■2015年11月

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■Bullshit Propaganda #10(2015年11月19日)@西横浜El Puente

 神奈川が誇る暗黒ブラッケンドパワーヴァイオレンスであるSu19bの記念すべき10回目の自主企画はなんと木曜のド平日に外タレ5バンドを含む総勢9バンドという色々と無茶しまくりやりすぎな物になってしまった。
 先日スプリットを共にリリースしたシカゴの陰鬱ドゥームDisrottedをはじめ、ゴアグラインドからノイズグラインドからダーククラストまで勢揃い!!国内バンドも含めたらフューネラルドゥームまでとエクストリームミュージックの極点とも言えるイベントとなったのだ。何故平日にこれをやってしまう!?
 そんな訳で一部では地の果てとか世界の最果てと呼ばれている西横浜まで前回のSu19b企画同様に遠路はるばる足を運んだのであります。



・Su19b

 予想通りというかなんというか、企画者がハナかいって突っ込みは無しでお願いしますって感じで主催のSu19bが今回もトップバッター。アンプの音は生音の筈なんだけど、サウンドチェックの時点で2段積みされたキャビからは凶悪でしかない重低音が響いてくる。
 ライブ自体もいつも通り20分程でサクッと終わらせる物であったが、たった20分で生み出す地獄が極端にまで振り切っている。バンドの演奏の安定感もあるけど、安定感の先にある名前すら分からない混沌を今のSu19bは生み出そうとしているんじゃないかって僕は感じる。
 それはただ速さと遅さを両極端に振り切ったからでも、ブラッケンドな音に振り切ったからでも、音が極端にヘビィだからでも無い。ストイックにパワーヴァイオレンスを追求し続けたからこそ到達出来た境地でしかない。
 ライブバーですら真っ暗な洞窟へと変貌させてしまい、リバーブかかりまくったグロウルが木霊し、四方八方を怨霊が飛び交う様な世界へと変貌させるバンドは他にいない。世紀末型パワーヴァイオレンスは理不尽なまま全てを飲み込んでいくだけだった…



・Funeral Moth

 お次も重くて暗いよFuneral Moth。今回は20分で全1曲のライブではあったが、逆に20分とか30分位のセットの方が初めてFuneral Mothを観る人には優しい気もしたり。
 相変わらずな心拍数停止ビートで美しく陰鬱なメロディが紡がれながら痛々しいグロウルが幽玄に響くと言う儀式めいたライブではあったけど、このバンドはしっかりと音に酔わせてくれるのも良い。
 そして最後の最後のロングギターソロで感傷の世界へと一気に引きずり込んでくるからずるい。そんな事されたらもっともっと長い時間この陰鬱なる世界に酔いしれてしまいたくなるじゃないか。
 今回はたった20分のライブではあったけどインパクトは相変わらず十分だったし、美しく重いフューネラルドゥームの世界に心酔しっぱなしでしたわ。



・2 Minuta Dreka

 ここまでの陰鬱な空気を完全に壊したのはイタリアのお下劣ポルノグラインドである2 Minuta Drekaだった。
 メンバー全員謎にコスプレしているし、MCではやたらとHENTAIを連呼しているし、ボーカルの奴はマイクを自分の股間に擦り付けてるし(汚い)と何から何まで下品極まりないバンドだ。こんなん口うるさいPTAの奥様方が見たら失神してしまうんじゃないか?
 だけど意外や意外、曲は非常にキャッチーで軽快なドラムとギターの刻みは聞いてて凄く気持ちが良い。演奏もやたらと安定感があるから、音のグルーブを純粋に楽しめる。
 だけどHENRTAI ROCK'N ROLLを自称している通り、結局はどんなにキャッチーだろうと品性の無さが観る物をグラインドさせていくライブだった。こうしたポルノグラインドのバンドはアウェイな空気になるんじゃないかって気もしたけど場を完全に掴んでしまっていたよ。



・Self Deconstruction

 観るのは本当に久しぶりなセルコン。3人編成になってからは初である。
 例えボーカルが一人減っても音の破壊力は全く衰えていなかったし、ショート&ファストな楽曲群に圧倒的情報量を詰め込みまくったセルコン節は今回も見事に炸裂。
 外国人の客がセルコンのヴァイオレンスな音に激しいモッシュを繰り広げていたのも印象深かったけど、このバンドは竜巻の様に全てをなぎ払っていく興奮がある。
 以前に比べると気持ち少し長めにライブしていたとは思うけど、それでも20分に満たない時間で全てを出し切る爽快感。ライブじゃ最早何をやっているのか頭じゃ理解し切れないけどそれで良い!!この毒々しく駆け巡る音がセルコンなのだから!!



・FINAL EXIT

 ここからは狂気のノイズグラインドタイム。Su19bのドラマー菊地氏のもう一つのバンドであるFINAL EXITの時間だ!!
 この時点でタイムテーブルが大分押してしまっていたのもあって、恒例のMCタイムは無しではあったが、メンバー紹介(2人しかメンバーいないけど)からたった5分間で繰り出される変幻自在の音の数々に拍手喝采の連続!!
 ノイズグラインドって何かって結局僕は分からないし、最早哲学的な何かなのかもしれないけど、FINAL EXITの前じゃそんな思考は完全に無駄でしか無い。
 1曲1曲の曲の違いがちゃんと分かってしまったりするのもあるけど、たった2人で繰り出している演奏がどこまでもシャープでありロックンロールなのだ。だからこそたった5分のライブで観る者を興奮させる事が出来る。曲間の「ありがとー!!」も含めてエンターテイメントに出来てしまってるんだから恐ろしい。
 でも押しててもMCタイムはあって欲しかったなあ…



・Sedem Minut Strachu

 ここからが本当の地獄だ!スロバキアからやってきたぞ!!Sedem Minut Strachu!!セッティング終わってFuneral Mothの畔上さんが普通にステージにいる時点で僕は考える事を止めた。
 ご丁寧にアンプの上にタイマーをセットし、本当に7分キッカリ滅茶苦茶やって帰るだけのライブ。マジでこいつら頭の中にパンの耳でも詰まってるんじゃないかと疑いたくなったのが第一、無駄にツインベースだけどどっちもマトモにベース弾いてないし、そもそもドラムすらちゃんと叩いているのか怪しい。
 畔上さんから始まり、ボーカルマイクはその場にいた客みんなでリレーして叫ぶってスタイルになっていたのも笑ったけど、西之カオティックの星野さんにマイクを渡されて30秒位勢いで叫んで参加してしまったよ…星野さん曰くノイズグラインドはマイクジャックとかそういうのが最右翼なジャンルみたいですね。
 何はともあれ何が何だかよく分からないままあっという間に7分が経過しライブは終了。ステージは滅茶苦茶だし、ベース弦ほぼ切れてるわって単なる惨劇でしか無かった。最大の褒め言葉として言いますけど最高にゴミで素晴らしかったです。というかこれやる為にわざわざ日本に来たのかお前らは。



・Deche-Charge

 Sedem Minut Strachuが全てを滅茶苦茶にしてしまったけど、次も嫌な予感しかしないカナダのノイズコアDeche-Charge。ってSedemのベースの奴がブチ切れたベース弦直さないでセッティング開始したし、もう何がしたいのか既に分からない。
 そして今度はメンバー全員覆面を被ったルックスでライブがスタート。明らかにメンバーじゃない何処かで見た事ある様な日本人が普通にボーカルしてるけど、もう突っ込むのはやめたよ僕。そもそもベースの弦切れてるからノイズしか出てないよね。うん。
 なんかノイズにすらなってない状態の音が終わり無く繰り返され、色々と呆然としたままライブは終了。多分10分もライブやってないけど、最高の褒め言葉として言わせて頂きます。最高にゴミで素晴らしかったです。
 というかこれやる為にわざわざ日本に来たのかお前らは。色々な意味で頭に脳味噌あるのか疑ってしまいますよ。



・Dark Horse

 狂乱のノイズグラインド三連発が続いてまたまた外タレだ。オーストラリアのダーククラスト若手のホープDark Horse。個人的に今回の外タレバンドの中で一番楽しみだったバンド。
 セルコンの時に大暴れしていた外国人モッシャー兄貴がはしゃいでモッシュしまくった勢いで流血なんて事件もあったけど、こんな音を浴びたらテンションもマックスになっちまうよなってヴァイオレンスな暴れ馬サウンドは重くて疾走感に溢れつつストレートな格好良さしか無い!!
 叙情的なメロディやブラッケンド要素も盛り込んだサウンドだけど、基本的にはダーティなクラストサウンドをノンストップで放つ男気溢れるハードコア。結果論でしか無いけど、シンプルなハードコアの強さを嫌でも感じさせるライブだった。
 ブレーキって概念が完全に崩壊しているドラムの爆走具合が曲を引っ張り、メロディをしっかり想起させつつも歪んだ音だけをリフで叩きつけるギターと図太いベースと暑苦しい雄叫びボーカル。ハードコアはそれさえあれば格好良いんだぜ!!って言わんばかりの直情的過ぎるハードコアはただただ痺れた!!
 30分に渡って新しくも泥臭いハードコアの連続であり、今回のイベントで一番ストレートな音を彼らは鳴らしていた。だからこそ心にガツンと致命傷を残してくれた。



・Disrotted

 激音と混沌の連続だったプエンテだけど、最後の最後にシカゴの陰鬱ドゥームトリオであるDisrottedで完全に止めを刺されてしまった気分になったよ。
 長丁場で疲れ切った体をまだ痛めつけてやろうとばかりにベースレスの黒煙ドゥームが終わり無く響き渡る…やっぱりほぼシンバルしか叩いてないドラム、気分をどん底へと突き落とす鬱病ボーカル、ハウリングノイズ作りで職人業を見せつつも、ひたすらストイックにリフを淡々と奏でるギター。本当に絶望感で押し潰されそうになる。
 ここまで何だかんだパーティポルノグラインドやハチャメチャノイズグラインドが続いたのもあったけど、最後の最後にこの日一番キャッチーさとは程遠いバンドが登場する事で、色々な意味でインパクトが凄かったけど、ここまで陶酔も出来ない、寝てしまう事も出来ない拷問ドゥームを生真面目なまでにプレイしてるのだから凄い。
 今回も30分に渡る地獄をじっくりと体感させられたが、拷問サウンドもここまで来ると最早天晴れであり、音がのしかかってくる重みすら最早心地よく感じてしまった。



 平日に西横浜で9バンドという色々試されている感じのあった今回のSu19b企画でしたけど、外タレ5バンドとか抜きにして、遊びに来ていた人にはインパクトばかり残る波乱のイベントになったと思う。
 ここ最近は本当に外タレ来日ラッシュだったし、このイベントの翌日はオブシン開催なんてあったりもしたけど、最早外タレ云々抜きで、平日にこうしたエクストリームミュージックの祭典が普通に出来てしまう時点で日本も中々に素晴らしい国なんじゃないかと僕は思ったりもする。
 改めて主催のSu19bの皆さん本当にお疲れ様でした。ここに感謝とリスペクトの念を記します。
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■TJLA FEST DAY 2(2015年11月15日)@新大久保EARTHDOM

 Tokyo Jupiter Recordと3LAによる新たなる激音フェスことTJLA、今回は笑いと涙と混沌に溢れた二日目のレポとなります。前日に引き続いてのDownfall of GaiaとThe Caution ChildrenとYears Passingに加え、急遽参戦が決まったシカゴの暗黒ドゥームトリオDisrottedの参戦も決定し前日以上に濃密な二日目となった。
 以下はレポの方で詳しく記載はするけど、何度も何度も感動的な瞬間が存在した。何度も涙を浮かべそうになった。きっとそんな感情にさせてくれるイベントなんて他に無いよなって思いながらこれを書いているけど、きっとこの日足を運んだ人にとって絶対に忘れられないイベントになったと思うのだ。



・Disrotted

 ハナから完全に地獄ですシカゴからの陰鬱ドゥームDisrottedです。編成はボーカル・ギター・ドラムのベースレス編成だけど、30分でプレイしたのはたったの1曲だけでした。
 ドラムの人は何故だか頭を抱えて蹲ったりしながら殆どシンバルしか叩いてない事に先ず驚く。地の底からの呻き声の様なボーカルが響く中、輪郭が殆ど崩壊したギターとほぼシンバルとバスドラしか叩かないドラムがアースダムを覆い尽くす。
 ギターの人の合間合間のハウリングノイズの作り方の上手さやほんの少しだけ存在する曲展開がループする音の快楽にも酔わせてくれないし、完全に拷問系ドゥームのそれだった。
 初っ端という事もあって観ている客は残念ながら少なかったけれども、容赦の無い地獄のドゥームサウンドのインパクトにやられてしまった人は多かった筈。



・SeeK

 ここからは国内バンドの出番。先ずは大阪が誇るギターレスツインベース楽団SeeK。孔鴉にNOISE ROOMでの撮影と連日ぶっ通しでのライブという過酷な状況にも関わらず、この日のSeeKの音は非常に完成されていた。
 ツインベース編成になって久しいけど、ここまで「もうギター無くても良いよね。」って思わせる事が出来るバンドってSeeKの他にいない訳で、Nogu氏の6弦ベースが生み出すリフの変幻自在さはより研ぎ澄まされている様に見えた。
 強靭な音は相変わらずだけど、SeeKの音は決してヤクザ的なヴァイオレンスさには行かないのも大きいと僕は思う。鍛え上げた音を丁寧に構築していく事によって異質だけど感動的な音に仕上てくるからだ。
 だからこそSuguru氏の全てを穿く怒号であり美声なあの叫びはSeeKにとって絶対不可欠な物だ。全4曲に渡って何度も何度も魂を揺さぶる叫びと重低音がアースダムを揺らし続けていた。何度観ても腹にも心にもガツンと来るこの音は泣きそうな程に美しいと思うしかないんだ。



・ghostlate

音源は聴いていたけどライブを観るのは今回が初な八王子のポストハードコアバンドghostlate。
 曲を引っ張っていくのはクリーントーンのギターフレーズで激の部分よりもそこの透明感を聴かせるバンドだ。目立つ仕掛けや分かりやすい盛り上がり所がある音楽性じゃ無いから人によっては渋く感じてしまうだろう。
 曲を構成するコード進行も複雑極まりないけど、その瞬間に感じさせるノスタルジーな感傷はライブを観ていて何度もグッと来た。マイクの位置のおかしさから、ライブをしている当人達の色々な暑苦しさも含めてgholateは確かなエモを鳴らしていたんだと僕は受け取った。
 爆音でもゴリゴリの重低音でも無いけど、確かな優しさを感じるメロディの数々に心が締め付けられてしまったな。



・isolate

 東京暗黒重速歪音楽団isolateがやってくれた!!2013年のThe Secret招聘ライブの最終公演のアースダムのisolateは僕の中で伝説のライブになっていて、もうこれは本人たちの実力とか以上の物によるライブだと僕は思っていた。でもそれは大きな勘違いでしか無かった。この日のisolateはあの時のisolateを遂に超えたのだ。
 5人の放つエネルギーと音が完全にドンピシャでハマっていたのも大きかっただろう。TH氏の切り裂く轟音ギターと池谷氏の鉛のドラムが音の基盤を作り、熱情の中で冷静に音を生み出していく。そして岩田&苔口のisolateの狂気担当の二人の気の狂った演奏と音も突き抜けていた。
 そんな楽器隊4人の音に乗る安藤氏は自他共に認めるパーティモンスターっぷりをここぞとばかりに発揮!!合間のMCでは「お前ら速いの好きなんだろ!?重いの好きなんだろ!?」とただでさえ盛り上がっているフロアに更にガソリンを注いでくる。
 isolateのアンセムである「狂う影にあわせて」辺りからフロアのテンションも「いい加減大人しくなんかしていられるかよ!!」ってばかりにサーフにモッシュと異常な盛り上がりへ。
 ラストの「終末」では案の定苔口劇場となり、訓練された客がステージとフロアを仕切る柵に立つ苔口氏の足元をしっかり支えるなんて集団プレイから、綺麗にベース弦を全てブチ切り、エフェクトボードをひっくり返して終了とお見事な物。
 isolateはドス黒さを極めながらも結局は肉体にどこまでも訴えるハードコアだ。圧倒的なフィジカルはDoGにも負けていなかったし、日本のハードコアの意地を見せてくれたからこその伝説のライブとなったのだ。



・The Donor

 そして外タレ枠じゃ無いけど、最早安定の外タレ感すらある石川県金沢が生んだヘビィロックモンスターThe Donorの時間だああああああああああ!!!!!!!
 今回のセットはライブで定番となっているアンセムは勿論、新曲もガンガンプレイしていくという新しいThe Donorを見せるライブとなったけど、新しいThe Donorはシンプルにより強くなったThe Donorだった。
 どんなハコでプレイしても異常なパワーのドラムとギターとベースとボーカル。でもただ強いだけじゃ無いんだこれが。ドラムとベースの音圧の強さはしっかり実が詰まりまくっているからこそ出せる強さであり、縦にも横にも縦横無尽に駆け巡るギターはフットワークこそ軽いのに一発のフックがやはり強烈でしか無い。
 そんな世界陸上に出場する黒人短距離選手の様なパワーとバネのある演奏の締めくくりは「Shine」なんだから本当にずるい。叙情的なんだけど、結局爆音で見えない明日へと爆走するこのアンセムは何度ライブで体験しても勇気づけられる一曲なんだ。
 今回も安定と信頼の外タレ感と爆音ヘビィロックでアースダムを燃やし尽くしたThe Donor、流石である。



・Vampillia

 Years Passingは前日観たのもあったし、その時間は夕食タイムにして、お次は今回のTJLAのお笑い枠というか、やらかし枠というか、散らかし隊なVampilliaパイセンです。今回は吉田氏と竜巻氏のツインドラム編成だけど、なんかギター一人また増えてないか?ステージ上に10人はいたと思う。
 この日はmongoloidが水を自らにぶっかけてステージに登場した時点で嫌な予感しかしなかったけど、そんな嫌な予感は圧倒的な情報量の音の前じゃ完全に無になってしまう。ポストブラックだとかオーケストラだとかゲスだとかゴアだとか何もかもが自然と共存してしまっている異常な事実が目の前にあったのだ。
 吉田&竜巻のツインドラムはやっぱり凄いとしか思えないけど、途中でmongoloidが吉田氏のスティックを奪って自分の頭を叩いて、仕舞いにスティック返せと吉田氏に怒られるなんて謎の寸劇もありつつ、やっぱりこいつらアホやなって気持ちと同時に楽しさが溢れてくる。
 お得意の梯子芸からマイクを通さないで君○代を歌うmongoloidと今回も滅茶苦茶しかしてないけど、二度目の梯子登場でまさかのThe Caution Childrenのデブガキボーカリストのニックがそれによじ登る事態にまで発展。そして梯子の天辺からステージにマイクを向けるニックと、ステージからそれに向かって叫ぶmongoloidというVampilliaとTCCの奇跡のコラボまで実現してしまったのだ。
 今回も期待通りやらかし捲りだったVampilliaだけど、TJLAを良い意味で引っかき回してくれた。



・Downfall of Gaia

 そしてドイツのクラスティポストブラックであるDoGのライブへ。前日にライブを観た時点でその実力の凄さに驚くしか無かったけど、この日で三日連続ライブという過酷な状況にも関わらずより完成されたライブを展開してくるんだから本当に凄いバンドだ。
 セット自体は前日のセットからアンコールの楽曲だけを抜いたセットだったけど、極限まで色々な物が高まっていくのが音に完全に表れており、ストイックに音と向き合っているからこそ到達出来た境地にDoGはいるのだと改めて認識させられる。
 それに何度も言うけどドラムが完全に超人芸の領域に達している。クラストな荒々しさこそ全開だけど、運動量が増えれば増える程に音にパワーとキレが増幅するドラムって最早異次元めいた何かだとしか思えない。
 DoGは獰猛さも繊細さもひっくるめて高い次元でライブを繰り広げていたし、それはバンドの持つキャラクター性みたいな物を完全に排除してしまってはいるけど、地殻変動待ったなしの轟音の連続は余計な感情を完全に殺して来たし、ただただ圧倒されるだけだったのだ…
 余計な仕掛けも感傷的な瞬間も無かったけど、ただ単純に前日よりも更に研ぎ澄ましパワーアップした音だけで圧倒するライブアクト…こんな領域に達してしまっているバンドは他にいないだろう…凄まじいの一言に尽きる。
 そもそもそんなストイックなライブだったにも関わらずDoG辺りで再びダイバーやモッシャーが出てきた辺り、TJLAの客の熱量の高さが垣間見えた気がするよ。あんたら最高だ!!



・The Caution Children

 そんなDoGの圧巻のライブすら霞んでしまうライブをTCCはやらかしてしまったのだ。Vampilliaに触発されたのかされてないのかは知らないけど、前日以上にボーカルのニック君はフリーダム状態へと雪崩れ込む…
 登場時は着ていたジャケットは即脱ぎ捨て、そして前日同様に圧倒的キラキラ轟音が鳴り響く中で、前日以上に挙動不審な動きを繰り返すニック。タイムテーブルの紙を持ってきて出演バンドに感謝の意を伝えたと思ったら、その紙を天井に貼ったり、他のメンバーに貼ったりしているし、他のメンバーに勝手にガムテープ貼り付けたり、自分もガムテープでセルフ目隠ししたりと、既にVampillia以上に意味が分からない事をやってるんですけどそれは。
 メンバーに無茶振りMCさせたりとか、メンバーの服を破ったりとか、前日以上にフロアすらも不審者お散歩したりと、カオスにカオスを極めていくアースダム。演奏面に至っても前日よりも更に完成されているだけあって、そのカオスさは余計に際立つ。
 仕舞いにはギターの人が縁日とかで売ってそうな蛍光の丸めて輪っかにするタイプのペンライト(安っぽい)を客に配りだすし、遊びに来ていたsto cosi cosiのシロウ氏(泥酔)がニックに対して「Let's Go!!」とかって煽りまくり、何故かシロウ氏とニックの間に謎のシンクロニンシティーすら生まれてしまう始末。
 最後の最後にメンバー全員でサーフして大団円かと思ったらアンコールに案の定なって、慌ててストラップを直すギターに対して座ってカウントダウンを始めるニック。お前何様だよ(笑)。
 そして最後の最後は前方でペンライトを振る客に見守られながらTCCは伝説のライブを完遂させてしまった。
 この日のTCCに関しては技術だとか演奏力だとかそういった物を完全に越えてしまっていたとしか言えない。TCCのメンバー5人の持つ人間力が全てだったのだ。
 パフォーマンスは滅茶苦茶極まりなかったけど、でもナードもここまで極めてしまうと最高に格好良いし、良い年してライブハウスに遊びに来ている様な未だに全くうだつの上がらない俺達でも、このキラキラの轟音を浴びている瞬間は無敵なんだ!!って思えるんだ。そういう意味ではニックはナード達のヒーローだし、これもまたハードコアヒーローの一つの形…なのかもしれない(笑)。



 この日もほぼオンタイムで全行程を終え、TJLA FESTは無事に二日間共に大盛況で幕を閉じたのだった。
 個人的には二日間ともソールドアウトだろなんて思っていたから、ソールドしなかったのは「なんでや!?」とはなったけど、それでも二日間で本当に多くのお客さんが集まったし、日本の激音シーンはまだまだ未来があるんじゃないかって思わせてくれるイベントになっただろう。
 TJRのキミさんと3LAの水谷さんが今回のTJLA開催までに重ねてきた苦労って僕なんかじゃ想像も出来ないし、開催に至るまでの道のりは大変な物だったと思います。改めてTJRキミさんと3LA水谷さんに大きな感謝とリスペクトを。
 そして今回日本の地を踏んだDoGとTCCとYears PassingとDirotted、各地から参戦した素晴らしき国内バンドにも感謝とリスペクトを。
 TJLA FESTは来年も是非とも開催して欲しいし、日本の激音イベントの新たなるスタンダードとして大きくなって欲しいと僕は願う。熱き男たちの今じゃ無くて明日の為の戦いはまだ始まったばかりだ。
タグ : ライブレポ

■TJLA FEST DAY 1(2015年11月14日)@新大久保EARTHDOM

 Tokyo Jupiter Recordと3LAがタッグを組み開催される事になった国内アンダーグラウンドの暗黒音楽の新たなるフェスティバルTJLA FEST。両日共にドイツのDownfall Of GaiaとアメリカのThe Caution Childrenをヘッドライナーに迎え、更には国内の激音バンドがサポートとして参戦するといった物。
 激情ハードコア・ブラッケンド・ポストメタル・ポストロック と参加したバンドのジャンルこそ多岐に渡るが、全てのバンドに共通しているのは現在進行形のリアルを現場で鳴らすバンドだって事だ。アンダーグラウンドで新たに起こるであろう革命の瞬間を目撃する為に今回のTJLAは二日間共足を運ばせて貰った。先ずはその一日目のレポから。



・sekien

 トップは超姫路ネオクラストのsekienから。今回の激音フェスのトップはこのバンド以外にいなかっただろう。
 ライブを観るのも一年振りとかだったし、最近はレコーディングで都内でのライブも殆ど無かったけど、久々にライブを観てsekienの持つポテンシャルの高さに改めて驚かされてしまった。
 異常な疾走感で突き進むドラムもそうだし、荒ぶりまくるギターとベースもだ。sekienを構成する音の全てが止まることなんか知らずに暴走しまくっている。
 セットは現在レコーディング中の新作アルバムに収録されるであろう曲の連続だったが、最後は「踉蹌」と「六六六」のsekienアンセムで見事に締めくくりかと思ったら、ジョージ氏がベースの一弦と二弦を力尽くでブチ切ってしまって、のたうち回りながら叫ぶラストへと…初っ端から異常な熱気のライブだった。
 何にせよsekienというバンドの持つ熱量とテンションはよりパワーアップしていたし、プレイされた新曲群も正にスパニッシュネオクラストに対する日本人からのアンサーと言える物だった。アルバムも非常に楽しみだけど、ライブの方も益々凄くなっているぞ!!



・After Forever

 もしかしたら去年の頭のワッツアップでのO.G.Dとの2マン以来のライブである千葉の超マイペースなカオティックハードコアレジェンドAfter Foreverだ。
 sekienの様な生き急ぐ活動じゃ無いし、まるで仙人の様なスタンスで活動しているバンドだけど、実に二年振り近いライブでもその切れ味は全く衰えないから流石である。
 00年代の黎明期の空気感もあるし、sekienの生み出したフロアの熱気を継承しつつも、俺たちは俺たちのやり方で行くと名曲たちを淡々とプレイ。
 MCこそ非常に緩かったりするけど、爆音でお見舞いするヘビィでソリッドな音の数々、数年振りにプレイする曲も挟みつつ、ラストは「belief」と「exist」という現在のAfter Foreverを象徴する2曲で締め。余計なギミックや仕掛けは無いし、寧ろただ熱くライブをしているだけだからこそAfter Foreverの音はガツンと来る。もっと精力的にライブをして欲しい限りだ。



・STUBBORN FATHER

 そして早くも僕たちは伝説的瞬間を目撃する事になってしまった。STUBBORNがとんでも無いライブを繰り出してしまったのだ。
 sekienもSTUBBORNもそうだけど前日は大阪で孔鴉があったにも関わらず、疲れどころかライブのテンションをより引き上げて東京にカチコミに来る物だからびっくりだけど、何か色々と常識を超えてしまっているライブを繰り出していた。
 TRIKORONAとのスプリットの楽曲もANODEの「隠された太陽」のカバーも既に定番と化しているにも関わらず、それらを様式美には死んでもしないのがSTUBBORNだ。ハナの「裏側」の時点でこれまで目撃して来たライブとは明らかに異質の熱量というか緊張感というか、そういった類の物を肌で感じ取ったし、メンバー4人のそれぞれのプレイのキレやテンションも凄かったけど、4人の強烈な熱がシンクロして新たなる熱を重ねていくSTUBBORN FATHERというバンドのライブでの鉄板の方法が更にワンランク上へと更新されていくのを目撃したのだ。
 セットの終盤の「痣」と「創造の山」という流れもこれまでと決して変わらない物ではあったけど、いや変わらない物だったからこそバンドの進化とこれからが見えるライブだったし、shige氏は何度もフロアへ飛び出し血を吐く叫びを繰り出していた。
 ハードコアとは何なのか?それはSTUBBORN FATHERのライブを目撃すれば知る事が出来ると僕は思う。そしてこの日のライブを最前で目撃出来たのは一生自慢します。



・OVUM

 そして今回アースダムにいた人々に予想外の衝撃を与えたのはOVUMだろう。インストポストロックな彼らは今回のTJLAでは浮いた感じになってしまう気もしたけど、それは大きな間違いだった。
 最後にライブを観た2年前はマスロックな要素も盛り込んだ音だったけど、たった二年でOVUMは大化けしたと思う。音は完全にポストメタルな物になっており、持ち前の透明感溢れる音で聴き手をしっかり癒しながらも、強靭なグルーブとリフと轟音で凄まじいインパクトを与えてくる。というか2バス普通に使っているのにまた驚いたよ!!
 先程までの激烈なハードコアの空気とは違ってじっくり聴かせるタイプの音ではあるけど、終わりなく繰り出される楽園の様なメロディと、それに相反するゴリゴリでヘビィなサウンド。これまでしっかりOVUMを追いかけていなかった自分を恥じつつ、重厚なる音の洪水にただ溺れる事しか出来なかった。



・Years Passing

 ここでチルアウトという事でスウェーデンの激情ハードコアの生きるレジェンドであるSuis La LuneのヘニングのソロプロジェクトであるYears Passingへ。
 殆どその場に座り込んでエフェクターを触っている感じだったから後ろで座って観ていた人には何をやっているかはサッパリだったとは思うけど、このアンビエントな癒し音をどうやって出しているかは前で観ても全然分からないでしょうし問題ありません。
 だけどこうした激音フェスの中盤に天界から差し込む癒しの光の様なアンビエントは心にグッと来る物がある。ヘニングさんは途中ギターを片手に弾き語りアンビエントスタイルな曲もプレイしていたけど、そちらでは貴公子なルックスを裏切らない儚い美声を披露してました。30分に渡るベッドルームアンビエントは人によっては辛かったかもしれないけど、僕はじっくりと堪能させて頂きました。



・Coffins

 そんな癒し空間からCoffinsという落差である。夏に前任ベーシストの是枝氏が脱退し、暫く地下に潜伏していたが、この日は新任ベーシストである阿武氏(weepray、super structure)のデビュー戦であり、新生Coffinsお披露目ライブとなった。
 セッティング中の阿武氏からは流石に緊張の色があったりもしたが、実際にライブが始まってみると不思議と固さは全く感じないいつも通り世界トップランカーの貫禄を見せるけるライブ。
 これまでのアクトでモッシュなんかは起きていなかったし、比較的大人しいお客さんが多かった様に見えた今回のTJLAだけど、Coffinsではハナからピットが出来上がってモッシュするお客さんもいてと異様な盛り上がりだったのも印象深い。
 実際に阿武氏のベースプレイは当然ながら是枝氏とは全く違うプレイだったし、音全体に重さと厚みを加えるタイプのベースを弾き倒していた。また合間合間で客をガンガン煽っていくのも是枝氏には無かった部分だと思う。
 内野氏のギターの音も以前と音作りが変化していたのも印象的であり、よりヘビィなバンドとしてこれからCoffinsは生まれ変わっていくのだと思う。だけどそんな安易な期待なんてCoffinsは簡単に裏切ってしまうだろうし、新体制となったCoffinsがこれから何処に向かっていくのか楽しみで仕方ない。



・The Caution Children

 今回の主役の一つであるTCCの出番だ!!昨年リリースした3rdアルバムで完全に大化けし、ナードを極めに極めたキラキラのハードコアを鳴らすバンドになっていたが、そのライブをいよいよ体験出来るとなると本当に胸が熱くなる。
 そして実際にTCCのライブを目撃して思ったのは音の煌きというかもう単純なキラキラ感が音源よりもずっとやばい!!神々しい轟音じゃなくて、人間臭さ全開の音だし、どこをどう切ってもナードコアその物な音ではあるけど、でも何故だか妙に頼もしさを感じるのは何でだろうか?
 メンバー全員が妙に高いテンションでべらぼうに楽しそうにライブをしていたのも印象的だったが、やっぱり注目すべきは以前からライブ動画でその動きとルックスが注目を浴びていたボーカルのニック君だろう。
 先ずニック君はやっぱりアメリカのナードなデブガキ感しか無いルックスだし、挙動不審にステージを動き回り、ちゃんとボーカルやっているのにちゃんとマイク使ってボーカルしてないし、異様に機敏な所もある動きをしたりと、感動的なキラキラの轟音を浴びているのに、何でだか笑いが込み上げてしまうライブだった。
 だけど30弱の中でどこまでも力強い音を炸裂させまくり、多くの人々の心に確かな物を残した筈。そして翌日彼らは更にとんでもない事をやらかすのだった…



・Downfall of Gaia

 この日のトリはドイツからの刺客DoG。この日は完全にDoGが持って行ってしまったと言っても過言じゃ無いだろう。
 曲は新作3rdの楽曲中心にプレイしていたが、一曲目の「Darkness Inflames These Sapphire Eyes」の時点で音源を完全に再現してしまっているライブに圧倒されるしか無かった。
 弦楽器隊3人全員がボーカルを取るスタイルで、3人の演奏自体も音作りから何から何まで完璧だったけど、ドラムのフィジカルの凄さがとんでもなかった。というかあれだけの手数のドラムを寸分の狂いもなく、しかも音圧やパワーを全く落とさないで叩けてしまっている事実が目前に存在していて、それに笑うしか無くなってしまった。
 もう一つ印象的だったのは3rdのポストブラックな音も勿論細部に渡って再現されていたけど、音源とほんの少しだけ違うところがライブにあるとしたら、ドラムのビートの作り方がメタルというよりはやはりハードコアパンクのそれだった。合間合間に盛り込まれるクラストなテイストのビートは上がったし、やはりDoGの根底にあるのはクラストだって事なんだろう。
 2ndから「Drowning By Wing Beats」をプレイするなんて嬉しいサプライズも挟みつつ、アンコールも含めて全7曲に渡って繰り広げられたストイックさの塊の様なライブはこれまでの数多くの外タレバンドには無かった物であり、DoGのプロフェッショナルさには感服であった。そして彼らも翌日更なる伝説的ライブを生み出すことになる



 全8バンドに渡る長丁場でありながらアースダムにいた多くのお客さんはどのバンドのライブもしっかりと目撃していたのも印象的であり、イベント自体もほぼオンタイムのスムーズな進行だったので観ている側もストレスが無く楽しめた。
 DoGとTCCは翌日の二日目で更にとんでもない伝説的ライブをしてしまうんだけど、それは二日目のレポに続くって事で。新生Coffinsお披露目やOVUMの大化けなんかもありつつ、sekienとSTUBBORN FATHERの大阪の意地を見せつける圧倒的ライブもありと本当に充実の一日目でした。
 そしてTJLA FESTは涙で明日が見えなくなる二日目へ…
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■Scent/Nepenthes





 ex.Church of Miseryの根岸氏と須藤氏が在籍する事で結成当初から話題を呼んでいたNepenthes。みんなが待ち望んだ1stアルバムがいよいよドロップされた。リリースはまさかのDaymare Recordingsで驚いた人も多いと思う。
 そしてこれまでのライブ活動でドゥームだとかそんなカテゴライズいらねえんだよ!!ってばかりの爆音巨根ロックを爆散させ、各ライブハウスのドリンクの売上に貢献してきた彼らの1stアルバムが最高じゃ無いワケないって話だ。もう結論から言えば最高のロックアルバムだから酒飲んで音量MAXで聴け!!以外に僕が言うことは無い。



 今作の何が凄いって、勿論ドゥームとしてもサイケとしても素晴らしいアルバムなんだけど、結局ロックをを好きになったら老若男女関係なく永遠にロックキッズなんだって事を改めて思い出させてくれるアルバムだって事だ。
 のっけから17分に及ぶ大作である「sorrow」から始まる。それがドゥーム以前に最高のブルースなのだ。須藤氏の泣きまくりなギターソロもそうだし、根岸氏の日本語で歌われるハードボイルドさ全開なボーカルもそうだし、ミドルテンポで終わりなく繰り返されるビートもそう。
 ライブで聴いた時はサイケデリックな涅槃に引きずり込む曲だと思ったけどそれは大きな間違いだった。Nepenthesはハードボイルドな哀愁を描いているだけだった。それだけで先ず一杯飲むよねって話だ。
 そんなロングギターソロで終わる第1曲をブチ犯す第2曲「cease -弑-」はライブでも最早アンセムになっている爆走ストーナーだ!!この曲は最早理屈が何も通じない曲になっており、最高のボーカリストと最高の楽器隊がただ単純にロックしているだけで最高だって方程式以外は何も通用しない。とにかく全ての音が太くギンギンなだけでロックは格好良いんだ!!これでもう一杯飲むよねって話だ。
 ストーナーロックの煙たさとグラムロックの艶やかさの両方に酔いしれ、男・根岸の野獣ボーカルの色気に惚れ惚れするし、ギターワークもエロい第3曲「fool's gold」でもう一杯。日本語ロックの素晴らしさを再認識させる日本男児の哀愁を感じるブルースである第4曲「相剋」で更にもう一杯。ラストの「OUT in this harmony」で再び爆走ロックで昇天!!かと思わせて数分のブランクの後に始まる隠しトラック的な曲で再び哀愁とサイケデリックの世界へ。もうその瞬間には色々な意味で頭が完全に吹っ飛んでいるだろう。



 格好良いし泣けるし熱くなるしっていうキッズの心のままで触れる事の出来るロックアルバムとなっている。こんな酒税納税推進アルバムはもっともっと売れて色々な景気を良くしてくれなきゃ困るのだ!!
 何よりもフロントマンの根岸氏は紛れもないロックヒーローだ。もっと大きなフェス等にネペは出るべきだし、もっと沢山の人に今作を聴いて欲しいと心から思う。チャラチャラした自称等身大のロックもどきは永遠にネペに勝てないだろう。
 どんなにベタな言い方でも良い。Nepenthesは本物のロックバンドだ。



■BACKBONE/BACKBONE

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 現在はBBで活動するRyuji氏がかつてボーカルを務めていた幻のバンドBACKBONEの唯一の音源となるミニアルバム。リリースは今や伝説のレーベルとなってしまったZK RECORDSから。
 BACKBONEはRyuji氏の他のキャリアに比べると存在が幻みたいになってしまっているバンドではあるが、時期としてはCOCOBAT脱退後に結成したバンドであり、今から実に20年前のバンドでもある。




 肝心の音楽性であるが、現在Ryuji氏のパーマメントなバンドであるBBの音楽性にはこのBACKBONEが一番近いと思う。BBと比べると90年代の時代感を感じる音ではあるけど、不思議と古臭さは無く、寧ろ色褪せなさのが強いだろう。
 変拍子主体のトライヴァルなビートの作り方は現在のBBにも通じるけど、ギターフレーズの盛り込み方はBBよりも直接的なヘビィロックだ。第1曲「Happiness」は合間合間にジャズの要素も盛り込んだりしているが、常に殺気立ったボーカルとギターリフが爆発に次ぐ爆発を繰り返す。
 第2曲「現今」はジャンクロックな要素も色濃く、ヘビィロックというより寧ろ後のカオティックハードコアなんかにも通じる音だ。今でこそあらゆる音楽が発展や進化を繰り返したからアレだけど、この時代にこの音はかなり斬新だっただろうし、それらの文脈が整った今の時代に聴くと余計に凄さが分かる。
 怒りを孕んだ暴走ヘビィネスである第3曲「自己憐憫」。ブルドーザーの様な音と、それに負けず劣らず凶暴なRyuji氏のボーカルに処刑されてしまう第4曲「自覚」、鋭角のダークネスが無慈悲な重さで降り注ぐ最終曲「Conquer The Dark Ages」と全5曲に渡って強烈なヘビィロックの連続だ。



 もう20年以上前の作品ではあるが、2015年に今作に触れて改めて思い知ったのは、Ryuji氏はこの時代から他になりオリジナリティ溢れるヘビィロックを生み出そうとした事だ。
 単なる前時代的なヘビィロック作品じゃなく、現在のエクストリームミュージックとなんら遜色の無いレベルの物を90年代のまだ文脈も何も無かった時代に生み出している事に驚く。
 そしてBACKBONEでのオリジナリティは現在BBへと姿を変え、よりダークにより混沌とした更に新しいヘビィロックとして生まれ変わっている。
 ZK自体が既に消滅しているレーベルなので、中古レコード屋とかで見つけたら迷わずゲットして欲しい隠れた名盤。





BACKBONEの音源聴ける場所がネットに無かったので、代わりに現在のBBのMVを。

■Aeon Unveils the Thrones of Decay/Downfall of Gaia





 いよいよ来日が迫ったジャーマンブラッケンドクラスト最高峰であるDoGの2014年リリースの3rdアルバム。前作の2ndアルバムから大手レーベルMetal Bladeと契約。音楽性もネオクラストに留まらずポストメタル化し、世界で名前を上げていった。
 そして今作ではそこにブラッケンドの要素も持ち込み、更なるクロスオーヴァーを果たしている。曲も殆どが10分近くと大作志向もより強くなった印象だ。



 前述通り長尺で複雑な楽曲構成の曲が殆どとなっており、それは前作でも存在した要素ではあるけど今作ではかなり色濃くなっている。
 ブラッケンドにも接近した音になっており、トレモロリフがダークなメロディを奏でるパートも多数存在するけど、ブラックメタルに接近したというよりはポストブラックに近い印象で、それらのバンドが持つアート性がDoGの目指す音と合致した結果のクロスオーヴァーといった感じだ。
  波瀾のトレモロとブラストの大津波にいきなり飲み込まれそうになる第1曲「Darkness Inflames These Sapphire Eyes」から破壊力は抜群。時折盛り込む引きのパートやポストメタル要素でコンセプチュアルアートな世界観を表現するが、それを塗り潰す音の洪水は美しくありながらも恐ろしい物。
  ダウンテンポから獅子奮迅の音へと雪崩込む第2曲「Carved into Shadows」も変わらず破滅的であり、彼らはポストメタル化したとかブラッケンドに接近したという以上に根底にあるハードコアの怒りのエナジーを凄く大切にしているとも思う。だからここまで大作志向でアーティスティックな作風になっても、激動の音は日和ったりせずに寧ろパワーアップしているのだろう。
 中盤もトレモロとポストメタル的ダウンテンポとブラストが交互に攻める黒斑の音ばかりが続き病み捲りそうになるけど、12分近くにも及ぶ第6曲「Whispers of Aeon」ではアンビエントやインプロといった要素も盛り込み、不規則で不安な配列の音が混沌の前準備をしてからラスト1分半をブラストとトレモロで駆け抜ける展開は痺れる格好良さだ!!そして最終曲「Excavated」で今作一番の悲哀のメロディを美しく奏でる。



 殆どの曲が10分近くにも及び、、前作や前々作以上に音の濃度も高くなっていて軽々しく聴ける感じの作品では無いと思う。実際にアルバムを通して聴くと何とも心地よい疲労感があったり。
 けれどもどんなに音をクロスオーヴァーさせて大作志向になろうともDoGのネオクラストから生み出した美しく燃えるメロディセンスは今作でも健在である。クラストだとかメタルなんて関係なしにより邪悪にDoGはパワーアップしたのだ。
 DoGは2015年11/13日の大阪火影、11/14・11/15の新大久保アースダムでのTJLA、11/16の新松戸FIREBIRDと四日に渡り日本でショウを繰り広げる。さあ漆黒が燃える瞬間はもうすぐだ。




■De Fragments/Milanku

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 2013年秋の魂を震わせまくった来日公演から2年、今年で結成10年を迎えるMilankuの3rdアルバムが遂に届いた。リリースは勿論Tokyo Jupiter Recordsから。来日公演後にオリジナルメンバーのギタリストの脱退があり、後任にはDark CirclesのFrancoisが就任。Francoisは今作のアートワークも手がけている。マスタリングはHarris Newman (Godspeed You! Black Emperor, Eluvium, Baton Rouge)が担当。



 メンバーチェンジこそあったけど、今作でも基本的な路線は何も変わっていない。轟音系ポストロックとポストメタルを基軸に、真正面からドラマティックな轟音をぶつけてくる。正統派ではあるが、メロディセンスは更に磨かれている。
 静謐さから激へと展開していく定番な手法は今作でも健在だし、常にメランコリックが泣き叫ぶギターとダイナミックなビートと男臭さ全開の魂の咆哮。シンプルな手法を用いているからこそ不純物ゼロのクリアな激情はどうしても胸に込み上げる物しかない。
 大きく変化した点があるとしたら長尺曲が大分減り、4分台とかのコンパクトな楽曲が主体になり、楽曲展開にもサウンドにもハードコアな直情的なアプローチが増えた事だろうか。マーチングの様なドラムの応酬から前作以上に切れ味鋭く切り込む轟音フレーズが印象深い第1曲「Fuir Les Jours」からもバンドの進化は伺える。
 前作でもこれでもかと展開されていた白銀の轟音は幻想的なメロディはそのままに、肉感的な感触も増えていると思う。第3曲「On S'épuise」はこれまでのMilankuには無かったアプローチが見え隠れし、第4曲「La Dernière Porte」の疾走感もこれまでには無かった音だ。
 そんな中でもMilanku節とも言える轟音系ポストロックと激情とポストメタルのハイブリットさ、繊細さとダイナミックさが生み出す揺さぶりの激情の集合体な第5曲「L'ineptie De Nos Soucis」は今作のハイライトとも言える名曲であり、今後のMilankuの代表曲となるだろう。
 第6曲「Dans Les Absences」ではインスト的なアプローチを繰り出しながらも終盤ではnone but air (at the vanishing point) のnisika氏のゲストボーカルが生々しい血の叫びを披露。そしてラストはMilanku史上最もポストメタルでヘビィな「Ce Fut Quand Même Notre Histoire」で寒々しい世界観を生み出しつつも、それを吹き飛ばす熱情で締めくくられる。



 地道にだけど着実に歩みを進めてきたMilanku。国内外問わずに短命で終わってしまうバンドも多い中、10年に渡って活動を続けこうして3rdアルバムをリリースしたのは何とも感慨深さがある。
 多少の変化こそはあるが、それは進化という言葉の方が正しいし、1stの頃からMilankuは優しい至福の轟音と激情をブレずに描き続けている。それが僕は本当に嬉しい。今作も前作同様に至高の一枚。購入は勿論Tokyo Jupiter Recordsのストアの方で可能だ。



■rooms/Vision Of Fatima

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 京都が生んだ超絶混沌躁鬱玉ことVOFの2015年リリースの3曲入りシングル。僕は今作で彼らの音源を初めてしっかり聴いたけど、2015年にここまで清く正しくカオティックハードコアの本質を見極めて継承したバンドがいたって事に驚いた。
 下手したらカオティッハードコアなんて物は手垢に塗れまくってしまっている物だと思われてしまっている部分もある。でもVOFが選んだのはそこに新しい要素を持ち込むのでも、その表層のみをチャラチャラコピーするのでも無かった。CONVERGEが持っているハードコアの深層を継承する道を選んだのだ。



 実際数多くのCONVERGEフォロワーがこの10年以上で多々登場したけど、それらの殆どはカオティックハードコアのテクニカルさの部分や分かりやすい部分だけをトレースしたバンドばかりだったし、それらのバンドの存在がカオティック自体のブランド的な価値を下げてしまっているのかもしれない。
 だけどVOFは違った。CONVERGEが持つ強靭な強さ、その裏に隠された脆さや繊細さ、混沌の中で泣きじゃくる音。それらをレペゼン京都スタイルに変換したのだ。正統派なバンドであるが故にはみ出しまくっているバンドだとも思うし、実はこうした王道のままオルタナティブであり続けるバンドって東京よりも関西の方が多い気もする。
 もうタイトルだけで「分かっている」感しかない第1曲「Your Pain/My Gain」から狂気のエンジンはトップギア。ツインギターのリフを不協和音と共にゴリゴリに刻み付けるパートから、メロディアスに絶望感がバーストするパートの対比を生かし、シンガロングパートも盛り込みながらも、音が急降下だけを続けていく。
 よりメロディアスさを加えながらも鬱々した空気も充満させている第2曲「Reccurence」もそうだけど、一見あらゆる要素がクロスオーヴァーしている様な音にも感じるし、激のパートの中に聴かせる美のパートを盛り込んで、でも勢いは全く衰えさせないって方法論も使っているけど、他のジャンルの音を取り入れたのではないカオティックハードコアのまま進化した音を放出している。
 最終曲「The Other Closet」はVOFが提示するラリったテンションの中で音を繰り出しながらも、その怒りの裏側にある悲しみも見事に表現したハードコアの理想形だ。



 音源の完成度も高いけどVOFはライブの方も素晴らしく、全てを振り切ったハイボルテージな躁鬱っぷりを爆発させまくり、混沌を混沌のままで加速させ、観る人々に衝撃を与え続けている。
 正しすぎた故に優等生になれなかったハードコアをVOFは鳴らしている。だけどVOFは誰かのコピーバンドである事を否定しただけだ。本物のカオティックハードコアがそこにある。



■Disrotted / Su19b Split

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 アメリカはシカゴの陰鬱ドゥームバンドDisrottedと日本は神奈川のブラッケンドパワーヴァイオレンスSu19bが遭逢してしまった闇黒スプリットがObliteration Recordsからドロップ。全4曲なのに合計43分にも及ぶ幽々たる作品になってしまっている。しかもDisrottedに至っては29分にも及ぶ超大作1曲のみの提供と来てしまっている。完全に狂っている。



 先攻Disrottedは前述の通り、29分にも及ぶ漆黒ドゥーム「Infernal Despair」の1曲のみの提供。29分というロングセットな楽曲の中で渦巻く重苦しさは常人には耐え難い苦痛なのかもしれない。
 展開も少なくひたすらにリフの反復と地の底から響くようなボーカル、亀よりも遅いんじゃないかって遅さで強烈に押し潰すビート。ドローンやノイズ要素もかなり色濃く、歪みすぎた黒檀のノイズが延々と続く中盤のパートは体感時間の感覚も歪んでしまうこと請け合い。
 終盤になるとノイズもよりハーシュノイズに近いものになり、陰鬱さとか暗黒さというより完全に拷問の領域に達してしまっているし、アウトロのドローンなノイズにやっと一つの美しさを見出せる。
 最早ストイックなんて範疇じゃ無いし、気が触れているとしか思えないけど、29分にも及ぶドゥーム地獄を超えた先の解放感はとんでも無い。同時に神秘的で荘厳な空気も身に纏い、輪郭が全く掴めない音であるからこそ、その窒息感すら快楽になってしまうだろう。超遅重の空気の果てには新しい悟りの世界が待っている。

 後攻のSu19bは3曲を提供。合計13分となっているが、こちらも烏木の音が渦巻く地獄変だ。
 今年リリースされた1stアルバム「World Is Doomed To Violence」にてブラッケンドパワーヴァイオレンスを確立し、激速と激遅の原始的なドス黒さと神秘的世界を見せつけたけど、それがより深く踏み込んだ場所へと到達した。
 7分に及ぶ「The Sun Burns Black」でもよりメロディが喚起される音が増えており、ギターの音自体は相変わらず歪みに歪みまくっているけど、不思議とフューネラルな空気を感じさせ、Disrottedとはまた違う重力を生み出す。しかし唐突に入り込む激速ヴァイオレンスパートから再び激遅無慈悲獄殺パートを経て、最後にまさかのクリーントーンの奈落で締めくくられてしまっている
 無音パートで息を飲ませ、激遅終わるかと思わせて最後の数秒の激速ブラストで終わりという1分弱の理不尽「Shortage of Oxygen」、Su19b節を炸裂させながらより黒く研ぎ上げられた「No One Is Immortal」とバンドの新機軸を見せつつも結局は不条理に不条理を重ねた混沌に行き着く。他のバンドには絶対に無い極致の世界をSu19bは持っているのだ。



 極端であらゆる方量や限界といった要素を無視しまくっている泥梨でインフェルノな漆黒スプリット。終末感とか世界の終わりなんて言葉がチンケに聞こえる位に理不尽に極限だけを叩きつける。
 DisrottedもSu19bも共に他の有象無象を全く寄せ付けない魅力に溢れ、洗練やメジャー感とは無縁のまま深さだけを追い求めている。改めて言うが完全に気が触れているスプリットだ。



■GigGeeks vol.3 The F!!!(2015年11月7日)@新宿Antiknock

 前回も大雪にも関わらず多くの動員を記録したbilo'u牧人氏企画、約1年8ヶ月振りの開催となった今回も個性豊かなバンドが集結する熱いイベントになった。
 オープンの時点で人もかなり多く、スタート前のOAである野間仁(Norma Jeanのコピーバンド)も時点で異様な盛り上がりを見せ、前回以上にフロアは熱気に包まれたモードへ。
 本編トップのVernisCrisisComfortNeveが先ずジャズやトランペット等も導入したカオスなプログレメタルを展開し、このイベントが毎回変態バンドか強烈な個性を持つバンドばかりが集結している事を実感。というか演奏半端無く上手くて観ていてビビったよ。



 二番手の京都のVision Of FatimaはCyclamen企画の変の極みで狂気的ライブを見せつけられて虜になったバンド。今回改めてその実力を再確認したかったし、狂気を浴びたかったのだけど、半年前よりも更にパワーアップしていた。
 今時珍しい位にCONVERGE直系カオティックハードコアなバンドだけど、このバンドはCONVERGEの表層を真似しただけのボン百のフォロワーを容赦無く殺すバンドだ。
 CONVERGEの持つハードコアとしての強さは勿論だけど、その表層の下にある脆さも継承したバンドだし、圧倒的テンションで繰り出されるハードコアの中に泣きじゃくるメロディが存在している。
 曲の完成度の高さもそうだけど、ボーカルの方のPALMのトシさんよろしくマイクで頭を殴ったりするパフォーマンスから。ステージでもフロアでものたうち回りながら怒りを吐き捨てるボーカルが兎に角格好良い!!
 終始完全にネジが外れたライブを展開し本物のカオティックハードコアをこれでもかと見せてくれた!!心底惚れてしまったよ!!



 三番手のKallaqriも今回の目当てのバンドの一つ。Kallaqriは激情の中の静謐な不気味さが大きな魅力だけど、この日のライブは他の出演バンドに触発されたのか、いつも以上に振り切ったボルテージのライブとなった。
 「箱庭」の不気味なクリーントーンのフレーズで先ずは客を引き込み、続く「最も容易で効率的な手段」で変則的な爆発を繰り返して瞬きすら許さない。
 不気味にうねるフレーズを引き倒す5弦ベースを下地に、メロディアスでありながらも、焦燥と悲愴の衝突地点を奏でるギター、そしてMVPは自称偽物のベースこと章氏だろう。
 このバンドはツインベースである事も大きな売りだけど、章氏のギターアンプにベースを繋いだベースとギターの両方の役割を果たす削れまくった音はKallaqriの異形さに拍車をかける。しまいにはベースを弾くことを放棄してフロアへとサーフしたり、ブンブン振り回したベースでマイクスタンドへジャストミート!!もう観ていて脳内福澤朗が熱い実況を繰り返してしまっていた位のドン引きしてしまう熱量だった。
 しかしそんな一見人を突き放す音なのにフロアの熱量やリアクションも良く、Kallaqriとフロアの客の熱が刺激し合う良いライブだった。終了後の他のお客さんの「Kallaqriやべえ!!」って声もそうだし、多くのお客をガッツり持ち帰った筈!!



 四番手のミリタリー武装メタルコアGHOULS ATTACK!も負けじと凄まじい熱量のライブを展開し、トリのbilo'uへ。
 今回は1stアルバム「muzjou」の楽曲を中心にプレイするセットリストという事もあり、イベント開始から異様なテンションと一体感で盛り上がっていたフロアのお客さんの熱い空気は最高潮に。
いざライブが始まるとタガが外れた盛り上がりが発生!!早々からピットが発生し腕グルグルモッシュ兄貴も続出!!
 2nd以降のbilo'uはマッドサイエンティスト過ぎる作風になり、客を完全に突き放すバンドになったと僕はずっと思っていたけど、それは大きな思い違いでbilo'uってバンドの根本は何も変わっていない。
 テクニカル過ぎるツインギターの変態的絡みや変則ビートや変幻自在なビートをまるで中国雑技団な超絶テクで繰り返しているけど、bilo'uは1stの頃からそんな変態性を持ちながらもヘビィな混沌を追求しているだけに過ぎない。
 緊張感が充満するアクトではあったけど、bilo'u側がストイックさを追求すればする程にフロアは歓声を起こし、モッシュでそのアクトに応える。そんな一体感も含めて彼らはライブバンドだって事を改めて思い出した。



 動員もフロアの後ろまで埋め尽くす人だったし、昨今の厳しいライブハウス環境の中で大きな数字を叩き出したと思う。だけど、そうした数字の面だけじゃなく、バンド側もリスナー側も同調圧力の一体感の強制では無く、自然体のままで盛り上がえるハッピーな空間だった。
 こうしたうるさい音楽やヘビィな音楽を取り巻く状況は厳しくなっているとここ最近は色々な場所で聞くけど、どんな時代でも勝負に出れる人は勝負に出るし、今回の牧人さん企画はまだまだライブハウスもみんなで上がっていけるんだ!!って希望を感じる素晴らしいイベントだった。
 数字の面でも大成功なイベントだったけど、それ以上にフロアの人々の熱気と笑顔。それが僕がずっとライブハウスに足を運ぶ理由だし、言葉だけのプレミアムじゃない、本当に特別な時間がそこにはあった。

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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