■2014年03月

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■Y sembrarán los campos de odio/Hongo

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 SL'S3、,Madame Germen、Nashgulのメンバーによって結成されたスパニッシュネオクラストの重要バンドのメンバー達によるHongoの2011年リリースの2ndアルバム。1stの方はまだ未聴ではあるけど、今作で聴かせる音は疾走感を完全に捨て去りながらも、それでも痛々しい悲痛さとメロディアスさが充満し、曲も練り込まれていながらも、同時に荒々しく洗練されない格好良さを持つ作品だ。



 今作を聴いて先ず感じたのはそれぞれのメンバーが在籍していたバンドの長所を良い具合にミックスした作品だと言う事。前述した通り、曲はミドルテンポの曲ばかりだし、ハードコアらしい疾走感では無くて、腰をずっしりと落ち着けたビートを機軸にした音だと言える。かと言って決してポストメタル化したバンドだとは言えない。最終曲以外の楽曲は3分台、4分台と結構コンパクトな作りになっている。しかしその音の重厚さや深みはポストメタル的でもあるし、同時にそれでも洗練されない荒さがまたナイスなのだ。
 盤を再生しナレーションのSEが終わった瞬間に入ってくるのは、哀愁のギターフレーズ、のっけから泣きの要素が全開で、同時に低域で痛々しい叫びを聴かせるボーカルがまた悲痛さとシリアスさを加速させている。割とやっている事自体はシンプルだったりする印象もあるけど、しかしながらミドルテンポのグルーブを生かして、重みと深みと痛々しさを強く感じさせるギターフレーズのセンスは本当に素晴らしいし、叙情性を持ちつつ、荒々しい音質ながらも、確かな芸術性と美学を感じさせ、ドラマティックに展開される楽曲は本当に素晴らしい。SL'S3の持つ痛々しくシリアスな激情とMadame Germenのメタリックなメロウさの融合は見事に果たした音は正にスパニッシュネオクラストのそれであるし、しかしその先を行こうとする意思を強く感じるし、より悲痛さを増したシリアスな緊張感は本当に研ぎ済まされている。楽曲自体はアグレッシブに展開する訳じゃないんだけど、それでもここぞという所でトレモロギターの轟音が入り込むニクさだったりもそうだし、メロディで見事にドラマティックさを描いていくのだ。第2曲「máquinas de tortura」は今作の楽曲の中では若干ではあるけど疾走感を感じたりもする楽曲だけど、重みと深淵さはやはり凄いし、今作で唯一少し長めの最終曲「desierto de cenizas」のポストメタル的美学と複雑な構成を持ちつつ、常に泣きのフレーズが登場し、メタリックなギターフレーズがミドルテンポで押し寄せ、そして新たな痛みを生み出していく様は美しくすらある。



 全5曲の中で見せる悲痛さはメンバーがこれまで在籍していたバンドの中でも特に強く、深くゆっくり堕ちていく感覚すら覚えるし、しかしより増幅した泣きのフレーズをミドルテンポで描いていく美しさ、そしてあくまでもロウな音でより精神世界の奈落感を生み出していく方法は、ネオクラストの言葉では片付けられない。他のポストメタル化してバンドもそうだけど、既存の方法論を捨て去り、自らの美学を追及し、しかしその核は絶対にブレてないし、それが最高に格好良いのだ。分かりやすい疾走感は無いし、好みは少し別れる音かもしれないけど、ネオクラストを超えた悲痛なる音は一聴の価値は十分にあるし、この音がこれからどう進化するかも楽しみだ。



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■AMADEUS(2014年3月23日)@国分寺MORGANA

 エクストリームノイズコアバンドENDONとエクスペリメンタルサイケデリックヘビィロックバンドBOMBORIの共同企画は正に事件だったと思う。ENDONとBOMBORIという全くタイプの違う最果てのバンドの共同企画だからどんな面子が集結するかと思ったら、それが遥か想像の斜め上の猛者ばかりだった。各所で今話題を集めているSEX VIRGIN KILLERのmasa氏のソロ。ハードコアから極悪ドゥームを放つZECOCIDE、Optrumの伊東篤宏氏とDJ MEMAI氏のコラボレーション、そして止めはまさかまさかのキングオブノイズこと非常階段!!これはライブイベントを超えた事件であり、この日はもうモルガーナ以外に選択肢は無かった。そして想像を超える新次元の宴が始まった。



・ENDON

 先ずは主催バンドの一つであるENDONのライブからキックオフ!!これまでの様な暴力的なパフォーマンスはどうやら封印したらしくて、安心して最前でライブを観たけど、このバンドはそんなパフォーマンス抜きにして音だけで暴力を放つバンドである事を再認識した。そもそもメンバーにノイズ担当が二人もいる時点でおかしい話でもあるのだけど、誤解を恐れずに言えばENDON以上にノイズとハードコアを分かりやすく融和させたバンドはいないし、あくまでもヴァイオレンスなハードコアを機軸にしながら、それを極端なまでにノイジーにして放つのがENDONというバンドだと僕は思っているし、ストロボの連続の中で、ノイズの洪水の中でまたまた暴力的なビートと叫びがうずまく様子は、ハードコアの持つ暴力性をあくまでも音のみで追求しているからこそ生み出せる物だし、ENDONはその音だけで観る物を蹂躙するバンドになったと俺は思うんだ。フロアも中盤からモッシュが発生する大きな盛り上がりを見せていたのがその証拠だし、ハードコアとノイズを繋ぐ架け橋としてENDONは非常に有効なバンドだし、その暴力性を極限まで追求したライブは本当にノイズの惨劇だったのだ。のっけから完全に殺された!!


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・ masa(SEX VIRGIN KILLER)

 お次は各所で話題を呼ぶ古き良きV系の追求者であるSEX VIRGIN KILLERのmasa氏のソロ。どんな事をするのか全く想像が出来なかったのが正直な所なんだけど、それが想像の遥か斜め上のライブだった。内容はギターを持つmasa氏とアンビエントなノイズを出す人とのコラボレートで、ギターとアンビエントのみのライブと言う物。これが正直に言うと上手く言葉に表せない物で、くぐもったアンビエント音をバックにmasa氏がひたすら歎美なメロディをギターで紡ぎ、エロスを拗らせたボーカルを随所随所で入れていく完全に独自のアンビエントスタイル。良いとか悪い以前に、インパクトがまた凄くて、考える事を放棄するしかないライブではあったけど、SEX VIRGIN KILLERとはまた違ったアンビエントなエロスは十分にインパクトがあった。ライブ自体はあっさり終わってはしまっていたけど、そのエロスの残響を聴かせるライブは、また一つの形としてちゃんと成立していたし、その空気には飲み込まれてしまった。

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・ZENOCIDE

 そして久々にライブを観る事になったZENOCIDEだけど、以前見たライブはギターレスでも圧巻のハードコアドゥームだったんだけど、新ギタリストの加入で4人編成になった彼等は益々極悪なライブをする様になっていた。ただでさえ重低音渦巻く暗黒ドゥームだったのも関わらず、ギターの加入でその音圧と重低音は更に増幅!!しかもサバス的ドゥームではなく、あくまでもハードコアのままBPMを極端に落とし、チューニングを極端に落としているからこその熾烈すぎる音塊。曲も意外とコンパクトだったりするし、ハードコア型ドゥームを極めようとしているZENOCIDEは少し観ない間に更に極悪なバンドになってしまっていた。しかしダウンテンポのグルーブを最大限に生かし、極端な重低音の煉獄を生み出しながらも、それを一つの重戦車的な躍動として生み出すからこのバンドは凄いと思う。激重ドゥームをハードコアバンドとして放つからこそ生み出せたドス黒い音は新たにギターを迎えて、更に凄まじい事になっていたし、このバンドもまた最果てにいるバンドだと再認識させられた。

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・伊東篤宏+DJ MEMAI

 Optrumの伊東氏とDJ MEMAI氏のコラボレート、こちらもどんな事をやるか全く想像が出来なかったけど、ノイズミュージックの新たな形としてのダンスミュージックを目の前で体現していた。ノイズミュージックというと爆音で暴力的なサウンドってイメージが多くの人にあると思うし、Optrumもそうなんだけど、伊東氏はOptrum同様に蛍光灯のサウンドシステムを使い、それをDJ MEMAI氏の音と組み合わせいたけど、くぐもったチルノイズは決して爆音じゃ無かったし、ノイズ音でありながら、2人の出す音はあくまでも必要最低限。しかし変幻自在に音色を変化させながら、あくまでもミニマルに展開される音。しかしそのミニマルさが絶妙なビートを生み出し、揺らぎとしてのダンスミュージックとなっておて、斬新な発想と最小限の音から最大限の効果を生み出していたとも思う。決して派手でも無いし、分かりやすい音でも無いのだけど、その空白と残響音の余韻も、2人の出す音の不穏さも含めて、一つの音楽として完成されていたし、これもまた一つのエクストリームミュージックの形として確かに存在し、モルガーナを揺らしていた。絶妙に踊れるチルノイズの波は最高の快楽を生み出していたのだ。

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・BOMBORI

 そしてもう一つの主催バンドであるBOMBORIへ。スタートからBorisかよって言いたくなる大量のスモーク、そしてスモークの向こうには薄暗い照明が照らすメンバーの姿。先日のおまわりさんとの2マンでも新たな天を切り開くエクスペリメンタルの世界を生み出していたけど、この日のBOMBORIはエクスペリメンタルから新たな奈落を生み出していたのだ。もう何て言うか完全に音で殺しに来ていたのだ。先日のライブ同様に新曲中心のセットで、ハードコアな感触の強い曲中心だったけど、スモークの向こう側から聞こえる怒号。音の色彩を多く感じさせながら、それらの音はイルな感覚に満ちていたし、音が広がり、ツインドラムの躍動が生まれ、グルーブが全てを支配する瞬間は確かに高揚感も凄かったけど、同時に密室に閉じ込められる様な、奈落のに急降下する様なダークさを感じたし、解放としてのサイケデリックを生み出していながら、同時にその解放は地獄への片道切符だったし、終盤で必殺のヘビィグルーブエクスペリメンタル「Granule」のノイジーな音の洪水と、ツインドラムの強靭なるビートの乱打が生み出す絶頂の瞬間すら、どうしようもない密室へと閉じ込められているのに、その中でひたすら拷問されて絶頂するみたいな訳の分からなくなる感覚すらあったし、エクスペリメンタルのノイズもヘビィミュージックもサイケもグルーブも、全てが超越する瞬間に、全員の音が強大な怪物となっていたし、前回のおまわりさんとの2マンの時以上に全ての音が研ぎ済まされ、覚醒していながら、それが全てを喰らい尽くしていた。間違いなくこの日のベストアクトどころか、ここ最近観たライブの中でも郡を抜いて凄まじいライブだったと思う。世界よ!!これが本物のサイケデリックだ!!

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・非常階段

 そして最後はまさかのキングオブノイズ!非常階段の登場。編成はJOJO氏にKYOKOさんに、他にノイズ担当の方とドラムの人という4人編成の想像より人数は少なかった。しかしBOMBORIの凄まじいライブに応える様に、非常階段は原始的なノイズの暴力で全てを出し尽くしていたと思う。もう一発目のJOJO氏のノイズギターとKYOKOさんの叫びだけで完全にブチ殺されたし、シンプルな編成だったからこそ、暴力的なノイズの快楽だけで勝負する音は熾烈極まりないし、本当にノイズでしかないのに、圧倒的快楽を同時に見せ付けてもいたのだ。性急に叩き出されるドラム、空間を埋め尽くすノイズに、JOJO氏があくまでもロックの感覚を持ちながら、それをやはり強烈な鼓膜を破壊する兵器にしてしまったノイズギター、KYOKOさんの狂気的な叫び、たったそれだけ。たったそれだけでキングオブノイズの本領を発揮し、耳を破壊する熾烈さもありながら、ロック・パンク・ノイズの破壊衝動を聴き手に快楽として叩き付けていたし、もう余計な事なんて考える必要も無かった。JOJO氏はギターを破壊するパフォーマンスもしなかったし、ライブも20分であっさりと終了してしまったけど、たった20分のノイズ地獄、そしてそれが終わった瞬間にやっと殺されてる事を自覚するみたいな感覚。余計な言葉や理屈もいらない!!キングオブノイズはその音だけで全てを証明したのだ。もう凄すぎた!!

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 非常に情けない個人的な話なんだけど、この日のライブはライブ前にサイゼで畜生ワイン飲んで、モルガーナでも転換の度にバーで酒を頼んでいて、非常にベロベロに酔っ払いながらライブを観ていたので、いつも以上にまとまりも内容も無いレポになってしまって申し訳無いのだけど、しかし酒でベロベロになった頭にそれぞれの出演者が放つ、エクストリームミュージックは本当に絶大で、強烈極まりない音が脳髄を蹂躙しまくり、最高に楽しかったし気持ちよかった。この日の国分寺はノイズとエクスペリメンタルの地獄でもあった、しかし同時にそんな音を愛する人々からしたら間違いなく楽園でもあったのだ。こんなイベント今後滅多に無いだろうし、僕の中ではどんなに泥酔してライブを観ていたとしても、一生記憶に残るイベントになったのである。
タグ : ライブレポ

■Abalam/Hexis


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 この日本でも(ごく一部で)人気を集め始めているデンマークの暗黒ブラッケンドハードコアバンドであるHexisの2014年リリースの満を持しての1stアルバム。リリースはHalo Of FliesとMusic Fear Satanでの共同リリース。しかしこれがとんでもない作品だった。凄くベタな言い方をすると本当に漆黒の濁流が容赦無く襲い掛かり、鼓膜を破壊する激烈音。これはまた新たなエクストリームミュージックの悪魔が生まれてしまったようだ。



 バンド自身がCelesteから影響を受けている事も公言しているし、ブラッケンドハードコアでありながらブラックメタルやスラッジとも見事にクロスオーバーし、各音楽の特に危険な部分を抽出して掛け合わせた結果生まれたのが今作であり、本当に箸休めの時間なんて全く無い地獄音のみで構成された楽曲は確実に聴き手を選んではしまうだろうけど、その手の音が好きな暗黒エクストリームフリークスからしたら悶絶必至だろう。Celesteが持っているスラッジな漆黒の濁流をブラックメタルなトレモロリフを取り入れ、更に速くしてみましたみたいな音だし、Celeste同様にそれぞれの楽曲でやっている事は正直あんま変わらなかったりするけど、トレモロと叫びのSEである第1曲「Faciem」から既に何かとんでもない事が起きそうな予感しかしないし、第2曲「Tenebris」で本編が始まるともうただの地獄だ。激重激烈のトレモロの濁流と高速でありながらとんでもない重みを持つビートが耳をレイプし、あらゆる負の感情を吐き出す様なボーカルが更に熾烈さを加速させる。絶妙にブラッケンドハードコアなパートとスラッジなダウンテンポのパートを交互に繰り出し、速さと重さという極端さを行き来しながらも、その音の色彩は常にドス黒く、メロディアスなんか完全に放棄した陰湿で残忍な音を無慈悲に繰り出している。バンドの音自体の馬力もかなり凄いけど、肉体的に訴えるというより、強靭さと陰鬱さは精神攻撃だし、ほぼノンストップで繰り出される楽曲は完全に拷問すら放棄して殺しにしか来ていない。こんな激烈音、鼓膜に入って来た瞬間に即死確定なのに、それをやり過ぎなまでに徹底して放ってくるのが今作の凄い所だと思う。そしてそんな楽曲が12曲も繰り出され(インストの曲も中盤にあるけど、それでも破壊力が全く衰えないし極悪)、最後の最後に待ち構える最終曲「Inferis」にて、これまでの楽曲でも取り入れてたスラッジ要素に特化した9分にも及ぶ暗黒スラッジで聴き手は粉微塵になって死ぬ。這いずるドス黒いリフの残響音と、とにかく重い推進力を放棄したビートが生み出す奈落の奥底を体現したみたいなスラッジは今作の地獄巡りのエンディングに相応しいし、本当に重くて深い。



 ブラッケンドハードコアとブラックメタルとスラッジの闇鍋的な作品でありながら、その研ぎ澄まされた激烈音は完成度も高いし、徹底して漆黒の美学が貫かれた音は他のバンドとは明らかに違う物になっている。ハードコアとして聴くには快楽的な音では決して無いかもしれないけど、負の方面に振り切ったクロスオーバーサウンドは聴く価値があるし、暗黒音楽の虜になってしまった人々は絶対に外してはいけない一枚だろう。また今作を含めたHexisの作品はbandcampページにてname your priceで購入可能となっているし、盤で欲しい人は3LA(僕は3LAでLPで購入)辺りで購入可能だ。



■STORM OF VOID/STORM OF VOID


STORM OF VOIDSTORM OF VOID
(2013/11/27)
STORM OF VOID

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 ダイロク氏(envy)、ジョージ氏(TURTLE ISLAND)、トク氏(ex.FC Five)という余りにも豪華すぎる面子から成り立つ3ピースによる新バンドSTORM OF VOIDの2013年リリースの3曲入1stEP。リリースは勿論SONZAI RECORDSから!!この3人がどんな新しい音を放つかは全く想像出来なかったが、これが完全にインストのポストメタル・スラッジ・プログレッシブメタルというメンバーそれぞれのキャリアを良い意味で裏切る音でびっくりした。重低音が生み出す快楽がとにかく半端じゃないのである。



 完全に3ピースというシンプル極まりない編成でありながらこのバンドの音はとにかく熾烈だ。8弦ギターによる重低音がとにかく凄くて、同時に地を這うベースもバキバキに歪みまくった音を放ち、ダイロク氏は重厚な重みのあるドラムを複雑に叩きこなし、3人の音が正面衝突し、一つのカタルシスを生み出している。ポストメタルでありながらも曲が割とコンパクトだったりもするし、非常に聴き易さがあったりもするけど、とにかくスラッジな音が重厚に放たれていく様は圧巻の一言。しかもこのバンドの音は単なるスラッジ・ポストメタルサウンドで終わってないのは第1曲「ICE LUNG」を聴けば一目瞭然だろう。基本的にはスラッジなリフと重厚なダウンテンポのビートを機軸に曲は進行していくのだけど、そのリフのキメの入れ方だったり、ビートのキメの入れ方は練りに練り込まれていて、非常にプログレッシブである。スラッジを機軸にしながらもメンバー3人の個々の高い演奏技術を生かし。スラッジ・ポストメタルからプログレッシブメタルへと接近した音は多くのポストメタルバンドの中でも独特の感覚があるし、PelicanやRussian Circleといったバンドが持っている緻密な構築美を感じさせながらも、深みがありソリッドな音の応酬で攻めまくっているし、メロディアスさやリリカルさといった方向には走らないで徹底してドス黒いスラッジサウンドで武骨に攻める!!曲の中盤とかに一気にBPMを速めてプログレッシブなフレーズの乱打からストーナーでサイケデリックなソロまで見せつけ重低音から生み出すトランス感覚を発揮していく。
 第2曲「SILENT EYES」は約5分の割とコンパクトな尺の楽曲でありながら、ソリッドなリフの応酬の重戦車から始まり、それらのフレーズの反復から少しばかりメロディアスなフレーズを盛り込んでくるニクさ。徐々に美的センスを感じさせるスケールの広大さをアピールしたかと思ったら、曲の中盤から怒涛のドラムの乱打と極太極悪のベースのグルーブとカオティック成分を持ちながら叩きつけられていくスラッジリフが最高に気持ち良くて昇天必至だ。第3曲「HULLUCINATE REALITY」は今作でも一番重厚なスラッジ絵巻で、合間合間に複雑なフレーズを盛り込みながらも極限まで音を削ぎ落とし、重低音の残響を聴かせる這いずる音のダークさ。基本はスラッジなのに合間合間にプログレッシブになり聴き手を見事に焦らすパートもありつつ、最後の最後にポストメタルな叡智を見事に生かし、ドラマティックなクライマックスを迎えていくのは本当にお見事の一言だ!!



 単なるポストメタルではなく、単なるスラッジではなく、独特のプログレッシブ要素を盛り込み、独自の音を展開している今作だが、その重低音のグルーブはやはり圧巻であるし、それは先日初めて拝見させて頂いたライブでは更にとんでもない事になっちまっていた。極悪のドス黒い濁流と共に放たれるプログレッシブスラッジ絵巻は重厚かつ極悪だし、たった3曲入ながらもSTORM OF VOIDというバンドの凄みを実感するには十分過ぎる作品だ。



■cosmicnote10(2014年3月16日)@代官山UNIT

 ENDZWECKのドラマーである宇宙氏が主催するレーベルcosmicnote、そんなcosmicnoteの10周年パーティ(厳密には今年10周年では無くて、既に10周年は迎えていたらしいが)、お洒落タウン代官山を揺るがす本当にデカいパーティとなった。代官山UNITとUNIT内のカフェであるUNICEを使用し合計3ステージ、合計23バンドにも及んで一日中爆音が流れる最高に熱いパーティとなった。出演バンドもcosmicnoteからリリースしているバンドは勿論、してないバンドまで本当に幅広く、正に十周年を記念するに相応しいパーティだったと思う。イベントもフェス方式だったから全バンドを観るのは勿論不可能だったけど、僕自身が観たライブも結構なバンド数だったし、少し駆け足になるけど、今回の祝祭の一部始終をここに記します。



・ENDZWECK

 トップバッターはUNICEにてcosmicnote主催の宇宙氏がドラムを叩くENDZWECKから。ライブ時間はたった20分程だったかもしれない。しかし相変わらず速くて強いけど、メロディアスで魂を揺さぶるハードコアは健在だったし、キャッチーさもありながらハードコアバンドとしての熱さに溢れ、モッシュ・クラウドサーフ・シンガロングと客とステージを作り上げていく様子は最初からcosmicnoteの真髄を見せられた気分になったし、そのボルテージは正に最初からクライマックス!!ストレート極まりないサウンドだからこそ、真摯だし、何度も何度も拳を突き上げたくなるハードコア。イベントのトップバッターでありながら貫禄に満ちていたし、何よりもその熱いステージで観客の熱量は既に最高潮!!今回の長丁場のイベントのスタートを最高の形で切り、そして続く多くのバンド達のライブにその熱さを伝染させていったし、やおぱりENDZWECKって代えのいないバンドなんだなってアホみたいに単純で当たり前な事を思った。



・GRIND SHAFT

 ライブを観るのは実に4年振りとかだったんじゃないかな。しかし4年振りに観ても抜群に格好良いハードコアを展開していたと思う。今回のイベントはどっちかというとニュースクール寄りのハードコアのバンドが多かった印象を受けるけど、その中であくまでもオールドスクールなハードコアの格好良さで勝負し、それと同時に枠に嵌らない音を展開するGRIND SHAFTのライブはやっぱり格好良いし、ドスの効いた音で攻めに攻めまくりながらも、メンバー自身がライブを心から楽しんでいるのが伝わって来たのも凄い良かった。ハードコアパンクとは自由であり続ける事をGRIND SHAFTはライブで見事に証明しているし、こんなに自由に解き放たれたハードコアを食らったら観ているこっちも凄く楽しいに決まっている!!4年振りに観たライブも相変わらず抜群の格好良さだったし、何よりも心から楽しいライブだった。


・akutagawa

 こちらもライブを観るのは2年半振りと本当に久々になってしまったakutagawaのライブ。しかしこのバンドも暫く観ない内に本当に堂々としたライブをするバンドになったなあ。ポストロック等を通過し、非常にエヴァーグリーンで叙情性強いサウンドが彼等の魅力だけど、それを丁寧かつドラマティックに描いていくライブは以前観た時以上にスケールが拡大していたし、本当に懐の大きなバンドに進化したと思う。楽曲こそは長尺ながらも徐々に熱量を高めて、歌から叫びへ、静から動へ。見事に展開される確かなドラマ。確かに心に響き渡って来たし、その激しくも美しい激情は神々しさすらあったよ。


・killie

 UNICEに移動して今回特に目当ての一つだったkillieのライブへ。音出しでまさかの「体脂肪と戦う」をプレイするというサービスに一気にボルテージは高まりライブ本編へ。この日のkillieはいつも以上に更にアグレッシブさが際立っており、ライブ本編はいきなり「落書きされた放置死体」!!!!!その時点で瞬間の暴発としてのハードコアとしてのkillieが大爆発!!更に先月のアンチノックのライブでもプレイしていた「掲示板を埋め尽くせ」は複雑に展開しながらも、静謐さを放棄し、アグレッシブに必殺のキメとソリッドな音の連続でカタルシスにカタルシスを重ねていく名曲だし、そこからまさかの「契約解除」!!複雑かつ変則的に展開しながらもハードコアな殺傷力で殺すkillieというバンドの強さが今回のライブでは特に強く感じたし、最後にプレイした「歌詞は客の耳に届かない」はよりスリリングな緊張感を生み出し、怒りというフィルターを通過しているからこそのシリアスさが音にもダイレクトに表れていたし、その不穏さを更に膨張させながら、蛍光灯の照らすステージの上で繰り出される断罪の数々。本当にkillieというバンドのステージングは研ぎ澄まされているし、完成されている。そんな事を改めて実感させられたよ。



・STORM OF VOID

 メインステージに戻ってenvy、TURTLE ISLAND、ex.FC FIVEのメンバーによる3ピースSTORM OF VOIDのアクトへ。これが本当に凄かった。音楽的にはインストのポストメタル・スラッジサウンドなんだけど、とにかく圧巻の激重野「グルーブ!!基本は8弦ギターのスラッジなリフで進行し、圧殺のサウンドで完全に殺しに来ているんだけど、そのリフとダウンテンポのグルーブの反復が最大限の快楽を生み出す。白熱電球のライトのみがステージの3人を照らしているのも、バンドのストイックな空気を更に増幅させるし、3ピースのシンプルで研ぎ澄まされたアンサンブルでありながら、時に複雑な展開を見せるし、その美意識はかなりの物。更には時にはBPMを上げ、ギターがサイケデリックなフレーズをかまし、独特のトランスする感覚を生み出し、大地の躍動からサイケデリックな磁場を生み出す瞬間はカタルシスに溢れ、脳髄を粉砕しながら、その極限の重低音で新たな世界を切り開く。全4曲、MC全く無しのストイック極まりないステージだったが、その激重のグルーブとアンサンブルによるスラッジな世界はこの日のベストアクトと呼ぶに相応しい物だったし、海外のその手の音楽性の猛者にも全く負けてなかった。凄いライブだったよ。



・weave

 直ぐにUNICEに移動して今度は横須賀のweaveのライブ。昨年リリースした1stアルバムは昨年を代表する名盤だったけど、このバンドは暫くライブを観ない内に本当に大きなバンドになったと思う。やってる事自体は凄いシンプルにUSエモ直系の音なんだけど、曲の完成度の高さは勿論だけど、本当にバンドの音に凄く説得力が加わったと思う。基本的に歌を重視して、その歌を生かすサウンドなのに、よりアグレッシブさとダイナミックさを手に入れたアンサンブルはバンドの成長を強く実感したし、それは1stアルバムのリリースというバンドにとっての確かな一歩があったからこそだし、これからを強く感じる新曲はそんなバンドの成長を更に強く感じる名曲だった。でもハイライトは終盤にプレイした1stの名曲「let me alone」、そして最後にプレイした「into the everyday life」だろう。この2曲の名曲はweaveにとって本当に屈指の名曲だし、何度も何度も涙腺が緩くなった。このバンドはもっと大きなバンドになると思うし、グッドメロディと歌だけでなく、全霊で繰り出すライブは是非一度体感して欲しいと心から思う。



・the north end

 サブステージへと移動してthe north endのライブへ。ライブを観るのは丁度一年振り位だったかな?とにかくこのバンドはエモというフィルターを通過し、ポエトリーなボーカルで放たれる言葉と、美戦慄の轟音が織り成すライフストーリーであるし、叙情的なメロディーを最大限に生かし、シューゲイザー・オルタナティブ・ポストロック・ポストハード子を飲み込み、しかしそのどれとも違う音を放つ。全ての言葉がダイレクトに伝わり、轟音と屈強なビートと共に生み出される激情は聴き手を完全に殴りに来る。何でこんなにヒリヒリとして焦燥感に溢れた音をこのバンドは生み出せるのかと凄い思ったし、この言葉で上手く言い表せないけど、本当に言葉も音も全てが心に訴えてくるし、だからこそthe north endは本質的にエモであり続けているのだと僕は思っている。そのライブはやはり圧倒的な情報量と共に描く一つの物語であり、一つの生活を音にしているのだ。この日のバンドの中でも屈指の感動を与えてくれたし、the north endも代えの無いバンドであり続けているのだ。



・noy

 ライブを観るのを心から楽しみにしていたnoy。cosmicnoteから昨年リリースされた1stミニアルバムが凄く良くて、ライブを観たかったバンドなんだけど、感情としてのハードコアはライブでこそ真価を発揮し、疾走感に溢れるサウンドのタフネス。日本語詞で放たれる感情の濁流。短い尺の中で何度も感動的になる瞬間をドラマティックに描き、繊細でありながらタフネスであり、シンガロングパートでは多くの観客がマイクに飛びつき叫びまくる!バンドが放つ熱量が観客にもダイレクトに伝わり、そして観客もレスポンスを返すという理想的なハードコアバンドのステージングをこのバンドは既に完成させているし、ソリッドでありながらも瞬間の感情の暴発をライブで見事に表現し、圧倒する。何よりもメインステージのフロアとの高低差なんて関係ないとばかりにフロアとステージの境界線を破壊し、モッシュやクラウドサーフやシンガロングによって観客もnoyに応え、バンドだけじゃなくて観る人々と共に作り上げるステージは本当に熱かった!!cosmicnoteの遺伝子を継承した若手バンドの底力を確かに見たし、止まらない激情のライブは心を確かに突き刺したんだ。



・MILKCOW

 いよいよイベントも終盤に入りお次はMILKCOWのライブだったけど、もう結論から言うといつも通りのMILKCOWのライブ。しかしUNITという大きなハコだったからこそ更に滅茶苦茶な自由さが際立つライブだったと思う。サブステージでのライブだったのに、鶴川さんは頭にストッキングを被ってメインステージから登場。勿論いつも通り適当に叫んでマイクを投げ捨てると言うパフォーマンスをいきなり繰り出す。しかしこのバンドは鶴川さんは勿論だけど、他のメンバーも自由にライブしまくりながらも、一つのステージとして力技で完成させてしまうのは最早ベテランだからこその貫禄が成せる技なのだろうか。弦楽器隊の二人もセッティング中のメインステージに飛び移普通にライブやっちゃってるし、鶴川さんは最終的にはハコの後ろの方の高いスペースによじ登ってしまうし(フロアの裏の方に小さい二階席みたいなスペースがあった)、この広いUNITですら狭いとばかりに縦横無尽に暴れまわるMILKCOW。曲は相変わらず安定の格好良さだけど、鶴川さんは相変わらず転げまわるし、ちゃんとボーカルしないし、MCで「俺達がSTORM OF VOIDだ!!」とか言ってしまうし、もう完全に自由なハードコアパンクのエンターテイメントショウ。勿論フロアも大盛り上がりで、大人の悪ふざけが全開なライブは多くの人を爆笑と歓喜で包み込み、一つのショウとしてある意味完璧だった。



・ENSLAVE

 そして最後はUNICEに移動してENSLAVEのライブ。これがもう完全に光速熱血激情の全てを出し尽くす白熱のライブだった。とにかく速いし、しかし最高にメロディアスでドラマティックだし、何よりも男女ツインボーカルが織り成す魂のメッセージとしての絶唱の激突、それらが生み出す膨大なエネルギーが巻き起こすビッグバンは、この日出演していたバンドの中でも最強だったし、フロアは完全に暴動!!JEEP氏もPG嬢も何度もフロアに飛び出して熱い叫びを聴かせてくれたし、ツインギターが光速で織り成すリフの応酬が暴れ狂い、光速でクラスティなビートとグルーブも最早激情を全身全霊で繰り出し、ノンストップで何度も何度も爆発を起こすハードコア!!もうこのバンドにはあらゆる理屈なんて必要無いし、ハードコアバンドとして本当に大切な物しかないし、それだけで戦っているんだ。JEEP氏は「俺達は魂の反逆者、俺達は魂の探求者。」と言っていたけど、ENSLAVEの音は人を興奮でおかしくさせるだけでなく、全身全霊のボーカル・サウンドで聴き手に戦いを挑み、そして全身全霊で聴き手に訴えるメッセージを放っている。だからこそこのバンドのライブは毎回毎回とんでもない狂騒を生み出すし、観る者も全力でそれに応えるんだと思う。ほぼノンストップで繰り出される激情の嵐は何度見ても感動的だし、本当にENSLAVEというバンドは特別なバンドなんだ。魂の完全燃焼しか無かった!!



 ここまで駆け足でレポを書かせて頂いたけど、改めて10年以上にも渡ってcosmicnoteというレーベルが続いて来たという意味はシーンにとって本当に大きいし、代官山UNITという決して小さくないハコに多くの人々が集結し、10周年を祝うに相応しい盛大なる盛り上がりを見せた素敵なパーティだった。改めてこれからもcosmicnoteという素晴らしいレーベルの今後益々の発展を心から願うと同時に、cosmicnoteはこれからもシーンにとって不可欠なレーベルとして存在していくと信じている。
タグ : ライブレポ

■Self Made Maps/Stop It!!

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 ヴァージニア州リッチモンド出身の激情ハードコアであるStop It!!の06年リリースの9曲入アルバム。city of caterpillarのメンバーも在籍しているらしいこのバンドなんだけど、これが本当に言葉で例え様の無い独特の激情系ハードコアであり、それが滅茶苦茶に格好良いのだ。シーンの隠れ名盤的作品だと思う。



 本当に一概といってこれって例え方が出来ない作品ではあるけど、一番感触として近いのはOff Minorだと思う。しかしOff Minorとも違うし、本当に上手い言葉でその音楽性を表す事が出来ないバンドなのだ。第1曲「Maybe She's Born With It」から冷徹なフレーズと絶妙に外した拍の数々、鉄の振動を感じさせるギターの感触も、機械的な冷徹さを持つビート、不協和音のギターフレーズと硬質のビートの絡み合いが見事でありながら、そのひんやりした感触の奥底にあるエモーショナルさ、数多くの必殺のキメを繰り出しながら進行していく楽曲が生み出す熱さが非常に魅力的だ。特に第2曲「Name + Number」は今作でも屈指の名曲で、人力マシンビートなドラムと、不穏のアルペジオの反復が生み出す不穏さが渦を生み出し、それなのに妙にメロディアスさを生み出しているし、少しヘロッとしたボーカルから感じる謎な歌心、特に終盤の轟音フレーズを入れ込んできてから転調して楽曲のテンションを一気に変えて、COWPERS辺りを彷彿とさせるタッピングのフレーズの嵐と共に一気に激情で畳み掛けてくる瞬間は鳥肌物の格好良さだ!!
 本当に上手く言葉で表せないけど、静と動の使い分け、不穏さの中のメロウさ、鉄の音から感じる熱さ、ある種の相反する要素が必然として存在しているし、上がっている様な落ちている様ななんとも言えない感覚、その音は確かにUS激情のそれであるのに、その枠組みに当てはまってくれなさ。それらが持つ中毒性は本当に凄い。第4曲「A Clever Play On Words」はインストでありながら、揺らぎのアルペジオのフレーズが耳に残り、静かに高まっていく哀愁が本当に堪らないし、その悲哀には涙が溢れそうになるし、一転して第5曲「Remove Your Teeth」はカオティックなフレーズのストップ&ゴーから不穏な轟音の濁流へと雪崩れ込み、不穏の音の乱打を見せながらも、それでもやっぱり歌心溢れるボーカルが呼び寄せる悲哀はなんなのだろうか。今作でも屈指の痛々しい激情を爆発させる第6曲「S.S. Betrayel」、そのアンサンブルの奇跡的な組み立て方もスリリングさも見事な第8曲「Here's To New Shortcuts」、そして燃え上がる寸前のタンションのまま燃え尽きていく様な最終曲「Beethoven's Funeral」の一つの断罪の音、そのどれもが素晴らしく、そしてくすぶりながらも燃え落ちる様な激情は本当に唯一無二だ。



 Off Minorやkillie辺りのプログレッシブな要素を持つ激情が好きな人や、LEVEL PLANEのバンドが好きな人には是非ともお勧めしたい作品だが、それらのバンドとは全く違う音を放っているし、US激情の流れにありながらどうしてこう突然変異してしまったのだろうか。本当に例え様の無い変則性を持ちながら、独自の熱量を生み出しているStop It!!。このくすぶり燃えるエモーショナルさは確かに胸を焦がすのだ。最高に格好良い。



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■Mappō/Sed Non Satiata

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 ちゃんと去年聴いてたら間違いなく年間ベスト上位に入れていたのに!!数多くの素晴らしすぎるバンドを多く輩出しているフレンチ激情だけど、その中でもDaitroともスプリットをリリースしており、Daitro同様にフレンチ激情の最重要バンドの一つとされているSed Non Satiataの2013年リリースの最新アルバム。こちらも傑作だった前作のS/T作品の流れを受け継ぎながらも、よりアグレッシブに、しかしより洗練され深みを増した現在のフレンチ激情でも屈指の完成度を誇る作品となっている。



 多くの繊細な旋律を生かした激情系バンドの様な疾走感は今作には無くて、楽曲はミドルテンポで進行する楽曲ばかりなのだが、その美麗の旋律を生かし、絶妙に歪みながらもドラマティックに徐々に突き抜けていく楽曲は確かなアグレッシブさを持ち、静謐なパートを生かしながら、その中で熱量を高めて時に爆発力の高さも見せる楽曲構成の完成度の高さが非常に際立つ作品。分かりやすい激情パートこそ少ないのかもしれないけど、そのメロディも構成も圧倒的な完成度を誇り、確かな説得力を持っている。
 のっけから重心の効いたミドルテンポのビートと美旋律の轟音と叫びが炸裂する第1曲「Extrospection」から分かりやすい疾走パートこそ無くても、その破壊力は十分だし、美麗のアルペジオの旋律と轟音ギターが楽曲を構成し、緊迫感と共にアンサンブルを構築していく美しさは堪らない。決してポストロック方向に振り切るのではなくて、あくまでもハードコア的粗暴さを持ちながら、アグレッシブに展開しながらも、同時にクリーンな旋律も聴かせてくるあたりが、このバンドの手腕の凄みを感じる。複雑に楽曲は展開していくけど、同時にドラマティックなエモーショナルさを放出しているし、ひんやりした緊張感の中の確かな熱さは見逃せない。第2曲「Sehnsucht」はよりエモーショナルな旋律と歌を聴かせる渋さに満ちた逸曲で、暴発するサウンドと共に泣きの轟音が感情を殴りにかかってくる、楽曲の構築美や完成度の高さもあるけど、ポストロック方向に行かなかったからこその、美しい泣きが直情的に押し寄せてくるし、それはSed Non Satiataの大きな魅力だし、それが今作では更に研ぎ澄まされているのだ。一方でインディロック的な完全に歌物になった第3曲「San Andrea」のクリーントーンで進行しながらも美旋律のエモーションが炸裂する様はバンドが新たな扉を開いた瞬間でもあると思う。
 作品も後半に入るとアグレッシブさ以上に、より聴かせる楽曲が目立つ。第5曲「Entropia」の静かに、でも確かに上っていくドラマティックさ、決してクリーンな方向に振り切らず、美しさの中から確かな歪みも見せていく様もナイスであるし、ミドルテンポのビートを生かし、断罪の様にアグレッシブなフレーズと叫びが生み出す悲哀が背筋をゾクゾクとさせ、中盤の美麗のアルペジオから爆発するドラマティックさを見せる第6曲「Nemesis」は今作の中でも特に気に入っている曲だし、8分にも及ぶクライマックスである最終曲「Soma」の幻想的な揺らぎから徐々にその旋律の熱量を高めて、最後はドラマティックに爆発していく様は見事すぎるラスト。



 Daitoro亡き現在、フレンチ激情の最前線で戦い続けるこのバンドの説得力や存在意義は本当に大きいと思うし、だからこそ生み出すことが出来た傑作だと思う。シーンの最前線にいるバンドだからこそ切り開いたフレンチ激情の新たなる道が今作であり、その完成度の高さは多くの人々を説き伏せるだけの説得力を持つ。



■Owsla/Fall Of Efrafa

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 最早言うまでも無くネオクラスト最重要バンドの一つであり、ポストメタル化したネオクラストの代表格であるFall Of Efrafaの06年リリースの1stアルバム。リチャード・アダムスの小説である「WATERSHIP DOWN」を独自解釈した三部作の第一作目であり、第二作「Elil」、第三作「Inle」を遺しバンドは活動を終了している。またボーカルのAlex君は現在はLight Bearerを結成し、ネオクラスト派生型ポストメタルバンドとして本当に多くの賛辞を集めている事は多くの人がご存知だと思う。



 さて肝心の作品の方だけど、一気に大作志向になりポストメタルに急接近した第二作「Elil」とは違い、今作ではHis Hero Is GoneやTragedyの影響を大きく感じさせるネオクラストサウンドを展開している。しかしそれでもAlex君の美意識はこの頃から既に存在しており、多くのネオクラストバンドとは既に一線を画しているとも言えるだろう。ストリングスの調べとナレーションの第1曲の1分程のイントロから幕を開け、第2曲「Pity The Weak」へと繋がるが、冒頭から美麗のアルペジオとストリングスから始まり、既に芸術的美意識を感じさせてくるが、それを切り裂くかの様に破壊的ビートで暴走するネオクラストサウンドが展開!!Alex君のボーカルも獰猛に吼えまくっていて格好良いし、Tragedy直系でありながらも、その馬力には悶絶するしかない。しかし後半は一転してダウンテンポのパートが入り込み、そこら芸術的な悲哀や痛々しさを高次元で表現してくるし、そこら辺なんかはEnvyやNeurosis辺りのバンドの流れがある様にも見えるし、1stである今作から既にその先の壮絶なる世界へと繋がっている事を実感。第3曲「A Soul To Bare」は濁流のリフと泣きに泣きまくったリードギターの対比がお見事だし、ビートを落としたパートのスラッジな破壊力も見事だし、後半になるとあくまでもネオクラストなサウンドでありながら、その奥底にある美旋律も姿を見せ始め、エモーショナルな展開を見せるし、その叙情性と破壊的な音の対比が見事なのである。
 しかし本番はインタールードな小品である第4曲「Lament」を挟んでからの後半の2曲だ。第5曲「Last But Not Least」は一転して10分にも及ぶ長尺曲で、一転して不穏なアルペジオの反復から始まり、大胆にストリングスも取り入れ、完全にスラッジメタルと化したサウンドの濁流が押し寄せる。不穏で静謐な美麗のパートと、おぞましく膨張するスラッジパートの対比はその先の作品にも間違いなく繋がっているし、それらの作品の楽曲に比べると荒々しさこそ目立つが、それが逆に覚醒前夜を彷彿とさせるし、猛り狂う濁流の激重サウンドから確かな芸術性は感じるし、そのストーリー性は今作の頃から既に完成していたのかもしれない。そしてハイライトはバンド名を冠した15分にも及ぶ最終曲「The Fall Of Efrafa」だろう。美麗の旋律とストリングスの調べが美しい調和と秩序を生み出し、ダウンテンポのビートと共に上昇し、そしてその壮大さを引き継ぎながらドラマティックなネオクラストパートへ!!あくまでもHHIGやTragedyの流れを受け継いだネオクラストサウンドなのに、既に他のそれらのバンドのフォロワーとは別の次元にいるし、楽曲も中盤になると、ストリングスとまた美しく絡み、あくまでもクラストなサウンドの余韻を残したまま、それを別次元のサウンドへと変貌させた熾烈なるネオクラスト×ポストメタルの正面衝突へ!!最後にはけたたましい轟音と共に今作を総括し、そして第二作「Elil」へと繋がっていく。



 まだ覚醒前のサウンドだったのかもしれないけど、その後のFall Of Efrafaの作品や、それこそ現在のLight Bearerとも間違いなく繋がっている作品だし、まだストレートなネオクラストサウンドを展開していた今作の時点でFall Of Efrafaというバンドが選ばれたバンドであるという事は納得するしか無いだろう。ストリングスも既に導入し、熱くドラマティックに展開される熾烈なるネオクラストは既に別次元にあったし、Fall Of Efrafa~Light Bearerへと連なる壮大なるネオクラストの先を行く音像の始まりであり、そしてその始まりから既にクライマックスへと突入していたのである。ネオクラスト云々を超えて、その世界観を徹底的に描くその音は多くの人々の支持を集めるのも必然であるのだ。



■Bitter Songs/Finisterre

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 Alpinistともスプリットをリリースしていたりもするドイツのネオクラストバンドの2010年リリースの1stフルアルバム。LP盤はドイツのContrazst!からリリースされている。とにかく1stでありながら楽曲の完成度は高く、そして数多くのネオクラストバンドの中でも渋さをかなり感じるバンドであり、ネオクラストらしい疾走パートも数多く存在しながら、絶妙にポストメタル化もしている作品だ。



 作品全体として見ると第1曲以外は4分台、5分台の楽曲ばかりで、ポストメタル化するネオクラスト勢の中では割とコンパクトな楽曲が並ぶ。第1曲「orwell nation」は今作では唯一の8分程の長尺の楽曲であり、オープニングから静謐な美旋律から始まり、徐々に熱量と重みを増幅させて、見事にポストメタルなサウンドを展開し、その美しさと渋さと哀愁に惚れ惚れしてしまうけど、楽曲が後半に入ると突如として疾走するネオクラストサウンドが展開!!パワフルぼボーカルの叫びと共にメロディアスでありながらも、その馬力は凄まじい。そしてその流れを受け継いで再び静謐なポストメタルパートになり、最後は再びクラストなパートで暴走して終わる。今作の魅力はポストメタルに接近したネオクラストでありながらも、絶妙にポストメタル化していない所だと思うし、ポストメタルとクラストの隙間に良い感じに入り込んでいる所だと思う。クラストパートも非常にメロディアスな哀愁と力強さに溢れていて凄く格好良いし、第2曲「no matter how hard」は熾烈なるクラストサウンドが更に展開されながらも、メロディはあざとくないにしてもやっぱり泣きを感じるし、ダウンテンポのスラッジパートの粗暴さもまたクラストパートの魅力を増幅させるのに一役買っているし、楽曲自体の完成度は高いけど、洗練されきってないハードコアな荒々しさが非常にナイスなのである。ポストメタル色の強い第3曲「the unspeakable」は痛々しい旋律をスラッジリフから非常に強く感じるし、獰猛なるボーカルと共に生み出す熾烈さと、絶妙に入るコーラスがまた堪らない。
 作品全体を通しても楽曲はコンパクトだからポストメタル色を持ちながらも、やっぱりクラストな要素を強く感じるし、ポストメタルパートを前振りにクラストなパートへと雪崩れ込む展開は鳥肌物。ポストメタルは長い曲が多いから少し苦手って人でも今作はお勧めだし、楽曲構成こそ複雑では歩けど、説教臭さは全く無く、寧ろドラマティックな楽曲をより高次元で表現するのに一役買っているし、先程も述べたけど、あくまでも荒々しいハードコアさが前面に出ているから良い意味で分かりやすいし、メロディアスに楽曲は展開されるし、シンガロングパートも入ってるしで、ハードコアな熱さに満ちている。今作でも最も重みと強さを感じるリフとビートが魅力的な第6曲「drama in 3 akten」はシリアスな重さと、ポストメタルパートの静かなる哀愁が本当にナイスだし、ストリングスを取り入れた最終曲「me, on wire」は5分半の中で見事なる美しいクライマックスを描き、壮絶なる劇場が長尺じゃないのにも関わらず壮大に繰り広げられ、Fall Of Efrafaにも匹敵するレベルだとすら思う。ラストのストリングスの調べと哀愁溢れるアルペジオのラストは正に感涙物で、ダークで哀愁溢れる今作を締めくくるに相応しい。



 Fall Of EfrafaやDownfall Of Gaiaの様なポストメタルに接近したネオクラストバンドが好きな人には絶対にお勧めな一枚だし、それらのバンドと良い意味で差別化がされているし、オリジナリティも強く感じる一枚。楽曲の完成度やメロディセンスは素晴らしいが、あくまでも洗練されてない粗暴さが今作の肝だし、美しくも熾烈で泣ける感動的作品だと言えるだろう。また今作はbandcampの方でもname your priceで購入可能になっているし、もし気に入ったら3LA辺りで盤の方でも購入して欲しい限りだ。



■EXTREME EAST K. Vol.52 BOMBORI vs おまわりさん(2014年3月7日)@東高円寺二万電圧

 二万電圧によるまさかの2マンだ。ダブもエクスペリメンタルもヘビィロックも全て飲み込んだ先の彼方を生み出す解読不能の猛威ことBOMBORIと、憎悪も不条理もノイズと共にハードコアとして吐き出す惨劇の主犯格おまわりさん。共通項なんて無いのかもしれないけど、一つ確かなのは両バンド共に終着地点なんて予測不能である事と、そのライブが凄まじい事、何よりベクトルこそ違えど、生み出すのは紛れも無い非現実の何かである事、そのライブで生み出されるエネルギーがとんでもない事。それだけでこの両者の2マンは必然だったと僕は思う。佐村河内に「聞こえねえなんて言わせねえよ!!」と言わんばかりの爆音の2マン。そう両者のライブは完全に全てをブチ殺すライブというドキュメントなのだ。



・BOMBORI

 先ず先手はBOMBORIから。フロアにはツインドラムがセットされていて、弦楽器隊の3人がステージに立つという非常に異様なセッティングに先ずド肝を抜かれてしまったが、昨年リリースされた名盤1stである「GONG」を遥かに凌駕するエネルギーのビッグバンの連続に完全に昇天してしまったよ。ドラムの二人の煽りから始まり、いきなり新曲からライブはスタート!!ドラムの片割れであるGalaxy氏が頭に日の丸が描かれた鉢巻をして、ドラムを叩くのを放棄して完全にピンボーカルでとにかく叫ぶ!新曲もBOMBORIの新機軸と言える楽曲で、これまでのエクスペリメンタルなビートの躍動とサイケデリックなグルーブと音像を最大限に生かしながらも、それをBOMBORI流のハードコアとして完全に更新してしまった楽曲で、性急に、でもとんでもない技術で繰り出すNaked H Lightning氏のドラムが観る者の意識を完全に覚醒させる粗暴でありながらも、統率されたビートの連続、弦楽器隊も爆音で昇りあがる原色のサイケデリックな音像を音塊として繰り出す。ライブ自体は実に2年振り位に観たのだけれども、そのビートとグルーブのヘビィさは更に研ぎ澄まされ、音で全てを圧殺する説得力を手に入れていた。今回のライブは半数以上が新曲で、他にもリズムパッドを導入した楽曲をプレイしていたが、この曲がビートの圧倒的情報量が生み出す原始の力を完全に手にしたまた新たな地平を切り開いた名曲だった。ツインドラムで正確無比でありながらも大胆に振り落とすビートの暴力もそうだけど、生ドラムとリズムパッドを同時に叩き、デジタルのビートの無機質さも、生ドラムの太古の儀式めいたビートの嵐も全てが必然のビートとして存在し、完全に前に観た時と違うバンドになってしまっていた。
 勿論これまでの楽曲も更に凄まじい事になっていて、ダブもサイケデリックも飲み込み、チューニングの重さでは無く、音圧とビートの重みを凄まじい洪水として放つからこそ生まれるヘビィネスは圧巻だったし、特に「Granule」の中盤からのドゥーミーさも手にしたBOMBORI流のヘビィロック・ストーナー絵巻はツインドラムもベースもギターも完全に強大な音塊として融合し、太刀打ち不可能な化け物になり、そして最後はそれが何度も何度も爆発していくカタルシスは、観る者が爆音の中で精液だとか愛液だとか体液だとか、もうなんでも良いけど漏らしまくるしかないレベルだったし、45分に渡って繰り広げられた異次元への旅は、観る物を天国へ連れて行くと思わせて、その更に上にある得体の知れない天国でも地獄でもない新しい次元へと強制的に連れて行き、覚醒の扉を完全にブチ壊していた。というかBOMBORIのライブに関しては言葉じゃ伝えきれないから、本当にライブを観て欲しいわ。音源なんか軽く超える新たな体験がそこにあるから。シンセもギターもベースもドラムも全てが本質的にサイケデリックであり、圧倒的技術と表現力をフルで発揮する野性の音であり、ビートの麻薬であり、そして涅槃の更に先を開くのはBOMBORIだけに許された事なんだよ。

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・おまわりさん

 後攻は終わらない悪夢のハードコアことおまわりさん。ライブは昨年のNoLAとの共同企画以来に観る事になったけど、BOMBORIで異次元へと昇天した人々を、一転して完全に煉獄へと叩き落す惨劇のドキュメントだった。先ずは風人氏以外のメンバー4人がステージに登場し、松田氏がクリーンでありながらも、不気味でおぞましく、でもどこか美しいギターのアルペジオの反復を繰り返し、静寂の中で窒息する感覚を強制的に体感させられる事に、そこにゆっきー氏のノイズが入ると余計に訳が分からなくなってしまって、冒頭のインストから既に空気が全く違う物に、そして風人氏がステージに登場し、その余韻を受け継ぎながら放たれる「膨張」の冒頭のノイズで既に惨劇は始まっていた!!何の余韻も打ち合わせも無い突発的暴音が始まり、ジャンクでノイズな音が最初からリミッター解除で放たれてしまったのだ。勿論風人氏は早速ステージを飛び出し、叫びながら暴れ狂い、ハードコアを機軸にしながら予測不能の展開を繰り返し、ドゥームもノイズもグラインドも病み鍋にして、憎悪と狂気を暴力として生み出し、その時点で観てる人間3人くれえは心筋梗塞だとかで死んだんじゃねえかってレベルのノイズの濁流。
 特に松田氏がキャビ二段に更にアンプを追加した極悪セッティングで繰り出す歪みまくり過ぎて、なんかもう分からないけど凄いし、毒ガスみたいな音で大量虐殺のハイスコアを更新し、eda氏がビートの機関銃で銃殺、ゆっきー氏のノイズの火炎放射器で焼却、佐々木氏のベースで轢き逃げ殺人、何よりもこの日の風人氏は完全に恐怖しか感じなかった。常に半笑いを浮けべているし、その形相は完全に快楽殺人鬼のそれだと思ったし、飲んだ水で毒霧かますわ、フロアで暴れるわの通り魔状態。しかもMCの時(おまわりさんのライブでMCやってるの始めて見たわ)、今日が2マンである事を告げてから、何かいきなり客を煽る事を言い始めて、仕舞には○○(色々問題ありそうなのでご想像にお任せします)とセックスしてだとか、ケーブルのなんとかかんとかとか、そんな感じの新興宗教の演説めいた事を言い出して、そしていきなり暴発する新曲へと雪崩れ込んで来るから本当にタチが悪い。その新曲もハードコアのマナーなんか全く守ってねえし、0からいきなり100へとメーターを振り切り、早口でまくし立てるボーカルとノイズの殺戮とも言える凄まじさだった。勿論必殺の「DEW」のジャンクノイズハードコアの濁流もそうだし、「ツギノシン」の不気味な静寂からノイズドゥームの悪夢へと雪崩れ込む瞬間も、他の新曲(静謐なパートが少し長いけど、案の定突発的に発作起こしたみたいなノイズの嵐になる、これまでのおまわりさんの暴虐さを更に更新した名曲)も全てが惨劇のドキュメントだったし、「バカ社長」のおまわりさん流のカオティックハードコアも首切り落としまくりなエグさしかなかった。おまわりさんも45分に渡ってライブをしていたが、こちらは奈落の更に奥底へと監禁して、拷問の末に殺したり、即死させたり、四肢切断して生かしておくみたいな非常にバリエーション豊かに殺しまくっていた。おまわりさんはハードコアだとかノイズだとかジャンクでは片付けられないバンドに最早なっているし、これは不条理の悪夢でしかない。



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 この2マンは正に必然であったと思うし、観る者を向き合う覚悟をする時間すら与えないで、涅槃の更に先へと連れて行くBOMBORIと、殺意と憎悪と不条理を通り魔的であり、テロリスト的に生み出し、そして殺すおまわりさん。共に本当にすばらしいライブだった。何よりも両者の音楽性こそ違えど、どちらも爆音のライブで異次元を生み出していたし、二万電圧の地下室に充満していた異質の音、ライブだからこそダイレクトに体感させられる非現実。それがもう全てだった。改めて両バンドには大きなリスペクトを。本当に今でもその音が脳髄に焼き付いて離れないんだ。
タグ : ライブレポ

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Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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