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■darc/syrup16g

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posted with amazlet at 18.01.29
syrup16g
DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT (2016-11-16)
売り上げランキング: 12,274




2016年秋の「HAIKAI」ツアーに合わせて突如としてリリースされたsyrup16gの9thアルバム。
全8曲36分とアルバムとミニアルバムの中間の何とも言えないサイズのアルバムで、ジャケもFOO FIGHTERSへのオマージュであるがそこら辺で売ってそうな水鉄砲と本気なのかふざけてるのかよくわからない感じではあるが、それとは裏腹に再結成後のシロップの新たな音を提示した名作に仕上がった。



公式でのインフォメーションでは1stアルバムである「COPY」制作当時と同じ気持ちで作られた作品とアナウンスされていたが、結論から言えば過去のシロップへの懐古的な作品ではなく、自らの原点を見つめ直した上で現在進行形のシロップへとアップロードした長年追いかけて来たファンならずとも必聴の名盤となった。
リードトラックとしてMVが公開されている「Deathparade」こそロック色の強いアプローチをしているが、残りの楽曲では派手なアプローチは全くしておらず、その点はシロップが新たなファンを獲得する気があるのかと言う批判も生んでいるが、そもそもシロップというバンド自体が外へのアプローチに必要以上に固執せず、自らの愛した音楽へのセンチメンタルな感情と五十嵐隆という男の個人的感情の吐露であるのだから、自らに素直になった結果生まれたアプローチだと僕は思う。

再結成後の「Hurt」、「Kranke」という2作品では様々なアプローチを試み、再結成後のシロップを構築している作品だと僕は感じたが、今作が持つ不穏さはシロップが持つ糖度の粘りを新しい感触で蘇らせた物だろう。
少しロウでくぐもったサウンドプロダクトもあるが、第1曲「Cassis soda&Honeymoon」の最低限の展開の中で不協和音の中の甘さで陶酔させ沈んでいく音にいきなり飲み込まれていく。
第4曲「Father's Day」の繰り返されるフレーズが徐々に轟音へと変貌しながら、決して高揚感へと導かないドープなサウンドも不思議と胸に突き刺さる。

その一方で五十嵐隆の十八番である最低限のシンプルなコード進行で吐きそうな程に甘いメロディを携えたシロップのアプローチも磨きがかかっている。第3曲「I'll be there」と第7曲「Murder you know」の2曲が今作の肝となる2曲であり、これまでのキャリアの中で築き上げたシロップ名曲殿堂の中でもトップレベルの普遍的名曲だ。
そしてラストを飾る「Rookie Yankee」のアコギと共に振り絞るように歌い上げるやけっぱちながらも前向きな言葉と音の生々しさは胸に突き刺さる物だ。




syrup16gという多くの熱狂的ファンを抱えるだけでなく、奇跡的な生還劇を果たしたバンドは他の再結成バンド以上に過去は美化され、再結成後も活動させしてくれたら嬉しいみたいな感情が生まれやすいのかもしれない。
だけど僕はシロップが再結成のアナウンスと同時に新作アルバムを引っさげてくれた事を含めて、シロップの今を支持したい。
それは過去への懐古でも焼き直しでもなく、もがきながらも自らの武器を磨き上げ、解散前という過去を焼きはらおうとしてくれているからなのかもしれない。
決して派手なアルバムではないが、シロップが持つ屈指のメロディセンスと五十嵐隆の言葉のセンスが鈍く光る今作を僕は支持したい。

80年代UKロックや日本のオルタナティブロックという自らのルーツを見つめ直したアプローチが並ぶという点は確かに「COPY」と同じ気持ちで作られた作品なのかもしれないが、15年という時を経てsyrup16gというバンドが新たな進化を遂げた事を証明している。
時流に流されず、どっしりと力強く構えた全8曲。五十嵐隆が歌うリアルは未来へと確かに向けられている。



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