、どこまでもポップで神秘的な音がこのEPに宿っているのだ。

 Jesuの変化を大きく示したのがまず第1曲の「Silver」だ。冒頭の優しいアコギのフレーズから、永遠に響き渡ってしまいそうな重厚な轟音のアンサンブル、タイトなリズムに、何重にも合わさる音に、殺気立った要素は全く無く、どこまでもオーガニックな感覚で幻想的な色彩を映し出している。第2曲「Star」なんかは今までのJustinでは考えられない楽曲だ・何処か疾走感溢れる性急なビートとドゥーミーな轟音リフが奇跡の融合を果たしてしまっているのだ。様々な音楽的英知を待つJustinならではの楽曲と言っても過言ではない。どこまでも慈悲深い神秘性の強い音は曇り空を突き抜け、題名通り美しい星空の向こうへと連れてってくれる。第3曲「Wolves」は今作で一番重たい曲ではあるが、暗闇の中に少しずつ美しき光のパノラマが差し込んで来そうな感覚を覚えるし、何より第4曲「Dead Eyes」はJesu屈指の名曲である。どこか力強い打ち込みのビートと、反復される深遠であり、温もり深いハーモニー。ラップトップシューゲーザーな前半から一気に新たな生命の始まりを告げるような揺らぎを感じる轟音ギターの乗る後半部分への以降は本当に鳥肌が立つ。

 様々な音を飲み込んだ末に生まれたのは、どこまでも命の躍動を感じる力強く美しい音。ヘビィなサウンドを経過したからこそ産み落とされた音だ。相反する要素をツギハギにコピーアンドペーストするのでは無く、確かな手法で一つの音にした結果、Justinは今作で唯一無二の音を産み出した。この音はどこまでも広範囲の人々に有効だ。至福のハーモニーに僕は酔いしれるだけ、白銀の幻想的世界へと今作は連れて行ってくれる。

■Spiderland/Slint


SpiderlandSpiderland
(1994/03/31)
Slint

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 現在、市民権を得て、多くのリスナーに聴かれているジャンルであるポストロック。21世紀に入り日本でも拡散し、広まっていったジャンルであるが、そのポストロックというジャンルに於いてSlintは最重要バンドであると言える。91年に発表された2ndでありラストアルバムである今作の存在は、ポストロックを語る上では絶対に外せない。バンドは今作発売直前に解散してしまったが、ポストロックのシーンに於ける価値は今なおとんでもない物だ。

 今作に録音された音に古い音は一切無い、あまりにも早過ぎた音は、今だからこそ大きなインパクトを持っている。無機質でザラザラと尖った音、無機質かつ複雑なビート、ノイジーであり、妙な残響感覚を持っているギターの音、ポエトリーでありながら、いきなりシャウトしたりするボーカル、延々とループを繰り返し、そしていきなり転調する曲調、これらの全てが現在までのポストロックのサウンドに通じている要素でもあるし、これを91年というポストロックという概念すら無かった時代に鳴らしているのだ。
 決して分かり易い轟音パートがある訳ではない。静謐さから一気に突き抜けそうな様相を見せながらもまた静謐さを取り戻したりするし、美しいメロディでありながら不協和音であり、不穏さと冷徹さを以って鳴らされるギターがやたら印象に残るし、安易なお約束や快楽的要素をSlintは真っ向から否定しているのだ。しかし、パンクを通過した上でのサウンドはどこか攻撃的快楽を持っていたりするし、決して難解で複雑なだけのサウンドではない。mogwaiなどに通じる残響と轟音の快楽的要素が見えてきたりもするのだ。ただそれらの音がどこまでも無機質かつ絶対零度の冷徹さでストイックに鳴っている。

 90年代初頭はSonic YouthやMelvins等、ロック・パンクを否定する事によって新たな価値観を作り出したバンドが台頭した。その中でもSlintの存在は決して忘れてはいけないと思う。Slintは孤高である事は否定しなかった。だからこそSlintが鳴らしていた音は2011年現在でも大きな意味を持っているし、多くのバンドに計り知れない影響を与えた。もう一度言うが、この作品に古い音は全く無い。そう今こそ多くの人に聴かれるべき音なのだ。

■FORMAT YOUR FLUID/Fluid

FORMAT_your_FLUID.jpg




 京都在住の鋭角ジャンクロックバンドであるFluidの08年に発表された2ndアルバムが今作である。ボーカリストの脱退などの変化を乗り越え3ピースバンドとして自分達の音を再構築し、その結果どこまでも尖り切った鋭角の切り裂きジャックなサウンドが完成した。3ピースの各楽器がヒリヒリとぶつかり合う緊張感と、スペーシーなサンプラーの音が組み合わさり、光速で宇宙へと連れて行かれる。それでいながらどこまでもキャッチーであるのが今作の大きな特徴である。



 第1曲「2d BOYS kill your スペース」からいきなりすっ飛ばされてしまうのは間違いないだろう。耳を劈く硬質なノイズからジャキジャキとキレまくったギターリフと掛け合いボーカルと、ダンサブルなリズム隊のビートが絡み合い、冷徹でストイックでありながらも自由なテンションの高さで一気に駆け抜けていく音の嵐は本当に気持ちいい!そこからノンストップでロックバンドとしてのダイナミックさ、オルタナティブな破壊と構築、バンドサウンドの中に大胆に取り入れられた打ち込みとサンプリングの音が織り成す肉体に効く踊れるビート、それらは本能的な意味で聴き手を自然と躍らせる野生のビートをとんでもない音圧で放っていくのだ。第8曲「CHILDRENS(run on the erectlic)」で一旦クールダウンしながらも、グルグルと渦を次々と作り出していき、脳味噌にじわじわと侵入していく高揚感から第9曲「アイキャッチ for the S.S.」で今作最強のキャッチーさと鋭角具合で止めを刺す。そこに油断や隙なんて1mmも無い。



 安易な変拍子多用や、不協和音多用に頼るのではなく、ロックのフォーマットを破壊し尽くして再構築された音は、とんでも無い馬力と殺傷力と緻密に作られた本能に訴えてくるビートとして大きな威力と効果を持っている。オルタナティブという言葉は、本来はこんな音の事を指しているのではないだろうか?またボーナストラックとして収録されている、サイケアウツG・やけのはら・マゾンナのRemixも素晴らしい、破壊と構築を繰り返し作られたFluidの音を、再び壊し構築し、三者がそれぞれFluidの音と自分の音を見事に組み合わせている。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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