■2012年06月

■飛べない鳥は夢を見る

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こういった雑記を書くなんて本当に久しぶり過ぎてアレだけど、何か久々に色々と書きたい事に溢れたから長文になるけどここに記しておこうと思う。mixiやってないし、このブログは音楽ネタばかり書いてるからこうゆう文を書くのも不思議な物だなといつも思ってる。



先ず4月頭から都内に引っ越しました。もうすぐ引っ越して三ヶ月になるんですね。ずっと仕事見つからなくて、6月になってからやっと働き始めて今に至ってます。24になって誰の力も借りないで一人で全てこなすってやり始めたけど、それが思ってたより大変だって実感した。地元にいた時に貯めた金は引越しと仕事見つけるまでの生活で殆ど消えてしまったし、生活が落ち着くまでは色々と我慢しなきゃな事も多い。今の仕事は給料安いから良い所を見つけたら本当に早々と仕事変えたかったりするんだけどね。とにかく今は正社員になりたいです。大学出てからバイトと派遣でしか働いて無かったし、今も現に派遣だし、職歴は残念ながら無いに等しいのですよ。それでもやらなくちゃいけないし、今がふんばる時だって考えながら毎日を必死に生きてます。最近は仕事から帰ると寝てしまう事も多くてブログの更新もあまり出来てないからこういった過疎ブログを読みに来て下さってる方には本当に申し訳ない気持ちで一杯です。最近は本当にアイマスの事ばっかり考えているし、アイマスの曲を聴いて生きる活力を得ている感じです。



それと都内に戻ってきた事によって本当に色々な方と飲みに行ったり、会う機会が増えた。こんな奴を誘ってくれたり、誘いに乗ってくれる人がいるのは本当に有難い事です。自分には切れてしまった関係も多いし、契約解除した事もされた事もある。それでも関係を懲りずに続けてくれる人は大切にしたいし、いずれは何か返せる様にはなりてえなあと思う日々です。思うだけじゃ無くて、それをちゃんと形に出来る様にならないとね。



何か色々とまだ慌しい時期であったりするのだけれど、それでも今は進むしか無いのは分かってるから自分が何をするかですね。仕事も遊びも友人関係もちゃんと自分自身と向き合わないと、辛くても甘ったれてる暇は今の僕には無い。目の前にある光を掴む権利は確かに持っている筈だ。
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■夢見る頃を過ぎても/was

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 オルタナティブロック・ハードコアの聖地である北海道は函館にて結成された男女混合4人組であるwasの記念すべき初の単独音源。09年リリースの5曲入。彼等にあるのは北海道の先人達の叡智を受け継ぐ。オルタナティブ・ハードコアの血肉に、より歌物へと接近したポップさと郷愁。そしてそれらが未整理のまま組み合わさったジャンクさであり、聴いてると懐かしさに満ちているのに、独自性に満ちた音になっている。



 彼等の音は時にポストハードコア、時に変拍子駆使のマスロック要素を取り込みつつも、それを全く整理しないエモーショナルさへと繋げる所が非常に魅力的だと思う。弦楽器隊が全員ボーカルを取り、汗臭く力強い男性ボーカルと、クールで浮遊感と気だるさが漂う女性ボーカルという何ともいえないアンバランスさを持ち、オルタナティブでありながらも歌謡性を強く打ち出し、それを汗臭さと郷愁のエッセンスで放出する彼等の音は本当に唯一無二な物に仕上がっていると思う。第1曲「解は無い」からマスロックとポストハードコアが融合した楽曲とは裏腹に、郷愁の歌謡性が炸裂しまくっているし、第2曲「造花が枯れる」も北海道ポストハードコアの血肉を強く感じさせつつも、サビでは男女ツインボーカルのシャウトと気だるい歌の対比が絶妙でありナイス。歌物である事は町がいない筈なんだけれども、それにしては洗練が全くされていないし泥臭いし、オルタナティブ・ポストハードコアで語るには全く以って歪であるし、殺気やそういった要素よりも、情けなさや惨めさといった感情をよりエモーショナルに炸裂させているから本当に読めないバンドだとも思う。第4曲「笑みを浮かべて」はより歌へと近づいた楽曲でありながらも、ざらついた感触はそのままに、3人のボーカルが重なり合いながらその熱量を高め、あの夏の汗の臭いとか、そういった物を音で想起させる素晴らしい1曲に仕上がっている。ラストの第5曲「夢見る頃を過ぎても」のジャンクさが加速し、それが性急さとして編み出され、そしてラストは轟音と共にボーカル陣がまくし立て、狂騒のまま終わっていく。



 洗練やスタイリッシュといった物とは全く無縁であるが故に、雑多な要素に満ちた楽曲をそのまま吐き出し、それを純粋なエモーショナルさとして昇華させる彼等の底力を感じる作品であり、その郷愁は胸を確実に打ち抜いてくるであろう。蒼い衝動に満ちた快作!

■Scum/Bacteria

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 80年代半ばよりノイズユニットとして活動を開始し、90年代からはバンド編成になり、現在でもその活動を続けているBacteriaの03年発表の3rdアルバム。COTDのNARASAKIが大絶賛するその音楽性は様々な方向へと変化を続けているらしいが、今作ではノイズユニット上がりらしい爆音のノイズをシューゲイジングさせ、ラウドでありながらもどこかキャッチーな音楽であり、非常に中毒性に満ちた激トランス盤だと言える。



 まず第2曲「Wired」から轟音ノイズとインダストリアルなビートに脳髄粉砕確実だろう。ワウを巧みに使いこなし、シューゲイジングするノイズを操り、それをラウドなビートで叩き付ける。言葉にすると非常に物々しい印象になってしまうかもしれないけど実際は非常にキャッチーな要素も強く。ラウドさとキャッチーさを絶妙なバランスで融合しているから非常に聴き易くもなっている。そして音質は少し荒々しく、超爆音でその音が入り込んでくるから脳髄がシューゲイジングするギターに完全に溶かされそうになる。そこら辺の音はこの盤を推薦しているNARASAKIがやっているCOTDともリンクする部分はかなりあったりするけど、彼等の音には一辺の容赦や甘えが全く以って存在していない。あくまでもジャンクに自らのノイズを放出し、sおれをモダンヘビィネスやインダストリアルやジャンクといった音楽的要素を通過させて、よりヘビィで殺気立った世界を生み出している。随所であらゆる音を通過しつつも、それをよりラウドかつハードコアなシューゲイジングノイズ絵巻にしているのはインダストリあるさを高めたビートの役割が非常に大きいと思うし、作品全体で徹底してその音を貫いているからこそ破壊力が落ちる場面なんて全く存在しない。



これは悪意に満ちているという意味では作品のタイトル通りスカムな音であるのは間違いないのかもしれない。キャッチーさを持ちながらもCOTDが持っている破壊的ノイズの音をより濃密にした彼等の音は長時間聴けば聴く程に快楽に変わり、それが彼等の持つノイズトランスの魅力になるのだ。悪意に満ちたノイズ惨殺音源!!

■An Anthology of Alread Songs/LVMEN


An Anthology of AlreadAn Anthology of Alread
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Lvmen

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チェコが誇る5人組暗黒怪物バンドであるLVMEN。元EMBERのメンバーを中心に96年に結成された彼等のキャリアは非常に長いが、今作は98年リリースの12インチと00年リリースの1stをコンパイルしリマスターされた編集盤であり、全7曲でありながら壮大な暗黒絵巻が展開されているし、10年以上も前にリリースされた音源でありながらも古さを全く感じさせないどころか、現在でも十分すぎる位に鮮烈で衝撃的な激情・スラッジ・ポストメタルの怪作として名高い。



 激情と書いたが、彼等の音楽は既存の激情系ハードコアとは既に一線を画していて、NEUROSISの影響を強く感じさせる物である、かといってNEUROSISの模倣バンドなのかって言われたら全く違うし、壮大なポストロックの流れを組み込み、激情系ハードコアが核として存在するキメラの様な音楽。そして徹底してダークであり激重んお音と壮大な漆黒の大河を彷彿とさせる様なポストロックパートも盛り込んでいる。その静寂ですらダークが充満しており、暗黒の旋律が際限無く鳴らされ、地鳴りの前兆を彷彿とさせる不穏のグルーブと複雑に叩き出されるトライヴァルなドラムが熱量を高め、そして激重スラッジへと雪崩れ込む。黒の轟音がとぐろを巻き、絶唱の叫びが木霊し、雷鳴のギターと火山の噴火の様なリズムが美しくも粗暴なカタルシスを生み出す。そのバーストするパートで確かに彼等の持つ激情系ハードコアの血肉が嫌でも痛感させられる筈だろうし、彼等の凄みを体で体感する事になるだろう。時には映画音楽のサンプリングやピアノやサックスを盛り込むといった作りこまれた緻密さもありつつも、その知性すら吹き飛ばす激情の洪水が彼等の最大の魅力である。殆どの楽曲が長尺の楽曲でありながらも、全く退屈な要素は無いし、一つのストーリーを紡ぎながらも、肝心の所でハードコアのカタルシスを感じさせてくれるのは本当に頼もしい。第1曲は第2曲はそんな彼等の真髄を感じるし、98年の音源でここまでの音を作り上げていた事にも驚きである。一方で第3曲ではかなり激情系に振り切れた音を打ち鳴らし、そのうねりで聴く者を震撼させながらも壮大な女性コーラスやクランチ気味になったパートで絶妙に変化を与え、中盤で不穏でありながらも黒くも美しい旋律で期待を高まらせ、最後は激情が暴発し、轟音の美しさを残すといった名曲になっている。どの楽曲もただの一筋縄ではいかない曲ばかりで、激情を軸にあらゆる音を飲み込み、そのスケールを確固たる物としているのだ。不気味な読経から始まり、超カオティック激情を展開する第4曲もゲス野郎共には本当に堪らない1曲になっており、脳汁がドバドバと溢れてしまう。そして特筆すべきは第7曲だと思う。最初は激情から始まり、静謐さやプログレッシブさを取り込み、それでいながら激カオティックな世界から壮絶な世界へと聴き手を誘っていく。前半。一転して漆黒の大河から轟音へと雪崩れ込み再びカオティックな激情へと雪崩れ込む中盤。そして最後はハウリングするノイズと共に再び女性ボーカルのオペラ的な声が壮絶な物語を締めくくる。ここまで高次元の世界を生み出しながらハードコアの血肉を絶対の物にしている彼等の音は本当に別次元の暗黒シアターと言っても過言ではない。



 残念ながら日本では知名度が全く無いバンドではあるがその実力と独自性は相当な物であるし、チェコの怪物と呼ばれるのも納得出来てしまう。NEUROSISの影響こそあれど、NEUROSISとはまた別の次元の暗黒を一つの映画の様に生み出し、全然引けを取らない音楽を彼等は間違いなく作っている。それだけのバンドが何故日本国内でここまで知名度が無いかは本当に謎で仕方が無いが、激情系ハードコア好き、ポストメタル好き、轟音系ポストロック好き、それらの人はこのバンドを知らないで死ぬのは本当に勿体無いと思う。別次元の激情が正にここに存在しているのだから。



■NOT GREAT MEN & WARP presents「GREAT7」(2012年6月16日)@吉祥寺WARP

 NOT GREAT MENと吉祥寺WARPの共同開催企画となった今回のライブ。全7バンドが集結し長丁場の中で殺り合うというオルタナティブロックの宴となったイベントであるが、今回の企画には大きな意味が一つある。結成以来のオリジナルメンバーでもあるDrのハリー氏がこの日でNOT GREAT MENを脱退するのだ。長年に渡り不動のカルテットを貫いてきたバンドにとっての大きな岐路であり、しかしながら余計な感傷は全く存在しない一つの卒業式であった。対バンのバンドもハリー氏の新たな船出を全力でライブという形で祝い、多くの人がその新たな始まりの瞬間を目撃したのであった。



・IN THE SUN

一発目はギター、ドラム、ノイズパートの歪な3人組であるIN THE SUN。のっけから超絶エクスペリメンタルな超爆音のノイズが吹き荒れてWARPを一瞬にして事故現場へと変貌させてしまってたが、その音楽性はパンキッシュかつハードコアであり、それを解体し、よりエクスペリメンタルな音像へと変えるといった物。ライブ時間は僅か15分程度で本当に嵐の様にエクスペリメンタルハードコアが駆け抜けていってたが、その耳を劈く爆音ギターとノイズ、超アグレッシブかつ粗暴なドラムのビートが繰り出す音は強烈だったのは間違いない。



・s-explode

 お次は熊谷が生み出した冷徹ジャンクカオティックポストパンクバンドであるs-explode。相変わらず絶妙にコーラス等を使いこなすギターワークが冴えまくり、ダンサブルでありながらも猪突猛進なビートが暴れる。そこにイマイ氏がマイクスタンドを振り回しながらハイトーンボイスの絶唱と言う彼等ならではのジャックなスタイルをより狂気的なダイナミックさで体現するという彼等のライブは久々に観た今回のアクトで益々磨きがかかっていた。予測できない不穏さを持つ楽曲の展開も手伝って彼等のライブには常にヒリヒリとして緊張感が充満していたりするけど、同時に常時バースト寸前の感覚と、そのバーストした瞬間に訪れる絶頂感のカタルシスが同居しているし、どこまでも刺激的であり続ける彼等に乾杯。



・SHIPYARDS

 お次は八王子のメロディックパンクバンドであるSHIPYARDSのアクト。僕はこういったジャンルに関して全く明るく無い人間ではあるけど、簡潔で短くシンプルな楽曲とメロディアスで弦楽器隊が3人で歌うというスタイル。メロディックパンクでありながらもエモも通過している絶妙な哀愁のサウンドは非常にナーバスでありながらもどこか力強さを大いに感じさせてくれる。絶妙にクランチ気味なギターワークも中々な物だし、ハイトーンボイスで繰り出すボーカルは哀愁を感じさせる癖に男臭く、バンドサウンドも方も同様に非常に男臭い、単なるメロディックパンクでは終わらないポテンシャルは彼等から確かに感じる事が出来たのであった。



・ポッグカウチナゲット

 こちらは初めて見るバンドだったが、マスロックとエモを絶妙に融合させる素敵な音を奏でていた。マスロック系の音を鳴らすバンドはどうしても技術先行になりがちであるが、彼等はまるで違う。あくまでも風通しの良い清涼感溢れる旋律とボーカルを前面に押し出しながらも、それを最大限に生かす為にマスロックの要素をふんだんに取り込んだ音楽性であり、テクニカルでありながらもあざとさは全く無く、どこまでも気持ちの良い音と旋律と声に心が温かくなりながらも、同時にスリリングさも同居しているから素晴らしい。清涼感溢れるサウンドをエモーショナルかつスリリングに鳴らす彼等の音は初見である僕を十分に引き込むだけのポテンシャルが間違いなくあった。



・BOMBORI

 そしてこちらも初見のBOMBORIであるが、完全に打ちのめされてしまった。ツインドラムで絡み合う複雑なビートと、ストーナー色丸出しな音に最初はMelvins辺りに影響されたバンドだと思ってしまったが、それは完全に間違いだった。急にダブ的な音へと変貌し、ストーナーとダブを行き来する事によって生まれるサイケデリックな毒素を生み出し、終わり無く反復しながらも徐々に形を変える音による地下世界のバンドらしい酩酊感。時にボーカルが入りながらも殆どインストで展開し、終着点の見えないサウンドを繰り返す事によって煽られる不穏さ。しかし彼等の本領は終盤にあった。終盤で一気に音はスラッジ地獄へとなり、複雑極まりないツインドラムと同時に雷鳴の様に轟くギターとベースが観客を完全に粉砕しにかかり、ドゥーム・スラッジが生み出す暗黒トランスのカタルシスへと雪崩れ込む。その瞬間は正に異次元の音であったし、脳髄をぐちゃぐちゃにブチ壊されてしまいながらも失禁必至なカタルシスによって昇天してしまった。30分にも及ぶドゥームもダブも取り込みまくった末のトランス絵巻は本当に圧巻で、衝撃度はこの日出演したバンドの中でも屈指の物だったと思う。



・NEOTENY

 トリ前は八王子が生み出した電脳パンク6人組であるNEOTENY。パーカッションはシンセまでいるというかなり歪な編成でありながらもその音楽性はポストパンク等を通過した上での電脳パンクサウンド。ボーカルにフィルターを掛けたりして宇宙な声を出したり、シンセの人がやたら暴れながら常にビールを飲んでたり、MCは一々フロアを爆笑の渦に巻き込んだりとかなり愉快犯的なバンドであったりするのだけど、そんなどこまで本気かふざけているのか分からないスタイルでありながらもその音楽はガチの物であり、ダンサブルで猪突猛進かつカオティックなライブは本当に痛快の一言に尽きるし、人を食った様なキャラでありながらも、どこまでもフロアを笑顔の渦に巻き込むだけの力が彼等の音には存在しているし、音楽が持つ狂気と楽しさをここまで同居させて来られたら素直に負けを認めるしか無い。八王子では重鎮的なバンドだったりするらしいのだが、その貫禄は確かに感じさせて貰った。



・NOT GREAT MEN

 そしてトリは本日の主役であるNOT GREAT MEN。もう6年前から何回もライブを観て来たバンドであるし、自分が大好きなバンドの新たな岐路だからこそ、それを見届けたいって想いはあったのだが、当の本人達にはそんな感傷は全く感じられない。本当にいつも通りのライブだったと思う。ポストハードコアとオルタナティブロックの真髄を捕らえた彼等の音は爆音でありながらもしっかりと聴かせるアクトであると同時に、その粗暴さとは対照的に哀愁の旋律が咲き乱れる。前半はここ最近の曲を中心にプレイしながらも、後半では初期の楽曲を中心にプレイ。やはり「GORIRA」と「discharging」は屈指の破壊力を持った名曲だと思うし、前半の粗暴でありながらも聴かせるアクトから一転して後半は爆音のオルタナティブサウンドがフロアをブチ殺しにかかっていたと思う。あっという間に本編は終わり、アンコールではまさかのギターの中静氏がボーカルを勤めるUSハードコアな新曲を披露。やはり彼等の音はハードコアであるからこそここまでシンプルなハードコアを作るのも必然ではあると同時に鋭角サウンドを突き詰めに突き詰めた末の音が必然的に存在していたと思う。そして最後はNGmen最強の1曲である「誰も俺に追いつけない」たった1分半を爆音で駆け抜ける名曲にフロアはモッシュの嵐!!そのオルタナティブの事故現場とも言うべきサウンドでNGmenは一つの終わりを迎えたのであった。



 最後はハリー氏の新たな門出を祝してフロアの観客が胴上げをしたりと本当に感傷なんか全く無いいつも通りであるからこそ別の道を歩む人だとしてもそれぞれの新たな門出をみんな心から祝えたのだと思う。出演したバンド達もそれぞれの音でそれを盛り上げていたし、そしてNOT GREAT MENはあくまでもNOT GREAT MENである事が個人的にとても嬉しかったりもした。ハリー氏はこれからはもう一つのバンドであるduluduluでの活動に専念し、NOT GREAT MENも活動を変わらず続けていくとの事。何もネガティブな気持ちになる必要は無いし、僕はそれぞれの新たな道を変わらず追いかけたいとだけ思う。

 最後にハリー氏へ、長い間お疲れ様でした。そしてこれからの新たなご活躍を心から楽しみにしております。
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■The Caution Children/The Caution Children

The Caution Children



 アメリカの美し過ぎる激情系ハードコアバンドであるThe Caution Children。09年にはThe Black Heart Rebellionと共に来日を果たし、日本でも知名度を上げたが、今作は08年リリースの彼等の記念すべき1stアルバムである。日本盤のリリースは勿論Tokyo Jupiterからであり、Tokyo Jupiterの最初期のリリース作品でもある。最早ハードコアを越え繊細な美しさを激情として鳴らす彼等の音は既に今作から確かに存在している。



 第1曲からクリアな旋律が静かに慣らされ、そこからクリアなままバーストするという彼等ならではなハードコアの手法は健在。ヘビィさや殺気を削ぎ落とし、あくまでもクリアで繊細な旋律の美しさのバーストとしてのハードコアというスタイルを彼等は取っており、そして殆ど轟音系ポストロックにまで足を踏み入れたサウンドスケープと静寂の余韻を最大限に生かしたストーリー性豊かな楽曲構成。静寂の中でリリカルな旋律が波打つ波紋の様に広がり、そこに情感豊かなボーカルが時折入り、感情を刺激していく。静謐さの中で輝きを高めてここぞという瞬間にその輝きを加速させる彼等の音は本当にクリアだし、ベタな言い方になってしまうけれどもここまで「光」や「夜明け」という単語が思い浮かぶハードコアも中々に稀有な存在だとも思えてくる。第7曲「Our Movement In Squares」は特にそのスケールの大きさを知らしめる名曲になっており、のっけからクライマックスとも言うべき激情の光が降り注ぎ、そこに躍動を加速させよりダイナミックな展開を見せ、新たなる誕生への瞬間の期待を高めつつも聴覚には常に美しい旋律が降り注ぎ、アコースティックギターの旋律がポストロック的な展開を見せ、最後は再び光に満ちた激情へと雪崩れ込み壮大なクライマックスを迎える名曲になっている。ハードコアらしい粗暴さを全て捨て去りながらも、自らの激情を徹底して美しく華麗に鳴らす彼等の音には本当に胸が締め付けられるし、それはひそく感動的な物である。



 現在のEnvy好きなら間違いなく琴線に触れるであろうハードコアすら捨てた美しくメロウなハードコア。ポストロックの領域に足を踏み入れながらも、その美しい旋律を暴発させる事による彼等のハードコアはとにかく聴き手の心をクリアにしてくれる筈だ。感動的な旋律による涙の音楽。



■恍惚!/太陽肛門


恍惚! GYO-002恍惚! GYO-002
(2011/02/10)
太陽肛門

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 太陽肛門なんて言う完全な色物臭しかしないバンド名ではあるけれど、そのバンド名に騙されてはいけない。太陽校門は超正統派ドゥームメタルバンドだ。そんな彼等の99年にリリースされた今作はサイケデリックでありながらも正統派名ハードロックから派生した素晴らしい和製ドゥームを鳴らす快作に仕上がっている。ドゥーム・ストーナーの酩酊感を大切にしながらもあくまでも正統派のハードロックである一枚だ。



 第1曲から女性の喘ぎ声みたい声から始まり、和のテイストを大切にしながらもサバス系のリフが埋め尽くす正統派のストーナーロックサウンドが炸裂、絶妙に楽曲で緩急をつけて、重いグルーブを保ちながら少しずつサイケデリックな煙たさで埋め尽くす正統派なサウンド、しかしリフは意外とキャッチーだし凄い聞きやすい物だし、ドゥーム・ストーナー愛好家以外にもアピール出来るのは大きい。第2曲「逃げるな」は日本の伝説的ハードロックバンドである外道のカバー。原曲のハードロックな魅力を大切にしながらも、よりドゥームに接近したサウンドは素直に格好良いと思ってしまうし、そう考えると太陽肛門はどこまでもハードロック派生のドゥームバンドであると思うし、Catedralや人間椅子を引き合いに出されて語られたりするのはそういった部分があるからだと個人的には思う。第3曲「孕んでドーン」はもっとおどろおどろしい和のテイストを重視した1曲になっているし、ミドルテンポで刻まれるリフの重みと少しプログレッシブに展開する楽曲構成が妖しさを高め、第4曲「怨敵退散」はこれぞ和製Catedralと言うべき重苦しい激烈なドゥームを展開、今にも止まりそうなビートと際限無く繰り返されるリフの反復が精神の重みを強め、ぐるぐると螺旋を描きながら奈落に堕ちていく様を見事に体現。しかしこれらの楽曲はあくまで前フリでしかなく、今作の本質は第6曲「宇宙で死ぬ」に詰まっているといっても過言ではない。16分にも及ぶ壮大なドゥーム絵巻であり、くぐもったサイケデリックな序盤はコールタールの中に沈められる感覚になり、そこからそれを打ち破るドゥームリフの応酬、時にクラウトロックの流れを感じさせるサイケデリックなインプロパートを盛り込み、それらのパートとドゥームパートの対比で聴かせ、後半からはよりプログレッジブさを加速させつつもハードロックテイストを強くし、そこから民族音楽の様なビート渦巻くパートへと移行し、最後は超サイケデリックなギターソロが全てを崩壊させるという一大サイケデリックドゥームの世界。これは今作のタイトル通り正に恍惚の世界!!



 和製Catedralであり正統派サバス系ロックを鳴らしつつも、より今作はサイケデリックさに重きを置いたらしく、その正統派のサウンドの中で確かにその要素は息づいている。だがやはり最終曲の「宇宙で死ぬ」こそが完全にハイライトになっており、クラウトロックもインプロもサイケもドゥームもプログレッシブさも全てかっさらってしまっているのだ。他の楽曲も魅力的だが、その曲を聴く為だけでも今作を手にする価値は十分過ぎる位にある。



■Answersongs/The Anchors

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 ex.AMOK、THE RAIN RAINSの寺田氏を中心に結成された三重を拠点に精力的に活動する4ピースエモーショナルロックバンドであるThe Anchors。そんな彼等が2012年に発表した記念すべき1stアルバムが今作である。リリースは愛媛から全国に良質なエモ・ハードコアの音源を送り届けるIMPULSE RECORDS。しかしながら想像以上にとんでもない傑作が生まれてしまったと言えるだろう。WE ARE!やbedの様な緻密なギミックを駆使しつつも歌と旋律に帰結するエモーショナルサウンド。今作は2012年の国内エモも最重要作品の一つだ。



 彼等のサウンドは本当に王道のエモ・オルタナサウンドだ。90年代USオルタナやエモの空気を存分に吸い込み、国内エモの猛者達が持つ歌の強さと侘寂を受け継ぎ、細かい部分でポストパンクやU2辺りのバンドを彷彿とさせるビートやギターワークを駆使し、その表現力を優しくも力強い歌へ帰結させる。硬質でざらついたサウンドの中にある温もりとストーリー、本当に作りこまれたサウンドでありながらも、それを説教臭さなんか全く感じさせない自然体の歌物エモとしてアウトプットする技量の高さと純粋な楽曲の良さが光りまくる。作品の中に捨て曲は1曲も存在していないし、それぞれの楽曲が作品の中で呼吸している。くっきりと聴こえる日本語詞の歌に重点を置きながらも各楽器が静かに主張し、ドラマティックなメロディが歌と共に共存する第1曲「Ice Voice」からいきなり胸を打つ名曲になっている。地味に変拍子を取り入れつつも、メロウに泣くギターソロや少しずつ熱量を高めていく展開を持ちながらも歌は平熱の温度と湿度を絶妙に保ち柔らかにでも力強く耳に入ってくる。第2曲「Change」の疾走感とポストハードコアやUSエモの流れを汲んだ楽曲構成と青臭さも堪らない。一方で第4曲「Midnight Puppets」では硬質なギターワークがヒリヒリとした緊張感を持ちながらも、アルペジオのフレーズなんかは非常にメランコリックでさらつきがより強調された楽曲になっているが、それでも淡々と物語を紡ぐ歌の熱量は全く変わりはないし、一歩一歩力強く歩みを進めるかの様なストーリーとバンドのアンサンブルの強度と美しさが確かに光る1曲になっている。第6曲「Smile」ではより歌物に接近し、ミドルテンポの中でたおやかに流れ、涙を流すギターなんかもうブッチャーズに通じる物すら感じてしまう。特に後半はじっくり聴かせる楽曲が多く。前半の楽曲のヒリヒリとしてエモさとの対比も見事。特に第9曲「Trainsong」と第10曲「Perfect」は本当に心が豊かになる名曲だと思うし、分かり易い爆音サウンドでは無いからこそ彼等の持つ楽曲自体の魅力がじわじわと来る。



 日本は本当に良質のエモのバンドが多いと思っているし、僕はそれらのバンドの愛好家でもあったりするけど、また一つ素晴らしいバンドが素晴らしい作品を作り上げてくれたのを心から嬉しく思う。脈々と流れる和製エモの血肉を感じさせながらも、歌物オルタナティブであるという事に彼等は本当に真摯なバンドであると思う。心を熱くする10の物語、日本のエモはまだまだいけるのを証明する傑作だ。

■レジスタンス乱発狂想士/ヨダレサゴ

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 ex.クッダチクレロ、revival sheepのメンバーによって結成された神戸のファストかつカオティックかつジャンクかつキャッチーな音を打ち鳴らす奇想天外3ピースであるヨダレサゴの2012年リリースの1stアルバム。リリースは愛媛のImpulse recordsから。もう10曲で13分という速くて短い作品構成からイイね!!って言いたいのだけれど、そのたった13分の中でとんでもない情報量と、渦巻くカタルシスが存在する超ショートカットカオティックファストコアの名盤に仕上がった。



 ハードコアでありながらもファストコアとカオティックハードコアをふんだんに盛り込み、ジャンクな音質の荒々しさが狂騒を高める。基本的に高速のビートが支配しながらも転調と変拍子を駆使し、よりジェットコースターと化したビートの乱打とそれに乗る妙にキャッチーでありながらも変則的なギターワークがとにかく熱い!ビートはうねりながらも確かな演奏力が絶妙な安定感を誇り、ショートカットな楽曲の中で目まぐるしく変化するギターワークが支配するファストコア。しかしポストパンクの要素も盛り込み、決して暴虐的なアンサンブルにするのではなく、全体的に耳に残る奇妙なポップさを前面に押し出し、妙に能天気な癖に、油断していたら刺されそうな気迫をこいつらから確かに感じる。速くてカオティックで短くてうるさいというハードコアの美味しい所を全部かっさらいつつも、単に勢いで攻めるだけでなく、緻密に構築されたプログレッシブさを分断し、ショートカットな楽曲に無理矢理ねじ込むタフネスもそうだし、何よりバンドその物から確かなタフネスが感じられる。10曲13分は本当にあっという間であり、混沌を維持したまま脳髄を駆け巡る危険信号としてのハードコアはその混沌から危険性抜群でありつつも、凄いぶっ壊れたハッピーでヤクい成分が過剰摂取させられる感じだし、野蛮で変態的という面白さと危なさが常に同居する音楽だからこそ飽きないし、いつ聴いても新鮮だし何より聴き易さをちゃんと持っているのも評価したい。



 PASTAFASTAやTHE FUTURESは勿論、デラシネやTialaといったポストパンク・ジャンク系のバンドにも通じるショートカットカオティックサウンドは日本のそういったシーンの流れを汲みながらも、それをよりキャッチーなハードコアに帰結させる力量には脱帽だ。鼓膜を破壊する爆音カオティックサウンドとハイトーンボイスの絶唱が光速で脳髄を支配する危険音源。ジャンクさとポップさを自在に操る妖怪3ピースがヨダレサゴだ。



■The Golden Age Of Heavy Blood/花電車


ゴールデン・エイジ・オブ・ヘヴゴールデン・エイジ・オブ・ヘヴ
(1992/02/25)
花電車

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 BOREDOMSにも参加していたヒラ氏率いる大阪の伝説の一つである花電車。今作はそんな花電車の記念すべき89年リリースの1stであり、大傑作である2nd同様に日本のヘビィロックの重要作品として数えられている。ハードロックヘビィロックに忠実でありながらも、よりドゥーミーによりサイケデリックに音を追求して荒涼としたサウンドとは裏腹に情念に満ちたヘビィロックが確かに存在している。そしてリリースはJOJO広重のアルケミーから。もう何か色々完璧だ。



 2ndに比べるとこの1stはもっとハードロックやヘビィロックという物に忠実なサウンドを鳴らし、ドゥームやスラッジの要素も盛り込みつつも、もっとタイトで直接的なアプローチをしていると言える。サウンド自体は王道のハードロックだし、初期サバスからの流れも確かにsる。しかしそれでも彼等は真っ当なヘビィロックバンドではとても片付ける事なんか不可能な違和感やざらつきが常に付きまとっている気がする。ヘビィさを極めたからこそサイケデリックでトランス出来るグルーブの陶酔感、おどろおどろしいボーカル。しかし乾いたハードロックサウンドは極めて痛快で、ストレートなリフを突きつける事による殺傷力、そのリフの重みからくる酩酊の世界。相反する様な要素が絶妙な融和を果たし、時にのた打ち回るビートがよりグルーブをかき乱し、結果として殺気と狂気のロックに仕上がっているのではないか。そして今作の殆どの楽曲が難しい理論なんて実は全く存在しない。コード進行なんてブルースコード基調だし、楽曲自体は長尺の楽曲こそあってもシンプルではあると思うし、プログレッシブロックの要素も存在するが、それがより色濃い2nd以上にロックでしかない。ギターソロなんて本当にド直球のストーナーだし、海外のロックバンドにも匹敵する馬力が彼等にはあったからこそ堂々とギミック無しのハードロックをしているのだ。でも海外バンドの模倣で終わってたら花電車を聴いてて感じる違和感や居場所の無さは全く生まれない筈だ。彼等は日本人のロックバンドであるからこそ堂々とハードロックを鳴らしながらも、そこにありったけの情念を込めて、ヘビィロックやストーナーが持つ最も純度の高い危険な部分を全部情念という物に変換している。第1曲「Bad Tube」から鋭角のビートと煙たさを持ちながらも乾きざわついたギターリフの応酬。第2曲「Blood Star」の淡々と紡がれるダウンテンポのヘビィさから転調して終盤からプログレッシブな要素を見せる展開。第4曲「Future Deadlock」では正統派ヘビィロックとプログレッシブロックの正面衝突。第5曲「Headspinningdizzyblues」はストーナーとハードコアパンクの融合とも言える1曲だし、一筋縄ではいかない音を鳴らし、それをヘビィロックに帰結させる力こそ、彼等がマスターオブハードロックと言われている所以であろう。正統派の音に自らのエッセンスを加えて、それを煮えたぎるマグマのドロドロ具合にとして彼等は表現しているのだ。



 1stにして彼等は既にヘビィロックの鬼と化し、どこまでもロックであり続けることから逃げずに、それを自らの音として鳴らしてしまっていた。より孤高の領域に到達している2ndも勿論大傑作なんだけれども、無尽蔵に溢れ出るエネルギーをより深淵の物としながらもロックであり続けている今作も花電車を語る上では絶対に外せない1枚だし、だからこそ彼等はマスターオブハードロックと呼ばれていたのだ。



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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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