■2015年07月

■ROAD TO HELL presents -Aguirre(bordeaux) x GUEVNNA x Zothique japan tour 2015(2015年7月24日)@小岩bushbash

 今年に入ってから来日ラッシュが続くが、今回はフランスのスラッジコアバンドAguirreが日本のGUEVNNAとZOTHIQUEと共に10日間に渡って日本全国をツアーするスラッジ行脚である。
 GUEVVNAも新作EPが大評判であり、ZOTHIQUEも早くも新作3rdをリリースと脂が乗った良い状態であるし、この日の小岩場所はzenocideこそ急遽出演キャンセルになってしまったが、世界レベルのデスドゥームCoffinsが参戦。Coffinsはベースの是枝氏の東京ラストライブと重要なライブでもあったし、色々な意味で重要な局面でのライブとなったと思う。
 実際に足を運んだら単なる外タレ来日ライブじゃ終わらない異様な熱気と狂騒がフロアを満たしていたし、事件性の高い一夜になった。そんな狂乱の金曜日の一部始終を。



・ZOTHIQUE

 3rdアルバム制作もあって暫くライブをお休みしていたZOTHIQUEであるけど、そんなブランクを感じさせないテンションにまずは驚かされた。
 セットもほぼ3rd収録の新作で固めており、最新型のZOTHIQUEの音をオーディエンスに提示するという攻めのスタイルのライブだったが、新曲群は1stで提示したスラッジ×ハードコアな爆走サウンドと、2ndで提示したヘビィサイケデリックの二つをバランスよくミックスしたサウンドを展開。一つZOTHIQUEの新たなる進化を感じた点は音がよりヘビィでエグくなっていたのも関わらず、それを整合性ある音として放っていた事だと思う。
 特にJAH氏のベースは本気で腹を殴られている感覚を覚える重低音で攻めていたけど、自然とその音が体に馴染んでくるし、ドラムも爆音スタイルながらもよりビートの気持ちよさを感じさせるタイトさもあった。
 セットの前半はゴリゴリのハードコアスタイルの曲を展開しつつ、後半からはサイケ要素がより前面に出た曲をプレイしていたが、そこではキーボードの濁郎氏の狂気のサウンドが発揮。頭のネジが完全に吹っ飛んだ音を暴れ狂いながら叩き出し、ライブの終盤ではキーボードを抱えながらアンプに突撃しそうにもなっていたりしていたし、濁郎氏はZOTHIQUEのキーマンである事を再確認。
 でもそんなぶっ飛んだパフォーマンスを繰り出しつつも、サイケデリックやプログレやスラッジといった要素をカオスとして放ちつつ、結果的によりストレートなヘビィロックに帰結させる今のZOTHIQUEの自信を感じるライブであったし、爆音で攻めながらも、よりバンドとしてのアンサンブルが強固になっていたのが本当に印象的だ。
 ライブ自体本当に一瞬で終わってしまった感じもあったし、その狂騒感で胸をザワつかせながらも、ライブ後に耳鳴りは全く無かったのにも驚いた。よりカテゴライズ不能になりながらも、よりバンドとして大きくなったZOTHIQUE、ブランクを全く感じさせない貫禄のアクトでフロアに火を付けまくっていた。



・GUEVNNA

 今回ボーカルのRyo氏はかつて在籍していたCoffinsと対バンという事もあっていつも以上に気合を感じるライブをしていたと思う。
 GUEVNNAというバンドは既存のドゥーム・ストーナーからある意味逸脱しながらも、でも王道を往くバンドであると個人的に思ってはいたけど、そんな現在のGUEVNNAのスタイルは今回のツアーで完全に確立されただろう。
 誤解を生みそうな言い方かもしれないけど今のGUEVNNAは完全にパーティバンドだと思う。ヘビィロックからストーナーを通過し、ディスコサウンドを取り入れたサウンドはビートもリフも踊れる音になっている。
 そりゃ煙たさは充満しているし、曲によってはドープさの奈落へと導いていたりもする。だけど、行き着く先はみんなで酒飲んで踊ろうぜって所な気もするし、骸骨マイクを片手に渋くありつつも、獰猛な肉食系ボーカルを披露するRyo氏はロックに選ばれたボーカリストであると実感。
 フロアの方の盛り上がりも一気に加速し、新作EPでも一番のキラーチューンである「This Mortal Grace」をプレイした時にはモッシュも発生し、フロアの磁場は完全にアッパーな方向へと突き進んでいく。
 メンバーがそれぞれ歴史とキャリアがある方々だってのもあるし、海外ライブ経験があるのも大きな強みであるけど、GUEVNNAはより間口の広さを手にしながらも、同時に深さも追い求めるバンドだ。それはラストにプレイした「Deathbed」でしっかりとオーディエンスに提示していたし、ラストのブルージーな泣きのギターソロは何度聴いてもグッと胸に突き刺さる。
 ドゥーム・ストーナーの本質を掴みながら、そこからロックの楽しさとダンサブルなグルーブを追求し、ヘビィロックで躍らせるGUEVNNAは正に華金に相応しいアッパーなライブを魅せてくれたし、フロアは全員ただのパーリーピーポーになるだけだった。



・Aguirre

 フランスからの刺客Aguirre。殆ど照明が落ちたステージには刺青だらけでありながらストイックな修行僧なルックスのメンバーが5人。音源では正統派スラッジサウンドを展開していた彼等だけど、結果としてAguirreはそれを見事に裏切って来た。
 もしかしたら共にスプリットをリリースしたGUEVNNAのサウンドスタイルに影響を受けたのかもしれないし、今回のツアー中でバンドのモードが変わったのかもしれない。そこは憶測でしかないけど、結果としてAguirreはスラッジコアのヘビィさはそのままにダンスミュージックを奏でていたのだ。
 実際にやっている方法論自体は音源と全然変わらないし、サウンドアプローチ自体はあくまでもEyeHateGod等の影響下にある音だから特に目新しさがあるわけでもない。だけどスラッジコアのままグルーブ特化型になった音はグイグイ肉体を引っ張っていく。
 音源以上に速さを感じさせる疾走パートが始まった瞬間にフロアはモッシュが大量発生していたし、そこからビートダウンしてスラッジさを全開にするパートになっても、自然体のグルーブは生かされ続ける。今回ライブでその実態を生で体感して思ったのは、ビートの緩急の付け方が本当に上手いし、遅いパートで体を揺らすグルーブを放ってからの、疾走パートで一気に火をつけていくアプローチは反則だし、そんな音で繰り出された日にはそりゃ暴れる人が続出するのも納得だ。
 一見するとストイックなライブをするとも思っていたけど、それも見事に裏切り、ボーカルの人はガンガン前に出てきていたし、フロアに飛び出したり、サーフされていたりする瞬間もあった。サウンド自体は深みを追求した物だと思わせて、その深みの奥底から一気にアッパーな方向へと引っ張っていく力が凄かったし、30分のアクトで踊れなかった瞬間はほぼ無かったと思う。
 想像を最高の形で裏切るライブであったし、アルコールのパワーを借りてギンギンのライブをブチかましたAguirreはこの日本で大きなインパクトを確実に残した筈だ!!



・Coffins

 トリはまさかのAguirreを差し置いてCoffinsであるが、この日のライブは先日バンドを脱退する事が発表されたベースの是枝氏の東京ラストライブであり、8/14の熊谷でのライブが本当の是枝氏ラストではあるけど、この日は是枝氏の勇姿を目に焼き付けようとしていた人たちも多かったと思う。
 そして僕がこれまで観た中で一番の盛り上がりのライブでもあった。GUEVNNAとAguirreのライブで火が付きっぱなしになったフロアのテンションもあったのかもしれないし、是枝氏東京ラストライブって磁場もあったのかもしれない。でも僕はこれまでCoffinsのライブでここまでの盛り上がりが無かったのか疑問に思ったりもする。
 今回は40分に渡って新作EPの曲から定番の曲まで満遍なくプレイするセットだったけど、Coffinsは実際ハードコアバンドでもあるとも思っているし、ここ最近の楽曲はよりハードコアに接近していると思う。特に時田氏がボーカリストとして加入してからのCoffinsは最早メタルバンドって括りも不要なレベルになったと思うし、だけど血中アルコールの様に滲み出るデスメタルサウンドは健在。
 内野氏のリフの一つ一つはデスメタルのそれでありながら、ハードコアのダイナミックさをアプローチし、最早ただ単純にヘビィで格好良いリフだけしか弾いていない。是枝氏の宇宙へとぶっ飛んでいくファズベースがより混沌を生み出し、サトシ氏のドラムの乾いた音がその混沌を指揮していく。時田氏は今のCoffinsに絶対不可欠なボーカルだし、でもいつも以上にハードコアライクなボーカルを披露していたのも印象深かった。
 最後の最後はやはりアンセム「Evil Infection」で締めくくくられたけど、40分に渡ってフロアは完全に暴動状態だったし、僕は最前で観ていたけど後ろから常におしくらまんじゅうされながらもCoffinsの圧倒的ヘビィロックを肌で感じていた。何度も掲げられる無数のメロイックサイン、内野氏がモッシュを煽りその熱に浮かされるオーディエンス、メタルとしてもハードコアとしても最高のライブだったし、現編成になってからのライブで一番のライブでもあったと思う。
 最後の最後にアンプ前に倒れ込んでベースを弾く是枝氏の姿は本物のベースヒーローであったし、その姿を僕はしっかりと目に焼き付けた。ライブ自体もフロアの空気も何から何まで完璧だったし、この日のCoffinsのライブは伝説のライブとしてこれから語り継がれていくだろう。



 ハナのZOTHIQUEからトリのCoffinsまで予定調和皆無のライブしか無かったし、Aguirre来日というトピック抜きにして最高の事件がこの日ブッシュバッシュで起きていた。
 新たなるドゥームサウンドを提示したZOTHIQUEとGUEVNNA、予想外のライブで狂熱を生み出したAguirre、そして最後の最後まで世界レベルの最強ライブで締めくくったCoffins、この日集まった人たちの中で2015年7月24日のブッシュバッシュは伝説の夜として記憶に残り続けるだろう。
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■【愛と憎悪を叫ぶ唯一無二の激音】REDSHEER、ロングインタビュー

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 もしこの作品を適切に表す言葉があるとするならばそれはもう「新感覚の激音」という言葉以外に無いと僕は思う。
 ex.ATOMIC FIREBALL、ex.SCALENE、ex.Bucket-Tのメンバーによって2013年に結成された3ピースであるREDSHEERは2014年3月のライブ活動開始から現在に至るまでの精力的なライブ活動でその新感覚の激音で多くの人々に悪夢を見せてきたバンドだ。
 メンバーそれぞれのキャリアもあるし、ベテラン3人が人生最後のバンドという覚悟の元に結成したREDSHEERは結成からまだ2年程のバンドでありながら既に孤高の領域に達したバンドであると思う。
 妥協無きオリジナリティの追求と圧倒的テンションを爆音に託したライブによって人間の肉体も精神も破壊する感情の暴発だけを鳴らしたサウンドは本当に多くの人々に衝撃を与えたし、SNSや口コミで瞬く間にその名前を広げた。
 そしていよいよ1stアルバムである「ETERNITY」をTILL YOUR DEATHからリリース。それはライブで魅せた激音とはまた違う、でも紛れも無い新感覚の激音であり、2015年のハードコアを象徴する重大作品であり大傑作と仕上がった。
 同じくオリジナリティのみを追求する孤高のノイズユニットASTROとのコラボもそうだし、全10曲が全然違うベクトルで激音を描きながらも、50分弱が熱き血潮の様に一瞬で駆け巡り、人間が持つ「愛と憎悪」を完全に暴いてしまう作品となった。
 これは最早カオティックだとか激情ってカテゴライズなんて不要であり、全ての人々が持つ内面的世界を描き叫び暴くドキュメントであるのだから。
 今回1stアルバムリリースのタイミングでREDSHEERのメンバー全員参加でのインタビューの方を敢行させて頂く流れとなった。
 バンドの結成の経緯からメンバーそれぞれがストイックに追い求めるオリジナリティやアルバムについて、果ては40代でまた新たにバンドを始めた事によって生まれた初期衝動といった話まで全てを余す所なく聞かせて頂いた。



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・先ずはREDSHEERの結成の経緯から聞きたいと思います。元々皆さんはATOMIC FIREBALL、SCALENE、Bucket-Tとキャリアがある訳ですけど、REDSHEERの発起人はOnozatoさん(Vo&Ba)という事で宜しいでしょうか?

Onozato:俺だね。



・その中で何故Yamaguchiさん(Gt)とKataraoさん(Dr)をメンバーにしようと思ったのですか?

Onozato:うるさい音楽をやるならギターはもうYamaguchiしかいないなって。



・ATOMIC FIREBALL、SCALENE時代からの付き合いもあってという事ですか?

Onozato:そうだね。ATOMIC FIREBALLが終わって、SCALENEが終わって、それからたまに会ってっていう付き合いだったけど、またうるさくハードコアをやるってなったらYamaguchiしかいないなって。



・Kataraoさんに白羽の矢が立ったのは?

Onozato:ドラムを探そうってなってさ、その頃にBucket-Tが解散するって話を聞きつけてそのライブに足を運んだんだ、この後Kataroaがやるバンドとか決まっているのかなっていうのも聞きたかったし。その解散ライブで久々に彼のドラムプレイを観て、それで一回みんなで酒でも飲みながら話しようって連絡して。
元々はSCALENEを再結成しようと思ってドラムだった東田君を誘ったんだけど彼が出来ないってなって、元々彼はドラムから離れてトラックメイカーの道に進んでいたし、そういう諸々もあって出来ないって返答が来て、そこでドラムを探そうってなったんだけど、Bucket-TのラストライブのKataraoのプレイを観て、過去に囚われるよりも彼にドラムを叩いて貰って新しい事に挑戦する良い切欠なんじゃないかなって想いが生まれてね。

Yamaguchi:そのライブは俺とOnozatoの二人で観に行ったの。それで彼なら良いんじゃないか、新しい物を作れる気もするしってなった。その後に3人で飲んで、まあメタル談義だよね。メタルとプロレス談義をしたと記憶してるんだけど。

Katarao:大体いつもそうじゃない(笑)。

Onozato:大体そうだ(笑)。

Yamaguchi:Judas Priestがどうとかって話とか、あとプロレスの話をね。んでその日は俺が来る前にスタジオ入った時の課題曲は大体決まっていたのよね。

Onozato:取り敢えず共通で好きなバンドを2曲位課題曲で合わせようってなって、何故かUNSANEとKyussだったんだけど。

Yamaguchi:俺は全く聴いた事無くてね(笑)。

Onozato:それでスタジオで課題曲合わせたけど、スタジオ二回目でもう課題曲やってもしょうがないってなってオリジナルをやろうって。振り返ること三、四年前だけどYamaguchiが曲を作っててね、またいつかバンドやりたいからって、じゃあその曲やろうよって。

Yamaguchi:その頃に2曲あって、それが元で出来たのが「CURSE FROM SAD SPIRIT」と「THE END,RISE ABOVE」。







・その2曲が本当にREDSHEERの始まりの2曲と。SCALENE時代も曲はYamaguchiさんが作ってたのですか?

Yamaguchi:いやSCALENEは当時のドラムだった東田君が作ってたの。彼はギターも弾けたから、多重録音してコード進行作ったり、フレーズを組み立てて持って来たりとかしてた。その後のアレンジとかは各楽器でやったけど。でもATOMIC FIREBALL時代から考えても曲作りに参加したのは3曲位かな?だからATOMIC FIREBALLとかSCALENEとは曲の作り手は全然別だって考えて貰って良い。



・もう完全に違うバンドですよね、当たり前ですけど。

Onozato:そうです。当たり前ですけど。

Yamaguchi:ATOMIC FIREBALLとかSCALENEとか知ってる人は「正にその流れの音だ。」とかってREDSHEERの事を言うけど、まあそれはSCALENEとドラム以外は同じ人間がやってるバンドだし、トーンとかボーカルのスタイルとか段々変わっては来ているけど、根っこは同じだし、そういう意味で似た感触を受けてしまうのは、まあ仕方無いかなって(笑)。

Onozato:何が決定的に違うかって言うとYamaguchiが曲ネタ持ってくるからね。それを俺とKataroaで捏ねくり回して曲にするって感じで。



・僕がSCALENEとREDSHEERの決定的な違いだと思うのは、REDSHEERはずっとメロディアスだなって。SCALENEは完全に殺気立ったリフで攻めまくるって印象だったんですけど。REDSHEERはメロディアスと言っても既存のメロディアスさとは違って、よくある例えなんですけど、ギターが歌っているとか。

Onozato:それを狙っているのかな?意識しているのか無意識なのかそれは分からないけど狙ってるのかも。



・僕の中では歌っているというよりも泣き叫んでいる感じなんですよね。SCALENEは無慈悲な殺気だと思うんですけど、REDSHEERはもっと人間臭さを音に感じるんですよ。そこら辺はOnozatoさんが歌っている内容とも繋がると思うんですけど。「YORU NO SOTOGAWA」以外はREDSHEERの曲は英語詞なので歌っている内容は分からないのですけど、具体的にはどんな事を歌っていますか?

Onozato:今回のアルバムには歌詞カードは付けないんだ。言葉で何かを伝えるという考えが俺にはあんまり無くて、歌詞を読みながら曲を聴いて共感するって作業が好きな人がいるっていうのも分かるけど、俺はそれよりも想像を色々して欲しいなって。曲のタイトルなり、曲を聴くなりして。みんなそれぞれ捉え方が違って良いとも思うし。



・歌っているのは間違いなくダークな事ですよね。

Onozato:歌っているのは正に「愛」と「憎悪」だね。
うるさいバンドをやってなかった時期もあってさ、その時期は物凄くつまらなかったんだよね。やっぱりバンドやってた奴はずっとバンドやってないと自分の心が定まらないというか、落ち着かないというか。30過ぎて40になって「俺はこのままで良いのか?」って。自分が直ぐに行動するべきだったんだよね。バンドはもう良いかなって思ったりもしたりしたし、でも葛藤はあったし、自分の力量の無さを感じたりもしたし。
みんな踏み出す時って何かの切欠じゃない?そういう意味では俺も全然普通の人間だし、目線はみんなと一緒だし、何も特別じゃ無いし、ただ好きな事をやるって時の決めた事に対して突き進むという。まあそういう事は歌詞にしていないけど、でもありきたりな事ですよ歌っている事なんて。「人間の弱さ」と「心の苦しみ」、「叶わぬ、伝わらない愛情」、「絶える事が無く込み上がる怒り」などなど…。中二病全開かよ!?ってね(笑)。まあ捉え方は人によりけりの完全なる自己世界を自身に置いて展開してます。



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・Onozatoさんが奮い立つ切欠になったのは何でしょうか?

Onozato:元々SCALENEが終わってからもバンドやっていたりはしていたの。SCALENEが終わってからNine Days Wonderに一年間在籍していたりもしたし、その後にギターロックというかシューゲイザーのバンドにいたりしたけど中々スイッチが入らなかったね。もうバンド出来れば良いや位の気持ちだったし、二週間に一回スタジオ入って、たまに年二回位ライブやるって感じだったし。でもこんなんじゃ良くないって思い始めてさ。
そこから二年位経って…俺さ歯茎に腫瘍出来ちゃってさ、体が悪くなったって感覚じゃ無いんだけど、歯医者に行ったら「うちじゃ面倒見れません。」って言われて、もう一軒歯医者行ったら紹介状書いて貰って大学病院に入院する事になったんだけど。体は全然ピンピンしているんだけど、生まれて初めての手術だし、その時にボーッと「やっぱ好きな事をやらなきゃダメだな。」って思い始めて、好きな事って何だろうな?って思ったら、それはやっぱりベースを弾いてマイクに向かって叫ぶって事で、うるさい音をやりたいなって。
その入院中の二週間、毎日毎日ひたすら外の景色を眺めながらCorruptedと324の音源をほぼ全部聴き捲ってたのね。うるさい音楽を一切聴いて無かったから久々に心を駆り立てられたくなってさ、「格好良いよな!凄いよな!!」って。それからスイッチ入るの遅かったんだけど、やってたバンドのドラムが何回も辞めたりとかあって、そのバンドは辞めるつもりは無かったんだけど、まあ結果的に辞める事になって、それで自分のスイッチが入ったのかな…気が付いたらYamaguchiに電話してた。



・もうYamaguchiさんしかいないと。

Yamaguchi:有難いね。

Onozato:それでやるって決めて、週2、3回は個人練習入るようになって、ベース弾きながら歌う練習を。その時に体中の血が熱く駆け巡る瞬間があったのよ!それで「俺はやっぱこれなんだな。」と「これしか無いな。」と。また自分がベースを弾いて歌を歌って叫んで、これでまたステージに立ちたいなと。



・何というかREDSHEERは「40代からの初期衝動」だと思うんですよね。若さから来る初期衝動では無くて、年を重ねた三人だからこそ生み出せる衝動というのを提示しているのかなって。

Omozato:それはそうかもね。自分たちの事を客観的に見たり考えたりってのは難しいんだけど、そう言ってくれるとやっぱりそうなのかな?
何しろKataraoのドラムもBucket-Tの時とは全然違うスタイルになっているし、新しい事に挑んでいるって意識が三人とも強くて、物凄く新鮮だし、先ず曲が出来ると凄く嬉しいし、バンドやってたら当たり前だけど。俺らは決め事が無いバンドだから、何をやっても良いバンドだから。その中で生まれた物をライブでやる、それが作品になる、それは本当に嬉しい事だね。
2013年の6月からスタジオ入って、そこから曲作り始めて2年経って…まあ時間経つの早かった!人生の中でこんなに我武者羅に何かに取り組んだ事は無かったんじゃないかって位早かったね。



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・ライブ活動を始めたのは2014年の春先でしたっけ?

Onozato:3月だね。ex.Bucket-Tの斎藤君が今やっているele-phantの企画に呼んで貰って。その時はそのライブだけ決まってて、次は決まって無かったの。そこから有難い事に色々なお話を貰って…



・一年程REDSHEERを追いかけて来ましたけど。凄く精力的にライブをやっているバンドだと思いましたよ。

Onozato:ありがとう。もうそれしか無いから。



・新曲もガンガンライブでやってましたし。ちょっと曲の話に入りますけど、先程REDSHEERにはルールがないって仰っていたじゃないですか?それが先ず曲に出ているなって。

Onozato:ルールが無いって言い方も少し大雑把過ぎるんだけど、基本的にはみんなうるさい音が好きだから。

Yamaguchi:強いて言うなら、暗黙のルールとして既存の物をトレースした様な物はやらないってのは、みんな共通の認識としてあると思う。



・本当にオリジナリティのみ追求で。

Yamaguchi:この歳になると苦労してバンドやっているのに、既に何処かで誰かがやっているのと同じのをやってもしょうがないし、作ってもしょうがないの。どうせやるんだったら他に無い物をやりたいし。
俺が曲ネタ作っている時も既存に無い物で曲ネタ作っているってのもあるけど、その時に頭でぼんやり浮かんでくるドラムとかベースとかボーカルっていうのを…結構二人共完全に覆して、また全然違う物をぶつけてくるから、そういう意味で最初に想定していた曲とはまた違う形になって、そもそも誰の頭の中にも無かった物が出来上がっているっていうのは、いつも楽しいなあって思って。



・それこそベタな言い方にはなりますけど、バンドマジックなのかもしれませんね。

Yamaguchi:そうそう。基本的に「ここ、こう叩いてよ。」とか最初に言ってもKataraoは「俺はやらない。」とかね。…何かKataraoがびっくりした顔してるけど、結構あるよね?

Katarao:やってるじゃん!!

Yamaguchi:やっている場合もあるけど「あー、分かった分かった!!」って。それをどんどん崩してくるのよ。だからいつも面白いの。



・Kataraoさんは具体的に自分がどんなドラムを叩きたいとかってありますか?

Katarao:無い!!



・無いんですか(笑)

Katarao:何というか…三人でやっているんだから、単に誰かが書いた曲をなぞる様な形じゃ無くって、それぞれぶつけ合って生まれてくる物が大事だなと思っているから。そうなると「こんな事がやりたいな。」っていうのがあれば俺もギター弾いて曲ネタとして持ってくるし。まあそんな様な事なんじゃないかなって思うんだけど、頭の中で考えたりはそんなに無いな。その時に出来上がる物を大事にしたいって感覚でいるんで。だから改めて問われると俺は何も無いのかなって。

Yamaguchi:でも俺が曲ネタ作る時も、思い描いた物とか頭に浮かんだメロディがあって、これをこうしたいって形にするんじゃなくて、何にも考えないで取り敢えずギターを触って、触っている中で発見した物を繋いでいって形にする…だから何も考えて無いんじゃないかな?



・Onozatoさんはそこら辺はどうですか?

Onozato:さっきの話に戻るけど。うるさい音でこの三人が集まって結果うるさい音になっていれば。意識をしているのはやっぱ強烈なオリジナリティを感じさせるうるさい音。
今回のレコーディングでもNOISE ROOM STUDIO(西武柳沢)の小林重典さん(GOUMのベーシスト)とツバメスタジオ(浅草橋)の君島結君(ex.GAJIのギタリスト)の二人に伝えたのは「新感覚の激音」を作りたいって事。凄く伝わらない言葉なのかもなんだけど、それだけを意識している。多分ね、それを意識していれば三人で作れるんじゃねえかなって。今までライブ活動をして来てバンドもかなり鍛え上げられて来たし、出せるなって自信みたいのは出てきた。
でも得てしてオリジナリティオリジナリティって提示しても伝わらない人には中々伝わらないし、それはもう個人の趣向の違いや趣味の違いだから仕方無いんだけど、でも「このバンド何だか自分にフィットするな。」って人がライブを重ねていくにつれて増えてくれて、名前が浸透していって、それなりに評価を下さって、そんな中でうちらを熱心に聴いてくれている人が共通して言うのは「こういうバンドは中々いないな。」って事で。イコールそれは俺たちがオリジナリティを出せてるって事だし、オリジナリティを追求しているんだって事が音にちゃんと宿って伝わっているんじゃないかな?

Katarao:だから一生懸命やってるよね(笑)

Onozato:我武者羅ですよ!!

Katarao:曲を作るのも、実際に作った曲を演奏して聴いて貰ってって時も、まあまあ陳腐な言い方かもしれないけど一生懸命!一生懸命作って、「こうやったらびっくりするかなー?」とか「気持ち良いかなー?」とか「楽しいかなー?」とか「盛り上がるかなー?」とか色々な事を考えながら、一生懸命考えて、一生懸命プレイしてっていうのが、まあ根底なんじゃないかな。と言うのは変な言い方になるけど、みんなそれぞれ時間使ってバンドやっているんだったらそりゃ最高な物にしたいねってのは絶対的にあるから。

Onozato:そうね…音に魂を宿してそれを聴き手に伝えるっていうさ…やっぱり出来てるバンドと出来てないバンドっているじゃない?それが経験なのか、演奏技術とかテクニックなのか…正解っていうのは分からないんだけど、同じやるなら伝えたい!心を音に宿したい!それでやるんだったらさっきも言ったけど強烈なオリジナリティを持つ激音でありたいという…拘りはそこかな?







・その一生懸命やるしか無いってのが余計な物を削ぎ落としている気もします。

Katarao:あのね、一生懸命やるしか無いじゃなくて、一生懸命やるっていうだけの事であって。メンタル弱い奴・メンタル強い奴っていて、メンタル強い奴のが面白いじゃない?完全に面白いじゃない?どういうメンタルで舞台に立って、どういうメンタルで音出してって事自体はちゃんと考えて臨まないといかないと思ってやってる。
REDSHEERも有難いことにある種の期待値とかある種の○○感みたいのが持ってもらえてて、それにしっかり応えなきゃいけないっていうこちら側の心持ちっていうのは完全にあって、生温い音出してられない!!っていうか、もうそういう歳じゃないっていうね。
だから「今回のライブはあんまりだったね。」とかっていうのは無くしたい。いつ聴いても最高だったと言われたい。それが出来ている時、出来ていない時っていうのはあるかもしれないんだけど、ある立ち位置からしてみるとそれなりに歴史のあるメンバーかもしれないし、そう考えると恥ずかしい真似は出来ねえなあって!そんな気持ちを凄く強く持っているんで。

Onozato:ほら!去年の6月のブッシュバッシュのライブ!AKSKが初めてうちらを観に来てくれて、weeprayの阿武君、wombscapeのRyo君、Starlingraidの栁澤君、O.G.Dの皆川君も遊びに来てくれて、あの時だね!!みんなうちらの過去のバンドを知っている訳だし、それ以上の物をやらないと観に来て貰った意味が無い…言葉は悪いけど音で「こいつらブッ殺してやろう!!」って思ったよ。あれは燃えたね。凄い格好良かったってみんな興奮気味に言ってくれたのは自分たちの力にも誇りにもなったし糧になった。このままこのテンション以上の物を提示していく努力をしようって。
何かね…REDSHEERを始めた頃ってどういうテンションでやって良いか分からなかったの。始めたばっかだから仕方無い部分もあるけど。ちょっと抑えた方が良いのか?って思ったりもした…でも結果あの時は違った。抑えるどころか自分の中身が全て空っぽになるライブを毎回毎回やっていかないと。特にうちらは音が音だからさ、思いっきりやらないと伝わらないなって。あの日のブッシュバッシュが学ぶ場になったし、自分の緊張感も物凄いあったんだけど、こう放出具合っていうのが自分たちの中でも手応えがあったし、あのライブからかな?スイッチ入ったのは。



・それから今に至るまで様々なバンドと対バンしたりもしたじゃないですか?他のバンドから受けた刺激というのもREDSHEERにとって大きいと思います。

Onozato:あるよーそれは。さっき名前出した方々とか平均すると10歳以上年下だし、彼らは今が一番高みに上っている時期だと思うし、バンドのキャリアも続いて、一番良い状態でライブもやって良い作品も出してって人たちが多いと思うし、そこの人たちに凄い刺激を貰っているね。isolateのAndo君もそうだし、まあみんな凄い…あの放出具合は…負けてられないなって!!



・やっぱりそういったライバルの存在は大きいですか?

Onozato:でかいね…。またいつかうるさいバンドをやりたいと思ってた時期に色々なバンドをチェックしていたんだけど、Starlingraidは元々知っててそこから切欠にwombscapeとかisolateとかweeprayとかを知って、大阪にPALMがいるってのもチェックして、凄い事をやってるなあって。いつか彼らと対バンしたいと思ったし、いつか俺の存在を認めさせたいなって。
正直キャリアも何も一回無くなったと思ってる部分もあったし、またゼロからやろうと思ってた部分もあったし、ライブ活動を始めてさっき名前を上げたバンドさんと同じステージに立つ事も出来て…刺激は貰ったね。



・REDSHEERの音楽って前提として「VS人」ってのがあると思いました。それこそ対バンだったり観ている人だったりとか。自己満足じゃ無くて自分たちの追求しているオリジナリティを伝えたいって気持ちを感じました。

Onozato:さっき歌詞の話で少しぼやけたけど、そこの意味での愛ってのは凄くあるかな。…分かって貰いたいんだよ。分り難い楽曲ではあるけど(笑)。それでさっきAKSKがメロディアスだって言ってくれたじゃん?そこなんだよね。複雑な曲展開でリズムチェンジも凄く多いし、一筋縄じゃいかない音楽をやりたいからやっているんだけど、それをいかに分かりやすく伝えるべきかってのは、一曲の中でメロディを喚起させる。それは自分が聴き手に対しての愛で。分かりやすく伝えたいっていう。そうなると言葉よりも歌の雰囲気とかそっちになっちゃう部分はあるかな。



・先程からOnozatoさんが仰っているうるさい音楽ってあるじゃ無いですか?俗に言う激情系だったり、カオティックハードコアだったり。

Onozato:でもね俺の中でのうるさい音楽はストーナーであったり、スラッジであり、グラインドでもあり、ハードコアもそうだし。自分が子供の頃に聴いてたデスメタルもそうだし。俺はジャンルって言葉が嫌いだからこそジャンルに拘らない自分たちの音ってのをやっているんだと思う。垣根を越えたいんだよね。だから細かい事はどうでも良くて、ハードコアって言葉一つで、それはイコールうるさい音って幅広く捉えて貰いたい。
かといってルールは無いにしても色々な物に手を出すって事では無くて、自分たちが曲を作る中で自然に出てきたリフだったりメロディだったりを大切にしながら絶対的なオリジナリティであったり、新感覚の激音っていうのを無意識に自分たちの中で蓄えながら曲を作って出来た曲をライブで一生懸命演奏してお客さんに伝えたい。…もうこの三人で自分たちの思う「新しいうるさい音・新しいハードコア・新感覚の激音」っていうのをこの三人で出し続けるだけって事です。



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・それでは1stアルバムである「ETERNITY」の方の話に入りますが、今回TILL YOUR DEATHからリリースする事になった切欠から伺います。

Onozato:バンド活動を始めた2013年の年末の先ず名刺になる物を作りたいってなって、出来上がっていた3曲をNOISE ROOM STUDIOで録音して、それをSoundCloudにアップして、それをTILL YOUR DEATHの伴内さんが聴いてくれたのよ。それで伴内さんがSNSで呟いてくれたり拡散してくれたりとかして結構広がった。伴内さんがうちらの過去のバンドも知っててそこで興味を示してくれたの。
それで2014年の7月に新たに3曲を録音して、関係者の方に新たな名刺として配布したりしたの。それを伴内さんに渡したら真っ先に「うちからアルバムをリリースしませんか。」って有難い言葉を頂いて。もう出したいって人が一番だと思ってたし、こっちから出して下さいって動くのも考えていたけど伴内さんが真っ先に言って下さったから「是非ともお願いします!」って流れ。



・真っ先にラブコールをしたのが伴内さんだったという事ですね。それでTILL YOUR DEATHから出すしか無いと。

Onozato:それをYamaguchiにもKataraoにも話したら「出すでしょ!!」ってなった。…考えてみるとそこから一年経っているね。



・でも大分早い段階でアルバムの話は出てましたよね。

Onozato:ライブを4回やって、そのレコーディングをした2014年の7月がライブが無かったのかな。でもライブ4回やった時点でその話を頂いていたし、展開は早かった。



・ある種運命かもしれませんね。

Onozato:そうね。REDSHEERのファーストライブの時はどんな活動をしていくかとか全然分からなかった。でもアルバムリリースの話を頂いて、ライブのオファーも沢山頂いて、色々明確になったよね。だからこのアルバムを切欠にREDSHEERって名前を多くの人に知って貰って聴いて貰って。アルバムを完成する事が出来てホッとしているし。次に繋がる物を作ったって自負もある。



・「ETERNITY」の方も聴かせて頂きましたけど、ライブとは全然違う激音だったなって。

Onozato;ギター・ベース・ドラムの録音はNOISE ROOM STUDIOでやって、エンジニアの小林さんがCoffinsやLIFEといった日本を代表する激音を録音する事に長けている方で、先ずは小林さんにお願いしようってなった。
そこからボーカル録り・ミックス・マスタリングはツバメスタジオの君島君に。彼が20歳、俺が19歳の頃からの知り合いで。ATOMIC FIREBALL、Bucket-Tの時に彼が在籍していたGAJIと昔の高円寺20000Vで頻繁に対バンしていたお付き合いでさ。彼の奏でるギターは凄まじい物があったんだ!完全なるオリジナリティを確立していたと沢山の人が今でも思っている筈だよ。
彼が録音しているskillkillsとかEXTRUDERSを聴いてさ…彼のマジックを感じて、録音のスタイルもエンジニアとしての技量も。それでNOISE ROOMとは真逆な方向でREDSHEERの音を捉えて貰って、それこそ正に新感覚の激音を…ハードコアだし勿論うるさい音にしたいんだけど、飽きさせたく無くて。うるさい音が苦手な人もいるだろうし、うるさいんだけど何処か聴き易さとかキャッチーさだったり、そこを音で作って欲しかった。だから君島君にお願いして、これが功を奏したのかな。結構聴く部分によってはポップに聞こえる音に作りこんで貰っているし。



・「BLINDNESS」は歌物的な曲ってのもあるますけど、そのポップさがありますよね。それと意外だったのはアルバムのオープニングを飾るタイトル曲「ETERNITY」でASTROとコラボしたって事ですね。それはどんな流れで実現したのでしょうか?

Onozato:俺が10代の頃、ASTROの長谷川洋さんがやってたC.C.C.C.が凄い大好きだったの。それで2014年の9月23日の高円寺Showboatの企画に長谷川洋さんの奥さんであるROHCOさんにお誘い頂いて、それは凄く縁を感じたし、その頃から洋さんとお付き合いも始まって、アルバム制作に向けてYamaguchiがインストを作ってきたの。ここで強烈な電子音が欲しくなって、これは洋さんとROHCOさんにお願いするタイミングなんじゃないかなって。それでお二人にゲストで参加して欲しいとお願いしたら快諾して頂いて、提供して下さった音…最高です!!素晴らしい!!







・本当に新感覚の激音のオープニングに相応しい曲だなって。その直後の「SILENCE WILL BURN」でブチ切れているのが最高だと思います。

Yamaguchi:でも「ETERNITY」は最初からアルバムのイントロを飾る曲だった訳じゃなくて、元々はギターだけを重ねて録音していつも通り曲ネタとして持っていって、そこにはベースもドラムも被せないって流れになって、ASTROのお二人に参加して頂いて、出来上がった音を聴いてからこれをイントロにして良いんじゃないかなって。最初はアルバムの途中に挟むインストにしようと思ってたの、小休止的な感じで。でも音を聴いてアルバムの頭に持っていって、そこから「SILENCE WILL BURN」って流れが良いんじゃないのって。結構後付けで。

Onozato:まあでも…あんな強烈な音を作って頂いたら先ず最初に聴いて貰いたいでしょ。



・正直アルバム全部通して強烈過ぎて…!僕は2013年の6月のブッシュバッシュでのライブで初めてREDSHEERを観たんですけど、その時に抱いた感想が「凄い!でも訳分からない!!」だったんですよね。ある種分かりやすいけど得体の知れない物を提示している作品だと思いますし、それがイコール新感覚の激音・新しいハードコアなのかもしれません。

Onozato:でもそこには聴き易く作った音というか、当てはまらないのかもしれないけどポップな要素ってのもあるし、それを君島君に求めた。バックの音はもう小林さんに強烈でヘビィな音を作って頂いて、そこから君島君に変換して貰って…まあ面白かったよね。うちらの狙いが功を奏したというね。



・ドンピシャで!

Onozato:正にそうだね。一切悔いが残らない、一生胸張れる自分たちで誇れる作品を作りたかった。妥協はしたくなかった。



・もう一つ言うと、全ての曲がある種自然に共存していると思います。「SILENCE WILL BURN」も「BLINDNESS」も「IN A COMA」もアルバムの中でちゃんと繋がっているなって。全然ベクトルの違う曲がしっかり繋がっているのもこのアルバムの凄い所だと思います。

Onozato:そこは考えていない様で考えたかもしれない(笑)。

Yamaguchi:流れはね(笑)。



・もう一つ言うと後半の「THE END,RISE ABOVE」以降の4曲でより得体の知れなさが増すなって。もっと得体の知れない何かが。

Katarao:B面だもん。



・前半A面、後半B面みたいな。

Onozato:そうだね、それを考えた!アナログで聴くんだったらって体でA面・B面って。ちゃんと流れを汲み取って聴いて貰いたいし…B面が割と地獄だね。







・でも「YORU NO SOTOGAWA」みたいなキラーチューンをラストの方に持ってくるのは意外でしたね。

Onozato:ちょっとハッとさせる最後に気付きというか「辿り着いた所がここですよ。」っていうのを狙ってあの曲を持っていった。ラストに「LEAVING MYSELF IN DARKNESS」があるんだけどあの曲はエクストラとして、「YORU NO SOTOGAWA」で実質ラストってのを描きたかった。



・「GLOOM」と「LEAVING MYSELF IN DARKNESS」というドス黒さ全開の2曲の間に「YORU NO SOTOGAWA」を挟むって流れがよく思いついたなって!!

Onozato:あれは憎悪ですよ。正に怒りの放出。







・そう考えると「THE END,RISE ABOVE」が良い感じでアルバムの中で中間地点にあるなって。あの曲はREDSHEERの初期の曲だからこそ、キャッチーさと地獄の中間地点にあると思います。

Onozato:言われてみるとそうかもね。



・「THE END,RISE ABOVE」こそがREDSHEERが提示したい新感覚の激音の一番名刺代わりになる曲なんじゃないかなって思います。

Onozato;そうかもね。ちょっとジャンクロックなテイストもあるし。



・でもYamaguchiさんが滅茶苦茶メロディアスなアルペジオを弾きまくっていたりもして、Onoazatoさんも終盤で裏声でのボーカルを披露していたりして、あの切羽詰まった感じです。

Onozato:聴いてる人にメロディを浮かび上がらせて欲しいからね。

Yamaguchi:「THE END,RISE ABOVE」が出来た時にREDSHEERとしての曲の作り方の枠が出来たとも思う。その前に「CURSE FROM SAD SPIRIT」を作ったんだけど、それは俺が持ってきた曲ネタから殆ど形が変わってなくて、まあ紆余曲折ありつつの結果論ではあるけど。
「THE END,RISE ABOVE」は曲ネタの時と曲として完成した物を比べるとほぼ別の曲で、残っているのはメインのリフ位で。リフを提示してみんなで合わせて、そっから膨らんだイメージで再構築してまたみんなに提示して、そっから色々な物が入って構築してって作りで出来たし、曲の後半のアルペジオからの流れもみんなでイメージを膨らませて構築するって作業をしなかったら出てこなかった感じなんだけど。
でも今は割とどの曲もそういう流れで作っているから。みんなに出して貰ったリズムだったり違うメロディから膨らませて作るっていう今のREDSHEERの作曲のスタイルの基礎が出来たのは「THE END,RISE ABOVE」。

Onozato;またそれを壊す時が来るよ。

Yamaguchi:まあねえ、いつか来るかもしれないねえ。

Onozato:型にハマっちゃうと面白くないから。

Yamaguchi:ただOnozatoは結構ジャムセッションから曲を作りたがっていた時期もあったんだけど、俺はジャムセッションから曲を作るのは好きじゃ無くて、ジャムセッションという何も無い所から合わせてやるってなると絶対既存のイメージを何処かから持ってきてみんなで合わせて曲を作ることになるから。そういうのでは無くて、完全な0から1を作り出してみんなで膨らませていくっていうのが今のところは「CURSE FROM SAD SPIRIT」以外はそういう作りになっているね。



・…まあでも一筋縄でいかないバンドだなあって。

Onozato:でもアルバムは一気に聴けるでしょ?



・はい。50分があっという間に終わりますね。

Onozato:それはやっている自分たちも聴いてて思ったし、それで良いじゃない…それが良い。だからやれたなって。

Katarao:…一筋縄じゃいかないのよねえ。…今も新曲を作っているんだけど、…いやこのバンドは大変だなって思いながらね…やってるんですよ。

Onozato:体力的な事も含めて、テクニック的な事も含めて自分たちで勝手にハードルを上げてる感はあるね。

Yamaguchi:毎曲毎曲練習しなきゃいけないっていう、習得しなきゃこの曲が出来ないってのを毎回作ってるから。特に…ドラムは…必ず新しい物をブチ込んで来るから。

Katarao:そもそも譜割りが凄いからね。もっと凄い人たちは勿論いるけど、俺らにしてみたら凄いっていう。譜割りを意識しないで曲作ってくる人がいるから。

Onozato:フレーズでね(笑)

Yamaguchi:メロディが先に出来て、リズムはまあメトロノームに合っていれば良いかって感じで曲ネタ渡すから、それでいつも悩むっていう。

Onozato:まあでも今が一番楽しいよ!…本当にバンドをやれる喜びってのを日々感じて生きてる。…それが一番幸せ。何歳まで出来るか分からないけど、末永くやり続けたいね!この三人で!!



・皆さん公言してますが、REDSHEERが三人にとって人生最後のバンドになると仰ってましたけど。

Onozato:俺はそう思ってる!



・先程末永く続けたいと仰ってましたが。

Onozato:可能な限り!!…自分がやっている音楽に対する飽きって無いと思う。でも体力的に限界感じたら音をシフトせざる負えないけど(苦笑)。…でもやっぱうるさい音好きだし、先の事は考えるけど、何歳までやるとか区切りつける年齢でも無いから。楽しいなって思ったら、充実してるなって思ったらずっとやりたいし。



・正に40代から始める初期衝動ですね。でもYamaguchiさんはバンド活動のブランクもあったと思いますし、そこからREDSHEERを形にするまでに膨大なエネルギーが必要だったと思います。だからこそ一筋縄じゃいかない熱情というか…業と欲望ですよね!!うるさい音鳴らしたい!伝えたい!叫びたい!っていう。でもやりたい事に対して全員妥協が無いからこそ、最高の新しいハードコアが生まれたんだと僕は思います。

全員:ありがとうございます!!



・では最後に今後の展望なんかも。

Onozato:なるべく早い段階で次の音源を出したいと思います。曲作りに時間はかかるんだけども、曲作りを常に欠かさないバンドでありたい。ライブもYamaguchiとKataraoは家庭があるからハイペースとはいかないかもしれないけど、可能な限りはやっていく。音源作るからライブやらないってじゃなくて、うちらは止まりたくない。次を求めてくれる人に対してうちらも早く次を提示したいし。だから作り続けたい!表現し続けたい!

Yamaguchi:曲作っている時が一番ワクワクする。これがどうなっていくんだろうかってある意味映画を観ている感覚で、「この映画ここまで来てラストどうなるんだろう?」っていうのと同じで、曲作っている時も「この曲ラストどうなるんだろう?」って感じで。最初はみんなそういうの分からないで作ってるし、最終的に完成したらワクワクするし、そのワクワク感をずっと持ち続けたいなって思ってる。

Katarao:頑張ります!!



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【REDSHEERライブ予定】

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【FAREAST DEATH CULT 2015】
FeDC 2015 Day-1
・assembrage
・BURNING SIGN
・DIEDRO LOS DIABLOS
・HUMPTY DUMPTY
・MIDNIGHT RESURRECTOR
・NOTIIBELIKESOMEONE
・PALM
・She Border Picture
・SILVERBACK
・ミミレミミ
・秘部痺れ
・REDSHEER




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TRIKORONA Presents [様々な困惑]
STUBBORN FATHER×TRIKORONA Split CD release tour final
8月1日(土)@東高円寺二万電圧
TRIKORONA
STUBBORN FATHER
weepray
GOUM
unconscious disharmonic malfunction
(((AMNESIa-cHANNEL)))
REDSHEER
open 17:30 / start 18:00
adv. ¥1800+1D / door ¥2000+1D




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POWERTRIP Vol.7
8月8日(土)@池袋手刀
GREENMACHiNE
G.A.T.E.S
幻覚NEONS
Veritas Conc.75
REDSHEER
open 17:00 / start 17:30
adv. ¥2500+1D / day ¥2800+1D




” thread ”
8月14日(金)@小岩BUSHBASH
UMBERLITE
SUPER STRUCTURE
FLOATERS
REDSHEER
and more
■open/startTBA
■adv/doorTBA(+1drink order)




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NOISE SLAUGHTER Vol.6
8月22日(土)@新大久保earthdom
BB
OSRUM
xerowound
REDSHEER
open 18:30 / start 19:00
adv. ¥2000+1D / door ¥2500+1D




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REDSHEER Presents
GRAY WORLD Vol.3
2015.9.26(土)@新代田FEVER
COHOL
CYBERNE
DISGUNDER
GUEVNNA
isolate
RED RAN AMBER
REDSHEER
THE DONOR
wombscape
ZOTHIQUE
Open 13:00 Start 13:30
Adv. ¥2000 (+1D) / Door ¥2500 (+1D)
e+ / Lawson Ticket ( L:72272 )
新代田FEVER 03-6304-7899
All info:deadsheer@gmail.com




【オフィシャルサイト】http://deadsheer.wix.com/redsheer
【twitter】https://twitter.com/redsheer666



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie

■ETERNITY/REDSHEER





 「新たなる激音」これ以外に今作を体現する言葉は正直無いとすら思う。
 ex.ATOMIC FIREBALL、ex.SCALENE、ex.Bucket-Tのメンバーによって2013年に結成され、2014年のライブ活動開始から精力的かつ圧倒的テンションのライブによって多くの注目を集め、過去のキャリアを知らない世代からも大きな支持を集めた激音3ピースハードコアであるREDSHEER。
そんな彼等の1stアルバムがTILL YOUR DEATHからドロップされた。メンバーそれぞれのキャリアの流れにある音ではあるけど、それの焼き直しでは無い、40代の漢三人によるオリジナリティと圧倒的テンションの「愛と憎悪」を提示したサウンドは複雑怪奇でありながらメロディアスでエモーショナルであり、ダークでおぞましいのに感動的で泣けるオルタナティブロックの最高峰とも言える大傑作となった。
またジャケットアートワークはMario(Khmer)、クレジットデザインは栁澤友己(Starlingraid)がそれぞれ担当。



 REDSHEERの音楽性はカオティックハードコアや激情系ハードコアにカテゴライズされるであろう音ではあるかもしれない。
でもそれらの言葉だけじゃとてもじゃないけどREDSHEERの音楽を語る事は不可能だと思う。90年代ポストハードコアからデスメタルまでメンバーそれぞれのルーツは多岐に渡り、それらの影響を受けながら既存の音楽をトレースする事に中指を立て、自らのルーツとキャリアを大切にしながらも、それらを嘲笑うように既存の音楽に無いREDSHEER is REDSHEERのみを追求したサウンドは激烈で膨大なエネルギーを持ち、変拍子とリズムチェンジも多い複雑さが生み出す構成美もあり、人間臭い生々しさもあり、聴き手の肉体をゴリゴリ破壊する攻撃性と、聴き手の内面を破壊するダークネスとサッドネスを兼ね備えている。
 だけどNOISE ROOM STUDIOとつばめスタジオという二つのスタジオでの録音によって、ライブでの激しさと全てを空っぽにするテンションだけじゃ無く、同時にメロディの良さも最大限に活かし、激音の中に一種の聴き易さも付け加えられた音は既存のハードコアに対しての宣戦布告でもあり、同時にこの音を多くの人に届けたいというバンド側からの一つの愛なのかもしれない。
REDSHEERというバンド自体、TOOL、割礼、Hoover、Botch、Slint、THE CREATOR OFといったバンドが持つオリジナリティと残酷さと優しさと痛烈さを持っていると個人的に思うけど、こうして他のバンドの名前を上げる事すら実際野暮でしかないし、オルタナティブロックの最新で最凶の理想形でしか無い。何よりも全ての音と叫びが哭き喚く純粋過ぎる爆音の渦なのだ。

 先ずはアルバムのイントロを飾る第1曲「Eternity」に驚かされた。てっきり頭から痛烈なる激音で殺しに来ると思ったら全然違ったからだ。
この曲は日本が誇るノイズ夫妻ユニットASTROとのコラボ曲であるが、美麗でありながら不協和を感じる美とダークネスのアルペジオの反復にASTROが強烈でありながらも、どこか暖かさを感じる轟音の電子音を加え、熱情と狂気と慈愛の三つが静かに結ぶ付き分解していく様な、静かな夜の道をゆっくり歩く様なイントロに仕上がった。
この1曲のイントロだけでもただならぬ完成度であるけど、これはあくまでもイントロに過ぎない。
 第2曲「Silence Will Burn」からはいよいよREDSHEERの本領発揮!!最初から完全に殺す気しかないギターリフの断罪と爆音でタメを活かしまくったトライヴァルなドラムと這い寄るベースの不気味すぎるグルーブ。そしてノイジーに過去されたボーカルは痛々しく殺気だけを放ちまくり、繰り返される激音のリフはドス黒さしかない。
でも激音で一辺倒でREDSHEERが終わる訳が無い。中盤ではSlintばりに冷徹さの中に熱情を感じるクリーントーンのギターのみが鳴り響き、そしてその静寂を曲名通り燃やし尽くす激音へと変貌し、最後の最後はメロディアスでありながらも煉獄と化したサウンドによって地獄を見せられる事になってしまうだろう。この曲は正にREDSHEERを体現する曲だと僕は個人的に思うし、今作でも一番大好きな曲だ。
でもやっぱりただ激烈なだけじゃ無い。第3曲「Blindness」は激音の中の歌心や優しさを感じる名曲になっているし、エモいだけじゃない、ただ混沌としているだけじゃない。熱い抱擁をされている様な感覚すら覚えるし、これはもうオルタナティブラブソングなんじゃないだろうか。
Slintばりの不気味なアルペジオから始まる第4曲「In A Coma」は最早ポストメタル的複雑極まりない構成で激と静の対比を何度も繰り返し、積み上げては壊しを際限無く楽曲の中で展開され、本気で頭がおかしくなりそうだし、最後の最後は出口の無い闇へと引きずり込まれる気分になる。
だからこそ第5曲「Rule The Gray World」で展開されるミドルテンポのメロウな激音のバラッドは今作の前半の一つの気付きや救いに聞こえたりもした。

 アルバム前半では全然ベクトルの違う5曲が激情とメロウとダークネスの混沌の中の愛を音にした様な曲が並んだけど、後半の5曲はより地獄へと叩き落とされる。
この曲も個人的にREDSHEERを代表する曲だと思っている第6曲「The End, Rise Above」のリフとアルペジオの他にこんなギターワーク思いつく人いないよってなってしまうギターワーク。テンションの高さは常に振り切っているのに常に泣けるメロディしか聞こえてこないし、この曲は聴いてて本当に何度も涙がこみ上げそうになるし、でもそれは感動的だからじゃなくて、このメロディアスさはその後に待ち構える地獄を予言しているし、絶望的なまでに救いが無いからだ。
その予言通りに第7曲「Curse from Sad Spirit」は本気で地獄を見る。REDSHEERにしか無いコード感によるアルペジオから始まり、2分以上にも及ぶ静謐さの不気味さから切り裂く断末魔のギターリフによって僕たちが生きる世界は何処までも悲しい残酷な悪夢だと知らされる。
ポストメタル的複雑に完成された楽曲展開でありながら激のみを突き通し、その激が複雑に絡み合う事による鳥獣戯画の様な世界をハードコアから提示され、だけど常にメロウに加速し、それはまるで破滅への急降下だ。
そして曲の終盤のスラッジなビートダウンから繋がる形で第8曲「Gloom」へと突入。地獄のワンリフ展開のダークアンビエントなこの曲によって悪夢の最果てへと連れて行かれ、うねる音と叫びが終わりなく木霊し、目の前で幾多の生命が無慈悲なるサイコパスによって刈り取られる情景すら浮かび、恐怖すら超えたアパシーな感覚に陥る。

 そんな地獄の果てに待つのは第9曲「Yoru No Sotogawa」であり、これがREDSHEER流のメタリックハードコアのアンセムとも言えるキラーチューンだ。
ゴリゴリの刻みのリフとタイトなビートは開放的であり、今作唯一の日本語詞で叫ぶのは乾きを知らぬ愛と憎悪と欲望であり、壮絶な世界から個人的感情の世界へとフッと連れ戻され、これまで目にしてきた惨劇の数々は人間のエゴとサイコさが生み出す物である事に気づかされたし、実質この曲で今作は締めくくられると言っても良いし、それは終わりのない人間の欲望はこれからも続くという事だ。
最後の最後のエクストラ的な最終曲「Leaving Myself in Darkness」は再びポストロッキンなアルペジオとビートによって脈々と続く秩序を描き、だけどスラッジなリフとビートと多重録音されたボーカルによって生まれるまた別の煉獄であり、結局救いの無き世界で僕たちはずっと泣き叫びながら行き続けなければいけないという残酷だけど確かな宣告であり、そんな曲で終わるからこそ、このアルバムを聴き終わった後に残酷な余韻に取り残されるだろう。



 全10曲50分は本当にあっという間に終わるし、激音でありながら尖りだけじゃ無く独特の丸みも音に感じるし、何よりも全10曲のベクトルは全然違うのに一つの世界観で統一されているし、それは正に「愛と憎悪」だ。
そんな作品を単純にカオティックとか激情と言う言葉で終わらせるのは絶対に違う。新たなスタンダードを提示したオルタナティブロックであると同時に、唯一無二の激音で地獄を生み出す作品でもあるのだ。
だからこそ今作は燃え上がる感情の叫びと共に、全ての音が雄叫びを上げて泣き散らす、確実に聴く者の肉体と精神を破壊する殺傷力と毒素の劇薬であり激音だ
 この世で最も純粋な愛と憎悪を音として表現した大傑作であり、確実に心の一番奥底の脆く純粋な感情に訴える極限世界!!聴いて狂ってしまえば良い!!粉々に砕かれた感情の破片が舞い散るその瞬間は本当に悲しくも美しいのだ。
紛れも無い2015年最重要作品であり、歴史的名盤!!!!!



■REDSHEER Presents“GRAY WORLD Vol.2 -1st ALBUM [Eternity] RELEASE LIVE SHOW-”(2015年7月11日)@東高円寺二万電圧

 2014年のライブ活動開始から精力的な活動によってその名を広げてきたREDSHEER。いよいよその全貌を世に知らしめる1stアルバム「ETERNITY」をリリースする事になった。今回は4月の立川バベルでの自主企画に続くREDSHEER企画第2弾であり、1stアルバムリリースパーティ。10バンド出演の前回と違って今回は3マンライブだったが、REDSHEERとCo/SS/gZとele-phantによる3マンという恐らく二度と無いであろう三者のガチンコの激戦ライブ。チケットは勿論ソールドアウトとなり、二万電圧は人で溢れてフロアは殆ど身動きが取れない状態になっていた。それだけ多くの人々を虜にしてきたREDSHEERだけど、実際にその事件とも言うべき今回の企画を目撃し、REDSHEERの凄さを改めて実感させられた。



・Co/SS/gZ

 昨年の再結成ライブから今回で5回目のライブとなるCo/SS/gZ。前回はASTROとのコラボ編成でのライブだったけど、今回はCo/SS/gZとしてのライブ。実際Co/SS/gZの戦闘を目撃するのは昨年の大阪での戦闘以来だったけど、その時のライブとも今のCo/SS/gZは完全にモードが違った。これまでのライブとは違ってサプライズな仕掛けは殆ど無し、パフォーマーの♡GrinderS♡のお姉様方もいらっしゃったけど、常にステージ上にいる訳では無かったし、プラカードのパフォーマンスも無し。何というかやっと本来の形とは違うけど、残された三人と境さんの4人でのCo/SS/gZとしてのライブが観れた事が先ず嬉しかった。ジャンクという言葉じゃ片付かない、膨大な機材を使用しまくった最強にケミカルな爆音のツインギターと息の合ったツインドラムのビートだけで戦う爆音鬼としてのCo/SS/gZだ。バンドのキラーチューンである「COBRA」や「MONEY」といった曲の切れ味はやっぱり凄いし、バンドとして腹を括った感じも改めて実感させられた。MCも殆ど無しでMCらしいMCは大地さんの「ライス食わせろ!!」位だったんじゃないかな?と言いつつやっぱり悪ふざけしちゃって「J」をプレイしている時にどこからともなく牛丼が出てきて(絶対二万の近所のすき家で買ってきた奴だ)、大地さんがドラムスティックで牛丼を食う→ゼロさんが普通に牛丼食う→フロアの人達で回し食い。なんて光景もあったけど、実際にそれ以外は本当に緊張感しか無いステージだったと思う。コーパスの名曲群を矢継ぎ早に繰り出し、爆音での戦闘をお見舞いするだけという、シンプルなんだけど誰もが一番観たかったコーパスだ。二万のサウンドとも相性最高で耳がぶっ壊れるんじゃ無いかって音量でのライブだったにも関わらず、フロア側に炸裂する音は凄くクリアで耳にダメージが全然来ない、最高に気持ちいいサウンド。そんな音で聴く「rock'n'roll」は極上の一言だったし。終盤の楽曲はそんな音が見事に生きていた。ノイジーさとヘビィさとサイケデリックさが一番良い場所で聞こえてくる「ANSWER」で改めてCo/SS/gZの覚悟を見たし、最後の最後はゼロさんが境さんのドラムセットを倒壊させようとして狂乱の戦闘は終了。これまでみたいな仕掛け無し、一服休憩も無し、牛丼タイム以外は本当の意味でのコーパスだったし、それが本当に格好良かった!!単なる焼き直しの再結成じゃない、現在進行形で「今」のコーパスをやっと観れた。そんな喜びを感じるライブだった。



・ele-phant

 REDSHEERに続けとばかりに秋にアルバムリリースが決定したele-phantのライブは本当に異次元旅行とも言えるライブだった。ベースの斉藤さんが笑うレベルで大量のエフェクターで自分を囲い、正に足の踏み場しか無いって感じだし、ベースだけでアンプ4台も使用している超絶変態仕様のセッティングに先ず目がいくけど、ele-phantは純粋なサイケデリックの申し子だ。これまでele-phantに対して新感覚のサイケデリックドゥームのバンドだって認識があったけど、それは間違いだったと思った。確かにその音は紛れも無く他に無い新たなるエクストリームミュージックではあるけど、このバンドに対してサイケデリックとかドゥームって呼び方をしてしまうのは全然的外れだし野暮だと思った。ベースとドラムとボーカルだけの編成も先程上げた変態仕様のセッティングもele-phantにとっては必然でしか無いし、そんな編成とセッティングでどこまでも純粋なロックサウンドを鳴らすからこその素晴らしさなんだと思う。改めてボーカルの凄さという物を今回のライブで感じたし、エクストリームミュージック屈指の技術と表現力を持つボーカルはベースとドラムのみのバンドサウンドの中で他のバンドよりもより大きな比重を占めているサウンドスタイルの中でより輝く物だと思うし、重音とメロディを変幻自在に繰り出すベースと共に、ele-phantにしか生み出せない歌心溢れるサイケデリックさ、その中での熱情を体現。最早新たなるブルースだとも言えるし、いつもより長いセットだったからこそ曲の持つ余韻もより濃厚に感じたし、ラストの曲の10分近くに渡るサイケデリアはよりゴシックに、より深く、より美しく、より重く描かれる絵画の様な完成度だったし、その世界観は絶対的な物だった。秋にリリースされるアルバムも本当に楽しみだし、REDSHEERに続いてele-phantも新たなる激音をもうすぐ提示するだろう。それが本当に楽しみだ。



・REDSHEER

 そして本日の主役REDSHEER。フロアの客電が落ちた時点でフロアの興奮は最高潮となり、至るところから叫び声が聞こえてくる。SEであり、アルバムのオープニングを飾るイントロ「ETERNITY」と共にメンバーが登場し、美しい轟音が流れる中で新たなる激音の世界が始まった。トップを飾る「Silence Will Burn」の時点でREDSHEERの完全勝利とも言えるライブになるのを確信したし、REDSHEERの提示する新たなる激音がネクストステージへと飛び立ったのも確信した。精力的なライブ活動によって鍛え上げられた曲はより破壊力と説得力とテンションを持つようになり、序盤の時点で全てが空っぽになってしまうんじゃないかっていう膨大なエネルギーが破裂しまくっていた。小野里氏の重低音の最も重い低音のベースラインをうねりながら叩きつけるグルーブとraoさんの圧倒的音量とタメとキメの美学を極めたドラムのリズム隊のグルーブが本当に凄まじい!!しかもいつも以上により前のめりになったグルーブはより破滅的であったし、山口氏のギターワークもこれまでよりも格段にキレが増していた。クリーントーンのサウンドの緊迫感と、ディストーションサウンドの奈落を音にしたみたいなダークネスと、その中から溢れる悲哀と熱情、その音は紛れも無く地獄でありながら人間味溢れる音になっているし、REDSHEERが描く「愛と憎悪」なんだろう。
 続く「Blindness」、「In A Coma」、「Rule The Gray World」も紛れも無い激音でありながらよりメロディアスになっているし、リフとグルーブの破壊力はそのままで、しかしよりメロディを感じさせるサウンドスケープを展開。だからと言ってバンドのテンションを抑え目にしているかって言ったら全然真逆だし、バンドのテンションが高まる程によりメランコリックさやエピックさも加速し、激情の中で渦巻く感情をより明確に表現していたと思う。「In A Coma」のクリーントーンとディストーションの対比が生み出す螺旋階段が倒壊していく様な音には震えた。そして驚いたのは新曲だ。最初はクリーントーンで静謐で最早ポストロックなんじゃないかって音だったけど、それは完全なる騙しであり、そこから刻みまくったスラッシュなギターリフと共にゴリゴリに攻めまくる新たなるキラーチューン!!勿論REDSHEERが単なるメタリックなハードコアなんてやる訳が無いし、より明確に感情表現をしながらも、より攻めるサウンドを展開し、よりカオスへと落下していく新たなる名曲だった。
 そして後半は完全に地獄。個人的にREDSHEERを象徴する抑えきれないエモーションをおぞましく体現した「The End, Rise Above」のうるさくて泣けてダークな激情は何度ライブで観ても涙腺が緩くなるし、「Curse From Sad Spirit」の激と静の対比とポストメタルの領域に達した複雑極まりない楽曲構成からくるドラマティックさ。より複雑に、よりダークに、開けてはいけない扉を開けてしまう様な倒錯感と陶酔感に溢れるサウンドで、より前人未到の領域へ。そして本編ラストの「Gloom」で完全に地獄へ。ほぼワンリフで展開される曲でありながらそのリフの反復が禍々しく襲い掛かり、音と叫びが制御不能の暴走状態へと陥り、それで何の救いも無く焼き尽くされてしまった。でもそれって僕たちが生きる現実と何も変わらないし、そんな日々のダークネスを描いてるんだとも思った。だからこそアンコールでプレイされたREDSHEER流メタリックハードコアのアンセム「Yoru No Sotogawa」の乾きを知らぬ欲望と感情の雄叫びは僕にとってはある意味一つの救いに聴こえたし、最後の最後にこの曲で終わってくれて本当に良かったとも思った。何処までも生々しい感情のドキュメントとも言えるライブだったし、バンドのテンションは終始爆裂のまま隙が全く無い本当に恐ろしい気迫で全てを叩きつける最高のライブだった!!

セットリスト

SE.Eternity
1.Silence Will Burn
2.Blindness
3.In A Coma
4.Rule The Gray World
5.新曲
6.The End, Rise Above
7.Curse From Sad Spirit
8.Gloom

en.Yoru No Sotogawa



 レコ発ライブソールドアウトという超満員の二万だったが、殆どの人が全3バンドをしっかりと目撃していたと思うし、その3バンドが本当に最高のライブを繰り広げていた。とうとうバンドとしての底力を発揮し始めたCo/SS/gZ、新たなるサイケデリックの扉を開いたele-phant、そしてカオティックも激情も超えた新たなる激音を生み出したREDSHEERと本当に最高の3マンだった。動員的な意味でも大成功のレコ発だったけど、まだまだこれからだ。もっともっと大きなステージで、もっともっと多くの人々と激音を鳴る場所でその素晴らしさを体感したいし、REDSHEERならそれが絶対に出来ると僕は信じている。
タグ : ライブレポ

■Vorstellungskraft/The Tidal Sleep

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 今こそジャーマン激情は熱い!!昔から強靭凶悪なハードコアバンドばかり輩出しているハードコア先進国ドイツだけど、どの国や地域も時代や音楽性が循環しているのと同様にドイツも新たな循環が起きている。ジャーマン激情のベテランであり最高峰であるTrainwreckが2014年にリリースした最新作もこれまでのサウンドを良い意味で裏切りジャーマン激情の未来その物と言える大傑作をドロップしたし、Fjortといった有望な若手も登場した。そんな中で2014年にリリースされたThe Tidal Sleepの2ndである今作はジャーマン激情の新たなる未来の重要なピースとも言える傑作だ。



 現在のTrainwreckやFjortといったバンドを例に挙げると今のジャーマン激情は「洗練」というのが大きなキーワードになると思う。これまでの歴史の中で欧州でも極悪なサウンドのバンドばかりドイツから生まれていた。しかしそんな過去の流れとは違う新たな流れが生まれているのも事実だし、Touche AmoreといったUS激情の新たな息吹が登場して素晴らしい音を鳴らしているのと同じで、今作は間違いの無い完成度を誇り、洗練されながらもジャーマン激情の歴史を繋ぐ作品だと思う。激烈なサウンドを叩きつけながらも、それは決して単に凶悪な激音では無くて、非常にメロディアスで作り込まれたサウンドだし、そんな繊細さを持ちつつも力強く叩き付けてくるハードコアサウンドは本当に頼もしい。オープニングを飾る第1曲「Old Youth」が正にそんな楽曲で、いきなりフルスロットルでバーストしまくったかと思えば、メランコリックなツインギターの絡みを聴かせてくるし、爆発するパートだけじゃなく、引きのパートでは絶妙な渋みもあり。第2曲「Thrive And Wither」は疾走感溢れる音を展開しているけど、そんな曲でも持ち前のメロディアスさが光る。第3曲「Angst」は最早激情系というよりも歌物ポストロックと言える曲になっているし、クリーントーンになるとより彼等のセンスが光る。
 今作を聴いているとハードコアらしさも勿論あるし、クリーンでメロディアスでもあるし、激烈さと曲のクオリティの高さと美麗のサウンドのバランスの作り方に脱帽する。だからこそある意味で凄く大衆的で分かりやすいハードコアなのかもしれない。でもそれはセルアウトしたサウンドだってこ事じゃ無くて、ジャーマン激情らしい熾烈さを活かしながら新たな普遍性を手にしようとしているって事だと思う。完全にクリーントーンなインストポストロックである第6曲「If You Build It…」から爆走ファスト&ショートな第7曲「…They Will Come」が何の違和感も無く繋がってしまうし、特に終盤の楽曲はその激と美の触れ合いが完璧な形になっているし、それでも彼等のハードコアは全然揺るがない。



 非常にハイクオリティな作品だし、同時に洗練された現在進行形のジャーマン激情の素晴らしさを見事に体現した名盤だろう。激音でありながらメランコリックな泣きを繰り出しまくり、時にはクリーントーンの音のみで勝負し、その結果生まれたニュースタンダードとも言える作品だろう。現在のTrainwreckのサウンドに痺れた人は勿論だけど、多くの人を虜にするバーストする美しきメロディと熱情は多くの人を惹きつけるだろう逸品。



■Eros | Anteros/Oathbreaker

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 Amenraなんかとも関わりがあったりもするベルギーの女性ボーカル激情系ハードコアバンドOathbreakerの2013年リリースの2ndアルバム。リリースは前作同様にDeathwishから、プロデュースも前作同様にKurt Ballouが手がけている。でも今作でOathbreakerはとんでもない確変モードに入ったと言えるだろう。最も分かりやすい形で激情系とかカオティックとかネオクラストとかポストブラックだとかを超えたハードコアの理想形とも言える音を提示してしまっているし、誤解を恐れずに言えば考えられる限り最もキャッチーでありながら最もブレ無い方法論でそれを実現させてしまった。



 リリース自体はDeathwishだし、その手のサウンドの流れは全然あるけど、今作はその方法論に何の縛りも無い。ギターワークからはブラッケンドハードコア辺りの影響も少なからずあるだろうし、His Hero Is Goneといったバンドに代表されるメタリックなサウンドの流れも感じるし、言ってしまえばネオクラストの影響も少なからずあるのかもしれない。でもそこの形にOathbreakerは縛られていないし、それらをしっかり噛み砕いて解釈し尽くした上で自らの激情として完成させている。美麗のホワイトノイズの悲壮感に飲み込まれそうになるアルバムのイントロを飾る第1曲「Beeltenis」から今作は異質な作品だと思った。でもアルバムのリードトラックである第2曲「No Rest For the Weary」で完全にぶっ飛ばされた。イントロはブラッケンドなトレモロリフの応酬。でも既存のブラッケンドと全く違うアプローチであり、それはある意味ポストブラックメタルに近いのかもしれない。そしてサウンドの雛形はメタリックなクラストサウンドとブラッケンド、そしてメロディは哀愁溢れる激情系サウンド。更には女性ボーカルって事もあるのかもしれないけど、ゴシックな空気感がアルバム全体で漂う。色々な要素を全部乗せしているのに全く散漫にならないのはバンドの持ち前のセンスも勿論デカイけど、女性ボーカルである事を活かしたゴスな空気を強く感じるメロディだったり雰囲気もかなり大きいかもしれない。第3曲「Upheaval」はよりメタリックでクラスティなサウンドを展開しているけど、その空気感は全くブレ無いし、そこはボーカルのCaro Tangheネキのゴシックさとヒステリックさが織り交ざったボーカルの力量もかなり大きいと思う。第4曲「As I Look Into the Abyss」はカオティック要素がかなり強いのにやっぱりブレ無いし、ハードコアな楽曲だけでもアプローチが多彩なのにブレを全く感じさせないのはどの楽曲もOathbreaker節とも言える哀愁溢れながら耽美な空気感も感じるメロディだったりギターワークだったりコードワークがあるからだろう。
 勿論ハードコア以外でのアプローチもこのバンドは仕掛けてくる。第5曲「The Abyss Looks Into Me」はミドルテンポの長尺曲であり、よりエピックな空気感もあり、ポストメタル要素も手にし、絶叫だけじゃ無く美しいクリーントーンのボーカルも聴かせ、曲の中での起承転結のメリハリもそうだけど、緩急付けた曲展開によってよりバンドの世界観を確固な物にしている。そんな曲の後に第6曲「Condor Tongue」という激走ナンバーを持ってくる辺りもニクいし、第7曲「Offer Aan de Leegte」ではゴシックヴァイオレンスとも言える独自のサウンドを展開。第8曲「Agartha」の美と激のコントラストからの今作屈指のカオティックさで暴走する第9曲「Nomads」で絶頂!!そしてラストの10分以上にも及ぶクリーントーンボーカルとクリーントーンサウンドが最も冴え渡った美しきメロディを紡ぎ、最後の最後で黒と白と銀が交ざった轟音で締めくくる最終曲「Clair Obscur」で壮絶なるラストを迎える。



 全10曲のアプローチこそバラバラだし、特にアルバム後半の5曲なんて本当に全然違うアプローチの曲ばかりでありながら、全10曲で見事に統率された世界観。何よりもそれをハードコアという枠組みの中ではあるけど非常に分かりやすいアプローチで体現している事、あらゆる現在進行形のハードコアを吸収した上でOathbreaker節とも言えるメロディセンスと世界観によって独自のサウンドとして世に放ってしまった事の凄さはとんでもない。前作から完全に大化けしてしまったし、恐らくDeathwishリリース作品の中だけじゃ無く、現行の欧州ハードコアの中でも最高峰に位置する作品だろう!!必聴!!



■Opium Morals/Seven Sisters Of Sleep





 カルフォルニアが生んだ超極悪スラッジバンドSeven Sister Of Sleep(以下SSOS)の2013年にリリースされた2ndである今作は最早スラッジとか激情とかブルータルとかパワーヴァイオレンスとか呼ばれる音楽の中でも完全にトップの作品であると思うし、似ているバンドなんて完全に皆無になってしまい、同時に孤高の存在となった証明だ。1stの頃のスラッジハードコアの頃から十分凄いバンドだったけど、2012年リリースのEPで確変モードに入り、そして今作で完全過ぎるまでの傑作を叩き付けて来た。最早このバンドよりもヴァイオレンスで暗黒なバンドはいないと思うし、もし今のSSOSに影響を受けたサウンドを他のバンドがやったりなんかしたら本当に滑稽な物真似になるだろう。それだけのバンドになってしまった。リリースは俺たちのA389!!!!!



 いや実際にSSOSも最初から現在の様なオリジナリティを持っていたバンドだった訳じゃ無い。1stは名盤ではあるけどEyeHateGodの影響はモロに受けたサウンドだったし、それを独自のスラッジハードコアに仕立て上げた快作だったと思う。その頃から確かにヘビィなバンドではあったけど、今作の様なスケール感はまだ無かった。そして2012年リリースのEPでより深淵へと攻める暗黒のスケールを手にし始めた。そして今作でスラッジもパワーヴァイオレンスもブルータルも激情も飲み込み、究極の暗黒激音を完成させてしまったのだ。その決め手はヘビィロックの暗黒成分を完全に熟知してしまったバンドとしてのグルーブだと思う。サザンロック要素はまだ燃えカス程度にはあるし、曲によってはまだその成分を強く感じたりもする。でも既存のスラッジコアを脱却し、激情・パワーヴァイオレンスに接近しただけでこんな音になるだろうか?第1曲「Ghost Plains」を初聴して思ったのは、枠組みとしてはパワーヴァイオレンス方面に寄り添ったと思わせているけど、実はその真逆でパワーヴァイオレンスすらブチ殺してしまっているんだと思う。勿論スラッジなリフは余裕でパワーアップしているし、そしてブルータルだ。だからSSOSはヘビィロックの究極地点を見つけてしまったのだ。
 第2曲「Moths」も初聴した時は驚いた。凄い野暮な比較になってしまうのを承知で言うけど、NEUROSISやAmenraといったバンドが生み出すスケール感溢れるヘビィロックの悲哀をSSOSは自らのサウンドをヴァイオレンスなスタイルへとより接近させながら、その中でリフからドス黒さと同時に血塗られた悲しみも放出させる事に成功してしまっている。勿論バンドアンサンブルに至っては完璧だし、一々音が鎌首を振り落としてくる厄介過ぎるサウンドに脱糞。第3曲「The Flock」ではより研ぎ澄まされたスラッジサウンドに悶絶圧殺必至だ。勿論スラッジ一辺倒じゃない!!第4曲「Grindstone」の爆走サザンロックとパワーヴァイオレンスの衝突による更に得体の知れない重音の連続には頭振りまくるしか無いし、遅さだけじゃ無く速さの点に於いても音が段違いで鍛え上げられているし、というかグルーブを極めまくっているせいで最早サイケデリックの領域に到達してしまっている。
 アルバムの後半の流れは更に凄い事になってしまっている。EyeHateGodとは全く違う方法論でEHGの領域に到達してしまった第6曲「Orphans」のヴァイオレンスでありながらアシッドでサグいサウンドの連続もそうだし、野獣の咆哮と暴走重戦車のビートと殺人兵器とかしたギターリフが無数の死体の山を作り上げる暗黒爆走スラッジ兵器こと第7曲「Reaper Christ」、再び悲痛に叫ぶサウンドに涙が止まらなくなるSSOS流の暗黒激重バラッドこと第8曲「White Braid」、最後に第9曲「Recitation Fire」と第10曲「Part 2.」まで徹底して最新で最悪で最凶の暗黒音楽を描いている。しかも本編が終わったらボーナストラックで約32分のライブ音源まで収録されているし、それが本編に負けず劣らず凶悪な激音しか出してないし、これ聴いているとマジで誰かSSOSをとっとと日本に呼んでくれ!!ってなる。



 ありとあらゆるスラッジ・ドゥーム・ストーナー・パワーヴァイオレンス。ファストコアetcといった音楽の危険性分だけを融合しまくって、そこにオリジナリティを見出すのでは無くて、そこにある最も黒くて危険な成分によってオリジナリティを手にしたのが今作だし、SSOSはどこまでもピュアに暗黒激重サウンドを追求した結果生まれたオリジナリティと説得力と破壊力なんだからもう文句の付ける場所なんて何処にもない。作品毎に進化を重ねているバンドだけど、この2ndは完全に歴史に残すべき作品だし、ドス黒い音しか無いのに、その黒の数々の多彩さによって生まれるスケールとある種の美しさ、そしてそんな感動すら消し炭にする暴力。これはSSOSだけにしか生み出せない音だ。



■Tangled/Nadja

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 関連音源とかコラボ音源まで含めるともうどれだけリリースしているかちゃんと把握している人はいるのか疑わしくなってしまうレベルで膨大な作品を世に送り出しているカナダのエクスペリメンタル夫婦ことnadja。そのNadjaがTokyo Jupiter Recordsから日本盤リリースのニュースを聞いて驚いた人は多かったんじゃないだろうか。今作はNadjaが2014年に7インチでリリースしたEPの日本盤としてTJRからCDのフォーマットでリリースされた作品であり、同時にNadja史上最もキャッチーかもしれない一枚だ。



 Nadjaと言えば他の追随を許さない真の唯一無二の轟音を奏でるユニットであると同時に、その楽曲は殆どが長尺曲ばかりであるし、聴いていると脳が溶ける感覚すら覚える至高のエクスペリメンタルサウンドを鳴らしていた。しかし今作は「Grindgaze=グラインドゲイズ」と称され、Nadjaのサウンドの視点からインダストリアル・グラインドコア・ブラックメタルを解釈した作品になっている。Nadjaとしては驚きのボーナストラック以外の楽曲がどれも2分前後という驚きの短さの曲ばかり並ぶ。それが結果としてNadjaの轟音サウンドの最も分かりやすくてキャッチーで気持ち良い部分を抽出したみたいな音になっている。
 勿論Nadjaの解釈によるグラインド・インダストリアル・ブラックメタルと聞いて既存の解釈をするなんて誰も思わないだろう。ビートこそ機械的なインダストリアルのビートだけど、サウンドに分かりやすいブラック要素もグラインド要素も全く無い。無機質でノイジーなギターの轟音が容赦無く降り注ぎ、これまでのNadjaの様な天へと上る轟音とは違って、奈落へと沈み込むかの様なサウンド。しかも音の輪郭もかなり歪んでいるし、これまでよりも異常なまでにショートな楽曲であるからこそ、余計に際立つドス黒さを感じるディストーションサウンド。しかしそれすら奈落の暗黒サウンドと感じさせないのがNadjaの凄い所だと思う。不気味な轟音はあくまでもこれまでのNadjaをフィルターとして通過させた物だし、今作を例えるなら全6曲13分弱の混沌と言うべきだろうか。光と闇が衝突する瞬間だけを切り取ったサウンドは無機質で残酷であるのに、やはり神々しさを感じてしまう物になっているし、約13分の本編が終わった瞬間に何故今作がGrindgazeと称されたか理解するだろう。
 そしてTJR盤では最終曲「The Smell Of Bastards」に続く形で2007年にリリースしたアルバム「Radiance of Shadows」に収録されている「I Have Tasted the Fire Inside Your Mouth」のデモVerが収録。デモとは全然思えない完成度は流石はNadjaとも言うべきだけど、今作の本編とは全然違う、25分以上にも及ぶ神々しくも激重のドローンサウンドの地獄から美しき天国へと導くNadjaの世界を十分に堪能出来る物になっている。



 Nadjaに関して言えば余りにもリリースが膨大過ぎて正直追いきれてないのだけど、今作で久々にNadjaに触れたらこれまでと全然違う芸風に驚いたし、同時にユニットとしての実験作が結果として凄くキャッチーで分かりやすい作品になったのも何だかNdjaらしくて面白い。勿論既存の音のトレースなんて今作ではやってないし、終わりなき実験精神と轟音の追求の一つの成果として提示された今作はやはりNadjaにしか生み出せない音だ。勿論今作はTokyo Jupiter Recordsnにて購入可能だ。



■Qual der Einsamkeit/Sequoian Aequison

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 ロシア・サンクトペテルブルクのインストゥルメンタル/ポストロックバンドSequoian Aequisonの1st EP。日本盤はTokyo Jupiter Recordsから100枚限定でのリリースとなっている。2014年に1stアルバム「Onomatopoeia」をロシアのレーベルSlow Burn Recordsからもリリースしており、それに続く作品となる。フューネラル・ドゥームバンドInter Arboresの元メンバーが在籍していたり、ポストブラックメタルのTrnaやポストメタルバンドYpresのメンバーも在籍していたりとロシアのアンダーグラウンド人脈が集まって結成されたバンドだ。



 しかしこのバンドの音は本当に重い。1stアルバムと基本的な路線は変わっていないけど余計暗く寒々しい音になったのではないか。ポエトリーリーディングのサンプリングだけを使用し、後はバンドサウンドがのっそりのっそりと曲を進行させていくスタイルだ。先ず特筆すべきはクリーントーンでの寒々しいメロディの美しさだろう。既存のポストメタルとはまた一味違ったアプローチをしているバンドだし、バンドのサウンドの中には勿論ヘビィな轟音パートも存在しているけど、曲の基軸になっているのはアンビエントな空間系の音を使いつつも葬式めいた暗さのメロディだろう。推進力を放棄し、情景を静かに変化させていくだけのビートも効果的に曲のメロディを活かし、それが徐々に重みを帯びていくとより音の純度も高まっていくし、それが直情的なポストメタル的アレンジでは無く、サウンドの基軸はそのままに音を歪ませて破壊していくサウンドなのだから暗く深く重い。そんな第1曲「Der Sklave Des Nichts」から11分にも及ぶくすんだモノクロの風景だけが淡々と映し出されていくし、かなり聴き手を選んでしまうサウンドではあるかもしれない。
 フランツ・カフカの15篇の詩をコンセプトにしたコンピレーションアルバムにも収録されているらしい第2曲「Abendwasser」はより深みに入っていく楽曲だし、のっけからドローンな音と美麗のアルペジオが美しい流線型を描きながら、同時に不安感をdこまでも煽っていく。サウンド自体はダイナミックさを感じさせるのに、即興的なドラムのビートが唐突に入り込んで来たり、ギターの音色も明確な輪郭を持たないアンビエントな物だけになったりして不安をより加速させる、そこから電子音が飛び交いながらも白と黒が混ざるような轟音パートになった瞬間には安堵すら覚えたし、やっとご褒美を貰えた気分になった。TJR盤に収録されているボーナストラックである第3曲「Irretrievable (Live At Mars)」は1stアルバム「Onomatopoeia」のライブ音源。こちらは生々しく重いポストメタルサウンドを堪能出来る逸曲になっている。



 バンドの音自体はインストであるからこそ情景を想像しやすい物になっているし、決して分かり難いサウンドでは無いけど、バンドが持つ純粋なダークネスと寒々しさと深みが輪郭を掴ませてくれないし、時にアンビエントや即興音楽の要素や電子音の不気味さや、バンドのアンサンブルが持つ内側へと引きずり込む空気も含めてかなり人を選ぶサウンドではあるとは思うけど、この深みは一回ハマると抜け出すのは不可能だろう。
 また今作はTokyo Jupiter Recordsの方でも購入可能だが、TJRのストアの方では1stアルバム「Onomatopoeia」もセットになってかなりお買得な価格で売られているので、好きな人は是非とも1stとセットで今作入手をお勧めする。



■【絶対不変のハードコアの核】STUBBORN FATHER shigeロングインタビュー

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 STUBBORN FATHERはハードコアの必然だ。1999年に結成され、それから15年以上に渡って活動を続けて来たバンドだが、これまでの多数の音源のリリースや多数の企画を重ねながらもずっとブレる事無く活動を続けて来たバンドであるし、大阪の激音を代表するバンドと言っても良いだろう。活動こそマイペースではあるが、SeeKとの共同企画である「孔鴉」、TRIKORONAとのスプリットのリリース、そして近日リリース予定のSeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットとSTUBBORN FATHERは着実に歴史を重ね続けているし、何よりも結成当初から全くブレないスタイルを貫きながらも進化を続けているバンドだ。
 今回、STUBBORN FATHERのフロントマンでありボーカリストであるshige氏へのメールインタビューを試みた。shige氏は丁寧に質問に回答して下さったが、同時にSTUBBORN FATHERというバンドのブレ無い信念と核を丁寧に言葉にして下さっているし、大阪が生み出したハードコアヒーローであるSTUBBORN FATHERが何故ハードコアの必然であるのか、今回のインタビューがその答えに少しでも近づける切欠になって欲しいと思う。



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・バンドの結成からの経緯と現在に至るまでの活動についてSTUBBORN FATHERを知らない方の為に簡単にお願いします。

1999年に僕と友人であったギターのFukusukeで結成。結成時は4人編成でしたがすぐにベースが脱退、僕がベースを持ち3人編成で4、5年ほど活動。この間にデモを2作とスプリット(w/ANCHOR,新潟)、1st、V.Aなどをリリース。その後、ドラムのKoichiが脱退。ヘルプドラムでNi-yan(ex-緑血)、2人目のギターにYasuoka(ex-NIHILIST)、現在のベースのMorishitaが加入し5人編成で再スタート。この間にV.Aなどをリリース。その後、Ni-yanが脱退し、ヘルプドラムにShin(orrorinz/bebedelbanco)が加入。この間に2ndをリリース。その後、Yasuokaが脱退し、代わりにSankonが加入、脱退。Shinが脱退し、ヘルプドラムでChihiro(ex-BAD DIRTY HATE)が加入、脱退。この間にV.Aをリリース。2009年に現在のドラムのCamel(ex-冨嶽)が正式メンバーとして加入し現在の4人に。この間にスプリット2作(w/R3N7、w/TRIKORONA)とV.Aや2002年から2012年にリリースした楽曲をまとめたディスコグラフィーカセットをリリース。主催企画、[思想信念]、[覚醒SURU]、[孔鴉]。大体こんな感じです。



・STUBBORN FATHERというバンド名の由来と「貫1999神」の意味は?

「STUBBORN」=「貫く」、「FATHER」=「神」という意味を込めて付けました。~FATHERにしたかった。海外ではFATHERやMOTHERは、「神」とも意味する言葉だという事と、人間を感じる単語を使いたかったんです。"不屈"などという意味でもあるSTUBBORNが並ぶ事で、見た目全体の造形と強靭そうなインパクトが良かった。直訳も洒落てて面白いし、一風違う感触のバンド名にしたかった。結成時に独自のスタイルを貫く決心をし、それで1999年に結成した“貫神”です。



・バンドとしてはどの様な音楽を志していますか?またどのようなバンドの影響を受けましたか?

現実という凄まじい世界観をそのまま僕達なりの緊張感ある危険な音で表現出来ればと思っています。初めに影響受けたのは、90年代あたりのジャパニーズハードコアパンクが中心で、それから様々な音とハードコア以外のジャンルにも影響を受けていきました。



・初期はシンプルでストレートな激情系サウンドでしたが、現在の様な多展開のカオティックなサウンドにはどのように変化していきましたか?

単純にメンバーが増えたりして、やりたい事が出来るようになったからだと思います。それと曲に対して、その曲の答えをもっと追求するようにしていったからだと思います。



・楽曲はどの様に作られていますか?

ギターのFukusukeがベースとなる曲やフレーズを持ってきてから始まります。後はみんなで色々出し合って聴いてを繰り返して積み上げていく感じですね。



・これまで発表された楽曲を聴くと多少の変化こそあれど根底はずっとブレていない様に思います。15年以上に渡ってブレずに自らの音楽を貫いてきた理由はなんでしょうか?

そう言ってもらえて嬉しいです。その時代やコンディションによって当然感化される事はありますが、誰かの真似事ではなく、いかに消化して独自のスタイルにするかを追求してきたつもりです。不変な核があって納得してこそ、初めて説得力を生むと思うからです。







・昨年末にTRIKORONAとのスプリットをリリースされましたが、どの様な経緯でリリースする形になったのでしょうか?

2012年にTRIKORONAの1stアルバムと僕達のR3N7とのスプリットのダブルレコ発を東京の早稲田ZONE-Bでやったのですが、その時の打ち上げでTRIKORONAのKoreeda君が誘ってくれました。うちらともやろうよって。嬉しかったですね。TRIKORONAは、凄い個性を持った素晴らしいバンドなので。でも、その時はかなりお酒も入っていましたし、本当に僕達でいいのかという不安もあり、後日再確認。あの話どうする?みたいな。やろうよ。じゃあ1年後に。と言いましたがリリースまでに2年かかってしまいました。



・TRIKORONAとのスプリットの楽曲はこれまで以上に複雑でありながらもアグレッシブな楽曲ばかりですが、どの様な事を志して作られましたか?

毎回、曲を作る度に志しているのは、前作の楽曲群を越えるという事ですかね。色々な部分でね。さらに次の作品へ繋げる事など。今回この感触の楽曲に仕上げるというのは自然だったのですが、それに対して追求する方向をメンバー全員が意識して、それぞれがしっかりやるべき事をやったからだと思います。
「降伏フィルム」は10年前くらいに作った曲で、少しアレンジをしてこの時代のタイミングに卸しました。さらにTRIKORONAという超強力な化け物みたいな対戦相手に負けられないという気持ちも上乗せされ、このような楽曲群が生まれたのだと思います。そして毎回ですがSTUBBORN FATHERと真摯に向き合って楽曲を最高な状態にしてくれたエンジニアの原田君(大阪/梅田 M4Ⅱstudio)には非常に感謝しています。







・SeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットのリリースも控えていますが、こちらはどの様な経緯でリリースする事になりましたか?またどの様な楽曲が収録される予定でしょうか?

お世話になっているアメリカのレーベルMeatcubeのRyanが4wayを出したいから参加して欲しいと誘ってくれたんです。その話を貰ったのがTRIKORONAとスプリットを約束した数ヶ月後くらいだったので、今は曲が無いから前の曲でも良いならと伝えました。そしてRyanに日本のもう1バンドは僕に決めて欲しいと言われました。それでちょうど考えている時にSeeKと出会い、RyanにSeeKを提案しました。
収録曲は、2007年にリリースされたTRIKORONAと出会うキッカケにもなったV.A「REAL JAPANESE UNDERGROUND 2007」にしか収録されていない「創造の山」という曲と、2012年にリリースしたR3N7とのスプリットに収録されている「未定」という曲の2曲になります。両方アレンジを施して再録音した物になります。この話とほぼ同時にディスコグラフィーの話もくれたので、この2曲はディスコグラフィーから外しました。



・ここ最近のライブではANODEの「隠された太陽」のカバーも披露していますが、どのような経緯があってライブでカバーする様になりましたか?

ANODEとは2001年に東京の吉祥寺WARPで対バンしてからの戦友で、それ以来VoのKazuhito君とは公私共に仲良くなりました。なんか同じ匂いがしましたね。僕にとって一番のライバルにもなりました。しかし、ANODEが2009年に発表したアルバム「負の新種」をリリースした直後、彼らは解散してしまいました。僕にとっては1つの大きな糧だったので、とてもショックでした。それから数日後、Kazuhito君から無言のままマイクが送られてきたんです。それで全てを理解しました。それ以降、僕が歌う時は必ずこのマイクで歌い続けています。
そして、いつかこのマイクでANODEの曲を歌いたいと思いました。メンバーにカバーをやろうと話を持ち掛けたのは、今から3年前位です。カバーなんて初めてだし、下手すると名曲に傷を付けてしまうのではないかという不安もありましたが、これは遂行しなければならないという気持ちが強かったので自分達を信じました。「隠された太陽」は僕が選びました。ANODEの曲はどれも素晴らしいのでとても悩みましが、この曲が一番体現してみたいという素直な想いでした。そして、そのタイミングがきた時にKazuhito君に電話で伝えました。カバーしたい事を快く承諾してくれました。ANODEの他のメンバーにもコンタクトを取ってくれて、一同からも嬉しい励みになる言葉をもらい、自信を持ってカバーする事が出来ました。今では「STUBBORN FATHER」+「隠された太陽」は、鬼に金棒だと思っています。



・STUBBORN FATHERは音源やTシャツのアートワークだったり、ライブでの蛍光灯のみの照明といったビジュアル面での魅力も凄くあるんですけど、そういった部分はどの様な事を意識していますか?

単純に僕がSTUBBORN FATHERというバンドの魅せ方はこういう感じが格好良いだろうと思って手掛けています。Tシャツのアートワークは、デザインでも意味をしっかり伝えたいので、その時の曲を表現した物が多いです。またハードコアバンドのTシャツである事を当たり前ですが強く意識しています。
ライブでの照明については、現時点でのSTUBBORN FATHERの世界観を表現するには必要に感じたので用意しました。デザインにしろ、ステージにしろ、視覚から感じ取る物も重要ですし、音と視覚のピントを合わせる事は必須だと考えています。



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・ライブの方にお話を移しますけど、どの様な意識で毎回ライブには臨んでいますか?

何も考えていません。全部吐き出すのみです。



・これまでSeeKと共に大阪で孔鴉を定期的に開催されていますが、これまで回数を重ねて感じた事や手応えはありますか?また今後どんなイベントにしていきたいですか?

理想の手応えというのはまだ感じていません。ただ、出演バンドには本当にお力を貸して頂いております。無理を承諾して頂けるおかげで、僕達のやりたい事が現実に変わり、そしてそこにお客さんが加わって、さらに次へと繋がっていける。どちらかが欠けるとこのようなイベントの実現は難しく、続けるのは困難になります。本当に感謝しかありません。
大阪には無いイベントにしたい事は勿論、主旨、世界観の元、僕達が魅力を感じるバンドを招いて、それを大阪然り関西の方達にも体感して頂きたいという想いもあります。この"孔鴉"で繰り広げられる熱い戦いが僕は好きなので、その緊張感と熱気は必ず感じられる事、そしてお客さんと出演者の皆さんにも満足いただけるイベントであり続けていけるよう頑張って行きたいですね。



・これまでの歴史の中で数多くのバンドとスプリットをリリースしたり共演したりしていますけど、STUBBORN FATHERとしてどんなバンドにシンパシーを覚えますか?またこれからどんなバンドと共演したいとかありますか?

中々難しい質問ですね。考えてみれば、今まで沢山の様々なバンドと共演させて頂きました。その中で、今でもお付き合いがあるバンドやイベントに出演して頂いたバンドには、何かしら共感出来る部分があるのだろうと思います。でも、共感というよりは尊敬という言葉が近いです。自らしか出せない個性を光らせてるバンドには、やっぱり惹かれますね。僕達が知っている限りで気になっているバンドはイベントに呼びたいので、その時にでも共演出来たら良いと思いますし、僕達を誘って頂いたりして、知らなかったり観た事のなかったりするバンドと新たに出会えるのも毎回楽しみですね。



・STUBBORN FATHERは大阪のバンドですけど、実際に大阪のシーンはどんな感じなのでしょうか?

よく分かりません。シーンというものには無縁なように思います。だから様々なバンドと共演して来れたんだと思います。



・東京や他の場所でライブをして大阪のシーンの違いだったりとかを感じたりしますか?

しますね。他は色んなバンドが出るイベントでも成り立っているように感じます。



・今後はどの様な楽曲が生まれていくと思いますか?

それは僕にも分かりません。しかし僕達自身がそのさらに先を見据えられるような楽曲にしなければならない事だけは解っています。



・STUBBORN FATHERはどんなバンドでありたいと思っていますか?

安売りされた唯一無二ではなく、本来の唯一無二のバンドでありたいですね。



・STUBBORN FATHERが生み出すハードコアの終着地点は何処だと思いますか?

それは未だ分かりません。それも面白くてこんなに長く続いているのかも知れません。今のメンバーでどこまで出来るか分かりませんが、まだまだやりたい事があるので未だ終着地点が何処だか見えないのかも知れませんね。



・STUBBORN FATHERが音楽を通して描きたい物や訴えたい物とはズバリなんでしょう?

ハードコアその物であり、全てが繋がる「今」です。僕はその時の世の中の様々な問題についてを僕なりの言葉で投げ掛けていきます。そして引き続き、日本人らしい、人間臭いハードコアを鳴らして行きたい思っています。



・これからの予定や展望など教えてください。

次は単独作かなと思っています。他にも諸々ありますが、いつも通り流れに任せる感じで楽しんでいきたいですね。



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2015/08/01 at 東高円寺二万電圧
TRIKORONA presents「様々な困惑」
"TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split CD release GIG"

TRIKORONA
REDSHEER
GOUM
STUBBORN FATHER
weepray
unconscious disharmonic malfunction

Breaktime Noise: (((AMNESIa-cHANNEL)))

Distro Store: 3LA

Open.17:30 Start.18:00
Adv.1,800yen Door.2,000yen (+1d 500yen)




【オフィシャルサイト】http://www.stubbornfather.com/
【facebook】https://www.facebook.com/stubbornfather
【twitter】https://twitter.com/stubbornfather



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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