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■それでも世界が続くなら活動中止ワンマン公演「休戦協定」を目撃して。

今年の頭、それでも世界が続くならという少し変わった屋号を名乗るバンドの活動中止が発表された。
ドラムのクリハラ氏が「燃え尽きた」と言う事で脱退を申し出た事、それを受けての活動中止。解散でも活動休止でもなく活動中止ってのがなんとも彼ららしい。
それから来年の2月11日にバンドがどうなるかの報告の約束がアナウンスされたが、一旦活動中止という事で彼らのホームグラウンドである下北沢QUEにて活動中止ワンマン。チケットが販売された頃はまだまだ寒い季節で、それから季節は巡り9月2日を迎えた。
何処か漠然と活動中止の事実を受け入れつつ、それでも世界が続くならという不器用すぎるバンドと休憩協定を結びに下北沢QUEへと足を運んだ。



実際この文章は活動中止ワンマンから大分日が経ってから綴っているけど、自分の中で色々な感情が何もまとまりきってなんかいない。
僕自身はこのバンドを知って三年程の人間で、決して長くバンドを追えてた人間ではない。
だけど自分なりに可能な限りライヴには足を運び、何度ライヴを体感しても、彼らの鳴らす痛みは理屈を超えた感情にいつも襲われ、バンドと真正面から対峙する闘いだと思い続けていた。
休戦協定なんてタイトルが付けられたライヴであったが、休戦の意味を彼らは本当に分かってるのか疑いたくなってしまう。
これまで何度も目撃したどのライヴよりも、4人はステージの上で全力で闘い、音楽で痛みを鳴らしながら、観る人々をぶん殴る轟音を鳴らしていただけだった。

アンコール含め2時間以上に渡って繰り広げられたライヴは何度も何度も涙が溢れてしまい、正直今でもまともにそれを記録する事が出来る状態じゃない。
MCはほぼ無し、序盤からフルスロットルで襲い来る轟音、メンバー4人が全力で倒れそうになりながらも異様な気迫で繰り広げる演奏。
いつだってこのバンドはボロボロになりながら曲を作り続け、ライヴを続けて来た自他共に認めるライヴバンドでしかない。
器用な演出やステージングも、気の利いたMCも出来やしない不恰好過ぎるバンドだった。
これまで何度も何度も再生し続けた曲達が毎回ハイライトの様に目まぐるしく鼓膜から感情を殴りつけて来る瞬間ばかりで本当にしんどくなって立ってるのも辛くなった瞬間も情けないけどあった。
グルグルと頭の中で色々な過去の記憶がフラッシュバックして、嬉しかったことも忘れてしまいたいことも走馬灯の様に駆け巡りながら、ずっとステージから放たれる轟音に掴まれたまま。

最後の最後に本当に忘れられない瞬間があった。
アンコールの最後にプレイされたのは僕がこのバンドで個人的に一番大好きな「最後の日」だったのだけど、篠塚氏が「アンコールさせねえような演奏しろよ!!」って叫びから曲の頭のリフが弾き倒されたその瞬間、僕の中で張り詰めてた気持ちが一気に解放されていく。
歌詞は殆どアドリブで必死に観る人々にその感情を伝えようと闘う4人の姿は本当に美しくて、立ってるのもやっとでフラフラで無様なのに、その姿に「演奏会」なんか出来やしない本物の「ライブバンド」の姿があった。
最後の言葉は「殺せるもんなら殺してみろ。」やっぱり休戦協定って言葉の意味を間違えてるんじゃないか。



2時間以上に渡るライヴと言う名の闘いは轟音と叫びと共にそれぞれが血を流しながらそれでも生きているという事実を叩きつけるものだった。
ライヴレポなんてとても呼べる文章を今回はいつにも増して書けてない。その瞬間にしがみつくだけで精一杯になってしまった。
でも彼らが鳴らす音楽に確かに心が動く人間でいれて本当に良かった。
カテゴライズされた等身大とか痛みじゃ無い。それぞれが生き続ける上で薄っすらと残してしまった傷跡に直で響き渡る音楽をこのバンドは鳴らし続けていた。
オルタナティブだとかシューゲイザーだとかそんな物じゃなくて、その言葉と音を食らって感じたことが全てな音楽。音楽を聴き始めたばかりの頃の自分はそんな感覚で音楽を聴き続けていたんだなってのをふと思い出した。そしてこの年齢になっても音楽を聴き続けている人間でいれて本当に良かった。



それでも世界が続くならの今後は来年の2月11日まで分からない。それがどんな報告になろうとも、僕は自然とそれを受け入れる事が出来る気がする。
この日のライヴを体感して、このまま休戦するなんて到底思えやしない。例え形は変わってしまったとしても、この4人はまた全力で不器用に血を流しながら音楽を続けてくれるって信じる事が出来る。



この日の休戦協定は死ぬまで忘れる事の出来ない記憶として僕の中に残り続けるだろう。
そんな忘れられない瞬間は音楽を聴き続けて来た僕にとってずっと大切に守り続けていきたいものだ。
そんな瞬間があるなら音楽をこれからも聴く。新しい音楽を探し続ける、自分の痛みと共に生きていく。
そしてそれでも世界が続くならというバンドへの感謝をこのライヴレポ紛いな手紙で記させてもらう。本当にありがとう。
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タグ : ライブレポ

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