■2014年12月

■Yumi RISE OF THE YELLOW PERIL TOUR 2014(2014年12月22日)@西荻窪FLAT

 2012年にheaven in her armsともスプリットをリリースしているシンガポール激情系ハードコアであるYumiが1stアルバムを引っさげて来日というニュースは国内の激情フリークスの間でも大きな話題になっていたが、今まさに黎明期で大きな盛り上がりを見せている東南アジアのシーンを代表するYumiの来日に僕は心踊った。今回のツアーをサポートするのがex.GaugeMeansNothinであり、死んだ方がましにも在籍している笠沼氏の新バンドKowloon Ghost Syndicateだというのだから熱い。東京公演はこの日と翌日の小岩でのライブの2daysだったけど、この日は対バンにSTUBBORN FATHERとのスプリットのリリースを控えているCoffins是枝氏がギターで在籍するパワーヴァイオレンスの極限を往くTRIKORONA、数多くの海外バンド招聘を行い、今年は素晴らしい1stをリリースした国内激情最先端blue friendという濃厚4バンド。平日という事もあってオープンの時点では人は全然いなかったけど、スタート時刻頃には人も集まり、最終的には平日でありながら集客も良く、東南アジア激情が今正に注目を集めているのを感じた。個人的には孔鴉での大阪遠征、isolateツアーファイナルからのライブ3daysで体力的には正直キツかったけど、それでもこのイベントには足を運ばずにはいられなかった。



・TRIKORONA

 このバンドは最早パワーヴァイオレンスで括れるのか分からない。その位のライブをするバンドになってしまっていた。Coffinsの時と違ってギターであり、多数のエフェクターで異次元の音を放出する是枝氏のギターワークはもう才能の塊としか言えないし、テクニカルであり動きまくりながら超絶技巧の変態フレーズばっかり繰り出すベース、ブラストビートの連続に次ぐ連続でブチ殺すドラム。エクストリームミュージックの直接性の原液の一番底にある最高に濃い部分をかき集めて無理矢理ミックスしまくっている。ライブ自体も10曲近くはやっていたとは思うけど、20分程で終わってしまうファストでショートな具合。しかし一瞬一瞬が濃密なアドレナリンが出まくる瞬間しか無いし、変幻自在な幾多の音と共に繰り出される叫び。圧倒的情報量を一気に放出し、それでいてヴァイオレンスさと同時に異次元な音を繰り出しているから凄いのだ。脳汁ドバドバ溢れてくる是枝さんのギターは本当に予測不能のカオスだし、例のサンタランニングイベント行った奴らは、代わりにTRIKORONA観た方が未体験のカオスをよっぽど味わえたと僕は思う。勿論スプリットの楽曲はどれも音源を超えるカオスだったし、日本のパワーヴァイオレンスは本気で世界に誇れると前日のスラスラとこの日のTRIKORONAのライブを観て確信した。



・Kowloon Ghost Syndicate

 結成したばかりでありながら各所で話題を集めているKGSだけど、もう熱い熱すぎる!!音楽性はこれぞ王道を往くストレートなメタリックハードコア・エモヴァイオレンスであり、ネオクラスト的な音もガンガン出しまくっていて、色褪せぬ土臭く血生臭いハードコアを堂々と放出していてグレイトだけで、メンバー全員のテンションが本当に凄まじい。FLATのステージじゃ狭すぎるぜとばかりに暴れまくるメンバー、ボーカルの笠沼氏はしょっぱなからマイクのシールド抜けているし、他にもギターのシールド抜けたりもしていたかな。上手ギターの安藤氏も凄まじいテンションでギターを弾き倒し、しかも笠沼氏だけじゃなくて他のメンバーもガンガンマイクを取る複数掛け合いボーカルスタイルは掛け合いボーカルが大好きな僕は大歓喜!!休まる暇なんて曲に全く無いし、20分もしないでライブが終わってしまうテンションの凄まじさ。音楽性的には目新しい物では無いのかもしれないけど、メタリックなクラストサウンドを堂々と継承し、それを天井知らずのハイボルテージなライブで繰り広げるのだからもう言うことなんて何も無い!!今回ライブを観るのが凄く楽しみだったけど、期待以上のライブに熱くなったし、この日購入したデモカセットでもライブのテンションが見事にパッケージされていた。今後益々要注目のバンドだし、2015年に更に凄まじい事をしてくれるだろう。いや爆裂って言葉はこのバンドにこそ使いたいよ!!



・Yumi

 お待ちかねのシンガポール激情のYumi。メンバーの姿はこの日初めて観たけど、ボーカルの奴が小さくてちょっと笑った。身長で言うと多分1hyde+5位でしかもめっちゃ細い。そして上手ギターは赤縁眼鏡の女の子で、こちらもちっさい。他のメンバーはいかにも激情系っぽいルックスだったりしたけど、ボーカルの奴の着ていたパッチジャケットにCorruptedとCoffinsのパッチを発見して個人的には大興奮。MCの時にも言っていたけど、Corruptedとheaven in her armsとCoffinsは大好きなバンドで影響も受けているらしく(因みにKGSの安藤さんが横に待機していてMCの時の通訳をしていたりした)、シンガポールと日本の音楽が繋がっている事に嬉しくなってしまった。そしてライブが始まるともう本当にはち切れんばかりのテンション!!ボーカルの奴がいきなりフロアにクラウドサーフ決めて来たし、Hexisのフィリップ君かよって思ったけど、支えた重さはフィリップよりずっと軽かったです。まあフィリップはでかいし。そして上手ギターの童顔眼鏡の女の子が予想と反してメッチャ暴れながら滅茶苦茶エモい顔でギターをかき鳴らす!!これはもう最高だ!!曲は今年リリースした1stアルバムの楽曲をプレイしていたけど、HIHAのスプリットの時と違ってブラックメタル感は少し後退しながらも、正に王道を往く、誰しもが大好きな激情を鳴らしていた。楽曲の完成度は本当に高いし、それはHIHAとのスプリットの曲を聴いた時から思っていたけど、まるで「君と靴の未来」の頃のEnvyのそれじゃないか。よく激情系ハードコアバンドの売り文句に「for fans Envy」なんてあるけど、あの当時のEnvyが持っていた完成度とダークさと荒々しく猛る激情がYumiには間違いなくあったんだ!!40分近いライブで何度も何度も涙腺が緩みそうになる瞬間があったし、静のパートもありつつも基本は激で攻めまくるスタイル。ボーカルの奴、小さいのに滅茶苦茶エネルギッシュなボーカルをしているし、フロアに何度か飛び出したりするというテンション。ザクザク刻み付けるギターも格好良いし、リズム隊も爆走しながら安定したグルーブを生み出す。ライブ凄く楽しみであったけど、正直言ってここまで完成度が高いライブをするとは思わなかった。メロディアスでダークなえもヴァイオレンスの王道スタイルを貫きまくり、完成度が高いけど、ちゃんと荒々しさもあり、これこそが激情系ハードコアだろってライブは震えまくった。アンコールもありで大満足のライブだったし、シンガポールにはここまでハイレベルな激情が存在していたのだ。本気で足を運んで良かったよ。



・blue friend

 メンバーさんの仕事の関係でトリはブルフレ。今日は機材こそいつもの様に持ち込みでは無かったけど、今回の猛者ばかりのライブを締めくくるに相応しいライブだと思ったし、のっけから繰り出す最強の一曲目「Midikai」からラストの「Saisho」まで隙なんて何処にも無かった。ブルフレはここ最近のUS激情とシンクロする音を鳴らすバンドではあるけど、やっぱり魅力的なのは風通しの良い疾走するキャッチーさと印象に残りまくるフレーズの数々だと思うし、ライブでも音源とやっている事自体は何も変わらないけど、この疾走感はライブでこそ本領を発揮するし、随所随所に引きを用意しながら、バーストさうるサウンドは本当に気持ちが良いし、ライブでこそ真価を発揮する音だ。1stリリース以降のブルフレはもう一つの安心感すら覚えるレベルだと思うし、曲の完成度の高さもそうだけど、激情系らしいエモさと疾走感に一つのキャッチーさを盛り込み、みんなが聞きたかった音を鳴らすバンドになった。でもやっぱりその音を全力で時にクールでありながらもやっぱり熱く放つライブは本当にオーガズムの連続だし、ライブを観る程に癖になってしまう。主役のYumiの後にライブという状態にはなってしまっていたけど、でも堂々と今回のYumi来日を締めくくるライブだった。



 僕個人としては東南アジアのハードコアは全然詳しく無いし、現在勉強中ではあるけど、HIHAとのスプリットでYumiを知り惚れ込んでいたので、今回の来日公演は本気で嬉しかったと同時に、ライブと1stアルバムが正に激情系ハードコア屈指の物だったのは嬉しい誤算だった。ライブを観たかったKGSを観れたのも良かったし、TRIKORONAとブルフレも見事なライブをしていたと思う。同じアジアという地で言語や環境や気候や国こそ違えどこうして音楽で繋がっている事は嬉しかったし、Yumiのメンバーと少しだけではあるけど話せて、ライブが最高だって伝える事が出来たのも嬉しかった。音楽で人は繋がっているし、ハードコアは一つのコミュニティであるからこそ、人と人が全てを超えて音楽で繋がれる。それを改めて知った日だったし、この日のライブも一生物のライブに僕の中では残り続けていくだろう。
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■isolate ヒビノコト Release Tour Final(2014年12月21日)@渋谷eggman

 9月に1stアルバムである「ヒビノコト」をリリースしてから実に三ヶ月に渡るリリースツアーもいよいよファイナル。本当にisolateは全国を飛び回っていたし、僕も東京でのライブは何度も足を運んで来た。観る度にバンドとして最強モードである事を実感させられたし、ツアー終盤でギターの岩田氏がまさかの骨折なんて自体もあったけど、こうしてツアーファイナルの場にいれる事になったのは実に感慨深い。前日は大阪で孔鴉にいて、当日の朝に大阪から高速バスで東京に戻りそこからエッグマンに足を運んだのは正直かなりハードではあったけど、それでもこうして足を運んだのはisolateの一つの節目であり、そして新たな始まりの前夜である今回のツアーファイナルを見届けたいという使命感があったからこそだ。過去最大のキャパのハコである渋谷eggmanでのライブ。THINK AGAIN Coffins、SLIGHT SLAPPERSという対バン。もう伝説確定の夜だったし、そこに足を運ばない訳が無いじゃないか!!そして実際に足を運んだら本当に伝説の夜だった。それだけだ。



・THINK AGAIN

 トップバッターはTHINK AGAIN。このバンドはもう正統派極まりないハードコアパンクバンドであり、今年はPIZZA OF DEATHのイベントにて幕張メッセでのライブも経験しているバンドだ。恐らくこの日一番ストレートなサウンドではあったけど、とにかく正統派のハードコアパンクの良さに溢れている。やっている事自体凄いシンプルなパンクロックでありながらも、爆走する馬力溢れるサウンドは純粋にタフネスに溢れている。メンバー3人全員ボーカルを務め、日本語でメッセージ性溢れる言葉を音に乗せるスタイルは愚直なまでに真っ直ぐだ。小難しさやギミックなんて何も無いけど、間髪入れずにノンストップで繰り出される楽曲たちは正にハードコアパンクのそれだし、スラッシュするサウンドとキャッチーさも素晴らしく、一発目から熱い30分のパフォーマンスを繰り広げていた。初見だったけど凄く格好良いバンドだったし、若手ハードコアパンクを代表するバンドなのも納得だった。



・Coffins

 世界レベルであり、デスドゥームとか超えて最早ヘビィロック最強バンドの一つとも言えるCoffinsだけど、今のCoffinsは正に新たな黄金期を迎えている。ボーカルの時田氏が加入して一年がそろそろ経つけど、時田氏は完全にCoffinsに欠かせないメンバーになっていたし、加入当初の少し固さがあったボーカルは見る影が無い。そこら辺で暴れながら叫ぶスタイルこそ相変わらずだし、この日も何回か転びそうになっててちょっと微笑ましかったりもしたけど、超極悪な低域デスボイスは加入当初とは全然違って貫禄溢れる物になり大化けしまくっているじゃないか!!しかもイケメンで高身長なのもあって華がある。しかしこうエッグマンの広いステージで観て思ったけど、Coffinsは小さいハコでも絵になるバンドだし、でも海外ライブを積極的に行い世界でも大きな人気を集めているバンドだけあって、大きなステージが本当に似合うバンドだと思う。時田氏の佇まいもそうだけど、ベースの位置を低めでノリノリで重低音を叩きつける是枝氏もまた華があるし、ギターの内野氏はもうギターヒーローの風格と貫禄しか無い。内野氏が一々拳を高く上げてギター弾いたりするのとか、ギター弾いている時の顔とかも凄く絵になる。メンバー4人から漂う風格はCoffinsがカルトヒーローじゃなくて、もっとオーバーグランドなメタルヒーローのそれだ。勿論サウンドは相変わらず極悪。BPM自体は決して特別速くないけど、遅いドゥームパートからの疾走パートの格好良さは矢張り格別だし、BPMじゃなくて体感としての速さもCoffinsの大きな武器だろう。この日は40分近くのセットという事もあって、曲もたっぷりプレイし、ゴリゴリにヘビィなグルーブとリフをお見舞いしまくっていたし、デスメタルとかドゥームというカルトな音をクロスオーバーさせまくった上にオーバーグラウンド感さえある音にしてしまっているCoffinsの音は最早絶対の信頼しか無かった。しかしそんな極悪なライブをしても、時田氏のMCが滅茶苦茶緩かったりするのもまた微笑ましくて良いなあ。



・SLIGHT SLAPPERS

 日本が世界に誇るパワーヴァイオレンスことスラスラ。転換の時点のサウンドチェックで既に宇宙みたいな音が出ていて、いざライブが始まったらボーカルの久保田さんがいない。そしてフロアで暴れている眼鏡の人がいて、他の客と抱き合ったりしていて嫌な予感しかしなかったけど、その人がステージに上がって眼鏡と鬘を放り投げたら案の定いつもの辮髪の久保田さんでやっぱりなってなる最高のオープニングからスラスラは始まった。この日はisolateのツアーファイナルって事もあってかいつもよりセットは長め(20分弱)だったからスラスラの名曲をたっぷり聴けたのが先ず嬉しかったし、最早どんな曲をプレイしてもスラスラはスラスラでしか無い。中盤に「Moonlight」を箸休め的にプレイこそしていたけど、それ以外は本当にノンストップ!!久保田さんはフロアに飛び出してエッグマンに設置されているテーブルに登って叫んでいる始末だし、パワーヴァイオレンス云々以上に、この限界知らずのテンションは本当に何なのだろうか。久保田さんの一挙一動は一々滅茶苦茶目立つし、速くて短くて五月蝿いという絶対正義だけじゃなくて、それ以上の大正義としての楽しい!!をライブで体現出来るからスラスラはパワーヴァイオレンスの唯一無二の至宝となっているのだと思う。原曲より吹っ飛ばしまくっている「Tell It Like It Is...Please」のキャッチーさも堪らなかったし、ライブはいつもより長めでもやっぱり一瞬で終わってしまった。ライブちゃんと観たのは本当に久々だったけど、スラスラってやっぱり最強に狂ったパッションとハピネスをライブで生み出すバンドなんだなあってフロアで笑顔で暴れている人たちを見てて感じた。



・isolate

 長かった三ヶ月に渡るツアーもいよいよ大団円。長いセッティングが終わりいよいよisolateのライブへ。この日は全機材持ち込みのライブだったけど、もう色々セッティングが凄い。池谷氏が購入したという世界に15台しか無いらしいドラムセット、その左右には巨大なベースアンプ。岩田氏と花澤氏のギターアンプもやっぱり相変わらずの要塞だし、ステージにセッティングされた機材だけでも圧巻。そして安藤氏の「今日はほぼ全曲やり尽くすんでワンモアは無しでお願いします。」というアンコールなんかやらないで全部出し尽くす宣言からいよいよ伝説のライブは始まった。
 序盤は「ヒビノコト」の冒頭を飾る「解纜」からスタートし、「閉ざされた中で」、「航路の先」という最早鉄板になったとも言える3曲の流れからスタート。先日の大阪でのライブで踵を骨折してしまった岩田氏は椅子に座ってのライブというmonoみたいなスタイルではあったけど、もうのっけから全員飛ばしまくる。岩田氏も座っているのにギターを振り回しまくっているし、安藤氏はいきなりステージ前方に乗り出す。美轟音トレモロの「解纜」からファストに暴走する「閉ざされた中で」、極悪なリフとブラストの応酬である「航路の先」とこの3曲は正に今のisolateを象徴する3曲になっているし、今回のツアーでも常にライブでプレイされていた楽曲という事もあって音はより強靭かつ凶悪になっている。特にこの日の池谷氏のドラムはおニューのドラムセットという事もあってブラストの切れが兎に角半端じゃない。正確無比極まりないのに、一発一発の音が滅茶苦茶重いし、しかも速い。速さと重さと正確さを全て兼ね揃えたブラストはライブで叩きつけまくっていたし、ドラムの音が本当に良い。ていうか本当にキチガイみたいなドラムを池谷氏は叩いていたし、池谷氏のドラムは今のisolateに絶対に不可欠な物になっていると思う。
 そしてisolateの持つ美の側面を表に出した楽曲である「塗り重ねた虚像の果てに」から空気を変える。単に速く激烈なだけじゃないのもisolateだし、こうした楽曲だとツインギターのセンスが本当に光りまくる。轟音の中で背中を向けながら佇む安藤氏は哀愁と風格を漂わせていたし、美から激へのバーストは流石過ぎる。そこから「蝕」を皮切りにミドルテンポも交えた整合性と破滅的カタストロフィーとダークさが際立つ楽曲を立て続けに繰り出していく流れは神々しさが溢れていて、ステージの5人は美しかった。特にベースの苔口さんはこの日全体に言えたけど、本当に暗黒のベースヒーローだったと思う。常に背中をフロアに向けながらも、極悪な重低音を放ちながら暴れるパフォーマンスは最高に格好良いし、この日はいつも以上に何度も何度もベースを高々と掲げていたのも印象的だった。激を際立たせるダークな空気を美しく放つメインコンポーザーの花澤氏のギターもこの日は特に冴え渡っていたとも思うし、岩田氏もいつも以上に激しさを体現していた。安藤氏はMCで色々喋っていたけど、流血してないライブのが少なかった事とか、ツアーで着続けていたTシャツは額縁に飾るとか、ツアーを振り返る事をMCでは言っていた。でもライブ中はこれまで以上の気迫を見せていたし、スマホで写真を撮っていた人の前まで行ってカメラに思いっきり顔を写込ませたりなんてパフォーマンスもしていた。池谷氏はやっぱり絶対の信頼を誇るドラマーだし、この人がいないisolateは正直考えられない。5人の個性と実力がツアーによってより強固な物になっていたのも印象深かった。
 そして後半は飛ばしに飛ばしまくっていた。「そろそろお待ちかねの速い曲やります。」ってMCからの「裏側の微笑み」からの流れは本当に怒涛。合間に必殺の「狂う影にあわせて」を盛り込みながら、ノンストップで極悪な轟音の濁流と鬼のブラストが炸裂しまくる。苔口氏はもうこの辺りから完全にスイッチ入っていたし、isolateの狂気を最も体現する人ではあるけど、これまで観たライブで一番狂っていたんじゃないか。顔こそは見えないけど、猫背で暴れながらベースを弾き倒し、高々とベースを掲げる様はどうしても目が行ってしまう。そんな4曲の流れは今のisolateの激と速と黒の激突であり、これまでのisolateの持ち味を更に進化させた物である。本当に一瞬で4曲は終わってしまった。
 そして安藤氏の「限界突破しよう。」宣言からのラスト4曲は本当に全てが完全だった。「歪」になってこれまで以上にギターの音が良くなり、メロディアスでダークなフレーズがよりハイファイで鮮明に突き刺しまくり、池谷氏のドラムがより殴りつける物へと変貌する。クリアマックスの破滅を体現する楽曲からの、間違いなく「ヒビノコト」に繋がっている「落日」の暴力的なハードコアの激動の流れは完璧だったし、ライブで聴くのは滅茶苦茶久々だった最速で2分を駆け巡る轟音のカタルシスである「Tragedy Of The Ruin」は本当にブチ上がったし、ラストの「終末」はもうisolateが今回のツアーで本当の意味で強大なバンドになった事を実感した。岩田氏も足なんて怪我して無いんじゃねえかってテンションでギターを振り回しまくり、安藤氏が本気でフロアの人間全員ブチ殺す位の気迫と表情を見せながらの叫びを繰り出し、もう雄叫びしか上げられない化物だった。そして苔口氏もテンションが完全に限界突破し、正直に言うとここまでテンションが狂ったベーシストはこれまで観た事無かったし、最後の最後に安藤氏と池谷氏がステージから捌け、ギター隊二人がアウトロのフレーズを紡ぎ、安藤氏が最後のMCをしている中でも、苔口氏はぶっ倒れて、シールドに絡まりながらベースを叩きつけ、倒れながらベースを弾き、美しいアウトロの旋律の響く中で狂ったベースの重低音が乱雑に鳴り、壮絶なる一時間を締めくくった。いや体感だといつも通り30分位のライブに感じたし、その位ライブが濃密だったのだ。いやもう全てが完成されていた様でもあったし、でもまだまだ限界突破出来るぜって気迫もあった。本当に凄いバンドになってしまったよ!!



セットリスト

1.解纜
2.閉ざされた中で
3.航路の先
4.塗り重ねた虚像の果てに
5.蝕
6.欲で着膨れする
7.美徳の勘違い
8.裏側の微笑み
9.屁理屈
10.狂う影にあわせて
11.薄氷上
12.歪
13.落日
14.Tragedy Of The Ruin
15.終末



 こうしてisolateのリリースツアーは無事に全公演を終了したけど、本当に素晴らしいツアーになったと思う。僕自身は全部の公演には行けてないし、東京公演4つに足を運んだだけではあるけども、その4つどれもが素晴らしいライブだったし、今回のファイナルは本当にファイナルに相応しいライブだった。何よりも今出せる全てを出し切ったライブであると同時に、まだまだこれからもっと進化していくぜ!!って気迫と決意も感じたし、節目であると同時に、新たなスタートを飾るライブであったと思う。2013年の2月にたまたま行ったライブでisolateに出会って衝撃を受けてから約2年。当時から凄いバンドだとは思っていたけど、ますます凄いバンドになってしまっているし、これからもっともっと大きな存在になっていくだろう。isolateはこれからももっと凄まじい惨劇を繰り広げていく。それはもう間違いない筈だ!!
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■孔鴉 -koua- "SWARRRM 4th ALBUM "FLOWER" release GIG"(2014年12月20日)@心斎橋火影

 STUBBORN FATHERとSeeKによる共同企画である孔鴉も今回で第4回。第1回の開催から丁度ほぼ一年が経過したが、Heaven In Her ArmsとCoholのスプリットリリースツアーの大阪場所や、デンマークのHexisの来日公演大阪場所だったりと、第2回、第3回も熱いイベントだったと思うけど、今回はSWARRRMの新作のリリースイベントの大阪場所として開催された。今回はSWARRRMだけで無く、東京・青森・新潟と各地から猛者が集結したし、大阪勢は勿論ヤバい。個性溢れるバンドが集結する濃厚なイベントとして開催されている孔鴉は毎回間違いない面子が集まっているし、今回も大阪まで足を運ばせて頂いた。本当に最初から最後まで見逃す暇なんて何も無かった。



・kallaqri

 いきなりkallaqriがやってくれた!!2月のアンチのライブが大雪でkallaqriがたどり着けなくてキャンセルになってしまい、それ以来ずっとライブを観たくて、今回念願叶ってやっとライブを観れたけど、kallaqriは青森というローカルから全国で名を轟かせるバンドだって確信した。ツインベースというSeeK同様に変態的な編成のバンドではあるけど、このバンドは兎に角クリーンのパートの不気味さが異様過ぎる。ヘッドレスの4弦ベースの方はギターアンプにベースを繋いでいて、その音が兎に角不気味で仕方ない。ギターと確かな調和を果たしながらも、クリーンのパートで壮大で美麗なメロディを展開するのでは無くて、不協和音を繰り出しまくる。ザクザクと切り刻むリフの暴発とクリーントーンの不気味さを共存させているセンスも凄いし、カオティックな変態フレーズも盛り込み、時に感情に訴えるパートもありつつ、音を積み重ねる程に得体の知れなさばかりが増幅していく。感情に訴える音を鳴らしているバンドだし、ライブもかなりアグレッシブ極まりないとんでもないポテンシャルのバンドなんだけど、このバンドは本気で既存の激情系ハードコアと全てが違う。その変則的な編成もあるのかもしれないけど、兎に角メロディセンスがおかし過ぎるのだ。美しさと激を確かに持ち合わせているバンドでありながら、それ以上に蠢くエネルギーの輪郭の掴め無さによる暗黒っぷり。無慈悲な音なのに感情に訴える叫び。もう劇場系のありとあらゆる良さを完全に食っている。これから正式音源をリリースするらしいが、その音源のリリースによってこのバンドは青森から全国へと確実に飛び立つし、激情系新世代の最強のバンドになると思う。いやこんなバンドをみんな求めていたんだと思うよ!!



・GARADAMA

 実に一年振りに観るGARADAMA。前に観た時と違って3ピース編成でのライブとなったけど、今回のGARADAMAは前に観た時と全然違った。勿論遅く重い暗黒魔術ドゥームである事は変わらないんだけど、この日のGARADAMAはもっと根本的な部分でロックだったと思う。重いドゥームなビートとグルーブは暗黒その物ではあるのだけれども、その爆音を身に浴びると確かな快楽があるし、拷問サウンドに振り切るのでは無くもっと純粋にドゥームの暗黒さをロックとして産み落としている気もしたのだ。相変わらずな呪詛めいたボーカルもエグい重低音も脂が乗りまくっていたし、ライブ自体はどこか異様な空気を放っていたのは勿論だけど、どことなくバンド自体がリラックスしたライブをしていた様にも感じた。これはこの日出演した他のバンドにも言える事だけど、火影のサウンドシステムは本当に良くて、特に低域のエグさは半端じゃないし、荒さを感じさせながらも音のバランスが本当に良いのだ。GARADAMAも例外じゃ無くて、出している音が本当に不純さが皆無であり、ドゥームの快楽的な音だけを放っていた印象もあった。でもライブ自体は30分だったのに、時間軸が歪みまくって永遠の様に感じさせるグルーブはやっぱり異様だったし、妖しさをガンガン放ちながらのドゥームサウンドには惚れ惚れしてしまった。前にライブを観た時にはもっとインダストリアルで無慈悲なスラッジの印象があったけど、ロックバンドとしてのドゥームもGARADAMAは生み出せるし、大阪を代表するドゥーム・スラッジとして申し分無さ過ぎるライブだった。


・SeeK

 先週のアンチノックでのライブから一週間でまたSeeKを観れるというのは本当に幸せだ。アンチでのライブも良かったが、ホームである火影で観るSeeKは火影のサウンドシステムの良さもあって尚更素晴らしい!!最早ギターなんて入る隙が無いレベルで今のギターレスツインベース編成のアンサンブルは完成されているし、6弦ベースをギターアンプに繋ぐ事によってギターレスの穴を埋めるどころか、ギターとベースの両方の役割を果たすリフと、5弦ベースによるグルーブ、重く速いドラムの乱打、たった3つの楽器で今のSeeKの音はこれ以上無いレベルで完成されている。特に6弦ベースのギターの音域とベースの音域を交互に繰り出すリフのセンスは素晴らしいし、激情系ハードコアとしてもヘビィロックとしても他に無い個性をSeeKは持っている。でもその個性や唯一無二さは強靭極まりないバンドサウンドの重さと強さという実にシンプルな部分から生まれる物だと思うし、この日プレイしていた楽曲達もどれも小難しさは全く無い。常に重低音が支配するヘビィさを極めた音こそがSeeKであるし、そのサウンドスタイルの潔さは本気で男らしい。それにボーカルのSUGURU氏は本当にカリスマの風格を漂わせており、ドスの効きまくったボーカルで常に「攻め」のボーカルで言葉を吐くから最高に格好良いんだ。メンバー4人の佇まいも良し、バンドの音もキレにキレまくってて良し、本当にライブの基本アベレージが高いバンドだと思うし、大阪だけじゃなくてもっともっと東京でもライブをやって東京のフリークスを虜にして欲しいと心から思うバンドなのだ。決してリリースも多くないし、東京でのライブは中々無いバンドだけど、大阪から世界に誇れるバンドが正にSeeKなのだ。この日のライブも最高でしかなかったし、この日プレイしていた2曲の未音源化の楽曲もヘビィさが全てを蹂躙するSeeKの破壊力が凄い事になっているから本当に早く音源としてリリースされて欲しいと思う。



・REDSHEER

 東京でのライブは何度も観ているけど、今回の初大阪でのREDSHEERは何処か新鮮な空気。小野里氏が「東京から、正確には埼玉と千葉から来ました。」なんて挨拶のMCから始まったけど、この大阪でもとにかく切れまくったライブを繰り出していた。元々REDSHEERというバンド自体のライブのアベレージの高さは凄いし、荒さと世界観と狂気を完全なバランスで音にしているのはメンバーそれぞれのキャリアがあるからなんだろうけど、本当に毎回のライブが常に良いという信頼がある。この日は2曲目に新曲である「Yoru No Sotogawa」という初の日本語詞の楽曲をプレイしていたけど、その新曲がギターの山口氏が兎に角刻みまくるメタルなREDSHEERを見せる新境地とも言える楽曲で、でもリフで攻めまくりながらも、メロディアスになるパートは本当にメロディアスだし、カオティックの中で感じさせるコード進行とメロディの魅力という点はやっぱりREDSHEERだからこそだ。初の大阪でのライブという事もあってメンバーさん3人の気迫もいつも以上だったと思うし、「Silence Will Burn」の怒涛の展開からの激情はいつものライブよりも更に凄まじいテンションだった。ラストは「In The Coma」というクリーンの不穏さから爆発するSlintに激情とカオティックのエッセンスをブチ込み、Hooverの進化系とも言える楽曲で締めくくられたけど、小野里氏の不気味過ぎるベースと叫び、山口氏の鋭利なフレーズとそこから感じるメロディ、rao氏の力強すぎるトライヴァルなドラムの全てが見事な化学反応を起こし、大阪の人々にその存在感を刻みつけていた。今回は初の大阪でのライブだったから、REDSHEERを初めて観る人も多かったと思うけど、リアクションもかなり大きかったと思うし、この日いた人々を一人残らず虜にしていた筈だ。今年の初ライブがから精力的にライブを重ねているけど、来年は更に攻めまくるだろうし、本当にリリース予定のアルバムが楽しみでしょうがないんだ!!



・ANCHOR

 実は99年結成とかなり長いこと活動しているらしい新潟の激情系ハードコアであるANCHOR。このバンドはメロディアスな激情系ハードコアバンドであるけど、兎に角屈指のメロディセンスだ。空間系エフェクターでの揺らぎの音、ピアノ線で締め付ける様な音色のクリーントーンのアルペジオ、この2本のギターが紡ぐ音色がただただ美しい。激のパートはあるけど、そこまで激情激情している訳じゃ無いし、あくまでもクリーンのメロディ主体で楽曲は進行していくスタイルではあるけど、そのクリーンの音で全てを作り上げてしまうバンドだと思った。新潟のバンドという事もあるのだろうか、寒々しい荒涼とした美しさと、淀みが全く無い空気感がANCHORの持ち味になっていると思うし、北欧の激情系ハードコアバンドが持つメロディセンスをANCHORに感じたし、それでいて一寸のブレの無いサウンドスタイルは本当に頼もしい。この日出演したバンドの中で一番メロディという点に重点を置いているバンドだと思ったし、少し浮いてしまっている気も一瞬したりもしたけど、孔鴉というブレの無い個性を放つバンドのみが参戦するイベントではANCHORも間違いの無い猛者の一人だった。熾烈なる激情とはまた違う、世界観を持つ激情をANCHORは鳴らしていたけど、だからこそ本当に胸を締め付ける音だったし、新潟だけじゃなくて、余裕で全国屈指のメロディをこのバンドは紡いでたよ。



・STUBBORN FATHER

 先月のweepray企画以来の一ヶ月振りのSTUBBORNであったが、この日のSTUBBORNは火影というホームでのライブだったのもあったし、主催バンドの一つというのもあったと思うけど、本当に全てをかっさらって行った。最早最強の一曲目とも言える「裏側」の音声SEが流れ始めた瞬間の異常な暴発の夜明け、蛍光灯のみで照らされるステージに立つ4人の神々しさ、そして曲が始まった瞬間にクライマックスに次ぐクライマックスと言える怒涛の展開の連続。カオティック・激情以前にSTUBBORNはハードコアパンクバンドであるし、サウンドスタイルこそ変化はしながらも、結成から15年に渡って全くブレずにいるのは今年リリースされた編集盤カセットで十分理解はしていたけど、STUBBORN FATHERは正に今がバンドとして最凶のモードになっているし、暴走するビートの暴力、キラーリフのみを変則的に組み合わせてカオスを描き、凶悪な音で攻めるギター、そしてボーカルのshige氏の佇まい。何かな何まで完璧過ぎる位に格好良い。2曲目の「イデア」のダークなメロディを活かしながらも爆走するサウンドにも痺れまくったし、前回のライブでもやっていたANODEの大名曲「隠された太陽」のカバーの時はフロアは最高潮!!しかも熱かったのは、この日たまたま遊びに来ていたweeprayの笠原氏にshige氏が途中でコーラス用のマイクを託し、shige氏と笠原氏のツインボーカルまで実現してしまった事だ。笠原氏はANODEへのリスペクトを公言しているし、STUBBORNはANODEの盟友でもあり、shige氏のマイクはANODEのカズヒト氏から託されたマイクだ。僕自身はANODEをリアルタイムで追っていた人間では無かったけど、それでもANODEという「孤高の存在」が完全に墜落して消滅してしまっても、STUBBORN FATHERとweeprayというANODEと共に孤高の存在であり続けていたバンドと、そのANODEに憧れていたweeprayという新たなる孤高の存在の予定外のコラボは本当に胸が熱くて熱くて仕方なくなってしまった。そして終盤の「痣」から「創造の山」までは本当に怒涛だったし、ラストの「創造の山」でshige氏がフロアに飛び込み、フロアにいる人々に持ち上げられながら叫び、そしてフロアの人々はシンガロング。そんな狂騒の中、フロアを立ち去るshige氏は正にハードコアヒーローのそれでしか無かったし、STUBBORN FATHERが15年ブレずに活動を続けたからこその「孤高の存在」である事を実感した。何よりも過去も現在も間違いなく繋がっている事や、そしてそれが間違いなく「未来」へと繋がって行く事。それがこの日のSTUBBORNのライブにはあった。最高の一言以外無いよ!!



・SWARRRM

 そしてトリはカオティックグラインドの生きる伝説であるSWARRRM。ライブ自体は20分ちょいと相変わらず少し短めであったし、アンコールも無かった。でもたった20分ちょっとで全てを放つSWARRRMのライブはもう流石の一言に尽きてしまう。怒涛のブラストビート、重厚なベース、それらを下地にしながらのカポ氏のギターとツカサ氏のボーカルはもう切れに切れまくっている。完全に音源を再現してしまっている完璧なアンサンブルもうそうだし、ツカサしの低域グロウルと時折織り交ぜるハイトーンのシャウトは歴戦の猛者だからこそであると同時に、未だに全く衰えてなんかいないから凄い。それにカポ氏のギターリフのセンスは本当に凄いの一言であるんだけど、その音の切れ味の鋭さと言ったらもう堪らなく最高なのだ。セットは新旧織り交ぜた感じのセットで昔からの曲も新作の曲も満遍なくやっていたけど、本当にライブが20分ちょっとで終わってしまった事だけが不満だ。もっとあの曲も聴きたい、この曲もやって欲しいって気持ちがSWARRRMのライブを観るとどうしても生まれてしまうし、もっともっとやって欲しかったけど、でも猛者しかいないこのイベントを締めくくるに相応しいライブだったし、SWARRRMはなんだかんだ言って未だに代えのいないバンドなんだなって思った。こうしてまたライブを観れたのは本当に嬉しかったよ。



 ライブは22時半過ぎに終わったし、かなりの長丁場にはなったけど、本当に大阪って凄いなあってシンプル極まりない感想が孔鴉にはある。今回で孔鴉に足を運ぶのは二回目だけど、東京からわざわざ大阪まで足を運ぶ価値が孔鴉には間違いなくあるし、大阪のバンドだけじゃなくて本当に全国各地の強烈な個性と実力を持つバンドのみが参戦する事を許されているイベントだからこそ、このイベントには本当に大きな意味がある。次回の孔鴉もまた大阪まで足を運びたいと心から思うし、寧ろ東京でも孔鴉東京編をやって欲しいなんて気持ちもある。STUBBORN FATHERとSeeKという主催バンドが変化や進化こそあっても核が全くブレていない2バンドの主催だからこそ、出演バンドもブレ無いバンドしかいないし、だからこそ孔鴉にブレは全く無い。だからこそ常に最高のライブイベントであり続けていると思うし、初開催から一年が経過したけど、これからもずっとずっと続いて欲しいイベントだ。
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■OSRUM "20141214"(2014年12月14日)@新代田FEVER

 2013年2月にZが解散して実に2年近く、とうとう魚頭圭が最前線に帰って来た。最果ての最果てを鳴らして消滅したZであるが、そのZのギタリストでありメインコンポーザーだった魚頭圭、同時に2012年に解散したAS MEIASのギタリストとして2つのバンドで奇才っぷりを発揮していたが、OSRUMという新たなバンドにて音楽活動に復帰、同じくAS MEIASだった羽田氏をベース、BALLOONSの藤本氏をドラムに迎えた新たな3人で新たな音を生み出し、そしていよいよ初音源をリリースする事になった。今回はそのOSRUMの初音源のレコ発ライブだ。対バンに先日活動再会を果たした名古屋のDOIMOI、Zのドラマーであった弘中氏が在籍するskillkills、そしてSWIPE、There Is A Light That Never Goes Out時代からZに至るまで長年魚頭氏とバンドを続けてきた根本兄弟の新バンドであるPOWERと正に魚頭氏の最前復帰に相応しい面子が集結、そうだよ誰しもが魚頭氏が新たな音を鳴らす事を望んでいたし、僕もそうだった。そしてこの日の夜は本当に忘れる事の出来ない夜となった。



・POWER

 一発目は長年魚頭氏とバンドを共にしてきた根本兄弟の新バンドであるPOWER。今回で二回目のライブらしいがそのバンドの全貌はまだまだ謎に包まれているし、奇才根本潤が新たに奏でる音は全く想像が出来なかったが、いざライブを目の当たりにするとそこには「Z以降」を目指し、更に解読不能で唯一無二な音が存在していた。驚いたのは根本兄が曲によってはサックスを吹いてピンボーカルだったりもするけど、基本としてはベースを弾き、ベースボーカル&サックス・ギター・ベース・ドラムのツインベースの変則編成であるという事だ。そしていざライブが始まるとトライヴァルでありながら、最早規則性すら分からなくなる根本弟のドラムと共にメンバーが根本兄特有の言語感覚完全崩壊な呪文めいた言葉を呟いている。終わり無くその呪文の様な言葉を紡ぎながらベースでありながらギターの様なラインの音を紡ぐ根本兄。その音は本当に不可解過ぎる。ギターの人はファンク要素のあるカッティングメインのフレーズ中心に弾いているし、ベースの人はグルーブ音楽に基づく重厚感溢れるベースを弾く、しかしファンクやジャズよそういった要素を完全に分解しまくった音は兎に角ドープ極まりない。この感覚はZの1stである「御壁」で描いていた物と近いんだろうけど、このPOWERは完全に根本潤氏が自らの為の新たな音を描くバンドだから全然違う。ハードコア要素は完全に削ぎ落とし、グルーブ中心で音を構築しながらも、全てがそれらの音楽の規格からズレていたし、なのに音自体はやたらノレたりもするし、ドープだけどドープさに振り切って無い。全5曲でライブは終了したが、POWERというバンドを理解するには短すぎるライブだったし、目の前で繰り広げられる濃密さを極めた新しいグルーブに陶酔しているだけだった。それとメンバーさんは全員スーツでライブしていました。



・DOIMOI

 実に一年数ヶ月振りの復活を果たしたDOIMOI。2012年にリリースされた「Materials Science」は個人的にかなり愛聴していたけど、ライブは今回初めて観る。この日はベースの方が仕事で東京に来れなくて、MIRRORの磯貝氏がサポートベーシストとして参加したライブだが、全8曲30分弱を見事にDOIMOI節でキメにキメまくっていた。このバンドは機材面であったり音作りの拘りがライブでも尋常じゃなく発揮されていたし、ライブで音に触れると兎に角ギターの音色がよりヘビィになっている。リフで刻みを重ねるスタイルはライブでより際立ち、変拍子だらけであるにも関わらずタメと跳ねを生かしたドラムの血肉がアンサンブルの中で生きまくっている。この日のセットはDOIMOIの中でも特に攻めまくった曲を中心にプレイしていたのもあったし、美メロ×ヘビィロック=DOIMOIだけのエモという方程式を完全に活かしながらも、ヘビィロックバンドとしての重厚さと、それでもポップな風通しの良さをライブで見せていたと思う。ギターの方のカタコト日本語混じりのインチキ外タレ来日ライブなMCでは笑いを起こしながら、MC以外はほぼノンストップで曲を繰り出していくセットも良かったし、磯貝氏のベースもDOIMOIの音を見事に再現しながら、MIRRORとはまた違うプレイを見せていたのも新鮮だったし、DOIMOIの音と完全に調和を果たしていた。「円郡」や「誓い」や「オリンピック」といったアンセムはやっぱり貫禄溢れる音だったし、名古屋バンドなのに見事な外タレっぷりだ。年明けにTwolow企画で再び東京にやって来るし、来年からのDOIMOIはまた止まらないだろう。



・skillkills

 Zの最後のドラマーであった弘中氏在籍のskillkills。先日キーボードのヒカルレンズ氏がバンドを離れ、3ピースで新たなスタートを切った彼等だが、3人になってもこのバンドが生み出す新たなるレベルミュージックはん何も変わらない。この日プレイしたセットは全曲年明けにリリースされる4thアルバムからの曲であり、ヒカル氏がいなくなった代わりにトラックはサンプリングでのセットに変わったけど、それが逆に弘中兄弟のグルーブをより強固にしていたと思う。これまで以上に余計な音を減らし、その多くない音数でソリッドなグルーブを生み出すスタイルをより研ぎ澄ました印象が大きかったし、ドラムの音の一つ一つが振動までより鮮明に聞こえるビートを叩き、ベースはとにかく一音が深い所まで抉り取る。マナブ氏はこの日何度も「FEVERしよう!」って言いながら、これまで以上の言葉選びのセンスと情報量を進化させたラップをキメていたし、フロアを上げるパフォーマンスもキレッキレ。skillkillsは人力ヒップホップから新たなるレベルミュージックを生み出す化物であるけど、そもそも最強にパーティバンドなのだ。グルーブを極めに極めた音は本当にノレるし、トラックがよりシンプルになってからこその余計な物なんて何一つ無い混じりっけ無しのビートとグルーブの化学反応はケミカルなヤバさと原始的なヤバさで構成されている。ライブは結構曲をやっていたにも関わらずあっと言う間に感じたし、最初から最後まで散弾銃の様に繰り出されるラップと鉄壁のグルーブによる快楽に身を任せるだけだった。異常な制作意欲やスパンもそうだし、常に止まらないバンドであり続けているからこそskillkillsは常にネクストな存在であり続けているのを改めて感じたライブだったし、4thアルバムはもう既に名盤確定だ。来年も僕たちをヤバ過ぎるスキルでキルしまくるんだろう。



・OSRUM

 そしていよいよOSRUMのライブ。下手に魚頭氏、上手に羽田氏、真ん中に藤本氏という実にシンプル極まりない3ピース編成でのバンドだけど、この日初めて触れたOSRUMは想像以上に真っ直ぐなバンドだった。最初にプレイした「2013」で本当に色々と感動を覚えてしまった。魚頭氏のギターが本当にシンプル極まりないフレーズを弾いているのだ。ZやAS MEIASで魅せていた奇才っぷりを発揮しまくるプレイでは無く、もっと普遍的なグランジや90年代エモの流れにあるコードとサウンドだし、ギターの音作りの完璧さはもう予想通りというか予想以上だったけど、魚頭氏がとにかくクリーントーンでじっくりと歌い上げているのだ。他の楽曲もそうだけどミドルテンポでじっくりとそれぞれが音を奏でて積み上げていくアンサンブルは非常に渋いし、魚頭氏がリードを弾くパートはブルージーな哀愁に満ちまくっている。羽田&藤本のリズム隊も決して派手な事はしていないし、羽田氏は曲によっては動くベースラインで主張するけど、それでも引きの部分はしっかりと引くし、3ピースというシンプルな編成だからこその誤魔化しの無さがOSRUMの魅力だと思う。インストの楽曲「調和」ではアンビエントな感触の音色を生かしまくった魚頭圭のギタリストとしてのフリークスっぷりも発揮されていたりもしたけど、基礎になっているのはミドルテンポで丁寧に紡がれるグッドメロディと歌だ。この日は音源の曲全曲に音源未収録の新曲と持ち曲全部をプレイし、アンコールは再び「2013」をプレイしていたりもしたけど、OSRUMは魚頭氏のキャリアで間違いなく一番普遍的なバンドであると同時に、本当に余計な物を完全に削ぎ落としたからこその、終わらない熱情を歌うバンドなんだと思う。エモとかオルタナティブとかいうカテゴライズすら超えてドッシリと構えて確かに心に響くその音に僕は凄く感動的になってしまったよ。OSRUMとは新たなる再生の物語であり、全然終わらない熱情でしか無いのだ。だからこそ最高だと断言したい。魚頭氏のキャリアの中で最も不変的で普遍的であるからこそ、OSRUMというバンドは強さしか無かった。



 本当に温かいレコ発だったと思う。元Zのメンバーが在籍しているバンドが2バンド出演していたのもあったけど、この日出演したバンド全部に言えるのは新たなるスタートを切ったという事と、その熱情は全然おわらないバンドだけだったという事だ。変わる物もあるし、変わらない物もある。でも長年戦い続けている人たちの熱情は絶対に変わる事なんて無いっていう事。それは絶対だし。だからこそ貫禄と説得力があるのだと思う。それぞれが最高のライブを見せてくれたし、ライブを観ていた僕自身、心がキュッとなってしまったりもした。本当に魚頭氏がOSRUMという新たなバンドでこれからも音を奏でる事が僕は嬉しいし、だからこそ根本兄弟の新たなるバンドであるPOWERもそうだし、この日出演していたバンドを僕はこれからも追いかけて行きたい。

■BHD JAPAN TOUR 2014(2014年12月13日)@新宿Antiknock

 僕の敬愛する大阪の激重激情ハードコアであるSeeKが実に一年振り以上に東京でライブをする!!今回のイベントは大阪のSeeKとネムの台湾でのライブがキッカケとなり、来日を果たす台湾のポストロックバンドであるBHDのラブコールにより、BHDとSeeKの共演が実現したという物。BHDも気になっていたバンドだったのもあって、今回は足を運んだ。オールナイトイベントという事もあって、お客さんは決して多く無かったと言える。最初はOKAHASHI NOBUHIROのミニマルなドローンをみんな座ってマッタリと聴いているという何ともシュールな光景が広がっていたりもしたが、兎に角SeeKとBHDが楽しみで仕方無かったのだ。他の共演のOVUMとshuhariはバーカウンターで酒飲んでて、ちゃんと観たのはOKAHASHI氏とSeeKとBHDだけだったけど、兎に角SeeKとBHDのライブが最高だった。



・SeeK

 昨年の孔鴉以来実に一年振りのSeeK。ギターの方が脱退されて、ギターレスツインベースというもう色々おかしい4忍編成で活動をしているけど、はっきり言うと「ギターなんていらんかったんじゃ!!」って思いたくなるライブだったと思う。6弦ベースのNoguさんはベーアンじゃなくてギターアンプにベースを繋いでいたし、出している音は完全にギターリフの音であり、同時にベースならではの重低音も放出。勿論5弦ベースのyama氏のグルーブ溢れる重低音はSeeKのサウンドの基軸になっているし、最早変態編成であるにも関わらず、普遍的なバンドとしてのアンサンブルとフォーマットが完成しているのだ。今回はフロアでのライブだったけど、薄暗い照明の中で放たれるSeeKの音はやっぱり強烈だし、未音源化の新曲群もよりムダが無くなり、重音に次ぐ重音によるリフとグルーブとビートの圧倒的筋力を活かしまくったサウンドスタイルで、より原始的なハードコアバンドとしての強度がなんだか凄い事になってしまっているじゃないか!!何よりもSeeKの凄さってボーカルであるsuguru氏さと僕は思う。あのカリスマ溢れる佇まいもそうだけど、常に全力で雄叫びを上げまくり、爆音すら物ともしない異常な声量で日本語で言葉を紡ぐボーカルはSeeKの激情の核になっているし、その叫びには常に圧倒させられる。この日は4曲のセットだったけど、ラストの「崇高な手」の目まぐるしいビートとリフとグルーブと叫びの四重奏はSeeKというバンドが他にいないヘビィネスと激情を放つ事を証明し、轟音と重音を極限で爆発させまくっていた。SeeKというバンドが本当に大好きだし、大阪でまたライブ観るけど、このバンドはもっと東京の人にも知って欲しい、東京どころか他のどの場所にもSeeKみたいなバンドは本当にいないから。



・BHD

 曲をプレイしながらマイペースなセッティングが終わり、そんなリラックスした空気でライブが始まった台湾のポストロックバンドであるBHDであるが。ライブで初めてBHDで触れて、台湾のポストロックはまた独特の発展を遂げている事を感じた。編成自体は普通にオーソドックスだし、ステージの下手に立体型の白いオブジェみたいな物を設置し、そこに映像が映し出されるというVJのスタイルは中々独特であるけど、その音も兎に角独特だ。フォーマットとしては普遍的なバンドスタイルで時にサンプリング音を用いる感じえはあるけど、バンドの音の緊張感がまた独特の物である。少しヘビィでソリッドなギターフレーズの歪みと、もう一本のギターがオリエンタルなメロディを用いながらクリーンな美しさを奏でる。しかし不変的であると思わせて、既存のインスト系ポストロックとは全然違うアプローチをBHDはしている。メロディには確かなエモという概念があるし、その構成もドラマティックでありながら壮大では無く、日常的な普遍的体温をアンサンブルで生み出している。リズム隊の音がどことなく性急でありながら、アンサンブルが生み出すのは緊張感と快楽性の見事なバランスだ。単純に全ての音が気持ち良いし、時に不気味な音色を奏でているし、でも凄く人懐っこいという矛盾も自然と成立してしまっている。それはバンドメンバーがリラックスしたライブをしていたのもあったかもしれないけど、でも音の快楽に静かに身を委ねていたらライブはあっと言う間に終わったし、その天国でも地獄でもない、日常的熱量の世界はBHDだけの物だった。台湾ポストロックは確実に日本とは違う進化を遂げていたし、その音に酔いしれていた。



 集客は決して良かったとは言えないけど、BHDに対してアットホームな空気で行われた今回のライブはオールナイトというのもあって、独特の緩さがアンチにあったし、でもSeeKとBHDが見事なライブを繰り広げていたから良かった。日本と近い地でありながら、僕からしたらまだまだ未知な部分が多い台湾の音に触れる事が出来たのも嬉しかったし、何よりも久々に観たSeeKは前以上に凄まじい重音を放っていたのだ。
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■駒澤フェス(2014年12月7日)@駒澤大学

 先日の法政JOYのイベントに続いて、駒澤大学の駒澤フェスにも足を運ばせて頂きました。この日は駒澤大学内の談話室でのイベントで、本当に教室でライブをやるっていう学園祭のサークルライブみたいな手作り感溢れるイベント。僕はwombscapeとSu19b目当てで足を運んだけど、他の出演バンドも良くて、新しい音に触れる良い機会にもなった。トリのバンド前に予定があって離脱したり、観ていないバンドもあったりとレポとしては不完全だし、レポを上げるのも遅くなってしまったけど、出演したバンドの中で特に良かったバンドのライブレポを簡単にだけで書かせて頂きます。



・side scars

 全く予備知識は無いバンドだったけど、某氏に「ネオクラストの片鱗あるからチェックしておけ。」と言われたので、しっかりside scarsのライブを観る事に。最初にやった曲が叙情系ハードコアっぽい感じだったから、あんまりネオクラストって感じはしねえなあなんて思ったりもしたけど、そっからのDビート中心のクラストな楽曲が良い!!あざといメロディをリフから感じさせてくれたし、Light BearerのTシャツを着ていたボーカルの人のボーカルがとにかくパワフルで良い!!演奏面では不安定さもあったけど、ドラムの人のドラムが良い感じで安定感を持ちながら突っ走っていたし、叙情系な曲とクラスティな曲を繰り出しながらも、パワフルなライブを展開していた。まだまだ若いバンドだと思うし、発展段階なんだろうけど、確かにネオクラストな空気とメロディを持っていたし、これからライブを重ねたらもっともっと良くなると思った。今後チェックしていきます!



・ONLY THE LAST SONG

 柏の叙情系カオティックハードコアバンドのONLY THE LAST SONGだけど、このバンドが本当に良かった!!正に柏シティハードコアのDNAを継承しているバンドで、ここ最近のkamomekamomeやDeepslauterのDNAを叙情系ハードコアに持ち込んだバンドであり、キメというキメを繰り出しまくり、メロディアスながらもカオティックで直情的フレーズの連続で突き刺しまくる!バンドとしてのエネルギーやフックや瞬発力もかなりの物で変幻自在に曲を展開しながらも、暑苦しいハードコアサウンドを見せまくる。20分の持ち時間を一瞬で駆け巡り、若さ溢れるパッションとライブでの演奏力の高さをアピールし、談話室にて大きな盛り上がりを生み出していた。柏というハードコアの長い歴史を持つ地から、また新たな才能が登場していたし、初見だったけど、最高にインパクト溢れるライブだった。



・wombscape

 先日ギターのkijo氏が復帰し、久々に5人でのライブを観る事になったwombscape。今回で柳氏のサポートはラストだったけど、談話室でのライブでありながら機材も照明もフルで持ち込んだいつも通りの完成されたステージをこの日も発揮。持ち時間こそ20分弱ではあったけど、普段のライブより短いセットだったからこそ音が濃密になっていたし、柳さんとkijoさんのツインギターの複雑極まりない変態っぷりが色々凄かった。しかしこの日のRyo氏は完全にブチ切れていて、ステージ自体がかなり広いのもあったけど、いつも以上にアクションも派手だったし、これまで以上に取り憑かれている様でもあり、逆に解放されている様なボーカルとパフォーマンスは素敵。音も世界観も含めて益々気持ち悪くなっているし、もうカオティックだとかポストハードコアの領域にwombscapeはいないんじゃないかって実感させられたりもした。実質2曲のライブでありながら、より地獄化した轟音を放ち、最後はRyo氏がドラムセットにダイブするなんて事もあったけど、この日いた人々にまたまた強烈なトラウマを刻んでいただろう。



・イェン・ツー・パオ

 名前は知っていたけど、ライブを観る機会に恵まれなくて今回初めてその音に触れた。そして衝撃しかやって来なかった。ここまで病んだハードコアは他にいないんじゃないかって個人的には思ったし、サウンド的には和の旋律を主体にした静謐なパートを取り入れながら、ファストなパートではまるでBattle Of Wolf 359の様な極悪なエモヴァイオレンス!!ベースボーカルの人は全部日本語詞で叫んでいたし、ポエトリーもかなり多かったけど、聞き取った歌詞やポエトリーはひたすらに個人的感情をネガティブに吐き出す病みに病んだ個人的感情だし、それを単純に感情の暴発とか激情で片付けることは出来ないと思った。こうもっとドロドロとした陰鬱さをクリーンのパートにも暴発するファストパートにも取り込んでいたし、異常で異様なおぞましさに飲み込まれてライブは気付いたら終わっていた。ベースボーカルの人が最後は暴れ狂ってベースを投げ、他のメンバーさんも楽器を投げ捨て、全てを放棄して破壊する結末に圧倒されたし、そんなライブや曲の世界観も凄いけど、真っ当にエモヴァイオレンスを継承した音は凄まじく格好良かった。



・Su19b

 いよいよアルバムが楽しみになって来たSu19b。この日のライブもアンプ持ち込みでいつも通りの極悪仕様。しかしただでさえ極限なSu19bだけど、ライブだと本当に有無を言わせない物がある。極点の激遅と激速の連続、常に爆音激重リフでのみ攻める音、Su19bは余計な不純物は全く無いし、純粋な激音のみで勝負しているバンドだ。勿論バンドとしての音は完全に一つの形として完成されているし、ひたすら無慈悲に速さを極端に変化させながらも、常に音で観る物を押し潰して行くだけなのだ。スラッジ&グラインドなサウンドで常に観る物を殴り倒し、そしてスラッジさからブラストで暴走する瞬間は絶対零度から沸点超えの異常な上昇であり、その上昇が生み出すカタルシスと、沸点から再び絶対零度のスラッジに落ちる瞬間の絶望的地獄感。極端過ぎるけど、その極端さに頭が壊れてしまう。先日観たライブでも思ったけどSu19bはパワーヴァイオレンスの一つの到達点だ。いよいよリリースされる1stではどんな地獄になっているか、本当に楽しみで仕方無くなるライブだった。



 ざっくりとレポを書かせて頂いたけど、こうして若い学生も観る機会があるであろう大学内イベントで昼間から激音放ってしまっているというのは、やはり新鮮で面白いし、今回のイベントはカンパ制のフリーライブだったから、お金はあまり無いけどライブを観たい学生にとって、新しい音に触れる事の出来る良い機会だと思う。勿論もう学生じゃない僕でも凄く楽しめるイベントだったし、こうしたイベントはもっとこれから増えて欲しいと思う。
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■isolate、Andoロングインタビュー

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 isolateとは激情系だとかポストブラックメタルだとかカオティックだとかハードコアだとか、そんなチープなカテゴライズなんて不可能なエネルギーである。今年遂に待望の1stアルバムである「ヒビノコト」をリリースしたが、「ヒビノコト」は間違いなく2014年の最新で最強のハードコアアルバムになったと言える。元々は叙情系ハードコアのバンドとして始まり、これまでにEPやスプリットのリリース等を重ね、DEAFHEAVENやMilankuといった海外バンドとの共演、昨年の完全自主でのThe Secret招聘など、これまでに様々なアクションを起こしては来たけど、「ヒビノコト」でisolateはEnvyやheaven in her armsといった国内激情系最高峰と呼ばれるバンドとタメを張る存在になった。
 とにかくisolateは全てが極限なのだ。炸裂する轟音、暴走するブラストビート、雄叫びのみで吐き散らす言葉、時にはメンバーが怪我をしてしまう位にハイボルテージなライブ、常にフルスロットルでしか無いし、様々な感情の色彩の坩堝が生み出す黒はisolateにしか生み出せなかった物である。初めてライブを観た時の衝撃は今でも生々しく覚えているし、そしてライブを重ねる毎にとんでもない進化を続けている。「ヒビノコト」という極限まで重苦しく美しいハードコアの傑作を生み出し、そしてリリースツアーにてライブと言う名の惨劇の数々。本当に各地で熱い激音を放って来た。
 そんなisolateのリリースツアーもいよいよ12/21の渋谷eggmanでのツアー ファイナルを残すのみになったが、ツアーファイナルを控えたタイミングでisolateのボーカリストであるAndo氏へとインタビューを敢行した。バンドのこれまでよこれから、「ヒビノコト」について、ライブについて、色々と聞いたし、ツアーファイナル直前というタイミングでのインタビューだったのも良い事にリリースツアーを振り返って頂いたりもしている。東京暗黒重速歪音楽団の肩書きを持つisolateが何故常に100%以上のエネルギーで激情を生み出しライブをしているのか、その必然に迫ったし、当ブログ初のメールインタビューでは無く対面でのインタビューだったのもあって、これまでのインタビューとは大分空気感が違ったりもするけど、isolateが放つ激轟音のリアルが少しでも伝わればと思う。

※因みにAndo氏にインタビューをした際にweeprayのベーシストである阿武氏も同席しており、阿武氏も色々とAndo氏に聞いていたので、今回スペシャルゲスト阿武氏という事で、阿武氏とAndo氏のやり取りも掲載してます。



・まずisolateの結成からの経緯を教えて下さい。

 俺が就職で東京に出てきて、ALCATRIZE RECORDSの掲示板でメンバー募集をして、TH(Gt)や前のメンバーが来て、それでメンバーが揃ったのかな。
 でもメンバーが抜けたりとかあって、前のドラムのボンバーの先輩だったIkeya(Dr)が入って、ベースが中々見つからないなって思ったら、俺がKokeguchi(Ba)のやってるregret griefのライブを観て「こいつだ!!」って思ってギターだけどベースで入って貰った。

・元々は叙情系ハードコアのバンドだったんですよね。

 その時ね、俺もTHもIwata(Gt)もMisery Signalsとか好きだし、ニュースクールだったらHeaven Shall Burnも凄い好きだった。他にも色々好きなのはあったけど、そんな感じなのやろうよってやってて、デモができたの。で、その後に当時のドラムだったボンバーがCOHOLに入ってブラスト出来る様になって、じゃあブラストの曲やろうよってなって、THもその当時はSenseless ApocalypseとかJAPとか好きだったから、そんな曲を作る様になって、今の音楽性に変わった。前身バンドからisolateを名乗り始めたのは2007年かな。

・元々は激情系とかポストブラック的な感じでは無く。

 そうだね。でもメンバーはみんなそういう音楽は好きだったよ。THなんてHeaven In Her Armsの上手ギターのKatsutaが大学のサークルの先輩だったし、THはKatsutaの影響を凄い受けているし、勿論COHOLもその頃から仲良かったし、俺もやっぱりボンバーがgauge means nothingやってたから、その周りのバンドを凄く聴いていたし、激情系とかも色々聴いていたと思う。

・僕は1stEPである「limitasolation」でisolateに初めて触れたんですけど、その頃には今の音楽性は確立していた感じで、isolateっていうバンドの基盤は出来ていたと思います。

 基盤っていうか、あの頃はまだ足し算の世界だったの。「あれやって、これやって、これじゃ足りないからこれ付け足して。」って、どんどん難しい方向に行ってた。そういう意味で今とは違うね。
 今はどっちかって言うと「あれ引いて、これ引いて、これ邪魔だからこれ止めて、でもこれは残しておこう。」って引き算って感じで。だからスッキリはしているのかな。

・昔の方 が曲も今より長くて情報量も多い印象でした。去年リリースしたEPである「また創るその時のために」で大分変わった気がします。

 あのEPは曲のネタはTHが持って来たけど、結構みんなでガッツリとスタジオで作り込んだんだよね。でも作ってる時にはThe Secretを呼ぶのは決まってて、俺もTHもThe Secretが好きだったから、良い意味でThe Secretの男臭さを出したかったなっていうのもあって、あのEPが生まれたのかな。

・そして今年リリースした「ヒビノコト」を聴いて、最初に感じた印象はとにかく「強い」って印象でした。バンド全体の音が凄い重くなっていましたし、バンドとしてアンサンブルが凄い洗練されたと思います。

 「ヒビノコト」は曲自体はTHが全部一人で作って来たの。三ヶ月で11曲書いて来たのかな。それに対して他のメンバーの準備は万端では無かったのよ。俺も歌詞書いて無かったし。Ikeyaは手と足を別々にレコーディングしているんだけど、今は全然出来てるけどレコーディングの時はまだまだ叩けていなかったから、ドラムはOKテイクが出るまで結構時間がかかったね。
 元々ガッチリしたアルバムにしようって話はしていたから、ドラムもクリックに合わせて録った。ベースとギターはそれぞれの要望をエンジニアさんと相談して、そういう意味では完成された物になるべくしてなったと思う。無駄な事を一切許してくれないエンジニアさんだったから、弾かない弦の音はガムテープで一個一個ミュートしたりしてたよ。そんな感じで「ヒビノコト」が出来た。

・「ヒビノコト」はこれまで発表した作品とやっぱり違って、アルバムで一つの作品として統率されてますし、歌詞のテーマも今まで以上に明確になってますよね。歌詞は確か「七つの大罪」をテーマにしていますよね?

 そうそう。曲に関してはTHが一人で作っ てたから、彼は彼でそこで統一性を持っていたのね。それでラフミックスを聴いた時にメンバー全員でこれで良いってなって、その時に曲順は決まったの。
 曲順決まってレコーディングが始まった時には、コンセプトは自分の中であったと思うの。でも、レコーディングが進んでTHのギター録りが始まる位の頃になってるのに歌詞がまだ一曲書けてなかったの。

・そろそろヤバイぞ的な。 

 うん。でも、どんなに捻り出しても書けないんだよ。で、その頃に丁度仕事が三日間休みになって、実家の商売が忙しい時期だったから、実家の手伝いと気分転換も兼ねて帰省したの。
 帰省して一日目は何も書けなかったんだけど、二日目に手伝いが終わって、ふと頭 に浮かんだの。撮る曲って11曲あって、11曲って計算したら7+4なんだよね。3曲導入にして、1曲を最後のエピローグにして、じゃあ7つ余るじゃん?その時に思ったのよ。
 俺が浪人生の時にブラットピットの映画で「セブン」が凄く好きだったの。絶望で終わる奴ね。それで7+4って11じゃんってなって、その時に「七つの大罪」ってテーマが出来て、そしたら頭が一気に回転したの。だから親父とお袋がテレビ見てる隣で俺は叫んでた。

・うっせーみたいな。

 そうそう。「うっせー!お前もう帰れ!」って言われた。帰りもずっと新幹線の中で一人でずっとわーわーやってて。それで二日で8曲分の歌詞書いて、最終日に大阪に遊びに行って、んで帰りの新幹線でまた2曲 書いて、最後残ってた「歪」って曲の歌詞をスタジオで書き上げた。それで完成。後は歌いながら色々帳尻合わせたりとかしてたけど、その時にアルバムのコンセプトは完全に確立できたかな。
 
・それが何故「ヒビノコト」になったのでしょうか?

 レコーディングが終わってラフミックスが終わって、聴き直したり歌詞を読み直したりした時に、凄くダークな事を書いているけど、実際生活ってそうじゃない?会社の上司にムカついたり、政治家は何やってるか分からねえとか、給料が安いだとか、飯食ってて美味くねえとか、金払っているのに何だこの接客はとか、そんな不平不満が一杯あるじゃん?

・それは凄い分かります。

 そん な事を言っている時に、周りじゃ戦争やってたりとか、日本嫌いだとか、それって毎日の出来事と一緒じゃん!って思った時にアルバムのタイトルどうしようかって思って、京都にいるアコースティックデュオの高鈴っているの。高鈴に「ヒビノウタ」ってアルバムがあって、その中に入っている「愛してる」って曲は夏目友人帳ってアニメのエンディングテーマなんだけどね。その「ヒビノウタ」ってアルバムタイトルを思い出して、カタカナでアルバムタイトルって凄いしっくりくるなってなって、それなら俺は毎日の事を歌っているし、歌詞は突拍子も無い所もあるけど、結局生きていくってそんな物だろって思った時に、これっていつもの事なんじゃないってなって、タイトルは「ヒビノコト」にした。
 それを平仮名にするかカタカナにするかはメンバーの中で議論があったけど、最終的に「ヒビノコト」ってカタカナのタイトルになった。因みに平仮名が良いって言ってたのはIkeya。メンバーはみんなカタカナが良いって言ってたけど、Ikeyaだけ「カタカナだと堅い!!」って言ってたのよ。でも漢字にするのはみんな嫌だったの。

・ジャケットも凄い印象的ですよね。

 ジャケットはsewiの河野が描いてくれて。ジャケに関しては、その時にDEAFHEAVENの二度目の来日ツアーが終わって、その前にリリースしたDEAFHEAVENの2ndのジャケットを見て凄い感銘をうけてさ、俺らも今度は絶対に白黒のジャケットは止めようって思ってたの。
 それでDEAFHEAVENの来日公演が終わった 後に、BorisのAtsuoさんが見に来てて、僕らのDVDとかまた創るとかを渡したのね、その時に「白黒は良くも悪くも白黒にしかならないんだよ。」って言われて、その時にジャケットに色々な色を使おうってのが決まったの。それで「俺達だけど、俺達らしくない色にしてって。」凄い漠然としてるけど、そんな注文を河野にした。

・結果、凄い毒々しく禍々しいジャケットになりましたけど、でも「ヒビノコト」のテーマに凄い合っていると思うんですよ。

 そうだよ。色の一個一個が日々の事の一個一個の出来事でさ。凄く落ち込む暗い日もあれば、真っ赤に燃え上がる日もあるし、秋が来ればちょっと哀しくなるような黄色とかオレンジが欲しいなあって思う時もあれば、そう いう意味合いも俺の中では完成してて、完成したジャケット見て、良いなって思ったからあのジャケットで行こうと思ったの。

・喜怒哀楽なんですよね日常って。日常をテーマにした曲って、「怒」と「哀」をテーマにした曲が多いと思うんですけど、「喜」とか「楽」の部分はあんまり触れられてませんよね。ある意味ではカウンターなのかもしれませんね。怒りや哀しみがあるから日常だという。それを歌詞を読んで思いました。

 歌詞には「喜」と「楽」はあんまり無いけど、それに関してはジャケットで表現したつもり。

阿武(weepray):でもさあ、最初速い曲ねえよって聞いていたけど、出来た盤聴いたら速い曲しか無くて、「やりやがったなこいつら! !」って思ったよ。

 デモの段階では速い曲は無かったの。そう感じてたの(笑)ヒットチューンになる様な曲も無かったし。でも、結果的に録ってみたら速かったの。BPM変えてないのに、体感が速かったのよ。
 BPMは確かに元から速かったけど、それでもまあまあマッタリしてて良いんじゃないって。何で良いんじゃないってなったのは、前のEPの「落日」だったりとか、「狂う影に合わせて」だったりとか、どっかでみんなが盛り上がってくれる曲があるから、それを引き立てられる曲を作ろうって、ライブの事を考えてそうなったの。

・でも結果的には昔の曲は殆どやらなくなってと。個人的には音が重くなったから余計に速く感じる様になったのかなって。

 それはあると思う。

阿武(weepray):個人的にはDownfall Of Gaiaとか、Light Bearerとかそういう感じの曲を持って来てると思ったけど、アルバム聴いて「そういう事なのね!」ってなったよ。

 デモの段階だと遅く聴こえたのは事実なの。だから結構スルメなアルバムだって思ってた。でも録り進める内に、やっぱりレコーディングマジックってあって、 THのギターが録り終わる位かな?エンジニアの人が「歴史的名盤にしましょう!!」って凄い力強く言ったの。
 俺もアルバム作る段階でメンバー全員に言ったのは、今も良いって思われたいけども、結局俺たちが死んだらCDって誰かが持ってて、残るんだ。俺たちが解散したりとかして、10年経った時に良いって思われるアルバムにしようって気持ちがあって、その中で目標にしてた一枚がEnvyの「君の靴と未来」。だから作る段階でその想いを持ってやってたから、その時のエンジニアの言葉は、その気持ちをより高めてこうってなった。そんな感じでレコーディングは終わって、「ヒビノコト」が出来たのかな。マスタリングも色々あって、当初予定してた所と違う所でやったし、お金も使ったけど、人 にも恵まれて出来たアルバムだと思う。

・一つの集大成ですよね。それとやっぱ1stだからこそ良い作品にしようっていうのもあったのでは無いですか?

 そうだね。でも1stを良くしようって意識よりも、実はIkeyaやKokeguchiと違って、THとIwataはisolateが初めてのバンドなの。isolateが最初のキャリアだし、恐らくはisolateが最後のキャリアになると思うの。isolate以外でサイドプロジェクト的なのはこれからやるかもしれないけど、でもパーナメントに本気で活動するバンドはisolateで最初で最後だと思うの。
 アルバムはこれからも作っていくけど、その一枚目だから「まあ良くて当たり前でしょ?」っていうのはあったと思う。それで1st作るまでに7年かかちゃって、7年ってさ 、前身バンドから数えると2006年からだから8年で、結成当初19歳だったTHとIwataがアルバム出す時に27歳だよ。凄くこう…感慨深い物があるよ。まあ…無意識に意識はしていたのかな。それはあると思うよ。

・そういう意味でも「ヒビノコト」はバンドとして積み重ねて来た物。日常生活の中にisolateってバンドがメンバーさんのそれぞれに存在してて、今までやったライブや作った音源も含めて「ヒビノコト」って一つの到達点なんじゃないかってのは何となく感じました。

 あるある、それは勿論あるよ。俺もIkeyaも飽き性だから、早くちゃんとした音源出さないと飽きちゃうと思ったし、それはあると思うよ。

・それで「ヒビノコト」をリリースして、後はフ ァイナルのみですけどリリースツアーで全国回ったりとか、東京でも色々なイベント出たりとかあったじゃないですか、今までのライブと何か変わった事ってありますか?

 ライブとしては変わらない。俺たちの熱量は1000円のライブだろうが3000円のライブだろうが、機材が全然置けない様なハコでやろうが、広い所でやらしてもらおうが、それは変わらない。
 新潟はベースアンプ一個置けなかったし、沖縄も自分達の持ち込みの機材じゃないし、アンプだって全然足らなかったし、それでもいつもと変わらない気持ちでやったからさ。出音に関しては自分たちで考えれば良いし、それはあんまり変わらないかな。途中で出たグラインドフェスにしても、Milkcowの冬眠ライブにしても、weepray企画にしてもそれは変わらない。結局一本は一本だから。

・ライブの一本一本で常に全力を出すと。

 そうそう。それは絶対に変わらない。AKSKさー、ラーメン食いに行くじゃん。800円出して味も大した事無いわ接客も悪いわってなったらムカつかない?

・ムカつきますね。

 ね。俺らはラーメンなんだよ。お客さんは2000円なり3500円なり払って来る訳だよ。だったらその時に演奏が良いとか悪いとかは勿論ばらつきは出るんだけど、自分達のその時の100%を見せてあげないと折角お金払って来てくれてるのに失礼じゃん!!
 だからそれが良いか悪いかは別として、履き違えているかもしれないけど、俺もライブ中に怪我するし、機材もたまに壊れるし、それでもみんなが「すげえ!!」って盛り上がれるから、そういうライブをしている。

・ツアーも何本か足を運びましたけど、毎回ライブを観て思うのは常に120%しか出してねえみたいな。100%以上しか出してないってのは前以上に強くなったと思います。前も100%以上のライブをやってましたけど、更にハイボルテージで限界突破なライブをやる様になったと思います。

 結局俺らってバンドで飯食って無いじゃん?音楽のプロじゃないし、悪く言えばっていうか当たり前なんだけどアマチュアなんだよ。趣味だし。でも趣味以上の本気の熱量はあるんだけれども、プロじゃないし毎日ライブしないからさ。週末バンドだから「週末一日位は体痛くても良いじゃん!!」って事。
 それがもし俺らが毎日ライブやるツアーバンドだったら、あんなライブは絶対にしないと思う。それは完全にもっとショーマンシップに乗っ取って、スマートであったりとか、格好良く魅せたりとか、商品として確立できるライブをしないといけないと思うの。そこには何処かしらで必要なナルチシズムもあると思う。でも俺たちはそういうバンドじゃないからさ、だから一回一回濃密にして、人がドン引きしても自分達が納得出来るか、お金払ってくれた人たちが「良かったよね!」って。「今日来て良かった!」って思ってくれるのが大事なの。

・結果として全身全霊でライブをしているからこその、パフォーマンスという言い方は変ですけど、メンバー全員の アクションがブチ切れているとか。凄いザックリとした言い方になりますけど、ハードコア的で、メンバー全員ブチ切れてて、客も凄い盛り上がってみたいな。音楽性は分かりやすいかというと違うのかもしれませんけど、結果としてメンバーのテンションが客に伝わって、お客さんも盛り上がって拳上げたりとか、モッシュしたりするんですよ。

阿武(weepray):それでアルバムを出してツアーやってライブでアルバムの曲をやって、アルバムの曲に対して取り組み方とか解釈って変わったりした?

 「解纜」と「閉ざされた中で」と「航路の先」の3曲は、「この流れめっちゃ素敵やん!!」ってなって、これは変えたくない。後は自分たちの中でコンセプト強かったから曲順変えづらいってあったの。でもその3曲以外は意外と組み変えられるなって。それはライブやってて変わった。後はweeprayのボーカルの笠原に「そろそろセット変えて。」言われて、グラインドフェスの後かな。そっから色々変えるようになった。

・weepray企画でも頭から「狂う影に合わせて」でしたもんね。

 だからツアーファイナルは色々やります。セットも長めになるから、そこはお楽しみで。勿論全機材フルセットでやる。Ikeyaが新しいドラム買ったらしいから、そこも乞うご期待。

・それでは最後の質問に。今年は「ヒビノコト」リリースに、リリースツアーとあって、年末にツアーファイナルで2014年はキッチリ終わるじゃないですか。2015年のアクション はどうなりますか?

 来年はライブに関しては減らします。一個は2ndアルバムを作るため。もう一個はさっきも言ったけど俺たちは週末バンドで、平日はみんな仕事しているし、家族がいる奴もいる。そんな中で今年は9月から12月のツアーファイナルまで詰め込んだのね。ほぼ毎週ライブで、ライブが無い週末は二週間だけかな?そんな中でみんな一回、自分の生活を見つめなきゃいけない時期になったのね。 だからライブは出れる物は出るけど、isolateとしては制作期間もあるし、でも一回落ち着かないとバンドが続かなくなるし、だから来年に関しては少し落ち着きます。
 でも忘れてもらっちゃ困るのは、落ち着くけど新しい事もやるよ。ライブも本数が少ないだけで、一回一回は濃密にする。

・より濃い物を作る為の助走期間として。跳ぶ為の。

 そうだね。やっぱり俺達は音楽で飯食ってる訳じゃ無いから。でもその一回一回を適当にチャラチャラやって、「わー!楽しかったね!乾杯!!」っていうのにはしたくないの。だから一個一個濃密に…お金も時間もかけて来たからさ、自分たちとしても結果が欲しい訳よ。
 それは広いライブハウスでやれる事もそう!狭い所でお客さん入って無いけど、30人しかいなかったけど30人全員が滅茶苦茶盛り上がってフルモッシュして汗だくで帰ってくれるのもそう!それも結果!その一個一個は人として捉え方は違うけれども、自分達で受け止めれる物が最大限に盛り上がれる様にやって行きたいから来 年はまた準備期間かな?でも再来年はもっと楽しいかもよ?



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2014/12/21 at 渋谷eggman
isolate ヒビノコト Release Tour Final

isolate
COFFINS
SLIGHT SLAPPERS
THINK AGAIN

OPEN 18:00 START 18:30
PRICE: ADV/DOOR 2500yen / 3000yen








【オフィシャルサイト】http://isolate-all-2007.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/pages/Isolate-Japan/361533340527312
【twitter】https://twitter.com/isolate_tokyo
【Soundcloud】https://soundcloud.com/isolate_tokyo




photographer : ミツハシカツキ
https://www.flickr.com/photos/xscherzox/



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ヒビノコトヒビノコト
(2014/09/10)
isolate (アイソレイト)

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■創造 vol.3(2014年12月6日)@法政大学市ヶ谷キャンパス

 今回は法政大学の企画集団であるJOYによる法政大学内でのライブイベントであり、法政大学市ヶ谷キャンパス内の多目的室にて行われたイベントである。しかも面子が大学内の企画サークルによる物とは思えない濃厚な面子なのだ。僕自身は内情を知ってる訳では無いけど、法政大学は前々から色々と熱いイベントとかあったし、今回出演するバンドも幾つかは法政OBの人が在籍していたりもするらしく、そこら辺の繋がりもあるんだろうけど、それでもこうした熱いイベントをフリーライブで出来てしまうのは色々凄い。ライブ会場となっていた多目的室も音響面は中々申し分無しで、ライブハウスと殆ど変わらない環境でライブを観れるのも嬉しかった。そんなイベントの一部始終を。



・urgh

 Play Dead Season、alt、cisum、color me blood redのメンバーによる新バンドurgh。読み方は「アー」らしくなんともふざけきっているが、このバンドが良かった。音楽性は変態ポストパンク×鹿コアって感じで、瞬発力と初期衝動重視のサウンドであるが、メンバーのそれぞれの経歴に裏付けされている演奏力も確かにあるし、変態的サウンドでありながら、猪突猛進に突っ走る前のめり感がグッド。曲も短くライブは多分15分もやっていなかったと思うけど、インパクトは十分過ぎる位にあったし、キャッチーで変態で鹿コア的前のめり感のある音は個人的にless than TVから出しているバンド達にも通じる物があって、猛者たちの悪ふざけ感が何とも感じ取れるライブだったと思う。



・hue

 個人的に同じ栃木出身という事もあって応援していたりするhueだけど、ライブはかなり久々に観る事に。しかしhueはどこまでもナードを研ぎ澄ましているバンドだなって改めて思った。マスロック的な手法を取り入れながらも、
繊細なメロディを丁寧に紡ぎ、アンサンブルこそ高い演奏力と音作りの良さで完成度こそ高いけど、どうしても滲み出るどうしようも無い童貞臭さ、それこそがエモだし、そのナードさがあってのhueだと思う。この日のライブもイントロのキメの応酬だけで白飯何杯もいけてしまう「ハロウ」は非常にグッと来る物があったし、他の楽曲もポストロック的繊細な音色の中に激情を持ち込み、ズブズブ泣きまくるサウンドは最高だ。特に石田氏の昔ストーカーしていたってMCからメンバー全員でのオフマイクでのシンガロングから胸が張り裂ける青の衝動をかき鳴らした「ちゃんとする」は本当に名曲だったし、この曲はhueなりのナードアンセムなんだろう。久々に観たけど、やっぱりナイスなライブをしていたし、これからも同郷バンドとして応援して行きたい。



・blue friend

 今年リリースした1stアルバムが素晴らしかったブルフレだけど、こちらもライブを観るのは久々。しかし確変みたいなアルバムをリリースしたから確信はしていたけど、ライブの方も完全に確変モードになっていたと言える。頭の「Midikai」の時点で炸裂しまくる疾走感は半端じゃ無かったし、ブルフレの音楽性はギミック無しで、もっと言うとベッタベタなあざとさ全開なんだけど、でもそんな王道を往くサウンドを説得力を感じさせるバンドとしてのパワーが今のブルフレは色々と凄いんだと思う。間にMCも普通に挟んでいたりこそしていたけど、それでもブルフレの楽曲を畳み掛けて行く感覚は全然無くならないし、勿論ただ疾走するだけのサウンドじゃ無いんだけど、そんな引きも押しも巧みに使い分けて、キラーチューンを連発していく様は最早天晴れである。終盤の「Dasai」と「Saisho」はやっぱりブルフレの中でも特に名曲であると思うし、やっている事自体はギミックなんて無いのに、切れ味抜群の音の連続は圧巻。スクリームの方も今日は切れまくっていたし、バンド自体のコンディションもかなり良かった。今年ブルフレは一気に名を上げたし、激情系新世代を代表するバンドになったと思うけど、このバンドはまだまだ行ける筈だ。



・asthenia

 ブルフレに並んで激情系新世代を担うバンドとして今年になって色々な場所でその名前を聞く機会が増えたastheniaだけど、音源聴いた事も無かったし、ライブを観るのも初めて。さてどんなバンドかと楽しみであったけど、ブルフレとはまた違う激情を彼等は鳴らしていた。なんというか90年代US激情の空気感と言うかダークさを持ちながら、日本人特有の叙情的音色を響かせるバンドだし、日本語詞で紡がれるポエトリーとクリーントーンのヒリヒリした緊張感から、暴発するサウンドへと雪崩込み、楽曲の中に確かな世界観を充満させる。楽器隊のコーラスワークも一々熱かったし、激だけで押し切るサウンドとは違う空気感を前面に出した中での激のサウンドはかなり好印象でもあった。色々と話題になっているだけのバンドであったし、個人的には目新しさは無かったりもするけど、でも先人たちのサウンドを受け継いで自らの物にしているバンドだったし、その受け継いだ空気感は見事にライブで表現されていたよ。



・FIRENDSHIP

 これまで出演したバンドと明らかに違うエグ過ぎるギターの音がサウンドチェックの時点で多目的室を支配し、もう良い意味で嫌な予感しかしなかったFIRENDSHIP。このバンドも今回完全に初見だったけど、完全にド肝を抜かれた。現楽器隊は腕中タトゥーだらけだし、メンバー全員の風貌が完全に強い(確信)、って感じだったけど、そんな風貌を裏切らない圧巻の激重ヴァイオレンスサウンドに殺されてしまった。ギターの人はオレンジヘッド2台にキャビ二台っていう見るからに重圧殺セッティングで「バカ!最高かよ!」って感じだったけど、そんなセッティング通りな極悪過ぎるギターリフには恐怖しか感じないし、何かのっけからボーカルの人はフロアに飛び出して叫びながら暴れまくっているし、もう狂気と暴力性しか無いライブアクトにただ唖然とするしかなかった。基本的にはダウンテンポで引き摺るリフとビートとグルーブによる地獄サウンドであるんだけど、そんなパートを活かしながら、ブラストビートとDビートを取り入れたご褒美ハードコアパートが滅茶苦茶格好良いし、激遅と激速の乱打による混沌はSu19bにも通じるんだけど、彼等はサイケデリックな狂気というよりも、もっと肉体に訴える暴力性がキモになっているし、とにかく破滅的でしか無いのだ。終わり無く繰り出されるダウンテンポ重圧殺と重戦車激走の乱打は凄さしか無いし、いやはや凄いバンドがいたもんだ。個人的にこの重さと殺人サウンドはzenocideに匹敵するレベルだと思ったし、今回のライブで出会えて本当に良かった!!



・Rebel One Excalibur

 トリは最早福島どころじゃなくて、全国で名を広げようとしている郡山代表のRebel One Excalibur。彼等もライブを観るのは少し久々になってしまったけど、本当にパフォーマンスも含めて有無を言わせないバンドになっている。一曲目の必殺の「BIG BUSINESS」の時点で更なる進化を感じさせてくれたし、アレンジを音源と変えて、鉄の匂いを充満させながら、より性急に走りまくる切迫感に満ちたサウンドに脳みそがおかしくなりそうだし、メンバーそれぞれのアクションが一々格好良すぎる!!特にベースボーカルの人がベースを弾かないパートでは謎のステップを踏んでいたり、体全体でアクションをしながらオーラを放ちまくっているのは堪らなく惚れるし、メンバーみんなイケメンなのに、更にこんな格好良い音を出していたら男の俺でも抱かれたくなるし、このバンドは今間違いなく抱かれたいポストハードコア最右翼だ。きっとこの場にいた法政女子は彼等のライブを観て間違いなく濡らしていたし、法政男子はカウパー出しながら勃起していたと思う。新曲もより鋭利なサウンドを手にしており、そちらも良さしか無かったけど、ラストの「まだ決めてない」は本当にエロスに満ち溢れ、変態ポストハードコアでありながら、ギンギンの音にアヘ顔しちゃうしか無いし、もう色々ずるい。アンコールの「待つ」の爆走ポストハードコアは完全に絶頂物だし、ギラつく鉄の振動でその場にいた人間を「よく分からないけど全員抱いたわ」って感じでイカせまくっていた。ああ、もうRebel One Excaliburってなんでこんなに格好良いのか。ライブ観ていて帰りにメンバーの誰かにホテル行こうとか言われたら一発でOK出しちゃうわってなったし、もう全国の老若男女を抱いてくれ!!本当に男でも抱かれたいと思うバンドなんだわ。



 大学でライブを観るというのは中々新鮮だったけど、環境とか場所とか関係無しに良いライブするバンドばっかりで本当に良いイベントだったと思う。京都のMOTHERが出演キャンセルになったのだけは残念だったけど、それでも6バンドの濃厚過ぎるライブを十分過ぎる位に堪能させて頂いた。個人的には自分が在籍していた大学には無かった濃密なイベントがあるってのは少し法政の学生に嫉妬してしまったけど、まあそんなの関係無しに良いイベントだし、これからもこういうイベントを続けて欲しい限り。
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■TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split/TRIKORONA × STUBBORN FATHER

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 東京と大阪の狂気の暴力がスプリットをリリースしてしまった。パワーヴァイオレンスという枠組みでは全然収まらない異常過ぎる激音のみを鳴らす東京のTRIKORONA、その瞬間のカタルシスを複雑怪奇に台風の如く吹き乱していく大阪のSTUBBORN FATHER。その2バンドが惹かれ合いスプリットをリリースしてしまった。リリースはHELLO FROM THE GUTTERからで、今作は2014年の12月末のリリースであるけど、先日のweepray企画の時にSTUBBORN FATHERの物販で先行販売されていたので、そちらで入手させて頂いたのでフライングする形で今回紹介させて頂く。



 先行はTRIKORONA。TRIKORONAは5曲提供しているけど、アルバムで聴かせていた暴力すら超えた異次元パワーヴァイオレンスは更なる進化を遂げている。第1曲「妖怪の手」なんて最もなタイトルの楽曲からして異常さしか無い。空間的エフェクターによる揺らめきまくるギターフレーズから始まりながらも、一瞬でパワーヴァイオレンスらしい暴力的な音に変貌し、キメにキメを重ねて暴走しまくり、破綻する。第2曲「深い外」もそんな暴力性が更にヒートアップしているけど、サイケデリックでストーナーなギターフレーズが楽曲を支配し、同時に重圧が凄まじいベースとドラム、狂乱を吐き散らすボーカルが化学反応と拒絶反応を同時に起こしノイジーに脳髄を犯していく。ダークな激情要素も持ち込んだ第3曲「蒲団」も素晴らしく。こんな曲は単なるパワーヴァイオレンスバンドじゃ絶対に作れない曲だと思う。ブラストビートもガンガン使い、カオティックに変化を続けるサウンド、しかしそこに小難しさは微塵も無いし、微かなメロディアスさが生み出すダークさと空間的アプローチと、肉体的カオティックフレーズを使いこなすギター、憎悪を吐き出すボーカル。第4曲「意識の高い豚」のミドルテンポからの穢れきった暴動としての音、毒々しく引き摺る音から邪悪な結末からの高笑いに怯えるしか無いし、第5曲「片輪の馬車」まで休まる暇なんて全く無いし、圧倒的情報量をショートな楽曲に詰め込みまくり、それを全く整理しないで、負の初期衝動そのままに吐き出し叩きつけている。聴き手の意識を完全に破壊しながらも、宇宙かと思わせて、そことは全く違う場所へと道連れにしてしまっている。アルバムも凄かったけど、最新のTRIKORONAの新曲は、更に異常なテンションと狂気しか無い。
 後攻は大阪のSTUBBORN FATHER。今年は編集盤カセットをリリースしたけど、新曲として提供した3曲がもう激情・カオティックの最高峰としか言えない出来になっている。不穏な自動音声のSEから始まる第6曲「裏側」は本気でSTUBBORN FATHERというバンドが国内カオティック最高峰のバンドになってしまった事を証明する最強の一曲だと断言出来る。ギターは一本だし、実はギターフレーズ一つをそれぞれ切り取ったら至ってシンプルなフレーズで構成されていたりするんだけど、拍の理論とかキメの理論がおかしいのだ。ブラストビートも繰り出しながら暴走しまくるドラムも突如として変則的にキメを繰り出すし、残虐なる重低音を吐き出すベース、shige氏は日本語氏で衝動のままに叫びまくる。膨大なアイデアを詰め込みに詰め込みまくり、時にキャッチーなフレーズも繰り出しながら、歪んで荒れまくった音から、不意に入るクリーントーンのギターもうそうだし、ぶっちゃけ5曲分位の情報量を一曲に纏め上げ、そしてドラマティックさに走らず、最初から最後まで破滅的クライマックスのまま暴走していく。フックの強さで言ったら、もうkillie位しか対等に立てるバンドはいないんじゃないかってレベルだし、第7曲「降伏フィルム」ではロック的な初期衝動も感じさせながらも、持ち前の展開の多さとフックを最大限に生かし、キメのギターフレーズが一々最高に格好良かったりするし、国内激情・カオティック最高峰のバンドに上り詰めた事による獰猛なる雄たけびを繰り出している。最終曲「痣」では一転してダークな叙情性を感じさせ、ベースとポエトリーのみの這い回るパートから奈落へとダイブするクライマックスは圧巻。しかしながら「裏側」が本当に凄まじい出来で凄い。編集盤にも収録されているこれまでの楽曲郡も素晴らしい完成度だったけど、それを遥かに超えてしまっているし、バンドは本当に最高の状態だという事を実感するし、STUBBORN FATHERというバンドは完全に唯一無二のバンドになってしまったのだ。



 2014年と言う混迷の年に生れるばくして生れたスプリットだと思うし、TRIKORONAもSTUBBORN FATHERも現在こそバンドが最高の状態にある事を実感出来るスプリットだと思う。東京と大阪の化け物バンド2つの激突が生み出すエネルギーは想像を遥かに超えているし、この2バンドの行き先はもう誰にも分からないと思う。2014年の最後の最後に生れた激音の最果ては正に事件だし、カオティック・激情・パワーヴァイオレンスの最先端で最高峰のスプリットとなったのだ。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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