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■syrup16g COPY発売16周年記念ツアー「十六夜 <IZAYOI>」【十二夜】(2018年2月23日)@HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3

2014年の再結成以降コンスタントな音源リリースとツアーで精力的に活動を続けるsyrup16g 。
昨年秋から彼らの1stアルバム「COPY」のリリース16周年を記念した計16本のツアーを行なっているが、そのツアーの12本目はフロントマン五十嵐隆の故郷である埼玉県北与野でのライヴ。いわば凱旋ライヴだ。

会場となったHEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3のキャパは350人とシロップの人気を考えたら明らかに小箱。そんな特別なライヴに奇跡的にチケットを取る事が出来、今回埼玉県北与野まで足を運ばせて頂いた。
さいたま新都心駅から徒歩6分ほどで会場に到着。初めて訪れたハコだが、本当に小箱で真後ろでも余裕でステージが見える。こうした環境で大好きなシロップのライヴを体感出来た事が未だに実感が湧かない。
フロアの人々からも期待が空気となって異様に伝わってくる。その時点でこの夜が特別な夜になる事を確信した。



開演の19時から約5分ほど押して客電が落ち、五十嵐隆凱旋ライヴはスタート。キックオフは「クロール」から。
冷徹なギターフレーズとビートのグルーヴが序盤からかなり好調で、フロアの熱をいきなり高める。個人的にシロップ屈指の名曲だと思う「star slave」でメランコリックな空気を生み出しながら、「冴えないコード」のざらつきと「upside down」の切れ味鋭くファンキーなアンサンブルと不穏さでシロップだけの空気を既に形成。
この日は各楽器隊のアンサンブルのキレがかなり好調で、3ピースの美学を凝縮したかの様なアンサンブル、五十嵐自身の気合と気迫が見事に組み合わさり、バンドとしての状態はかなり好調に見えた。
ドラム中畑のMCで「今日はがっちゃんがどうしてもやりたい曲をやる。」との言葉に一気に湧くフロア、五十嵐が何故かスギちゃん風に「やっちゃうよー!」なんて言ってたのも妙に印象深い。
埼玉が生んだバンドでありながら埼玉でのライヴは実は2回目だなんてMCもあったが、五十嵐本人からかなりハッスルしたテンションが伝わってきたのは嬉しかった。

「これで終わり」と「赤いカラス」でセンチメンタリズム全開な空気を生み出しながら、五十嵐の「頭使って行きましょう。」の言葉からの「前頭葉」で加速するギア、印象的な倍音の効いたベースのイントロから雪崩れ込むアンセム「Sonic Disorder」と中盤に差し掛かり、場の熱量が一気に高まる。
「前頭葉」から「Sonic Disorder」の流れはロックバンドとしてのsyrup16gの実力が遺憾無く発揮されてた瞬間でもあった。
五十嵐自身が「今日はライヴハウスのオーデション受けてた頃の気持ちです。皆さんが審査員というかライヴハウスの人って感じで…」といった旨のMCをしていたが、バンド側と客側双方の熱がぶつかり合い確かな化学反応を起こしていた。
厳格な緊張感もあったが、その中にある不思議と暖かい空気、本編後半は特にそうした空気が充満し、そんな中で鳴らされた「翌日」は特別な意味を持っていた。
本編終盤の「落堕」では五十嵐ハンドマイクも飛び出し盛り上がりも最高潮を迎え、「変拍子」、「光なき窓」で本編は終了。

アンコールは再び厳格な緊張感の中で「無効の日」から。まさかやると思わなかった「君のかほり」、「もういいって」と厳格系ファンなら大歓喜なまさかの選曲。
「Drawn the light」「真空」とアンコールラストは必殺のキラーチューンで締めくくり。
「Drawn the light」の時は五十嵐のボーカルも叫ぶ様な切迫感溢れる物になっており、異常なまでのエモーションのままアンコールは突き抜けた。

アンコールを終え客電が点きBGMが流れても全く鳴り止まない二度目のアンコールを求める拍手。それに応え恐らく予定されてなかった二度目のアンコールはこの日の一番のハイライトだった。
まさかまさかの「エビセン」という二度とライヴでやるなんて思ってなかったsyrup16g の裏の大名曲をプレイ。
セミアコの寂しい空気感を纏ったギターの音色と最小限まで絞り込んだシンプルなビート、水色と青紫の照明もあって幻想的な空気感が尋常じゃなかった。
この日全体に言えることでもあるけど、ヘヴンズロック側の照明もこの日は良い空気を生み出しており、小箱のライヴだからこそのリアルな温もり、それに反する時は幻想的な空気感、視覚面もシロップの楽曲と見事にシンクロしていた。
最後の最後はアンセム「生活」で締めくくり。この日一番の盛り上がりで約2時間のライヴは終了。開放感とポジティブなエネルギーに満ちて締めくくられるシロップのライヴはこれまで体感したシロップのライヴの中でも初めてで、それが本当に嬉しかった。



セットリスト

1.クロール
2.star slave
3.冴えないコード
4.upside down
5.これで終わり
6.赤いカラス
7.前頭葉
8.Sonic Disorder
9.夢みたい
10.センチメンタル
11.開けられずじまいの心の窓から
12.翌日
13.落堕
14.変拍子
15.光なき窓

en1.無効の日
en2.君のかほり
en3.もういいって
en4.Drawn the light
en5.真空

en6.エビセン
en7.生活



二度目のアンコールの時の五十嵐のMCで「少しでも良い顔でそこの門をくぐって表に出てもらえたら嬉しいです。」とあったが、これまでになくシロップ自身が聴き手と向き合い、ポジティブなエネルギーを発してた事を象徴する言葉だったと個人的に思う。
五十嵐の故郷でのライヴという特別な事実もあるのかもしれないが、そうした事実を抜きに、シロップとフロアの客が確かにコミュニケーションを取り、双方の熱量が特別な空気を確かに生み出していた。
普段は大してMCをしないバンドなのに、五十嵐がいつになく饒舌にMCをしていた事や曲間に「北与野ー!!」なんて煽りをしていて、これまでライヴと映像で触れ続けたシロップのイメージが大きく変わったりもしたが、それはsyrup16gが今こそバンドとして最高の状態である事の表れなのだろう。

シロップが終わった2008年3月1日の武道館からもうすぐ10年が経つ。
あの日墜落したsyrup16gが奇跡の生還を果たし、過去も今も未来も全てやけっぱちだけど前向きな空気で新たなる足跡を刻み続けている事実。僕はそれが本当に嬉しい。そんな十二夜でした。
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メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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