■2013年07月

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■The Fleshland/Coffins


FleshlandFleshland
(2013/07/04)
Coffins

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 世界進出も果たしている日本のデス系ドゥームバンドであるCoffinsの2013年リリースの4thアルバム。リリースは数多くの猛者を排出してる世界的極悪レーベルであるRelapse Recordsから。僕自身は今作で初めてCoffinsというバンドにしっかり触れたんだけれど、これがもう極悪な地獄デスドゥームで、とにかく暴走する、音が爆音で迫りくる惨血噴出す作品になっているのだ。



 今作を聴いて思ったのはCoffinsのサウンドは確かにドゥームメタルのそれであるけど、遅いパート中心で攻めるというスタイルでは無いし、ドゥームを機軸にしていながら、同時にデスメタルやスラッジといった要素も色濃く感じさせる作品になっているのだ。遅いパートもしっかり盛り込みながらも、基本はBMP速めで、ドゥームとデスを見事にクロスオーバーさせて、ゴリゴリの極悪激重リフの応酬で攻めに攻めるスタイル。引き摺りながらも超重量級のデスマシーンが全てを押し潰して爆走するという何か矛盾してる気もするけど、速さと重さという点を徹底して極めているだけでなく、遅さも同時に支配し、しかもブルータルさも絶頂と言う、エクストリームミュージックの美味しい所をとにかく喰い尽くしている猛禽絶倫巨根っぷりだ。しかもギターソロなんかは絶妙にロックな要素を取り入れて暴走ブギーな感じにもなっているし、でも持ち前のデスっぷりは殺さず、絶妙なアクセントにしている点もニクい。
 作品全体で言えるのは、とにかく熾烈じゃないパートが全く無いって事だ。徹底してブルータルであるし、殺気と憎悪がグルーブとして充満している。徹底して低域グロウルで攻め立てるボーカル、強靭過ぎるリズム、最早音階すら分からなくなってしまいそうな重苦しさと劣悪さで押しまくりなギターリフ。本当にとんでもないデカさの隕石を至近距離で脳天にブン投げられる様な物だ。第2曲「Hellbringer」なんて見事に暴走しまくりなデスドゥームを展開しており、遅いだけがドゥームでは無く、速くてもドゥーミーさは極められる事を証明している。それだけでなく、ロック要素もしっかり際立っているし、熾烈極まりないのに、取っ付き易さもしっかり作ってくれていたりする。一方で第3曲「The Colossal Hole」は一気にBPMを落としてダウンテンポでビートとリフが展開し、地獄の無限行脚みたいな音になっている。その中で後半のBPMが速くなるパートはこれまでの低域グロウルだけでなく、ハイトーンのシャウトも取り入れて来たり、遅さと速さを楽曲の中で見事なバランスを作っていたりしてる点も見逃せない。また他の楽曲にも言えるけど、Coffinsの音は見事にハードコア要素があったりする。絶妙なソロの入れ方だったり、ドゥームとはまた違うスラッジさもあったりするから、本当にドゥームとかデスって枠では全く収まってくれない。クロスオーバーさせた音を徹底して熾烈で凶悪に進化させる事で、本当に多くのフリークスが脱糞しながら歓喜する音にしているのだ。楽曲の尺も長くて6分台だし、半分近い曲が5分未満になってる点も大きく、本当にエクストリームミュージックの美味しい所を凝縮している証拠だと思う。だから熾烈ながらも聴き手を飽きさせないし、また楽曲の中で絶妙な変化があったりするから尚更だ。全9曲に及ぶ地獄行脚は本当にこの世の全てを粉砕するだけの物になってると断言する。



 今作で初めてしっかりCoffinsを聴いたのだけど、ドゥームを機軸にしながらあらゆるエクストリームミュージックを喰らった音は、正に地獄と言う言葉が一番相応しいと思うし、あらゆる枠を粉砕して、猛威を見せつけまくっている。世界的に評価されるのも納得だし、デスメタラーからドゥーム愛好家からハードコア好きまで、あらゆるエクストリームミュージック好きを飲み込める作品だと僕は思う。チャーチの新作とは方向性こそ全然違うけど、チャーチの新作同様に2013年の国内ドゥームの最重要作品になると僕は思う。



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■OPPRESSION FREEDOM vol.9(2013年7月28日)@新大久保EARTHDOM

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 世界進出も果たしている日本のドゥームバンドであるCoffins。彼等の4thアルバムが先日リリースされた訳なのだが、今回の企画はそんなCoffinsのレコ発企画であり、対バンは昨年再結成を果たした国内デスメタルの立役者であるNECROPHILE、元CHURCH OF MISERYのメンバー二人が在籍する爆音ドゥームであるNEPENTHES、サラリーマングラインドコアバンドことBROBという豪華過ぎて凶悪な3バンドが集結。総勢4バンドが極悪かつ熾烈な音で殺し合う血みどろの宴となったのだ。Coffins自体はあまり予備知識が無く、ライブも今回が観るのは初めてだったりしたが、4thアルバムの素晴らしさもあったし、是非あの音をライブで体感したいと今回アースダムまで足を運ばせて頂いた。勿論こちらも初見だったNEPENTHESも楽しみだったし、一回ライブでぶっ飛ばされたNECROPHILEとBROBの音もまた浴びたいと思ってたし、かなり楽しみにしていた企画だ。



・NECROPHILE

 そんな感じで30分程スタートが押して一発目のNECROPHILEのライブがスタート。今回のライブは8曲程プレイしていたが、まず本当にギターの音がめちゃくちゃ良いんだよ、このバンド。基本的には極悪な刻みのリフで進行するスタイルなんだけれども、その音が本当に凶暴でありつつも、自然と奥行きとか深みもあったりして、でもやっぱり原始的な殺気に満ちている。リズム隊の音もズ太く攻めに攻めてるからまた良い。ブルータルに暴走するサウンドを中心に展開するデスでありながら、時にダウンテンポになる落差だったり、アーミングを駆使して不協和音を奏でる不穏で地獄の坩堝みたいなギターソロが単なる殺気一辺倒じゃなくて、地獄サウンドをより表現している。徹底してブルータルさを魅せるこのバンドの音は国内デスメタルシーンの立役者であるのを納得するしかないし、僕みたいなデスメタルに明るく無い人間でも圧倒させる力量はある。今回披露した新曲も、持ち前の地獄のデスメタルを更にビルドアップさせた物で、かなり格好良かった。観るのは今回で二回目だったけど、のっけからアースダムを地獄に叩き落してくれた。

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・NEPENTHES

 続いて元チャーチの根岸氏がボーカルを務めるNEPENTHES。チャーチを敬愛する身としてNEPENTHESもしっかり観ておきたかったし、今回のライブを非常に楽しみにしていたけど、先ずサウンドチェックの時点で音が凄まじく大きい、そしてライブが始まったら更に爆音!!のっけから長尺のドゥーム曲から始まり、引き摺るグルーブが一気に充満、爆音の2本のギターが一発一発の音が本当に強大な音塊として投げつけられ、更にドゥームらしい煙たさも満点。チャーチ同様に正統派サバス直系サウンドでありながら、その猛禽っぷりと熾烈さはチャーチにも全然負けてなかった。しかし他の楽曲はドゥームでありながらもブギーし暴走するBPM早めの曲が多く、言うならば本当に良い意味で分かり易い古き良きロックな感じと、ロックの持つエロスだったり妖しさっていうのが、このバンドの大きな魅力の一つだと思ったりもした。チャーチの様な殺気という成分は薄いかもしれないけど、エロスという部分では更に上を言ってるバンドだし、根岸さんのパフォーマンスや佇まいはチャーチのヒデキ氏にも負けない貫禄だったりカリスマだったりを感じた。ツインギターを見事に前面に押し出し、巨根なビートの生み出すグルーブも凄かったし、45分程のロングセットで魅せれる物は十分に魅せてくれてた。早く正式リリースの音源が聴きたくなったし、またライブが観たいと心から思った。

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・BROB

 トリ前はサラリーマングラインドことBROB。前回の浅草で観た時同様にギターの人以外はバンT着てるの覗くと、本当にリーマンやってますって感じなんだけど、そんなルックスやオーラに反して、繰り出す音は本当に正統派なグラインドコアで、熾烈なブラストビートと、強靭凶悪なリフとグルーブで攻めに攻めて、ゲスボイスとハイトーンシャウトを見事に使い分けるボーカル。正統派グラインドながらもバンドの力量や屈強なパワーで攻めてくる音は本当に単純に格好良い!30分程のセットで実に20曲以上を、チューニングタイム以外はほぼノンストップで繰り出していたんじゃないかな?とにかく目の前から重量感もあるハリケーンが迫ってくる、そんなライブだった。正統派グラインドの格好良さを今回も体現していたのだ。

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・Coffins

 そして本日の主役であるCoffinsへ。初めてライブを観る事になったのだが、初めて観るライブで実に13曲にも及ぶロングセットのライブ。新作以前の楽曲を知らないのでアレなんだけれども、セットは新作4thアルバムの楽曲を中心にプレイしていた。しかしCoffinsまでの3バンドがとんでもなく凶悪な音を繰り出していたにも関わらず、Coffinsは更に上を行く勢いの凶悪な音を見事に出していた。先ず本当に低音がかなり効いていたし、本当に腹にクルっていうのが一番しっくりくる音塊、基本はドゥームでありながらもBPM早めの楽曲も多く。ブルータルに暴走するパートは本当に圧巻の熾烈さ!!ギター一本とは思えない分厚いリフがとにかくデスとかドゥームとかロックも飲み込み、リズム隊と共に圧倒的な重みを誇るグルーブとして生み出される、速いパートと遅いパートの落差も味方にしていたし、ロングセットながら、全く飽きさせない表現力も見事だったと思う。基本は低域グロウルで攻めながらも、時にハイトーンシャウトをかましてボーカルにも緩急を付けてたし、本当に全ての音が単純にドスが効きまくっていたのだ。ドゥームバンドでありながらも、その枠に嵌らないバンドとしてのスケールの大きさだったり、エクストリームミュージックを喰らい尽くしたからこそ生まれる強靭さだったり、Coffinsというバンドが日本だけでなく世界でも認められているのは当然であり、一時間弱に及ぶライブで一つの臨死体験を感じた人も多かったと思う。初めてライブを観たが、もう本当にブチ殺された。Coffinsというバンドは日本が誇る素晴らしきドゥームバンドであり、そして彼等もまた猛者だった。

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 主役のCoffinsは勿論だけど、他の出演バンドである3バンドも負けずに凄まじいライブを展開していたし、デスからグラインドからドゥームまでと、国内エクストリームミュージックの猛者の音を十分過ぎる程に体感出来た夜だったのだ。企画自体はもう最高だったんだけど、一つだけ残念だったのは、こんな豪華すぎる面子でも集客がキャパの半分位だった事だ(この面子なら普通にアースダム埋まると思っていたんだけど)。しかしこれだけ濃密かつ邪悪な音を一気に体感出来る企画なんて中々無いし、僕はやっぱりもっと多くのフリークスに是非とも現場に足を運んで欲しいと思ったのだった。しかしながら本当にCoffinsが格好良かった!!
タグ : ライブレポ

■333/quizkid


333333
(2013/07/24)
quizkid

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 もう紛れも無く2013年の国内エモを代表する作品になると断言出来る。SAY HELLO TO NEVER RECORDINGSからリリースされたquizkidの1stはそれ位の作品だと思う。ex.200mphの林氏も参加してるこのバンドだが、90年代国内エモとDCのポストハードコアの血筋を継承し、長年に渡って戦い続けた猛者3人だからこそ生み出せる、本当に日本人ならではの郷愁と哀愁。全6曲の全てが屈指の名曲だと言える。マスタリングはTJ Lipple、レコーディングエンジニアはkillieやsoraを手がけている大澤康祐氏と脇を完全に固め、そしてリリースは今年はPlay Dead Seasonの1stをリリースしたSAY HELLO TO NEVER RECORDINGSなんだからもう全部完璧だ。



 このバンドは先ずはとにかく渋い。90年代エモやポストハードコアの流れを受け継いだバンドであるけど、でもこのバンドは長年戦い続けている3人が生み出す音が本当に円熟を極めている。3ピースだっていうのもあるけど、極限まで必要最低限の音のみで構築されているアンサンブル、シンプル極まりない音が生み出すのは本当に侘寂を強く感じさせ、セピア色の郷愁であり、そしてどこまでもクリアな感情の洪水だ。このバンドはここぞという時に暴発するパートがある訳じゃないし、林氏のギターもクリーンとクランチ中心に音を作っているから、ディストーションの爆音が存在したりはしない。なのに本当に圧倒的感情の洪水を静かに、そして強く生み出していく。大河の静かでありながらも、決して揺るがない流れの様な物をシンプル極まりないアンサンブルから生み出している。そして何よりも全ての音が歌っているし、全ての音が静かに涙を流している。もうbloodthirsty butchersにも匹敵するだけの物がこのバンドにはあるのだ。
 第1曲「飢餓と麻薬」はシンプル極まりないベースラインから始まり、そしてベースボーカルの大杉氏はどこまでも渋く、そして高らかに歌い上げる。個人的に僕は歌詞とかあまり重視して聞く人間では無かったりするんだけど、quizkidの歌は本当にクリアで明瞭に歌を歌い上げているし、その歌詞も楽曲と見事に嵌り、より感情的になってしまう。林氏のギターワークは本当に凄くて、繊細さと大胆さの両方を持っており、ディストーションの歪みこそ激しくは無いけど、絶妙にクリーンで絶妙に歪んでいるギターの音色の奥行きは凄いし、ポストハードコアとかエモの流れを持っていながらも、シンプルでありながらも、どことなくブルージーさすら感じさせるギターがquizkidの大きな肝になっていると思うし、音数こそ多くないけど、その音が持つ感情や色彩は本当に豊か極まりない。第2曲「フラスコ」は今作でも屈指の名曲であり、もう泣きに泣いてるチョーキングのギターが堪らないし、派手では無いけど、屈強であり、頼もしいドラムとベースが生み出すグルーブの存在感も凄い。そして大杉氏の歌と林氏のギターが見事にシンクロして、優しく切ない歌を紡いでいく。特に後半になってからの熱量を徐々に高めて、静かに燃え上がっていく旋律とアンサンブルは本当に心をブン殴りに来ているし、もう感情の洪水が静かに生まれているのだ。
 第3曲「右の頬」みたいな疾走感を感じさせる楽曲でもquizkidの渋さは全開。林氏のギターワークもクリアな郷愁と哀愁を炸裂させまくっているし、何より一貫しているのはバンドのアンサンブルが本当に強固極まりないって事だと思う。第4曲「ゴルゴダ」は静寂から緩やかな躍動を生み出し、今作でも特に歌いに歌っている楽曲だと思う。絶妙に緩急を付ける楽曲の展開の仕方もまたニクいのだ。第5曲「つかのま」は今作で一番DCサウンドのカラーが出ているんだけれども、ざらつきと鋭利さがありながらも、その奥にあるのはやっぱり優しい熱量だ。最終曲「Left Alone」が名曲しか無い今作を締めくくるに相応しい屈指の名曲で、ざらつきながらも静かで確かな揺らぎを生み出し、何よりも今作屈指の哀愁の歌が力強く切なく響き渡っている。終盤のアンサンブルなんて分かり易い爆音サウンドじゃないのに、壮大で繊細なアンサンブルが生み出す感情の渦は果てしないし、本当に涙の音楽だと心から思う。



 本当に素晴らしい作品だし、ただ単純に収録されている全6曲が屈指の名曲だと思う。長年積み重ねた物があるからこその渋さと貫禄と器の大きさ、そして純粋に良いメロディと良い歌、シンプルでありながら力強いアンサンブル。それらが生み出す本当に魔法の様な音楽をquizkidは鳴らしているのだ。エモ・ポストハードコア好きは勿論だけど、そうじゃない人にも是非とも聴いて欲しいし、2013年の最重要作品だと僕は思う。これが日本人にしか生み出せなかった音だし、もっと言えば長年戦い続けた猛者じゃなければ生み出せなかった音だ。誰も砕くことの出来ない確かな結晶として今作は存在している。



タグ : 日本 エモ

■PLAY DEAD SEASON JUNKHEAD tour final & quizkid 1st ALBUM release party!!(2013年7月20日)@小岩BUSHBASH

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 三月に1stアルバム「JUNKHEAD」をリリースし、四月からリリースツアーで全国を回っていたPlay Dead Season。その長かったリリースツアーもいよいよファイナル。彼等のホームである小岩BUSHBASHにて開催された。更には誰もが待ち望んでいたquizkidの1stアルバム「333」のリリースパーティでもあり、quizkidの参戦。更に更に福島からの若き刺客Rebel one excalibur、鋭利なるポストハードコアで観る物を突き刺すMIDDLE、小岩のハードコア番長Tiala、そして台湾でのライブ、まさかの新作カセットのリリースで話題を呼んでいる男尊女卑激情系ハードコアことkillieが集結。総勢6バンドによるガチンコバトルとなった。ツアー一発目、そして横須賀とPDSのツアーには足を運んだが、今回のツアーファイナルも勿論足を運ばせて頂き、小岩の熱き夜を堪能させて頂いたのだった。



・Rebel one excalibur

 先ずは初めてライブを観るRebel one excaliburのアクトから。このバンド本当にノーウェイブ感満載のジャンクばバンドでギターの音階はほぼ不協和音、更に変則的にキメを乱発し、ストップ&ゴーな楽曲、反復を繰り返して頭がわけ分からなくなってしまいそうな感覚、ノーウェイブの実験精神を現代に甦らせて、それを更に冷徹かつ無慈悲にアップロードしており、ヒリヒリした緊張感が常に充満し、各楽器がぶつかり合いスリリングな衝突を絶対零度の中で繰り出していた。初見だったがかなりインパクトはあったし、年内には初音源もリリースするとMCで言っていたので、これから非常に要注目だと思う。しかしRedd Templeの活躍もあるのか、今の福島のバンドは大分熱い事になっている気がする。

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・MIDDLE

 お次は横須賀でも熱いライブを繰り出していた3ピースポストハードコアバンドであるMIDDLE。もう観るのは三回目なんだけど今回も抜群の安定の格好良さ!!ギター一本でありながらドライブしまくるディスコダンスなリフの必殺具合がまず凄いし、リフ一発で殺せる殺傷力と変則的ドライヴィンなビートのスリリングな応酬が本当にこのバンドの大きな魅力だと思うし、正統派ポストハードコアでありながらダイレクトに攻める鋭利さと、絶倫っぷりが全開のズ太いグルーブが惜しみなくライブでも発揮されているし、だからこそいつ観ても格好良いバンドだと思うのだ、今回のライブもまた最高だった!!

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・Tiala

 小岩と言えばもうこのバンドでしょ!小岩から全国へ危険信号を発信し続ける世界で最も幸福なる暴動を巻き起こすバンドことTiala!!今回は20分弱とライブ自体は長くは無かったけれども、相変わらずの破壊力。ポストパンクの暴力と不穏さ、何が起こるか分からないスリリングさ、そして非常にダンサブルで野蛮!!ボーカルの柿沼さんは鬼気迫る表情で叫びながらステージを歩き回り、しまいにはフロアに下りてモッシュに混ざりながら叫びに叫びまくる!!不穏な暴発前の静けさから暴発した瞬間のボルテージが本当に凄いし、その瞬間にフロアは一気にモッシュの渦に変貌する。誰もが笑顔で暴れ狂い、そして圧倒的テンションで全ての音が未整合でありながらも、原始的かつ圧倒的なパワーを発揮するTialaのライブはこれまでに何度も観ているけど、本当に心から本能から身体が動き、叫びたくなるパッションに満ちている。小岩のハードコア番長の貫禄を見せ付けてくれた!!

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・killie

 後半戦一発目は最早日本の激情代表格であるkillie。SEは又吉イエス・山本太郎・内田裕也の政見放送という相変わらずっぷりで、そしてステージが足元の蛍光灯の光のみが照らす様になり、「脳死が俺の側に」からライブはスタート。今回のkillieは長尺曲のみのアクトで、「脳死が俺の側に」の不穏さを極める激情から始まり、陰鬱なフレーズが生み出す不穏さから、暴発する瞬間の一つの熾烈さ、そしてドラマティックでありながら無慈悲に展開されている楽曲。突如カセットでリリースされた新曲である「エコロジーを壊せ!!」なんてこれまでみたいな静謐なパートこそ無いけど、常にギリギリのラインで暴走する全ての音がプログレッシブに展開し、圧倒的なエネルギーを生み出す、圧倒的テンションで暴れ狂う楽器隊のテンションも手伝って、その一瞬一瞬が本当にクライマックスとも言うべき瞬間が何度も生まれていた。特にラストの伊藤氏と吉武氏のツインボーカルの掛け合いなんて最高にテンションが上がったよ。最後は「一億分の一」で終わり、こちらも長尺で、壮大な不穏さからハードコアの暴虐さを繰り出し、最後は壮絶なる音塊がドラマティックに繰り出され、全てを圧倒していた。全3曲のアクトでありながら、killieというバンドの凄みを改めて実感するライブになった。本当に瞬間のカタルシスという言葉は、このバンドの為にあるとすら思うのだ。

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・quizkid

 トリ前は本日のもう一つの主役であるquizkidのアクト。3月の鶯谷での羊数える企画で初めて存在を知り、3ピースの魔法とも言うべき大河の様なエモーショナルさに完全にやられてしまったのだけれども、今回のライブは本当に凄かった。セット自体は今回リリースされる1stアルバム「333」の6曲をアルバムの曲順に演奏するというシンプルなセットだったけど、このバンドが生み出す感情の洪水は本当に半端じゃなかった。まず3ピースという必要最低限の編成であり、それでいて本当に必要な音しかないし、エモでありながらディストーションで感情を爆発させるパートも無い、でも全ての音が確かに歌っている。特に林氏のギターワークが本当に素晴らしくて、音作りの繊細かつ大胆さ、ブルージーでもあり、ポストハードコア的でもあり、完全に独自のフレーズ構築論を完成させてしまっている感じ。1曲目の「飢餓と麻薬」からもう完全にquizkid節が全開で、大きな幹の様なアンサンブルが静かに、渋く、豊かに、そして確かな熱量を持って心を優しくも力強くブン殴ってくる。そして2曲目の「フラスコ」、凄い恥ずかしい話だけど、この曲をプレイしている時に、完全に僕の心が決壊してしまってボロ泣きしてしまった、歌詞・メロディ・アンサンブル、その全てが僕の心を揺さぶりに揺さぶりまくって、本当にボロボロと涙を流すしかなくなってしまった、本当に渋く、どこか枯れている感じもするのに、分かり易い暴発のパートも無いのに、それでも圧倒的な感情の大河に飲み込まれてしまった。そっからはもう完全にquizkidの独壇場。彼等の名曲の数々を本当に惜しみなく披露。観ていた人々のボルテージも本当に高く、まだアルバムリリース直前にも関わらず、誰もがシンガロングしているという状態、本当にこのバンドが愛されているのを実感したし、本当に温かいライブだったと思う。最後にプレイした「レフトアローン」の一つの悟りの境地にも達している感情、そして静かに歩んでいくアンサンブル、ラストのアンサンブルが全ての感情を解き放つ瞬間。また涙を流してしまいそうになった。とにかくquizkidというバンドは最高のバンドなんだよ!!本当に心から言う。最高のライブだった。

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セットリスト

1.飢餓に麻薬
2.フラスコ
3.右の頬
4.ゴルゴダ
5.つかのま
6.Left Alone



・Play Dead Season

 そして本日の主役であるPlay Dead Seasonのアクト。過酷なるツアーのファイナルとなった今回のライブであるが、ツアー1本目を観て、横須賀でのライブを観て、このバンドの凄みを実感したけれども、今回のツアーファイナルは本当にPDSの進化の集大成だったと思う。先ずはPSWINGSETとのスプリットの楽曲である「Sweep Out」からキックオフ、より鋭角になりながらも、一つの渋みと貫禄を手に入れたPDSの進化をこの時点で既に実感させられてしまった。そして彼等の1stアルバムであり金字塔である「JUNKHEAD」から最強の1曲目である「瞬間と循環」の一撃必殺のリフが鳴り響いた瞬間に僕は完全にこのバンドに降服するしかないのを悟ってしまった。既にハコのボルテージは最高潮になり、ドライブするジャンクかつ鋭角のサウンドの数々が全てを突き刺していく瞬間は、本当に壮絶なるカタルシスが生まれたし、「SCAPEGOAT」、「SANDWALL」と「JUNKHEAD」の楽曲達を続けて繰り出し、バンドも観客も高まりまくったボルテージを更に倍プッシュで暴走させ、圧倒的テンションで繰り出される音の数々は本当にオルタナティブという言葉が一番相応しいし、もうポストハードコアとかいう枠組みすら不要な領域まで彼等が達してしまっているのを実感した。
 そして後半は「JUNKHEAD」の製作に大きく関わった200mphのhera氏を迎え、ツインドラムでのセットでのライブへ、これがもう本当に凄かった!!hera氏というスーパードラマーを迎え、ツインドラムでの圧倒的ビートの音圧で繰り出されるPDSの楽曲の数々はよりジャンクになり、より暴走するアンサンブルを生み出し、本当に人間の本能のリミッターを破壊するのには十分過ぎるだけのカタルシスが目の前に広がっていた。特に「COBRA」の鋭利に瞬間のカタルシスを放出する様は、本当にもう本能のままに頭を振るしか出来なくなっていたし、それに続く「鉄の歌を聴け」はPDS流の哀愁のサウンドが全開になり、一気に何かが込み上げそうになった。そして本編ラストの「INSIDE OUT」にて圧巻のライブを締めくくった。常にハイライトとも言うべき瞬間しか無くて、その一瞬一瞬に確かなドラマがあったのだ。
 hera氏がステージから掃けて、アンコールの声にメンバーはステージから去らずに、PDSのツアーファイナルは本当にクライマックスへ!!彼等の戦友でもある静カニ潜ム日々とのスプリットから「AL CAPONE」と「SLIDE」を披露。PDSの一つの始まりとも言えるスプリットの2曲は、本当にバンドが全てに於いて大きくなった事を証明するのには十分過ぎる位の物を放っていたし、何よりも本当にメンバー4人が圧巻のパッションで曲をプレイし、ブッシュバッシュは本当に最高潮のボルテージへ、この日のライブは何度も何度もハイライトと呼べる瞬間があったのだけれども、この最後の最後でとんでもない熱気を生み出し、本当に完全燃焼という言葉以外見当たらない凄まじい混沌のカタルシスでPDSの長く過酷なツアーを締めくくるツアーファイナルは幕を閉じた。

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セットリスト

1.Sweep Out
2.瞬間と循環
3.SCAPEGOAT
4.SANDWALL
5.Saw? Knife?
6.漆黒
7.COBRA
8.鉄の歌を聴け
9.INSIDE OUT

en1.AL CAPONE
en2.SLIDE



 Play Dead Seasonは今回のライブを機に暫くは地下での制作活動に入り、暫くはライブをこれまでの様にはやらない状態になる。しかしそれは活動休止とかではないし、あくまでも一つの区切りだと僕は思っている。沢山曲を作ってまた戻ってくる事を彼等は約束してくれたし、僕はただ新たなPDSがまた観れる時を心から楽しみにするだけなんだ。今回のPDSのリリースツアーは計3本に足を運ばせて貰ったけど、対バンも含めてどのライブも本当に熱いライブだったと思うし、その締めくくりは本当に完全燃焼という言葉に相応しい壮絶なライブでPDSは締めくくってくれた。Play Dead Seasonという素晴らしいバンド、若きポストハードコアの猛者はこうして猛威を見せてくれたし、また彼等が最前線に戻ってくる時を僕は心から楽しみにしています。
タグ : ライブレポ

■ヒニミシゴロナヤココロノトモシビ/Birushanah


ヒニミシゴロナヤココロノトモシビヒニミシゴロナヤココロノトモシビ
(2013/07/10)
BIRUSHANAH

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 数多くの異形の猛者ばかりが集う大阪が誇るドゥームバンドであるBirushanahの2013年リリースの最新作。今作はオリジナルメンバーでありバンドの創設者であったベースのSougyo氏の脱退前の最後の作品でもある。しかしながら今作でも彼等の密教的ドゥームは健在であり、しかもこれまでよりずっとコンパクトになったからこそ。その音の破壊力がダイレクトに伝わるようにもなったと思う。



 Birushanahといえば、トライヴァルなビートとドゥームと仏教的な世界観と音階を駆使したドゥームサウンドを放出するバンドだが、その持ち味を生かし、更にはメタルパーカッションも取り入れ、これまでよりコンパクトになりつつも、より濃密で危険度が高まったのが今作だ。第1曲「人的欲求-Jintekiyokkyu-」の冒頭のメタルパーカッションの変則的なビートから何やら異様な空気を漂わせ、ドラムとギターとベースが入り込んだ瞬間にもう見事なトライヴァルスラッジ煉獄へ。更には煙たさ全開のギターソロまで繰り出しのっけから危険な香りと空気が鼓膜から五感に広がっていくのを感じる。楽曲の後半は呪詛の様なボーカルも入り、より引き摺るスラッジサイケデリックと変貌し、ツインボーカルで叫ぶ生と死、ダイナミックに叩きつけるドラムとメタルパーカッションが肉体のリミッターを粉砕、のっけからBirushanah節全開なんだけれども、これまで以上にアプローチが明確になっているし、楽曲の尺も比較的短くなっているからこれまで以上に取っ付き易いのに、これまで以上に直接的に危険極まりない音塊をぶつけてくる。
 第2曲「数え唄-Kazoeuta-」はより密教的な音楽性とサイケデリックさを打ち出し、読経的ボーカルと、不穏の音階を鼓膜に焼き付けるベースラインと変則的で不気味すぎるビートとサイケデリック全開なギターフレーズの反復が脳髄を溶かしに溶かしてくる。しかし途中から一気にスラッジ色を全開にして、密教的世界観はそのままによりダイレクトに鬼神の如きビートを繰り出し、非常に破壊的な音をこれでもかと放出しまくる。もう脳汁が止まらなくなるし、終盤はその破壊的サウンドが一気に高まりもうとんでもない事が起きているんじゃないかって気分になってしまう。
 今作は4曲中3曲が比較的コンパクトな尺の楽曲だが第3曲「授戒-Jukai-」はこれまでのBirushanahを髣髴とさせる約17分にも及ぶスラッジドゥーム絵巻。スラッジなパートの破壊力も凄いけど、こちらはより不穏で静謐なパートが多く、だからこそビートとグルーブの凄みが更に伝わり易くなっている。反復するベースラインが描く螺旋と、ドラムとパーカッションの複雑極まりない絡み合いだったりと、持ち前の密教スラッジをサイケデリック極まりないアプローチで繰り出している。不穏な静謐さと暴虐を極めたスラッジサウンドの対比、ツインボーカルが生み出す混沌といったこれまでの持ち味を更に極めてしまった感じがある楽曲だが、中盤のサイケデリック色を打ち出したパートの複雑かつ完璧なアンサンブルの流れから、再びスラッジ要素を出したパートに入った瞬間に、まさかの和笛の導入というもう反則技としか言えないアプローチを繰り出してくる。銅鑼の音と和笛のドローン要素のある音が世界観を更に際立たせ、最後はやはりスラッジ地獄で終わる。これまで以上にプログレッシブでもあり、より精神の深い所まで抉り込んで来ているし、このバンドの凄みが一つの到達点に達した名曲だろう。そして最終曲「小松-Komatsu-」で約3分のスラッジ煉獄で止めという構成。約33分で異質の世界へと旅立たせてくれる。



 Birushanahは現在残ったメンバー3人でライブ活動を続け、現在は新作音源の製作にも入っているという。Sougyo氏の脱退は残念ではあるけれども、これだけの凄まじい作品を作り上げてくれたし、これからのBirushanahへの期待の高まりは不可避である。「赤い闇」でぶっ飛ばされた身であるが、今作は更におぞましく不気味で精神を破壊する様なスラッジドゥームを見せ付けてくれたし、和製ドゥームの危険極まりない存在としてBirushanahは本当に唯一無二なバンドだと僕は思う。本当に違う世界へと脳髄が飛ばされてしまうのは間違いない筈だ。



■SHINING MOMENT vol.28(2013年7月14日)@初台WALL

 今回はFar East Hardcore PunkことENSLAVEの自主企画に足を運ばせて頂いたのだけれども、この企画の面子がとにかくおかしくて、境界性人格障害ハードコアこと屍、昨年リリースした2ndアルバムにて一気に名を広めた大阪のカオティック&ヴァイオレンスハードコアPALM、そして柏が世界に誇るハードコア総大将ことkamomekamome。それに企画のENSLAVEという凄まじい4バンドが集結する事件とも言うべき企画。もちろん狭いWALLには本当に沢山の人々が集結に四者四様の凄まじいハードコアの宴となったのだ。一瞬たりとも見逃せる瞬間の無い凄まじいイベントだった。



・屍

 トップバッターは境界性人格障害ハードコアこと屍。SEのたまゆらが流れ始めてから既に異様な空気に飲み込まれ、そしてのっけから必殺の「バラバラ」へ。憎悪を暴発させるパートと、コールタールに沈み込んで逝く様な閉塞感を感じる静謐で不穏なパートの対比がライブだと更に際立ち憎悪を拡張させる。板倉氏のボーカルはキレにキレまくっていたし、相変わらず何かに憑かれている様な空気を纏いながら、理性を放り投げた殺意をハードコアとして鳴らす。これは本当に屍にのみ許された表現であり、何度観てもここまで負の感情に特化したハードコアバンドはいないなと本当に思う。そして今回のライブは新曲も披露。そちらはポジパン色が非常に強く、ハードコア的な粗暴さは無い楽曲だったが、コーラスのかかった不穏なギターが背筋を凍らせる不穏さと、どことなく優しさだと錯覚してしまいそうな感覚すら覚える新たな屍を打ち出した名曲だった。そしてメタリックなリフの応酬と共に憎悪を吐き散らす「憎悪」と「鍵」はやはり圧巻だったし、何よりも2ndの名曲である「行きつくところ」をやってくれるとは思ってなかった。屍でも特に絶望感と悲壮感に満ちたこの楽曲は僕が屍で一番好きな曲であり、本当にその壮絶な絶望感と虚無感に涙すら流れてしまいそうになる。そして熾烈なる憎しみを吐き尽くした後の優しいギターのフレーズは本当に死の先すら感じる優しさと虚無感に満ちており、そこでどうしようもなく胸が痛くなってしまった。今回のライブは圧巻だったし、屍はやはり唯一無二のバンドだと再認識させられた。

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・PALM

 二番手は大阪の激ヴァイオレンスハードコアことPALM。ライブを観るのは今年の二月以来だったけれども、いやはやただでさえとんでもない馬力と粗暴さと破壊力を持ったハードコアサウンドが更にパワーアップしていたと言えるだろう。音源よりもさらに粗暴になっているサウンドは勿論だが、もう徹底して遠慮が全く無い。絶妙にシンガロングパートを入れてたりするのもあるけど、とにかくひたすらにゴリゴリの音の鉄槌が容赦無く攻めてくる感じ、極悪極まりない音を徹底して追及しているからこそ生み出せるサウンドだと改めて思った。こちらも新曲を披露したが、それは2ndでのたたでさえカオティックかつ暴力的なPALM印のサウンドを更に強化しまくった楽曲であり、このバンドは本当に天井知らずで自らの肉体を鍛え続けて進化をしていくバンドだと思った。30分間、常にフロアはモッシュが起き、常に爆音のヘビィかつヴァイオレンスなハードコアサウンドを繰り出し、狂騒のハードコアを今回も見事に見せ付けてくれた!!いや熱いライブだったぜ!!

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・kamomekamome

 そして二週間前の浅草エクストリーム以来に観る柏の生きる伝説kamomekamomeのアクトへ。二週間というあんまりブランクの無い状態でまた彼等のライブを観たが、一発目がまさかの「化け直し」不穏に刻まれる四つ打ちとベースラインの冒頭からいきなりその後の暴発しか予想出来ないし、プログレッシブながらの一気に沸点へと持っていくハードコアにのっけから感情暴発!!続いて「メデューサ」とのっけからカモメの必殺の2曲を繰り出すという半端無い気合!!フロアも更に盛り上がる。そんなフロアを観て向氏は「このままみんなで上を目指そうぜ!!」と高らかに宣言していたし、今回も披露した八月リリースの新作の新曲も更にエモーショナルに更にストレートに感情を放出し訴える泣けるし暴れられるカモメにしか生み出せないハードコアが見事に炸裂。終盤は「エクスキューズミー」、そして最後の最後は最早定番の「Happy Rebirthday To You」で締め。とにかく本当にマグマが沸騰する様なとんでも無いエネルギーをポジティブに放出する熱いアクトを今回も見せてくれた。柏の生きる伝説はまだまだ上を目指し戦い続けるんだよ!!

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・ENSLAVE

 トリは企画主のFar East Hardcore PunkことENSLAVE。今回唯一初めてライブを観るバンドで、その熱き暴走ハードコアの凄さは知っていたが、いざライブを観ると本当にぶっ飛ばされた。男女混声ボーカルはちにかく掛け合いを繰り返し、二人揃ってとにかく魂の叫びをこれでもか!これでもかと!!繰り出す!!!叙情的溢れるツインギターのギターワークもとにかく素晴らしいけど、そこにナヨさは全く無いし、非常にメロディアスで泣けるフレーズを鬼神の如きギターリフで叩きつける!!ズ太いベースがグルーブを支え、D-BEATからブラストまで繰り出すシベリア超特急顔負けの暴走超特急ドラムが織り成すサウンドはとにかくカオティックでありながら本当に熱い!!ありとあらゆるハードコアの美味しい所を喰い尽くし、それを圧倒的なテンションとパワーで繰り出すライブは本当に圧巻。陸JEEP王氏の鬼気迫るボーカルとパフォーマンスとPG-2嬢の魂の絶唱が織り成すツインボーカルからは凄まじいパッションと何よりもポジティブなエネルギーに満ちており、カオティックな激情はヴァイオレンスでありながらも、非常に感動的であった。本当に素晴らしいライブだったよ!!

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 四者がそれぞれのハードコアを繰り出した企画となったが、一つ言えるのはそれぞれのバンドがそれぞれベクトルは違っても圧倒的なエネルギーを放つライブをしていたと言う事だ。屍の絶望で全てを塗りつぶすハードコア、PALMのヴァイオレンスな暴走ハードコア、kamomekamomeの詩的でありながらも、エモーショナルで泣けるハードコア、そしてENSLAVEの混沌から希望を叫ぶハードコア。その全てが本当に圧巻のライブだったし、本当に良い企画になったと思う。kamomekamomeの向氏がMCで言っていた事と被るかもだけど、こんな素晴らしいシーンがもっと広まってもっと上に行くべきだと思うし、もっと広まって欲しい。同じ感じの事をこのブログでも何回も言ってたりするけど、やっぱり僕はそう思う。
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■HEAVY GROOVE vol.301(2013年7月13日)@吉祥寺CRESCENDO

 今回は吉祥寺クレッシェンドが主催するヘビィロック系イベントであるHEAVY GROOVEの方へと遊びに行かせて頂きました。正直に言ってしまうとTCOとnaxat目当てで見に行ったので他のバンドを知らなかったり、ハコに入るのが遅くなってしまったのでトップバッターだった43rd exitと4バンド目のSCYTHEWRACK SYSTEMがちゃんと観れて無かったので、それ以外のちゃんと観た4バンドの方を簡単にレポさせて頂きます。



・naxat

 ハコに入ったのが遅くなってしまって、一発目のメタルコア系バンドである43rd exitは最後の一曲しか見れずに終わり、しっかり観たのは二番手のnaxatから。ライブを観るのは約一ヶ月振りだが、1stEPのリリースといった動きもあったし、今回プレイした4曲中3曲は1stEPの楽曲だが、益々それらの楽曲に磨きがかかっていたと思う。「jude」、「躓き」といった古き良き90年代のジャパニーズロックの要素を色濃く持ちながらも、プログレッシブなフレーズを持ち前の技術で巧みに組み立て組み合わせ、キャッチーでありながら耽美でプログレッシブさを魅せるサウンドはnaxatの大きな魅力だと断言できるだろう。しかし後半にプレイした未音源化の楽曲とラストの「ShiBa」という長尺の楽曲ではルーツになっているAPCのカラーを更に色濃くし、不穏で妖しいプログレッシブさを全開にして本領発揮していた。一つの懐かしさを感じさせる音でありながら、現在進行形のロックバンドとしてnaxatは有効だし、確かな実力があるのを改めて再認識させられたアクトだった。



・noTOKYO

 3バンド目はミクスチャーロックバンドであるno TOKYO。ヘビィさよりもファンキーさを前面に打ち出しているッバンドって印象が強く、硬質な感触がありながらも、ファンクネスを感じさせるギターワークが先ず凄く印象に残ったりした。しっかりキメる部分ではヘビィなリフで攻めたりしつつ、全体的にトリッキーなファンキーさが売りのバンドだったと思う。中々面白いバンドだったなあ。



・THE CREATOR OF

 トリ前はTCO。今回のライブはプレイした楽曲こそ3曲だったが、その3曲がそれぞれTCOの持ち味を最大限に生かす楽曲ばかりだったし、遂にアルバムを完成させたバンドとして過去と現在を繋ぎ、そしてこれからを見せるライブになったのではないかと個人的に思う。1曲目にプレイした「Hi On」は1stの楽曲でありながら、それを現在の編成になってからまた新たな色が加わり、持ち前のヘビィネスの一つの進化系として過去の楽曲をグレートアップさせているし、「Wash Over」では打って変わってインストで一つの静謐な美しさと絶妙な歪みを魅せ、反復するフレーズの高揚感と徐々に高まる熱量が生み出す神秘的な旋律とその中に確かに存在するグルーブを感じさせてくれた。そしてラストの「You Are」である。TCOの新曲郡の中で最も分かり易いアプローチをしている楽曲であり、ディストーションのリフ主体で進行する楽曲でありながらヘビィなグルーブと一つの浮遊感と高揚感が融和し、まるでJesuに接近している様な楽曲であるが、更にロックバンド・ハードコアのダイナミックさを美しいアルペジオの旋律と貫くリフの調和とその調和を支えるグルーブが支える新たなヘビィロックの一つの形を見事に体現してくれた。TCOは年内にアルバムを遂にリリースするし、ライブで鍛え上げられた新曲たちが、どのような衝撃を人々に与えてくれるのか、それが非常に楽しみになるライブだった。


・DOORMAT

 トリは八王子のヘビィネスバンドであるDOORMAT。ベースレスのバンドだったりするのだが、このバンドが本当にかつてのヘビィネス全盛期の音を現在でも鳴らし続けるバンドであり、古き良きヘビィ系ミクスチャーロックを打ち鳴らしているバンドだった。ベースレスでありながらガッツリヘビィで重低音が良い感じに体に来るし、ギターとドラムのみで見事にヘビィなグルーブを放出。ゴリゴリのリフで攻めまくりながらも、時に見事なフックも入れてくる辺りがまた良いし、ヘビィネス全盛期の美味しい音を今でも堂々と鳴らす姿は観ていてかなり好印象だった。初めて観たバンドだったけど、アンコール含めてハコをガッツリ盛り上げてたし、観ていて凄く楽しいライブだった。



 そんなわけで今回のレポでした。この日は割とのんびりと観ていたけど、naxatとTCOのライブが観れて良かったし、初めて観たDOORMATもかなり良いライブをしていたし、個人的に楽しい夜になりました。
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■Free To Rot, Free Of Sin/THE BRODERICK

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 先日の来日公演にて本格的に日本進出を果たしたオーストラリアのハードコアバンドであるTHE BRODERICK。CONVERGEのオーストラリアツアーのサポートを務めた実績もある彼等の2012年リリースの1stアルバム。アナログとカセットのフォーマットでのリリースでアナログの方にはダウンロードコードも付いている。



 今作は多くの人々が2012年最も新鮮でヘビィな作品と評した作品であるらしく、そんな評価を裏切らない内容となっている。彼等の音楽性はとにかくヘビィで熾烈なハードコアとなっており、2本のギターが繰り出す激重リフと、加速するパートを絶妙に盛り込みつつも、基本はダウンテンポで推進力低めで重心のあるビート、徹底してダークさとヘビィさを追及しているバンドだと思うし、とにかくサウンドの重みが凄い。しかも単純にヘビィなだけのハードコアに終わらず、とにかく強靭な力を感じさせる音を一つの芸術性すら感じさせる美意識で鳴らしているから凄い。基本的にはダークで重いリフとダウンテンポのグルーブで進行しながらも随所に盛り込んだプログレッシブな要素を生かし、単なるパワー馬鹿では無く、スラッジの美意識すら彼等には感じる。しかも楽曲の尺も一番長尺の楽曲で5分弱で冗長さが全く無いのがまた良い。乱暴な言い方をするとコンパクトになったNeurosisとも言うべき音で、ソリッドに削ぎ落とす部分は徹底して削ぎ落とし、でも音の厚みやヘビィさは逆に最大限に生かされていると言える。不協和音と化した音階を一つの神々しさで鳴らし、コンパクトだからこそ持ち前の芸術的ヘビィネスがよりダイレクトに迫ってくる圧巻の音に満ちている。
 第1曲「Black Lung」から徹底的にダークさとヘビィさをスラッジな感覚で打ち出し、基本的な楽曲の路線こそ変わらないにしても、絶妙な色付けの変化や、展開の構築方法の変化で、一本調子には決してなってないし、必要最低限のコンパクトな構成の中で見事な情報量と熾烈さをアピール。第2曲「Distance」なんかは前半のスラッジなパートと後半の暴走するハードコアパートで見事な対比を生み出しているし、第3曲「1950 DA」は1分半程の楽曲でありながら、今作でも屈指の奥行きのある美しさを披露し、最後は今作で屈指の暴走するカオティックサウンドへと雪崩れ込んでいくから凄い。合間にSE的な子品的楽曲も盛り込み、クールダウンさせる要素があるのはまたニクいし、特に終盤の第8曲「Savages」と最終曲「Diving Bell」は今作でも特に芸術的美意識が生かされた楽曲だと思うし、ヘビィさを極めようとしながら、同時に美しさも追求し、それをコンパクトな楽曲の中で見事に炸裂させているからこのバンドは凄い。



 1stでありながらも、その完成度は非常に高く、ConvergeやRussian Circlesのライブのサポートを務める実力を嫌でも痛感させられる1枚となっている。壮大さとダークさとヘビィさを徹底して追及しながらも決して冗長にしないで、あくまでハードコアの方法論の中でそれを生み出しているから凄いし、まだまだ日本では知名度は全く無いとは思うけど、これからこの日本でも彼等の猛威は広がっていく筈だ。最新型の熾烈なるハードコアがそこにある。



■崇高な手/Seek

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 大阪の激重激情ハードコアバンドであるSeekの実に6年振りとなる2013年リリースの3曲入3rd音源。先日初めてライブを拝見させて頂き、その圧巻の熾烈なるハードコアに圧倒されたが、それは音源の方でも健在。もう単純に激情とかハードコアという枠組みでは語り尽くせないSeek独自のハードコアが見事に展開されている。



 先ずこのバンド、5弦ベースと6弦ベースというツインベース編成で、他を圧倒する音の重みが凄い。ドラムもギターも徹底して重く、そしてそのヘビィさの奥底に悲痛なる旋律を感じさせるけど、2本のベースが生み出す音圧とグルーブが凄まじい。サウンドとしてはヘビィ系の激情サウンドであり、時にスラッジに展開もするし、時にBPM速めで暴走するパートもある。やっている事自体は特別に難解な事をしているバンドでは無いと思うし、ハードコアバンドとしての肉体性とか馬力はそこいらのバンドを圧倒する物があると思う。しかし単に底知れぬ力を感じさせるハードコアではない、楽曲の構成はかなり複雑であると思うし、随所随所にアンビエンスなサウンドコラージュを施していたりもするし、何よりも一つの楽曲楽曲の中で見事なまでに起承転結が存在し、徹底してヘビィで熾烈な音を生み出しながら、そのストーリー性は底知れぬ物がある。ブルータルに暴走するパートと、スラッジな美しさを魅せるパートの対比とか見事だし、何よりもSeekはボーカルのSUGURU氏の表現力が圧倒的過ぎる。ドスの効きまくった低域激情グロウルボイスの表現力が本当に凄く、徹底して負の感情を日本語詞で叫び上げる。それがただでさえ重く痛々しいサウンドと最高に嵌り、圧倒的世界を描き出す。
 スラッジ色のあるリフから一気にブラストビートで暴走する第1曲「崇高な手」からハードコアの肉体へと訴える粗暴なグルーブが炸裂しまくり、それに加えてBPMを落とすパートでは旋律の美しさを最大限に生かし、のっけから壮絶な物語を描いているし、第2曲「grace the dead leaves」は訳5分の今作では一番分かり易いアプローチをしており、最もハードコア色の強い楽曲に仕上がっているが、それでも楽曲構成はやはり複雑だし、暴力的サウンドスケープから次第に感情を刺激しまくる激情スラッジサウンドに変貌する様は本当に美しくもある。第3曲「reunited with delight」は今作で最も芸術性を感じる楽曲で、最早痛みを描く為のヘビィネス・ハードコア・激情を極めようとしている様にも思える。ツインベースが複雑なフレーズを絡み合いながら生み出し、ギターリフの一つ一つの重苦しい美しさ、何よりもSUGURU氏の最高のボーカルと本当に文句無しだ!



 個人的にはこのバンドの悲痛なる激情は全盛期のSWARRRMに匹敵するレベルだと思っており、痛みとしてのヘビィネスとハードコアを壮絶なるストーリー性で美しく熾烈に描いている。大阪という数多くの猛者を生み出す地から圧巻の激情を彼等は放っている。そして何よりもライブが本当に凄まじく、全てを覆い尽くす漆黒の濁流を生み出す様は圧倒的で泣ける。機会があれば是非ライブも体感すべきバンドだ。3曲入EP音源だが、2013年の重要作品に挙げたい。



■wombscape presents “瞼ノ裏”(2013年7月6日)@新宿ANTIKNOCK

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 7月6日、梅雨明けが宣言されて新宿はうだる様な暑さに包まれていた。そんな日に開催されたのがwombscapeの初企画である“瞼ノ裏”である。Starlingraidとの共同企画である“浄化水槽”やスタジオライブ企画である"籠の中の黒い心臓"等の企画をこれまでも行って来たが、ライブハウスでの単独企画は今回が初であり、集まったバンドもConvergeのオーストラリアツアーのサポートを務めたオーストラリアからの刺客である激重ヴァイオレンスハードコアバンドTHE BRODERICK、THE BRODERICKのジャパンツアーのサポートを務める大阪の激重轟音エクスペリメンタルハードコアことSeek、都内からはDEAFHEAVENの来日公演のサポートも務めたトレモロリフから悲痛なる激情を生み出すisolate、不穏なカオティックさから闇の物語を描くweeprayともう完全に暗黒の方向に振り切れた猛者のみが集結した。梅雨明けの夏の初めに暗黒の宴は開催されたのだ。



・weepray

 暗黒の夜、一発目はweeprayのアクトからスタート。音源の方は愛聴させて頂いてたがライブを観るのは初。先ずは「滅びの碧 終末の詞」からスタート。和の音階と、メタリックなギターサウンドの重苦しさ、スラッジ要素を持つながらも、疾走するパートではカオティックに疾走し、ヘビィなビートと、メタリックさとハードコアと何処と無くエクスペリメンタルな要素も盛り込んだ2本のギター、ハイトーンのシャウトとポエトリーを交互に繰り出すボーカル、複雑な曲展開から生まれる漆黒の物語としての激情を展開。音源よりも更に深みを増した音を繰り出し、アンチを一気に闇に染め上げた。「この手とその手」ではよりカオティックで粗暴なハードコアとしての猛威を見せつけ、一筋縄ではいかないweepray独自のハードコアをのっけから展開していた。25分で3曲のライブだったが、いきなり衝撃的なアクトを見せ付けられ、この時点で今日は最高の夜になるのを確信した。

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・Seek

 大阪からの刺客ことSeek。こちらも初めて観るバンドだったが、ツインベース(しかも6弦と5弦)にギターとドラムとボーカルという異質な編成のバンド。しかしそれ以上に彼等が繰り出す音はもう全てが圧倒的だった。全4曲に及ぶ壮絶なるエクスペリメンタルの領域に到達したハードコアであり、ツインベースが繰り出すグルーブが本当に音圧も凄いし、何よりも重い。ドラムもブラストビートを繰り出したと思えばスラッジな展開を見せるし、ギターの音も悲痛なるメロディを神々しくヘビィに鳴らし、本当にハードコアの枠に全然収まってくれないハードコアだ。彼等もヘビィさから壮絶な激重轟音を生み出し、観る物を圧倒させるバンドだと思うし、何よりもこのバンドはボーカルが素晴らしい。まるで全盛期のSWARRRMに匹敵するであろう、悲痛さと激情をバンドサウンドもそうだけど、ボーカルがそれをダイレクトに生み出し、異次元へと誘っていた。何よりも最後にプレイした楽曲が一番壮大なスケールを持ち、アンビエントさもあり、スラッジさもありな楽曲で、最後の最後はボーカルはクリーントーンで歌い、重々しい世界を生み出しながらも、そこに一つの救いの光が差し込んでいた。まだ東京ではあまりライブをしていないバンドらしいが、彼等の凄みは東京の人間にも十分過ぎる位に伝わった筈だ。また近い内に是非とも東京でライブをして欲しい。

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・isolate

 weeprayにSeekと既に圧倒的なライブが続いているが、ダメ押しといわんばかりにisolateのアクト。今回の面子では一番速いバンドであり、2本のギターのトレモロリフが生み出す美しい旋律と悲痛さを圧巻の音圧とステージで今回も見せ付けてくれた。今回のライブは新曲の方もプレイしていたが、その新曲も凄まじい完成度を誇り、ブラックメタルも飲み込みながらも、激情系ハードコアとしてのダイレクトに痛みを放つ彼等のサウンドがネクストレベルへと到達していたのを実感したし、徹底してメロディアスでありながら、徹底してシリアスで痛みを感じるハードコアとしてisolateはやはり別格のバンドであると実感したし、この日の面子の中で一番直情的なライブだったと思う。静謐さからの暴発、ブラストビートとトレモロリフが生み出す負の音塊、このweeprayとSeekが生み出した空気をこのバンドはまた自分達の物にしてしまっていた。

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・THE BRODERICK

 トリ前はオーストラリアからの刺客ことTHE BRODERICK。昨年アルバムをリリースし、Convergeのオーストラリア公演のサポートを務めた猛者であるが、今回の来日で本格的に日本に上陸!その未知なるハードコアに期待で身が震えたが、はっきり言ってこのバンドのライブは想像以上だった。まず徹底して全てが重い。とんでもない爆音で無慈悲にダークで暴力的なサウンドを繰り出し、特にドラムが生み出すビートのパワーが本当に半端じゃない。メロディアスさなんて完全に放棄して、熾烈なる音塊を常に放出し続けていた。昨年リリースされたアルバムは2012年で最もダークな作品と評されていたらしく、その熾烈さは何かとんでもない事が起きているんじゃないかってレベルだった。ダウンテンポで重戦車の様なグルーブと、2本にギターが繰り出す鉄槌のリフ、更にはConvergeの「The Broken Vow」のカバーという反則技まで繰り出す始末。全身汗だくになりながらとんでもないハードコアを繰り出す彼等の姿に本当に魂を熱くさせられたし、彼等も英語ではあるが、彼等のハードコアに魂を打ち抜かれた人々に感謝の言葉を何度も述べていた。日本ではまだ知名度は無いバンドかもしれないけど、今回の来日公演で多くの人々の脳髄に彼等のダークさとヘビィさを極めたハードコアは焼きついただろうし、これから日本でも彼等の猛威は広がっていく筈だ!!

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・wombscape

 4バンドが壮絶極まりないライブを繰り出し、既にアンチはとんでもない事になっていたが、最後の最後に今回の主催バンドであるwombscapeが登場。今まで何回もライブを観て来たが、今回のライブは間違いなく今まで観た中で一番のアクトだったと断言する。本当にライブを一つの芸術として体現していたと思うし、SEからステージングまで全て緻密に構成し、しかしそのパフォーマンスは本当に破滅的の一言で、正直に言うと上手く言葉で表せないんだ。SEから始まり、もう1曲目として御馴染みな感じのする「蝕の刻」の時点で、これまで観たライブとは全てが違った。カオティックだとかハードコアだとかそうゆう言葉で収まってくれないアクトだし、全ての音が地獄の様であり、そして美しいのだ。メンバー全員が暴れ狂いながらステージをこなし、ボーカルのRyo氏に至っては完全に何かを取り憑かせている様でもあった。だが後半に入ってからのライブは本当にハードコアすら逸脱していたと思う。2本のギターが繰り出す音は不協和音でありソリッドかつスラッジでありながら、もうあらゆる音を喰らい尽くして、ノイジーな轟音を異形さを加速させながら放ち、そして壮大なる負の物語を圧倒的スケールで描く。時に暴発するパートはハードコアであるかもしれないけど、でも彼等はハードコアバンドであるという認識は今回のライブで本当に良い意味で覆された。彼等は完全に音楽を芸術として放つバンドだと思ったし、約30分程のライブで一つの壮大な芸術作品を描く様なライブをしていた。もちろん圧倒的エネルギーを放っていたし、今回のライブで出せる物は全て出し尽くすという気迫もあった。本当に最後の最後まで観客の拍手は無く、曲間ですら観る物は完全にwombscapeの世界の住人になっていた。そして最後の最後に本当に大きな拍手が起き、エンディングのSEが終わり、客電が点きBGMが流れ始めてもアンコールの拍手は鳴り止まなかった。しかしアンコールは無しで、本当に出せる物は全て出し尽くした壮絶かつ全身全霊のライブだった。本当に現実にいないんじゃねえかってwombscapeのライブを観てる時は思っていたし、壮絶なる4バンドに対して最高のライブで彼等は応えていた。

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 今回のwombscapeのライブハウスでの初企画はその面子の凄さもあったし、本当に日本の新たなダークサイドの音を一度に体感出来るイベントだったと思うし、本当に多くの人々が集結していたと思う。全5バンドがそれぞれのやり方で漆黒を生み出し、本当に殺り合うという言葉が一番相応しいイベントだったと思う。僕の考えなんだけれども、こういったバンドやシーンやイベントが単なるアンダーグランドな物で終わって欲しくないと心から思うし、本当にそれぞれのバンドが自らの信じるやり方で凄い物を生み出そうとする気迫があり、それを本当に多くの人々に伝えようと努力している。だからこそ少しずつになってしまうだろうけど、それでも一人でも多くの人々がジャンル云々は関係無しに、もっとライブハウスという現場で、凄まじい音を楽しんで欲しいと心から思うのだ。今回の企画もそうだし、もっと少しでも多くのフリークス達が現場に足を運んで、その音を楽しんでくれたらなって僕は思う。少なくても今回のwombscapeの企画は本当に最高の企画だったと思うし、これからもこういった企画を続けて欲しいと心から願っている。
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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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