■2016年02月

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■Gleamed企画(2016年2月27日)@代々木Maldic Studio

 最近になって各所で名前を聞く事が増えた若手ハードコアバンドGleamedの自主企画となるスタジオライブ。
 個人的には久々にUmberliteのライブを観たくて足を運んだが、前々から評判を聞いてたOtusとELMO、そしてGleamedの実力をその目で確かめたかった。
 しかしDIYなスタジオライブはいつ行ってもアットホームな空気が流れていて良いですね。そんな感じでスタート予定の19時から少し押してイベントが始まった。



・Otus

 先ずは名前は前々から聞いていて実力を確かめたかったOtus。メロディアスでブラッケンドな味付けもされたサウンドながら、凶悪なパワーヴァイオレンスなハードコアを鳴らすバンドであり、その陰鬱なメロディセンスとクラスティさで爆走する音に圧倒される。
 ビートダウンパートでは案の定モッシュする人も出現し、序盤からイベントに火をつける。ネガティブでおぞましい負の感情をそのままハードコアにしたサウンドの凶暴さに痺れてしまうライブだった。



・Umberlite

 今回お目当てで唯一ライブを観た事があるUmberliteは久々にライブを拝見させて頂いたけど、このバンドは激情ハードコアの美味しい所を全部かっさらっていくバンドだ。
 ブラッケンドハードコアで語られる事が多い彼らだけど、それは結果論に過ぎず、古き良き激情ハードコアを現代の音として創意工夫を重ねて新しい音にしている。
 彼らの名曲「監獄」はdjent的なギターの絡みもありつつ、メタリックな黒さを押し出していく事によって生まれるブラッケンドさは他のバンドには無い物だろう。
 今回は短めのライブだったが新しい音源のレコーディングにも入っているみたいだし、今後も色々楽しみだ。



・ELMO

 今回のライブで一番殺されそうになったのは極悪パワーヴァイオレンスことELMOだった。
 先ずはボーカルの方の今にもナイフで刺してきそうな鋭い眼光に恐怖を覚えるが、ライブではメンバー全員が本当に怖い音しか出していない。
 パワーヴァイオレンスでもかなり特異なスタイルだと思ったが、彼らは疾走パートも若干はあるけど、ちにかくスラッジな音で攻めに攻める。各楽器のパワーも半端じゃないし、その中で甲高く叫ばれるボーカルは殺気に満ちていた。
 最後はベースの方とボーカルの方がフロアに飛び込んでライブは終了。人殺しの音楽がそこにはあった。



・Gleamed

 トリは主催のGleamed。さて各所で話題になっているその実力は如何にと言った所だが、これまたド肝を抜かれる音だった。
 年齢的にかなり若いバンドらしいのだけど、若さを良い意味で全く感じさせないモダンで激渋なサウンドが先ず印象的である。
 しかし若さ以上の凶暴さをその音に込めてもいる。ボーカルの方は何度もフロアに突っ込んでくるし、激ショートでダークでシンプルなパワーヴァイオレンスが炸裂した瞬間は素直に格好良い音が爆散する。
 中盤ではAgnostic Frontのカバーも飛び出し、暴走だけを続けてあっという間にライブは終了。耳に残ったのは凶暴極まりない音と、不気味なメロディ。その実力は噂通りだった!!



 全4バンドという事もあってサクッと終わる感じのスタジオライブであったが、日本の地下世界で蠢く新たなるエクストリームの渦を十分感じるイベントであり、新しい波がまた地下室の中で発生しているのは純粋に良い事だと思う。
 フラッと足を運ばせて頂いた感じではあったが、極悪な音を十二分に堪能させて頂いた。
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■BOMBORI PRAYGROUND Release Party(2016年2月20日)@渋谷TSUTAYA O-nest

 昨年末に2ndアルバム「PRAYGROUND」をリリースしたエクスペリメンタルヘビィサウンドチームBOMBORI。ツバメスタジオの君島結氏を迎えて制作された今作は多くの人の絶賛を浴びているが、今回はそのリリースパーティ。
 DMBQ、空間現代、テニスコーツの全くベクトルの違う三者を対バンに迎え、BOMBORI自身もPAに君島氏を迎えての「PRAYGROUND」再現ライブ。そして現在の6人編成でのラストライブと特別なライブとなった一日。イベントは決して狭くないO-nestをソールドアウトさせるという事件すら生み出し、2016年の事件とも呼べる一夜になるのは約束されていた。そしていざ足を運んでみて、想像を超えた一夜が生まれたのだった。



・DMBQ

 てっきりトリ前だと勝手に予想していたDMBQがまさかのトップバッター。最後の彼らのライブを観たのが大分前だったのだけど、いつのまにか三人編成になっていた事にまず驚く。
 そんな久々に観たDMBQだけどあまりの殺人的音量によるサイケデリックロックに本気で生命の危機を感じてしまう物だった。増子氏のチョーキングとスライドを多用したギターワークは、リズム隊のタイトな演奏を地盤にしながら自由に爆音を放ち続けていく。
 序盤から凄まじい音量だったけど、ライブが進行するにつれて体感音量は更に増幅され、そして五感の感覚が狂っていくのを感じていく。凶悪な爆音が脳に揺らぎを与えることによって、快楽的な酩酊を生み出していくトリップ感を生み出していく様は流石の一言に尽きる。
 約30分弱に渡って全く休まる暇無く続いた爆音サイケデリックロック劇場にライブ後は耳鳴りが凄い事になってしまっていたが、ロックとは本来とんでもなく危険な物である事をDMBQは思い出させてくれた。



・空間現代

 予備知識なしで観た空間現代はDMBQとは打って変わって極限まで音を削ぎ落とした上でのミニマルな脱臼オルタナティブロックを展開。
 ZAZENやパニスマや54-71辺りに通じる音をよりキャッチーさを削いで最小限の音だけで音を展開させる事による最小で最大を生み出す異様さ。
 フレーズもループする音がメインでありながら、徐々に音を変えていく事によってより奇妙な捻じれを生み出す。ボーカルもほぼ最小限の所でしか入れずに、曲と曲の繋ぎも自然と組みわせているから余計に終わりのない迷路へと迷い込んだ感覚に陥りそうになる。
 だけど不思議とノレる音になっているし、着地点が無いからこその蠢きと燻りが目の前で徐々に広がっていく空気。緊張感溢れるソリッドな演奏。誰もが黙ってライブを見守るしか出来なかったが、ライブが終わった瞬間に割れんばかりの拍手が巻き起こり、突き放しまくった本当のオルタナティブロックに感動してしまったんだと思う。



・テニスコーツ

 また打って変わって男女二人組弾き語りデュオのテニスコーツ。これまでの2バンドの異形さとはまた全然違う爽やかな風を吹かせる二人組だ。
 アシッドフォークの苦味や淀みを感じる楽曲を演奏しているのに、不思議とポップでクリアな空気が生み出されるのはボーカルの女性の歌の力が大きい所だろう。
 途中でDMBQの和田氏がドラムで加わってからの3人での演奏でもそのポップさは揺らがず、演奏の強度がより加わった物へと変わっていく。
 最後の最後は下山のマヒト氏が飛び入りで参加し、掛け合いの会話を盛り込んでのツインボーカルで更に優しい空気を生み出すバラッドをプレイ。今回のイベントの中では少し異質な存在かなとは思ったけどそんな事は全然無くて、どこまでもピュアな歌と演奏の力を感じる素晴らしいライブだった。



・BOMBORI

 そしてこの日の主役であるBOMBORIへ。君島氏自らがセッティングを手伝いかなり入念なサウンドチェックがステージ上で行われており、フロアにもその緊張感が伝わってくる。
 そして長いセッティングが終わり「PRAYGROUND」再現ライブがスタート。一曲目は勿論アルバムのトップを飾る「PRAYGROUND」!!最初の一音の時点で音源を遥かに超えるダイナミックな音が繰り出されて、その一発目の音の時点でこの日のBOMBORIの完全勝利が確定してしまったのだけど、TPOGalaxyがのっけからフロアへとクラウドサーフをブチかました瞬間にフロアの熱気が完全に狂ったと思う。これまでの出演バンドと打って変わってモッシュが発生し、轟音とタイトでダイナミックなビートとグルーブが渦巻く中でTPOGalaxyの叫びが木霊する。その光景は現実の物とは思えなかった。
 そしてTPOGalaxyがドラムセットに座ってのツインドラムの「Land」で更にフロアに火を付ける!!BOMBORIの元々の持ち味であるツインドラムで躍らせるビートの躍動とmicroKORGの音色が意識を覚醒の方向へとすっ飛ばしていく。続く「Helios」では打って変わってBOMBORIが提示するヘビィネスがうねりを上げ、爆音で叩きつけられるヘビィなリフがよりサイケデリックでストーナーな空気を生み出し、正にブラックネスな音像が広がっていく。
 BOMBORIメンバーの演奏力の凄まじさもあるけど、HAMARO嬢のVJと、君島氏の音を増幅させまくるPAの手腕によってBOMBORIのヘビィネスは無限のパワーを生み出し、混沌の音へと目の前で進化を続けていく。正にモンスターだ。
 「Interlude」では大塚惇平氏の笙の演奏を加わり、徹底した完全再現ライブの意気込みを感じたが、そこから後半の4曲はあまりの濃度にあっという間だった。「Egungun」のツインドラムによるトランスはBOMBORi流のダンスミュージックであり、フロアはダンスフロアとなり踊り狂う人で溢れる。同じくツインドラムの「VLS」もダブを好き勝手に解釈しまくったアンサンブルを展開!!
 終盤の「Black Mountain」は個人的に今のBOMBORiを象徴する名曲だと思っており、長尺のドゥーミーさとTPOGalaxyがフロントに立つ事によって生まれる聴き手を煽り立てる空気感、ヘビィネスが持つ無限の可能性。それらを体現する名曲であり、ドープに刻まれるベースとドラムの音、それに反するヘビィなリフの応酬。TPOGalaxyの怒号とも言える叫び、「ヘビィネスにお手本も教科書もいらないし、俺たちの音はカテゴライズなんてされてたまるか!!」っていう気迫を感じる演奏は震える格好良さだった!!
 最後は闇の奥底へと沈む「Echo」で締めくくり、狂乱に次ぐ狂乱となったライブは興奮すら吹き飛ばす不条理で悲しい化物の音で締めくくられたのだ。

セットリスト

1.PRAYGROUND
2.Land
3.Helios
4.Interlude
5.Egungun
6.VLS
7.Black Mountain
8.Echo



 最後はドラムのHikari氏の挨拶のMCでライブは終了。この日のライブを最後にバンドを離れるギターのFXM氏は今後はソロで音楽活動を続けること、VJのHAMARO嬢は暫くはお休みになるけどいずれまた復帰する事。そしてそれぞれの人への感謝の言葉を述べてこの日のライブを終了させた。
 アンコールの声は鳴り止まなかったが、アンコールは無しという潔い完全燃焼のライブ。この日の全てをBOMBORIがケリを付けたのだ。
 BOMBORIは今後はVJ無しの4人編成での活動に完全に移行するが、このモンスターは決して立ち止まる事無く、過去もルールも置き去りにして未来へと飛び立っていくのだろう。
 彼らの音楽は決して分かりやすい物では無いのかもしれない。だけどオリジナリティと圧倒的なライブの前じゃそんなのは無意味だと僕は思う。
 どこまでも自由に、だけどヘビィネスという核を貫き通すBOMBORIを僕はこれからも追いかけていきたいのだ。



#HVNSBLCKNS
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■Su19b Presents ”Bullshit Propaganda#11”(2015年2月14日)@天王町スタジオオリーブ

 バレンタインにグラインド!!昨年からまた精力的に開催される様になった日本が誇るブラッケンドパワーヴァイオレンスことSu19bの自主企画。今回は天王町のスタジオオリーブでのスタジオライブ企画。
 フランスのベースレスグラインドデュオであるWARFUCKを迎え、真昼間から激音5バンドの激突。今回初めて天王町を訪れたが、街のゆるふわな空気とは裏腹に会場のスタジオオリーブはあぶない刑事の銀星会のアジトを彷彿とさせる雑居ビルの4階という中々面白い立地。こんな場所で激音集会が行なわれるのだから面白いのだ。



・Su19b

 いつも通りトップは主催のSu19b。機材フルセットじゃないし、スタジオライブだからアンプにスピーカーも立てていないのだけど、サウンドチェックの時点で安定の圧殺重低音が響き渡るのだからもう笑うしかない。
 しかし一週間ぶりにライブを観たけど、あまりライブをやっていなかったこれまでと比べ、昨年から積極的に企画の開催やライブを重ねてきた事もあり、日に日にバンドとしてパワーアップをしている。元々ライブに定評のあるバンドだったが、メンバーそれぞれの演奏の安定感もあり、同時にそれをカッチリと仕上げるのではなく、あくまでもロウなまま音を放出する。だからSu19bはヘビィで凶悪だ。
 パワーヴァイオレンスの速さと遅さの落差、極限に極限を極めたエクストリームの異種配合。道筋はそうだけど、結果はどこまでも黒くヘビィなだけ。毎回Su19bはライブでそれを発信している。だからこそ信頼出来るし、タイトでストイックでありながらも精神まで蝕む音を生み出せるのだ。



・Lost Without Grenade

 この日がデビューライブとなったLost Without GrenadeはGRIND-d.c.p.s・ZENANDS GOTS・DISGRACE TO THE BASTARDのメンバーによる新バンドだ。セットリストには「ドロップデッド」とか「Motorhead」とか記された曲名(恐らくは仮タイトルかな?)が書かれておりなんのこっちゃだ。
 そしてその全容はグラインドミーツパワーヴァイオレンスの激速&激短な初期衝動!!ボーカルの島津氏は何度も酒を毒霧として噴出しながらスタジオを所狭しと駆け巡り、千葉氏はゼナンズでも聴かせているシンプルにファストに振り切ったギターワークで攻め、リズム隊はブレイクダウンを織り込みつつも、ただ速さだけを追求。
 全10曲とかはプレイしていたけどライブは20分もやらずに高速で終了!!馬鹿みたいに格好良いグラインドフリークスの新たなる音は今後各地のライブハウスで人々を興奮に陥れるだろう!!



・TRIKORONA

 こちらも今年に入ってからライブが増えまくっている狂気のノイズ狂達TRIKORONA!!
 ここ最近になってプレイしている新曲を盛り込みながらも、前回観たライブ同様に是枝氏はテルミンを仕様。音が更に毒々しくなっている。
 このバンドはパワーヴァイオレンスとかノイズの文脈でも語れるバンドではあるけど、根底にあるのは間違いなく純粋なハードコアであり、小山氏が吐き捨てる叫びも、過剰なまでに音を爆走させるリズム隊も、ノイズギターも全てのゴールがハードコアへと向かっているだけに過ぎない。
 曲自体が短いのもあるけど、彼らのライブは常に不条理なまま困惑だけを生み出し、その困惑すらファズギターで塗りつぶしていく。本当に狂ったバンドだ!!
 それと個人的にベースの門馬氏がthee michelle gun elephantの代々木ライオットの時のTシャツを着ていたのはブチ上がりました。



・Corbata

 こちらはちゃんと観るのは初めてな覆面グラインドコア集団Corbata。覆面バンドだが、特に謎に包まれているという訳でもなく、メンバーは他にVivisection,DropendやSpiral等で活動していたりする。
 野太い咆哮が響き渡り、ダークハードコアな叙情性もありながら、爆走するブラストビート、ポリティカルなメッセージを放つシリアスさ、闘争本能剥き出しのグラインドはジャスティスでしかない!!
 こちらもライブは20分ほどの高速セットではあったが、久々に観ていてガツンと来るグラインドコアに出会えて良かった。速さだけじゃなく、ダークさや男臭さやシリアスさも兼ね備えたグラインドコアの理想形!!



・WARFUCK

 トリはフランスのベースレスグラインドコアデュオであるWARFUCK。今回Su19bとTRIKORONA目当てで足を運んだので事前の予備知識が全く無い状態でライブを拝見させて頂く事になったけど、このWARFUCKのライブが凄まじかった!!
 何が凄いって圧倒的フィジカルから放たれるドラムだ。ブラストビートがひたすらに速すぎる!!しかもただ速いだけじゃなくて、一発一発の音にパワーがあるからより速く感じるし、音が一々正確極まりない。
 カオスをそのまま放出してしまっているかの様な高速のギターフレーズがそこに乗ると、最早速すぎてよく分からないけど圧倒的なエネルギーと音塊になってぶつかってくる。
 30分程のライブでノンストップで繰り出されたグラインドコアの極限を抽出したみたいな音像は曲を重ねていく程にギアが入り、ヴァイオレンスなテンションで熱くかき鳴らされた音に一発ノックアウトされてしまった。
 フランスのグラインドコアが今熱い事になっているって話は小耳に挟む事もあったが、それは大袈裟でもなんでも無いと今回のWARFUCKのライブで確信したよ。いやー凄かった!!



 ライブは18時半頃に終了。単なるスタジオライブで終わらず、いつもと違うロケーションで独特の空気感の中で味わう激音はライブハウスで観るのとはまた違う味わいもあり、全5バンドの熾烈なライブに一発KOされてしまったのだ。
 神奈川を中心に積極的に開催されているSu19b企画だが、毎回毎回熱いイベントになっているので是非一度足を運んでみて欲しい!!
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■REDSHEER presents “GRAY WORLD Vol.4”

 昨年4月から開催されているREDSHEER主催による激音集会「GRAY WORLD」。第四夜となった今回は日本が世界に誇るオールドスクールデスメタルCoffins、大阪が世界に誇るエモヴァイオレンス最高峰STUBBORN FATHERを迎えての三つ巴のガチンコ勝負!!
 毎回ラスボス級のバンドのみが参戦する「GRAY WORLD」だが、今回の3マンは「GRAY WORLD」史上最もスリリングで緊迫感の溢れた夜になった。



・Coffins

 カチコミ一番手から世界レベルのデスメタルことCoffinsだ。Atake氏(Weepray、Super Structure)が加入してからのライブを観るのはこれが二度目だけど、是枝氏在籍時代と全然違うバンドになっているのは明らかであり、音の重さがより増しているのだ。
 是枝氏のプレイスタイルが飛び道具的なスタイルだったのに反し、Atake氏はより重さを追求するベーススタイル。初っ端から重低音が腹の奥を抉りに抉ってくる。
 Uchino氏のギターは毎回そうだけど、バイクのエンジン音の様なディストーションを炸裂させ、技術だけでは絶対に生み出せない音の重さとロック感をシンプルなギタープレイで生み出し、Satoshi氏のタイトで乾いたドラムは遅いドゥームパートでも速い疾走パートでも荒涼としたビートを変わらず打ち出し、サグい空気感を生み出す。Tokita氏のボーカルは加入当時とは見違える程にパワーアップを重ね、吐き捨てる声による毒々しさは今のCoffinsには必要不可欠な物。
 40分全7曲のセットだったが、ラストはアンセムとしてお馴染みの「Evil Infection」でバッチリ締め!!サビのパートでAtake氏がベースを弾くのを放棄し、マイクスタンドをフロアに向け、フロアの人々がマイクに向かって「Evil Infection!!」と叫んでいる光景は見ていて胸が熱くなった。
 今のCoffinsはより攻めの姿勢になり、更に強靭なバンドへと進化を続けている。世界を震わせる本物のデスメタルだ!!



・STUBBORN FATHER

 バンド史上初の40分のロングセットで挑む大阪が世界に誇るスタボンも負けじと新境地を見せつける圧巻のライブを展開してくれた!!
 一曲目から鬼に金棒なANODEカバー「隠された太陽」で一気にヒートアップさせるここ最近のライブで一番攻撃的なオープニングで始まったが、今回披露された新曲2曲が兎に角ヤバい!!
 「痣」や「裏側」でバンドの新境地を見せつけたけど、その先を行く不穏さとアーティスティックさはスタボンが更に孤高の存在へと高まっていくのを感じ、既に名曲確定な必殺の2曲!Dビートを取り入れながら、ストップ&ゴーな変則的ビートと、クリーンで際立つメロディの不気味さ、時折入り込むギロチンの様なギター、よりおぞましく展開される大妖怪による既存のエモヴァイオレンスから逸脱しまくった新曲には震えが止まらなかった!!
 終盤は「裏側」、「痣」、「創造の山」と必殺の3曲で一瞬で駆け巡るライブとなり、バンドの演奏も最高潮へ!!全ての音が切れ味鋭く、Shige氏の叫びと言葉が隠された闇を暴いていくどこまでもリアルでブレないハードコアがそこにはあった。
 新曲は今後リリースされるであろう新作に収録されるだろうし、他の新曲を含めて今から楽しみでしかないが、今年で結成17年を迎えながらも、老害にも聖域にもならず、常に全身全霊の音だけを放つスタボンはリアルなハードコアヒーローだ。ANODEの遺志を受け継いだのバンドだからこそ、ANODEが墜落した今でもスタボンはANODEとは違うリアルを描き続けている。



・REDSHEER

 トリは主催のREDSHEER。事前には40分セットとアナウンスされていたが、まさかの全9曲に渡る50分セットの完全燃焼ライブとなった。
 今回のライブはREDSHEERのこれまでを総括した上で、これからへと繋がる音を提示する場になったと思う。一曲目にこれをプレイされたら燃え上がるしかない「Silence Will Burn」の激昂と混沌から「Blindness」のエモーション、「In A Coma」の淀む半透明の音色からの爆発、「Yoru No Sotogawa」の刻み付けるリフと変則リズムでありながら疾走する爆裂感。序盤から破滅に向かって爆走を続ける。
 中盤ではここ最近プレイしている2曲の新曲をプレイ。特に「SIGH」はREDSHEERが早くも新境地へと達した名曲となっており、昨年7月の第二回の「GRAY WORLD」で初披露した時よりもずっとパワーアップを果たし、序盤のドープなクリーンパートからメタリックな泣きと共に絶望的なまでの痛々しさを黒々しく重ねていく展開には圧倒されるだけだ。
 終盤は「The End, Rise Above」のジャンクロックとエモの衝突地点からの美しきアルペジオと刻むリフによる激情。「Curse from Sad Spirit」からの「Gloom」という地獄によって終了。バンドの演奏のテンションはこれまで何度も観てきたライブの中でも最高レベルになり、初ライブから二年にして早くも到達した円熟の領域、でもそこには絶対に留まらない覚悟。その全てを感じる最高の物となった!!
 REDSHEERはまだまだ完成なんかさせずに、更なる高みへと飛び立っていくだろう。



 どのバンドが一番良かったなんて話が野暮な位に全3バンドがただ一言「ヤバい!!」以外の言葉しか出て来ない圧倒的なライブを展開し、勝ち負け云々以上の熱さを見せてくれた。
 この日の都内エクストリームミュージックはこれまで以上に熱いライブの被りが多かったが、僕はこの日二万電圧を選んで良かったと心から思う。
 次回の「GRAY WORLD」は5/21に場所は同じく東高円寺二万電圧で開催される予定だ。出演はREDSHEERに加え、BB、Hellchild、NoLAと正に最終決戦と呼ぶに相応しい一夜。今からスケジュールを空けておくべきだ!!
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■Iron Scorn/Legion Of Andromeda

Iron Scorn



 東京で活動するミニマル・プリミティブ・デスメタルユニットLegion Of Andromedaの2015年リリースの1stアルバム。レコーディングはかのスティーブ・アルビニが手がけている。
 彼らは昨年末のZOTHIQUEとの2マンで知ったが、極限のトーチャーサウンドにド肝を抜かれてしまった。



 イタリア人ボーカリストと日本人ギタリストの2人組インダストリアルユニットである彼らだが、ミニマル・プリミティブ・デスメタルと称される所以は今作を聴けば分かるだろう。
 音の構成自体はどの曲も殆ど終わりのないループにより構成されている。ノイジーかつ無感情なギターとリズムマシーンのビートが繰り返す反復、ボーカルが楽曲に変化を付けている感じで、曲の中で展開という物は実質存在しないに等しい。最小限の音階と展開によって構築されている楽曲は確かにミニマルではある。
 だが音の構築方法がミニマルなだけであり、構築する音その物は極端な地獄。メロディという概念は完全に皆無であり、デスメタル成分がプンプン匂うブルータルなリフの拷問的スラッジリフに悶絶。しかもリズムマシーンのビートもほぼ変化が無く繰り返されるだけだから感情移入する余地なんて全く与えてくれない。
 こう書くと聴いているとひたすら自分との戦いな音だと思ってしまうかもしれない。だけど拷問的な音でありながら、ミニマルに繰り返される音がもたらす陶酔的効果により、聴いている内に苦悶の音が快楽へと繋がってしまうのがこのユニットが持つ不思議な魅力だ。
 単純にリフ自体のセンスが良いってのもあるけど、GodfleshやSWANSといったインダストリアルのゴッド達の流れを汲んだ音でありながら、Big Black辺りの機械的反復の美学、そこにKhanate的拷問スラッジなテイストを加えた事による黒がドロドロに溶け合った物を機械的に放出・切断された異形さ。非常にオリジナリティに溢れる物となっている。



 ライブでは終わり無く繰り返されるストロボのみの照明によって視覚にもダメージを与える毒素のみのステージングを提示。音だけじゃなくアートワークやステージングに至るまで徹底的に猛毒だけを生み出している。
 トーチャー系の音だから聴く人こそ選んでしまうとは思うけど、デスメタルやインダストリアルが持つ最も危険な部分を凝縮したサウンドは変態極悪音楽愛好家にとっては眉唾物だろう。その手の音が好きな人は要チェック!!



■二万電圧 presents “HEAVY BLOOD”(2016年2月7日)@東高円寺二万電圧

 東高円寺ドゥームズデイ!!毎回店企画とは思えない濃厚なイベントばかりな轟音聖地二万電圧企画だが、今回はヘビィなバンドばかり集めた重低音に酔いしれる夜!!個人的にも好きなバンドとライブを観たかったバンドばかりだったので足を運ばせて頂きました!!



・Su19b

 トップはいきなり神奈川産暗黒パワーヴァイオレンスことSu19bから。
 Su19bは自主企画だとスタジオやライブバーでのライブが多いけど、やっぱりライブハウスの音響で体感するとより凶悪で不気味な音へとパワーアップする。
 遅さと速さの極端な落差も相変わらず凄いけれども、凶悪な音圧をあくまでロウな荒さで、しかし精密さも兼ね備えた演奏で繰り出すからこのバンドはタチが悪い。
 ルックス自体はどこにでもいそうなナイスミドル達ではあるが、そんな人たちがここまで極端に黒く重い音を繰り出しているのは本当に怖くなるし、ヘビィさから生まれる恐怖こそがSu19bが提示する世紀末の無慈悲な暴力なのだ。
 この日もいつも通り最高に最凶の音を繰り出すライブだったが、何度観ても震えが止まらなくなるのだ。



・マグダラ呪念

 久々にライブを観る事になったマグダラはメンバー編成が変わっていて、女性ベーシストが加わった3ピース編成でのライブ。
 アプローチ自体は音源と変わらないテンションで丁寧に演奏をするスタイルではあるけど、マグダラの持つ歌謡曲的呪詛とドゥームさの融合とも言えるおぞましい空気感はライブでは更にダイレクトに伝わってくる。
 曲自体も決して特別長い訳では無いからこそ、逆に一つ一つの音の濃密さがあり、密度たっぷりの怨念の音と声に呪い殺されそうな恐怖感を植えつけられそうなライブだったと思う。



・ZOTHIQUE

 金星からマントルまで行き来するサイケデリックドゥームカルテットZOTHIQUE。のっけから爆走ハードコアチューン「The Immortal」をお見舞いし、この日のZOTHIQUEは攻め攻める攻撃的なライブとなとなるのを確信!!
 珍しくシャツを着てライブをしていた下中氏は早々にシャツを脱ぎ捨ていつも通りの上半身裸のスタイルに、そんなテンションの高さから繰り出された「The Tower Of White Moth」と「Faith, Hope And Charity」の強烈な音塊の暴走に粉砕されてしまった!!濁朗氏もウイスキーラッパ飲みしながら暴れ回り絶好調。バンドのテンションが本当に良い状態なのが伝わってくる。
 そしてこの日は全く予告されていなかったGOUMの久美さんをゲストボーカルに迎えてのライブ。爆走ハードコアから一転してアンプラグドさからサイケデリックな暴発を魅せる「Hypnotic Kaleidoscope」、そのまま全ての音と声が坩堝を生み出す混沌の展開へ…
 今回の久美さんとのコラボを目撃するのは三回目だが、ZOTHIQUEに久美さんが加わると更に最高の化学反応が起きるし、このコラボは是非とも今後も続けて欲しい!!



・Sithter

 レペゼン東高円寺!!這い寄るホラースラッジことSithter!!ライブ自体は観るのはかなり久々になってしまったが、暫く観ていない内に更にパワーアップしていて驚いた!!
もはや事故だと
しか思えない音量のノイズギターが蠢く中で倍プッシュで他の音が加わり、鼓膜が破壊されてしまう恐怖を覚える凶悪な音量と音圧で繰り出されるスラッジサウンドは完全に拷問な筈なのだけど、脳が爆音に支配され、更にはメンバーそれぞれの佇まいも含めて目が離せなくなってしまう。
 オカルト的世界感を音と佇まいから放ち、甲高い叫び声が怨霊を呼び寄せ、音量を最大にし、観る物全てに差別無く平等に死を与えるのがSithterだ。
 最後はKagawa氏がギターを天井に吊るし上げ、Takano氏がドラムセットにギターを置き終了。楽器すら墓標にしてしまうSithterのライブ、最後の最後まで鳴り止まなかったハウリングノイズは死者の断末魔の様だった…



・OOZEPUS

 最後は一度ライブを観たかったOOZEPUS!!OOZEPUSはCoffinsのUchino氏とSatoshi氏にベースボーカルとしてOhkuboを加えた人力インダストリアルトリオ!!その佇まいは男臭さ全開!!個人的にタンクトップ姿のOhkubo氏が妙に目に焼き付いてますが。
 音楽性はGodflesh直系の正統派インダストリアルサウンドでありながら、リズムマシーンを使わない人力サウンド!!しかしSatoshi氏の乾いたタイトなドラムはインダストリアルなビートを生み出すのにこれ以上ない物。Coffinsと違ってテレキャスを使うUchino氏の音もより無慈悲な圧殺ギターになっている。Ohkuboのベースも硬質な音を容赦無く繰り出してくる。
 Uchino氏とOhkubo氏のツインボーカルで繰り出す機械的で殺気に満ちた叫び、更に血生臭い各楽器の音、音楽性こそ正統派インダストリアルサウンドではあるが、詰め込まれた音が血の色しか感じさせない残酷なる殺人マシーン。全5曲のライブではあったが、強烈なバンドしかいなかったこの日を締めくくるに相応しいライブだった!!



 それぞれのバンドの音楽的な方向性こそ違えど、「HEAVY BLOOD」という企画名に相応しい惨血のヘビィネスが溢れる夜であり、重低音で腹一杯になった夜。
 個人的にこの日はあまり体調が良くない感じで足を運んだけど、繰り出される重低音を浴びていたら自然と体調が良くなった気がします!!やっぱりヘビィな音って最高ですね!!

■COHOL 裏現 OVER JAPAN TOUR Final [ 義眼 vol.6 ](2016年2月6日)@渋谷eggman

 昨年2ndアルバム「裏現」をリリースしたCOHOL。リリースから日本全国をライブ行脚していたが、今回はそのツアーのファイナルとなる公演。
 対バンにVampillia、ENDON、STORM OF VOIDという日本国内に留まらず、世界へとアプローチを続け、同時にカテゴライズを無効にする独自勢力を集めた特濃極まりない4マンライブ。
 そんな特別な一夜ってこともあって、開演の時間で既にeggmanは本当に多くの人で溢れ、最終的には満員の動員を記録。日本のエクストリームミュージックの新たなる軌跡を刻む夜となった。



・Vampillia

 トップからいきなり大阪のブルータルオーケストラ集団Vampilliaからスタート。今回は吉田氏・竜巻氏のツインドラムの10人編成で相変わらずの大所帯。
 possession mongoloidがのっけから「お前らに説教する事があるねん!」とか言ってはいたけど、いつもに比べてお笑い的な仕掛けが無かったライブとなった。
 いつもVampillaのライブを観ていると「今日はどんな仕掛けを仕込んでいるのか。」みたいな部分に注目しがちではあるけど、彼らの音楽自体のクオリティの高さがまず素晴らしいのを忘れてはいけない。
 この日は新曲もプレイしていたが、Vampilliaにしか生み出せないポストブラック感がより際立ち、各メンバーの高いスキルが織り成すオーケストラ的なアンサンブルの鉄壁具合も含め、自らの音を本当に高純度で発信しているバンドだと今回のライブで改めて実感。何の仕掛けが無くてもVampilliaは凄いバンドなのだ。
 でもやっぱり仕掛けは用意していて、毎度お馴染みの梯子が無いと思ったら、まさかの新アイテムであるトランポリン(無駄に折り畳み式)が登場。mongoloidがトランポリンをピョンピョンするなんて光景がライブ中に展開されていて、やっぱり笑ってしまった。
 いつも以上に真面目な音楽的完成度の高さを提示しつつ、でもやっぱり悪ふざけは忘れない。そんなVampilliaのライブの面白さがモロに出たステージとなり、開幕からeggmanを大きく盛り上げた!!



・ENDON

 今や世界へと羽ばたき始めている情報過密都市東京が生み出した戦略的ノイズバンドENDON。今回のライブはrokapenisが照明を担当するENDONにとって鬼に金棒な編成!!
 しかし久々に観たENDONはノイズバンドでありながらどんどんノイズの文脈から外れに外れたバンドになっていた。それぞれのパートが放つ音自体強烈ではあるのだけど、その強烈さをそのまま押し出すのでは無くて、ノイズでありながらノイズが苦手な人でも聞きやすい音のバランスの良さが存在している。
 過去の曲もメロディが想起される物へと変貌を遂げており、ノイズを使ってドラマティックな音像を提示するという、これまで誰かがやってそうで実はやっていなかった領域へとENDONは足を踏み入れているのを感じる。
 かと言ってENDONが生温い音を出している訳が無く、個別の音の分離がはっきりしているからこそ、個別の音の強烈な毒素がより体内と五感に襲いかかる物となり、それはrokapenisの視覚を蹂躙する演出との相乗効果でノイズに独特の色彩を感じさせる物へとアップデートされていた。
 40分近くのロングセットという事もあり、これまで以上のキャッチーさと同時にこれまで以上の強烈さを提示したENDON。このバンドはまだまだ先にある前人未到の世界へと飛び立って行くだろう!!



・STORM OF VOID

 そしてこの日一番のストイックさと硬派さを持つインストスラッジトリオであるSTORM OF VOIDへ。このバンドは何も語らないバンドではあるけど、それは語らないのでは無くて、語る必要が無いだけなのだ。
 ひたすらに重低音をお見舞いするリフの嵐、3ピースでなきゃ生まれないストイックな演奏の硬質さとタイトさ、一見強烈な音を足し算した音楽性かと思わせておきながら、ライブではそれぞれのパートが音のバランスをしっかり計算し尽くし、一番腹にガツンと来て、尚且つ躍らせる音を体現してくる。
 この日は一曲だけJoy OppositesのAdam Grahamがゲストで参加、ギターボーカルがいる4ピースなスラッジサウンドを提示するというこれまでに無かったSTORM OF VOIDを魅せるサプライズも用意され、普段のライブのストイックさに加えて、歌ともう一本ギターが加わって叙情的スラッジな新たなる一面も楽しませて貰った。
 そんなサプライズがありつつも、やはり彼らの真髄は3ピースだからこそ生み出せる極限まで削ぎ落とした重低音天国。徹頭徹尾に至るまで男臭さ全開のリフとビートに頭を振りまくったのだ!!



・COHOL

 本日の主役であるCOHOLのアクトへ。大量のスモークがステージを埋め尽くす中で「冷たい石」からライブはスタート、ITARU氏とKYOSUKE氏の二人による演奏からいつも通りズタ布を身に纏い、顔に黒の包帯を巻いた衣装のHIROMASA氏がステージに登場した瞬間にフロアのボルテージは最高潮へ!!
 そして畳み掛ける様に繰り出された「下部構造」、「暗君」、「地に堕ちる」の3曲で漆黒の炎で全てを焼き尽くすライブを展開!!前々からライブには定評があるバンドではあったが、今回のリリースツアーを経てバンドは更にパワーアップ!!美しく切り刻むギター、凄まじい精度と速さのドラム、鬼のフィンガーピッキングを繰り出すベースによる3ピースの暗部を描くライブアクトの精密さと美意識の高さ、そしてそれでも溢れ出てしまう熱さ、何もかもが三位一体の音として爆発を繰り出す事により、異様な感覚を感じさせるライブとなっていた。
 印象的だったのはITARU氏のMCだ。毎回フロアをアジテートする熱い言葉を投げ掛けるけど、この日は「自らの好きな音楽に誇りを持て!」、「リスナーのみんながいるから俺たちはステージに立てる!」とこれまで以上に熱い想いを投げ掛けるMCに観ている側は冗談抜きに胸が熱くなってしまったよ。
 そこから後半のセットは本当にあっという間だった。「不毛の地」の様な過去の楽曲を盛り込みつつ、「葬送行進」のズタズタの音に殺され、「絶えぬ火」のブルータルさに燃やされ、本編ラストの「砂上」の地獄の音像で完全燃焼という考えられるだけでも完璧なセットで幕を閉じる筈だった。
 だけどクライマックスは鳴り止まない拍手により行われたアンコールにあった。プレイされたのはまさかの「灰下に色付く記憶」!!かつてのCOHOLの名曲が演奏された事が本当に嬉しかったけど、それ以上にこの日一番の熱さで繰り出される全身全霊のライブ!!
 特にHIROMASA氏が顔に巻いた包帯を剥ぎ取り、素顔を晒して演奏した瞬間は否応なしに泣くしかなくなってしまった…例えどんなに暗黒だとかエクストリームミュージックと呼ばれても、COHOLの核にあるのは常に全身全霊の本気の熱さだけだって事。それが本当に嬉しくて嬉しくて…泣かない訳ねえし!!ズルいにも程があるよ!!

セットリスト

1.冷たい石
2.下部構造
3.暗君
4.地に堕ちる
5.不毛の地
6.葬送行進
7.絶えぬ火
8.砂上

en.灰下に色付く記憶



 このライブにて「裏現」リリースツアーは終了したが、まだまだCOHOLは止まらない。今年は台湾ツアーに中国ツアーにヨーロッパツアーと日本だけに留まらず世界中を駆け巡るCOHOL。「裏現」にて本格的な海外進出を果たした彼らだけど、まだまだ夢の先に行く為に飛び回るのだ。
 今回のツアーファイナルは僕個人としては世界に飛び立つCOHOLをしっかりと見送りたいという気持ちで足を運ばせて頂いたが、COHOLは更にパワーアップして日本に帰ってくるだろうし、その時は更に凄まじいバンドとなって僕たちの前に姿を現すだろう。
 国内エクストリームミュージック独自勢力である彼らがここまで多くの人に支持されるまでになったのは、その音楽の素晴らしさは勿論だけど、どこまでも本気の熱さと絶対にブレ無い誇りがあるからだと僕は思う。
 だからこそCOHOLがまた日本に帰ってくる時まで、いやこれからも僕は自分が大好きな音楽に誇りを持ち続ける事をここに誓うよ。
タグ : ライブレポ

■【金星からマントルまで】ZOTHIQUE、ロングインタビュー

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 ZOTHIQUEは形容不可能な宇宙だと僕は思う。
 ハードコアパンクバンドHoly & Blightから始まり、改名、メンバーチェンジにより現在のZOTHIQUEが完成してから、ZOTHIQUEは常に想像の斜め上の音だけを生み出し続けている。
 毎年コンスタントにアルバムをリリースするハイペースな創作活動、日本全国に留まらず海外での積極的なライブ展開、ZOTHIQUEはこれまで常に止まること無く新たなる音を創造し続けた。
 Shusuke Shimonakaの脳内のコンセプチャアルな世界観を軸にしながらも、メンバー全員がコンポーザーであり、ハードコア・スラッジ・ドゥームに留まらず、アンビエント・サイケデリックを飲み込んで、金星から地底まで自在に行き来する未知の世界は既存の音楽の文脈から外れに外れており、ZOTHIQUEという言葉でしか表せない物になっている。
 今回はそんなZOTHIQUEの全容に迫るため、Shusuke Shimonaka(Vo.Gt)、Jah Excretion(Ba.Drone)、Darklaw(Key.Noise)、Koji Ueno(Dr)のメンバー全員集合インタビューを敢行させて頂いた。
 バンドの生い立ちから、ZOTHIQUEが信じるロックの魔力、そしてこれまでリリースした作品について色々と答えてくれている。



・まずはZOTHIQUEの結成から今に至るまでをお聞きしたいなと。

Shimonaka:元々は2007年か2008年頃にHoly & Blightというハードコアバンドを僕とKojiさんの二人で始めたんですよ。その時はヨナさんという女性ベーシストもいました。
 僕が最初にKojiさんと出会ったのは歌舞伎町のマザーというロックバーで、いつも潰れてる人がいるなって。それで話しかけてみたらハードコアとかが凄く好きでドラムをやっているという事だったので、「バンドやりたいのでやりませんか?」と誘ったんですよ。
 ヨナさんはマザーのバーテンダーで、聞いてみたらベースやっててパンクが好きで昔バンドやってたと言うから、無理矢理引っ張り込んで、最初は3人で幡ヶ谷のスタジオでCrassとかBad Brainsとか7 SecondsとかS.O.Dとかのカバーをやってました。

・その当時は完全にパンクバンドだったんですね。

Shimonaka:そうです。僕が好きなハードコアパンク、Kojiさんが好きなS.O.Dとかをカバーしてって感じでした。

Ueno:僕は元々はスラッシュメタルかな?

Shimonaka:それで毎週スタジオに入ってカバーをやっている内にオリジナルをやろうとなって、Holy & Blightというバンド名にしました。
 Holy & Blightと名付けたのは3人ともゴダイゴが好きだったので、ゴダイゴの曲名を拝借させて頂きました。それでオリジナルを始めました。
 僕は単純にハードコアパンクがやりたかったのですけど、KojiさんはHigh On FireとかSleepとか…

Ueno:その当時はスラッジとかストーナーを一番聴いてましたね。

Shimonaka:それでそういった音楽を教えてくれて、そういった音楽を取り入れようとなり、音源を録ってアースダムとかWALLに出演する様になりました。
 その頃に僕がたまたま高円寺に引っ越したタイミングがあり、高円寺のstudio DOMで「COSMO」というイベントがあったんです。それは色々なジャンルの訳の分からない音楽を一人でやったりバンドでやったりしている人たちばかりが出演して、二日間とか三日間とかひたすら4部屋のスタジオであらゆるアンダーグラウンドのミュージシャンが集まってライブをしまくるというフェスみたいな物でした。
 そこになんとなく自分も関わる様になって、DOMのオーナーさんから「ライブ出てみなよ?」と誘われたんですよ。そのコミュニティ自体には僕たちは全く属していなかったんですけど、そこにも自然と参加する様になって、そこで出会ったのがDarklawさんです。
 Darklawさんはその頃は「珍屋」という高円寺の北中通りのレコード屋のオーナーで、インダストリアルを一人でやっていたんです。それでDOMのオーナーさんが「Darklawというヤバいアーティストがいて、その人も出るからお前らも出ろ。」と言われて、面白そうだと思って「COSMO」に参加した時に何かの切欠で一緒にやろうとなったんです。

Darklaw:誘われただけだよ(笑)

全員:(爆笑)

Shimonaka:Holy & BlightはZOTHIQUEの原型みたいな所はあったんですけど、その当時は僕がサンプラーを使って色々な音をサンプリングした物を鳴らしながらやるってスタイルだったんですよ。
 ある日サンプラーが壊れて、代わりにDarklawさんにやって貰おうと思ったんです。それで「セッションやりましょう!」って誘って「COSMO」で半分セッションって感じでやった時に、何かがしっくり来て…その時にDarklawさんはACE TONEというオルガンを使っていてました。
 それでなし崩しな感じで音源を作ろうとなり、聞いてみたらDarklawさんはエンジニアでもあったという事で、そこも全部お願いして4人で音源を作りました。

・Holy & Blight時代からDarklawさんはメンバーだったと。
 
Shimonaka:でした。

Ueno:他にもジャンベのプレイヤーと一緒にやったりもあって、その当時から周くんはサンプラーに限らず何かを融合していこうというスタイルだったよね?

Shimonaka:そういう気持ちはありましたね。

Ueno:目的では無いにしても、自分のイメージしている感じでは単純に好きな音を加えるって感じだったのかなって。

Shimonaka:単純に自分には出来ない事をやってくれる人と一緒にやりたいってのはありましたね。

・バンド自体はHoly & Blightを母体にZOTHIQUEになった訳ですが、ZOTHIQUEへと変わった切欠は何だったのでしょうか?

Shimonaka:Coffinsの当時のメンバーだったRyoくん(現GUEVNNA)がドラムを叩いていた時期に一緒に対バンさせて頂いたりしていたこともあって、Coffinsが初めてのヨーロッパツアーに行く2011年にローディーとして来てほしいと誘って頂いたんです。丁度サラリーマンを辞めたタイミングだったのもあって二つ返事で同行させて頂く事になりました。
 その時はヨーロッパを2週間くらい回ったんですけど、「Roadburn Festival」というオランダで開催されているドゥームとかストーナーとかスラッジの祭典がありまして、その最終日にCoffinsが参加していたんですけど、そのツアー体験に触発されて、もっとヘビィな物をやってみたいなと思い始めました。
 で、日本に戻ってきた時にもっとヘビィでドゥーミーな音楽をやろうと決意し、バンドのコンセプト等を考え直して、その時に僕が昔から好きだったハワード・フィリップス・ラヴクラフトとかクラーク・アシュトン・スミスとかの自分のルーツになっているコズミックホラーな世界観をもう一回ひっくり返してみようとなり、それでHoly & Blightのメンバーに「バンド名を一回変えて、ヘビィな物をやりませんか?」とメンバーに打診して一度音源を録り直しました。
 その時に録った「The Circular Ruins」という曲をYoutubeにアップしたら、Agoraphobic Nosebleedのジェイ・ランドールがそれを見つけてくれて、「ネットでフリー音源をリリースしてみないか?」というオファーが来て、それでZOTHIQUEでもう一曲作って音源をリリースする事になり、そこからトントン拍子でZOTHIQUEという形が出来ました。
 その頃にヘビィで尚且つ何か気持ち悪く更にハードコアパンクが根っこにある、コンセプトありきの音楽を作っていこうというスタンスが自然と出来上がって、今に至っているという感じです。



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・ZOTHIQUEがこれまでリリースした作品はどれもコンセプチュアルなカラーが強いですよね。でも1stアルバムである「Alkaloid Superstar」はまだハードコア色が色濃い感じでしたね。

Shimonaka:ハードコアはやっぱり根っこにあるので拭い去れないですね。

・2ndアルバム「ZOTHIQUE」から今のZOTHIQUEのサウンドが固まった印象を受けます。

Shimonaka:1st以前のデジタルで音源をリリースした時からコンセプチュアルさはありましたが、そこから1stを制作した時は無理矢理スケジュールを組んで「取り敢えず作品を作りたい!!」って感じで物凄くタイトなスケジュールで録音したんですよね。
 その時はヨナさんも子供が生まれてバンドを離れていて、タケルっていう別のハードコアバンドをやっていたベーシストを引っ張り込んで何とか作った感じです。

・JAHさんの加入は1stリリース直後ですか?

Shimonaka:1stをリリースした直後に僕が単身で中国に半年程滞在しててブランクがありました。
 そこからまたライブをやろうとなった時に色々あってそのサポートベーシストが離れる事になって、でもライブは決まっていたからどうしようって時にJAH君に声をかけたらやってくれるって事になり、一回だけスタジオ入って本番でした(笑)。その時に全く予想してなかった音をJAH君が出してくれたんです。

・JAHさんが加入して方向性が固まったというか、かなりサイケデリックなサウンドになりましたよね。

Shimonaka:明らかにそうなりました。それが結実したのが2ndです。

・Darklawさんは元々インダストリアルの方ですし、JAHさんも元々はアンビエントのアーティストじゃないですか?それが今のZOTHIQUEの全員がコンポーザーってスタイルに繋がったと思います。

Shimonaka:それは狙ってそうなったというより、自然とそうなった感じです。一番最初は僕が全部曲を作ってましたが、1stもDarklawさんが作ったリフから生まれた曲もあります。
 3rdアルバム「Faith, Hope And Charity」のそれぞれが持ってきたアイデアを活かすっていうのは特に自然とそうなった感じです。

・3rdはJAHさんの作曲された「Venus」シリーズの2曲がZOTHIQUEの新たな可能性の生み出す切欠になったと思います。あの2曲はZOTHIQUEの中で何を表現しようと思って作られた感じですか?

JAH:最初に「金星」っていうテーマで曲を作ることになったから、金星の事を考えながら作りました(笑)。金星に行ける曲みたいな感じです(笑)。それとインストっていう指定も周くんからありましたね。

・3rdからインストの曲も取り入れる様になりましたよね。2ndの頃もそんな空気はありましたが。

Shimonaka:それはこういうのもやりたかったんだろうなっていう…自分一人では出来ないけど、自分と全然違うバックグラウンドの人がどう表現するのかっていうのを見てみたかったってのはありますね。
 そこに歌が無きゃいけないっていう縛りは必要ないのかなって。



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・3rdはUenoさんとDarklawさんも曲を作られてますが、個人的に意外だったのはDarklawさんが一番ヘビィで邪悪な曲を持ってきた事です。

Darklaw:それはZOTHIQUEなんで。元々はそうしたバックグラウンドがある上での結果ですよ。
 そもそもDarklaw名義での音楽はインダストリアルとは言ってはいますけど、僕の世代は色々な音楽が混じっている世代だと思うんですよ。だからインダストリアルがMinistryみたいにスラッシュ方向に行ったりとか、ハードコアがインダストリアルやり始めたりとか、それにジャンクロックとか色々あった世代なんで。
 自分が一番やりたい事は別の所でやれているから、逆にZOTHIQUEの中でやりたい事ってのは提示しやすいんですよ。

・だからDarklawさんは器用なアーティストだと思います。ZOTHIQUEというチャンネルもDarklawってチャンネルも存在してて。

Darklaw:まあ4バンドやってるんで。そこはやっぱりちゃんと切り分けないと。

Ueno:それをこなせてる時点で大分器用じゃないかなと。エンジニアもやってますし。

Darklaw:普段の生活が全く器用じゃないという(笑)。

全員:(爆笑)

Darklaw:私生活は全く器用じゃないけど(笑)

Ueno:疎かになっているという(笑)

Darklaw:そこをオチに(笑)

・Uenoさんの方はUenoさんの中のスラッシュが好きだったりみたいなルーツがあるじゃないですか?自分のルーツをどうZOTHIQUEに変換しているかとかありますか?

Ueno:僕の中にZOTHIQUEって概念は全く無くて、アルバムのコンセプトとかは全て周くんありきなんですよ。それに自分が持っている物を合わせて、いかに増幅出来るかってのを…無理矢理言うとそうですね。
 周くんとは音楽の趣味が合うってのもあるけど、ZOTHIQUEの概念は周くんの物ですし、それを僕が理解出来ているかも怪しいけど、そこはよく話しているから感覚的には分かるいう。どうしたら正解かなんて無いから、自分がやりたいことをやるってだけです。

・Shimonakaさんが思い描く世界観に、他のメンバー3人がそれぞれの色を加えて起こる変化についてはどう思いますか?

Shimonaka:それは自分の元々持っていた世界観以上の広がりと言うか、自分が想像もしていなかった世界が生まれるというか、新しい宇宙が生まれるって感覚が凄く面白いなって思います。
 自分だけの宇宙が、ZOTHIQUEの4人でやることで、自分だけじゃない宇宙が生まれるって事が滅茶苦茶面白いです!それはもうバンドマジックなのかもしれません。

・軸はShimonakaさんにありますけど、4人で作り上げた音っていうのが今のZOTHIQUEだと思います。

Shimonaka:今のZOTHIQUEの世界ってのは、自分が思っているZOTHIQUE以上にZOTHIQUEなんじゃないかなって。

・想像を超えた物を提示していると思います。

Shimonaka:もう金星どころか太陽系の外まで行ってしまって、どこまで行くか分からないけど、どこに行ってしまうかっていうのを考えるのが今は楽しいです。

・ある意味SF的な世界を。

Shimonaka:それは元々そうなんですけど、自分の想像の範囲を明らかに超えてしまったので、何だろう…自分が考えていたコンセプトが制御出来ない様な所にぶっ飛んでしまうという感じがあります。この4人で作品を作ったり、ライブをやったりツアーに行ったりしている中で。

・だからこそZOTHIQUEは良い意味でジャンルレスですよね。

Shimonaka:元からこういうジャンルでこうとかってのは考えてないので。

・人によってZOTHIQUEの何がフィットするかってのは全然違うと思います。ハードコアな部分だったり、ドゥーミーな部分だったり、ポストロック・アンビエントな要素かもしれなかったり、本当に人によって受け取り方も求める事も違うと思います。だからZOTHIQUEの音を受け取った人の抱く物はバラバラになると思うんですよ。
 さっきShimonakaさんも何処に行くのか分からないと仰ってましたが、聴き手は尚更良い意味で予想が出来ないと思います。僕はもう次のアルバムがどうなるか予想出来ないので(笑)。


Shimonaka:僕も分からないですね(笑)。

・それこそ純粋なロックの面白さじゃ無いかなと。

Shimonaka:それは本当に思います!ロックの面白さってそこだと思ってて、The DoorsもデビッドボウイもGrateful Deadもやっぱり次に何が出てくるか分からないとかが面白いと思うので。そこを狙うとか以前に面白い事をやりたいなって。

Ueno:ZOTHIQUEは周くんのコンセプトありきではあるけど、それってバンドサウンドでこういう音作りをしろっていう物じゃないじゃん?そこだよね。
 だから周くんがやっている事は、バンドメンバーがいてバンドやっている以上、周くんのコンセプトに合わせる為にコンダクトするというか、周くんはそれが上手いと思う。要はそういう人なり音なりを集めるというか。

Shimonaka:そこはよく分からないです(笑)

・多分Shimonakaさんは基礎的なコンセプト以外は何も狙ってないのかなって。Shimonakaさんのコンセプトってそれこそ精神的な物で、ルーツになっている小説だったりの世界観だと思うので。その精神的な部分を音で表現する時は何も狙ってないというか。

Ueno:そこの部分はバンドメンバーに任せているという。

Shimonaka:僕の中では映画を作っている感覚に近いんですよ。ビジュアルを担当する人がいたりとか、俳優の人がいて、舞台装置を作る人がいて、脚本家がいて、それをどう作品として成り立たせていくかっていう。ZOTHIQUEをやるってのは映画を作る感覚に近いのかなって。

Ueno:だから周くんはディレクトとかコンダクトとかマネージメントが上手いと思う。

Darklaw:周くんは多分そこら辺の実感は無いんじゃない(笑)。









・その映画的な部分が色濃く出たのが先日リリースされた「Limbo」(2015年12月のライブで無料配布、今後商品として流通予定。)だと思います。「Limbo」はどなたが作曲されましたか?

Shimonaka:原型は僕が作りました。

Darklaw:3,4年前に即興で曲を作るってなって、中野で僕と周くんで録音して、そこから何かを作りたいって感じだったかな?前半のアンビエントパートはその時に録音した物だね。

Shimonaka:元々の前半のピアノの音はDarklawさんと2人で録音して作りました。
 実は2ndに収録しようと思ってたんですけど、諸々あって収録出来なくて、当然3rdにも収録出来なくて、ずっと音だけ残ってたんです。
 それで3rdをリリースしてツアーが終わった後に、後半部分を作って一つの楽曲にしようと思い、それでタイトスケジュールの中でみんなでスタジオに入って後半部分を作りました。4年前から温めてた曲です。

・僕は宇宙的な意味でのZOTHIQUEを象徴する曲なのかなって。

Shimonaka:前半部分は4年前に作った物ですけど、後半部分はこの4人でしか出来ない物だと思ってます。4年前に出来た物と3rdを出してからのバンドのアンサンブルが違和感無く繋がったのも面白いなって。
 そもそもDarklawさんがエンジニアで、その技術が無かったら出来なかった物なんです。3rdもレコーディングもミックスもマスタリングもDarklawさんが全部手がけてますし、それも含めて作品だと僕は思ってます。1stも2ndもそうですし。

・レコーディングやパッケージングも含めて作品ですもんね。

Shimonaka:こうやってコンスタントに作品をリリースするってのもDarklawさんがいないと出来ませんし、もし別のエンジニアさんとかに頼んだらこんな感じではいかないなって。

Darklaw:周くんの良い所ってさっきも出たけどコンセプトが凄くしっかりしてるんで、そこに向かうだけで良いんですよ。
 それに加えてZOTHIQUEは凄くノイズ的なバンドなんですよ。最初に何かを作りたいって言って作らないから、結果こうなったらこれで良いじゃないかと。
 その後にライブで同じ曲を演奏するにしても、アレンジがどんどん変わっていくので、やっている事が凄く即興的なんですよ。人生その物も即興的なんですけど(笑)。

全員:(笑)

Darklaw:それに近い物が俺は好きなんですよね。最初から完成度の高い物を作るっていうより、ロックの鋭さってそうした部分も全部出し切る方が格好良いかなって。
 だからDarklawでの音楽もインダストリアルとは言ってますけど、実はロックだと自負してます。インダストリアルとかノイズってそこを一番抽出した部分だと俺は思ってるので。音じゃ無いんです。そういった意味ではZOTHIQUEは凄くノイズバンドだと思います。

・精神的ノイズバンドとして。

Darklaw:即興が利くバンドってそう中々いないじゃないですか?

・だからこそZOTHIQUEを聴いた人の受け取り方が全然違うんだなって。単純に面白いです。

Darklaw:音よりもキャラクター的な部分を見てもらった方が面白いのかもしれません。ロックってそんな物じゃないですか?

・ですね!ZOTHIQUEってロマンなんだなって!Darklawさんの捉え方はノイズとありましたが、僕は単純なロマンだと捉えてます。 そのロマンが何処に行くかが分からないという。それが宇宙かもしれないし、地底かもしれないという。地底もロマンなんですよね。マントルヤバい!!みたいな。

Darklaw:マントルは鉄分が凄いですからね。面白い話があるんですけど、マントルって元々鉄分じゃ無いですか?地底に行くほど鉄分も多いみたいで。宇宙はどこに向かうってなると、こないだどこかの記事にあったんですけど「実は鉄に向かっているんじゃないか?」ってありまして、全部鉄になるってのがあるらしく、あらゆる原子が鉄に戻っていくらしいです。
 だから上見ても下見ても「鉄か!!」ってロマンがあるんです。

Ueno:メタル!!

Darklaw:メタルに回帰だ!

全員:(爆笑)

・それでは最後に今後の事ですが、これまで毎年コンスタントにアルバムをリリースしてましたが、今後もハイペースに創作活動を続ける感じでしょうか?

Shimonaka:いや~今年はまだ分からないですね(笑)。でもアイデアは今この瞬間から生まれているので今年もアルバムを出しますよ!

・でも制限の無いバンドじゃないですか?

Ueno:昨日無かった制限が明日あったりもあるので(笑)。

Shimonaka:気分屋なんで(笑)。

・ライブも積極的ですよね。

Shimonaka:ライブは去年も一杯やりましたし、今年も色々お話を頂いて決まってきてます。何よりも面白い事をやっていきたいので、それだけです。



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【ZOTHIQUEライブ予定】

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2/6 (SAT) 国分寺モルガーナ
With/ BIRUSHANAH (大阪), Airtonic 
Open18:30 Start 19:00  ¥2000+1D




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2/7 (SUN) 東高円寺二万電圧
With/ OOZEPUS, Sithter, Su19b, マグダラ呪念, ダンウィッチの犬
Open.17:00 Start.17:30  Adv.2,000yen Door.2,300yen (+1d 500yen)




2/21 (SUN) 西荻窪FLAT  
With/ Pinplick Punishment




【オフィシャルサイト】http://zothiquejp.blogspot.jp/
【Facebook】https://www.facebook.com/zothiquejp/
【Twitter】https://twitter.com/zothique_doom
【bandcamp】http://zothique.bandcamp.com/music



photographer : 杨有情

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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