■2015年02月

■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■zenocide/zenocide

d1026f0896c092132b6334fd848eea66.jpg



 09年にHG FACTからリリースした1stにてその極悪すぎる重低音で一気に名前を広めたzenocide。昨年はオフィシャルブートのリリースもあったりしたが、今作は彼等の久々のスタジオ音源となる6曲入りEP。一時期はギターレスの変則編成で活動していたりしたけど、今作では1st録音時のギターも復帰し4人編成での作品になっている。バンドに関する情報はネット上ではあまり無くて、ちゃんとライブ活動しているにも関わらず相変わらず謎が多いバンドだが、今作でベースがex,FILTHY HATEの人になっているらしい。



 1stアルバムではEPの時のCorruptedを彷彿とさせるサバス感ゼロでハードコアを極限まで遅く重くした様なサウンドで僕たちのド肝を抜いたが、今作でもその破壊力は健在。しかし1stの頃に比べると作風は大きく変わり、1stの頃は長尺の楽曲がメインではあったけど、今作に収録されている楽曲は1分台2分台がメインになっており、極悪重低音サウンド自体は全然健在でありながら、曲はかなりシンプルかつショートになっている。よりソリッドになった音が聴き手を粉砕し、同時にハードコア色もかなり強くなり独自のスラッジサウンドになっている。
 第1曲「#Shit」からもうzenocideのお家芸は炸裂。ミドルテンポで全てをねじ伏せるビートと、ドス黒いノイズと化したギターは相変わらず極悪だが、これまでと違いBPMも速くなり、より直接的なハードコア色も感じさせると同時に、人力インダストリアル感のあるビートはより無慈悲さを高めている。音の粒が潰れまくったサウンドはロウな音だからこその本質的なヘビィさを充満させ、聴き手に緊張感や圧迫感を与えまくる。第2曲「My Nightmare」はこれまでに無く速い楽曲になっており、スラッジというより最早クラストの領域とも言える音になっており、アンサンブルも躍動感をやたらと感じさせる物になっていてダーティでありながら実に気持ちが良い。zenocide印の汚らしいボーカルも見事にハマり、元々パンクバンドであった彼等の核の部分を感じる重圧殺クラストはお見事。次元が崩壊するベースから始まり、スラッジリフからブラストビートが飛び出し、まるでzenocide印のグラインドサウンドを炸裂させながら、スラッジ感溢れるパートも盛り込んだファストな第3曲「I Need Dat」、こちらもクラストサウンド炸裂な第4曲「Ballz」、再び這い回るスラッジリフの殴打の連続である第5曲「Enemie」、そして終末感と共にノイジーでスラッジでインダストリアルな暗黒サウンドな最終曲「Heretic」と全6曲12分に渡る作品だが一貫しているのは兎に角重くて黒くて陰鬱であるという事だ。



 これまでの作品以上にハードコアテイストを強め、遅いパートでなく速いパートもしっかりと盛り込み独自のサウンドを手にしたが、これまでの作品同様に一貫しているのは徹底して重く汚く黒く極悪だという事だ。4人編成になってからのライブは何度か観ているし、その爆音の重圧殺サウンドの凄まじさに圧巻されていたが、音源の方でもそれは見事に健在。油断していると押し潰されてしまうし、鈍器で人を殴りつける瞬間を音にしたみたいなサウンドはやはり凶悪でしかない。



スポンサーサイト

■NoLA、ロングインタビュー

16566005141_59885ba1c0_o.jpg




 いや本当にNoLAというバンドはとんでもない進化を続けている。1stミニアルバムである「DISORDERLY」でNoLAを知り、それからこのバンドをずっと追いかけて来たけど、本当に凄いバンドになっていく。ライブを観る度にトラウマを植え付けられる感じになるし、ダークでヴァイオレンスなエクストリームミュージックの一番純粋な部分を解放する彼等の音は本当に凄まじい物だ。そんな彼等も10代から20代になり、ベースレス3ピースでの活動から、まさかのベーシストでは無くて、新ギタリストであるmakino氏が2013年末に加入し4人編成になったり、初の海外ライブであるオーストラリアツアーを2014年には経験し、本当にバンドとして大きくなった。そんな最高の状態でリリースされたのが彼等の2ndミニアルバム「DEAD BEAT」(当ブログでの紹介はこちら)だ。数多くのライブで鍛え上げてより禍々しくなったサウンド、小細工無しのリフとビート、凶悪さはそのままにある種の分かりやすさやキャッチーさ、全方位に喧嘩みてえな音で喧嘩を売りまくっている痛快さはより進化し、暗黒であり地獄でありながら、もっとヘビィロックの暴力をダイレクトに伝えるだけの力量を確かに手に入れている傑作だった。
 今回でNoLAへのインタビューは二度目で、前回のインタビューではバンドの結成から現在に至るまでとか、バンドの詳細について聞いたけど、今回は前回同様にボーカルのTakeruと新たに加入したギタリストmakino氏の2人に4人になってからの事、「DEAD BEAT」について、オーストラリアツアーの事、これからの事、果ては彼等の純粋な音楽に対する思い。色々と聞きまくった!!




・「DEAD BEAT」リリースおめでとうございます。

Takeru&makino:ありがとうございます。

・先ずはmakinoさん加入の経緯を聞こうかな。

Takeru : makinoが加入して初めてライブやったのが2013年の10月…ってもう一昨年か!早っ!

・おまわりさんとの共同企画の時だよね。俺もいたよ。

Takeru : そう考えるともうmakino入って結構経つのかあ。

・そもそもどういった経緯でベーシストじゃなくて何故ギタリストが入ったのかという。

Takeru : それはmakinoがギタリストだったからってだけなんですよ。勿論最初はベースを弾いて欲しくて、「ベース弾いてくれない?」ってお願いしたんですけど、それは嫌だと。ギターで入りたいと。

makino : ベースは弾けないから。先ずベース持ってないし。

・(爆笑) そもそも何で最初はベーシストで入れようとしたの?

Takeru : 当時は三人でやっていく事に限界を感じてたし、新しいメンバーを入れるならベースって感じで、ギターって考えはあんまり無かったんですよ。
でも新松戸FIREBIRDでお世話になったりとか、makinoがやっていたスタジオまきので対バンしたりとかして、こいつとバンドやりてえなあって。

・割と直感的な部分で決めたと。

Takeru:直感ですね。makinoとバンドやったら広がりそうだなって思って。とにかく一緒にバンドをやりたかった。

・それでmakinoさんはNoLA加入の誘いが来てどうしようと思いました?

makino : 取り敢えずベースで誘われて、ベースは弾けないけどギターは弾けるから、ギターで加入して欲しいなら一回話頂戴って。

・ギターで入りたいと。

makino : そうですね。一人でスタジオまきのやっててもベースアンプもギターアンプも両方鳴らしていたから、俺が入る前はKeyakiがそれをやっていたとは思いますけど。そういう感じでなら音出せるよと。

・割と経緯はシンプルだったんですね。Takeruがベースで入れようと思ったらギターで加入になったと。

Takeru : そうですね。でも成り行きでそうなったとしてもギターが2人になるのは面白い事は面白いかなって思って。
スタジオ一緒に入って音合わせてみたら、やっぱり面白い事になるからそこからどんどん工夫して、これでいけるんじゃないかってなった感じですね。

・それでNoLAという既存のバンドに加入してどういった音を入れたいとか、NoLAをどう変化させたいってのはmakinoさんの中ではありましたか?

makino : それはありましたね。1stの曲だったら自分だったらこうアプローチするなあとか、そういうのはスタジオ入った時にちょくちょくやっている感じで。

・実際に元々のメンバーだった3人はmakinoさんが加入して変わった事は?

Takeru : 本当にバンドやりやすくなりましたね。3人だけだった時は意外とバンド内の空気がギスギスしたりもあって、でもmakinoが入って出来る事が増えたから、だから3人だけだった頃よりもバンドが楽しくなったし単純に音を出すって事が。それがギターであろうと一人増えるだけでこんなに広がるんだと。それをmakinoに味あわせてもらって、バンドが単純に楽しくなったなあ。

・これまで3人で背負っていた物を4人で背負う事によってメンバーそれぞれの負担が減ったってのは大きいのかもしれないね。

Takeru : それは大きいですねえ。これまではライブ活動の方針とか、曲の方向性とかはほぼ俺が考えている感じだったんですよ。それをKeyakiやKotarouに振って形にしてもらう感じで。
でもmakinoが入って、makinoが結構そういう事を考えてくれるし、曲を作ることに対して賢いから、負担が減りました。

・こうして2013年の10月からNoLAは4人編成になったけど、それから去年の春に初の海外ツアーとなるオーストラリアツアーとなったけど、そのツアーの話を。先ず最初にツアーの話が来てどうしようと思った?

Takeru : 最初は正直、滅茶苦茶行きたいとは思ったけど、そんなに上手くいくのかなあって。でも向こうが色々取り仕切ってくれて、実現出来て良かった。

・日本との環境の違いとかはやっぱりあった?

Takeru : 日本のライブハウスみたいにPAがちゃんといて音を作ってくれたり、アンプがあってドラムセットがあってってのはあんまり無いですね。もう自分たちでやるしか無い環境でした。

makino : ライブハウスってのがそもそも無いんですよ。

・もうライブハウスって概念が先ず無いと。

Takeru : 海外だとライブハウスじゃなくてべニューって呼び方らしいです。

makino : もう機材も自分たちで用意して設営するというか。

Takeru : 日本のライブは夕方スタートが大半じゃないですか。でも向こうは5バンド6バンドが出演するイベントでも21時スタートとかでスタートが遅いんですよ。
向こうって電車って概念があんまり無くて、日本の首都圏みたいに狭い場所にライブハウスが密集してないんですよ。オーストラリア中で滅茶苦茶分散しているんです。例えばこの日ライブがあるってなると、その土地はそれしかイベント無くて、東京みたいにイベントが被るって事が先ず無いんですよ。ここしかライブを観れる場所が無い!って感じで。だからライブに遊びに来る絶対数が多いんですよ。べニューに集まるお客さんの絶対数は日本のライブハウスとは雲泥の差というか。

・やっぱり海外は日本以上に音楽が土着的な文化になっているのかな。

Takeru : 日本も音楽はしっかりとした文化にはなっているけど、でも日本は狭くて多いから。

makino : 日本は情報量が多すぎると思うんですよ。海外は情報が少ない分、みんな純粋に音楽を凄い楽しんでいるという感じですね。

・僕たちは首都圏の人間だから尚更情報量は多いと思う。二人はNoLAやっているから、俗に言う被りとかもあるだろうし、良くも悪くも選択肢が多いってのはあるかも。

Takeru : そうなんですよね。今日どのライブ行こうかなって選べる感じは凄い良いとは思うんですけど。

・それは良い事だけど、バンドマン側したら悩ましさとかあるのかな。

Takeru : 問題では無いんですよ、ある事自体が物凄く良い事なんで。
俺は「今日他にもライブ被ってるからなー。」みたいのはあんまり好きじゃ無いんですよ。あんまり言いたくない、格好悪いなって。そこはもう腹括るしか無いだろうって思います。

・ステージ立つとなると最高のライブする以外の選択肢は無いって感じ。

Takeru : 無いですねえ。その日がライブだったら誰が何処でやっていようが関係無いです。

・実際にオーストラリアで何本もライブやって来たじゃん?こうバンドとして強くなったって実感はある?

Takeru : ありますねー。

・NoLAがオーストラリアから帰ってきた直後にブッシュバッシュのライブあったじゃん?それでツアー帰りのNoLAのライブ観たんだけど、やっぱり凄くバンドが強くなったと思った。

Takeru : ツアーがmakinoが入ったタイミングで本当に良かったですよ。makinoが入ってオーストラリア行ってで、バンドが一気に鍛えられたから。完全にバンドが固まった感じ。

makino : 完全に精神と時の部屋でしたね。

・(爆笑)修行みたいな。

makino : 修行ですね。

Takeru : 完全にそんな感じでしたね(笑)

・makinoさんも初の海外ライブでしたよね。やっぱり体力的にも精神的にも負担はあったとは思いますけど。

Takeru : makino、Keyakiと同じベッドで寝てましたよ(笑)。オーストラリアで宿泊する部屋入ったら、ダブルベッドと二段ベッドがあって、ダブルベッドで2人で寝たい奴なんていなかったんで、メンバーでベッド争奪大富豪勝負しようってことになり、俺とKotarouが勝ってしまい、ギター2人でダブルベッドで寝るという(笑)、
朝起きたらmakinoだけ床で寝てるという(笑)。
苦しかったのかもしれないですね(笑)今となっては楽しい思い出ですけど。

・でもやっぱりツインギターになった事で1stの曲もアレンジが広がったと思うし、単純に音圧が強くなったというのもあるし、makinoさん入って、これまでKeyakiが100やってたけど、単純計算でmakinoさんが入ったから200出来るぞみたいな感じで。それで新作「DEAD BET」の話に入るけど、先ず単純に凄く格好良かった。

Takeru : ありがとうございます。

・それでライブではやってた曲もあったし、曲自体はリリース前にライブで聞いてはいたけど、改めて盤で聴いて、凄いシンプルになったと思う。普通ツインギターになったらもうちょい込み入ったアレンジにしようとか、大作志向になるのかなあって気もしていたんだけどね…真逆だったね!!

makino : NoLAのメンバー全員が多分シンプルで格好良い物が凄い好きだし、僕もそうだし、それはまあ1stの時からそんなに変わってないのかなって。

・確かに。1stに収録されてた「Mist」みたいな大作志向の曲は無いしね今回の2ndには。3分台ってある種キャッチーな尺で。

Takeru : そんな感じでやりましたね。でもまた絶対「Mist」的な曲は作ろうってずっと考えていて、それはでもね…ベースが加入してから作りたいって思ってもいるんですよ。
ベースのループ感みたいのが欲しいから。ベース入れてからそういう大作系は作っていきてえなあって。

・今思うと寧ろ1stが少し異常だった感じはあるかもね。ベースレスでよくこれをやろうとしたなあって。

Takeru : 確かに(笑)。

・変な言い方になるけど、ある種未完成の状態からスタートしてて、今も未完成ですって感じはあってさ。本当に良い意味で言っているんだけど。NoLAって最初からベースレスでやるんじゃ!!ってスタンスでは無いじゃん?ベース入れたいって思いながらずっとやってた訳でしょ?
でも未だにベースは見つからずで、それでもライブをやらなきゃいけない、音源を作らなきゃいけないで。だから逆境的な部分からスタートしている感じはある。それを利用しているというか。

Takeru : そうっすね…それでも格好良い物を作らなきゃいけない…っていうか作りたいし、その中でどれだけ出来るかっていう所でやっている感じ…ですね。

・でもひたすら限界に挑むバンドだなあ君らは(笑)ドMだよね?

Takeru : ドMです!!全員ドMです!!ドMじゃ無いなら自分の事をここまで叩けないから(笑)。

・だからNoLAはドMだからこそドMの気持ちが分かるんだと思う。
でもNoLAはもっとサディスティックでもあるし…だからSもMも両方あるんだろうね。SとMって表裏一体じゃん?

Takeru : 精神的にはMなんだけど、何だろうなあ…ライブになるとSになるっていうか。

・ある種のサービス精神?

Takeru : 自傷行為とか自虐とかそういう方向には行きたくなくなるんだよな…

・もっとアッパーな方向だよね?解放するっていうか。

Takeru : うん。その方が今は表現してて楽しいかなあって。

・僕個人の意見なんだけど、音楽に限らず表現って両極端で、「もう死んでやる!!」って自分に矛先を向けるのか、「てめえら全員ぶっ殺す!!」って外に矛先が行くのかっていう。
それはメタルだとかハードコアって最早関係無くて、自分の中の地獄を表現して地獄を作るのか、他をブチ殺しまくって地獄を作るのかって感じ。エクストリームミュージックだと尚更それは出て来ると僕は思っているから。
だからNoLAは外側に行ったよね。makinoさん入ってより外に外に!!って気持ちが強くなったというか。

Takeru : 周りで触れ合うバンドとか普段聴く音楽とかがそういう物だったからそれに影響を受けて今のこの形になっていると思うんですよ。やっぱり今聴いている音楽が自分たちがやる物に反映されるから。

・Takeruは今影響って言ったけど、真似ているんじゃないし使っている感じがして、それを使っていかに強くなっていくかみたいな。ゲームで言うとステータスをカンストさせようとしているんだけど、そのステ振りが良い意味で極端なんだよね。でも実は凄いバランスも良いって気もする。魔法戦士なんだけどやっぱ力が強いみたいな。
「DEAD BEAT」聴いてKeyakiとmakinoさんのツインギターの絡みとか凄い考えられているけど、初見でNoLAに触れた人は凄い混沌としていると感じると思う。そういったレコーディングしているってのも大きいんだけど、それでNoLAの中でKeyakiとmakinoさんの役割分担とかあるんだろうけど、それが外に出たらツインギターが一気に音塊で来る感じ。それが僕がNoLAが強くなったって思う要因なんだろうなあ。

makino : 僕が言うのもアレなんですけど、一つのバンドとして凄い成長出来ているんだろうなって思います。単純に音だけ見てもそう思うし、選択肢が増えたなあって。

・その選択肢はベースが加入したらもっと増えると思う。

Takeru : そうですね。だからその辺も期待していて欲しいですね。必ずベースを入れるんで。

・5人で。

Takeru : 5人になると思います。まあ今は今の状態で滅茶苦茶楽しめているんですけど。

・より楽しむために、より格好良い物を作るためにと。

Takeru : そうですね。

・こうやって晴れて「DEAD BEAT」がリリースされて、それを多くの人が聴いていると思うけど、単純にNoLAが外に向けてやりたい事ってなんだろう?

Takeru : 自分が格好良いと思う音楽を作りたい、作ってそれをライブでやりたい。それを人に伝いたい。

・リスナーやオーディエンスに対して何を感じて欲しいとかってある?

Takeru : リスナーに対して、何を感じて欲しいとかって俺はあんまり…無いんですよね。それはもう聴く側の自由だと思うから。別にそれが「だせぇ」でも「格好悪い」でも良いっちゃ良いし、逆に「格好良い」ってなってくれたらそれは嬉しいし、「エグい」とか「熱い」とか「速い」とか、そういう単純な事でも良いし、とにかく聴いてくれている人に「こう思え」って事は俺はあんまりしたくないんですよ。

・もう自分たちが作った格好良いと思う音楽を聴いて楽しんでくれと。

Takeru : 「楽しんで欲しい」とは本当に思います。でも「楽しんで欲しい」ってのはどのバンドもきっと思っていると思うんですけど。

・やっぱ音源でもライブでもマーチでも良いけど、こういうインディーズってシーンだと厳密にプロとは違うのかもしれないし、プロになるともっと他にもやらなきゃいけない事もあったりすると思う。でもそうじゃないにしてもやっぱりリスナーからお金は取っているって部分は大きいんじゃない?

Takeru : だから自分の時間を削ってまでNoLAにお金を使ってくれる人にはやっぱり楽しんでもらえる様に。NoLAを聴いて楽しんだり考えたり…逆に苦しくなったりとか…自分が好きな音楽を聴いて生まれた気持ちをNoLAを観たり聴いたりした人に味わって貰えれば、こんなに幸せな事は無いと思います。

・NoLAは本当に純粋にインプットとアウトプットを繰り返している気がするね。良い物を食って良い物を吐き出したいみたいな。
前にインタビューした時も思ったけどTakeruはそういった部分の考え方がシンプルだよね。

Takeru : 単純に自分が格好悪いと思っている事はしたくない。自分が格好良いって思っている事をしたいって思います。
まあ自分が正しい・格好良いって思っている事が、他の人にとっては間違っているのかもしれないし、そこで失敗したりもするけど、今は正解・不正解じゃなくて、自分にとって格好良いか格好悪いか…そこですね。

・でも初めてTakeruにインタビューした時は10代だったよね。今年の3月でTakeruが22かあ…

makino : 僕がNoLAに新宿ANTIKNOCKで初めて会った時は、僕がいまのこいつら位の年齢でしたね。

・その頃から今に至るまでで、makinoさんの中でNoLAに対する印象とか自分の中での音楽に対する考えとかって変わったりとかしました?

makino : 自分の中では基本的には変わらないですね。昔より今のが音楽をやっていて楽しいけど、音楽に対しては何も変わってないです。ずっと自分も楽しんでいきたいし、周りも含めてみんなで楽しんでいきたいし。

Takeru : 言い方普通ですけど大人になったと思います。まだまだ子供な部分もあるけど、そこら辺は常々諸先輩に本当に勉強させてもらってます。

・それでこれからの事を聞こうと思うけど、NoLAとしてはこれから外に向けてどう活動していく感じなのかな?

Takeru : もう一回海外も行きたいですけど、今後は日本のまだ行った事の無い場所にも行きますし、今はスタートした「DEAD BEAT」のリリースツアーを確実にこなしていく事と、それが終わったら1stフルアルバムの制作にガッツリ…ガッツリ入る事。それでもライブは定期的にやっていきますけど。

・でも昔に比べたらライブは少しだけ減ったよね。

Takeru : makinoが入って少し足が重くなりましたね。makinoが仕事入っているだけでライブ出来ないから。それでも全然軽い方だと思いますけど。

・軽い軽い!寧ろ昔が本数おかしかったんだよ!

Takeru : あの頃はおかしかったです。月に9本とかやったりしてましたね。

・精神的な部分はバンドとして円熟する方向に行ったよね。昔は「今日死んで良い」みたいなノーフューチャー感があったんだけど。

Takeru : 今を見ながら先を見れる様にはなりました。

・勿論Takeruのライブパフォーマンスは相変わらずだけど(笑)。でも根本的な部分ではもっと積み上げていく感じになったというか、出している音とは別に円熟していく感じ。

Takeru : 兎に角今は積み上げて積み上げて考えて考えてってやっていかないと良い物が出来ないと思っているんですよ。
突発的な勢いだけだと曲はもう作れないし、自分たちのライブも考えてやらないと良い物は出来ない気はしますね。

・昔と今でライブでのTakeruの心境とかって変わったりした?

Takeru : 出した頃はもう…本当にカオス!っていうか、内側の狂気を外側に吐き出すみたいな感じだったんですけど、今は自分も楽しい、相手も楽しませるがモットーかな。もちろんカオスや狂気や恐さありきなんですけど。
別に誰かを傷つけようと思ってライブはしていないし、楽しさのが今は上回っているのかな。周りに言われたんだけど、エンターテイメント性が出てきたって。

・それは俺も思う。オーストラリアから帰って来てやっぱり変わったよ。

Takeru : オーストラリアの連中が本当に楽しい連中ばっかりだったんですよね。良い意味で馬鹿だし。

makino : 馬鹿だけどしっかりしているっていうか。

Takeru : 純粋に音楽を楽しんでいるっていう。1stの頃や海外行く前はその辺の考え方が俺たちは間違えてたと思ったんですよね。もっと…楽しいを前提に。
自分たちを追い詰めながらやるのも大切だとは思うけど…追い詰めても苦しくなるだけだしな…

・でもそうなると先が見えなくなっちゃうんだろうな。

Takeru : なっちゃうんでしょうねえ…バンド続けていく上で楽しい方向にシフトしていく方が…得だなって!
オーストラリアに行って、自分たちと一緒にツアーを回ってくれたバンドに話を聞くと、バンド内で喧嘩した事一回も無いって。そんなバンドは日本にも沢山いるでしょうけど、兎に角音楽をやっている時が一番楽しいって言っていたんですよ。それが凄く印象的で。
単純に車で何時間もかけて違う場所に行くってそれだけでも凄いストレスだというのに、それでもワーワーって楽しくやっているから。憧れましたね、俺たちもそうならなきゃなあって思いましたね。

・でもこうした考えのバンドが出てくるのは大きな意味があると思うよ。海外と比較するつもりってのは無いけど。

Takeru : 日本でしかライブやった事無いバンドは絶対に海外に行った方が良いと思います。絶対に考え方が良い意味で変わると思うし、色々な知恵が増えるし、凄く勉強になるから。
オススメするって言い方は変だけど、兎に角、海外は是非行って欲しいと思います。それはバンドやっている人全員に言いたいです。

・でも今ってカルチャーとしての音楽の転換期だと思うんだ。

Takeru : 本当に今はダウンロード主流ですからね。海外って音楽がそんなに好きじゃ無い人ってCD買うって概念が無くて、「CD買っているの?ダサっ!」って考え方だから。日本もほぼそうなりつつあって、でもタワレコあるしディスクユニオンあるし、色々なCDショップが日本に一杯あるから、まだ全然廃れてないんだなって。いつかは「ダウンロードしてるの!?CD買わないの!?ダセー!!」ってそういう感じになればと思います。

・Takeruが純粋に音楽が好きだからこそだよね。

Takeru : なんかこう…ネットで探すんじゃなくて、ショップに行って自分が探しているCDを探す感じってやっぱ…1番良いじゃないですか。ネットも良いし、利用しますけど。

・僕はアナログとデジタルの転換期な世代のギリギリの世代なんだけど、昔はYoutube何それ?って感じだったよ。

Takeru : Youtubeって一気に来たのって最近ですけど、今やそれが主流ですよね。PV作ってネットに上げて興味をそそらせるのかとか、逆に作らないで興味をそそらせるのかとか。選択肢が増えましたよね。
でも俺は音源をネットにアップするってあんまりしたくないし、やっぱりCDを手に取って欲しいし、その気持ちはまだ捨てたくないなって。
フルアルバムがネットに上がっちゃってるとか多いじゃないですか?それって凄く寂しいですよね…どうしても盤で手に入らないけど、ネットでデータでは買えるから仕方ないからそれ買うかってのはありますけど。

・君らって若いけどアナログ気質だよね。

Takeru : 音楽に関してはアナログの方が良いと思ってます。CDが棚に増えていく感じとか快感ですよね。レコードとかも回す作業や手間が好きですし。
レコード聴く時の他に何もできない感じも好きです。それが音楽に対する一番の姿勢なのかなって思います。CDをパソコンに入れて読み込ませて聴くとどうしても、他に作業しながらってなりますし、レコードプレイヤーやCDプレイヤーだと集中力上がるし、聴かなきゃってなります!

makino : オーストラリアでは向こうのバンドの物販がTシャツとアナログだけって感じで、「CDは無いんですか?」って聞いたら「デジタルならあるからダウンロードしてくれ」って。そういう文化なんでしょうね。

・海外だと本当にアナログ主流ですよね。

Takeru : オーストラリア着いて、誘ってくれたバンドの奴の家に行ったらレコードがいっぱいあるんですよ。オーストラリアでChurch of Misery聴きながら、誘ってくれた奴が「腹減っただろ?」ってカップ麺作ってくれて。オーストラリアでチャーチ聴きながらカップ麺食うなんて思ってなかったですよ。「音楽はやっぱレコードだ!」って。格好良いなって思いましたね。

・やっぱり海外の人たちって日本の音楽滅茶苦茶聴くんでしょ?

Takeru : オーストラリアはPALMが凄い有名でした。

makino : 向こうで日本の好きなバンドでよく挙がったのは、PALMとenvyとBorisが好きな人が多かった。

Takeru : PALMは本当にどこ行っても聞かれた、「You Know PALM?」って。びっくりしたのはCYBERNEも凄い有名でした。

・そこら辺は良い意味でのネットの恩恵なんだろうね。海外のバンドも凄い近くなったみたいな。

Takeru : ネットがあるからこそ繋がれているって部分は大きいですよね。

・僕が高校の時はネットが普及してなくて、情報源は雑誌だったよ。

Takeru : そうなんですねー。雑誌とかラジオとか聴いて、これ良いなってなって買いに行ったんですよね。でも音楽に対する貪欲さって昔も今も変わって無いと思うんですよ。
それが昔より求めやすくなっただけと思うんですよね。でもそれを利用するんじゃなくて、先を見て、自分がどうすれば良いのか、どう発信すれば良いのかってのを考えて俺はやっていきたいですね。

・NoLAって今時珍しい位に現場主義で土着的なやり方してるよね。

Takeru:珍しいんですかね。基本的な部分ではネット使ってますけどそこまでネット思考では無い方だと思います。
変にネットでアピールする活動ってよりはライブでってのが俺は格好良いと思うし、NoLAはライブバンドだっていうの大事にしていきたいっていうのは今後もずっと変わらないことです。



16567690455_3cb94b86c1_o.jpg

16381379459_b04501462e_o.jpg

16381379099_3cac8df020_o.jpg

tumblr_njyv5wypPP1tqyqllo1_1280.jpg



DEAD BEAT" tour 2015

3.13(金) 立川BABEL
3.15(日) 仙台BIRDLAND
3.21(土) 渋谷GATEWAY STUDIO
3.27(金) 小岩bushbash
3.29(日) 関内B.B.STREET
4.4(土) 新松戸FIREBIRD
4.11(土) 新宿ANTIKNOCK
4.16(木) 新潟Club Riverst
4.17(金) 新潟上越Earth
4.18(土) 秩父LadderLadder
4.19(日) 静岡騒弦
5.16(土) 心斎橋火影
5.17(日) 東高円寺二万電圧
NoLA presents "DEAD BEAT" release tour FINAL!!








【オフィシャルサイト】http://nolaofficial.jpn.org/
【blog】http://nolaofficial.blogspot.jp/
【twitter】https://twitter.com/NoLA_OFFICIAL
【bandcamp】http://nolajpn.bandcamp.com/



photographer : ミツハシカツキ
https://www.flickr.com/photos/xscherzox/



Check!!↓


DEAD BEATDEAD BEAT
(2015/01/21)
NoLA

商品詳細を見る

■MINERAL JAPAN TOUR 2015(2015年2月21日)@渋谷TSUTAYA O-nest

 残したアルバムはたった2枚、活動期間はたった4年程。たったそれだけの活動期間でありながら90年代エモの代表格であり、国内外問わず本当に沢山のバンドに影響を与え、レジェンドとなっていた彼等だが、昨年突如として再結成し、そしてこの日本の地にもやって来る事になったのだ!!そりゃ各公演は即ソールドアウトになったし、僕もチケットを取る事が出来なくて涙を飲んでいたけど、そんなMineral難民キャンプ救済追加公演として、ツアーファイナルのo-nestでのワンマン終了後に、二回目の公演として同会場でのワンマンライブ。このチャンスを逃してはいけないと即チケットを確保して僕はMineralのライブを観る事が叶ったのだ。
 実際オープンの21時ちょい過ぎにnestに足を運んだら入口のエレベーター前では列が出来ているし、実際スタート時刻直前は本当にnestがギュウギュウに埋まっている!!こんなに人で一杯なnestはAlcestの初来日以来だし、来ている人々からはMineralのライブが遂に観れるって期待が伝わってくる。スタート前から熱気が凄かったけど、その熱気はいざライブが始まったら大爆発なんだろうなって思いながら予定より10分程押していよいよ俺たちのレジェンドのライブが始まった。



 分かっていたけど、1stの一曲目を飾る大名曲「Five, Eight and Ten」のあのイントロが紡がれた瞬間にもう一気に沸き上がってくる物があった。フロアは予想通り熱気が大爆発、あの音源での青さといなたい音が目の前で本人たちがプレイしている!!もうそれだけで十分だったし、今にも胸が張り裂けそうなメロディと歌にのっけから涙を流してしまいそうになりながら拳を何度も突き上げていた。フロアもいきなり飛び跳ねる人、興奮のあまり叫びまくる人、そしてシンガロングとお前ら本当にMineral大好きなんだなって熱狂。いやそうだよ、本当にエモ云々とか抜きにしてMineralってバンドは掛け替えの無い存在だもん。ラスサビ前のあのチョーキングギターのフレーズを聴いた瞬間に俺も興奮で訳が分からなくなってしまったもん。そして続く1stの2曲目を飾るアンセム「Gloria」の疾走しまくるギターフレーズから泣きまくりなチョーキングが炸裂した瞬間に僕は叫んだ。透明感しか無いサウンドと共に繰り出される哀愁、音源よりも心無しか上手くなっていた演奏、しかし音源に存在しているナードさもより際立ち、もう心が震えまくっていた。まさかのモッシュにダイバーという事態は想像出来なかったし、クリスが「カンパイ!!」って言いながらペットボトルをフロアに向けてからの「Slower」、もうこの伝説的名盤1stの冒頭を飾る3曲だけで感涙しか無い!!メンバーのルックスこそ年を重ねておっちゃんになっていたけど、演奏はもう完璧。あの繊細な音をライブで完全に再現出来ているってどんだけどよってなっちまった。
 「February」からは流れも変えて感動的な歌物の楽曲に。決して轟音に振り切ってない、どこか頼りのないディストーションのサウンドと、クリーントーンのクランチ気味のギター、もう堪らなくなる。続く「M.D.」もそうだし、エモ云々以前にMineralは本当に純粋に良い歌を良いメロディと共に歌っているだけに過ぎない。名盤7インチのこの2曲はMineralの中でも特に素朴で剥き出しになっている音が特徴的だけど、ちょっと詰まりながらもクリスの歌は本当に良くて良くて、そんな染み込む空気を破る様に再び1stからメロ過ぎるベースラインと共に陰鬱さが際立つ「80-37」の心の繊細な影を疾走サウンドとして表現し、終盤のあのあざと過ぎる決めの連続でもう堪らなくなるしか無いじゃないか!!
 終盤はいよいよ2ndの曲をプレイ。「Unfinished」のドラマティックさ、「For Ivadell」は頭のアルペジオのフレーズからやっぱりブチ上がるしか無かったし、Mineralでも個人的に特に好きな一曲である「Waking To Winter」のいなたさを全開にしまくっているのに、壮大さすら感じさせるナード達のオーケストラとも言うべき感動はライブから一日経過した今でも余裕で脳に焼き付きまくっている。あの終盤の混沌とした感情がグチャグチャになった様を本気で音にしてしまったみたいな悲哀。もう言葉に出来ないよ。そして本編ラスト「&Serenading」まで本当に10曲が一瞬で終わってしまった。アンコールも勿論あって、2ndの一曲目である「.Love Letter Typewriter」の純度が高すぎるからこそ体に染み入る正にミネラルなクリーンのギターには静かに聞き入り、そこからの「Palisade」は組曲の様でもあり、そして最後は1stのラストを飾る「Parking Lot」。もう全13曲が完璧でしか無いし、最高でしか無い。そもそも言葉になんかするのが不可能なライブだった。ライブ自体は一時間弱、決してセットも長かった訳じゃ無いし、他にもやって欲しい曲は全然あった。でも子守唄の様にずっと聴いていたあの名曲もこの名曲もプレイしているそれだけでも最高だったし、それを音源のあの感触のままプレイしていたから最高の更に一個上の何かでしか無かったんだよ!!



セットリスト

1.Five, Eight and Ten
2.Gloria
3.Slower
4.February
5.M.D.
6.80-37
7.Unfinished
8.For Ivadell
9.Waking To Winter
10.&Serenading

en1.Love Letter Typewriter
en2.Palisade
en3.Parking Lot



 アンコールが終わっ終演のアナウンスがされても誰もステージ前から離れず「ワンモア!!」と「ジュラーイ!!」って叫びが続いていたし、いやあんな最高なライブやってくれたらもっともっとってなるし、俺も「July」やって欲しかったし、もういっそ持ち曲全部やって欲しかったまであるけど、でもたった一時間弱のライブでも本当に心に永遠に残り続けるライブだったし、もう余計な言葉抜きに最高でしか無かった。いや何回も最高最高言っていてアレなのは分かっているけど、本当にそれ以外の言葉しか無かったし、こうして俺たちのレジェンドのライブを観れて本当に良かった。元々の東京での公演が即ソールドした時は絶望で明日が見えなかったけど、追加公演にこうして足を運べて良かった。Mineral本当にありがとう!!貴方たちは永遠に俺の中で替えのいない存在です。
タグ : ライブレポ

■The World Doomed to Violence/Su19b

0004519821_10.jpg



 禍々しい上記のアートワークのインパクトも凄まじいが、ここまでドス黒さしか無い音があっただろうか?97年に結成され、これまでに多数の7インチやスプリットをリリースして来たSu19bだが、意外過ぎる事に今作がバンドにとって初のフルアルバムとなる。しかしこれまでのSu19bそのものでありながら、それを最高の形で裏切ってくれたのが今作だ。元からパワーヴァイオレンス勢の中でも異質の音を放っていた彼等だが、これまでの作品以上にドス黒くなっている。



 しかしフルアルバムという事もあってか、今作での世界観は見事に統率されている。勿論これまで同様に心拍数が停止してしまいそうな激遅圧殺スラッジから破滅に向かって爆走する激速ファストパートの両極端な極限を極めた音は健在だし、バンドとしてやっている事自体はこれまでと実は変わらないとも思ったりする。しかし音のローファイさを前面に押し出したマスタリングだったりとか、リヴァーブかかりまくった暗黒グロウルを放つボーカル。現在進行形のパワーヴァイオレンスと比較しても全然質感が違うし、人によってはブラックメタル的な感触を覚えると思う。タイトル曲である第1曲「World IsDoomed To Violence」ではのっけからフューネラルドゥームだって言われても全く違和感の感じない音になっているし、一発一発が重過ぎるリフとビートは単に重いだけじゃなくて、精神的苦痛を体現したみたいな音になっている。しかし終盤で徐々にBPMが速くなりそしてお家芸のスラッジからグラインドへの極限ワープが炸裂し土石流が流れ込む大惨事な音になり、最後の最後に止めのスラッジリフをお見舞いと7分間で地獄すら生温いとばかりの世界観の音を炸裂させながら、同時にバンドのこれまで培った凶暴な音を炸裂させてしまう。この第1曲が終わってから最後まで今作は本当にあっという間だ。窒息スラッジからブラッケンドなファストパートまで一瞬な第2曲「Blind」はSu19bのお家芸をここぞとばかりに披露しながらも、これまでの音と比べてもロウで深い所を抉りまくっているし、冒頭からグラインドしまくり、同時にデスメタル的ブルータルさが全開な第3曲「Anbition / Invasion」。プリミティブブラックメタルとグラインドとスラッジともう訳が分からない位に配合が繰り返された末に悪鬼を生み出してしまいましたな第4曲「Trainer Of Ruin」。兎に角今作の情報量の多さとジャンルの行き来し具合は完全に狂っているとしか思えないし、時折見せるフューネラルな感触な音がまた作品が持つ暴力性を際立たせながらも、確かな芸術性を感じさせてくれる。ありとあらゆるエクストリームミュージックを飲み込みまくっているし、フューネラルだと思ったら最後の最後はやっぱり激速グラインドな第6曲「Mental Suppression」、全盛期Deathspell Omegaの様な凶暴さと世界観が完全に融合した美しく鬱苦しい精神破壊装置であある最終曲「Dark-Eyed Virgins」は今作でも一番の出来の名曲だろう。



 バンドの持つ最深部を抉りに来るサウンドは見事だし、暴力性だけでも限界突破しているんだけど、それに加えてあくまでもこれまでのSu19bのままでこれまでよりも精神を蝕むおぞましさが蠢きまくっている。内側と外側から人間を破壊してしまう音だし、常人が密室でこれ聴いたら多分第1曲の時点で発狂してしまうんじゃないかって位に極端過ぎる。ブラッケンド方面にも手を伸ばした事で黒さもより増幅し、完全に地獄になっているが、自らの持ち味をより黒く進化させたからこそ、既存のブラッケンドとは全然違う音になっているし、フューネラルからスラッジからデスメタルからグラインドまでとエクストリームミュージックを縦断した末の音は極限という言葉しか見当たらない。もうジャンル云々ぶっちゃけどうでも良いし、全てのエクストリームミュージックフリーク絶対入手不可避な一枚。



■Trikorona presents 「様々な困惑」 Trikorona/Stubborn Father split CD release show(2015年2月14日)@国分寺Morgana

 2015年のバレンタインはマイブラよろしく正に血のバレンタインが国分寺で発生した。昨年末にリリースされた東京の異次元パワーヴァイオレンスTrikoronaと大阪の怪物カオティック激情STUBBORN FATHERのスプリットは本当に大きな衝撃を与えた作品だったが、いよいよ始まったリリースツアー一発目はTrikorona企画!!TrikoronaとSTUBBORNは勿論だけど、この日に新作をリリースした神奈川の地獄パワーヴァイオレンスSu19b。話題をかっさらっているKowloon ghost syndicate、ノイズグラインドの衝動である西之カオティック、STUBBORNと共に大阪のシーンを作り上げている激重ハードコアSeeK、新世界のドゥームを鳴らすele-phantとジャンルレスでありながら完全に唯一無二なバンドしか集まらなかった最高のイベントになった。モルガーナはスタート時点で多くの人で埋まっていたし、本当に大成功な企画だったと思う。



・Trikorona

 企画主がハナというパワーヴァイオレンスバンドの企画よろしくな感じでスタート時間オンタイムで先ずはTrikoronaのライブからスタート。いつもよりライブの時間は少し長めで、スプリットの楽曲は勿論アルバムの楽曲もガッツリプレイしてくれたセットだったけど、このバンドは最早パワーヴァイオレンスという枠組みで全然収まってくれない。Coffinsではベースを弾く是枝さんのギターは完全に宇宙のそれ。フレーズ自体は直情的でありながらも、多数のエフェクターが宇宙に次ぐ宇宙を生み出し、不協和音でありながら、耳にこびりついて離れてくれない音しか放たない。特にスプリットに収録されている「妖怪の手」と「深い外」は非常にフレーズも印象に残るけど、不条理に次ぐ不条理がライブで更に繰り出されまくっている。メンバーの技術レベルも凄いし(特にベースのフレーズの自由さとセオリーに全くハマってくれなさは異常)、フロントマンであるボーカルのコヤマ氏の存在感が本当に凄い。是枝氏も訳が分からないフレーズを繰り出しながら叫びまくるけど、コヤマ氏のボーカルは本当に他にいない暴力性の塊であると言える。完全にラリってるとしか思えない顔を浮かべながら不条理を吐き出す様は最早恐怖すら覚えるレベルだろう。25分で放つ音は最初から最後まで意味が分からなかったし、音の暴力しか存在していなかった。ハナからモルガーナが血で染まった。



・西之カオティック

 お次は2人組ノイズグラインド西之カオティック。こちらも不条理の連続としか言えない音。存在するのはノイズとブラストビートのみだし、プレイした曲は全部1分も無い曲ばかり、本気で一瞬の瞬発力のみで発射されるグラインドの極限は最高の褒め言葉として使わせてもらうと本気でアホの一言でしか無い。ライブも10分やったけやらないかで終わったし、目の間で繰り広げられるノイズサウンドに呆然としていたらライブが終わってしまっていたって感じだったと思う。数多く存在するノイズグラインドの中でもここまで純度が高く速さと雑音だけを放つバンドもいないし、その雑音をアリだと思わせてしまうライブだった。笑いすら込み上げるぶっ飛び具合で一瞬のカタルシスを吐き出した。



・Su19b

 長年活動する大御所パワーヴァイオレンスでありながら、遂に1stをこの日の物販でリリースしたSu19b。激速と激遅の地獄のサウンドのみで惨殺劇を繰り広げる彼等だけど、この日のライブは神がかっていたレベルだったと思う。ただ激重なだけでは無い、極限の速さと遅さを繰り広げるだけじゃない。サウンド自体は本気で歪みまくり、潰れきった2本のギターのリフ地獄と、アクセルとブレーキが完全にバグったビートによる高速道路で起きた多数の被害者を出した事故みてえな惨劇って感じだ。この日はモルガーナの音響と完全にバンドの相性が最高の状態でマッチしていたし、リバーブかかった極悪グロウルボーカルの憎悪む凄まじく、疾走パートのブラッケンドでブ厚い音の壁から、激遅パートの心拍数停止なスラッジサウンドが共存する必然が確かにあったし、バンドアンサンブルが完全に一つの生き物ってレベルでシンクロしてて、その完全さに乾いた笑いしか出てこなかった。決してライブが多いバンドでは無いんだけど、だからこそ毎回Su19bのライブは濃厚濃密だし、既存の音から離れまくっているのに、必然としての地獄ヘビィネスの不条理だ。25分が一瞬で終わった様でもあり、倍以上の時間ライブやっていたって感じもある。ただヴァイオレンスなだけじゃなくて、凶悪すぎる音は観る物の脳細胞や五感にまで危険な後遺症を残してしまうんじゃねえかって本気で心配になった。アンプの壁から放たれるのは人殺しのリフだ。震えたよ…



・Kowloon ghost syndicate

 昨年末にシンガポール激情のYumiを招聘したKowloonだけど、このバンドは本当に古き良き熱きハードコアしか放っていない。激情やカオティックの黎明期の空気をそのまま継承したサウンドは世代によっては懐かしさもあるのかもしれないけど、このバンドは全く懐古主義では無い。絶叫を繰り出すメンバー達、ハイテンションという言葉じゃ片付けられない異様な熱さ。この日の出演バンドの中では一番ストレートで分かりやすいサウンドではあったけど、HIS HERO IS GONEや!LEFT FOR DEADが持っていた凄さをこのバンドは間違いなく持っているし、駆け巡る様にメドレー状態で次から次へと曲を繰り出し、しかも休まる暇なんて全く無い。ダークでヴァイオレンスでノイジーでありながら、絶妙にメロディアスな曲のセンスの良さも勿論だけど、それ以上にバンドとしてのライブで発揮されるパワーは段違いだ!!たった20分で興奮の最高潮!!こんな熱いバンドが最高なライブ以外しない訳ねえし、その期待は絶対に裏切らない。ライブを観るのは二度目だったけど、今回も魂を燃やし尽くすライブだった!!



・Seek

 この音をギターレスのたった4人で生み出している事が本気で凄いと毎回思う。昨年末以来のSeeKのライブはセットこそ曲順が違うだけで昨年末のライブと変わらない4曲だったけど、バンドの馬力は毎回毎回本当に凄い事になっている。ギターの脱退という普通に考えてピンチであろう状況から、ツインベースをいかしより重低音を炸裂させる方向にシフトした事によってよりソリッドでストイックでムダが何も無い音になった今のSeeKは間違いなくヘビィロックサイドのハードコアの極北にある音を鳴らしているけど、同時にどんなにリフとグルーブ重視の音に変貌したとしても、バンドが持つ神々しさは絶対に不変だし、Suguru氏のボーカルは相変わらず化物みたいな声量だし、Nogu氏とYama氏の5弦ベースと6弦ベースによるリフの地獄が不思議と生み出すハーモニーもより磨きがかかっていた。「朽ちていく中で」で見せたポストメタル感こそ今のSeeKはあまり無いのかもしれないけど、その当時の空気感は今のサウンドになっても健在だし、前半の新曲2曲にもそれはあった。そしてラストの「崇高な手」でまさかのモッシュ発生!!本当に肉体にも精神にも訴える「力」がこのバンドにはあるし、大阪だからこそ生まれた強烈なる個性と力のハードコア。ただ重いから生まれる音じゃ無い。これは重さとは何かを知り尽くしているからこそ生み出せる音だ。何度ライブを観ても新鮮な感動と興奮しか無い!!



・ele-phant

 このバンドは最早ドゥームという範疇で語るべきバンドじゃ無いのかもしれない。ボーカル・ベース・ドラムという変則的な編成だからって事では無い。ドゥームの新世界を間違いなく開くバンドだからだ。ボーカルの人がマントを羽織ってライブをしていたのもやたら印象に残っているけど、たった4曲しかプレイして無いライブで強烈に残ったのはロックのロマンだからだ。勿論ベースの音はドゥームならではな重さと煙たさがあるし、ドラムも速いパートはあるけど、後乗りのミドルテンポでグルーブを作っている。でもたった2つの楽器とボーカルのみで生み出す世界観の濃厚さは上手く言葉では言い表せない。加齢臭ロック・ドゥーム・サイケデリック・歌物・ゴス、それらが確かな筋を通して鳴らされている。コーラスワークもまた良い仕事をしているし、時には叫びながらも自己陶酔と妖しさに満ちたボーカルで退廃的世界観を描くし、ドゥームの歌物ってどうしてもサバスだったりとかストーナー的アプローチになってしまうんだけど、それからは完全にかけ離れている。日本人独自の美意識で生み出すサイケデリックさはele-phantの持つ大きな武器だし、ライブを観ていて、本当にその世界に飲み込まれてしまっていた。今回のイベントの中ではかなり異質なバンドではあったのかもしれないけど、でもその唯一無二な存在感は多くの人に伝わった筈だ。



・STUBBORN FATHER

 本当に今でもこの日のSTUBBORNのライブの興奮は全然冷めない。その位のライブだった。決してライブの本数は多くないし、東京でのライブなんて更に少ないけど、でもSTUBBORNのライブは本数なんて関係無いし、一回一回のライブで確実に進化し、確実に観た人に爪痕を残すのだから。いつも通り蛍光灯のみが照らすステージ、「裏側」のOPの音声SEからステージ中央で両腕を広げるshigeさん。そして「裏側」の混沌が始まる。楽器隊のアンサンブルは全パートとにかく前に出まくっているし、一歩間違えてしまったらアンサンブルは崩壊してしまいそうになるのに、絶妙に息の合った呼吸によって暴走しながらもアンサンブルがガッツリハマりまくり、しかし機械的な音にならないからこその混沌に次ぐ混沌。超展開の連続と必殺のフレーズのみで押し切りまくった音に観る者は軽々しく絶頂するし、shigeさんの「裏側ァー!!お前の裏側ァー!!」という断末魔の叫びで本気で胸から何かがこみ上げそうになった。「降伏フィルム」のプリミティブな衝動の連続はこのバンドが結成から進化へ変化こそあったにしても核は何もブレてない最高に格好良い男たちのバンドであると実感したし、今回もプレイしたANODEのカバー「隠された太陽」のカバーは最早何かしら音源としてリリースして欲しい名カバーだし、shigeさんが何度も「ANODE!!」と叫んでいたのも印象的だった。終盤に入ってからは本当に全てが一瞬でありながら、その音と光景が脳裏に焼き付く瞬間しか無かった。フックを格段に生かしたSTUBBORN印のサウンドが展開される「イデア」からドラマティックに世界を燃やす「痣」の流れは鳥肌しか立たないし、モッシュやダイバーも続出。始まりの始まりの様な、終わりの終わりの様な光景を音が生み出し、最後にマイクスタンド毎フロアに飛び出すshigeさんの姿は本物のハードコアヒーローだったと思う。アンコールでプレイしたアンセム「創造の山」もその余韻すら感じさせない物だったし、最後の最後は「ソウゾウ!!カイホウ!!」とシンガロングまで起こり、フロアは阿鼻叫喚。再びフロアに飛び降り、客を煽りまくり、立ち去るshigeさん。本気で凄い以外の一言しか無かった。こんなに凄いライブは滅多に観れないし、この日モルガーナにいて本当に良かったと心から思った。



 今回のスプリットリリースツアーは8月のファイナルまで約半年に渡って繰り広げられるし、各地で本当に猛者のみが集結するライブになっている。TrikoronaとSTUBBORNが大妖怪バンドである事は間違いないけど、そんな大妖怪をブチ殺そうとする大妖怪がまた集まって、幽遊白書終盤の魔界トーナメント編レベルのインフレ具合のバンドばかりがこの日も集結していたし、本当に記憶に残るライブをそれぞれしていた。興奮と狂騒に飲み込まれ、その音の異常さに恐怖すら覚えながらも、最終的には楽しさに帰結してしまうのは出演したバンドの実力だ凄かったからだ。この日出演バンドがMCで言っていたけどTrikoronaとSTUBBORNのスプリットは間違いなくとんでもない作品だから是非聴いて欲しいし、聴いて各地のツアー公演に是非足を運んで欲しい!!
タグ : ライブレポ

■HI LIBERATE presents STRAIGHT ANSWER japan tour in TOKYO(2015年2月8日)@初台WALL

 現在日本でも大きな注目を集めている東南アジアハードコアであるが、その中でも大御所のキャリアを持ち、東南アジアでは絶大な人気を誇るSTRAIGHT ANSWERが来日した。今となっては海外バンドの来日は全然珍しくないし、下手したら毎月の様に日本の地を異国のバンドが訪れているのだけど、インドネシアは貧富の差が激しく、また50万円の貯金が無いと観光ビザすら取れないという状況らしく、今回の来日でSTRAIGHT ANSWERのメンバーは機材を全部売り、必死の想いで日本への渡航費を集め、そして実現した来日ツアーだ。単なる来日ツアーでは無くて、心からの想いがあってのツアーとなったし、今回東京公演の一つである初台WALLでの公演に足を運んだけど、そこにあったのは本当に感動的で暖かくて、最高に熱い愛と涙に溢れるライブだった。結論から言うと、ここまで観る人の心を濡らすライブは滅多に無いし、この日のライブにはSTRAIGHT ANSWERにも、出演した国内バンドにも、今回のツアーに関わっている関係者も、WALLを埋め尽くしていた沢山のお客も、それぞれに確かな熱い「想い」が存在していたのだ。



・Tragic Film

 一発目からTragic Filmはやってくれた!!ユースクールからパワーヴァイオレンスまでを横断し、速く短く五月蝿いという大正義で爆発するこのバンドがのっけからバンドのポテンシャルを爆発させるライブを炸裂させていた。初っ端からボーカルの人が勢い良く飛び出してステージの返しのスピーカーが横転してしまう始末だし、その一瞬の衝動が恐怖すら覚えてしまうレベルなのだ。曲は勿論見事なまでにパワーヴァイオレンスだし、ユースクール成分がありつつも、時にBPMを落として極悪なリフをお見舞いしたり、曲の随所に変則性を持たせて異様さも出したりといった工夫もある。ライブは15分程で終了という短い物ではあったけど、その駆け巡る音の暴力がのっけからWALLを熱くした!!



・BLIND SIDE

 柏のニュースクールハードコアBLIND SIDEのライブはのっけからツインギターがパワフルにゴリゴリのサウンドで攻めまくる!!勿論腕グルグルモッシュ兄貴も登場し、フロアで暴れていたけど、このバンドはライブ自体は安定感溢れる音だし、ビートダウン、絶妙なメロ、疾走感、ニュースクールの美味しい所をしっかりと分かっているサウンドを鳴らしていたし、あくまでもメタリック過ぎず、ハードコアの風土を感じさせるサウンドは個人的にかなり好印象でもあった。腕グルグル兄貴が怖いから横の方でゆっくり観ていたけど、男気溢れるパフォーマンスもナイスだし、バンドとしての貫禄も十分。若手のバンドでありながら、しっかりと自らのルーツへの愛を感じさせる音、ニュースクールハードコアへの愛を見事にサウンドに帰結させていたし、固定ファンが付いていたのも納得のバンドだった。



・ENSLAVE

 個人的にかなりのお目当てだったENSLAVE。ホームであるWALLでのライブだけど、そこに余裕や手抜きなんて一切無し!!相変わらず速くて爆音で泣ける激クラスティハードコアサウンドは最早ENSLAVEにしか生み出せない物だし、最強ツインボーカルの二人のパフォーマンスも相変わらず全身全霊でしか無い。久々にちゃんとライブを観たけど、今のENSLAVEからは最早神々しさしか感じないし、フロントに立つ2人のボーカルには最早後光すら差している様にすら見えてしまった。「Obliging」、「Under Ther Isolation」、「Only I Can Judge Me」といったアンセムの連続に湧き上がるフロア。爆音でハードコアし続けているだけなのに、ENSLAVEはどうしてこうも唯一無二なのだろうか。神がかったメロディセンス、ライブバンドとしての無尽蔵過ぎる力、色々あるけど、終盤の「BLack Rain」で見せた痛みすらも剥き出しで叫び尽くす二人を観て、だからこそENSLAVEの代わりになるバンドは存在なんかしないんだと気付いた。その言葉を武器に、その爆音で爆走する音を武器に、最強のハードコアを叩き出しているだけでしかないんだ。最後はLOW VISIONのボーカルも乱入して更なる混沌を極めライブは終了。WALLのハードコア番長はこの日も最高のライブしかしていなかった!!



・endzweck

 機材トラブルがあったりもしたけどendzweckがENSLAVEの熱さを引き継ぎ負けじと熱いライブをしてくれた!!ニュースクール系のハードコアでは最早大御所的な存在である彼等だけど、昔から現在に至るまでずっとブレずに続けてきたからこその説得力が彼等のライブにはある。機材トラブルで途中インターバル的な時間こそあったけど、それ以外は本当にノンストップで駆け巡る疾走感!!熱いシンガロング!!メタリックな刻みも取り入れているのに、どこを切ってもハードコアパンクでしか無い音!!泣きまくるツインギター!!あざとい位に観る物の魂を揺さぶる事しかしない彼等だし、それこそがendzweckというバンドなのだと思う。その言葉と音で訴える熱量!!暑苦しい程に暑苦しく、青臭い過ぎる程に青臭い!!だがそれがいい!!それでいい!!endzweckはいつライブを観てもその青で全てを焼き尽くしてくれるのだから!!



・Fuck On The Beach

 実に2年振りにライブを観るFuck On The Beachだったけど。久々にライブを観てもFuck On The BeachはFuck On The Beachでしか無かった!!とにかく最高にキャッチーでありファスト!!爆走しまくっているのに息の合った演奏と見事なツインボーカルの掛け合い!!しかも凶悪過ぎる爆音で鼓膜を破壊しまくりながらグラインドまでしてしまう始末!!やっている事は最大の賛辞として言わせて貰うと馬鹿でしか無いし、馬鹿みたいに格好良い。ほぼノンストップで繰り出されるライブからラストの「ファックオンザ…ビーチ!!」の客を巻き込んだコールまで完璧過ぎる流れ。爆音と速さとファック以外は俺たちには必要無い!!と言わんばかりのライブだったし、速さという大正義をブンブン振り回しながら柵越ホームラン以外認めないバッターの鑑とばかりのライブはただ純粋に格好良かったんだ!!



・FORWARD

 そして貫禄のステージだったのはFORWARDだ。イシヤさんがのっけから「この世で一番の悪党は政治家なんだよ!!」とイシヤ節のMCをカマして繰り出すのはパンク30年やってますと言う言葉通りの見事過ぎる王道ジャパニーズハードコア!!政治関係の発言やメッセージだったりという点は人によってそれぞれ思うことも多いとは思うし、そこに関する受け取り方こそは人それぞれではあるとは思うけど、しかしFORWARDは長年そのスタイルを貫いているだけあって、とにかく音の厚みが凄い!!ジャパコアらしいソロも全曲にしっかりとあるし、イシヤ節なMCは冴え渡る。勿論そのメッセージだったり姿勢に関しては賛否両論あって当然だとは思うし、そこに無理に同調する必要なんて勿論無いのだけど、メッセージとしての音楽としてやっぱり長年やっているバンドだけあって説得力は確かにあったし、フロアも異常な盛り上がりだったと思う。今回初めてFORWARDのライブを観たけど、パンクバンドとしての心意気と気迫に溢れたライブはやっぱり凄かったとしか言えない。



・STRAIGHT ANSWER

 そして本日の主役STRAIGHT ANSWER。彼等のライブが本当に感動的なライブだったのだ。僕自身は彼等に関してはほぼ予備知識ゼロでライブを観たのだけど、メンバーのいかにも強そうなルックスに反して楽曲は超キャッチー!!サウンドに余計なギミックが何一つも無いからこそ際立つグッドメロディ。大御所バンドらしい安定感溢れパワフルな演奏。個人的にはDag Nasty辺りのサウンドに通じる物を感じたりもしたけど、古き良きハードコアだけじゃなく、現代のハードコアの通じる物もあったりというインドネシアという土地だからこそ生まれたサウンドだった。しかし彼等のライブはただ単純に良かったけどそれだけじゃ無かった。ボーカルの人がライブ中に感極まって泣いてしまって、MCでは日本のこのステージに立っている事が夢みたいでまだ信じられないという事を通訳の方を通して伝えられたりもした。そしてMCでは日本では想像が出来ない彼等の今回の来日に至るまでの多くの苦労が語られた。インドネシアでは50万円の貯蓄が無いと観光ビザすら発行出来ないという事。その50万円はインドネシアではとんでも無い大金である事、今回の渡航費用を捻出する為にメンバーは機材を売れるだけ売った事、ギターの方は機材を全て売って渡航し、今回のライブの為に大阪で1万5千円のギターを買った事。通訳の方までが涙を流しながら今回の苦労を語り、そしてライブを観ていたインドネシアの少年は、現地では地域紛争によって彼等のライブを観る事が叶わなく、日本の地に来た事によってやっとSTRAIGHT ANSWERのライブを観れた事。その全てが日本にいる僕じゃ全然想像が出来ない事だったし、それでもSTRAIGHT ANSWERは日本でライブをやりたかったという想いを感じた。MCでは時折日本語で感謝の言葉を何度も述べていたし、そんな彼等の姿に応えるかの様に、ライブ中はフロアはモッシュの嵐が巻き起こっていた。僕が言えるのは、この日のSTRAIGHT ANSWERの来日公演はただの外タレ来日ライブじゃ無かった。本当に多くの人の想いと苦労があったからこそ実現したライブだと思ったし、最高の盛り上がりを見せたのは勿論だけど、何度も何度も涙腺が緩む場面があった。セットもフロアの熱いレスポンスに応え、急遽1曲増やしただけじゃなく、アンコールまで実現。最初から最後までSTRAIGHT ANSWERのただ真っ直ぐで格好良いハードコアが炸裂していたし、魂を揺さぶる最高のアクトだった。ライブが終わった瞬間にWALLに存在していたのは間違いなく沢山の笑顔だったし、こんなに心暖まるライブは他に無いとすら思った。予備知識ほぼ無しで行った身ではあるけど、今回こうしてSTRAIGHT ANSWERのライブを観る事が出来て良かったと心から思うよ。ありがとう。



・LOW VISION

 そして最後は自由と楽しさを掲げるパーティハードコアであるLOW VISION!!彼等もライブを観るのは本当に久々だったけど、ハードコアが持つ純粋な開放と楽しさを打ち出したサウンドにはブチ上がるしか無いし、MCでも熱い想いを何度も語っていたけど、STRAIGHT ANSWERの実に感動的なライブを引き継ぎ、LOW VISIONはネガティブな感情をブチ殺し、ポジティブに生きていく為のハードコアを鳴らしていただけだった。スラッシュだったりストリートカルチャーだったりの影響を受けた彼等のハードコアはまた独特ではあるけど、ノイジーに爆走するギターと「捲し立て、時にはヒップホップ的フロウも感じさせ、叫び歌うボーカル。もう前しか見てないぜとばかりのビート。シンプル極まりない生のエネルギーに溢れ、終わらないパーティをこの日も生み出したのだ。最後の最後をビシッと締めくくり、今回のSTRAIGHT ANSWER来日公演を最高のパーティとして最後にやってくれたのだ!!



 個人的に体調がかなり良くない状態での8バンドのライブだったから体力的にはかなりヘトヘトにはなってしまったし、ENSLAVEで思いっきりモッシュして体力使ってしまって、残りのバンドはゆっくり観ていたけど、本当にそれぞれ鳴らす音こそ全然違うし、畑もキャリアも全然違うバンドばかりが集結していたライブではあったけど、ハードコアパンクってやっぱり最高だって再認識出来た夜であったし、何よりもSTRAIGHT ANSWERの最高に熱い熱血その物なライブには本当に心が熱くなってしまったよ。それはWALLを埋め尽くした多くの人々の笑顔が全てを語っていたと思うし、本当に最高の夜になった。ありがとう!STRAIGHT ANSWER!!
タグ : ライブレポ

■Ceremonia de Atadura de Manos/Tarsius Tarsier

tarsiustarsier_CD.jpg



 3LAのレーベル第6弾リリースはスペインの若手ブラッケンド・ネオクラストであるTarsius Tarsierのデビュー音源。スペインはIctus、Ekkaia、Madame Germen、Okbanといったバンドを過去に輩出しているし、ネオクラストの一つの大きな流れを生み出した国であり、Mario(ex-El Ego)、Ivan(ex-Ictus)によって結成されたKhmerがネオクラストの先の新たな音を生み出している現在、それらの流れを受けて登場した若手であるTarsius Tarsierは2013年結成とキャリア自体は全然短いけど、Ivanの目に止まり、彼の所持するスタジオで本作をレコーディングした。アートワークはMarioの手による物で、こうしたスパニッシュネオクラストの先駆者の熱いサポートもあり、3LAを通じ彼等はこの日本にも上陸した。



 その音楽性は正にスパニッシュサウンドとしか言えない物だろう。ブラッケンドハードコアではあるけど、Khmerがそうである様にあくまでもブラックメタル要素はふりかけ程度で大きな比重は占めていない。その根底にあるのはやはりスパニッシュネオクラストであり、楽曲はどれもメロディアスでメロデス×クラストなスパニッシュネオクラストの伝家の宝刀なサウンドを基軸にしている。でもそれらをなぞるのでは無くて、それを消化した上で現代の音として吐き出しているし、それがカオティックやブラッケンドといった要素にも繋がっているのだろう。
 しかしながら全曲に渡って繰り広げられる疾走感は最高に気持ちが良い。第1曲「El Desprecio」がそうなんだけど、メロディアスなブラックメタル的叙情的フレーズからクラスティな疾走パートまで不純物ゼロで突っ走る感じ。音に荒々しさこそあるけど、随所随所の細かいフレーズは確かに作り込まれているし、第2曲「Garganta y Bengala」は泣きメロを活かしながらも、疾走する哀愁はグッと来る。一方で激烈なリフを痛烈に叩きつける第3曲「Tara」といった曲もあるけど、どの楽曲にも言えるのは一つの要素に傾倒するのでは無くて、それらを活かすアレンジやアイデアがしっかり存在しているという事だ。彼等自身のルーツが非常にクロスオーバーだと思うし、ネオクラスト自体がクロスオーバーした音楽である事を考えればそれは必然的だとも言えるけど、それを一本の大きな筋を通してアウトプットするセンスが見事に光っていると思う。ネオクラスト感全開な今作でも屈指のキラーチューンである第4曲「Ciénaga」とスパニッシュ印な哀愁のメロを獰猛に放つ第5曲「Espuela」の中盤の二曲は今作でも大きな肝になっていると思う。その勢いは最初から最後まで衰えずに全8曲が一瞬で終わってしまうし、本当に聴いていて痛快だ。最終曲「El Ruido de Morir」では後半から一気にビートを落としてのアトモスフェリックなアプローチはバンドのこれからの進化に期待をしたくなる物だし、若き衝動と才能の新たな息吹だ。



 今作は勿論3LAにて購入出来るし、昨年末にリリースしたHexis国内盤に続き、新たなハードコアの才能と可能性を発掘しリリースする3LAらしいリリースとなっただろう。まだまだ音は発展途上ではあるかもしれないけど、荒々しいサウンドの中で輝くメロディセンスとアイデア、若手だからこその新たな可能性をこのバンドから感じるし、スパニッシュネオクラストやブラッケンドハードコア好きには是非チェックして欲しい作品。



■URBAN PREDATOR×FIREBIRD presents 突然変異誘発物質 URBAN PREDATOR「DAWN」&NoLA「DEAD BEAT」 Release Tour!!!)2015年1月31日)@新松戸FIREBIRD

 昨年1stをリリースし、そこから怒涛のキチガイスケジュールでリリースツアーを行っている茨城県古河のURBAN PREDATOR。昨年10月にはレコ発自主企画としてブラストビートを用いたバンドのみを招聘した「茨城県古河高等学校ブラストバンド部不定期演奏会」を開催したが、今回のレコ発自主企画第2弾は新松戸FIREBIRDとの共同開催でベースレスバンドのみを集めた企画を開催した。単に良いバンドを集めるだけじゃなくて、こういったコンセプトを用いて企画を組むのは何ともユニークであるけど、ぶっちゃけベースがいるとかいないとか抜きにして共演バンドは当然猛者ばかり。グラインドだけでは無く、本当に多方面に渡るベースレスバンドが新松戸に集結した。



・Sledgehammer Crusher

 先ずは女性ボーカル、ベース、ドラムの3ピースであるSledgehammer Crusherから。基本的にブルータルなギターリフが楽曲を引率し、ブラストビートも用いるドラムのみで構成された音であるけど、ヘビィかつブルータルに押しまくるサウンドが全然単調にならないのは女性ボーカルの人の手腕が大きいだろう。グロウルをブチかますスタイルのボーカルは女性とは思えない気迫と殺傷力を持っているし、時にはクリーントーンである種のポップさすら感じさせるボーカルも聴かせてくるし、そんなパートでも楽器隊の音はナヨったりしないでヘビィな音で攻めてくる。音自体は現代的なスクリーモ的アプローチも取り入れていながら暴力性も同時に追求しているのは印象深かったし、いそうでいないって感じのバンドだったと思う。しかしベースレスでありながら、既にベースがいないって事に違和感を感じさせないライブだったのも良かった。それはこの日出演した全バンドに言える事だったのだ。



・カイモクジショウ

 きっとこの日出演したバンドに関しては「ベース入ったらもっと良くなるのに。」って感情を抱いた事もあるんだけど、でもカイモクジショウに関してはそれが全く無い。ベースっていうか、他の音が入り込む余地がこのバンドには既に無いのだから。正確無比で変幻自在のボーカル、ギター、ドラムの黄金トライアングルはこの日のライブでも健在。西田嬢はボーカルは勿論だけど、パフォーマンスでも魅せる魅せる。ステージを降りれば普通の女の子なルックスなのに、ステージ上では何かに取り憑かれた様に歌い叫ぶ。ゴリゴリのヘビィロックから歌物まで自在に表現する表現力も素晴らしいし、昨年リリースした1stフルアルバムの曲から、過去にリリースしたEPの曲までこの日はプレイしていたけど、このバンドは全くブレ無いし、隙が見当たらない。ベースレスである編成が完全に必然だと思えてしまうライブをこのバンドはしているけど、ベースレスである事が必然では無くて、この3人で音を奏でる事が必然であって、そこにたまたまベースがいなかったってだけの話でしか無いのだ。往年のヘビィロックから古き良き時代の歌姫達の亡霊を呼び集めて、ライブでそれらの怨念の宴を体現する。カイモクジショウは異常ではあるのかもしれないけど、同時にどこまでも真っ当にヘビィロックでしか無い。個人的にはもっともっと曲を聴きたかったし25分じゃカイモクは全然物足りない!!この黄金トライアングルはもっと大きな場所に立つべきだと本当に思う。



・浅ハカニ吠エル

 カイモク同様に女性ボーカル、ギター、ドラムの3ピースである浅ハカニ吠エルは今回初見のバンドだったのだけど、実際にライブを観た感想としては率直に言ってしまうと訳が分からなかった。いや音楽性自体は難解なバンドでは無いと思う。ドイツのエモヴァイオレンス系の激情系ハードコアサウンドで爆発をしながらも、静謐なパートも存分に取り入れているし、割と激情系的な意味では王道な音でもあると思う。少年の様な声でポエトリーをする女性ボーカルが先ず特徴的だけど、この手のサウンドにポエトリーが乗るのも全然普通だし、このバンドはたまたまベースがいないだけで、普通にベース入ったらもっと良くなる類の音でもあるとは思う。そうなんだけど、他のバンドとは何か違う。曲間にSEを使っているとか、そういった演劇的アプローチを取り入れているのもあるのかもしれないけど、ライブという場で明確なストーリーを表現するっていう意味ではバンドでありながら、バンドとはまた違う場所にいるバンドなのかもしれないし、そういった要素をかなり大切にしているバンドだと思った。時に激情の叫びを繰り出しながらも、ポエトリー基調で進んでいくライブ、そして気がついたら得体の知れないダークな世界に引き込まれているし、その世界に引き込まれて、サウンドがこの日一番のヴァイオレンスな爆発を魅せてあっさりとライブは終わってしまい。何だかぽっかりと取り残された気持ちだった。しかしこの異様さはずっと心に残っている。



・ZENANDS GOTS

 昨年リリースした初の正式音源が本当に素晴らしかったけど、ライブを観るのは実に一年半振りとかになってしまったゼナンズ。個人的に久々にライブを観るのが楽しみで仕方なかったけど、たった15分で、たった二人で生み出す地獄の熱と濃度は前に観た時の比じゃ無かった。序盤はゼナンズお馴染みのカオティック&グラインド&ショートカットな楽曲をノンストップで繰り出しまくる。ブラストしまくるドラムと、ひたすらに重轟音をかき鳴らすギター、そんな音の壁を突き破る様に千葉氏の叫びが聞こえてくる。正にここが地獄だと言わんばかりの音の連続だったけど、驚くべきは中盤から終盤のミドルテンポで美しさを魅せる楽曲たちだ。アルペジオも存分に使い、混沌だけでなく地獄の先にある美しくも荒涼とした風景を想起させる楽曲をプレイしていた事も驚いた。これまでのファスト&ショートに災害を巻き起こすゼナンズでは無かったし、バンドとしての懐が本当に大きくなっているのも実感した。ライブ自体は全然長くなかったし、曲も決して多くプレイしていた訳じゃないけど、頭痛を引き起こしそうな轟音の中に微かな救いすら感じさせるライブをするバンドになったってのが驚きだったし、しかし暴虐さはこれまで以上でもあった。昨年の音源リリースを経て、ゼナンズは新たな地平に今立っているのだろう。



・NoLA

 実はこの日唯一のツインギターバンドであるNoLA。今年頭にリリースされた2ndミニアルバムである「DEAD BEAT」を引っさげてのライブだったけど、もうどんどん観る度に単純にNoLAは強くなっていく。メタルだとかハードコアだとか、そんなカテゴライズはNoLAには要らないし、極限までヘビィロックを追求する若武者は常に無敵でしかない。この日はTakaruはステージに降りて暴れるパフォーマンスは控えめではあったけど、今のNoLAってそういったパフォーマンスをしなくても全然問題無いバンドになっているし、初期衝動はそのままに円熟しながら、よりシンプルな衝動を放っているんだとすら思う。前半の新作の楽曲も、後半のこれまでの楽曲も相変わらずリフとビートと叫びが休まる暇なんて与えずに襲い掛かってくるし、誤解を招く言い方になってしまうのかもしれないけど、今のNoLAのライブは観ていて本当に楽しいのだ!!暴力的サウンドである事は全く変わらないし、そこは全然ブレていないけど、今のNoLAは破滅的では無く、ヘビィさから来る恐怖すら一つのエンターテイメントへと昇華してしまっているし、ステイアンダーグラウンドするのでは無く、自らの核はブレないままでもっと大きなバンドになろうとしている。「DEAD BEAT」リリース後という事もあって気迫は十分伝わったし、正にNoLAは新たな夜明けを今迎えようとしているのだ。



・SELF DECONSTRUCTION

 ここからはグラインド地獄!!久々に観るセルコンは前以上に怒涛という言葉が似合うバンドになっていたと思う。男女ツインボーカルで捲し立て、ボーカル二人がガンガン前に出まくるスタイルのライブは前以上にキレキッレだし、もうやっている事の細かい事なんて理解する必要も無いだろうし、速さが生み出す混沌がセルコンの全てだと思ってしまっても良いのかもしれない。勿論ただ速さを追求しているだけじゃない音なのは分かるし、楽曲は超ショートでありながらもしっかりと作り込まれているのも分かる。でも結局はツインボーカルとギターとドラムの圧倒的情報量と速さに全てが帰結しているし、たった10分弱を駆け巡る音が炸裂する瞬間だけが全てでしか無いのだ。



・ZAGIO EVHA DILEGJ

 そして長野のザギオのライブへ。こちらもライブは15分やったかやらないかだし、そこら辺はまあグラインドコアならではなんだけど、ザギオはただ速いだけじゃなくて、兎に角ブルータルできったない!カッチリしたグラインドとは全然違って、整理なんか全くされちゃいない激速ブルータルサウンドは何度観ても脱帽だ。汚物を撒き散らす様なボーカルとギターとドラムはやっぱり情報量が凄いんだけど、ザギオには小難しさなんて全く無いと僕は思う。ゲボ塗れになってダンスをする様なある種の背徳的で原始的な速さの快楽がグラインドコアだと思うし、ザギオは清く正しくグラインドコアでしか無いのだ。余計な物なんて何も必要としていないし、だからこそただ汚らしいままに速さと極悪さだけを求めるグラインドギャング。悪党感ありまくりなリフに撃ち殺されて、異物だらけのボーカルに犯されて、爆音のブラストに抱かれてしまうだけで良い。だから格好良いバンドなんだ!!



・URBAN PREDATOR

 トリは企画のURBAN。今回のベースレスイベントを締めくくるに相応しい8弦ギターと変則ブラストと嘔吐ボーカルによる毒物吐き捨て3ピース。昨年リリースした初の正式流通音源である「DAWN」は多くの人々に衝撃を与えたと思うけど、リリースからのキチガイスケジュールのリリースツアーを経てこのバンドは更なる進化を遂げた。一曲目はタイトルトラックにもなっている「DAWN」だけど、本当にライブは音源以上に荒々しく攻めている。馬立氏も変幻自在にリフを操りながらも、3台のアンプから放出されるのは常にヘビィな音だけだし、所狭しと暴れながらリフを刻みまくる。KAN-ICHILOW氏は気でも狂ったんじゃないかっている正確無比なブラストを決めまくっているんだけど、その音は決して機械的じゃないし、前のめりに突っ走りまくっているから混沌に満ちた楽曲がより混沌に溢れる。何よりもボーカルのSOUL氏のボーカルとパフォーマンスはURBANには絶対不可欠な物だと個人的に思うし、この人のボーカルスタイルは他にいない。捲し立てるポエトリーも、ハイトーンの叫びもそうだし、そのパフォーマンスもうそうだし、新たなハードコアヒーローの風格すらSOUL氏からは感じる。この日は本編は全曲「DAWN」の楽曲で固め、ラストの「Everything's Gonna Be Alright」まで速さも遅さも重さも異物感も未整理のままで変態的に繰り出しまくっていたけど、アンコールの「Namaewanainamaeganai」の自爆テロみたいな衝動の刺し違えはやっぱりURBANの原点になっているんだと思うし、この3人にしか生み出せない物をURBANは狂気の中で追求しているし、それは「止まらない止まらない誰か止めて」と連呼しても全然止まらないし、そもそも本人達が止める気も無いじゃんって話だ。蠢くのは狂気か?理性か?蹲りながら自らも赤の他人も傷つけまくる個人的感情の暴発。これは激情と言う言葉では片付けてはいけないだろう。URBANはどこまでもピュアにエクストリームであり続けているだけなんだから。



 ベースレスという編成自体今となっては最早珍しくも無いし(そもそもグラインドはベースレス多いし)、本来だったらベースがいないってのは大きなハンデになるのかもしれない。でもこの日出演したバンド全部に言えるけど、ベースレスである事は何の問題でも無いんだ。NoLAみたいにベースを探しているバンドもいるし、URBANは初期はベースがいたし、カイモクみたいにベースが入る余地がもう無いバンドもいるし、ベースレスである背景はそのバンドそれぞれにあるだろうけど、でもこの日出演したバンドのライブはもうベースいるとかいないとか関係無かったし、ただ純粋に素晴らしいバンドが素晴らしいライブをしていたイベントだったという事が全てだと思う。でもこんなユニークな企画は他には無いだろうし、URBANにはまたこうした企画を打って欲しいと思いながら、他にもこうしたコンセプトを持つ面白いイベントが増えたら良いなって気持ちになった限りだ。
タグ : ライブレポ

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ イギリス オルタナティブロック サイケ フランス アンビエント ネオクラスト ストーナー ドイツ ドローン シューゲイザー ロック ハードコア プログレ ギターロック グラインドコア ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル スラッシュメタル イタリア エレクトロニカ ジャンクロック インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ スペイン 年間BEST オーストラリア ノルウェー ジェント アコースティック モダンヘビィネス プログレッシブメタル ポップス ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル ニューウェイブ ラーメン ゴシックメタル ロシア ファストコア ハードロック ノイズ ニュースクールハードコア メタルコア パワーヴァイオレンス フィンランド 駄盤珍盤紹介 ヒップホップ オランダ トリップホップ アブストラクト 自殺系ブラックメタル ゴシックドゥーム ヘビィロック ミクスチャー ラトビア ダブ クラウトロック シンガポール ノーウェイブ ノイズコア ゴシック パンク ダブステップ メロディックパンク テクノ インディーロック チェコ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。