■2014年10月

■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■Hope Is Misery/Walk Through Fire

a3624604787_10.jpg



 スウェーデンにとんでもないバンドが存在していた!!今作はスウェーデンのスラッジ・ドゥームのバンドであるWalk Through Fireの2014年リリースの3rdアルバムだが、それがダウンテンポを極めに極めた暗黒スラッジだった。激重・激遅・激暗の全てを兼ね備えた極限過ぎるサウンドは確実に人を選ぶとは思うけど、暗黒の世界観を持ちながら、時にハードコアな要素も感じさせ、スラッジな音の中から悲哀の旋律を確かに感じさせ、ズブズブと奈落の最奥へと引きずり込まれるサウンド。圧倒的な完成度を誇るし、この手の音楽の最高峰とも言える大傑作だ。



 第1曲「Sustained in Grief」から暗黒スラッジのインストで驚かされるだろう。殆ど推進力を失ったベースの重低音の反復が延々と続き、途中から入り込むギターとドラムもフューネラル成分を放出しまくり、ただ終わりなく地獄の暗黒スラッジリフのみが続く。約7分半に渡る地獄からの第2曲「Hope Is Misery」は一転して今作が単なるスラッジ作品じゃ無いことを証明する14分にも及ぶ大作。クリーントーンの暗黒旋律のギターの反復からディストーションが炸裂する瞬間のカタルシスに飲み込まれ、どこかハードコアライクでありながらも、狂気しか無い叫びのボーカルが木霊し、極限までBPMを落としたダウンテンポを極めた音のみが続く。しかしこのバンドの凄い所は極限までスラッジの激遅サウンドを追求するだけで無く、その無慈悲なサウンドの中にも確かな悲哀を感じるメロディがあるという所だと思う。フューネラル成分を感じさせるコード感であったり、クリーンの静謐なパートでのシンプルでありながらも、荒涼としたギターフレーズであったり、ベースの重低音を嫌でも感じるしかない重さであったりとか、そういった部分を見事に配列しているし、暴力性と芸術性のバランスが本当に絶妙なのだ。基本的に速いパートは全く無いんだけど、ここぞというパートでは少しだけBPMを速くして、メロディアスさとポストメタル的緻密さもアプローチして来るのは凄い。しかもスラッジ側からのポストメタルアプローチだから、全体的に音がとにかく重くて硬いから、強靭過ぎる。一瞬延々と展開無く反復するスタイルの音だと思わせておいて、しっかりと楽曲に起承転結が存在しているし、単にスラッジさを追求するのでは無く、スラッジさを極限まで極めた上での、芸術性も極限まで極めているから強い。
 アコースティックなギターとベースの重低音の反復を生かしたドローンな小品である第3曲「Grow Stronger in Isolation」を挟んで、第4曲「Harden in Despair」と第5曲「Waking Horror」ではまた一転。最も狂ってた頃のNeurosisを彷彿とさせるハードコアを感じるスラッジサウンドの連続だ。音の隙間も無くなり、ひたすら激歪の音が織り成す黄泉の情景。常に血反吐を撒き散らす叫びが繰り出され、リフの一つ一つとビートの一つ一つの重苦しさは凄いけど、同時に解放される感覚もあったりするし、一見凄い人を選ぶ音ではありながら、こうした分かりやすいアプローチもしっかりとカマしているし、ボーカルがハードコアライクなのもまた大きいと思う。
アコギのダークフォークインストである第6曲「Next to Nothing」を挟み、20分以上にも及ぶ第7曲「Another Dream Turned Nightmare」は本当に真骨頂。断続的に繰り出すクリーンのギターストロークから始まり、そしてそっからひたすら暴力的なスラッジサウンドと、キチガイとしか言えない叫びが続く。スラッジもドゥームもドローンもアンビエント成分も、なんか色々と飲み込みまくったギターの断罪的リフと極限まで重さしかないビートのみで生み出す、本当に黒さしか無い音の連続。ハウリングの持続音すらとにかく重いし、先ほどの楽曲と一転して、感情が入り込む余地はまるで無いし、人間の感情すら焼き尽くしてしまうかの様なサウンド。それはクリーントーンになっても変わらないし、歪んでいないのに重さしか無いという、言ってしまったら根本的な部分でのメロディがひたすら重いし、不協和音しか繰り出してないのに、微かな美しさを生み出すコード感だったり、アンビエント要素のあるパートで焦らしに焦らしまくってからの後半のスラッジ地獄は、更にタメを利かせたビートを叩き出し、でもドラマティックなご褒美パートなんて無く、終わりなく鉄槌を振り下ろすだけだ。そして最終曲「Laid in Earth」はフューネラルなピアノの調べから始まり、破壊の限りを尽くして焼き尽くした世界への葬送曲でありレクイエムだ。11分にも渡り、ピアノのみで描かれる美しき終末の先にある完全なる死と無の世界は、身震いする美しさであり、このバンドが闇からとんでもない芸術的終末を描いていた事を知る。



 実に80分近くに渡って繰り広げられるスラッジからの総合芸術は確実に体力を削りまくるし、聴手を押し潰しまくってくるけど、この手の拷問スラッジでは間違いなく最高峰に位置するだけの作品であるし、フューネラル成分をぜつみょうに活かし、冥界の音をその手で奏でている。ダウンテンポの美学と暗黒の美学を極端に追求し過ぎてしまったやり過ぎ作品ではあるけど、その重さと美しさの織り成す黄泉の音は確実に心を蝕むであろう。



スポンサーサイト

■garlic? Vol.2(2014年10月26日)@新宿Nine Spices

 twolow、即ちラーメン二郎である。garlic?、即ち「ニンニク入れますか?」である。KularaやAS MEIASを始め、これまで本当にたくさんのバンドでドラムを叩いてきたシーンの大重鎮であるスーパードラマー塚本氏と、 DETRYTUSの亀井氏と、3LAの中の人である水谷氏による新バンドtwolowは真性の二郎狂いによるバンドだが、そんなtwolowの自主企画第二段は正にニンニクもヤサイもアブラも全部マシな面子が集結したイベントになった。一つの枠組みに嵌らず、様々なベクトルで本当に個性豊かで素晴らしいバンドのみが集結するという、単純にイベントとして最高だし、何よりも最高の3人によるtwolowがどんな音を放つかが本当に楽しみで今回足を運んだのだけど、結論から言うとtwolowも最高のバンドだったし、他の出演バンドも最高という、最高のイベントになった。



・MIRROR

 実に2年振り位にMIRRORのライブを観る事になったのだけど、この人たちは先ず半端無く演奏が上手い。ギターフレーズだったり、ベースだったり、ドラムだったりの音のキレが半端じゃないし、アンサンブルが本当に美しい流線型を描く完璧なフォルムを作り上げている。そもそもこうした音のフォルムの美しさはインストバンドでは最重要項目だと思うし、MIRRORはまさにそんなバンドなんだけど、MIRRORはインストから熱い熱を放つバンドだ。緩やかな流れの様でもありながら、時に激流の様な熱情を感じるのは、楽曲のメロディやコードのセンスが成せる技でもあるだろうし、何よりも何処か凄く楽しそうにライブしているメンバーの姿がそうさせているのかもしれない。ただテクニカルなだけのインストバンドは正直沢山いるけど、技術と表現力と熱量の全てを兼ね備えたインストバンドって、実はほとんどいないと思うし、そういった意味でMIRRORは確実に選ばれしバンドなんだと思う。今回はMCも多めで(安西ひろ子が好きな営業の後輩の話で爆笑をさらってた)、ある意味での親しみやすさがMIRRORにはあるし、その風通しの良さの中での切れ味の鋭さ。本当に久々にライブを観たけど、MIRRORは全くブレていなかった。



・REDSHEER

 今回で10本目のライブとなるREDSHEERだけど、このバンドは本当にライブを観る度に凄いバンドだと実感させられる。ライブを観る度に新たな発見もあるし、計り知れない気持ちにもなる。パワーコードは先ず使わずに、アルペジオと奈落感溢れるコードによるギターリフで攻めながらも、切れ味の鋭さは完璧過ぎる山口氏のギターはこの日も絶好調!!うねりまくる小野里氏のベースと、いつも以上に手数が増えているだけじゃなくて、いつも通りの独特のハリと躍動感と跳ねを生み出すrao氏のドラムが生み出す化学反応はより明確になっているし、頭の「Curse From Sad Spirit」のアルペジオの反復から、ディストーションの激情のギターへと変貌した瞬間に奈落に落とされる感覚から、飛ばしに飛ばしまくっていたし、「The End,Rise Above」の直情的過ぎる痛々しさから、同様に攻撃性がキマりまくっている新曲へと雪崩込み、ラストは個人的にRedsheer最強の一曲だと思っている「Silence will burn」で完殺。今回のセットは特にRedsheerでも尖りに尖りまくっている曲ばかりだったけど、それぞれの音の殺傷力が増幅しているし、実はRedsheerは変拍子の嵐だったり、複雑な楽曲構成に目が行くけど、根本的な部分のメロディセンスも凄いし、実はシンプルにそれぞれの音が凄まじく歪みまくっているから凄いんだと思う。たった5曲だったし、後2曲はやって欲しかったりもしたけど、本当に最近ずっとRedsheerは最高としか言ってないけど、本当に最高なんですよ!!



・PLAY DEAD SEASON

 半年位ライブをお休みしていたし、ライブ活動を再開してからタイミングが合わなくてライブを観れて無かったからライブを観るのは本当に久々になってしまったけど。PDSは全然日和ってなんかいなかった。もう爆音の一言で十分過ぎる位の音圧と音量。印南さんはマイクスタンドに蹴りを入れたりとパフォーマンスも絶好調だし、ライブ自体はあんまり長く無かったし、あっさりと終わってしまったけど、この100mを全力疾走する感じが最高なのだ。PDSって言ってしまえば凄く王道のバンドだし、90年代ポストハードコアの怨念と怨霊に取り憑かれたバンドであるんだけど、ただ単純に鉄の塊の様な音を爆音で放つだけでも格好いいし、まさしく爆音でドライブする高揚感が最高のバンドなのだ。ただ単純に曲が格好良いのもあるけど、ライブバンドであるPDSは一瞬で全てを焼き尽くすサウンドしかいつもブチかまして来ないし、だから最高なのである。特に「COBRA」はいつ聴いても最強の一曲だと思うし、バンドのサウンドの一体感は凄まじい事になっていた。前みたいにキチガイみたいな本数のライブをやる訳では無くなったけど、その代わりその一瞬一瞬の空気感や音が濃密になっていたし、鉄の歌はますます研ぎ澄まされていた。PDSはまだまだどこまでも行ける!!



・BROILER

 「速けりゃいいんだよ、クソッタレ!!」という名フレーズをDie You Bastard!は掲げているけど、正にそんな音だったと思う。BROILERは紛れも無く正しいグラインドコアだった。最近のカッチリとしたグラインドでは無く、80年代のオールドスクールなハードコアスタイルを継承し、そして音階とか最早分からない爆音をとにかく速く叩きつけるバンドだ。それがもう何から何まで楽しくて最高だったのだ!!ボーカルの人はパッチだらけのベストに目の周りを真っ黒にしてるし、その出で立ちからして、この日のメンツでは大分浮いてはいたけど、でもそんなのはお構いなしだ。ボーカルの人がのっけからフロアに飛び出してヘッドスライディングかましながら叫びまくる。というかステージに殆どいなかったし、ヘビィなサウンドがひたすら暴走しまくるサウンドはもうブチ上がるしかないし、これは一言で言うと間違いないサウンド。前のPDSとはまた違う馬力を見せながら、重戦車サウンドでひたすら速さを追求する極悪サウンドが最高だったし、でも随所随所のギターソロとかは結構テクニカルだったりってのもニクい。BROILERってバンドは最高最強のバンドだと思ったし、初見ではあったけど、最高に楽しいライブだったぜ!!



・twolow

 そしていよいよtwolowのライブ。下手に立つ水谷さんはその身長の高さもあってフロントマンとしてのオーラが凄いし、レスポールが凄く小さく見えたりもする。上手には亀井さん、真ん中に塚本さんという立ち位置の3ピース。そしていざライブが始まると、とにかくヘビィなリフで攻める攻める!!塚本さんと亀井さんのリズム隊がテクニカルでありながらも、変則性を生かしたヘビィなグルーブを生み出し、そこに水谷さんがボーカルを乗せながらガンガンリフをかましまくるっていうスタイルなんだけど、テクニカルな変態性を前面に押し出すんじゃなくて、それはあくまでもアクセントであり、実際はシンプルなまでにヘビィロックなサウンドスタイル。一言で言うと滅茶苦茶渋いし、往年の古き良きオルタナティブメタルであったりとか、ダークな感触はtoday is the dayの様でもあるし、ある意味では一時期のUNSANE的でもあるし、モダンなヘビィロックの要素を受け継ぎながら、それを非常に現代的な音として蘇らせていたのだ。曲は6曲位やっていたと思うけど、どの曲もとにかくリフで攻めまくるストイックなスタイルの楽曲ばかりだったし、どことなくダークな成分を噴出しまくりながら、ズタズタに容赦なく切り刻むヘビィネスは一つの懐かしさを感じさせながらも、古臭くなくて非常の洗練されていたし、これからどんな進化と変化を遂げるか非常に楽しみだ。twolowなんて二郎なバンド名だけど、その音楽は完全にガチだ!!



 全く違うベクトルの音を放つバンドばかりであったけど、個性を最大に生かしたバンドしかいなかったし、何よりも主催のtwolowの気迫溢れるライブが本当に良かった。twolowは年内も色々ライブが決まっているし、その全容はこれからもっと多くの人が目撃する事になると思うけど、本当にヘビィロックからオルタナティブまで風穴を開けるだけの力を持つバンドだと思うし、機会があれば是非ともライブを目撃して欲しい。勿論、この日出演した他のバンドも是非ともライブを目撃するべきだと思う。
タグ : ライブレポ

■GRIND FEST 2014(2014年10月19日)@TRINITY SKATE PARK

 今年もラウドパークに被せる形で各地で色々なイベントがあったけど、ラウパ二日目に板橋区舟渡という東京の最北端で最高に熱いフェスが開催された!!death by metalキュレーションによるグラインドコアとスケートの融合フェス、その名も「グラインドフェス」とまんま直球のイベント名だが、このフェスは板橋区舟渡の屋内型スケートパークであるTRINITYを借りて開催となり、スケボー場でグラインドコア!!なイベントになった。しかしグラインドフェスと銘打ってはいるけど、良い意味でグラインドに固執せずに、メタルもハードコアも激情もスラッジとバラエティ豊かな8バンドが集結!更にはバンドとスケボーだけじゃなくて、タトューにビーガンフードに酒にディストロにと音楽とスケボーだけじゃない見事にフェスって感じ。そりゃもう特別なイベントになるに決まっている。
 僕自身が今回のイベントが本当に近場で、自転車で会場まで足を運んだけど、会場付近は工業地帯で工場ばかりなのだけど、その中でTRINITY付近は見事に黒い人たちが沢山!!普段の舟渡じゃこんな光景絶対無いだろって感じだったし、そんなスタート前の空気で既に非日常。そしていよいよ俺たちのラウドパークことグラインドフェスが開幕した。



・DREAD EYE

 先ずはヴァイオレンスなグラインドを鳴らすDREAD EYEがトップバッター。ステージの環境はボーカル以外はアンプの生音で、見事にスタジオライブ感ある環境で、決して音響面は良いとは言えないけど、そんなのは関係無かった。のっけからヴァイオレンスでダークなグラインドコアが炸裂したのだから。ブルータルでダークなリフが暴力的なまでに空間を支配し、単に速いだけじゃなくて、遅いパートも盛り込みながら、ブラストするグラインドなパートでは重戦車の暴走サウンドを展開し、そしてショートに地獄をノンストップで繰り出す。そんな音に飲み込まれていたらライブはなんと10分やったかやってないかで終了!!グラインドのバンドはそりゃライブ15分とか20分とか多いけど、あっという間過ぎてびっくりしたし、本当に交通事故みたいなライブだった。この時点でグラインドフェスの狂騒は確定したのだった。



・DEATH HORN

 お次は完全に予備知識無しで観る事になったデスメタルバンドであるDEATH HORN。このバンドだけど、基本はスラッシュな要素を盛り込んだデスメタルって感じなんだけど、個人的な感触としてはハードコア好きにも凄いアピールできる音だと思うし、グルーブだったり、リフのセンスはハードコアの荒々しい暴走感を前面に出してて凄く格好良いし、強い。しかしメタル要素もしっかりあって、ギターソロではメロディアスな早弾きフレーズをガンガン使ってきたりもしていて、凄く聴き易い印象もあった。邪悪さと強さと疾走感と泣きのバランスは本当に絶妙で、クロスオーバーな感覚もあり、グラインドフェスというイベントでも全く浮かないでいたし、何よりも気迫溢れるパフォーマンスに胸を打たれた人も多いと思う。堂々としたライブを展開し、メタラーじゃない僕にも凄いガッツリと来るバンドだった。



・isolate

 現在リリースツアー真っ只中なisolateは今回のイベントじゃ一番アウェイな感じはあったし、唯一の激情系のバンドであったけど、今のisolateにはそんな事は関係無かった。この日はアンプのキャビは二段積みじゃなかったし、DEATH HORNが終わった時点で、早速警察が来るというアクシデントが見事に発生したのもあってか、普段よりは音量こそ大きくは無かったけど、「ヒビノコト」をリリースしてからのisolateのライブは本当に無敵だ。セットは「ヒビノコト」の中でも特に攻撃的な曲を中心としたセットであり、安藤さんがライブ序盤に腕をバッって広げてから、いきなりマイクで自分の頭を殴り出すしと絶好調!しかしながら池谷さんのドラムが本当にキチガイじみて凄くなったのはisolateの進化の大きな要因だと思ったりもした。池谷さんの正確無比でありながら、音の重みや躍動感も凄いドラムは間違いなく今のisolateの重要要素でもあるし、音量こそ少し控えめであったけど、ツインギターの美しく重い暗黒トレモロの絡みが生み出す洪水は見事。しかしこの日は完全にベースのコケグチさんがブチ切れてた。終盤の「狂う影にあわせて」から「終末」の流れはバンドの音の破壊力と気迫と殺気が尋常じゃ無かったし、コケグチさんは途中最早ベースすら弾いてない瞬間すらあり、最後はギターの花澤さんにタックルかまして、ベースブン投げて、ステージにぶっ倒れるっていう狂いっぷり。色々とアウェイな環境だからこそ、isolateの凄みを感じるライブだったし、更にとんでもないバンドになると確信している。



・SAIGAN TERROR

 そしてサイガンから完全に火が点いた!!先ずはギターの人が完全に酔っ払った状態でステージに登場したし、しかもギターの人が着ているのがTバックだけっていう、下手したら全裸よりもヤバイ格好だし、体に謎に落書きしているしともう完全に出オチな感じで意味が分からない。そしていざライブが始まると全てが混沌に!!音楽性はスラッシュメタルがクロスオーバーしたハードコアでシンプルでありつつも、凄く格好良いんだけど、もうフロアが完全に狂っていた。サイガンから見事にサークルモッシュが発生するし、しかもピットで普通にスケボーで滑っている人まで出てくるし、色々訳が分からなくなっていた。しかも途中、謎のちびっこ男子二人(恐らくは出演者か関係者のお子さんさと思う)がステージに上げられて、ボーカルをするという訳の分からなさ。もうライブの細かい事は何も覚えてないけど、僕のピットでモッシュしながらもみくちゃになっていたし、グラインドフェスという特殊なパーティの本領がこのサイガンから始まったと思う。いや単純に楽しかった!!



・UNHOLY GRAVE

 後半戦トップバッターは名古屋が誇るグラインドコアの重鎮であるUNHOLY GRAVEだけど、この日一番の正統派グラインドであり、非常に格好良いライブだったと思う。時にビートを落としつつも、常に荒々しいブラストビートが炸裂し、渦巻く重低音とヘビィなリフと吐き捨てるボーカルは正にグラインドコアでしかないし、実際のBPM以上の体感速度を生み出すバンドのアンサンブルの重さは、やはり長年戦う猛者だからこそ生み出せる物だ。ライブ自体は実に20分程しかやっていなかったらしいけど、実際の体感時間はそれ以上で、ショートカットなグラインドをノンストップかつ濃密に繰り出しまくっていたからだろう。今回のイベントで一番グラインドしていたし、15曲以上に渡って繰り出されたグラインドコアには圧倒されっぱなしだった。しかし小松さんのロボットみたいな動きはやたらと格好良いけど、やたらとシュールで、ライブ中はずっと小松さんを見ていたりしたのはここだけの話。



・ANAL VOLCANO

 少し疲れたので、後ろの方でゆっくりとANAL VOLCANOは観る事にしたんだけど、メンバー殆どが覆面をしているという異様な出で立ちで登場。しかしやっている事は正統派のダーティでブルータルなグラインドコアであり、速さとグルーブ重視のサウンドは中々好印象。ゴアグラインドのバンドらしいけど、個人的にはそこまでゴアグラインドな感じはしなかったし、もっとキャッチーな印象を受けた。それはゴア以前にグラインドとしてのバンドの力量がしっかり備わっているのか、またライブと音源は違うのか、完全に初見のバンドだったから、そこまでは分からないけど、でも大きな盛り上がりであっと言う間にライブは終了。極悪サウンドはこのフェスならではだし、普通に良いバンドだ。



・ZENOCIDE

 そしてこの日のベストアクトは間違いなくZENOCIDEだっただろう。ベースの人が変わって、前に観た時に比べると音のエグさは少し後退したかなと思いきや、そんなのは大嘘で、逆にギターの音がとんでもなくエグい事になっている。合計でアンプ4台というセットはこの日出演したバンドで一番だったし、セッティングの時点で既に重低音がヤバイ。そして繰り出されるのはサバス成分が全く無い、純粋にハードコアを遅く重くしたスラッジなんだからヤバい。ハードコアらしい速いパートも盛り込み、曲はスラッジらしくない極めて普通の尺の楽曲。一点集中型で音圧で殺すスタイルのスラッジをこのバンドは極めようとしているし、時折入るクラスト成分が、他のスラッジ・ドゥームとは決定的に違うバンドだって事を決定づけている。何よりも、ライブバンドとしてのZENOCIDEは本当に凄い。最初から最後まで激重たっぷりで一瞬で終わってしまった様にも思ったし、地獄としか言えない音しか出していなかった。グラインドとは完全に離れた音楽性でありながら、重さと遅さで殺すスラッジとしてZENOCIDEは凄すぎる!!



・BUTCHER ABC

 そしてトリのブッチャーだけど、この日のブッチャーは本当に神がかっていた!!セット自体はいつもと変わらないセットだったけど、バンド側の気迫と、観客の生み出す熱量が見事にシンクロして、得体の知れない楽しさを生み出していた。相変わらずやっている事はただ単純に格好良いデスグラインドだし、地獄の様なギターリフの数々と、奈落へ疾走するサウンドが炸裂するといういつも通りのブッチャーのライブ。いやいつも通りの安定の格好良さだったから良かったんだと思う。他のバンドのライブが生み出した異様なカタルシスの磁場を受け継ぎ、いっそうテンションが高くなったライブはもう最高の一言だったし、フロアの盛り上がりはサイガンの時以上だったと思う。スケボーを高々と掲げる人、普通にスケボーしている人、後ろでゆっくり見ながらも拳はしっかりと突き上げている人、無茶苦茶モッシュしている人、この日のブッチャーはいつものライブハウスでのライブと違う場所で観るからこそのブッチャーって感じが凄くあったし、アンコールも含めて異様なテンションのバンドの演奏がヤバかったし、本当に今回のグラインドフェスを総括するライブだった。もうこの手のジャンルじゃ重鎮の領域にいるバンドだし、重鎮がいつもと違うシチュレーションでいつも通りの最高のライブをする。それが良かった!それで良いのだ!!



 しかし本当に凄いイベントだったと思う。単純にモッシュするも良し、後ろでゆっくり酒飲むも良し、スケボーしながらライブを楽しむも良しという、良い意味で自由な空間だったし、ピットでスケボーする人がいるわ、ライブやってる横で、ランプの上に座っている幼女がいたりするわ、ちびっこが普通にスケボーしているわ、警察が即効で来るわ、再入場の確認なんて最早していなかったわ、もう色々と滅茶苦茶なんだけど、その滅茶苦茶さは非常にピースフルだったし、前述した通り、グラインドフェスとは銘打ってはいたけど、グラインドに固執しない多様な出演者もそうだし、ライブハウスとはまた違った開放感や特別な感じ、本当に良い意味でアホな大人の遊び場でありお祭になったと思う。
 色々な部分で課題は多いとは思うけど、各種SNSにアップされてる写真を見て、本当にこのフェスは特別なフェスになったと思うし、主催側は来年も開催する事を宣言しているし、こうした大人の遊び場は本当にもっと増えて欲しいと心から願う。
タグ : ライブレポ

■Pazahora/Pazahora

pazahorast.jpeg



 今、水面下で日本でも支持を集めている東南アジアハードコアだが、今作を聴くと東南アジアのハードコアはヨーロッパやアメリカや日本とはまた違った独特の音を鳴らし、それでいて非常に格好良いバンドが多いと気付かされる。
 今年、日本を代表する唯一無二のハイボルテージハードコアバンドであるENSLAVEとのスプリットをリリースし、2011年には来日を果たしているシンガポールのネオクラストバンドであるPazahoraの06年リリースのアルバム。僕自身が東南アジアハードコアに関して無知なので、このバンドの背景や、シーンについての詳細は全然知らないけど、今作にはレイジングであり、ダークであり、メロディアスな悲哀のネオクラストが存在している。



 彼等のネオクラストはスパニッシュやUSとはまた違うダークさがある。全体的にディストピア感溢れ、メタルの影響ではなく、ハードコアのままネオクラスト成分を手にしたとも言える。スパニッシュのバンドとはまた違う、東南アジアハードコアの流れにあると言えるし、ネオクラストに振り切らない感覚が独自の音だと言える。ギターフレーズなんかはメロディアスではあるけど、TragedyやEkkaiaの影響を受けつつも、もっと殺伐としていて、ドロドロとした感覚。勿論、ENSLAVEやsekienがジャパニーズハードコアの影響下にありながら、ネオクラストになったのと同じで、自らの国のハードコアの流れから「ネオ」になったバンドだろう。
 また彼等の特徴はそのツインボーカルだ。歪んでしゃがれたボーカルをメインに、コーラスワーク的な掛け合いでハイトーンの女性ボーカルも入り、エモティブな掛け合いを見せてくる。それが最高に堪らない。音質は案の定ロウではあるけど、それが逆に荒涼とした音を更に助長させてヘビィに感じるし、何よりもドラマティックなメロディを持ちながら、奈落へと急降下するサウンドは最高だ。割とシンプルな8ビートを基軸に楽曲は展開し、時にミドルテンポでシリアスさを更に増幅させる。第2曲「Bullshit Generators」から疾走しながらも重みを感じるビートに、メタリックなハードコア成分を持ちながらも、ズブズブとした暗黒っぷりは疾走感が強まる程に抜け出せない閉塞感に苛まれる。第3曲「Dogs Of War」も常に疾走するビートでメロディアスなギターフレーズが渦巻いているけど、もっと濃霧に包まれる様な、黒煙の様な、焼け野原で立ち尽くしている様な殺伐とした音が展開されている。第7曲「Human Error」なんかは今作でも時にドラマティックな展開を見せるのに、そこにあるのは感動的なカタルシスではなくて、胸を抉る痛みの叫びと音だ。最終曲「Profits Of Doom」のたった一分弱をオールドスクールなクラストの匂いを充満させつつも、メロディアスに駆け巡る音も最高だし、ある意味ではオールドスクールとネオを見事に繋ぐ音なのかもしれない。その絶妙なバランス感覚は狙っているのか、たまたまそうなったかは分からないけど、Pazahoraの魅力であるし、何よりもダークな激情をシリアスに投げかける彼等のスタイルは本気で支持したいと思う。



 来日やENSLAVEとのスプリットもあって、日本では特に名が広まっている東南アジアハードコアだと思うけど、昔からの歴史がありつつも、洗練されない荒々しいエモティブさは大きな魅力であるだろうし、泣きに走らずに、メロディをダークさに振り分けて、黒炎を燃やし続けるPazahoraのネオクラストは他の地域のネオクラストと違った大きな魅力があるし、世界各地に散らばるネオクラストの遺伝子を、また違う形で進化させたバンドだと言えるだろう。ネオクラスト好きは勿論だけど、オールドスクールなクラスト好きや、メタリックなハードコアが好きな人や、ダーククラスト好きにも受け入れられるであろう作品。



■Primitive and Deadly/Earth


Primitive and DeadlyPrimitive and Deadly
(2014/09/02)
Earth

商品詳細を見る




 これはEarth復活作である「The Bees Made Honey in the Lion’s Skull」以来の衝撃だ。ドゥーム・ドローンの最重要バンドであり、御大Dylan Carlson率いるEarthの2014年リリースの最新作は正にそんな作品となった。復活後はダークで深遠なるアメリカーナ路線を突き進んできたけど、ここに来てDylan先生はヘビィロックへと回帰した。これまでのアメリカーナ路線の流れにありながら、シンプルなバンドサウンドとリフに回帰し、earth史上最もロックな作品を生み出した。初期は無慈悲なドローン・ドゥームとして登場したEarthが行き着いた先は至ってシンプルなロックだったのだ。



 でもEarthが単なるロックを奏でるかと言ったらそんなのは大間違いだ。間違いなく作品はドローンな流れにあるし、これまで同様にアメリカーナ要素もある。しかし今作は更に余計な装飾を取り除き、ギター・ベース・ドラムという本当にシンプル極まりない音で制作されている。そして最も大きな特徴はどの楽曲もギターリフ主体の楽曲ばかりだと言う事だ。極限まで推進力を落としたビートとヘビィなリフというシンプルな音で構成されているのだけど、単なるロックなギターリフをDylan先生が弾く訳が無い、ヘビィさを全面には出しているけど、反復するギターリフは非常に美しいメロディを持ち、それでいてヘビィな残響音を聴かせるリフは余韻の最後の最後まで恍惚の音だ。復活後の3作品はヘビィロックから離れたアメリカーナ路線を追求していたけど、そこで培った物をヘビィロックに還す事によって新たな地平を切り開いたのだ。第1曲「Torn by the Fox of the Crescent Moon」は正に今作のEarthの衝撃がダイレクトに表れた楽曲であり、反復するギターリフが徐々に色彩を増やし、随所随所に美しいアルペジオを盛り込みながらも、徐々に熱を帯びるギターリフによる揺らぎと高揚感、バンドサウンドを前面に押し出したからこその、ダイナミックな揺らぎは正にサイケデリックであり、しかしこれぞEarthにしか生み出せなかったロックなのだ。プリミティブなリフの力による神々しく圧巻なサウンドスケープはEarth史上最高の物になっている。
 また今作の大きな特徴として、再結成後の作品ではインストの楽曲のみを発表して来たEarthがここに来てゲストボーカルを迎えている事だ。いきなりストーナーな感触を持ちながら、奈落と桃源郷が混ざり合ったギターフレーズに意識を持っていかれる第2曲「There Is a Serpent Coming」では(Queens Of The Stone AgeのMark Laneganがゲストボーカルを務めている。しかしMark Laneganの深み溢れる渋いボーカルとEarthの音が見事な惹かれ合いを果たし、悠久のギターリフとMark Laneganのボーカルのコラボレーションは正にロックの最深部であり高みからの新たなる福音であるのだ。特に素晴らしいのは第3曲「From the Zodiacal Light」だ。今作でも特にヘビィさとサイケデリックさ溢れるギターの音が印象的であるし、メインのフレーズと、脳の使われていない部分すら覚醒させるであろう、儚く耽美な揺らぎ。そしてゲストボーカルであるRose WindowのRabia Shaheen Qaziのシリアスな緊張感を持つボーカルがまた素晴らしい。今作はここ最近のEarthの中でも特にダークな感触を持つ作品ではあるけど、そのダークさは絶望的なダークさとは違う、人間には抗えない得体の知れない物へのある種の畏怖の念が生み出す恐怖心としてのダークさであると思うし、しかし恐怖は時に救いと隣り合わせであると思うし、この曲はシリアスさから少しずつ精神を開放させる高揚感へと繋がり、Dylan先生とRabia嬢による愛撫の果てに緩やかな絶頂を僕達は迎える。
 再びインストである第4曲「Even Hell Has Its Heroes」も驚きだ。リフ主体である楽曲構造は変わらないけど、サイケデリック・ストーナーといった言葉が見事に当てはまる序盤のロングギターソロからいきなり涅槃へと連れて行かれるし、今作が紛れも無くロックアルバムである事を証明している。延々と続くスロウなギターソロ、そしてスロウなビートとリフが更に調和し、彼岸をそのまま音にしているみたいなサウンドスケープは個人的にはここ最近の割礼が持つ、ロマンとエロスとしてのサイケデリックロックと間違いなく繋がっていると思うし、ロックは極限まで極めると、シンプル極まりない音でも、異様さを生み出せるし、スロウで長尺でありながら、時間軸を完全に歪ませ、次元すら書き換えてしまう。再びMarkをゲストボーカルに迎えた最終曲「Rooks Across the Gate」も凄まじいサイケデリアであり、持続音のギターリフとアコギの調べがとMarkの歌が世界の全てを天国でも地獄でもない、ただ抗えない何かが支配する新たなるパラレルワールドへと変貌させ、最後の最後の余韻まで息を飲む緊張感に支配されたまま終わる。



 これは単なるヘビィロックへの回帰では無い、これまで培った広大で異様な世界を描く音楽を、完全にロックに還し、ロックの新たなる可能性を提示した作品になったのだ。Earthのこれまでを全て持ちながら、そのどれとも違う音は正に悟りの境地だと言えるし、Dylan先生の天才っぷりにはもう驚くしか無い。果たしてEarthがこの先何処に到達するかはまだ誰も分からないけど、でもdylan先生が目指す先は涅槃すら超えた最果てなんだと思う。



■DAWN/URBAN PREDATOR


DAWNDAWN
(2014/10/08)
URBAN PREDATOR

商品詳細を見る




 茨城県古河を拠点に活動する(あくまでも拠点で古河在住のメンバーは誰もいないらしいが)グラインドからの突然変異であるベースレス3ピースURBAN PREDATORの初の全国流通作品となる2014年リリースの1stミニアルバム。これまでオムニバスの参加や自主制作でのEPとシングルのリリースはあったけど、今作でURBANは完全に全国に殴り込みをかける事になるだろう。8弦ギタリストである馬立氏はAGGRESSIVE DOGSでギターを弾いていた事もあるという驚きのキャリアがあったりするけど、それは知らなくても問題無い。今作は既存のハードコア・激情系・カオティック・グラインドに見事に喧嘩を売っている作品だし、既存の音に対するカウンターでもあるのだ。



 そもそも本来なら既存の音楽に対するアンチテーゼであり、新しく未知な音を奏でるのが本来のエクストリームミュージックであると思うのだけど、エクストリーム系の音も色々と出尽くして来ている感じは正直に言うと少しあると思うし、本来は既存の音に唾を吐く為の音楽である筈なのに、それが形骸化してしまうという矛盾を感じた事がある人は少なくないと思ったりもする。でもURBANは清く正しくエクストリームミュージックを奏でる。ベースレスという編成自体がもう珍しくも無いし、8弦ギターを使っているバンドだって他にもいる。でもURBANはそれが全て必然になっているし、カオティックだとか激情とかグラインドという枠組みに嵌ってくれない。今年最高のアルバムをリリースした金沢のThe Donorはメタルだとかハードコアとかドゥームとか激情を食い尽くしながらも、結局は「音でかくて強くてリフが格好よければ間違いないんじゃ!!」というシンプル極まりないロック的なサウンドに帰結させる事によって、強くて格好良いという意味でのエクストリームミュージックを生み出したけど、URBANはその真逆を行くサウンドだと思う。激ロックでのインタビューを読めば分かるんだけど、メンバーのルーツはバラバラだし、キャリアも違う。その中で摩訶不思議なケミストリーを生み出しながらも、それを既存の方法論から完全に逸脱した物として吐き出し、分かりやすく言えば、ダークで速くて重くて遅くもあって展開が滅茶苦茶というエクストリームミュージックのそれであるのは間違いないけど、URBANはそれを整理せずに、より混沌とした音として吐き出し、得体の知れなさをより増長させ、そして終着地すら爆破しているのだ。
 今作のタイトルトラックであり、今作のリードトラックでもある第一曲「DAWN」は正にURBANというバンドがいかにおかしく狂ったバンドかを証明する楽曲になっている。馬立氏の8弦ギター特有の重音、KAN-ICILOW氏のブラストビートを基軸にしながら、変速性を最大限に活かし、速さと遅さのメリハリが明確で、それでいてドラムだけで激音の波を生み出しながら、常に重い打音の濁流であり、実際のBPM以上の体感の速さと重さを生み出すブルドーザーみたいなドラム。その2つの楽器のみで生み出す音の情報量と濃度が凄まじい事になっている。ベースレスでありながら際立つソリッドさもあるし、馬立氏はひたすらリフで攻めるスタイルのギタリストであるけど、重音の刻みの乱打から、時にはダークなメロディを感じさせるリフまで変幻自在に使いこなし、リフの鬼才としての暴君ギターを繰り出しまくる。
 この2人だけでもURBANの異質なエクストリームミュージックはほぼ完成してしまっているけど、URBANの精神的ダークさの重要な核になっているのはボーカルのSOUL氏である。ただでさえ既存の音から離れまくっているサウンドに乗せるボーカルは、更に既存の方法論から離れているし、しかし声としてのボーカルだけじゃなく、言葉を放つボーカルとしてSOUL氏の奇才っぷりは絶対に見逃してはいけないだろう。全編日本語歌詞で歌われるのは、独自の言語感覚で放つ病んだ言葉の数々、自分で自分を切り刻む様な自傷行為の様な言葉のナイフを振り回し、ハイトーンのシャウトを基軸にしながら、捲し立てるポエトリーや、囁き声や呻き声まで自在に使い分けるスタイルは奇抜に思えるかもしれないし、実際人によっては好き嫌いは別れそうな部分はあるのかもしれないけど、しかし「DAWN」の歌詞のワンフレーズである「激情というチープな言葉におさまる無機質な表情とピエロの繰り返し」という言葉にも現れているけど、ある意味自虐的でもありながら、反抗の精神を感じさせる言葉。「DAWN」は文字通りURBANの反抗の犯行の声明であり、正に夜明けと言える曲に仕上がっているのだ。
 第2曲からは本当に怒涛の一言。第2曲「a morbid fear of death」はカオティックなギターフレーズが楽曲を引率し、悪魔の行進の様なリフとブラストビートの嵐、一瞬だけクリーントーンのギターが入ってからの怒涛のリフとブラストと叫びの三位一体のトライアングルアタックは怒涛の英語でお馴染みのみすず学苑が余裕で白旗を上げる怒涛っぷり。SNSについて歌った第3曲「eisoptrophobia」は変則的なキメをガンガンブチ込みながら、重轟音の濃密濃厚な音の洪水が凄まじいし、叫びとポエトリーをせわしなく繰り出すSOUL氏のボーカルがキレまくってて最高だ。第4曲「Oil」はマーチングっぽいビートのキメを多用し、速さの中に、断続的なビートダウンを盛り込む事によって、ズタズタになった音の残骸を瓦礫の山の様に築き、歌詞の内容から勝手に解釈すると路頭に迷っている女性ストリートミュージシャンの悲哀とズタズタの精神が見事にサウンドとハマりまくっているし、「会いたくて 会いたくて わかったよ君も震えてるの?」なんて歌詞のフレーズに驚かされる第5曲「Your face is dirty」の今作で一番グラインドしながら、既存のグラインドを噛み殺すヘイトに溢れたサウンドとボーカルはURBANのダークで陰鬱な感情を表現するエクストリームミュージックを決定づけている。
 これまでに発表した楽曲に比べると、今作に収録されている曲は極端に短い曲は減って、割と普遍的な尺の曲ばかりだけど、これまでの作品以上に一瞬で終わってしまう様な嵐の様なサウンドは更に研ぎ澄まされているし、情報量がとんでもなく、それを整理していないからこその混沌がそれの大きな要因になっているのは間違いないだろう。終盤の第6曲「机」、第7曲「Everything's Gonna Be Alright」でもダークなメロディが溢れながら安易なドラマティックさには行かずに、あくまでも無慈悲なサウンドのまま収拾つかない状態で全てを貫通していく音がとんでもないカタルシスを生み出しているし、そして最終曲「Intro」はまさかの最後の最後のインストのイントロの小品というひねくれ具合。アコギの調べからマーチング調のドラムとギターリフの応酬で、今作で渦巻く漆黒の混沌がまだまだ続くという事を宣言している様な終わり方だし、それがなんともURBANらしいじゃないか。



 しかし今作は2014年の国内エクストリームミュージックに一石を投じる作品でもあるし、茨城の古河という一つの地方都市からとんでもないバンドが登場したという事件でもあり、ここ最近ローカルでも大きな盛り上がりを見せるシーンの中で、ローカルでもここまでの作品が作れるバンドが登場したという大きな軌跡でもあるだろう。長々と書いたけど、今作を聴けば、きっと初めてエクストリームミュージックに触れた時の興奮が間違いなく蘇るだろうし、やっている事自体は既存の音から離れまくっているけど、もっと原始的な部分での「ブラストビートってヤバい!!」とか「ヘビィなギターリフって最高だ!!」とか、「日本語で捲し立てるボーカルってなんて素晴らしいんだ!!」っていうもっとシンプルな部分での音楽の格好良さもガッツリあるし、こういった音にまだ触れていない人にも是非とも聴いて欲しいし、勿論、激情・カオティック・グラインド・ヘビィネス好きは絶対にマストな作品だ。何よりもURBAN PREDATORというバンドは今作を切欠に一気に全国で知名度を上げて大きなバンドになると確信している。



■SikTh live in Japan(2014年10月11日)@渋谷CYCLONE

 SikThは間違いなく伝説のバンドであった。08年の活動休止までに残したアルバムはたったの2枚。しかしその2枚のアルバムで本当に現在のシーンに大きな影響を与える伝説なのだ。djentという言葉が無かった時代から活動し、後のdjentのバンドに与えた影響は計り知れないし、カオティックハードコアやプログレッシブメタルといった言葉では表しきれない真の混沌を鳴らしていたし、未だにSilThに代わるバンドは登場していない。
 そんなSikThは2013年に突如として再結成を果たし再びシーンに帰ってきた。そしてこの日本でも実に10年振りの来日公演が実現したのだ。この来日を実現させたのは大手の呼び屋なんかじゃなくて、Cyclamenの今西さんとヒロシさんの二人だった。とんでもない人気を誇るバンドを個人招聘で日本に召喚してしまったという点でもとんでもない事件であるし、SikThとCyclamenが同じステージに立つというのは紛れも無い必然だ。国内サポートバンドは一日目はINFECTIONとArbus、二日目はbilo’uとMINOR LEAGUE 、そして二日間のメインサポートを務めるCyclamen。もう濃密過ぎるし完璧な布陣だ。そしてチケットの方も見事にソールドアウト。誰もがSikThのライブを観るのを心待ちにしていたし、新たな歴史の始まりを目撃したかったのだ。僕も勿論そんな人間の一人だし、今回一日目だけにはなったけどSikTh来日公演に足を運ばせて頂いた。
 サイクロンはスタート前から既に本当に多くの人で溢れていて、まさに日本の変態が集結する夜である事を実感。来ているお客さんはやっぱりSikTh活動休止前にリアルタイムでSikThを聴いていたであろう僕と同じ20代中盤位の人が多くて、でも意外とそれより上の世代の人や下の世代の人も多く感じたし、どう考えても野郎しか集まらないだろって思っていたのに、意外と女性のお客さんもいてびっくりだ。しかし共通して言えるのは、性別や年齢など関係無く、サイクロンにいる人間は全員変態であった事だ。そしてスタート予定時刻の18時、ほぼオンタイムで変態の宴は始まった。



・INFECTION

 先ずは今日の出演バンドの中では一番ストレートな音を放つINFECTIONのライブからキックオフ!!Crystal Lakeの人がボーカルを務めていたバンドで、音楽性的には非常に正統派なメタルコア・ニュースクールハードコアサウンドなのだけど、もう最初からガンガン飛ばしまくっていた!所々でお約束なビートダウンパートなんかはあったりはするけど、基本的にはゴリゴリに暴走する荒れ狂う重低音のメタリックサウンド、その刻みのゴリゴリのリフの中から溢れ出すキャッチーで青臭いポップネス、変態バンドしかいない今回のイベントの中では少し浮いている感じもあったかもしれないけど、そんな事はお構いなしだ。「とにかく熱い音鳴らしてたら間違いないだろ!!」と言わんばかりに攻めのサウンドだけで飛ばしまくる楽曲の数々。ボーカルの人は何度もお立ち台の上に立ってフロアを煽りまくっているし、その熱きメタルコアサウンドはフロアの数多くの変態達のハートにガッツリ火を付けまくる!!既存のメタルコアスタイルとは大きく離れているバンドではあったけど、そのポップさすら手に入れたメタルコアは強く真っ直ぐだし、何よりもそれぞれが放つ音に熱さしか無かったし、30分を一瞬で駆け抜けるステージは変態の宴のテンションを一気にハイな所まで持って行ってくれた!!



・Arbus

 お次は京都のカオティックのバンドであるArbusのアクト。名前は色々な場所で聞いてはいたけど、ちゃんとその音に触れるのは初めてで、どんなライブをするか非常に気になってはいたけど。彼らもまた独創的な混沌を生み出すバンドだった。もうこの手のバンドじゃ当たり前なんだろうけど、単純に演奏技術が半端じゃないし、この拍でどうしてここでぴったりと音が合うのかっていう変態性溢れながらも、非常に計算され尽くした楽曲。従来のテクデスやカオティックコアとは大きく離れているサウンドもそうだけど、テクニカルさを見事に一つのキャッチーさに結びつけている点も彼らの大きな武器だと思う。熾烈なサウンドだけで攻めるのではなくて、クリーントーンの音もしっかりと聴かせてくるし、混沌をあくまでも計算の上で生み出し、そして最終的には聴き手を突き放してはいるんだけど、その突き放される事にカタルシスを覚えるのも事実なんだと思う。一回観ただけじゃ正直分からないし、その全容が掴めないバンドだったけど、しかし統率されたカオスという意味ではこのバンドは只者では無いと実感させられたよ。



・Cyclamen

 そしていよいよ今回の変態の夜の首謀者であり、メインサポートでもあるCyclamenのライブへ。今西さんはSikThの熱狂的な大ファンであるのは有名な話だし、だからこそ今回のSikTh来日は今西さんにとって大きな夢だったと思う。今回のcyclamenのライブは本当に特別なライブであるのは間違い無かったし、これまで観たライブで一番のライブをしていたと思う。先ずはこれまでのライブと違っていよいよCyclamenの正式メンバーが全員そろい踏みのライブになったという事だ。今西さん、勝乗君、ヒロシさんのいつもの三人に加え、海外在住の外国人メンバーを迎えての真のCyclamenのライブになったというのは本当に大きい。そしていよいよ始まった。
 今西さんの挨拶と共に先ずはお馴染みの「破邪顕正」からキックオフ!そして驚いたのはバンドの音が非常にタフで強くなっているという事だ。外国人の正式メンバーのドラムの方が先ず一発一発のドラムの音が単純に強い!!PA的な意味では序盤はちょっと難があったりもしたけど、相変わらずの変態フレーズしか奏でない弦楽器隊の音の圧倒的な情報量の多さにも驚いたし、そしてリードギターの勝乗君は今日も絶叫調。馬鹿テクフレーズを手元すら見ないで笑顔で楽しく余裕で弾きこなしまくっているし、もうこの現役大学生は変態の中の変態でしか無いし、他のメンバーもやっぱり楽しそうにライブをしているのは印象的。でもそれ以上に今西さんのボーカルとパフォーマンスがこれまで観たライブよりも更に気迫を感じさせる物になっていたし、より今西さんが描く世界を今西さんも楽器隊も凄く高い次元で表現するまでになっていたのだ。そして必殺の「百折不撓」では渦巻く混沌の音の乱数の中で光り輝く激情とポップネスというCyclamen印のサウンドが見事の展開されているし、更にバンドとしてのタフネスの進化も感じた。
 僕個人として感じたことなんだけど、Cyclamen自身もSikThのフォロワーとして登場したバンドであるのだけど、でもdjentがどんなに盛り上がってもSikThというバンドで既に完結していたdjentのシーンの中で、明確に「SikTh以降」を提示したって意味でCyclamenは本当に凄いバンドだと思う。「With Our Hands」や「Memories」といった楽曲は単なるSikThフォロワーだったら絶対に生み出せなかった曲だと思うし、混沌だけじゃなくて、激情もポップネスも美しさもドラマティックな世界も、全てをマシマシで全部乗せにして、その中で一つの物語として生み出すのがCyclamenというバンドなんだと思う。「臥薪嘗胆」の様な怒りに満ちた曲でも、その核は全く揺らがないし、バンドとして荒々しさをしっかりと残したままよりハードコアライクな強さをバンドが磨き上げれば上げる程に、そんなCyclamenの魅力はより際立つのが何だかずるくて仕方無い。
 でも個人的に本当に涙腺が緩みそうになったのは終盤で、「神武不殺」の熾烈なるサウンドからエモーション溢れるメロディと歌が咲き乱れ、そしてクリーンのパートで見せた勝乗君のタッピングソロの美しさ、それがもうこの世の物とは言えない言葉に出来ない感動に溢れていたんだよ。そしてライブではお馴染みとなった最後の曲である「Never Ending Dream」の前の今西さんのMCで本当に涙腺が崩壊するのを必死で堪える事態になってしまった。今西さんがSikThを呼んで同じステージに立つのが本当に大きな夢であった事、「Never Ending Dream」を作った当時の六年前の自分に「お前は六年後にSikThを呼んで同じステージに立つという夢を叶えるんだぞ!」って言いたいって旨のMCだったんだけど、それが本当に胸を熱くするMCだった。間違いなく今西さんの夢が叶った夜であると同時に、この日集まった変態達の「SikThのライブが観たい!!」という夢が叶う瞬間でもあったし、そんな「夢は終わらない。」という一つの物語が間違い無くステージ上にあったし、何度も何度もライブ中に感謝の言葉を口にしていた今西さんの姿もあったし、本当に感極まってしまったし、そっからの「Never Ending Dream」はもう最高以外の一言しかない!!
 Cyclamenにとって間違いなく特別なライブだったと思うし、だからこそこの日のステージは気迫から何から何まで本当に最高のライブだったと思う。SikThを前にして最高のハイライトだったし、僕はやっぱりCyclamenというバンドが本当に大好きなんだと改めて実感した。もう最高のライブだったよ。



・SikTh

 そしていよいよ本日の主役であるSikThのライブ!!勿論フロアは本当に限界までの人人人で、セッティング中にサイクロンのスタッフが少しでも中に詰めてくれってアナウンスを何度もしていたし、これまで地獄みたいに人で詰まったライブは何回も体験しているけど、その中でもトップレベルの人口密度と地獄具合。しかしそんなギチギチのガチガチ(byカモメ向氏)の中でSikThを観るってのは最高のシチュレーションだなって思ったりもした。
 そしていよいよdjentの始祖であり、カオティックの伝説のライブが始まった!!一発目は恐らく多くの人の予想通りだったと思うけど、2ndのトップを飾り、SikThの代表曲である「Bland Street Bloom」!!もうこの曲を聴けただけで感無量になった人も多いだろう。実際どんなライブをするかは想像出来なかったし、恐らくYoutubeとか探せばライブ動画もあったんだろうけど、敢えてそれを観ないで今回の来日公演に臨んだのもあったけど、僕個人としてはカオティックハードコアの理想的なライブをSikThはしていたと思う。あのド変態馬鹿テクサウンドを見事にステージ上で再現しているってだけでも凄かったし、その中でCyclamen同様にハードコアライクな荒々しさを感じさせてくれる点も最高だった。というより国内バンド3バンドも凄く音がでかかったけど、SikThはその更に上を行く音のデカさ!!しかもドラムの音の一つ一つから、ベースの重低音の一つ一つまで本当に屈強極まりないし、MikeeとJustinというSikThを象徴するツインボーカルの二人の神々しさとカリスマ性は身震いする程だったし、最初のこの一曲だけでSikThというバンドにはどんなに国内外でdjentが盛り上がって素晴らしいバンドが登場しても、どんなに時代が進んでも、誰もSikThには勝てやしないし、SikThというバンドが本当に唯一無二の存在である事をサイクロンにいた人間全員が再認識するしか無くなったし、そんな事以前に一気に魂が灰になっていたと思う。
 続く「Part Of The Friction」もカオスの中のエモーショナルさがライブという場で更に強靭になっていたと思うし、ただ音がデカイだけでは無くて、全ての音が単純に強靭極まりないし、あんだけハイテンションで叫びまくりながらも、ステージで暴れ煽りまくるツインボーカルのハイボルテージっぷりも最高極まりない。歌心溢れるパートもビートダウンするパートも顔ティックなフレーズが飛び交うパートも全てが「SikTh」という必然でしかないし、1stのトップを飾る「Scent of the Obscene」でも頭振りまくって目の前の混沌に身を投げ出し、そしてジェットコースターの様に急降下を続けながらも上がり続けていくカタルシスを全身で体感させられた。そんな秩序が崩壊しかねない混沌からの「Pussyfoot」はもうヤバ過ぎた!!個人的にSikThで一番大好きで、SikThで最もツインボーカルの血を吐き散らすボーカルが炸裂しまくり、着地点すら見えなくなりそうな程に上書きされまくる密度溢れまくる音の数々。このカオティック感はSikThにしか生み出せない物だと個人的に思っていたし、こんな曲をライブで見事に再現している点も脱帽だし、フロアもいよいよ着火で、Cyclamenの時からモッシュは起きていたりしたけど、いよいよ大勢のモッシュでフロアもSikThのライブ同様に制御不能の状態に陥ってしまったじゃないか!!「Flogging The Horses」でも負けじと行き先を無くした暴走列車がシベリア超特急すら貫通するスピード感と破壊力で突き抜けまくっていたし、もうこの前半戦の終わり位になると頭は余計な思考が完全に消え去って、「楽しい!!」って感情が脳の容量のほぼ全部を占めていた。
 本当に皆が聴きたかった曲ばっかりやっていたと思う。「When Will the Forest Speak...?」は声だけの曲で、謎に語りと叫び声だけの曲なんだけど、それをMikeeが全部一人で再現していたのにはびっくりしたし、そんな余興?から怒涛のバスドラムと怒涛のリフで幕開けな「Wait for Something Wild」で余計に収拾がつかなくなってしまう感じは堪らなかったし、「Sanguine Seas Of Bigotry」、「Hold My Finger」の終盤の大爆発を繰り出す激音の数々はもうモッシュするしか無くなっていた人ばっかりだったし、本編ラストは「Another Sinking Ship」でヘドバンしまくりで締め!!
 そして勿論起こるアンコールんぽ手拍子にメンバーはすぐさま登場。アンコールの2曲は「How May I Help You?」と「Skies of Millennium Night」という「Pussyfoot」同様にSikThの中でもカオティック指数と変態指数が最強な二曲!!勿論フロアはモッシュの嵐、僕自身はモッシュはしない様にしていたけど、最後は結局モッシュピットに入っていたし、僕も含めてフロアは誰しもが汗だくだったし、でもみんな笑顔を浮かべていたのも印象的だった。それとアンコール前に今西さんがステージに上げられていたけど、その今西さんが本当に嬉しそうな顔をしていたのも印象的だったし、SikThメンバーは英語で喋っていたから何を言ってるかは分からなかったけど、でも今西さんが改めてフロアに感謝の言葉を述べた時に、本当にみんなの夢が一つの形になった夜なのを実感したよ。いやここまで長々と書いたけど、結局最高以外の言葉しか浮かばないライブだったし、SikThという伝説が目の前で最高のライブを繰り広げていた。それだけでしかないんだ。最高だよ!!



セットリスト

1.Bland Street Bloom
2.Part of the Friction
3.Scent of the Obscene
4.Pussyfoot
5.Flogging the Horses
6.When Will the Forest Speak...?
7.Wait for Something Wild
8.Sanguine Seas of Bigotry
9.Hold My Finger
10.Another Sinking Ship

en1.How May I Help You?
en2.Skies of Millennium Night



 ライブ終演後にはみんなして汗だくだったし、SikThのライブの時は脳内麻薬出まくっていて気付かなかったけど、いや本当に地獄みたいな場所でライブを観ていたんだなって実感し、一気に疲れでヘトヘトになってしまったんだけど、そんな中でサイクロンを後にしようとしたら、今西さんが出口でお客さんの一人一人に「今日は来て下さって本当にありがとうございました。」って挨拶をしていて、またエモくなってしまった。幾ら自分が主催したイベントとはいえ、わざわざ丁寧にお客さんに感謝の挨拶をするって他の人は誰もしないし、今西さんのアグレッシブな行動力や実行力も凄いし、単純にミュージシャンとしてもグレイトなミュージシャンだけど、こうした人間味溢れる部分があるからこそ、今回のSikTh来日公演を実現出来たのだと思うし、だからこそ自分の夢は勿論だけど、みんなの夢を叶える事だ出来たんだと思う。
 でも「Never Ending Dream」って言葉通り、夢はまだこれで終わった訳じゃないし、SikThも再結成してまだまだこれから活動を続けるし、Cyclamenもそうだし、他の国内バンドだってそうだ。これは一つの到達点ではあるのだろうけど、ゴールでは決してないし、ゴールはまだまだ先にあるんだと思う。でも今西さんのDIYで突き進んでいくという信念がこの最高の夜を生み出したのだと思うし、それは多くのバンドや音楽好きにとって大きな希望になる筈だ。



夢は決して終わらない。DIYの力と音楽の力による夢の夜だった。そしてその夢はまだまだ続く。
タグ : ライブレポ

■weeprayロングインタビュー

13850844024_708735ab11_o.jpg



 weeprayというバンドは既存の激情系ハードコアやカオティックハードコアとは明らかに全てが逸脱しているバンドであると言えるだろう。
 MIND TOUCH、PROUD OF GRACE、ENGREMXX、WOUNDEEP、DIVISION、、GEVOTAIS BORKEN、At One Stroke、Disconformity、メンバーそれぞれのキャリアを上げたら色々と凄いし、キリが無いけど、もうそんなのは最早関係無い。weeprayというバンドは必然として生まれた突然変異でしか無いのだから。09年に結成され、2011年と2012年にそれぞれシングルをリリースしているけど、そのシングルに収録されている曲を初めて聴いた時、僕は完全にweeprayというバンドに殺されてしまった。
 ギターの音はブルータルでありながらドゥーミーでもあり、独特の和音の音階を活かし、ヒリヒリとした美しさと激しさを生み出し、音階が不明確でありながら、独特の重力を感じさせるベース、ミドルテンポのビートでベースと調和しながら独自のタイム感を生み出し時間軸を歪ませるドラム、そしてヒステリックな叫びとポエトリーを駆使し、全編日本語で異質なる世界を描き歌い叫ぶボーカル、その全てが既存のハードコアとは全然違った。凄く陳腐な言い方になってしまうけど、weeprayというバンドに対しては「○○っぽい。」という言葉は全く通用しない。勿論、メンバーそれぞれのルーツやキャリアが下地にあるのは当然だけど、それでもどうしてこんな音になってしまったのかという部分は考えても考えても余計に分からなくなる。しかしこれだけは確かに言えるのは、weeprayというバンドは人間の最も純粋で最も残酷な感情を表現しているバンドだって事だ。
 そして2013年のwombscape企画である「瞼の裏」で初めてweeprayのライブを目の当たりにして、完全にトラウマになってしまった。足元に置かれた二個の白熱電球のみが照らすステージ上で繰り広げられていたのは、紛れも無くweeprayによる惨劇のノンフィクションであり、そして何かおぞましい物に取り憑かれているとしか思えないライブをメンバーの五人は繰り広げていたのだ。儀式の様でもあり、生々しいドキュメントでもあり、ズタズタに全てを切り刻む惨劇でもあり、ステージ上から降りかかる得体の知れない感情の渦と音に完全に飲み込まれていたし、気付いたら完全に取り憑かれてしまった。そしてその感覚はその後もライブを観る度により強くなり、weeprayのライブを体感するという事に依存し始めている自分自身すらいたのだ。あの現実と非現実の狭間に立ち尽くしている感覚を味わいたい。そんな感情をweeprayのライブで感じた人はきっと僕だけでは無いと思う。
 来年にはOxGxDやThe DonorのリリースでノリにノリまくっているTill Your Deathから満を持しての1stフルアルバムのリリースがアナウンスされ、そして今年の10月と11月に、ギターの赤塚氏が在住する新潟、そして東京での初の自主企画である「死覚」を敢行する事がアナウンスされた。今回はそんなタイミングで当ブログでweepray結成時からのメンバーである笠原氏、赤塚氏、阿武氏、大野氏の四人にロングインタビューをさせて頂く事になった。僕自身がweeprayというバンドの生み出す『「愛」と「狂気」の世界』に少しでも近づきたい想いで色々と聞かせて頂いたけど、何から何まで既存の音やバンドと違う場所にいるweeprayの生み出す世界を、この記事を読んで下さっている皆さんに一日でも早く体感して欲しいという思いで一杯だ。





■先ずバンド結成の経緯を簡単にお願いします。

赤塚:2008年冬あたりから自分、笠原、大野でスタジオに入り始めました。
2009年に阿武くんが入って2010年から本格的にライブ活動を開始し、2013年に小室さんが加入して今の体制となりました。
それぞれ活動していたバンドで知り合って、友人として10年近い付き合いになりますね。「この人と一緒にやりたい」って思いで集まった感じです。



■weeprayというバンド名の由来や意味を教えて下さい。

赤塚:weeprayは造語ですが、「weep」「pray」、「wee」「pray」、「weep」「ray」って意味を持っています。
これらの言葉で連想するようなものを音楽にしていけたらと思いバンド名にしました。



■結成当時から現在の音楽性に至るまでを教えて下さい。また結成当時はどんな音を鳴らしてましたか?

笠原:結成当時から、楽曲制作の際にメンバー間にて共通意識としてあったのが、曲ごとにストーリー性を有する「壮絶な音楽」を生むことであり、それは今でも変わりません。



■メンバーそれぞれが元々別のバンドで活動していた人たちで結成されたweeprayですけど、それぞれのこれまでのキャリアやバックボーンはどのようにweeprayでは生かされていますか?

笠原:前身バンド活動時期と現在では、同類音楽でも細分化等が進んでいたりとシーンの状況が全く違うけど、各メンバー色んな音楽が好きだったり、また精通していたりするので、その分自然と多種にわたる格好良いバンド・アーティストと知り合えたり、共演できてとても刺激になっています。

大野:赤塚とは前進バンドから10年近く一緒に活動しているのでこのギターリフにはこのドラムパターンかなっていうのが自然と出てくるかなと思います。
他のメンバーもずっと面識があったのでやりやすいですね。

赤塚:昔から見ていてカッコいいバンド、メンバーと一緒にweeprayをやれているのが一番かなと思います。

阿武:今までの活動を踏まえてweeprayにおけるトータル的な楽曲の世界観を推し進めて表現できるようになったと思います。



■メンバーさんはそれぞれどの様な音楽に影響を受けていたりしますか?

笠原:特に影響を受けたのは1980年代~2000年代前半におけるジャパニーズハードコア・パンクシーンです。
バンド名をあげてルーツとして欠かせないのは「ANODE」であり、自分の中でいまだに”孤高の存在”です。

阿武:ハマって聴いてきた物全てからなんかしら影響は受けてますが特に90年代のV系から始まってdeath metal,hardcore,new school hardcoreが核になっています。

赤塚:今はハードコアを中心にデスメタル、ブラックメタル、ポストロックなどから影響を受けています。
音楽にハマるきっかけになったLUNA SEAなんかは今でも大好きですね。

大野:2000年前後のハードコアバンド、王道メタルバンド、王道エモ、ポストロック、インストなどに影響を受けています。



■楽曲はどなたが中心になって作られていますか?またどの様にして作られているでしょうか?

赤塚:楽曲はほぼ全てを僕が作っています。
基本的には曲をスタジオで合わせて、練り直しての繰り返しです。



■これまで発表した楽曲でも「彼岸花」、「滅びの碧 終末の詞」は長尺で複雑な楽曲構成の物になっていますけど、weeprayの楽曲がこうした大作になっている物が多いのはどうしてでしょうか?

赤塚:特に意識はしていません。
曲としての物語を考えていく上で「たまたま」長くなったというだけですね。



■2011年と2012年にシングルをリリースしましたけど、これらの曲はどの様にして作られましたか?

赤塚:曲については特にシングルに入れるために作ったわけではなく、納得いくような曲ができたのでリリースしました。
ただ、ジャケットや歌詞カードも工夫したくて封筒とポストカードというパッケージで作りたいと思い、Y/N Productionsの大和氏にデザインしてもらい、良い作品として具現化できたと思います。



■2013年から小室氏が新たに加入して5人編成になりましたけど、4人だった頃と比べるとバンドにどの様な変化が起きたと思いますか?

赤塚:楽曲的な部分で言えば、作曲にしてもアレンジにしてもバリエーションが凄く増えたと思います。やれることが増えましたね。

笠原:楽曲的な部分は勿論ですが、やはり最もキャリアを持つ小室さんが加入したことにより、メンバー間のパワーバランスが以前より整ったような気がします。



■weeprayは笠原氏のポエトリーとシャウトを織り交ぜた独特のボーカルスタイルが非常に特徴的ですけど、どうしてこの様なスタイルのボーカルになりましたか?

笠原:weepray活動開始当時は、前身バンドの活動時期に、興味があったが実現出来なかった音楽的表現方法であったり、作詞をしてみたいと思い取り組んでいました。
今はweeprayとしてやりたいスタイルはある程度は形になってきたかなとは感じていますが、やはり表現方法としての幅は可能な限り拡げていきたいとは常に思っています。
日本語詞に関しては、自分が堪能ではない外国語のフィルターをわざわざ通す事のむず痒さというか無意味さを避ける為と、メッセージのニュアンスを変える事なく歌えるようにと選択しました。
その際に、言葉をじっくり突き刺すようなイメージで届けやすいという意味でも、自分にとって都合のいい手段が今のスタイルではと感じます。あくまで、自分個人の感じ方ではありますが。
あと作詞に関しては、語感や言葉選びは大事にしています。



■weeprayはこれまでにリリースした楽曲の歌詞は非常にストーリー性があり、退廃的で耽美な空気を感じさせる物ばかりですけど、歌詞はどの様な事を意識して書かれていますか?また歌詞の世界に影響を与えている物とかはありますか?

笠原:一曲を一つのストーリーとして完結させている…というのは、確かにあるかもしれません。
それだけweeprayの楽曲は、一曲の中に多様な表情や景色を覗かせ、結果的に長編作なものが多いからです。
歌詞の世界に影響を与えている物は、日々日常において感じた物事を始め、生きていく中で出会す出来事や、世界規模・個人規模の大小問わず自分をとりまく環境の変化等を通して思う事などであり、それらを自分なりの解釈を通し、各曲で形は違えど「愛の歌」としてアウトプットする事を意識して書いています。



■また楽器隊の音も独特で、阿武氏の独特のベースの音やグルーブ、赤塚氏のギターの音と、かなり独自の拘りを感じる音になっていますけど、バンドの音自体に対する拘りがありましたら教えて下さい。

赤塚:個人的には機材が好きなので色々試していく中で今のような音作りになっていきました。
グルーヴってところで言うと、大野とは前身バンドも含めずっと一緒にやってきているので「それそれ」みたいな感覚が自然と出てきますね。

阿武:これからまた変化はしていきますが、低音という名の豚カツをさっぱりと醤油かけて食べるみたいな感じでいければいいなと思います。



■weeprayの音楽性は激情系ハードコアやカオティックハードコアと呼ばれる物ですけど、個人的にはそれらの音とはまた違う何かを感じたりします。weepray自身は自らの音をどの様に捉え、またどのような音にしたいとかはありますか?

笠原:自分が好む音楽やバンドがそうなように、とにかく強烈であり印象と記憶に強く残るような音が理想です。
バンド名はあげませんが、ライブを観たりしていて機材云々・聴覚的音のみではなく、とにかく「重い」音を鳴らすバンドっているじゃないですか?
自分達もその「重い」音を鳴らせるバンドになりたいですね。

赤塚:激情ハードコアもカオティックハードコアもルーツにはありますが、より重く、暗い独自の音楽を作っていきたいと思っています。
死ぬとか生きるとかを題材にしても恥ずかしくないような音を出していきたいです。



■weeprayはライブも非常に良いバンドだと思いますし、ライブで独自の世界を描いていると思います、ずばりweeprayがライブで表現したい物とは何でしょうか?

笠原:ライブでしか伝わらない空気感であったり、毎回違う「その場」感を特に大切にしているので、とても嬉しいです。
個人的には、世間で認知される全ての物事には、必ず着いて離れないものと常に感じている「愛」と「狂気」を最も表現したいと思っています。

阿武:weeprayというフィクションですかね。



■ベースの阿武さんのロングスカートとターバンの衣装だったり、白熱電球のみで照らすステージだったり、最近ではステージのバックにフラッグを使用していたりしていますけど、こうしたビジュアル的な部分のライブでのステージングに対する拘りを教えて下さい。

阿武:ステージに余計な色を置きたくないし、影がいつまでも付きまとっている感覚がいいですね。

赤塚:危機感や殺伐感といった日常ではあまり得られない感覚を感じてもらえたらうれしいです。



■今年に入ってからライブで新たな新曲を披露していますけど、その新曲も含め、これからの楽曲はこれまでとはまた違う物になっていくと思います。具体的にはどの様な変化や進化を遂げていくと思いますか?

赤塚:今までの曲よりもいろんな意味で攻撃的な楽曲になっていくと思います。

阿武:極端になるということだけを考えてます自分は。



■今後生まれる新曲はどの様な物になると思いますか?

赤塚:演奏していて自分たちが高揚することが勿論ですが、観ている方たちを退屈にさせないようなバリエーション豊かな楽曲を発表していきたいと考えています。

阿武:さらにメンバー個々のルーツを出していきたいのでより不可解なものになるかと思います。



■来年にTill Your Deathからいよいよフルアルバムがリリースされる事がアナウンスされましたが、それはどんな作品になると思いますか?

阿武:前述の不可解さが伝わるはずです。

赤塚:アートワークなども含めて特別な作品になると思っています。



■来年のアルバムリリースでweeprayを取り巻く状況はどの様に変化していくと思いますか?また来年以降のweeprayはどんな活動をし、どんなアクションを起こしていくのかも教えて下さい。

赤塚:まずはアルバムリリースに向けて尽力していきたいと思います。
発売以降は今まで世話になったみんなに恩返しと言うか「いいアルバムができた」って言いに行きたいですね。

阿武:とにかく聴いてもらいたいので、色んな人達を巻き込んでライブなりなんなりアウトプットしていきます。



■10月の新潟での自主企画と、11月のHexisを迎えての東京での自主企画を控えていますけど、自主企画に向けての意気込みを教えて下さい。また今回の企画の出演バンドはどの様な事を意図して出演を決めましたか?

阿武:「死」を「覚悟する」という意味で「死覚」なんですが、まさにそんな感じです。
あと、見えてないところでやべーこと起きてるんだぜ!みたいな「死角」って意味合いも込めてます。

大野:出演バンドに関しては、自分たちが好きなバンドとか、見ないと損するようなちょっと「死角」にいるバンドに出てもらってます。
みんなに知ってもらう機会になればうれしいなと思います。

赤塚:地方で行う企画にしても、地方の人たちには東京でバリバリやってるバンドを体験してもらいたいし、東京から来るバンドにも地方のアツさみたいなものを感じてもらえたら最高ですね。



■weeprayはwombscapeやisolateといったカオティック・激情の新たなる流れを正に生み出そうとしているバンドとの共演が多いですけど、この様なバンドとどの様なアクションをweeprayで起こしていきたいと思いますか?

阿武:纏まって活動しなくてもお互い自然と集まってくるって感じになってますが、予定調和なことは面白くないですし、「え!?」ってなるような事をしたいです。

赤塚:wombscapeとは共同企画として「心象共鳴」を開催しているので、また積極的に開催できればと思います。



■他にも共演しているバンドや交流のあるバンド、またweepray自身がこれから共演したいと思うバンドはありますか?

笠原:金沢のThe Donorはいつも刺激を与えてくれるし、京都のBLOODBALLやW.D.L.Kは共演時にヤラれました。群馬のricoltなんかもいつ観ても格好いいですし、来年レーベルメイトになるREDSHEERも早く共演したいです。
ここ最近の共演では、ENDONとTRIKORONAが危険過ぎて最高だったので、是非また共演したいです。
今後の初共演で、特に楽しみなのは自主企画「死覚」を10月に新潟で開催しますが、そこに出演していただくANCHORですね。
翌月11月にも東京・国分寺でHEXIS Japan Tour Finalを「死覚」で企画するのですが、そこに出演してもらう大阪のSTUBBORN FATHER、また地元大阪で共同企画「孔鴉」をオーガナイズしているSeeKもど真ん中に好きなバンドです。
あと個人的にハードコアバンド・リスナーに特に触れて欲しいのが東京Pressence of Soulです。こちらも11月の東京・国分寺で開催する「死覚」に出演していただきますのでこの機会に是非観て欲しいです。

阿武:立川のmilitarysniperpinfallも数年前に一緒にライブして以来、新潟でも東京でも一緒の機会が多いですね。
あとは、別のジャンルと言うか「地下」という共通点でノイズやテクノの方達とも一緒にやれたらいいなと思います。



■weeprayが描こうとしている世界とはずばり何でしょうか?

笠原:『「愛」と「狂気」の世界=現実』です。



■最後に自主企画や新作リリースも含めて、他の今後の展望や、weeprayがどんな活動をして、どんなバンドになっていくかなど、何かありましたらお願いします。

赤塚:まずは2015年のアルバムがいろんな人に渡って、気に入ってもらえればと思います。
良い作品が出来れば自然と色々な所で演奏する機会も増えると思いますし、色々な場所で、色々な人にweeprayを「体験」してもらいたいです。
今でも沢山のサポートをしてもらってますが、共感してくれる方々ともっと大きな『「愛」と「狂気」の世界』を作っていけたらいいですね。



13850471235_063ca88326_o.jpg

13850833654_f06a5bedee_o.jpg

13850481195_4c8430f236_o.jpg



 10月に新潟での自主企画、そして11月の東京での自主企画はデンマークの暗黒ブラッケンドハードコアであるHEXISを迎えてのライブとなる。今ノリにノリまくっているisolateも出演し、先ほどのインタビューでも名前が出ていた大阪のSTUBBORN FATHERと、Pressence of Soulという面子で国分寺を闇に沈める。この自主企画を機に、まだweeprayに触れた事が無い人は是非ともweeprayの世界に飲み込まれて欲しい。



10653751_270794606452191_1286874803089242479_n.jpg

2014/10/12 at 新潟WOODY
weepray presents "死覚"
~isolate 1st Full Album ヒビノコト Release Tour 新潟篇~

isolate
ANCHOR
GOOD FELLOWZ
さよなら暴君
weepray

Adv 1,500 / Door 1,800(+1D)
Open 18:00 / Start 18:30




ByREVsJCIAA5x_P.jpg

2014/11/22 at 国分寺Morgana
weepray presents "死覚
HEXIS Japan Tour Final

HEXIS
isolate
Stubborn Father
Presence of Soul
weepray

Adv 2,000 / Door 2,500(+1D)
Open 17:30 / Start 18:00








【Facebook】https://www.facebook.com/weepray
【twitter】https://twitter.com/wpry_Official
【Soundcloud】https://soundcloud.com/weepray




photographer : ミツハシカツキ
https://www.flickr.com/photos/xscherzox/

■精神奴隷解放運動 case4(2014年10月5日)@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

 今回はWonderLand企画の方に足を運ばせて頂いたのですけど、このイベントがまた日本のライブハウスシーンの新たなる可能性と息吹を感じるイベントだった。最早御大とも言える存在になりつつあるTCOは勿論だけど、主催のWonderLandを始めとする他の出演バンドもそれぞれの方向性こそ違えど、新たなるオルタナティブを模索して放つという意味では確かな繋がりがあるし、まさに2014年のオルタナティブの新たな可能性を信じたくなるイベントだったのだ。



・Glaschelim

 各方面でその名前は聞いていたし、一度はライブを観てみたかったGlaschelimであるけど、いざライブでその音に触れて感じたのは想像以上にヘビィロックであったという事だ。個人的にはもっとアンビエント色の強い音を出すと思っていたんだけど、その美しい世界観を貫きながらも、かなりヘビィな重低音が攻めるサウンド、ビートもギターリフも含めてもっと原始的で粗暴なヘビィロックを感じさせる音だったのは予想外だったし、アンビエントなカラーは少し後退させながらも、もっとバンドとしての生々しさを追求した音は個人的に好印象だったし、長尺の中で静謐さを切り裂き、一気に重低音の洪水で攻めるサウンドは観ていて凄くカタルシスを感じたりもした。この音をもっと触れ幅大きく確固たる物にしたら、本当に独自の境地に辿りつくと思うし、まだまだその音は模索中であり、進化の途中でもある様にも思えた。この日のヘブンズはどのバンドも爆音だったけど、この日一番の重低音を響かせていたし、彼等も自らの存在感をしっかりとアピールしていた。



・Oh my God, you've gone

 完全に初見だったOh my God, you've goneだけど。このバンドはもうモロで最高過ぎた!女性ベースストのオルタナティブロックといえば先ずはSonic Youthなんだけど、もうSonic Youth直系のサウンドをここまで堂々と自らの物にしているのには拍手喝采!ジャンクに歪みまくったギター、クールな感覚でありながらも、ヒリヒリとした熱量。変則的な音ばっかり奏でまくっていたけど、それを純粋なリフの格好良さだったり、ジャンクな感触を残しながらもヘビィさを感じさせるバンドのグルーブだったりという部分で小難しくしないで、どの音もロックとしての快楽を感じさせる物に仕上げていたし、それは純粋にバンドがライブと言う場で確かなまとまりを持たせながらも自由に音を奏でているからだと思う。90年代初頭の空気をモロに出したサウンドは目新しい物では無いけど、逆にここまで堂々と先人の音を受け継ぎ自らの物にしているというセンスは見事だし、ライブでそのバンドの力量を存分に発揮出来るのは本当に強い。正々堂々と王道を突き進むオルタナティブロックとして彼等はナイス過ぎる!!



・THE CREATOR OF

 最早御大とも言うべき存在であるTCOだけど、先日のライブから四人編成になり、今回は四人になってからの二度目のライブ。しかしこの日のTCOは最初から飛ばしまくっていた。のっけから「You Are」という必殺のポストグランジでキックオフ。ギターの本数こそ二本になってしまったけど、それを生かした新たなギターアレンジはアンビエントな浮遊感を生かしながらも、よりダイレクトにリフの凄みを与えるアプローチになっていたし、鈴木氏と古谷氏のツインギターのサウンドは見事なまでに嵌りまくっていたと思う。そこからの「Out For Three Days Straight」、「Settle」の二曲の流れは本当に濃密で、間違いなく現在のTCOの中でも特にベストなインスト曲で見せる貫禄。終盤は歌物の「Wind Up」から「Acoustic」の流れは矢張り圧巻ではあった。前回のライブに比べて格段に四人になってからの音は固まっていたし、メンバーが一人減ってしまったというピンチもTCOは新たなる発展の足がけにしていたし、昨年リリースした「LIGHT」の楽曲たちはまた新たな顔を見せていた。しかしそろそろ新曲を是非ともライブで聴きたいし、「LIGHT」以降の新たなる音を早く鳴らして欲しい限りだ。ベースも新たに募集しているみたいだし、まだまだ新たな変化しかこのバンドには待ち受けていないと思う。現時点でベストのセットだったからこそ、TCOの底力みたいな物を肌で実感するライブだったし、良い意味での落ち着かなさはまだまだ続くだろう。



・WonderLand

 完全に初見だった主催のWonderLandだけど、ここ最近出会ったバンドの中でダントツに凄いバンドだった。先ずは長尺のインスト曲を二曲プレイしていたけど、極限まで削ぎ落としたビート、ノイジーにサイケデリックな音を爆音で鳴らしたかと思えば、とんでもなくクリアな旋律をダークに放つ。音数自体はそこまで多くないにも関わらず、サイケデリックとドローンの衝突地点にある音を極限の爆音で鳴らし、その一音で世界を完全に塗り替えてしまっている。後半はボーカルの入った二曲をプレイしていたけど、そっちは完全に狂っていた。空間系エフェクターで輪郭を完全崩壊させて、ダークさのみを旋律の中に託した音と、狂気しか感じない叫びを繰り出し、狂気を極限まで突き詰めた音に完全に腰を抜かしてしまった。バンドのアンサンブルや音作りはとんでもない完成度を誇っていたし、若手バンドの中でもトップクラスだと実感したけど、ここまでダークさに振り切ったヘビィなサイケデリックロックは今本当にいないと思う。名前も知らないバンドだったけど、また本物のサイケデリックロックが存在していたし、ライブは完全にトラウマ物だった。終演後にメンバーさんに音源を売っているか聞いたら、まだ作ってないらしくて、これからレコーディングする予定らしいが、その音源も含めて今後が本当に楽しみなバンドだ!!いや凄いよ!!



 台風真っ只中であるにも関わらず多くのお客さんがいたし、本気でどんだけマニアックな奴らなんだよって思ってしまったりもしたけど、この日のヘブンズには間違いなく新しいオルタナティブロックが渦巻いていたし、特に主催のWonderLandのライブはド肝を抜かれた。悪天候の中で足を運んだだけあったし、こうしてまた新たな素晴らしいバンドに出会えたのは心から嬉しく思う。
タグ : ライブレポ

■Dude Incredible/Shellac


Dude IncredibleDude Incredible
(2014/09/16)
Shellac

商品詳細を見る




 BIG BLACKやRapemanでの経歴は勿論だし、エンジニアとしてこれまで幾多の名盤を生み出してきたスティーブアルビニ先生率いるShellacの実に7年振りとなる5th。前作同様に今作も7年という大分間を空けてリリースされたけど、アルビニ先生はエンジニアとしては勿論だけど、やはりバンドマンとしても本当に素晴らしい才能を持つ人間だと改めて思うし、安心と信頼のshellacだけの音が今作にも存在している。リリースは勿論、爆音兄弟Touch And Goから!!



 前作がアバンギャルドな要素も盛り込んだ作品ではあったけど、今作は9曲で32分と実にコンパクトな作品となっている。自らの手によるレコーディングの生々しい音の緊張感は勿論健在だし、見事なまでにアルビニ節な金属の振動による鋭利で不穏な音の感触はやっぱり素晴らしい。今作ではそれをもっとダイナミックに生かす楽曲が並び、渋くもありつつ、アルビニサウンドの危険性ははやり素晴らしい物だと実感。
 Shellacはボーカル、ギター、ベース、ドラムのみで構成される音、アルビニ先生ならではな完全アナログ、オーバーダブ無し一発録音のレコーディング手法、極限まで突詰めながらも、同時に荒々しくもあり、本当にドラムのスネアの振動からギターの弦の振動が盤に生々しく詰め込まれている。今作のオープニングである第1曲「Dude Incredible」ではブルージーなギターフレーズで幕を開くけど、独特のタメを生かしたドラムのビートとグルーブ、ベースとギターの金属的ざらつきの音、不穏に反復するフレーズ、押しも引きも見事に生かし、不穏な静謐さから、ディストーションな歪みまで生々しい熱を感じるギターリフ、安易なる爆音の暴発ではなくて、あくまでも一定のテンションを保ちながら押していく感覚、一瞬で飲み込まれる音ではないけど、熱病の様に体を蝕み、そして犯していく。この独特のグルーブとビートとリフのシンプルながらShellacにしか出来なかった音が、今作は本当にダイナミックに出ている。ファズギターの音の粒の粗さですら芸術の域に達しているし、渋くありつつも、もっと明確にそれぞれの音が分かりやすく存在し、分断して切り裂いていく。だからこそ素晴らしい。
 第2曲「Compliant」の不穏な引きを生かしたからこそ逆説的に生まれる攻撃的サウンドと、ベースとドラムが引率する独特のタイム感のグルーブ、一転してベーフレーズの反復と、金属の鈍い光沢を感じさせつつも、少しずつ音を変化させるギターによる化学反応、ジャンクだとかオルタナティブという言葉で括るのは簡単かもしれないけど、そんな安易なカテゴライズは断固拒否するサウンドはやはりshellacだし、第4曲「Riding Bikes」絶妙にヨレヨレなグルーブが徐々に沈みこむ感じ、全体的にブルージーな音が増えた感じもあるし、変則性こそ全然変わってないけど、より削ぎ落とされて研ぎ澄まされている。スタイルこそ全然不変だし、やっぱり基本的な音はこれまでの作品とは大きく変わっていない。でもそれで十分だし、見事なまでにストップ&ゴーのお家芸炸裂の第5曲「All the Surveyors」を聴くとShellacはスタイルを徹底的に貫きながら、それを研ぎ澄ます事を進化とするバンドだと思うし、そのスタイルは多くのフォロワーを生み出しまくりながらも、未だに唯一無二であるのだから凄いんだ。一転して轟音が押し寄せながらも、その情報量を一気に搾り、その落差で頭を混乱させる第6曲「The People's Microphone」、Shellac流のグルーブによるダンスミュージックである第8曲「Mayor/Surveyor」、Shellacにだけ許された独自の捩れの歪みしかない最終曲「Surveyor」と今作を聴いて思ったのは結局ShellacはずっとShellacのまんまだ。



 元々Shellacが好きな人には説明不要で今作も安定のアルビニ節全開で最高としか言えないし、Shellacを知らない人には、もう堂々とポストハードコア、オルタナティブの最高の作品だとしか言えない。最早このバンドに関しては語る事もあんまり無いのかもしれないし、それでも数多くのフォロワーを生み出し、未だに多くのリスペクトを集めまくっているからこその貫禄はお見事。やっぱりShellacって素晴らしいバンドである。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ イギリス オルタナティブロック サイケ フランス アンビエント ネオクラスト ストーナー ドイツ ドローン シューゲイザー ロック ハードコア プログレ ギターロック グラインドコア ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル スラッシュメタル イタリア エレクトロニカ ジャンクロック インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ スペイン 年間BEST オーストラリア ノルウェー ジェント アコースティック モダンヘビィネス プログレッシブメタル ポップス ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル ニューウェイブ ラーメン ゴシックメタル ロシア ファストコア ハードロック ノイズ ニュースクールハードコア メタルコア パワーヴァイオレンス フィンランド 駄盤珍盤紹介 ヒップホップ オランダ トリップホップ アブストラクト 自殺系ブラックメタル ゴシックドゥーム ヘビィロック ミクスチャー ラトビア ダブ クラウトロック シンガポール ノーウェイブ ノイズコア ゴシック パンク ダブステップ メロディックパンク テクノ インディーロック チェコ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。